史朗と一緒に小日向と航に会った賢二は上機嫌で、その後風邪を引いた史朗の世話を焼き、さらになぜ史朗を選んだかを打ち明けるに至ります。しかし史朗はかつての女性アイドルを今も好きなようで、賢二はそれが気になります。
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6月。史朗と賢二は新宿2丁目で小日向大策、そして井上航と会う。その席でそれぞれが、互いに何か相通じるものを感じ取る。賢二はお近づきのしるしにと、航に入浴剤をプレゼントするが、それを巡って小日向と航の間でひと悶着起きそうになる、小日向は芸能事務所勤務で、名刺の裏に担当している女性タレントの名前がリストアップされていた。その中の三谷まみは、史朗がかつてファンだったアイドルであり、かつて夢中だったことを打ち明けてしまう。
そのため航から「バイ」呼ばわりされてしまった上に、少しも王道のゲイらしくないといわれてしまったため、史朗は自分はマイノリティだと答える。またゲイであることを隠さなくて済むから楽だろうといわれたため、職場では隠していることを告白する。賢二は終始上機嫌だったが、帰りに折悪しく雨が降り出してしまう。この雨で史朗が風邪を引いてしまい、賢二は予約の客がすべて終わったため、店長の三宅から上がっていいといわれ、張り切って史朗の世話をすることにした。
史朗の為に熱さましのシートや薬を買い、さらに食材を買って卵焼き、ほうれん草の白和えそして鶏雑炊を作る。一々レシピを声に出して確認しながら作っているため、史朗の部屋にまでそれが聞こえてくるうえに、何か手際が悪そうで史朗は気が気でなく、2人分の雑炊に高価な鶏もも肉を1枚使ったりしているのがわかって気をもむ。しかし何とか料理はできあがり、史朗も風邪のせいで味が今一つわからなくはあったが、何とか美味しく食べられた。その間にも賢二は、何かと史朗の世話を焼きたがる。
史朗と小日向は再び新宿2丁目で会っていたが、小日向の監視役として航もついて来ていた。風邪がなかなか完治しない史朗に、小日向は生姜湯をくれる。そこへ賢二もやって来るが、航が史朗は冷たい男が好みなのに、賢二は全然違うけど愛しているんだななどとずけずけと言う。この男は天然の小悪魔なのか、底意地が悪いのか、史朗にもよくわからなかった。さらに航から理想のタイプを訊かれた賢二は『シティハンター』の冴羽獠だと答え、史朗の腕を引き寄せて、ここに三次元の冴羽獠がいたんだと答える。
史朗は賞味期限ぎりぎりのホットケーキミックスと、黒くなりかけたバナナを使ってケーキを焼いていた。小日向の生姜湯へのお礼のためだと史朗は言う。そのケーキ型は、ミートローフにも使えるように買ったのだとも言う。その後2人でケーキを食べながら、史朗は実は賢二の入浴剤のプレゼントにヒントを得たのだと言い、賢二は史朗が自分たちの方に寄って来てくれている、つまりケーキを焼いたり、小日向たちと頻繁に会っていると嬉しがる。しかし史朗に取ってはそう言われるのはあまり嬉しくなかった。その後賢二は偶然三谷まみのディナーショーのチケットを見つけ、小日向と会っていたこととお礼は、このためだったのかと言い、本当は女がいいのではと疑う。
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小日向大策そして井上航と会ったことで、賢二は有頂天になり、帰りの雨で風邪を引いた史朗を甲斐甲斐しく看病し、さらに慣れない手つきで食事まで作ります。またなぜ史朗に惚れ込んだかに対しては、理想のタイプである冴羽獠がここにいたからだと言い、それでやっと史朗も腑に落ちます。賢二は徐々に史朗が自分たち、つまり王道のゲイに近づいて来ているようで、それを好ましく思っているうえに、本当は小日向に関心があるからケーキを焼いているのではとも勘繰りますが、小日向に会っているのには別の事情もあるにはあるようです。しかし史朗と賢二もさることながら、これまた明らかにタイプが違う航と小日向、それぞれのキャラとその人間関係は今後どうなりますやら。
さて今回のメニューです。
<風邪引きの史朗のためのメニュー>
(しかしやはり鶏がぶつ切り状態です。シロさんが言うように、動物性タンパク質はしっかり取れますが)
<生姜湯のお返し>
バナナケーキ