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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  2020年08月

『国盗り物語』に見る明智光秀 17

光秀は再び越前に戻り、一乗谷の朝倉屋敷と、金ヶ崎城それぞれに伺候していました。そんな折、自分の屋敷の垣根の桔梗が花をつけます。光秀に取っても、そしてお槇に取ってもこの花は特別な存在でした。そして光秀はこの時、織田家へ行く意志を固めたことをお槇に話します。そもそも光秀にこのような決意をさせたのは、他ならぬ鞍谷刑部嗣知でした。当主の義景さえ一目置くこの人物が、光秀にことあるごとに辛く当たり、また義景にもあれこれ告げ口をしていることから、最近は茶坊主も光秀に会釈すらしないようになっていました。

光秀はその鞍谷刑部を、「古井戸に湧いたぼうふら」と呼び、そのぼうふらが権勢をふるっているようでは、朝倉家の将来はないと考えていました。鞍谷は金ヶ崎城に匿っている足利義昭を奉じて、上洛するという考えにも反対しており、光秀が朝倉家を火中に投じようとしているとまで言い放っていました。しかも義景は上洛に賛成で、鞍谷の意見を容れようとしなかったため、鞍谷は光秀を讒訴して追放しようとまでします。

光秀自身、織田家に行くことについて、そこまで乗り気ではなかったものの、朝倉家に比べれば夜と昼ほどの違いがあると感じていました。その後、金ヶ崎城に機嫌伺いに行った光秀に、義秋は焦燥感を募らせます。朝倉家がいつまで経っても行動を起こさないのがその理由でした。義秋は、朝倉家が自分を将軍にする意思はないのであろうと言い、光秀もそれには同感でした。しかし扶持を貰っている朝倉家の悪口を、大勢の前では口にしにくいのも事実でした。

そこで義秋は光秀を庭の四阿に連れて行き、心置きなく話をすることにします。光秀は信長を頼るべきであると言いますが、義秋は、信長は危険であるということに気づいていました。確かに信長が義秋を将軍にすることで、織田家にも箔がつき、また上洛を名目として、京への沿道の大名を排除もしくは懐柔することも可能でしたが、ただし実利を重視する信長のことゆえ、足利幕府を再興するような「物優しい感情的心情」が彼にあるかどうかは疑問でした。

義秋は信長のことを、かなり苛烈な性情の持ち主であると言い、光秀もそれにうなずきます。しかし現時点で、天下を取る可能性が最も高いのもその信長でした。そして光秀は義秋への要望として、自分を推挙してくれるように申し出ます。これによって、仮に信長が足利幕府に盾つこうとした倍、光秀は両者の緩衝役ともなるわけですし、寧ろそのために織田家へ行くのであれば、その手の諍いが起こる確率はかなり低そうでした。

義秋は推挙を決め、光秀は、自分は上様におすがりするしかない孤客であると言います。そもそも光秀は、このような時に追従を言える人物ではなく、この言葉はあくまでも本音でした。これにより、義秋は光秀を自分の旗本に採り立てようとしますが、直参とするには、まず光秀に官位が必要なことに加え、義秋自身もまだ将軍でない以上、朝廷への請奏権がないためかなり難しいことでした。そのため、昵懇衆の一人という形にして推挙することになります。

そして義秋は、朝倉家に使いをやって、光秀を昵懇衆にしたいと言い、朝倉家の方でもあっさりそれを承諾します。光秀にしてみれば、いささか寂しくもありましたが、見方を変えれば、朝倉家に対する気持ちの整理もまたできたとも言えました。信長への文には、この人物は諸国の事情や軍事に明るく、また典礼に通じているといったことがしたためられており、これを見た信長は、即座に光秀を抱えることになります。

信長にしてみれば、光秀の存在は足利家への橋渡し役としてとても重要でした。猪子兵助を呼んでこのことを知らせ、金ヶ崎城に使いを出させた後、空いていた五百貫文(約五千石)の知行地を与えることにします。これは侍大将並みの待遇で、信長はその後の働き次第によっては、さらに知行を増やしてやろうとも考えていました。そして兵助の他に、もう一人、光秀と縁が深い人物にも、このことを知らせてやろうとします。その人物とは濃姫でした。

光秀は鞍谷刑部の画策により、一乗谷の朝倉屋敷で不遇な立場に置かれるようになります。そもそもこの人物を何かにつけて重宝がる朝倉家にも責任があるのですが、それはさておき。このようなこともあり、光秀の織田家行きの決意はいよいよ固くなり、ついに義秋に推挙をして貰うまでに至ります。この義秋の文が織田家に届き、信長は「人をくれる」ことを大いに喜んで、早速知行地を与えることになります。光秀は、足利家との交渉役として大いに使えると信長は読んでいました。

しかしながら、織田家が両刃の剣であることも確かでした。信長であれば実質鞍谷の支配下にある朝倉家とは異なり、義秋を奉じて上洛する可能性は大いに高そうです。ただし信長は一方で実利主義的なところがあり、義秋のために室町幕府を再興するといったことを望めるかどうか、その点が義秋としても気がかりではありました。無論室町幕府再興は果たせるものの、その後実権を与えて貰えない義秋は不満を募らせ、最終的に信長という「恩人」と対立することになります。

飲み物-お洒落なランプとウイスキーグラス
[ 2020/08/24 00:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

女性警官と看護師の服装の変化

まず、ここ数日の投稿に多少手直ししておりますのであしからずご了承ください。そして、1970年代のホームドラマについていくつか投稿していますが、ドラマとしての描かれ方のみならず、ファッションもミニスカートなど如何にも70年代前半的です。無論これは日常の服装だけではありません。『ありがとう』のシリーズでは、ヒロインは第1シリーズでは婦人警官、第2シリーズでは看護婦(看護師)と、両方とも制服を着る職業に就いています。そして警官の場合はスカートを基本とした服装であり、看護師はワンピーススタイルの白衣とナースキャップという格好です。

警官の服装は、1994年に大幅にリニューアルされています。夏服がライトブルーのシャツになったのもこの時です。女性の場合は基本的にスカートですが、キュロットやズボンもありますし、ズボン姿の人も見かけます。また看護師は、最近はワンピーススタイルではなく、ジャケットとズボン(パンツ)のスタイルが中心になっています。またナースキャップは職務中に邪魔になる、あるいは形を整えるための糊に繁殖する細菌がいて、院内感染を起こしやすい、さらには、男性看護師の数も増えて来たなどの理由で廃止する医療機関も多くなっています。いずれの場合も、女性職員の責任や負担が大きくなり、より機能性のある服装を求められているとも考えられます。

ところでかのローラ アシュレイもナースウェアを作っています。如何にもそれらしいデザイン、または色遣いなのですが、このローラ アシュレイもブルックスブラザーズ同様、コロナウイルスの感染拡大によって経営破綻しています。一応日本でのショップは、ワールドが運営することになってはいますが…。ちなみにブルックスブラザーズが経営破綻した時、今はこのような服の時代ではないというコラムを目にしたことがあります。しかしこれらのブランドを愛好する人もいて、その人たちがお金を落とすことによって成り立っていたわけで、徒に否定するのもどうかと思います。確かに、ポロシャツのことをゴルフシャツと呼びたがるようなところもありますが。

飲み物-カクテル
[ 2020/08/23 01:00 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『半沢直樹』のざっとした感想 5

『半沢直樹』のざっとしたあらすじと感想です。IT企業の一件が済んだと思えば、今度は帝国航空の再建を、大和田からまかされるというか押し付けられる半沢ですが、この帝国航空の再建と歩調を合わせるようにして、内閣が改造され、新国土交通大臣の白井は、再建の名のもと、銀行に融資額の7割に当たる債権を放棄させる方針でした。

半沢は債権放棄なしでこの会社の再建を目指します。しかし白井をはじめとする政府サイド、さらに弁護士の乃原をリーダーとするタスクフォースの存在は手ごわく、しかも帝国航空は、現場での教育は行き届いているものの、OBや組合が強いうえに縦割りの弊害もありました。特に東京中央銀行から出向した永田は、半沢たちの動きを警戒します。さらに銀行では、ベテランの紀本が常務に返り咲いていました。そして半沢は再建案を提示するものの、そこにあるべきはずの上層部の改革案がなく、誰かがリークしたと睨みます。スパイラル社長の瀬名の助けを借り、辛うじてどこからメールが送信されたかを突き止めたものの、そこには肝心の相手がいませんでした。秘書らしき女性が、東京のシェラトングランデに向かったことを教えます。再建案を受け取ったのは、帝国航空の社長神谷と財務部長の山久、そして永田のみでした。

代議士を兄に持つ永田なら、再建されても役員の地位は守れることから、半沢は永田の仕業だと疑いますが証拠がありません。しかし山久が、ポスターやパンフレットの発注先である丸岡商工の存在、さらに取引額が水増しされていることを教えます。その丸岡商工こそ、メールの送信元でした。半沢はこの件でベテラン機長の木滝にも食い下がり、木滝が変革を望んでいないことを指摘します。結局永田は、この取引額の一部が兄の議員の献金に流用されていたことから、帝国航空にとどめおかれていたのでした。さらに再建案が出ることで、不要とされる取引先が潰されることを懸念し、リークに至ったわけです。実体のない発注、さらには丸岡の出張費はすべて帝国航空持ちであったことがわかり、半沢は二言目には証拠と口にする永田に、自分と木滝がハイヤーに乗り込んで、丸岡に迫った時の映像の一部始終を社員に見せます。無論帳簿の架空発注もはっきり映っていました。それを見た永田はメンツを失います。半沢は言います。
「同じ中央銀行の人間として恥ずかしいと言っていたな
その言葉そのままそっくりお返しする」

この回に登場するタスクフォース、特定の任務のために編成されるチームのことですが、このリーダーの乃原という弁護士がかなり手ごわい相手です。しかも国土交通大臣である白井も、金融機関の債権放棄を促しますが、半沢はそれをきっぱり拒みます。そして再建案を提出するも、今度は永田が邪魔を入れて来ます。再建に傾くと、丸岡商工との関係がつぶされてしまい、水増し額を、代議士である兄への献金とできなくなるためです。この永田をやっつけることで、半沢は第一関門を突破したと言えますが、まだまだ難関が待ち受けているようです。紀本の常務返り咲きも、これと関係がありそうです。

ところで小料理屋の女将の智美から、栄転祝いとしてマカロンを貰う半沢ですが、その前に彼女が箸を取り落とすシーンがあります。半沢たちの話の中身を聞いて、多少動揺したのでしょうか。しかしながらこのマカロン、IT関連エピで登場したコペルニクスの商品で、花も同じ物を買って、ネクタイと一緒に栄転祝いとして渡します。困ったのは、同じマカロンを2つ貰うはめになった半沢で、なにやら仕方なく食べているようです。今回半沢は、マカロンが花に見えないように(すぐわかるかとは思いますが)後ろ手に隠そうとしますが、第1シリーズで、花が新しいカバンを背中に隠して半沢に渡すのと、大分雰囲気が違いますね。

飲み物-冷えたビール2杯
[ 2020/08/23 00:30 ] その他 | TB(-) | CM(0)

コロナと二大偉人の暗殺

まず、『麒麟がくる』で細川藤孝を演じている眞島秀和さんが、2週間ほど前に、コロナウイルスに感染していたことがわかりました。今は症状は治まっているものの、今後の収録をどうするか影響が出そうです。撮影現場もこれではかなりピリピリすることになりそうですが、放送局、特にNHKほどの規模になると、やはり人が多い分、感染する可能性もかなり高くなるのは事実でしょう。ちなみに公式サイトではこのことは触れられていません。

それと「偉人」と一応書いていますが、先日フジテレビ系列で放送された、本能寺の変と龍馬暗殺に関して。番組中で龍馬暗殺が薩摩が関与していたとされていたことについて、薩摩関係の研究者が異を唱えているようです。私はこれは観ていないので、どのように説明がなされたのか今一つわからないのですが、そういう可能性もあると言ったのならともかくも、薩摩であると断定したのであれば、ちょっと度を過ごしていたともいえます。

この本能寺の変と龍馬暗殺は、日本史の中でも犯人を特定できない事件とされています。そのため誰が真犯人であるのかが把握しづらく、必然的に様々な人物が犯人として浮上するため、発言は慎重になされてしかるべきでしょう。この局では以前も、足利義昭と織田信長の関係についての番組が放送されていましたが、信長が如何にも義昭の「忠臣」といった描き方をされていたのが、いくらか疑問でもありました。以前室町将軍関係で書いた覚えがありますが、要は、互いが互いを利用していたのではないでしょうか。

飲み物-エールビール
[ 2020/08/22 00:15 ] その他 | TB(-) | CM(0)

Rikuoh-4

Thanks to the big hit of "Ashigaru Taishō", Kohaze-ya gets good business results however Fukuko Nishii collapses from the heart attack during the work and Haruyuki Iiyama is assaulted by a thug. Because of their hospitalisations, Hiroshi Ōhashi of Saitama Chuo Bank hesitates to finance the company. And Kenji Obara of Atlantis Japan who is greedy to sponsor Hiroto Mogi, who recovers from the injury. Obara and Sayama try to make "R-II", their main product for him and tells him that Kohaze-ya is in a difficult financial condition. But Takahiko Murano who still visits the clubhouse of Daiwa Food Running Team denies their words.

陸王シルクレイ製造機を修理する大地2
Daichi (Kento Yamazaki) repairs the machine of "shiruku rei"

While Iiyama stays in hospital, a machine of "shiruku rei" develops trouble. Daichi tries to repair it and asks Iiyama to show him the design. Iiyama refuses it at first as it's so important for him but finally makes Motoko deliver the design to Kohaze-ya. At last Daichi repairs the machine and makes "shiruku rei" again and he, Kōichi and Murano give many pairs of Rikuoh to Mogi. The New Year starts and Kōichi, Daichi and the employees of Kohaze-ya go to Gunma to cheer Mogi in the New Yeat Ekiden Race but they are disappointed to see him who wears R-II. However, he takes them off and wears Rikuoh the next moment.

陸王ニューイヤー駅伝2
Kōichi (Kōji Yakusho), Daichi (second from the right) and the employees of Kohaze-ya visit Gunma to cheer mogi in the New Year Ekiden Race

[ 2020/08/21 23:45 ] Others | TB(-) | CM(0)

70年代のドラマとBS12トゥエルビ その3(『ありがとう』と『ガリレオ』)-3

「警察官が登場するホームドラマ」と「推理ドラマ」の比較について3日目です。

『ありがとう』の主人公光をはじめとする婦人警官は、BS12トゥエルビの公式サイトによれば
「婦人警官を志す3人の明るい下町娘の物語」
となっています。どうもこの辺りが、時代劇に時々登場する、娘岡っ引きに似た立ち位置ではありますが、それはさておき。この当時のことを考えると、やはり男性のアシスタント的な意味合いはまだ強かったでしょうから、このような「3人娘」的なキャラ設定にする必要もあったのでしょう。
元々は「死体を見た後で肉を食べられるかどうか」という部分に焦点を当てる形で始めたこの投稿ですが、もう一つ、これは警察が大きく関わっている以上ありうることですが、何か大きな事件とかきわめて危険な状況に巻き込まれ、辛うじて窮地を脱したヒロインが、自分を助け出してくれた男性に対して抱きついてしまう(あるいは相手が抱きしめる)というのも、年月を経て尚変わらないものではあるかと思われます。
木島の「レッド・マーキュリー」に監禁された後、やっと解放された後の内海薫は、やはりこうなるのでした。ちなみに『ありがとう』のシリーズでも、舞台である保育園の園児を人質とした立てこもり事件(かなり世間の顰蹙を買いそうな事件です)で、ヒロインの光が、憎からず思っている段進矢との間で似たような状況が起こりますが、これはこれで、光がなぜ抱きしめたのかなどと問い質してしまうようです、わかってあげなさいと言いたくもなります。『ガリレオ』では、普段うるさい内海が黙るとかえって気が散るなどと湯川が言っていますが、『ありがとう』のヒロインの光もお喋りで少々うるさい設定のようです。

ガリレオS1最終回
(『ガリレオ』DVDシリーズより)

ところでこの『ガリレオ』のエピは、核兵器開発をめぐるいざこざが殺人に発展したものですが、しかし木島が東京の半分を壊滅させられる、しかもトラップ仕掛けのレッド・マーキュリー(元々は核兵器製造を可能にする物質、諸説あり)を作り、その中に内海を閉じ込めたことに加え、解除方法は7000通り以上あるというのは、湯川への宣戦布告ともいうべきものでした。つまり内海は人質であるわけです。
そういう中から湯川が苦心惨憺して解除方法を見つけ出すものの、最終的には意外と簡単な方法でロックが解除され、クリスマス当日を迎えたその時に、内海は晴れて自由の身になり、腑抜けたような声で「メリー・クリスマス」を言います。また同じ時刻に捜査本部の先輩の草薙も、手酌で酒を飲んでいた城ノ内先生も、ケーキの箱を抱えて帰宅途中だった栗林宏美も実に晴れ晴れとした表情になります。この辺の演出はうまいなと思います。

ただこの「メリー・クリスマス」の前に、湯川が例によってちょっとKYなことを言います。
「そういえば以前君は、僕がサンタクロースを信じていたかどうかについて、きわめて非論理的な…」
「先生、その話は今しなければなりませんか」
そう言われていやと答える湯川ですが、君を助けたいといったことを言いながらも、いざ問題解決となったらなったでこうですから、あまりロマンチックとは言い難いようで。このサンタクロース云々は、第2回の空中浮遊少年の回で登場しましたね。
ということで、ご参考までにこの2作品関連のリンクを置いておきます。

フジテレビ『ガリレオ』バックナンバー
<ドラマ> ありがとう 第1シリーズ

3日間にわたるこの投稿に目を通してくださりありがとうございます。自分では割と楽しめましたが(でないとこういうのやりませんよね)、如何せん『ありがとう』シリーズの映像はなし、もしあれば、もう少しあれやこれやと比較ができたかも知れません。無論この比較というのは、優劣をつけるという意味ではなく、時代の違い、女性の警官の描かれ方の違い、さらにホームドラマと推理ドラマとの違いなどを比較してみるということではありますが。

飲み物-カフェラテ2
[ 2020/08/21 01:15 ] その他 | TB(-) | CM(0)

70年代のドラマとBS12トゥエルビ その3(『ありがとう』と『ガリレオ』)-2

先日と同じテーマの続きなので、枝番号をつけています。大河関連もその内投稿しますので今しばらくお待ちください。

さて、『ありがとう』の婦人警官シリーズの主人公(四方光)も、『ガリレオ』の内海薫も、死体を見た後は肉を食べられなくなったという点では共通しています。尤も内海薫は、七味をかけて何とかかき込もうとするのですが、その一方で『ガリレオ』の監察医城ノ内桜子は実に大胆なものです。この先生は本来遺体を保存しておく冷蔵庫に、サンドイッチやらスイーツやらを入れていて、訪れて来た内海に振る舞ったりしています。
無論これは先日書いたように、「ホームドラマの中の警察」と「推理ドラマ」(湯川学が主人公であるため)の違いもありますし、時代の流れに伴う警察組織内の女性のポジションの違いも、あるいは関係しているかと思われます。ただ女性の警官が(あるいは男性も)職務上とはいえ死体を見た後、しばらく食欲が湧かない、特に肉っけの物を食べられないというのは同じであるわけです。この場合『ガリレオ』の方がかなり後で作られており、後方互換的であると言えそうです。

無論『ありがとう』の光がパトロールや少年補導中心の巡査であり、しかも家での食事であろうと思われるのに対し、やはり内海は事件を担当する刑事であり、しかも外での食事(草薙の奢り?)であるわけで、そう言ってもいられない。一見似ていながらこの辺りが違う点に、両者の違いの大きさが見て取れると言えるかも知れません。
それとやはり前者の方は、後者のように事件解決と推理をテーマにしているわけではないし、またホームドラマというのは大抵そうなのでしょうが、紆余曲折を経ながらもハッピーエンドで終わるのが目的になっているわけです。この光ちゃんも、結局は同じ署の刑事である彼と結婚することになるわけですし。

しかし内海の場合、ドラマでは先輩の草薙と、協力者の湯川という2人の、しかも独身男性がいるわけですが、彼らと恋愛感情を持つに至ってはおらず、どころか湯川と知り合った頃は「オタク」と一蹴しています-確かにかなり奇妙な人間ですから、それはうなずけます。ただ、第1シーズンの最終回「爆(は)ぜる」では、監禁されていた内海を湯川が助けに来て、2人でメリークリスマスを口にするシーンが登場しますし、それ以外にも、何となく湯川を意識しているなと思われる部分が感じられます。しかしやはり「警察官が出て来るホームドラマ」ではないわけですから、ハッピーエンドでめでたしめでたしというわけにも行かないのですね。
ところでこの最終回、湯川の恩人で犯人の木島の存在に、どことなくモリアーティ的なものを感じます。最初の方のデスマスクからして何か怪しげですし、またこの木島が何とも高圧的に湯川に挑んでくるわけですが、モリアーティがライヘンバッハの滝に落ちるような劇的な最期でもなく、無論その後再登場することもありませんした。

かなり自己満足とも言える投稿を延々と続けておりますが、もう1度だけお付き合い願えたら嬉しいです。
(この項続く)

飲み物-アイスミルクティ
[ 2020/08/20 00:45 ] その他 | TB(-) | CM(0)

70年代のドラマとBS12トゥエルビ その3(『ありがとう』と『ガリレオ』)

このチャンネルで放送されている1970年代のホームドラマ、DVDが出ているのをレンタルする前に、一応どのようなストーリーなのか見ておこうと、いくつかの番組の放送ラインアップを見てみました。ごく簡単ながらおおよその見当はつきますが、当然と言うかビジネスよりプライベートの比重が大きく、ビジネスの部分はいわば添え物的なイメージがあります。
無論ホームドラマだからそれはそれでいいのです。この場合買収も追加融資も、はたまた稟議などというのも関係ないのですから。『半沢直樹』だと、半沢が栄転祝いで貰ったマカロンを花も買って来ていて、同じ物がダブってしまい、何だかんだ言いつつ食べているシーン、あの手のシーンがメインになる感じがします。

実際『肝っ玉かあさん』と言う、京塚昌子さんが出演していたドラマは、そば屋が舞台ではあるものの、そば屋の経営という部分が重視されているわけではなく、核となるのはどちらかと言えば、主人公の家族とかその店の常連とか、近所の人々に絡んだ話題でしょう。これは『時間ですよ』でも、『ありがとう』のシリーズでも同じようです。
それとこの当時、やはりというか嫁姑問題とか、今だと、弁護士案件になると思われるようなもめごとが多い印象があります。またシングルファーザーなども、あまり認められていなかったようです。1970年代初頭だと、そのようなものかもしれません。

ところで少し間に、『ありがとう』の婦人警官シリーズで、主人公がパトロールの最中にバラバラ死体が入ったスーツケースを見つけ、しかもそれもLSDの密輸と関係があるなどという設定はいささかベタだと書いています。無論これは別の意味で物語の展開に必要だと思われますが、しかしバラバラ死体なら一つにまとめるより、分散させた方が捜査の目をくらませることができるのではないでしょうか。
それから『ありがとう』の方では、このお蔭で、主人公の光が夕食のすき焼きが食べられなくなる設定のようですが、ここで1つ前にも出て来た『ガリレオ』と比較してみます。こちらは内海薫が焼死体を見て気分が悪くなりながらも、その後草薙と牛丼を食べるシーンがあります。草薙は平気で平らげますが、内海は流石に肉を食べるのに抵抗があるようで、何とか七味をぶっかけて食べてしまいます。この場合、食べられないとは言っていられない状況なのでしょう。そしてこの時に草薙が、「俺はミステリーハンターなんかじゃない」と、湯川の存在を内海に教えることになります。
(この項続く)

飲み物-ビールと夜景
[ 2020/08/19 01:15 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『若い人』その3

ここのところやや不調というのもありますが、このブログの投稿で、後からいくらか修正をしていることがありますので、その点、悪しからずご了承ください。では『若い人』その3です。

この作品のアウトラインを述べて行きます。江波は作文のみならず、絵画にもかなり天才的な物があります。そういった部分に驚きつつも、橋本の知的な雰囲気にも惹かれて行く間崎でした。また女学校ということで、様々な女性の先生も多く、それぞれの人物像が細かく描かれています。そのような中、間崎は靴の中に走り書きの手紙を見つけます。

それは江波の手紙で、寮を出て通学する旨が簡単に書かれています。かつて江波は、間崎に挨拶しないという宣戦布告のような手紙をよこしていたのですが、今度は自分の作文を橋本先生がどのように評価したか、それを教えてくれれば挨拶をするとまで書いています。しかもその時、当の江波の体操服姿を間崎は目にします。彼女はバスケットボールをしていたのです。しかもそのボールがこちらに転がって来て、間崎はそれを蹴返そうとしてひっくり返ってしまい、橋本先生に肩を借りるはめになります。どうも間崎は江波の前ではあまりいい格好ができないようで、他の生徒たちはくすくす笑っていますが、江波は自分は笑わないと明言します。

その年の9月、文部省派遣の視学官が学校を訪れることになります。これはかつて、授業視察や教員の監督を目的に置かれた制度で、私立の学校ももちろん対象となっていました。(今も同じ名前の文部科学省の職務がありますが、内容は全然違います)ともあれ、国語科の授業の視察ということで、間崎の授業も視察されることになります。この時の授業内容は乃木大将の殉死に関するもので、授業中江波が突っ込んだ質問をします。最終的に間崎の授業は高評価ではあるものの一部批判もあり、その批判がやはり江波絡みであったことから、間崎はどこかやり場のない思いを抱きます。

上巻前半のこの辺りから、江波の存在が、間崎にかなりの影響を及ぼすようになって行きます。江波との直接的または間接的なやり取りは、橋本との間で成立する理論的な会話とはかなり違ったものでした。しかもそれに対して対処しているつもりが、どこかうまく対処出来ていないところもあり、その点を視学官からも指摘されています。この場合授業がどうこうと言うより、江波との絡みの不十分さを指摘されたことにより、間崎は落ち着かない気持ちにさせられたと考えるべきでしょう。

それにしても、この当時の女子スポーツにはバスケもあったのですね。ちなみに今はWNBAもありますが、かつてアメリカの女子バスケ選手がプレイで生活できるのは、日本とイタリアだけだったらしい。それはともかく。この間崎が転がって来たボールを蹴り上げようとして転んでしまいますが、サッカーのスライディングのようなものでしょうか。普通に手で拾って渡してもよかったのでは…。

ところで先日の投稿の、この間崎が女子生徒に人気があるという部分ですが、かの高嶋政伸さんも、この役を演じていたようです。個人的にはちょっと微妙ではあります-高島さんといえば、最近では『DOCTORS〜最強の名医〜』とか、『真田丸』の汁かけ飯が大好きな北条氏政公のイメージがあるせいでしょうか。この頃谷原章介さんが俳優としてデビューしていますが、谷原さんだとこの役はうってつけだったかも知れません。

ところで女子生徒のみならず、女性に人気があるという点で思い出すのが、『ガリレオ』の草薙俊平が所轄署から警視庁に栄転になる時、同じ署の女性警官が我先にと花束を渡すシーンです。この時草薙は内海薫にだけ話しかけるのですが、それは湯川に懐疑的な内海に対し、俺なら湯川と捜査を続けるというものでした。内海の方はといえば、日頃付き合いのある女性警官たちの態度に驚き気味です。尤も湯川の授業に女子学生が多いのも、この場合似たようなものです。

飲み物―アイスコーヒー5
[ 2020/08/19 00:30 ] | TB(-) | CM(0)

2020年8月ラグビー情報2

ラグビー情報です。まず浅原拓真選手関連から。
(記事はnikkei.com及びTHE ANSWERより)

ラグビーと画家の二刀流 元代表・浅原が「聖地」支援

絵がうまいという話は聞いていましたが、こうして見るとなかなかのものです。しかし浅原選手というと、いつだったか酔っぱらって道路に寝そべり、車に轢かれそうになったという武勇伝?を思い出します。そしてサンウルブズ。

サンウルブズ、ファン感謝イベント 堀江「成長させてくれた」
https://www.nikkei.com/article/DGXLSSXK60578_Y0A800C2000000/

一旦活動に終止符を打つことになったサンウルブズですが、強化のためには、まだまだ存続させてもいいでしょう。それに関して、こちらにラグビーライター吉田宏氏の記事があります。

サンウルブズは存続させるべし ベテラン記者が模索する生き残るための“裏技”とは

結構長めの記事でかなり色々書かれていますが、疑問もあります。この中で吉田氏は、新リーグを海外勢との競争の場にすべしと言いたいようです。
「この新リーグ構想を日本を軸とした国際リーグに焼き直すことができれば、サンウルブズ存続の受け皿になるはずだ」
確かにそうなのですが、現段階でこの構想がどれだけ現実的なのでしょうか。しかも吉田氏は、その前に新国際リーグは現実的でないと書いており、それとこれがどのように異なるのか、その説明が不十分です。それでなくてもコロナ禍で企業経営が思うにまかせず、やっと25チームが決まったところなのです。それに国内リーグとスーパーラグビー的大会は分けて考えるべきでしょう。また、
「このチームを存続させるか、このまま消滅させてしまうかの決定権は日本ラグビー協会が握っているのだ」
というのは事実です。そして、その協会は何とか22年1月に間に合わせようと努力しているわけですが、それへの言及がないのが残念です。さらに吉田氏は
「だが、アイデアは無限にあり、そしてサンウルブズを存続させるには、いままでの常識に囚われないような発想がなければ難しいのも明らかだ」
とも書いていますが、常識に囚われないような発想を現実のものにするには如何にすべきか、そのためのノウハウを具体的に示してしかるべきではないでしょうか。ここはやはり、同様にサンウルブズは世界に打って出るべきと主張する藤井強化委員長に、NZと豪州、両方をせっついてもらうのもいいかも知れません。

それからコロナ関連です。まず、天理大学ラグビー部で20人が集団感染し、これに関して天理市長が市のHPでコメントを発表しています。
またNZでも感染者が確認され、再び都市封鎖となって、スーパーラグビーのNZ国内大会(アオテアロアシリーズ)は、最終節のハイランダーズとハリケーンズの試合は観客を入れずに行われ、ブルーズとクルセイダーズの試合は中止となりました。尚この大会では、クルセイダーズが優勝しています。
しかしアジアはともかく、所謂西欧圏の人がマスクをあまりつけたがらないのは事実です。日本ならうがい手洗いとマスクを徹底させますが、それよりも都市封鎖の方をやりたがりますね。そしてこの最終戦、前節までスタンドを埋め尽くしたマスクなしの観客は影を潜め、マスクをつけた関係者のみが座っている状態でした。

飲み物-注がれるビール
[ 2020/08/18 00:00 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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