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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  2016年07月

真田丸に見るシャーロックホームズ 24

今回の『真田丸』とパペットホームズの共通項はといえば、ずばりこれでしょう。

寧様のお菓子作りとハドソン夫人のクッキー作り

寧がわくさやきりに手伝わせて、秀吉の好きな生せんべいや、南蛮渡来のビスケットを作って差し出すも、秀吉はもはや食べてくれなくなっている。あれだけ苦労を分かち合って来た夫も、年老いてしまったなという寂しさが感じられる場面でした。昨年の『花燃ゆ』のように、お菓子を作れば万事すべて解決というわけには、やはり行かないようですね。

前置きが長くなりましたが、自分の愛する存在のために、心を込めてお菓子を作りたいという点、そして作るお菓子が何らかの意味を持つという点ではこの両者は共通します。パペットホームズの場合も、クッキーが発端でハドソン夫人の人となりがわかったり、221Bの依頼人にクッキーを振舞ったりしていました。寧が豊臣家の母であるように、ハドソン夫人はベイカー寮の母であるわけです。ただし、寧がきちんと手を洗ってくる(実際は、わくさがキリシタン関連の会話をしたがっているのを察して場を外す)のに比べると、ハドソン夫人の場合は、猫と遊んだ後手を洗わずにクッキーを作ってしまうという、少々大雑把なところがあるようです。

ちなみに第29回で登場した「ビスケット」というのは、当時ビスカウトと呼ばれた、ボーロや金平糖同様の南蛮菓子で、恐らくは携帯食として作られていたのではないかと思われます。実際その後も、軍隊の堅パンは英語圏でビスケットと呼ばれていて、陸軍が四角形、海軍が円形というように区別されていました。これは『花燃ゆ』の、銀姫のビスケット関連記事にも書いていますが、日本においては、水戸藩の蘭方医柴田方庵が、安政2年(1855)に、ビスケットの製法について藩に手紙を書き送っているのが史料に残されています。

そして真田家の父・昌幸の遊郭通い。先の投稿でも触れていますが、そもそもこの遊郭通いの動機は何であるのかが、何やら気になるところです。一方パペットホームズで女性と関係を持つ人物といえば、かのオルムシュタイン校長です。
「困った校長先生の冒険」では、特にこれといった理由もなくアドラー先生と奥さんに隠れて付き合い、後で結婚を断って困ったことになるわけですが、「本当に困った校長先生の冒険」では、理由があって女子生徒のイザドラ・クラインを好きになってしまい、しかもラブレターを脅迫のネタにされてしまって窮地に陥ります。一方真田昌幸は、妻からあれこれ言われるのはさほど意に介してはいないようですが、実際に吉野太夫絡みで窮地に陥るという展開になるのでしょうか。

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[ 2016/07/31 01:45 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

真田丸あれこれ その30

キリシタン関係でない方のあれこれです。まずサブタイトル通り、第29回は秀吉の老いに伴う「異変」が大々的に取り上げられていました。就寝中の失禁、政の仕組みを変えたい云々を、数回にわたって繰り返すようになったこと。また、奉行が政を行うのではなく、大名が行うと、それも家康の前で言ってしまったこと。そして地震の際に、何かに怯えるような口調で「誰かおらぬか」を繰り返したこと。また、寧の手作りの生せんべいやビスケット、特に生せんべいは好物であったにもかかわらず、「食べたことがない」と一蹴したこと。ビスケットは匂いを嗅いだだけで食べなかったこと、信繫と二人になった場面で、「拾が元服するまでは」と言うつもりで、「捨が」と言ってしまったこと、伏見状で敷居につまずいたことなどなど。

これが文禄五年(1596、慶長元年)、秀吉六十一歳の時ですが、時代を考えても、かなり老け込んだ印象を与えます。特に自分隠居後の政の仕組みを、大名、所謂五大老に委ねると言ってしまったことは、家康に大きな権限を与えることになりました。何せこの時点で、家康は石高も官位も五大老中最高であり、家康が抜け駆けするだけの裏付けは十分にあったわけです。しかも本来家康の歯止め役となるはずの前田利家は、秀吉が没して一年も経たないうちに亡くなります。この五大老については諸説あり、秀吉の関白としての地位と連動させる意味で、徳川や毛利などを武家清華家としたのがその本質という見方もります。この清華家は、元々公家最上位の摂家に次ぐ家格で、久我家などはその代表格ですが、今出川(菊亭)家も清華家に含まれます。

そして真田昌幸が遊郭通いを繰り返すという「異変」もありました。京に住むようになり、大名らしい生活をしたかったからという見方もできますが、その動機についてはやや不明といえます。しかし昌幸の異変は長続きしませんでした。信幸が過去の物を頼りに作った城の絵図が、昌幸の目には如何にも未熟で、拙いものに映ったようで、ここでやっと本腰を入れて城作りに取り掛かったためです。ならば最初からやる気を出せばいいのにと言いたくなりますが、遊郭通い→きりの言葉でばれる→信幸が問いただされる→最終的に昌幸が問い詰められるという過程を経る必要があったのかもしれません。しかしこの人は、築城とか策略は本当に天才的ですね。

その一方で信幸の「異変」です。昌幸の遊郭通いについて、母の薫(山手殿)から問いただされた信幸は、こうの部屋に行って彼女を抱きすくめてしまい、そして正室の稲からは、彼女の部屋に引っ張り込まれてしまいます。結局こうと稲、両方が身ごもるわけで、家族が増えることになった信幸は、弟の信繁に対して、自信ありげに徳川につくことを宣言します。伏見城での一件を知り、「太閤殿下のご様子は」と弟に訊く辺りには、後々の犬伏の別れ、そして関ヶ原の伏線が窺えます。

さらにきりの「異変」もあります。秀次亡き後、ひたすらテンペラ画を目にし、寧の菓子作りを手伝いつつも、どこか彼女らしからぬふさぎ込んだ様子を見せます。そして細川越中守の妻玉に会い、キリスト教的世界に関心を持つようにもなります。ただこれはあらすじでも書いたように、きりが受洗する、信仰生活に入るという確率はあまり高くないと思われます。既に禁教令は出ていますし、その辺りうまく立ち回る才能がある人物なだけに、また別の選択を取るのではないでしょうか。あるいはそれは、信繁の側室となることなのかもしれませんが。

それから大谷刑部の「異変」。この病気がよくいわれるハンセン氏病なのか、あるいはそれ以外なのかはよくわかりませんが、筆を取ろうとして取れなくなる辺り、かなり病気が進んでいるようにも見受けられます。石田三成にとっては、最高のパートナーともいえる刑部の不在がかなり痛いでしょう。しかし刑部も三成も、秀吉の老いをとにかく隠そうとしますが、早晩表に出て来ることではありますし、徳川家康は既にわかっているように取れます。冷静に考えれば徳川の力が大きいことはわかっていたはずですし、他に方法があったのではないかとも思えますが、その決断を下す人がいなかったということなのでしょうか。

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[ 2016/07/30 01:15 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

Sanada Maru Episodes 16-18

Episodes of Sanada Maru
Episode 16 "Hyori" (Two-faced)

After swearing to serve Hideyoshi, Uesugi Kagekatsu leaves Nobushige and Kiri in Osaka. Nobushige becomes to serve Hideyoshi as umamawari-shu (a kind of the guards) to fill the vacancy of Tachibana Gonza who died suddenly.  While accompanying Hideyoshi, he meets many people in Osaka Castle includes Chacha and sees the goods from abroad that are brought by Sen no Rikyu.

He finds Kiri waits on Nei (Kita no Mandokoro). Meanwhile he is nearly threw into a well by Kato Kiyomasa who is said to have killed Gonza in a similar way though Kiyomasa is stopped by Toyotomi Hidenaga, brother of Hideyoshi. Hidenaga tells that the Toyotomis are from a farm family and it doesn't become to them to live in a castle. And in Ueda, Masayuki prepares for the battle with the Tokugawas but Uesugi Kagekatsu is told not to support the Sanadas in military matters.

Nobushige tries to inform the change in the relationship between his family and the Uesugis but his letter is censored by Ishida Mitsunari. On the other hand, he is shown a letter of Tokugawa Ieyasu that asks to permit attacking the Sanadas. Hideyoshi asks him if it means that Ieyasu intends to obey him or not and Nobushige tells him it's a false. However, he allows Ieyasu to attack Ueda castle.

Episode 17 "Saikai" (Reunion)

Katagiri Katsumoto, vassal of Toyotomi Hideyoshi visits Hamamatsu to deliver Tokugawa Ieyasu a letter that allows him to attack the Sanadas. But it is prohibited on the following day for Hideyoshi just test the loyalty of Ieyasu to him. Masayuki sees the battle is false and takes a wait-and-see attitude if Hideyoshi's government lasts long or not and postpones paying a visit to him in Osaka.

On the other hand, Nobushige notices a member in the dance company of Izumo no Okuni resembles his sister Matsu. While seeing their dance, he is asked to wait on Chacha whom he met and talked with in the absence of Hideyoshi. Meanwhile Hideyoshi makes his younger sister Asahi marry Ieyasu to urge him to visit Osaka. In addition, he sends his mother Naka as hostage and it makes Ieyasu decide to serve Hideyoshi.

Ieyasu arrives Osaka and stays in the residence of Hidenaga. Then Hideyoshi and Nobushige come there and Hideyoshi asks him to play a trick in front of his vassals to give himself dignity. At first Ieyasu refuses but accepts it finally.

Episode 18 "Joraku" (An Audience)

Despite Ieyasu's vassalage to Hideyoshi, Masayuki still refuses paying visit to him. Then Uesugi Kagekatsu who has served him already sends his vassal Naoe Kanetsugu to persuade Masayuki. And Tori, mother of Masayuki tells her son to obey him superficially.  Then he starts for Osaka with Nobuyuki and meets Nobushige in Osaka.

But unlike many daimyos, the Sanadas are looked down on by Hideyoshi and his vassals.  Besides Nobushige is sure that the dancer in Okuni's company is Matsu and takes her in his family.  Matsu, who loses her memory gives a quizzical look to her father and brothers but Kiri's insignificant deed gets her memory back.

Masayuki becomes a daimyo at last but yoriki to the Tokugawas. It means that he should support the Tokugawa's army whom he has been opposed for many years. And Hideyoshi is please with becoming Dajo (Daijo) Daijin, one of the high ranked politician at that time.

Masayuki (Masao Kusakari) meets Hideyoshi with his sons Nobuyuki (Yo Oizumi, right) and Nobushige (Masato Sakai).
(From the official website of Sanada Maru)
キャプチャ27
[ 2016/07/29 00:45 ] Taiga Drama Sanada Maru | TB(-) | CM(0)

2016スーパーラグビープレーオフ、準々決勝結果

先週行われた準々決勝の結果です。(赤文字勝利チーム)

ブランビーズ 9 - 15 ハイランダーズ
ハリケーンズ 41 - 0 シャークス
ライオンズ 42 - 25 クルセイダーズ
ストーマーズ 21 - 60 チーフス

クルセイダーズの黒星はちょっと意外でしたが、これでニュージーランド勢3、南アフリカ勢1となりました。うち日本代表在籍チームが2つです。V2を狙う昨シーズンの王者ハイランダーズに、どこかが待ったをかけるのでしょうか。それとも逃げ切るのでしょうか。準決勝の組み合わせは以下のとおりです。

ハリケーンズ - チーフス (ウェリントン)
ライオンズ - ハイランダーズ (ヨハネスブルグ)
()内開催地

ところでJSPORTSオンデマンドでは、16-17シーズントップリーグ全120試合を見逃し配信するようです。

ジャパンラグビートップリーグ16/17 全120試合を見逃し配信!
(JSPORTS公式サイト)

トップリーグの試合て全部で120試合もあるのかと、今更ながらびっくりです。
[ 2016/07/28 20:00 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

真田丸あれこれ その29(キリシタン編)

第29回のあれこれ、まずキリシタン編です。きりは大工のフランシスコ吉蔵が作った十字架を持って、細川屋敷を訪れます。この当時、既に禁教令が出ていたため、表立った布教活動はできず、そのため細川家の屋敷内に信者たちが集まるという形を採ったのでしょう。そこできりは、聖歌を耳にし、また秀次が彼女に遺した絵の女性が、神の母である聖母マリアであると、奥方の玉から教えてもらいます。

ドラマの中では、寧が聖歌の美しさに言及するシーンがあります。この信者が聖歌を歌うシーン、他の大河でも登場していますが、この時代、本来は信者は礼拝中に聖歌を歌うことはありませんでした。聖歌は元々聖歌隊が斉唱するものだったのです。恐らく布教先などで、聖歌隊を編成するのにふさわしい人数が集まらないという場合の、特例措置のようなものだったのでしょうか。実は、聖歌を信者に最初に歌わせたのは、かの宗教改革の旗手であるマルティン・ルターだったといわれています。グレゴリオ聖歌に代表される聖歌は、元々は典礼式文で、今のような讃美歌はまだ登場していませんでした。讃美歌が出て来るのは、プロテスタント諸派がある程度確立された近世になってからで、特にメソジスト派が果たした役割は大きいといえます。

また、寧のセリフに信者の質素な生活という表現も出て来ます。無論布教に携わった神父、あるいは日本人信者には質素を旨とし、『軍師官兵衛』の荒木村重の妻だしのように、領民に自分の衣類を施した人物もいました。しかし当時のカトリック教会は不正と汚職が多く、宗教改革の一因ともなっており、日本に布教に来たイエズス会は、それを正したいという目的で結成されたものなのですが、なかなかこれはうまく行かなかったともいわれています。また、この当時というよりは、1960年代までのカトリック教会は聖母崇拝の精神が強く、他にも様々なしきたりがありました。ですから、この当時聖母が崇敬されたのは、当然といえば当然のことです。ちなみに今はかなり緩和されており、プロテスタント諸派の洗礼を受けた人が、聖体拝領できるカトリック教会もあります。

それと当時の司祭は、背中を信者に向けて礼拝を取り仕切るのがならわしでした。そのため祭服には、背中に美しい文様が施されたものが多く見られました。また、この第29回に登場する司祭は、白のカズラ(チャジュブル、ケープ状の羽織る祭服)を着ていますが、これは今では復活祭とか、クリスマスに着るものとなっているようです。この回では季節は夏のようですので、どちらにも該当しませんが、その当時とでは色の規定が違っていたのでしょうか。他に葬儀でも白を用いるようですが、無論それにも該当しません。

秀吉も度々禁教令を出していますが、南蛮貿易重視ということもあり、いわゆる二十六聖人の件も、京のフランシスコ会の神父のみが対象でした。しかもこの時は、サン=フェリペ号事件が関わっていたのが大きいとされています。江戸時代に入って後、今度は徳川秀忠によって、岡本大八事件によるキリシタン大名の汚職をきっかけに、伴天連追放令が出されるようになります。この追放令を認めたのは、家康のブレーンとして手腕をふるった以心崇伝でした。その後、島原の乱を経てさらにキリスト教への弾圧が厳しくなりますが、幕府としては信者の処刑よりは、むしろ棄教に重きを置いていたとされ、実際処刑された人数はそう多くないともいわれています。

ところでこの回に登場するフランシスコ吉蔵ですが、このモデルとなったのが、二十六聖人の一人のフランシスコ吉です。ちなみに現ローマ教皇もフランシスコというクリスチャン・ネームで、しかも初のイエズス会出身出身の教皇です。それから、ご存知の方もあるいはいるかもしれませんが、現財務大臣の麻生太郎氏のクリスチャン・ネームもフランシスコです。

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[ 2016/07/28 01:45 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

慶長出羽合戦

そのうち『真田丸』でも登場することになると思いますが、東、あるは北の関ヶ原ともいわれている慶長出羽合戦について。これは真田丸あれこれ その12にも書いてはいますが、徳川に味方した最上・伊達連合軍と上杉との戦いです。最上・伊達の関係に関しては、『独眼竜政宗』を観た方であればご存知でしょう。最上家の義姫は、伊達政宗の生母でした。しかしこの義姫は、実は我が子政宗を殺そうとも企てたことがあり、政宗の側近の片倉景綱や、乳母の喜多をひどく敵視した人物でもありました。

元々上杉氏と最上氏は、奥州仕置後に、庄内地方を巡ってのわだかまりがありました。そして軍事行動を取ることになった際に備え、最上領における上杉の飛び地との連絡をスムーズにするため、直江兼続の命で朝日軍道(庄内新道)が築かれもしました。その後徳川家康の会津征伐から白石城の戦いを経て、東北の徳川方の大名は、德川秀忠について上田合戦に参戦せざるをえなくなり、その隙に上杉は、秋田氏と組んだ最上義光を滅ぼしにかかります。しかし義光は兵力を各地の城に分散させており、最終的に長谷堂城の包囲戦に持ち込まれます。これが、関ヶ原の戦いとほぼ同時進行で行われました。最終的に上杉軍は、10月に入って撤退を開始しますが、この撤退時がかなりの激戦であったといわれています。

実は『天地人』でもこの戦いは登場しますが、合戦が少ないこの作品にふさわしくというべきなのか、関ヶ原の映像を挟み込む形にしたためか、あまり尺が割かれているとはいえないようです。本来1回丸々使ってもいいと思うのですが。別に合戦シーンが多ければ必ずしもいいというわけでもないのですが、合戦を「におわせる」シーンにはそれなりの尺を割いてほしいものです。ドラマに漂う雰囲気がまるで違って来ます。それとここでも兼続の妻お船が、単独で石田三成に会って、朝ドラのようなやりとりをする回想シーンが登場しますが、こういうのはなくていいのですけどね…。『真田丸』で挽回してほしいものです。

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[ 2016/07/27 01:00 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

真田丸-29

では『真田丸』第29回「異変」です。秀次の死後、秀吉にも何らかの形で異変が起こるようになり、昌幸も遊郭に入り浸るという異変が起き、真田兄弟もそれぞれに家庭を持ったことで、徐々に変化が訪れるようになります。秀吉の死後の混乱を予想させる展開です。

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秀吉は政治の拠点を伏見に移し、信繫は大谷刑部の娘春を正室に迎えた。本多、大谷と姻戚になり、今真田が戦をすれば勝てると昌幸。春の披露目の前に、信幸は昌幸に、母薫(山手殿)の出自について質問する。実は薫は菊亭晴季の母の侍女で、公家の娘を娶ろうとしてかなわなかった昌幸が、公家に関わる女性の中で唯一連れ添うことができた相手でもあった。昌幸は他言しないように、でないと儂が殺されると息子たちに話す。また薫は披露目の席で、春に梅のことを話す。

すると稲は、こうがその場にいることを知りながら、「前の奥方」について信幸に質問する。また春の「菊亭家は罰せられた」という言葉に、薫は、自分は早くに嫁入りしたからと誤魔化すのだった。またきりは、招待されながら姿を見せず、秀次の形見の絵と向き合っていた。その夜、初夜の床で信繫は春に梅のことを打ち明け、春も大事にするが、梅を忘れることはできないと話す。その一方で、太閤秀吉には老いの影が忍び寄っていた。

夜間に尿を漏らした秀吉の褥を、伏見城に詰めていた三成と信繁は、策を弄して片桐且元が宿直をしている部屋に運び込み、事なきを得る。秀吉は拾が元服するまでは、奉行による合議を行うように三成に伝える。そして信繫は、秀吉が付け髭を使っていることに加え、同じことを繰り返しいう、怒りっぽくなったの二点を挙げるが、それは昔からだと三成に否定される。しかし三成は、秀吉の変化をどうにかして隠すつもりだった。また、春はいい娘だが苦労すると信繁に伝える。

一方伏見城の普請場にいた信幸は、あれこれ城の絵図面を取り出していたが、どうするべきかがなかなか決まらなかった。そこへきりがやって来て、大工の棟梁の吉蔵から木製の十字架を受け取り、細川越中守の妻玉に届けに行くが、その途中真田屋敷に立ち寄って、披露目の席に欠席したことを詫びる。その時薫に普請場のことを訊かれ、源三郎様だけがいたと答えるきり。そして春にも会うが、しょっぱなから「鬱陶しいといわれるきりさん」と言われてしまう。

きりは細川屋敷に行き、玉に十字架を渡す。吉蔵もフランシスコという聖名を持つキリシタンだった。きりはテンペラ画の像が聖母マリアであると教わる。この使いは、元々寧の侍女のわくさ、聖名マグダレナに頼まれたもので、わくさは小西行長の母だった。きりがキリシタンの世界に惹かれる一方で、薫は昌幸が普請場にいないことを信幸に問いただし、信幸は苛立ったすえ、こうの部屋に行って彼女を抱きしめる。またその後、こうとの関係をなじる稲に部屋に引っ張り込まれ、抱きしめられてしまう。

寧はわくさやきりと共に、夫のために大好きな生せんべいを作ったが、秀吉はまずいと投げ捨ててしまう。そして家康を城に呼び、拾元服までの合議について話すが、奉行の合議と言うべきところを、大名の合議と言ってしまう。大谷刑部はお疲れなのだろうと言うが、その刑部自身は首に布を巻いており、発疹らしきものがのぞいていた。そして昌幸は吉野太夫に夢中だったが、佐助を連れて別の部屋にいた出浦昌相は、彼の変貌にいい顔をしなかった。

薫は夫を問い詰め、しかも何かにつけて揚げ足を取り、ついには出浦にも矛先を向けるが、瞬時にして出浦は姿を消していた。薫が出浦を探しに出た隙に、昌幸は信幸に絵図面を広げさせ、改善すべき点をあれこれ指摘し、戻って来た薫の愚痴も耳に入らないかのようだった。そして、守りの要を本丸にではなく、木幡山の出城に設けることが決定する。出浦はその模型を見ながら、この出城に真田が入れば、一日で伏見城を落とせるとつぶやく。その後信幸は信繁に、子供が生まれることを告げる。

家康は再び秀吉に呼び出され、しかも前回と同じことを聞かされててたじろぐ。三成、信繫、片桐の前で秀吉の健康を案ずる家康に、三成は大事なことなので念を入れてと答える。また刑部も秀吉のことは隠すように言い、覚書を作ろうとして筆を取った時、激しい痛みを覚える。そして昌幸は普請場で活き活きと大工たちに指示を出していた。そんな折、秀吉が敷居でつまずいたから畳を替えるという吉蔵の言葉に、信幸は秀吉の体調の悪さを感じ取る。

しかも秀吉はまた家康を呼び出し、合議のことを伝えようとしていた。三成は既にその件は終わっていること、しかも大名でなく奉行の合議であることを伝え、秀吉は愕然とする。しかも、寧が作ったビスケットも臭いと口にしなかった。先行きへの不安から、信繫の前で弱気になる秀吉。また信繁は信幸から秀吉の健康について訊かれるが、変わりないと答える。すると信幸は、太閤薨去後もし徳川が真田を利するなら、自分は徳川につくと言い、さらに、太閤のそばにいるのは真田のためだと弟を諭す。

秀吉の老化について伝えた三成に、寧は協力的だったが、茶々は、父親の老いた姿を拾に見せたくないと言う。そして文禄五年(1596年)閏七月十三日、伏見を中心に大地震が起き、信幸は身重の稲とこうの元に駆けつけ、信繫は秀吉の様子を見に城へ急ぐ。そして昌幸と出浦は、伏見城の普請場へ急ぐが、既にこの揺れで天守は崩壊しており、一からやり直しとなった。

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さて、今後の伏線がかなり登場します。今の妻と元妻の妊娠もあってか、徳川につくことを明確にした信幸、後の真田丸を彷彿とさせる出城、本人は否定するも大谷刑部の病状悪化、そして秀吉の五大老五奉行構想と、その秀吉自身の老いなどなど。一方きりのキリスト教入信は、秀吉が弾圧に乗り出したこともあり、ちょっと考えにくいのですが、春のことで「苦労する」というのは、一体何を意味しているのでしょう。また足しげく吉野太夫の元に通っていた昌幸が、急に普請場に立つ決意をしたことは何かを暗示しているのでしょうか。ちなみに信繁が春に、かつて愛した人がいたのを語るシーンと、城の模型とには『軍師官兵衛』がだぶります。

[ 2016/07/26 01:45 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

真田丸の女性たち

以前から触れていた『真田丸』の女性たちについて、ここでざっとまとめてみることにします。まず豊臣家、そして徳川家、真田家の順で行きます。

寧(北政所)
豊臣家のゴッドマザー的存在。秀吉の糟糠の妻であり、苦労を共にしていて世話女房的でもある。秀吉存命時から夫のフォローにも事欠かなかったが、夫の死後は徳川家康に援助を仰ぎ、実質彼女に育てられた加藤清正や福島正則は、徳川の傘下に入る。女性としては破格の従一位を授与される。ドラマでは、特に秀次に気を配る叔母としても描かれている。

茶々(淀殿)
浅井長政とお市の長女、秀吉の側室。秀吉の周囲の女性の中で唯一子を出産するが、長男鶴松は夭折し、次男秀頼に豊臣家存続の望みを託する。石田三成や大蔵卿局、大野治長といった近江閥のトップというべき存在でもあるが、それが仇になり、三成が関与した西軍が敗退した関ヶ原の戦い後、徳川家康と悉く対立するようになる。ドラマでは、無邪気でいながら、無意識のうちに周囲の男を災厄に陥れるという面を併せ持つ。

大蔵卿局
茶々の乳母で侍女、大野治長の母。常に茶々とセットで動くといっていい存在であり、また代弁者でもある。ドラマの中では、茶々以上に寧に対抗意識を燃やす。

旭姫
秀吉の妹。徳川家康に上洛させるために、夫と離縁させられ、正室として徳川家に送り込まれる。

なか(大政所)
秀吉の母。やはり徳川家康の上洛目的で、徳川家に人質として赴く。

阿茶局
徳川家康の才色兼備の側室。本多正信、本多忠勝といった家臣と共に、実質的に家康をサポートする立場であり、外交にも手腕を発揮して、寸鉄人を刺すような言葉を相手に投げかける。また、大阪の陣においても重要な働きをする。家康に取って大事な生薬を常に準備している。

とり
真田家のゴッドマザー的存在。真田幸隆の糟糠の妻で、戦国の世の女性ならではの強さがあり、家族にも言うべきことをぴしゃりと言う。息子たちや嫁の薫には厳しいが、孫たちには優しいところもある。ただし信幸は、この祖母を苦手にしている。

薫(山手殿)
真田昌幸の妻、松と信幸・信繁兄弟の母。公家出身ということで贅沢な服装を好み、高価な扇などを所有しているが、後に公家の娘ではなく、侍女であったことがわかる。派手好きな一方で、信繫の最初の妻の梅を励ましたり、また夫の浮気に気付いて問い詰めたりもする。

松(村松殿)
信幸・信繁兄弟の姉。小山田茂誠の妻。本能寺の変後安土から逃げる際、琵琶湖に飛び込み消息不明となり、生きていたものの記憶を失う。後に、出雲阿国一座の踊り子として信繁の前に現れ、その後家族の元に戻って記憶が蘇る。小田原征伐後、真田家に戻った夫茂誠と共に岩櫃城で暮らす。


本多忠勝の娘。徳川家康の養女という形で、真田信幸と縁組みする。後に小松姫の名で知られるようになり、西軍についた義父昌幸 を、沼田城に入れることなく追い返してしまう。ドラマでは、輿入れ後も信幸に心を開くことなくつんけんとしており、真田家の事情を逐一書き送るような態度 を見せたため、信幸の前妻こうと対立する。

こう
真田信幸の最初の妻、昌幸の長兄信綱の娘。稲との結婚に伴い、離縁されて上田城を出て行こうとするが、薫のとりなしで侍女となる。最初は病気がちだったが、離縁後は健康になり、侍女として稲の態度を諌め、また信幸の子を産む。

きり
真田家の家臣高梨内記の娘。子供のころから信繁と親しいものの、気の強さと口数の多さのため、いつもどこかすれ違っている。結局信繁と共に大坂で暮らすことになり、秀吉の甥の秀次に見初められ、側室として迎えたいとまで言われるものの、秀次は自殺し、形見に聖母の画像を残す。後に信繁の側室となり、女子を産む。

このように書き出してみると、男性キャラのみならず、女性キャラもかなり濃いといえます。このうち旭姫、大政所は出番は少なかったのですが、その他の女性には、戦国時代の女性らしさが色濃く出ています。しかし茶々がああいう描かれ方であるとは予想外でした。気の毒なお姫様か、大坂城のプライド高い女あるじのような描き方が多かったのですが…恐らく信繁もまた、彼女の周囲で様々な苦難を経験することになるのでしょう。むしろ寧の方が、現時点ではほぼ定番の描き方のようにも見えますが、秀吉の死後、彼女と家康はどのように近づいて行くのでしょうか。そして阿茶局、正にこのくらいでないと、家康の側室は務まらないといった感じです。最近あまり出て来ないので、ちょっと寂しいです。

さらに真田家の女性、これがまた個性派過ぎるほどです。婆様こととりの存在感もさることながら、公家の出身でないことがわかったものの、お公家さんファッションで、しかし結構侮れない薫、そして一向に打ち解けようとせず、信幸の新たなプレッシャーとなっている稲もそうですが、真田の娘たちもまたなかなかキャラが立っています。最初はそうでもなかったのに、安土から逃げる途中から、数奇な運命をたどるようになる松、離縁後別人のように活き活きとするようになったこう、そして、後に真田の一員となるきりですが、一番信繁と近い所にいるはずなのに、なぜか未だ側室にもなっていません。彼女も信繁とどのような形で結ばれるのでしょうか。

そして本編の方は、いよいよ秀吉の最晩年となるようです。次回は五大老五奉行絡みなのでしょうが、チーム徳川、上杉主従も登場するようで楽しみです。

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[ 2016/07/25 01:30 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

真田丸に見るシャーロックホームズ 23

本編へ行く前に。先日より、このブログのテンプレートの色が変わっています。和色の「濃藍」(こいあい)とレモンシフォンの組み合わせですが、この「濃藍」は、『真田丸』で信繫が裃の下に着ている着物の色です(NHKに確認済み)。タイトルがベイカー寮絡みですので、この寮の制服の色である紺系ははずさないようにしていますが、「濃藍」が結構気に入りましたので、最終回までこの色を使う予定でいます。背景色はまた、季節に合わせて変える予定ではいますが。

では今回の共通点ですが、何といっても信繁と会話を交わした後の春の、ちょっと頬を赤らめたような表情が、「愉快な四人組の冒険」のメアリー・モースタンにちょっと似ています。221Bを依頼人として訪ねて来たメアリーの話を聞いた後、ホームズが「ワトソンは君にぞっこんだ」と言って部屋を出て行き、ワトソンが慌てて後を追うの時のメアリーの表情です。どちらも、今後の二人を予感させるものが感じられます。

それと、秀次と信幸のやり取り、つまり「家族に振り回されているのは殿下だけではありません」に、「最初の冒険」後編の、ワトソンとジェファーソン・ホープの会話を連想します。あの時ワトソンは、それとは口にしませんでしたが、「行き場を失って途方に暮れているのは、君だけではない」と言うことで、自分を鼓舞したかったわけです。高野山での信幸も、秀次にそう言うことで自分を奮い立たせたかったのかもしれませんし、それがもとで、最初嫌がっていた官位を受け入れるようになったとも取れます。尤もホープは退学処分ですみましたが、秀次は自分の生涯に終止符を打ってしまいます。

しかしこの関白秀次には、ホームズのではありませんが、『新・三銃士』のテーマのこの部分を進呈したいです。

勇気を出して振り返ってごらん そこにはきっと君の仲間がいる
恥ずかしいことじゃない、一人で 生きられるほどひとは強くはない

(「一人じゃない」作詞・三谷幸喜 作曲・平井堅 より)

『新・三銃士』のOPもラテン的乗りでよかったです。そしてバイオリンという共通点を持つ『真田丸』と『シャーロックホームズ』のサントラ、聴き比べをやろうかなと思っています。そういえば『真田丸』は、2枚目のサントラが出たようですね。

飲み物-グラスビール

[ 2016/07/24 01:30 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

秀次と兼続と信尹

今回は『真田丸』で、それぞれの役を演じている俳優さんに関しての、記事のご紹介です。余談ながら、「ひでつぐ」と「かねつぐ」て仮名で書くとちょっと似てますね。

【真田丸】新納慎也、元“うたのおにいさん”が豊臣秀次を熱演
(ORICON STYLE)

「元・うたのおにいさん」には驚きですが、この新納さん、ミュージカルでは有名な方だったようですが、今回大河初出演ということもあり、今後TVや映画での活躍も楽しみです。三谷さんの作品『恐れを知らぬ川上音二郎一座』に出演しています。しかしこの記事、「最後の数シーンは順撮りで一気に撮影したんですが、マイクが僕の心音を拾ってしまったくらい心拍数が上がって、あとから音声さんに『絶対に、この人死ぬと思った」と言われたほど。」とは、かなりこの役に入れ込んでいたのですね。
その一方で、こちらのお二人も今後活躍が楽しみです。

新潟「兼続公まつり」イベントに「真田丸」村上新悟&栗原英雄が参加
(スポニチアネックス)

『天地人』のイメージとは違った、クールな人物としての兼続、結構重要ながら、今まであまり知名度のなかった真田信尹、いずれもそれぞれの持ち味を活かした俳優さんが演じていて、今回はこの辺のキャスティング、そしてキャラ設定が実にいいなと思います。近年の大河で特に面白いと思うのも、この辺に一因があるのでしょう。無論女性陣も同様です-おこうさんとか、阿茶局とか。おこうさんにはいい意味で期待を裏切られましたが、彼女たちに関しては、真田丸の女性たち絡みで投稿したいと思います。

飲み物ウイスキー
[ 2016/07/23 23:45 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)
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aK

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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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