『はたらく細胞フレンド』第3巻その2です。ところで先日、『はたらく細胞第3巻』という投稿をしていますが、『はたらく細胞フレンド』の誤りです。失礼いたしました、訂正しています。
<忘年会>
1年を通じて忙しいキラーT細胞。四季のウイルス、ムンプス、アデノ、ノロ、インフルエンザ。戦闘で貢献できないナイーブT細胞は、上司優先で忘年会の幹事を務めるが、班長は意に介していないようだった。とはいうものの、実は彼はこれを楽しみにしており、ならば二次会もブックマークしようと、この際大して必要もない気遣いをしてしまう。
しかし当日になって、咽頭の辺りが人出不足ということで出張を命じられた班長は一人で出向き、部下を先に飲ませる予定だったが、部下たちは彼の到着を待っていた。いい加減しびれを切らせた一人が限界だと言い出し、騒いでいる所へ静かにしてくれと別のグループが入って来る。それは白血球だった。今度はこの両者の間でもめ事が起きる。
ナイーブT細胞は班長に知らせようとするが、彼の気持ちをおもんばかったその結果、ウイルスをやっつけた頃を見計らってやっと連絡を入れる。班長が店に行くと、キラーT細胞と白血球が2人ずつ入口の前に正座させられ、しかもナイーブT細胞は制御性T細胞となって、咽頭付近に異動が決まったと言う。それはともかくとして、やたらに横文字や専門語を並べたがる彼に班長は苛立ち、送別会はASAP(As Soon As Possible)でお願いしますと言われてさらに苛立つ。
<備え>
キラーT細胞の班長の右腕は、班長同様に部下に厳しく当たっていた。一方で彼は、常にケガや事故を未然に防ぐ状況を想定し、「ニトル」なる店で、ログを1枚選ぶのにもあれこれ考えていた。その時RSウイルスが侵入し、ヘルパーT細胞に連絡を取るも、携帯の電波の圏外であったため彼は困り果てる。そこへやって来たのがNK細胞だった。
しかし、ガスの元栓が気になって彼女は戻ってしまい、やっと白血球が来て難を逃れる。2人はヘルパーT細胞に詫びるが、NKは常に周囲の危険を考えており、椅子の上に立って作業をしていた制御性T細胞を、落ちそうだと言って未然に助けたりする。そこで白血球が、大ざっぱな人と一緒にいたらいいのではないかと言い出し、赤血球も加わってグランピングに行こうと言い出す。
当日、何が起こるかわからない場合に備え、重装備のNK細胞と、軽装の赤血球の対比に班長と白血球は驚く。赤血球は心配事の9割は起こらないと楽観的だったが、実はキャンプ場にはRSウイルスが来ていた。白血球はダガーを抜こうとするが、NKは秘密兵器パーフォリンを取り出し、ウイルスを撃退する。それまではよかったが、今度はカギをかけたかどうかが気になり、そのまま帰ってしまう。
<初売り>
免疫細胞に取って、冬は特に大事な季節だった。血管が収縮しやすく、血の巡りが悪くなり、免疫機能も下がる上にインフルエンザが跋扈するためである。その班長の冬の最大の楽しみは、初売りの行列に並ぶことだった。ところが腸にウイルスが侵入したため出動命令がかかり、白血球2人を代わりに立たせる。白血球たちは椅子を貰い、行列を乱さずにいた。その後班長は最後の感染細胞を倒したところで、M細胞にそれが当たってしまい、M細胞は「ハッピーアポトーシス」と口にする。
彼の代わりに班長はパイエルで仕事をし、ワインと鏡餅のチャームを貰う。その後記憶細胞からは、「NK君、トリックオアトリート」などと言われ、B細胞のいる心臓(神社)まで彼を送って行く。白血球たちは半纏まで準備して貰いつつ、彼が戻るのを待っていた。その後彼は熊手を貰い、さらに振り袖姿の赤血球とNK細胞の餅つきに誘われるが、NK細胞はこたつの電源を切ったかどうか不安で帰ってしまい、また血小板が空腹そうであったことから、今度は餅つきを担当する。
白血球たちは遅くないかと不審に思うものの、人助けでもしているのだろうと言う。そこへ赤血球が、彼を乗せた人力車を引っ張って帰る。班長は白血球たちに、お礼として酒、チャーム、熊手と餅を渡し、何だか福袋みたいなとりとめのなさだなと言いながら、彼らはそれを受け取る。やっと行列に戻ったと思った班長だが、そこへ来たヘルパーTが初売りは3ヶ日明けだよと言い、彼はその3日後にまた並ぶことになった。
<シェア上司>
免疫細胞たちは互いに補完し合いながら仕事をしている。しかしキラーT細胞の詰め所はあまりに待遇が悪く、冬は窓にエアパッキンを貼り、床には新聞を敷いて寒さをしのぐ有様だった。その後好中球課に行った班長は、床暖房とこたつが完備しているのに驚き、待遇が悪すぎるとヘルパーT細胞に直訴するが、ヘルパーT細胞は、君たちは精鋭集団だからいいだろうとかわされる。
改装費用を稼ぐため咽頭地区に行った班長は、この地区の制御性T細胞(元ナイーブT細胞)に会う。彼は設備拡張の予算確保をしていて、班長を胃や脳、表皮にまで送りこみ、部下たちは喪失感を味わう。しかしヘルパーT細胞は、彼は戦いの中でしか生きられないから退屈だったなどと平然としていた。
その後皮下にいる班長に彼らは会いに行き、自分たちも現場に連れて行ってくれと頼む。班長も長期間持ち場を離れていたことに気づき、リンパ管に戻ることにした。詰所はSASUKEのセットのように魔改造されていたが、部下たちは大いに喜んでいた。
冬の時期ということもあり、何かと班長にお呼びがかかります。しかも咽頭地区ということは、風邪関係でしょうか。で、部下が忘年会の幹事を務めるのですが、班長がなかなか来ず、待っている部下たちもしびれを切らし、先に始めるかどうかでもめていて、今度はやはりその店に来ていた白血球ともめることになります。この両者は協力関係にもありますが、それだからこそと言うべきなのか、ちょっとした口論になったりもします。
ところでこの時班長のスマホに、「いこうよ乳酸菌の森」なるアプリがダウンロードされていますが、かの「あつ森」のようなゲームなのでしょう。しかし乳酸菌のゲームなら、何となくやってみたくもあります。
グランピング、NK細胞は敵軍に突っ込むような重装備ですが、パーフォリンを持参していたため、キャンプ場で出くわしたウイルスを退治できました。この人がパーフォリンを手にするところは、文句なくかっこいいと言えます。しかし今度は、家のカギをかけたかどうかが心配で、家に戻ってしまいます。NKさん、意外に細かいことが気になるタイプのようです。ところでこのRSウイルスですが、気管支炎などの呼吸器感染症を引き起こすウイルスです。
初売り回。
M細胞「ハッピーアポトーシス」
記憶細胞「トリックオアトリート」
お正月なのですが…記憶さんはまた名前を間違えていますし。
しかし赤血球ちゃん、振り袖姿で班長を人力車に乗せて、行列まで連れてくる辺り、なかなか逞しそうです。日ごとの酸素運搬で鍛えているせいでしょうか。あと白血球が人助けでもやっているのだろうと言うのは、当を得ています。この辺相手の人となりをわかっているのでしょう。
またキラーT細胞の詰所ですが、エアパッキンと床の新聞紙で寒さをしのぎながら、ウイルス退治に駆り出されるというのも何とも気の毒な話です。こちらの条件もそこそこブラックと言えそうです。結局詰所は原型をとどめないほどの魔改造で、SASUKEに出てくるアスレチック施設のようになっていましたが、部下は暖かいと満足そうです。ただ例の、ちょっと嫌味な元ナイーブが関わっているせいで、班長は複雑な思いです。
それから他作品ですが、『はたらく細胞BLACK』のOPテーマ、POLYSICS 『走れ! with ヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ)』の動画はyoutubeに上がっているのですね。しかしこの「キュウソネコカミ」、正にこのシリーズの、困難な状況に立ち向かおうとする赤血球たちのようにも取れます。
以前何かのサイトで、『はたらく細胞』にガンダムが入っているといった内容の記述がありました。生憎ガンダムには疎い私ですが(エヴァンゲリオンよりは知識があります)、『ルパン三世』と『ゲゲゲの鬼太郎』は入っているのではないかと考えています。