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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  2019年03月

『まんぷく』終了と嫌いという心理と『葵 徳川三代』

『まんぷく』が終わりました。すべてとはいえないものの、大部分を観た朝ドラというのは久々です。人から観るように誘われたせいもありますが、武者さんのコラムがどうも頓珍漢に思えたのも、観るようになった一因です。しかしこのコラム、朝ドラは6日間連続なので、ほぼ連日のようにバッシングに近く、しかも内容をきちんと観ていないであろう文章がアップされまくりの状態でした。無論これは大河にも言えることですが。

この『まんぷく』、私の場合すべてに満足したわけでもありませんが(というより、100パーセント満足したドラマも、全く満足しなかったものもない)、妙なところで揚げ足取りまくりで、しかも自分の哲学とも言うべきポリコレだのジェンダー論を主張したがり、そのせいか文章も含めて、どこか破壊的だなという印象を強く受けました。

ところでここで質問です。次のうち、うまく行くのはどちらの方でしょう。
趣味や好きなことが同じ
これは許せない、我慢できないといった嫌いな点が同じ
答えは「嫌いな点が一致する」です。これは友達でも恋人でも、夫婦でも同じことがいえるようです。好きなことというのは互いに許容度が高いといえますが、嫌いなことや許せない部分を妥協していると、互いに喧嘩になったりストレスがたまったりしがちになるのはやはり事実のようです。

また、ある特定の対象を嫌い続けているとストレスがたまりますし、ネガティブな言葉の方をいつまでも覚えているというのも、似たような理由があるといえます。どうしても苦手である、嫌いであるというのであれば、距離を置くという方法もあるわけです。私は4月からの朝ドラは観る予定はないし、この朝ドラコラムからも少し離れようかと思います。というか、こんなコラム見ない方がいいですよと忠告されたことはあるのですが。

それから、4月からの大河ドラマ再放送は『葵 徳川三代』(左側リンク欄参照)に決まりました。関ヶ原間近で、既に60歳になろうとしている家康とその側室たち、さらに嫡子秀忠や孫家光といった、徳川幕府創成期から幕藩体制が確立するまでを描いた作品です。この大河はかなり予算をかけていて、『軍師官兵衛』の関ヶ原のシーンも、この時の映像が一部使われています。また出演する俳優さんもかなり豪華です。私に取って、「今年の大河」はこれになるかもしれません。

特に浅井三姉妹が小川真由美さん、波乃久里子さん、そして岩下志麻さんで、岩下さんは江の役です。嫡子と折り合いがよくない母親を演じたら、この方に勝る女優さんはいないでしょう。本当言って大河というのは、このくらいの規模で作ってほしいものです。大坂の陣も出て来ますし、もちろん豊臣方も描かれています。中村梅雀さんの狂言回し的役割もいいです。ただ放送時間が午前6時からなので、恐らくは録画視聴になると思われます。

飲み物-ワインのデキャンタとグラス
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[ 2019/03/31 23:45 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『フラワー・オブ・スコットランド』がスコットランドの試合で演奏される理由とは

先日ご紹介した『フラワー・オブ・スコットランド』、なぜこれがスコットランド代表の「国歌」になったかについてです。元々はイギリスというか、連合王国の一員であるため『ゴッド・セーブ・ザ・クイーン』が試合前に流されていました。しかしこれに対して、スコットランドのファンからブーイングが起きたため、関係者は頭を抱えたのです。元々『ゴッド・セーブ・ザ・クイーン』は英連邦諸国の公式国歌でもあるわけで、オーストラリアやニュージーランドなど、独自の国歌を持っている国でもこれは同じです。しかしスコットランドは、かつてはイングランドから侵略を受けており。こういった歴史的経緯から、イングランドに対して常に対抗意識があり、この曲にもそれを思わせる一節があります。

しかもイギリス王室のロイヤル・プリンセス、アン王女の公務はスコットランド関連が中心で、スコットランド代表の試合には必ず臨席されることから、『ゴッド・セーブ・ザ・クイーン』へのブーイングへの対処策が練られることになりました。その結果、スコットランド独自の「国歌」を制定するに至ったわけです。当初は『スコットランド・ザ・ブレイブ』なども演奏されていたようですが、最終的にこの曲に落ち着いたようです。元々はザ・コリーズというグループの曲で、1974年のライオンズの南アフリカ遠征で歌われたことから、有名になったとされています。尚このライオンズとは、連合王国及びアイルランド共和国代表のことで、4年に1度、この顔ぶれで南半球に遠征するのがならわしとなっています。

一方ウェールズの場合は、『ランド・オブ・マイ・ファーザーズ』が演奏されます。とりわけウェールズは歌好きな民族性ということもあり、この「国歌」以外にも『ソースパンの歌』など様々な応援歌があります。さらにアイルランド(ラグビーは南北に分かれていない)は『アイルランズ・コール』という曲がありますが、ダブリンで試合が行われる時には、アイルランド共和国の国歌である『ソルジャーズ・ソング』も演奏されます。しかしかつてはその逆で、ダブリンで行われる試合では、この国歌を演奏しないことになっていました。尚ニュージーランドの場合は『ゴッド・ディフェンド・ニュージーランド』ですが、マオリ語と英語、両方のバージョンの歌詞で2回演奏され、演奏後にハカやカパオパンゴといったウォークライが行われます。

飲み物-パブのビール 
[ 2019/03/31 00:45 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

Hanami

Hanami means viewing flowers, especially viewing cherry blossoms. When cherry blossoms begin blooming from March to April (or May in northern Japan), people go to the parks, castles, shrines, temples, mountains and so on to view them. For Many Japanese, it's an annual event. Some people enjoy drinking and eating while viewing them.

植物-桜1 

In Japan, Yoshino cherry (Someiーyoshino, Prenus yedoensis) is very popular. It is said that a gardener in Edo invented it in the 19th century. But there are various kinds of cherry blossoms in Japan such as Kanzan, a kind of yae-zakura that means double-flowered cherry. The plant became popular in Heian period (from the 8th century to the 12th century) and is really beloved by the Japanese. Those who enjoy hanami also admire the beauty of other flowers bloom in spring.  

植物-八重桜 

By the way, Japanse national flower is not Yoshino cherry but Yamazakura (Mountain cherry, Cerusus jamasakura) whose flower colour is paler than that of Somei-yoshino and the leaves come out before the blossoms fall.
 
[ 2019/03/30 22:45 ] Others | TB(-) | CM(0)

『スポーツ×ヒューマン』に堀江選手が登場

今日はラグビー関係のお知らせです。
NHKBS1で、4月から放送される『スポーツ×ヒューマン』に、日本代表でサンウルブズ、さらにパナソニックワイルドナイツのフロントローでもある、堀江翔太選手が登場です。昨年右足を骨折してしばらく試合から離脱していますが、今年のワールドカップには意欲を燃やしているようです。

スポーツ×ヒューマン[新]「トトはラガーマン ラグビー日本代表 堀江翔太」

それからサンウルブズ、アウェイでワラターズに勝利です。これは素直に嬉しい。
[ 2019/03/29 23:15 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

大河ドラマの時代設定はいつにするべきか

大河ドラマの時代設定は、どの時代までを目安にするべきでしょうか。これはやはり幕末が絡む明治初期まででいいと思います。1980年代に近現代物をやり、今年も近現代物ではありますが、この時代なら朝ドラでもやっているし、別のドラマ枠でも放送されています。また作品によっては、歴史に名前を残した人物も主人公として登場しているのです。それを考えると、殊更に大河でやる必然性はあまり感じられないのです。やはり大河は特定の人物、特に武士の一生を描くものという見方は存在します。以前近代物でもいいかと考えたこともありますが、大河といえば侍、髷、刀、甲冑、合戦を連想する人は一定以上いると考えられます。寧ろそれを逆手に取って、徹底的に武士の世界を描くという方法でもいいでしょう。無論描き方は様々だと思いますし、またそうあるべきかとも思います。

現在までのところ、一番古いのは『風と雲と虹と』(平安中期)で、一番時代的に新しいというか、現代に最も近いのは『八重の桜』です。無論『八重の桜』の主人公は武士ではありませんが。この間に存在した多くの武士、その中で1年間の大河の主人公を務められる人物はまだいると思われます-ただし、女性主人公はもうやらなくていいとは思います。再来年の時代設定や主人公が、どのようになるかはまだわかりませんが、もうこの路線に落ち着いてほしいものです。NHKも視聴率は気になるだろうと思いますが、今は戦国時代でも15パーセントから18パーセント程度と思われます。幕末だとさらに低く出ることがあります。タイムシフト視聴率が5パーセントほどとみて、戦国物だと総合視聴率で20パーセント行けばいいでしょう。幕末の場合は15パーセント程度でしょうか。それ以外の時代だともう少し低くなるでしょう。

大河離れというよりは(無論、その可能性もありますが)、テレビ離れが加速しているというのが、現在の視聴率低下の原因です。恐らくどのような番組であっても、30年ほど前に比べたら視聴率は下がっていると思います。テレビ離れ阻止のためにはネット配信という選択肢もあります。テレビとは異なりますが、ある程度の視聴が見込める方法ではあるのでしょう。これは既に書いてはいますが、かつて大河ドラマが視聴率30パーセントを誇っていた頃に比べると、今はかなり制約が多くなり、合戦シーンなどもかなりアレンジせざるをえないと思われます。少し前にご紹介した『山河燃ゆ』は太平洋戦争が登場し、そのためかなり重めではありましたが、戦国時代の合戦でさえ忌避されることもあるようです。当時の武士の一生を描くのであれば、避けて通れないことではあるのですが。

飲み物-パブのビール1 
[ 2019/03/29 01:00 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

2019スーパーラグビー第6節結果と2021年以後のサンウルブズ

ではラグビー関連です。しかし先週も『まんぷく』コラム関連で、1日延ばしにしていたのに気づきました。

第6節結果(赤文字勝利チーム)
ブルーズ 33-26 ハイランダーズ
ハリケーンズ 34-28 ストーマーズ
ワラターズ 20-12 クルセイダーズ
サンウルブズ 24-37 ライオンズ
ブルズ 20-56 チーフス
シャークス 28-14 レベルズ
レッズ 36-14 ブランビーズ

クルセイダーズ、黒星。
さてサンウルブズの方は、反則の多さもあって相手に得点を許し、結局勝利はお預けとなりました。前半はいい展開もありましたし、後半も得点できてはいたのですが、肝心なところでのミスが響いたといえます。そんな中で、ウォーレンボスアヤコの得点は目を見張るものがありました。尤もこれは、過去3シーズン決勝に進んだライオンズ相手ということもあるかもしれません。またサンウルブズの選手が、準ホームではあるものの、シンガポールの暑さに慣れていなかったことも考えられます。

サンウルブズ、リーグ除外発表後の一戦。スーパーラグビー2019「サンウルブズ×ライオンズ」レビュー
(JSPORTS公式サイト)

サンウルブズ、ライオンズに敗れる
(ラグビー愛好日記)

ちなみに上記『ラグビー愛好日記』でも、スーパーラグビーからの除外への言及があります。特に日本におけるスーパーラグビーの責任者というべき渡瀬氏は、このように語っています。
「私も非常に残念に思っています。アジアにラグビーを広める責任を負っていると思ってきたし、だからこそシンガポールでも試合をしてきました。(中略)アジアへの普及については別の方法も検討すべきでしょう。今、何かプランを発表することはできませんが」
恐らくサンウルブズの運営を任されていただけに、今回の日本協会の姿勢には納得できないのもまた事実でしょう。さらになぜこの時期の発表かと疑問を呈し、このようにも話しています。
「シンガポールの人々にとって、サンウルブズはヒーローです。アジアのラグビー普及にもマイナスではないですか」

尚2020年の脱退後に関しては、先週触れたグローバル・ラピッド・ラグビー(Global Rapid Rugby)に加入するか、それともアジア太平洋地域で新規の、それもスーパーラグビーの下部リーグを作るかなどでまだ流動的です。以前よく訪れていたラグビーサイトの掲示板では、シンガポールに本拠地を移すべきという意見もあります。また海外のコメントではむしろサンウルブズに好意的なことなどにも触れられており、南アフリカの10億円云々も、正式発表はなかったともいわれていて、この辺り今一つ定かではありません。ただSANZAARにお金があまりないのは確かであるようです。いずれにしても、トップリーグと代表をつなぐための強化体制を、それも早めに作る必要はあるでしょう。チームは存続させる方向のようです。

次節というか明日は、ワラターズとアウェイの対戦となります。

飲み物-エールビール 
[ 2019/03/29 00:15 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

フラワー・オブ・スコットランド/Flower of Scotland

『フラワー・オブ・スコットランド』。スコットランド代表の、ラグビー(サッカーも?)の試合前に演奏される非公式国歌です。歌詞はバノックバーンの戦いを思わせるものがあります。なぜこの曲になったのかは、かなり前の『ラグビーマガジン』のコラム「トライライン」で、小林深緑郎氏が書いていたことがあります。その話と、この曲へのスコットランドメディアの対応に関しては、また後日アップします。


"Flower of Scotland", a Scottish song and is performed as an unofficial anthem before the test of Scottish national team of rugby union. The lyrics remind me of the Battle of Bannockburn.

[ 2019/03/28 00:00 ] その他/others | TB(-) | CM(0)

確証バイアス

いつものラグビーは明日にアップの予定です。今回は確証バイアスについてです。ここのところ、『まんぷく』コラム関連が多く、ちょっとうんざりしておられるかもしれません。ただこの朝ドラあるいは大河のコラムは、この手のバイアスがかなり顕著に見られるサンプルともいえます。

この確証バイアスというのは、自分の先入観で対象となる人物や事物を観察し、自分に取って都合のいい情報を集めたうえで、その先入観を補強するという意味で使われます。一方で、それに反する情報は集めない、あるいは無視するという傾向があります。偏見や自己肯定、レッテル貼り(ラベリング)もこの確証バイアスの一例です。上記コラムの場合は、自分が好きでない作品である『まんぷく』には、ネガティブな書き方をしたり、また批判的な情報を集める一方で、好きな作品に関しては持ち上げ、肯定的な情報を集める傾向があります。さらにきわめて中立的な見方である記事のリンクをわざわざ貼って、それを批判することもあります。ちなみにこれは鈴木祐司氏の『いだてん』評で触れていますし、批判したがる傾向については、批判する心理とはでも書いています。

場合によってはリンク記事だらけになっていて、およそレビューとは思えないことがしばしばあります。これだけでもかなり疑問なのに、自分が好きでない作品を好きな人、自分が好きな作品に批判的な人を悪く言うこともあります。『まんぷく』を好きな人に対する「信徒」なる言葉遣いもその一例です。また好きでない作品の視聴率が落ちた場合には何かの如く書き、その反対の場合はだんまりを決め込むこともあります。こういうのはレビューのような、本来中立性が求められるものではなく、個人のサイトなりブログなりでやるべきなのです。無論誰にも好きな作品、嫌いな作品はあります。前にも書いたかもしれませんが、ドラマとかアニメなどは好き嫌いが分かれやすいものです。しかしそれを超えた立場で対象を論じるのが、本来の意味のレビューです。

この確証バイアスが高じると、本当は嫌でたまらないのに、無理してポジティブな面を探し求めるといった、ある意味病的な事態に陥りかねません。またその反対に、確証バイアスが必ずしも悪いかというと、そうとも言い切れない部分もあります。場合によっては自分を、あるいは他者を高めなければならないとか、やる気を起こさせなければならないという時、特にビジネスやスポーツ、また恋愛などでは寧ろこの確証バイアスは有効だからです。

ただしこのコラムに見られる確証バイアスは、やはりマイナスの意味に捉えざるを得ないのです。好き嫌いを超えた立場で書かれていないのが理由として挙げられます。無論第三者に意見を求めたりすることで、確証バイアスを是正することも可能です。そういう人がライターの周囲にいないのでしょうか。通常チェッカーというか、ダメ出しをする存在の人がいると思うのですが、その辺りがどうなっているのかよくわかりません。

無論確証バイアスは誰にもあることであり、他人に対して確証バイアスを持っていると思う反面、その自分自身もまた、別の確証バイアスに囚われていることもないとはいえないのです。そのためにも、アドバイスをしてくれる人の存在はやはり大事であると感じる次第です。

飲み物-温かいカフェオレ 
[ 2019/03/27 23:15 ] その他 | TB(-) | CM(0)

軍師官兵衛徒然-46

遅くなりましたが、『軍師官兵衛』第50回にして最終回「乱世ここに終わる」。如水は九州一円の石田方の城を落とし、天下を狙わんとしていました。同じ頃、関ヶ原で徳川家康の軍と石田三成の軍が衝突します。この時石田方は小早川秀秋や吉川広家が既に調略されており、しかもなかなか動こうとしない小早川の陣に、家康から大砲が撃ち込まれます。この時黒田軍は奮戦して石田方を攻め、一方九州では如水が快進撃を続け、本来石田方であった鍋島直茂が援軍を申し出ます。しかしこの関ヶ原の戦いは一日で幕を閉じ、三成、小西行長、安国寺恵瓊は捕らえられます。後にこの3名は斬首されますが、三成はその前に、自分に言葉をかけた長政に、如水殿なら自分の気持ちがわかると伝えます。そして家康は、この斬首のことを茶々に伝え、彼らを庇った者も同罪と睨みをきかせます。九州で関ヶ原の知らせを受け取った如水は、万事休すの思いで中津へ戻ります。

その後如水は上洛し、家康にそれぞれ会います。家康に会った如水は、九州で天下を狙ったことを率直に告げ、自分は戦で負けたことはないが、此度は内府様に負けたと頭を下げます。そんな如水に家康は、長政は父を超えたこと、そして太平の世を作ることを伝えるのでした。その長政は関ヶ原での功績により、筑前52万石を与えられることになります。そして父に、家康が自分の右手を取ってほめてくれたことを話すものの、如水はこう言います。
「お前の左手は何をしていた」
その後筑前に転封となった長政は城下を福岡と名付け、慶長7(1602)年11月には待望の男児が生まれます。その子は如水の幼名万吉にあやかって万徳と名付けられます。家康の体制は盤石となり、おねは、茶々が大坂城にいる限り目を覚ますことはあるまい、大事なのは城でなくて人だと言います。

如水はめっきり老け込むようになりました。慶長9(1604)年正月、余命が短いことを悟った如水は長政と栗山善助を呼び寄せ、自分の赤合子の兜を善助に与えます。そして長政には、今後の身の処し方を教えます。この年3月20日、如水は59歳で生涯を閉じました。悔いはないと如水はいまわの際に言い、光は、自分は天下一の果報者であると夫に言います。しかしその11年後、乱世の最後の戦というべき大坂夏の陣が起こり、これには長政も従軍します。そして、仲たがいをして出奔した後藤又兵衛が、道明寺の戦いで戦死したことを知ってひどく後悔します。大坂城は炎上し、その様子をおねと家康が見つめていました。家康は如水と約束した太平の世が来たことを悟ります。そして光は、藤の花を見ながら、その先に如水がいるのを見つけ、こう語り掛けます。
「殿、よう生き抜かれましたなあ」
その場には、如水が生涯愛用した杖が残されていました。

本望を遂げることができた者と、できなかった者の対立が浮き彫りになります。前者は徳川家康、そして黒田長政でしょう。後者は石田三成と茶々ですが、無論如水もその一人でした。前にも書いていますが、関ヶ原の戦いが一日で終わることを、如水は読めていなかったのです。というより、この時代これだけの規模の戦いであれば、それなりの日にちを要すると考える方が正しかったといえるでしょう。あと一歩で中国地方に攻め込めたかも知れなかったのに、それが覆されたという如水の気持ちは察するに余りあります。しかもこの戦いを一日で終わらせたのは、子の長政の尽力によるものであったわけです。父と子の明暗が分かれた感もあります。例の「お前の左手は何をしていた」は伝説とされていますが、子の功績を喜ぶというより、自らが天下人になれなかった悔しさの方が先立ったとも取れます。

石田三成は、天下を争えたことが大事だと家康に語った設定になっています。立場こそ違えど、この人物もまた、かなりの劣勢ながら天下の覇権を争ったのは事実でした。そして茶々です。この人物は自分の右腕ともいうべき三成がいなくなり、さらにその後大坂夏の陣では、家康に攻め込まれて自刃します。かつて小谷で父が亡くなり、北庄では母を失い、そしてこの大坂では自らが死を選ぶという人生でした。この大河では大坂夏の陣は、言っては何ですが「おまけ」的な雰囲気があります。主に長政と又兵衛、そして家康を描くためのものといえそうです。ただ長政と又兵衛の対立の要因が描かれなかったのが残念です。その代わりというか、如水の晩年にかなりの尺を割いています。旧暦の5月なので藤はもう終わっているかと思いますが、家紋なので敢えて持って来たのでしょうか。おねが大坂城炎上を見ているのは、『葵 徳川三代』を連想します。

おねが如水に「大事なのは城でなく人」と言うシーン、かの「人は城なり」の言葉を思わせます。なぜ大坂の陣が起こるに至ったかを描くには、様々な方法があるでしょう。この場合は茶々が家康を敵視していたからという、従来通りの描き方になっています。そしてこの時、加藤清正と福島正則もまた、家康に欺かれたのを知るという展開です。これもよく大河では描かれていますが、この2人は特に三成憎しの気持ちから家康に与したわけです。しかし勝てば勝ったで家康の天下となったというのに、少なからず慌てたともいえます。これを見る限り、豊臣家を潰したのはほかならぬ豊臣の、それも子飼いの大名であったともいえるでしょう。秀吉の悲劇は子宝になかなか恵まれなかったこともさることながら、家中をまとめ切れなかった、譜代家臣の不在にも原因があります。如水が長政に「家臣の言うことを聞け」と諭すのは、そのことも大いに関係しているでしょう。

飲み物-ブラウンエール 
[ 2019/03/27 01:15 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

まんぷくコラム続きと『名探偵・明智小五郎』

昨日の武者さん関連で付け加えておきたいと思います。『半分、青い』の脚本家や出演者の受賞ラッシュについて触れられていますが、佐藤健さんのコンフィデンスアワード受賞は、『半分、青い』だけでなく『義母と娘のブルース』も対象になっていますね。というかこの人は、2018年の日本アカデミー賞助演男優賞の方がインパクトがあります。それとエランドール賞は、朝ドラに出た女優さんはかなり受賞しているようです。個人的に受賞ラッシュ云々がどれだけの指標になるかどうかはわかりませんが。

それと26日分のコラムですが、今更ながら『まんぷく』のレビューになっていません。幸のウーマンリブがどうのこうので、武者さんちょっと喜ぶかなと思ったら(笑)やはりダメでしたか。このジェンダー論もなあ…このコラムでもちょいちょい目にしますが、行き過ぎたポリコレは表現の自由を妨げるし、ポリコレファシズムなどとも言われていますね。しかもこの幸を、皆がバカ扱いしているなどと勝手に解釈していますし。そもそも幸のウーマンリブ云々は、遅く帰って来たのを萬平に叱られた、その反発でしょう。

それから俳優さんの役作り関係で、『西郷どん』の鈴木亮平さんを引き合いに出しています。そして『西郷どん』は残念だったなどと書いていますが、私としては、寧ろ武者さんにほめてもらわなくてよかったとさえ思っています。ちなみに『まんぷく』も同様です。正直な話、好きな作品をほめられてもあまり嬉しくないし。しかし本作インタビューからはプロ意識を感じられないとありますが、どう見ても好き嫌いと自己満足だけで終わっているように見えるこのコラムからも、プロ意識は感じられません。

それからお知らせです。西島秀俊さん主演の『名探偵明智小五郎』が3月30日と31日に放送されます。
こちらは現代が舞台になっています。明智小五郎と伊藤淳史さんが演じる小林捜査官が、ハッキング集団ファントム20(怪人二十面相に相当)に挑むというストーリー展開です。尚明智の妻の文代には石田ゆり子さん、小林の妻の真由美には岸井ゆきのさんです。上記サイトの記事にはこうあります。

『まんぷく』で、実年齢26歳にして14歳の少女を演じ切った彼女が、愛する夫も知らない“秘密”を抱える健気な妻に扮します。

ここでも『まんぷく』登場ですか。なお警視庁の浪越刑事部長は香川照之さんが演じます。
その他の共演者としては(敬称略、順不同)
生瀬勝久
池田鉄洋
中尾彬
でんでん
高嶋政伸
倍賞美津子
といった人々で、その他にも尾美としのりさん、真飛聖さん(相棒つながり?)なども出演です。しかし倍賞さんと香川さんというと、こちらは『半沢直樹』を思い出します。脚本は酒井雅秋さん、監督は木村ひさしさんです。尚ツイッターアカウントは@ex_akechiです。明智ということは、来年の大河を意識したわけ…ではないでしょう。無論明智小五郎の名は、明智光秀、桂小五郎からそれぞれ取られているようですが。

飲み物-ホットカフェオレ 
[ 2019/03/26 23:15 ] その他 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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