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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  2019年11月

5本のワールドカップ関連記事に思うこと

以前3名のスポーツライターの記事を比較したことがありました。今回はその内の2名、生島淳氏と戸塚啓氏の、ワールドカップ前とワールドカップ決勝トーナメント、それぞれの南ア戦の『NumberWeb』の記事をご紹介しておきます。そのため、リンクが多くなっていることをお断りしておきます。個人的には、やはり戸塚氏の記事の方が受け入れられます。
まず生島氏の記事からです。

まるで日本攻略のための「教則本」。
ラグビーW杯直前の南ア戦は正解?

ベスト8の戦いはやはり未知だった。
南ア戦でジャパンが持ち帰った経験。

生島氏らしいといえばそうですが、ワールドカップ前の南ア戦の記事、試合を忠実にレポートするというよりは、自身のブログ投稿あるいはエッセーのような、決めてかかるが如き姿勢がどうにも気になります。しかもリーチ主将の
「本当にこの試合をやってよかったと思います。改めて世界の強さ、ティア1の圧力が分かりました。ジャパンのディテールの精度が落ちた時にやられたので、そこを修正していきたい。このチームは修正能力が高いから、大丈夫」
というコメントに対し、主将としてはこう答えるしかないと言うにとどめ、このコメントに見られるキャプテンとしての気負いも、本番に向けての姿勢も一切触れないまま。そして最後のこの文章、
「ああ、それにしても対戦成績を五分に戻されたのは、なんとも悔しくて仕方がない。」
何やら、2015年大会の南ア戦の白星(それはそれで評価すべきものですが)を引きずり過ぎではないかと思うのですが。この試合でケガ人が出たことについての「だから言わんこっちゃない」もやはりどうかとは思います。

それに比べると、ワールドカップの南ア戦の方はもう少し抑えた感はあります。しかし最初から南アを出してくる辺り、勝った側の南アの視点という印象を受けましたし、恐らく、生島氏があまり評価していないであろうジョセフHCの名前は登場しません。
それにしても
「後半の後半に南アフリカはバテるはずだ。行けるのではないか」
と本気で考えていたのならちょっと疑問ではあります。寧ろ後半の途中までは五分で、日本を突き放したのはその後半の後半でした。
それと稲垣啓太選手の「やることいっぱいありますよね」というコメントを紹介しつつ、本番前のテストのリーチ主将の言葉にはいささかそっけない印象だったのもどうかなとは思います。また最後の、4年後にいないメンバーの中に「田村」とありますが、彼は引退を発表してはいないと思うのですが。

では戸塚氏です。

南アフリカ戦完敗に悲観は必要ない。
W杯前にジャパンが確認できたこと。

涙も年齢も力の差も受け止めて。
田中史朗が若者に託す「もっと上」。

生島氏の記事の後に戸塚氏の記事を読むと、試合運びが具体的に語られている分、すんなり入り込むことができます。ここではまずリーチ主将のコメントを最初に持って来て、それから試合展開、田村優選手のコメントの紹介、ジョセフHCのスクラム評価(この試合では南アに押し負けなかった)、中村亮土選手のプレイなどにも触れられています。田村選手も当然というか「ティア1と日本との違い」を指摘しています。そして最後に福岡、マフィ選手の負傷及び合宿中に負傷した堀江、姫野両選手にも言及していますし、負傷は大したことはないと、期待を持たせた形で締めくくられていて、ネガティブな気持ちに染まる選手はいないという表現と呼応しています。
負傷した選手に関しても、この人は間違っても「だから言わんこっちゃない」などという表現は使いません。対戦成績が五分に戻されたとも、無論この南ア戦は正解だったのかなどという表現もありません。冷静に見極めれば結果は妥当とあり、しかも悲観は必要ないと、チームの背中を押す形に仕上がっています。

南ア戦の方は、田中史朗選手をメインにした展開になっていますので、生島氏の記事と単純に比較することはできません。ただ
「時間の経過とともにスコアを広げられて」
とあり、時間が経つに連れて南アが有利になったことはちゃんと書かれています。この記事にもジョセフHCは登場しませんが、田中選手によって語られる「今回こうやって世界と戦えることを証明できた」に、ジョセフ体制になってからの強化の在り方を感じ取ることはできます。無論田中選手がスコットランド戦と南ア戦では出番が少なかったことも、本人の口を借りて伝えられていますし、またワールドカップ後、キヤノンで田村選手とタッグを組む点も最後の部分で触れられています。

尚生島氏の、スコットランド戦関係の記事でもう一つ、

宿沢さん、これが2019年の日本です。
スコットランドに挑み続けた30年。
https://number.bunshun.jp/articles/-/841111

この中で
「しかしこの夜ばかりは、ジェイミー・ジョセフという指揮官を信じていい気がしていた。」
とあります。要はスコットランドに勝てるという予感がしたということなのでしょうが、生島氏の場合、やはりジョセフHCをあまり買っていないのだろうなというのが、この一文で裏付けられるようにも思えます。
生島氏も宿沢氏やエディ・ジョーンズ氏は評価していると思えますし、その姿勢を示すかのように、生島氏のワールドカップ終盤の記事はジョーンズ氏関連が目につきます。
しかしこれで不思議に思う点があります。それは、2003年のワールドカップのスコットランド戦に触れられていないことです。この時は向井昭吾氏が監督で、もちろん勝ててはいません。しかし日本代表の異名であるブレイブ・ブロッサムズという呼び名は、このスコットランド戦での健闘で生まれたこと、さらに宿沢氏がこの時強化委員長を務めていたことを考えれば、いくらかでも言及してもよかったかとは思います。

これらのかなり趣が異なった2つの記事は、メディアの企画としてはうなずけます。しかし戸塚氏の衒いのない記事に共感を覚える身としては、似たようなテーマの、しかも対照的といえる生島氏の記事にはやはり違和感を覚えざるを得ないのです。

飲み物-バーのビール
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[ 2019/11/30 01:00 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

西郷どん復習編8-奄美大島の吉之助と愛加那

月照との入水後、1人生き残った吉之助は奄美大島に流されます。吉之助自身は自害しようとしますが、大久保正助は「天に生かされた」とそれを思いとどまらせ、藩の配慮で菊池源吾と名を変えての大島行きでした。しかし吉之助は、島の人々に心を開こうとしません。吉之助が預けられた島の有力者、龍佐民の姪であるとぅまは吉之助に食事を運びますが、吉之助はとぅまの手のハジキ(刺青)を目にするや、その食事を拒む有様でした。

しかし島の人々が砂糖を年貢として納める一方で、自分たちはその砂糖を口にできず、さらに吉之助が師とも仰ぐ島津斉彬は、彼らに取っては搾取する暴君であり、人々に必ずしもよく思われていませんでした。それを知った吉之助は、自分が考える民の中に、彼らが入っていなかったことを知って苦しみます。そして嵐の翌日、熱を発して倒れている吉之助をとぅまは看病し、やがて吉之助は島の生活に馴染んで行きます。

西郷どん18吉之助ととぅま
吉之助(鈴木亮平、左)と龍佐民の姪とぅま(二階堂ふみ)

そんなある日、島の代官田中雄之助は佐民が砂糖を隠し持っていたとして、佐民と甥の富堅を牢に入れてしまいます。そこへとぅまたちが駆け付け、代官所破りをして2人を返すように迫ります。そんなとぅまにアンゴ(島妻)にならないかと持ち掛ける雄之助ですが、とぅまは承知するわけもなく、自分の簪で喉を突こうとします。そこへ吉之助が駆けつけ、役人なら民のための政をするように雄之助に言い、佐民と富堅を牢から出します。雄之助はこれを藩に知らせようとしますが、菊池源吾の正体が西郷吉之助であることを知り、直訴を取りやめます。

そして吉之助はとぅまを島妻とせず、正式に結婚し、とぅまは愛加那という名を吉之助につけてもらい、2人の間には長男菊次郎が誕生します。菊池の菊にあやかったのはともかく、菊太郎でなく菊次郎としたのは、佐民はいずれ吉之助は薩摩に帰り、正妻を迎えることを知っていたためでした。長男でありながら「次郎」であるというその意味を、菊次郎は後に、西郷家に引き取られた時に悟ることになります。

西郷どん19吉之助ととぅまの婚礼
吉之助ととぅま(愛加那)の婚礼

この奄美大島で過ごした時期は、吉之助の生涯でも苦しいながらも幸せな時期でした。この時薩摩から離れていたために、桜田門外の変に至る藩の動きに巻き込まれなかったともいえます。一方で島の窮状を見かねた吉之助は、サトウキビから砂糖を搾り取るために、老朽化しやすい木でなく、鉄の車輪を藩に要請します。その鉄の車輪を持って来たのは、久光に言われて一蔵と名を改めた正助でした。しかし正助が奄美大島に来たのは、吉之助の薩摩への帰還を促す目的もありました。正助は、吉之助を藩に戻すべく努力していたのです。

西郷どん21薩摩への帰還を乞う一蔵
吉之助(左)に薩摩へ戻るように頼む大久保正助改め一蔵(瑛太)

[ 2019/11/29 00:45 ] 大河ドラマ 西郷どん | TB(-) | CM(0)

大河とラグビーのお知らせ

大河ドラマとラグビー関連でのお知らせです。

まず来年の大河ドラマ『麒麟がくる』ですが、予定より2週間遅れで始まることになりました。撮影のやり直しのためで、これによりSNSの公式アカウントの解説や、ガイドブックの発売にも多少遅れが出るのではないかと思われます。放送回数は未定となっています。今の大河は通常3回は放送を休むなので、2週間遅れでも47回分の放送は可能でしょう。ただ、来年はオリンピック放送との兼ね合いがあるので、2週間遅れで47回は難しいのかもしれません。

初回放送日を2週間延期 NHK大河、沢尻容疑者逮捕で
(産経ニュース)

それからラグビー関連、まずサンウルブズの第一次スコッドが発表されました。外国出身選手が中心で、今のところ日本人選手は斎藤選手のみという編成になっています。無論、今後も新しい選手が発表される予定です。

2020シーズンチームスコッド(第一次)・シーズンスローガン発表
(サンウルブズ公式サイト)

そして先日、アウェーでスコットランドに勝利という快挙を成し遂げた女子代表ですが、齊藤、南両選手がバーバリアンズに招待されました。このバーバリアンズは本拠地を持たない招待クラブで、ツアーの時やエキシビション・マッチの時などに、各国から選手が招待されて試合を行います。男子のバーバリアンズはかなりの歴史がありますが、女子は記事中にあるように初めて一昨年に結成されました。これは名誉なことと言っていいでしょう。尚このチームの通称はバーバーズ(バーバーは羊の鳴き声)です。

齊藤聖奈選手、南早紀選手 女子バーバリアンズに招待のお知らせ
(日本ラグビーフットボール協会)

飲み物-ミルクティ2
[ 2019/11/27 23:15 ] その他 | TB(-) | CM(0)

男性誌の表紙を飾るラガーマン

かつて故・平尾誠二氏が雑誌でモデルにされ、そのため日本ラグビーフットボール協会の怒りを買ったという話があります。その当時はアマチュアリズム厳守で、雑誌のモデルになるなどとんでもないことでした。寧ろこのアマチュアリズムが、ラグビーの周知や普及を妨げて来た部分もあるかと思います。

その後ワールドカップが開かれるようになり、選手の専従化が進むと共にプロ解禁となり、アマチュアリズムを盾にした商業活動禁止は意味をなさなくなります。しかしその当時、日本のラグビーはJリーグやサッカー代表の人気もあり、あまりぱっとしないものでした。そのためラグビー選手のメディア露出はまだ先のことになります。恐らく大々的に解禁されたのは、2015年のワールドカップ後でしょう。この時は五郎丸歩選手が一世を風靡し、様々なCMやイベントに登場しました。

そして今年のワールドカップ。先日も書いていますが、この時に人々の注目を集めた日本代表のうち、田村優選手が『MEN'S CLUB』の、そして松島幸太朗選手が『GOETHE』の表紙をそれぞれ飾っています。

田村選手のこの表紙は特別バージョンで、普通のメンズクラブの表紙とはいくらか異なっています。こちらはシックな色調で、田村選手の写真や、インタビューが10ページにわたって紹介されています。

メンズクラブ田村優

それから『GOETHE』、こちらは打って変わって鮮やかなオレンジで攻めて来ています。こちらも松島選手のワールドカップ関連インタビューが掲載されています。

ゲーテ松島幸太朗
(画像はamazonより)

[ 2019/11/27 01:00 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

大河ドラマ雑考-32

私が今年も『西郷どん』を観ていることは、以前にもお伝えしたかと思います。ワールドカップの期間中は2、3回ほど休止していましたが、その後再開し、今は明治政府に西郷が参加して、岩倉使節団が旅立った辺りです。改めて観てみると、何がどのように描かれているかを改めて知ることができ、昨年観たのとはまた違う面白さがあります。

これは前の雑考でも書きましたが、近年の大河といえば『真田丸』が有名です。確かにこれは戦国大河ということもあり、さらに三谷幸喜氏の脚本であったため、視聴者がそこそこ多かったせいもありますし、制作サイドがPRに熱心だったこともあります。実際真田昌幸のシーンは面白かったのですが、昌幸退場後は、ちょっとそれまでの勢いが薄れた感があります。

やはりこれは「大河・真田昌幸」だったのかと思いますし、ならば彼を主人公にするという手もあったでしょう。ただしその場合「真田丸」のタイトルに無理が出て来ます。あれは彼の死後、大坂の陣で使われた砦ですので、そこは信繁を主人公にせざるを得ませんでした。制作側は「丸」関連から船に例えてもいたようですが、これは少し無理があったのではと思います。それとこれはやはり三谷カラーが強く、その点ではこれよりも、『軍師官兵衛』の方が戦国大河らしくはあったでしょう。

それとこちらは、やはり大河は武士の生涯を描いてほしいで書いていますがが、大河は武士の生涯を描くものだと思います。最近は女性主人公の大河は影を潜めましたが、その代わり近代大河を打ち出すようになっています。しかし近代物は朝ドラをはじめ、大河以外の枠のドラマの守備範囲となっていますし、創作も入れにくいので、ドキュメンタリータッチで、短期間放送の方がやはりいいのではないでしょうか。

なぜ女性を引っ込めた代わりに近代路線を打ち出したのか。視聴率がふるわないとかクレームが来るなどの理由でやめたのであれば、今年も近代大河で、しかも数字は芳しくありません。恐らく従来の大河路線を脱したいのかも知れませんが、特に脱する必要もないと思われます。何よりも「やはり大河は…」にも書いたように、主人公の候補となる人物はまだいるのです。薩摩の幕末大河でも、脇役的存在だった小松帯刀を主人公にすることもできるはずです。NHKは視聴者から受信料を徴収する割に、視聴者のニーズに合った作品を作れているのか、どうもその辺りが疑わしく感じられます。

飲み物-コーヒー
[ 2019/11/27 00:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

大学ラグビーとメディア(+女子代表のヨーロッパ遠征結果)

ワールドカップ後、トップリーグのスタートまでをつなぐのが大学ラグビーですが、既に書いているように私は母校を含め、大学ラグビーにはあまり興味がありません。しかしかつては大学ラグビーが、ラグビー人気の担い手となっていました。無論その当時も代表チームや社会人のリーグ(今のトップリーグ)もあったのですが、在校生やOBによる観客動員が期待できる大学ラグビーは一番人気でした。代表チームに大学の選手が加入するのも珍しくありませんでした。

しかしこの大学ラグビー人気も、社会人、とりわけ神戸製鋼の台頭によって、陰りが見えて来ます。無論今でも在学生やOBには根強い人気で、OBの中には愛校心が強く、そのためちょっと怖く感じる人もいます。これは今のトップリーグと企業の関係にも似ていますが、大学の方がその距離はより近いと言えるでしょう。無論ラグビーカレンダーも、大学中心の時代が長く続きました。また日本選手権で、社会人(トップリーグ)と大学チャンピオンの試合が組まれたこともありますが、これは今では行われていません。当時の社会人選手によれば、危険なので学生相手にスクラムをしっかり組めないという意見もあったようです。

無論プロリーグが始まれば、恐らくはこの大学、企業からのしがらみからは解放されることにはなりそうです。ただそれとは別に、もう少しシビアな競争が出て来るでしょう。また日本選手権そのものの在り方も、考え直されてしかるべきです。ところでこの大学ラグビーは、泥臭さやひたむきさ、熱さというキーワードで語られることが多いです。確かにそれ自体は評価できますが、泥臭さやひたむきさのみをよしとする一方で、日本一を決める大会の在り方の考察が、失われがちになった一面もありました。

その当時のメディアの多くはこぞって大学の「チャレンジ」をほめ、本来ミスマッチであるはずの大学と社会人の試合について言及したメディアは少数派でした。またひたむきさを賞賛するあまり、こういった言葉がチャレンジを正当化するために使われたきらいもあります。この日本選手権のみならず、ワールドカップ前に、根拠もないのにベスト8入りを期待する姿勢などを見ていると、協会から圧力でもかけられているのかと思うほどでした。無論そのベスト8入りが如何に難しいかは、やっと今大会で証明されたわけです。

その他にも宿沢監督時代に、いわば選抜チームである「スコットランドXV」を破ったのに、「スコットランド代表」に勝利したと言いたがるメディアも今なお存在します。しかし流石に今では、かなりまともになった感もあります。いずれにせよライターは、編集サイドから言われて記事を書く以上、自分の一存で書けないのは致し方ないところです。しかし中には、チームなり試合なりの総括をする以前に、自らの記事の総括をしてほしい人もいるほどです。これについては、またお伝えできればと思います。

それから先日女子代表のヨーロッパ遠征について触れましたが、その女子代表、サクラ・フィフティーンは24日にスコットランドに24ー20で勝利しました。男子のみならず女子もスコットランドに勝利、しかもこちらはアウェーで格上を破る快挙でした。これを機に、女子の強化試合も今後格上の相手中心になるかと思われますし、それは大いにプラスとなるでしょう。こちらもワールドカップが開催されており、次は2021年のニュージーランド大会になります。

飲み物-ホットカフェオレ
[ 2019/11/26 00:30 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

シャーロックそして相棒7

前回(11月18日放送)の『シャーロック』。シャーロックこと獅子雄は、自分は子供の頃、固定観念にとらわれない方法で犯人探しをしたことを聞かせますが、その時少年が彼らの部屋を訪れます。獅子雄は純一を代わりに出しますが見破られてしまいます。その少年は祖父が介護施設を出て行方不明になったこと、さらに河川敷で祖父の袋を探したことを話します。その袋には白い粉が入っていました。

獅子雄は、これは危ないやつかもと思い、虎夫にその場所に案内させます。その場の様子で、祖父寅二郎は何者かから車に乗せられたことがわかります。しかし不審な車の目撃情報はありませんした。そして虎夫を心配した母道枝からの電話で虎夫は帰宅し、寅二郎も家に戻っていました。獅子雄は寅二郎に連絡先を渡して去りますが、同じ頃毒物による殺人事件が起こり、しかもその側にはトランプのカードが落ちていました。

そして寅二郎は獅子雄を訪ね、自分はさらわれて金庫破りをしていたことを打ち明けます。寅二郎の正体は1950年代に活躍した須磨の大鼠、通称須磨寅という盗賊でしたが、悪い人間からしか盗みを行いませんでした。寅二郎が車に乗せられている時聞いたラジオ、介護士の方言、元相棒の銀次のことなどから、獅子雄は寅二郎が、介護施設のガレージにあった金庫を開けさせられていたこと、また車は遠距離を走ったのではなく、同じ場所を何度も周回していたことを突き止めます。

また野球チームの選手が急病という設定で、実際にスタッフの手を借りて介護施設の車に乗り込んだことから、どうやって拉致されたかの手がかりも掴んでいました。獅子雄は動画で寅二郎を呼び寄せます。この犯人は施設のスタッフで、今は亡き銀次の世話をしていたスタッフが金のありかを教えられていたのでした。また寅二郎の袋の粉は、鼠小僧の墓石を削ったものでした。終戦直後、孤児であった2人は盗みに手を染めるようになったものの、山守組の鐘を盗んだ時に銀次が右手の指を失い、その後足を洗っていたのです。

しかも寅二郎はその後、右手の親指は絶対使わないようにしていました。さらに奪った金の被害総額は4000万だったにもかかわらず、実際には3800万円しかありませんでした。獅子雄は何食わぬ顔をして、虎夫に200万の請求書を渡し、さらにその200万円の隠し場所の図を渡して言います。
「とっとと解いて払ってくれ」

さて『相棒』です。杉下と冠城は、あるアパートの清掃をしている和江から、不審な音がする空室を調べてほしいと頼まれます。その部屋にはメロンの箱が置いてあり、杉下が開封したところスプレーが発射され、杉下が目にダメージを負います。その場にいた区役所のケースワーカー、友里の助けで病院まで連れて行ってもらい、1週間仕事を休むようにと言われるものの、翌日は特命係に出て来ます。

そんな中ある動画で、マンション建設予定地で男性の死体の発見が流れます。このマンション、そして例のアパートは不動産会社テイトーハウジングが関与していました。しかも死体はそこの社員森田であり、上司の竹村とうまく行っていなかったことがわかります。そして和江は、杉下のケガは自分に責任があると思い、こちらも上司の真山を伴って謝罪します。

しかも和江はあの時、不審な足音を聞いたと話します。その後冠城はテイトーハウジングの社員、絵梨と出会って、竹村と森田の関係を聞き、さらに森田の遺体から放たれていた異臭の正体、アクリロニトリルが、この会社の管轄の倉庫から盗まれていました。杉下は竹村に取調室の中を走るように頼みますが、和江の言う足音とは別物でした。

その後森田が担当していた物件は古い物件や事故物件が多く、入居者は生活保護受給者で、しかも住人の1人野川が入居者を監視していました。杉下は青木から紹介された「バディ」というアプリで、ここの管理が花畑管理サービスであることがわかります。一方真山は事件のことをすべて把握した和江を、殺害しようと企てます。

約束の倉庫に向かった真山ですが、そこにいたのは杉下と冠城でした。そこで2人は真山と森田がつるんで、生活保護者から金を搾取していたこと、その分け前を巡って対立し、真山が森田を殺そうと企てたこと、そして足音が和江の証言とそっくりなことを指摘します。真山が箱にスプレーを仕掛けたのは、視力を奪って森田を殺すためでしたが、これは杉下たちが来たため失敗に終わり、慌てて部屋のベランダから飛び降りた隙に足を痛めたので、やや不自然な足音になっていました。

そして今後はアクリロニトロルを盗み出し、これを使って森田を殺害します。暗い倉庫内で、相手との距離感覚を掴みにくい杉下は、病院で知り合った莉奈が言っていたように、杖で部屋の広さを確かめ、彼女がくれたビーズの人形をほどいてまき、音を頼りに真山を取り押さえます。そして最終的に、生活保護絡みでつるんでいた友里も逮捕されます。

今回のこの2つに共通する点として、

動画で情報を得る
「相棒」の存在が強調される
身近な人間、それも福祉関係の人間が犯罪に絡んでいた

こういうところでしょうか。『シャーロック』の場合は寅二郎と銀次の関係ですが、『相棒』の場合はいつもの冠城に代わって、青木が教えてくれた「バディ」なるアプリが登場します。これは込み入ったことは苦手ですが、比較的簡単な質問なら答えてくれ、しかもメールまで送付してくれるなかなかの優れものです。これには暇課長も驚き、生身の相棒の方がいいと言う冠城に、バディは憎まれ口は叩かないと杉下は答えます。

ところで『シャーロック』のツイートなどを見る限り、このドラマを観る目的とは、やはり原作探しとそのアレンジなのかなと思ってしまいます。原作そのものに関していえば、『技師の親指』がベースになっているのは確かです。

それと冒頭の、生徒を模したマネキンは少々不気味でした。本当はこの回、『古畑中学生』的なものを連想していたのですけどね…。今回は寅二郎を演じる伊武雅刀さんのシーンはいいのですが、虎夫のシーンが引き立て役といった印象もあります。しかしドラマそのものの面白さでいえば、私はやはり『相棒』の方が面白く感じられます。そういえば『相棒』にも伊武さんは出演していました。それから、この回に登場する森田というテイトーハウジングの社員、ラグビー選手という設定です。

飲み物-キャンドルとワイングラス
[ 2019/11/25 00:45 ] ドラマ | TB(-) | CM(0)

葵徳川三代徒然-33

家康の薨去後本多正信は隠居を申し出ます。その正信も病死し、また秀忠は竹千代の今後に備えて新たに傅役を選びます。さらに軍令の制を出し、大名の石高に応じた軍備を命じると共に、大名の国替えをも進めていました。そして板倉重昌を天海と共に上京させ、武家伝奏を通じて家康の神号を決めることにします。さらに高台院が、家康の喪中であるにもかかわらず、大坂の役で戦死した者たちの法要を妙心寺で営んだことに難色を示します。しかし高台院は、自分の夫である秀吉には墓所もない、豊国大明神は打ち壊されたと言い、このことを上様に知らせんがために法要を営んだと伝えます。これにより、秀忠も豊臣家の菩提寺建立を考えます。さらに千姫は、豊臣家の墓が立つまでは宮家には輿入れしないと主張し、また上方へは行きたくないと言い出します。秀忠は家臣の反対を押し切り、秀吉の墓所を方広寺大仏殿境内に作ることにし、また千姫を譜代の家臣に嫁がせることにします。

秀忠は、妹が入内で姉は宮家では肩身が狭かろうと言い、家康の遺言を無視して武家に嫁がせることにしたのでした。一方で秀忠は、謹慎中の忠輝が精進もしておらず、家康の遺命に沿って今度は伊勢に追放します。今度は寺に入ることになり、道中忠輝は剃髪し、正室の五郎八姫は実家の伊達家へ戻ります。この頃から諸外国への対応が厳しくなり、家臣支倉常長を南蛮に派遣していた伊達政宗はこれにうろたえます。しかも平戸のイギリス商館長コックスは、貿易ができぬと本多正純に直訴します。また譜代大名の国替えも行われ、豊臣家の墓所も建てられて、千姫はこれで本多忠勝の孫、忠刻へ嫁ぐことになります。しかしその頃、般若の面をつけた少年たちが不審な行動をしていました。実はこれは竹千代と頼房で、お江はこれを快く思わず、何かにつけて大御所の遺命であると、家康による竹千代の教育方針を持ち出すお福と対立します。そして国千代へは、甲斐20万石が与えられることになりました。

しかしこの千姫の行列を妨害し、姫を奪取する陰謀が発覚します。その首謀者は石見津和野城主の坂崎出羽守で、公家と千姫の再婚を周旋したにもかかわらず、秀忠から破談にされたためでした。これは宮中を軽んじていると主張する坂崎ですが、家臣によって殺されてしまいます。武家諸法度では家臣に逆心あらば追放、大名が幕府に逆心あらば諫めると規定していましたが、秀忠は忠義の何たるかを明確にするため、法度を改正しようとします。しかし金地院崇伝は時期尚早と反対し、やがて江戸を追われます。やがて東照社(東照宮)が完成し、遷宮の式が執り行われることになりました。尾張の義直、駿府の頼宣、そして水戸の頼房が江戸へ向かいますが、秀忠はこの3人と2人の息子を前に、徳川の姓を名乗れるのはこの6人だけであると言い聞かせます。遷宮当日の4月17日、公家たちも大勢招待されて、当日日光に参詣した者は3万人にものぼったと伝わっています。

まず千姫と忠輝の件ですが、千姫は亡父家康の遺命に背いてでも武家に嫁がせる一方で、忠輝は遺命に沿って追放してしまう辺り、秀忠もかなりダブスタではあります。また忠輝は僧形となって伊勢朝熊に向かいますが、これは北条氏直を連想させます。ただ氏直には北条家再興が伝わっていたといわれますが、忠輝にはその機会は与えられませんでした。しかしいきなり般若の面の頼房が案内役の光圀の所に来たり(光圀は頼房の子)、千姫が再婚であると言うのに対して、常高院がそなたの母は3度と言ったり、ジェームス三木氏らしい描写が目につきます。この頼房、侍女の行水をのぞき見していて石をぶつけられたのに、秀忠の前でおなごは嫌いだと言ったり、この光圀の父らしく、少々風変わりではあるようです。しかし秀忠が徳川の姓を名乗れる者は6人と言うところは、忠輝に手こずったこともあり、徳川家を盤石政権にしたいという意志がかなり強かったのでしょう。

また平戸のイギリス商館長の件ですが、この時既に明を除く海外貿易は、平戸と長崎に限られていました。また忠輝の件もあり、伊達政宗がキリシタンを募って、謀反を起こすのではないかという秀忠の心中を、すまけいさんが一人二役で演じています。実際この時支倉常長を南蛮に派遣していた政宗は落ち着かなかったでしょう。さらに坂崎出羽守の家臣が、秀忠に盾つく主君を殺害した件で、秀忠は武家諸法度を手直ししようとします。家臣はお家と主のどちらが大事か、あるいは大名は国家と将軍のどちらが大事かという点を、明確に定める必要があると思ったためです。しかし金地院崇伝はこれに反対します。最終的に崇伝は江戸から追われますが、どうも家康の神号に加え、このこともその一因ではないかと思われます。無論時を経るに従い、幕府に刃向かう大名も、また大名はともかくも、幕府を倒そうとする大名の家来も登場することになるのですが。

飲み物-カクテルブルー
[ 2019/11/24 00:15 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

ラグビー情報あれこれ

まず、日本代表がパレードを行うことが決まりました。

ラグビー日本代表パレード 12月11日、都内で
(産経ニュース)

場所は丸の内仲通りで、正午から選手がコースを歩くことになっています。

それから先日投稿した、田村優選手の『MEN'S CLUB』の表紙の件ですが、笑顔の田村選手ではなく、もう一つの方が選ばれたとのこと。ちょっと残念ではありますが、いずれにしても日本代表10番が表紙を飾ることに変わりはありません。日本代表と雑誌の表紙といえば、松島幸太朗選手も『GOETHE』の表紙に登場します。アマゾンで見る限り、松島選手のファッションは田村選手よりももう少しカジュアルで、それぞれの個性が活かされているといえます。

それからカナダ代表の釜石での清掃シーンが、ワールドカップの名場面の1つに選ばれています。

感動が蘇る カナダ、釜石の泥清掃をW杯公式が名場面選出「これがラグビーの精神」
(The Answer)

そして同じ釜石関連で、こちらはいい試合をしながら、一部選手が不祥事を起こしたウルグアイ代表ですが、告訴となったようです。

ウルグアイ代表の暴行問題、店が選手ら告訴 ラグビーW杯
(afpbb)

一方で女子15人制代表(サクラ・フィフティーン)は現在ヨーロッパ遠征中で、イタリアと17ー17で引き分けています。24日にはスコットランドと対戦予定です。

また7人制代表も、来年のオリンピックを睨みながら強化に余念がありません。本当のところ、メディアにはこういうチームのことも、もっと詳しく報道してほしくはあります。意外と女子代表のことを知らない人もいるでしょう。

飲み物-ホーセズネック
[ 2019/11/23 01:15 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

『花燃ゆ』に改めて感じること

既に報道されているように、沢尻エリカ容疑者降板により、2020年大河ドラマ『麒麟がくる』の帰蝶(濃姫)役が川口春奈さんに決まりました。他に満島ひかりさんや、貫地谷しほりさんも候補として挙がっていたようですが、大河初出演の彼女が抜擢されました。しかし収録していた10回分の多くを撮り直すことになるようで、かなり大変そうです。いつ番組がスタートとなるのか、現時点ではまだわかりません。無論私としては、昨年そして今年は3回分を特番放送、あるいは選挙による休止止としていましたが、その分を最初にまとめて持って来て、1月26日スタートで行けばいいかとも思います。

出演者変更のお知らせ
(NHK ONLINE)

昨年の今頃になりますが、『篤姫』について書いていたことがあります。ただこの大河は幕末薩摩大河というよりは、大奥メインの大河でした。視聴率の高さの一因は、その点にもあったのではないかというのもその時書いています。またプロデューサーが同じということもあり、この『篤姫』の描写方法がその後『江~戦国の姫たち~』、そして『真田丸』にも受け継がれたともいえます。つまり色々な場所に主人公が出て来るという描き方で、『江』は言うに及ばず、『真田丸』の大坂のシーンで、信繁が色々活躍するというのもそれを踏まえているのでしょう。ただしこの場合主人公が男性ということもあり、まだしも納得できました。

その『篤姫』と同じ、女性主人公の幕末大河に『花燃ゆ』があります。この大河はあまりにも大河らしくなかった作品ですが、元々篤姫や江以外の女性主人公は、知名度そのものはかなり低く、実際に何をやった人物かというのもよく知られていません。山本八重も新島襄と結婚し、赤十字に関わったことは知られていますが、前半生があまりよく知られていないともいわれています。まして杉文(楫取美和子)は、吉田松陰の妹で久坂玄瑞の未亡人であり、長州藩の若君の傅役となったこと、後に楫取素彦と結婚して幼稚園を設立したこと位しか知られておらず、大河化には無理がありました。(これは『おんな城主 直虎』も同じ)

ただ『花燃ゆ』の場合、一部のファンに支持されるような舞台的な、もしくはサブカル的な演出はありませんでした。私は大河のサブカル的描写をあまり好まないのですが、『平清盛』や『おんな城主 直虎』、『いだてん』にはそういう演出が見られました。ただし『平清盛』はそこまで気になりませんでしたー清盛が放った禿がいささか不気味ではありましたが。しかし直虎あるいは『いだてん』の演出には違和感を覚えましたし、その意味では部分的とはいえ、後になってからではありますが、まだ『花燃ゆ』を受け入れられるところもありました。結局『花燃ゆ』の場合、その手の演出がなかったからこそ、サブカル的なものを好む視聴者からも見放され、孤立無援のようになった感はあります。

また脚本家がくるくる変わったのもデメリットでした。脚本家が変わるということは、当然キャラ設定も変わるということです。そのため序盤の設定が途中で変わりもしたし、仮に何名かのサブが入るとはいえ、基本的に大河は1人の脚本家が組み立てるものです。無名の人物が主人公、ファンをつなぎ留める要素がないのに加え、脚本を変えるという「迷い」が生じたことも、この大河に取って大きなマイナスになり、不安定になったいえるでしょう。無論本編がさして面白くなくても、迷いがあることで制作陣が悩んでいることも見て取れたのですが、ではなぜ悩まなければならなかったか、それも考えられてしかるべきだったでしょう。(2019年11月23日一部修正)

飲み物-ワインとワイングラス
[ 2019/11/23 00:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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