それでは、日本が決勝トーナメント進出を決めた13日の試合について。
日本-スコットランド(横浜国際総合競技場、28-21)
この試合、先制したのはスコットランドでした。一方日本は田村優がペナルティゴールを失敗するも、松島幸太朗のトライ、そしてコンバージョン成功で同点に追い付きます。さらに日本は稲垣啓太、福岡堅樹のトライでスコットランドを突き放しにかかります。この稲垣選手のトライ、空いたスペースを利用してうまくボールをつなぎ、最終的にゴールポストの真下にボールを押さえたもので、殊勲物ともいえるトライでした。ただ田村選手は、その後再びペナルティゴールを失敗してしまいます。
さらに後半の立ち上がり、福岡選手が再びトライで28ー7とします。しかしスコットランドもこのまま黙ってはいません。その数分後にトライとコンバージョンで28ー14、そして後半15分にもトライを決め、7点を加えて21点と7点差です。ちょっと不安な時間帯ではありましたが、結局これがファイナルスコアとなりました。しかしこのトライの前に「要注意選手」グレイグ・レイドローを外し、かなり選手を入れ替えたことから見て、スコットランド首脳陣は、キックよりも攻撃的プレイを選択したようです。
日本も選手を入れ替え、攻撃するスコットランド選手を徹底的に封じ込めます。スコットランドは4トライを挙げての勝ちでないと、決勝トーナメントに進むことができず、かなりプレッシャーを感じていたようです。しかし日本は粘りに粘った末、ついにこれ以上トライを挙げさせることも、ペナルティゴールを入れさせることもなく、最終的には残り1プレイでボールをタッチに蹴り出し、試合終了となりました。これで、ワールドカップ史上初の決勝トーナメント行きが決定した上に、最優秀選手である福岡選手へ、大坂なおみさんがトロフィーを渡すというサプライズもありました。
なお、この前に決勝トーナメントに勝ち進んだことがあるティア2のチームは以下の通りです。
サモア(1991、1995-いずれも当時は西サモア)
カナダ(1991)
フィジー(1987、2007)
サモアとフィジーは1999年のプレイオフにも出場
またスコットランドは今回だけでなく、2011年大会でも決勝トーナメントに進むことができませんでした。アイルランドも予選リーグ敗退を経験しています。
それから川淵三郎氏のツイートに
「故・宿沢氏が、ラグビーはサッカーより先にベスト8になると言ったのが現実になった」
という内容の物がありました。ラグビーにはサッカーの”Round of 16”に該当する試合がなく、リーグ戦を勝ち抜いた時点ですぐ準々決勝進出となるのも理由として挙げられます。その代わり、1リーグが5チームという編成になっているため、最低でも4試合を戦うことになります。