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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  2016年07月

真田丸あれこれ その28

それでは今週のあれこれです。秀次事件というか、秀吉と秀次の確執回後編といった感じですが、結局大坂城まで逃げて来た秀次は、やはりきりに匿われます。しかし外で、既に秀頼を関白殿下と呼んでいる茶々の声に恐れおののいた秀次は、聚楽第には戻りたくないと言い、職場放棄状態で結局京の真田屋敷に行き、最終的には自ら高野山へ向かいます。何かもう「逃避」そのものが目的になっている感じです。しかし前にも書きましたが、この時代袴も着けない着流しを外でしていたのでしょうか。あるいは身分を偽るための策だったのでしょうか。

その高野山で、供として連れて来たと思しき、信幸と心を通わせます。信幸もまた、秀次を励ますつもりだったのでしょう。自らが家族に散々振り回されたことを語りますが、やはり秀次にとっての「家庭」と信幸にとっての「家庭」は、根本的に異なるものでした。しかし信幸が父や稲、本多忠勝のことを語るのはまだしも、婆様とおこうさんを持ち出すのはちと気の毒では。結局秀次は、その高野山で腹を切って果てます-しかし介錯人のいない切腹は、かなり苦しいだろうと思われます。頸動脈を切る設定にはならなかったのでしょうか。

その前に使者として、福島正則が高野山を訪れ、秀次の気の優しさに言及します。確かにこの二人は、孫七郎、市松と呼び合う仲だったでしょうから、互いの気心も知れてはいたでしょう。こういう存在がそばにいなかったのも、秀次の不幸といえます。しかしこの秀次、秀吉からあらぬ疑いをかけられて死に追いやられたという意味では、方向性こそ違えど、千利休と似た物があります。確かに秀次が亡くなった直後、北条に味方したとはいえ、利休に切腹を命じた時点で、秀吉は暴走を始めていたといえそうです。

その一方で秀吉は、自分に黙って勝手に出奔した秀次を許せず、謀反の罪をかぶせ、謀反人の妻子をすべて皆殺しにしろと命じます。しかし今回は、秀次が表だってことを起こしたのではない分、この妻子の処刑、あるいは連座はあっさりすまされ、代わりに娘のたかと信繁の出会いに重きがおかれています。このたかが隠れていた部屋の十字架や聖餐の道具やテンペラ画といった、キリシタン関係の小道具、秀次がこれらにどこまで関わっていたかもまた、今後の伏線となりそうです。

信繫は既に秀吉からいわれた通り、大谷刑部の娘春を正室に迎え、このたかを表向きは側室として、その後秀吉の気が変わらないうちに、呂宋に逃がすつもりでした。しかしきりは、やっと自分にお鉢が回って来たと思ったのに、また裏切られてしまったわけで、しかもたかは、自分を側室に迎えようとした秀次の娘でした。きりが泣き叫ぶのは、秀次の死というよりは、むしろ信繁のこの仕打ちに対してというのもむべなるかなです。

そして呂宋といえば、呂宋助左衛門の登場です。これもちょっと唐突な印象があるにはありますが、たかを送り届けるのみならず、堺商人の代弁者となる予感もしています。登場の仕方も、多分に『黄金の日日』を思わせるものがあります。その一方で、ただ同然の壺を秀吉や大名に高値で売りつける辺りは、流石に抜け目のないものがあります。当時の東南アジアは、ヨーロッパと日本の橋渡し、中継点の役割もありましたから、彼らが商人として大きな力を持てた所以です。

その他にも薫(山手殿)が菊亭家出身でなかったことが、ほぼ明らかになります。その前に、薫は稲に目を合わせるように厳しく命じます。それと関係あるかどうかはさておき、その後稲が、真田屋敷に匿われた秀次の前で、薫が菊亭家の出であると喋ってしまい、しかも秀次の正室が菊亭家の出身だったこと、信幸が母にそれを確認しようとしたことで、薫の分が悪くなってしまいます。尤も最大の見どころは、それを家康に知らせようとする稲と、止めようとするこうのやり取りなのですが。

そして伏見城普請に全く興味が無く、もちろんやる気もなく、こちらも職場放棄をする昌幸。しかも佐助→出浦ルートで手筈が整ったなどというから、また何か不穏なことを始めるのかと思ったら、遊郭に出かけて吉野太夫と会う始末。今回は昌幸の側室などは描かれていませんが、こういう部分でそれとなく女好きと表現されているようです。その一方で、娘を結婚させることになったものの、病に取りつかれる刑部。豊臣家は関ヶ原後こういう家臣がいなくなり、淀殿と近江派、特に大蔵卿局と大野修理の力が増したのも、ある意味不幸ではありました。

飲み物-カクテル
[ 2016/07/23 02:00 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

虫の垂衣と苧と上杉氏

『太平記』をDVDで観て、そのあらすじをアップしていることは、こちらに来て下さっている方ならご存知かと思います。その『太平記』、鎌倉時代の末期から南北朝時代が舞台ですので、武士の格好も直垂、あるいは水干といった姿が目につきます。ちなみに主人公の足利高氏(尊氏)の旅装も水干です。また女性は、この時代では武家でも小袿に単衣といった格好をしています。これは直垂と素襖と肩衣、あるいは袿と小袖と打掛でも触れています。

この時代の女性たち、特にある程度の身分の女性が外に出る時は、被衣(かつぎ)や虫の垂衣を身につけています。被衣は元々着物を頭から被ったもので、時代が下るにしたがって、被衣専用に仕立てたものも登場するようになりました。また虫の垂衣は、市女笠のへりから薄い布をカーテン状に垂らしたもので、いずれも顔を見られないように配慮された衣服です。この虫の垂衣などはなかなか優雅です、詳しくは「虫の垂衣 画像」などで検索されてください。元々は平安時代からあった服装ですが、この時代にもまだ受け継がれていました。

ところでこの虫の垂衣に使われる薄い布、これはカラムシ(苧)という植物の繊維からできています。このカラムシは衣類以外に、漁網や紙にも利用されており、越後国がその一大産地でした。このため青苧座(あおそざ)を通じて取引が行われ、この座の本所(実効支配者)は三条西家でした。実は、この公家による座の支配は、『太平記』で武家である尊氏が、京を復興させる際に足枷になった存在でした。しかしその後、戦国時代の到来と共にこの「虫の垂衣」もすたれ、そしてこの服装に象徴されるような、古典的な衣装を支えた公家による座の支配も揺らぐことになります。

しかし苧そのものが衰退したわけではありませんでした。先ほど越後国は苧の一大産地だと書きましたが、この越後国の守護代は、後に上杉の名跡を継ぐことになる長尾氏で、越後の苧座の権限を大きくし、更に公家に代わって、上方と越後との苧の流通を支配するようになったわけです。越後の軍事や行政は、結構この苧によるところも大きかったようです。青苧座はその後、楽市楽座政策もあって衰退します。しかし越後にとっては、やはり貴重な作物の一つであり、かの直江兼続もこの生産を奨励し、後に会津に転封された時も、この植物の育成技術を持ち込んでいます。

その後、越後は苧産地としての座を会津や米沢に譲ることとなります。しかしこの二つの土地は、いずれも上杉氏が入った地であり、元々は越後の技術によって育成された物が、皮肉にも本家を超えてしまったというわけです。

飲み物-アイスコーヒー
[ 2016/07/22 01:30 ] その他 | TB(-) | CM(0)

2016スーパーラグビー第17節結果とプレーオフ(準々決勝)

さて2016年最終節のスーパーラグビー、サンウルブズはアウェイで4トライを挙げたものの、結局シャークスに40-29で敗れました。これでスーパーラグビー参入シーズンの勝利は、ジャガーズ相手の1勝にとどまりました。詳しくはこちらのコラムをご覧ください。

最終節も勝利ならず、サンウルブズは1勝で初シーズンを終了
(JSPORTS公式サイト)

しかし南アのチームに、しかもアウェイでこの点差で悔しいと思うのは、それだけ日本のラグビーファンが期待するものの水準が、上がっているのかとも思います。以前は、オールブラックスと対戦するだけでも(無論負けても)嬉しいと、そう思っていた時代もあったのですが。

そして、他の日本代表在籍チームの結果ですが、ブルーズ、レベルズ、ハイランダーズは勝利、レッズとチーフスは黒星で、ハイランダーズとチーフスのプレーオフ進出が決まりました。プレーオフ初戦(準々決勝)は次の通りです。

ブランビーズ-ハイランダーズ (キャンベラ)
ハリケーンズ-シャークス (ウェリントン)
ライオンズ-クルセイダーズ (ヨハネスブルク)
ストーマーズ-チーフス (ケープタウン)
()内は試合開催地。

サンウルブズの選手そしてコーチングスタッフの皆様、お疲れ様でした。サンウルブズにとってのシーズンは終わりましたが、この先強豪同士のぶつかり合いが続きます。その後南半球四か国が始まる一方で、北半球ではシーズン開始、そして、もちろんトップリーグも始まります。

[ 2016/07/21 23:30 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

『太平記』第三章 資朝、俊基ノ斬罪ノ事

平穏に終わったかに見えた正中の変の戦後処理、しかし後醍醐天皇と側近は、反幕府勢力を益々強めるようになります。それに呼応するかのように、幕府方もまた動くようになり、ついに日野資朝と俊基は捕らえられます。

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正中の変により、討幕計画は頓挫したものの、後醍醐天皇の寵姫阿野簾子に男児が誕生する。そして正中三年(1326年)三月、皇太子であった邦良親王の薨去により、簾子は我が子を後継者にと目論むが、後醍醐天皇は第一皇子である尊良親王を皇太子とする予定だった。そして、後醍醐天皇に位を奪われた後伏見院はひそかに工作し、自らの皇子である量仁(かずひと、光厳天皇)を幕府の仲介で立太子させた。

これを受けて後醍醐天皇は、中宮禧子の懐妊目的で文観僧正を呼び、関東調伏の祈祷をさせた。この祈祷は四年に及び、その間に反幕府勢力が台頭して来ていた。その間に簾子は三人目の皇子、のちの後村上天皇を出産する。そして元徳二年(1330年)に、後醍醐天皇は南都北嶺への行幸を重ね、延暦寺では天台座主の大塔尊雲法親王と接近するが、これは幕府の知るところとなった。関東調伏を企てた文観は捕らえられて拷問を受け、結局後醍醐天皇の行幸の理由から、法親王が武芸に励んでいることなど、あることないことを話してしまう。

これによって日野俊基は鎌倉に送られた。そして資朝は佐渡に流され、斬罪となる。しかし息子の阿新(くまわか、後の国光の中納言)は、父の最期を見届けたいと、中間と共に佐渡に渡るが、守護職本間入道は故意に父子を会わせず、資朝は斬首され、その首が阿新の元に届けられた。入道は身を隠したが、屋敷にいた子の三郎を阿新は斬り、山伏の助けを借りて逃げ延びる。一方俊基も鎌倉で斬首され、身の危険を感じた後醍醐天皇は、女房車に見せかけた車に三種の神器共々乗り込み、笠置へと移った。

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大河ドラマでは、足利中心ということもあり、この阿新が登場しないのが残念でしたが、その一方で、花夜叉一座との絡みなどはかなり描かれていました。そしてこの後はいよいよ、かの楠木正成の登場となります。

[ 2016/07/21 00:45 ] | TB(-) | CM(0)

パペットたちの夏休み展

Studio33様のサイトより。昨年のクリスマスに『シャーロックホームズ』のパペットたちが展示された、千葉県南房総市の道の駅、とみうら枇杷倶楽部でまた展示が行われます。

パペット達の夏休み展開催のお知らせ

ここは南総里見八犬伝の舞台でもあり、『三国志』の美術担当、川本喜八郎氏作成による、八犬伝の登場人物の人形たちも展示されるとのこと。またワークショップあり、シャーロックの2度目のロンドン訪問の画像展示もあるようです。今の所、とみうら枇杷倶楽部のサイトにはまだアップされていませんが、アップされたらまたお知らせしたいと思います。
[ 2016/07/20 21:30 ] パペットホームズ | TB(-) | CM(0)

来年の大河ドラマ 雑考

さて、そろそろ7月も下旬にさしかかり、今後の『真田丸』を予測すると共に、来年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』のことも考え始めるようになっています。今のところ、キャスト以外まだ主だったニュースはなさそうですが、来年が女性大河ということで、つい『花燃ゆ』を思い浮かべてしまいがちですが。しかし少なくとも吉田松陰の妹よりは、知名度はありますし、他にそうそうたる大名も出て来るはずです。

ただ井伊直虎という人が、一応ウィキにはこのようにありますが、何をやった人かというのが知られていないのがネックといえばネックです。無論、真田信繁も大坂の陣以外はあまり知られていないわけで、その空白の部分をどう描くかで面白くもなり、そうでもなくなるわけです。これには森下佳子さんもですが、まずプロデューサーの力量が問われます。『真田丸』の視聴者の多くがこちらにも流れるでしょうから、違いはあるにしても、あまり質的にギャップがあるとまずいと思われます。

そしてこれは『花燃ゆ』の時に既に書いていますが、男女交代で主人公にする必要はないと思われます。どう考えても男性の著名人、しかも政治や軍事に関わった人物の方が多いわけですから、無理して知名度が低く、しかも地元でもあまり知られていない人物を持ってくる必要もないのです。女性主人公を持って来たいのであれば、多少は知られている人物、何らかの形で歴史に名を残し、史料も少しはある人物を、5年に1度程度で持ってくれば十分でしょう。でなければ夫婦大河にするかです。

また、女性主人公で懸念されるのは、とかく空白部分を埋めようとしてファンタジー的展開、その当時にはなかったであろう現代的発想を持ち込んで来て、現代ドラマの時代劇化にしてしまう点です。この点で、やはり興がそがれてしまいますし、視聴者離れにもつながりかねません。特に脚本担当を何人も変えるべきではありませんね。

それと、来年のもまだ始まっていないのにこう言うのも何ですが、再来年の作品とスタッフ、主演がそろそろ発表される頃です。舞台はいつで、主人公は誰になるのでしょうか。私としては、やはり舞台は幕末と予想しています。

しかし、そろそろ大河もシリーズ化、あるいは舞台や人物で関連付けるということにならないものでしょうか。何度も書いていることではありますが、やはりこれは実現してほしいものです。

飲み物-アイスコーヒー2
[ 2016/07/20 01:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

NHKの報道で考えたこと

もうかれこれ1週間になりますが、天皇陛下の生前退位というニュースが、NHKを中心に流れました。しかし実は宮内庁からのソースでも何でもなく、しかも数日後にはこういうニュースが発表されました。

天皇陛下、早期退位想定せず 公務「このペースで臨む」
(共同通信47ニュース)

NHKのあの報道は、何をもとにしたものだったのでしょうか。何かリークでも行われたのでしょうか。しかし報道内容が内容だけに、ちょっと失礼だなと思います。NHKのニュース、あるいはドキュメンタリーでは、結構この手の誤報があります。2009年に放送された台湾絡みのNHKスペシャルでも、事実と違う報道があったということで、取材された側から提訴され、都内で大規模なデモが行われたことがあります。しかしこういうことに対して、どのようにして責任を取っているのかが、今一つ定かではありません。

報道に関して何度が問い合わせたこともありましたが、すべてうちの基準で決めている的な回答ばかりです。しかしNHKの報道独自の基準というものが、視聴者に対してきわめて不透明な存在であるため、具体的にどういうものかがよくわからないのです。たとえばイギリスの公共放送BBCは、よくも悪くも政府寄りの姿勢を取っていますし、公共放送とはそうならざるをえない部分もあるかと思います。NHKはその辺をはっきりさせるべきでしょう。無論、番組によっては楽しめるものも結構あるのです。

[ 2016/07/20 00:45 ] その他 | TB(-) | CM(0)

The Helmet of Naoe Kanetsugu

I write about the ornament in front of the helmet (kabuto) of Naoe Kanetsugu. It has the shape of "愛", a letter that means love. Therefore in "Tenchijin", a Taiga Drama broadcast in 2009, he is described as a merciful vassal of the Uesugis. But in "Sanada Maru", he is a cool and ruthless man.

It is said that the letter "愛" does not mean mercy but comes from "愛染明王" (Aizen-myo-o, ragaraja in Sanskrit) or "愛宕信仰" (Atago Shinko, Belief in Atago Shrine). As the former is adopted in this drama and his character is based on the angry look of ragaraja. Shingo Murakami who plays the role says that he uses any means to protect his lord in a guidebook and in fact he is said to have killed some people who complained to him. Even though he wears a helmet with the ornament of "愛", he is not always a benevolent man.

The image shows Naoe Kanetsugu (Shingo Murakami) wears the helmet with the ornament of "愛".
(From the official guidebook published by Sankei Shimbun)

愛の兜
[ 2016/07/19 07:00 ] Taiga Drama Sanada Maru | TB(-) | CM(0)

真田丸-28

では『真田丸』第28回「受難」です。サブタイトルからして如何にもな感じですが、関白豊臣秀次がついに最期を迎えます。この大河は特に、武田勝頼、北条氏政、そしてこの豊臣秀次と、今までとかくネガティブな見方をされて来た人たちを、それとは違った視点で描く傾向があります。ということは、今まで美談として語られて来た人物を、また違った視点から見るという可能性もあるということなのですが。

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大坂城に逃げて来た秀次はきりに叱責されるが、もう聚楽第に帰る気持ちはなかった。折しも、外でかくれんぼをして遊んでいる拾が、既に関白殿下と呼ばれており、もはや秀次の居場所はどこにもなかった。信繁は、まず伏見城の大谷刑部にこのことを伝えようとする。その伏見城では、官位を返上したいと言う信幸に、昌幸は殊更に伊豆守、豆州と呼びかけ、返上したら源次郎も同じことをする、それが自分には悲しいと言いつつ、普請をまかせて出浦昌相とその場を去る。

そこへ入れ違いに信繁が入って来て刑部の居場所を尋ねるが、信幸は刑部は加減がよくなく帰宅したと伝える。刑部の娘春は、朝鮮から帰って以来調子が悪いと言うが、刑部は風邪だと言って起き出し、信繫は大坂城に向かうことにする。一方昌幸は、遊郭で吉野太夫に夢中になっていた。そして薫(山手殿)は、京に来た嫁の稲に、目を見て話すようにと厳しく迫り、一方で稲は、公家で菊亭家の出身という薫にそのことを尋ねるが、なぜか途中で薫は話題を打ち切ってしまう。

とりあえず、秀次は京の真田屋敷に匿われた。その場で、信幸が母を公家の出身で紹介したのをきっかけに、秀次が自分の妻も菊亭家の出身であると告げ、薫はしどろもどろになってしまう。稲はその旨を家康に書き送ろうとするが、そこにこうが現れ、手紙を引き裂いてしまう。真田のことを知らせるのは自分の役目と言う稲と、真田を守るのが自分の役目と言うこう。一方帰宅した昌幸は、秀次が屋敷にいることを聞かされる。無論薫は夫が遊び呆けていることは知らなかった。

大谷刑部の計らいで、秀次の失踪は伏せられた。そして信繫は秀吉に呼び出されるが、そこへ秀次の娘たかが、パードレから預かったと言って、風呂敷包みを父に渡すように依頼する。その中身は聖母やキリストを描いたテンペラ画で、秀次はその内一枚をきりに渡すように信繁に命じ、また側室の件はなかったと伝えてくれとも言った。秀吉と会うことを秀次に告げた信繁は、多少のおとがめは覚悟のほどをと言って出かけるが、実は秀吉の話とは、大谷刑部の娘、春との縁談だった。

しかし石田三成はこのことを知っており、結局すべてを知った秀吉は腹を立てるが、寧はそろそろ分不相応な職から解放すべきと夫に言う。屋敷に戻った信繁は、秀次が高野山に向かったことを知る。高野山で秀次は、信幸と会話を交わし、官位の件に触れて、よもや返上したりはせぬなと念を押す。秀次に取ってこれは、関白として行った数少ないことの一つだった。しかし秀吉は、自分の命令で蟄居させたことにし、頃合いを見て連れ戻すつもりだった。そして信繁がやって来る。

一方で徳川家では、家康と本多正信、その息子の弥八郎正純が、豊臣家の様子を面白がっていた。しかしそこへやって来た嫡男秀忠は、家臣の前で、愚鈍とも嘲りともつかぬ態度を取り、鼻白んだ家康は、早々にその場を立ち去らせる。そして高野山では、秀次の旧知である福島正則が使者として来ることになった。秀次は、叔父秀吉が自分を油断させ、捕らえようとしているのではないかと疑い、人間不信とは悪い癖だと口にする。

秀次は例のテンペラ画を信幸に渡し、長持に仕舞いに行かせた。一方正則は信繁の前で秀次を評価する。その時信幸が慌てた様子で二人の前に現れた。彼が席を外した間に、秀次は自刃していた。これに秀吉は激怒し、謀反がばれて自分の命令で切腹させたことにして、秀次の妻子や侍女も処刑し、聚楽第も壊されることになった。しかし聚楽第内の、礼拝所のような作りの隠し部屋に潜んでいたたかは難を逃れた。信繁は一計を案じ、春との婚儀を承諾すると共に、たかを側室にしたいと言って、秀吉の許可を取り付ける。

そしてきりには秀次が持っていたテンペラ画が遺された。側室にならなかったのは幸いだったと言いつつも号泣するきり。しかも信繁からたかを側室にしたいと言われ、やり場のない不満を覚える。しかし実は信繁は、たかを堺の商人納屋助左、通称呂宋助左衛門に頼んで、呂宋に行かせるつもりだった。秀吉の気が変わらないうちにと、手を打ったのだった。助左衛門は快く引き受けるが、その一方で、ただ同然の壺を高額で大名たちに売りつけており、それが自分の戦だと言う。そしてその秀吉は、自らの異変に気付く。

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さてこの回に登場するテンペラ画、フィリポ・リッピの「聖母子像と二天使」とか、エル・グレコと思しき絵が登場します。あのくらいの大きさの宗教画はあったようですが、それが布教に使われていたのでしょうか。また、聚楽第でたかが隠れていた、あたかも真田家のような隠し部屋、赤のロウソクは受難を意味しますが、聖体拝領の用具らしきな物があります。秀次は密かに洗礼を受け、あそこでミサに与っていたという設定なのでしょうか。ちょっと唐突感があるにはありますが、これも今後の伏線でしょう。

それからおこうさんが随分逞しくなっています。薫が実は公家の出身ではなさそうだと文を認める稲に、自分は真田を守る立場の人間だからと、その手紙を引き裂いてしまいます。そこは流石に真田家の嫡男の娘です。また、病を得た大谷刑部も、しかし秀次の失踪を看過できす、あれこれ信繁と対策を練ります。刑部は「この大事に横になっているわけには」と口にしますが、かつて「病になっている暇などない」と言った、大和大納言秀長を思い出します。この刑部もまた、秀吉に取って心底頼りになる存在でした。

[ 2016/07/19 02:00 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

功名が辻の秀次事件

今日放送の『真田丸』で、所謂秀次事件の後半部分が登場しました。詳しくは近日中にアップしますが、秀次事件といえば、10年前の大河ドラマ『功名が辻』のそれが結構有名です。この中では、かつて治兵衛と呼ばれていた秀次の読み書きや武芸を、山内一豊夫妻が引き受けたという設定になっているため、秀次の説得役としても登場します。(少し前の記事で「治兵衛」を「次兵衛」と書いていましたので、修正しています)

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秀次は、拾の誕生祝いに手作りの品を持参した千代に、最近豊臣家に内紛があるらしいと漏らす。千代は驚くが、秀次は、自分は関白として国を守らなければならぬといい、千代もそれがいい方向に導かれることを期待する。しかし秀吉は、祝いの品を持って参上した秀次に、急に拾と秀次の娘の婚儀の話を切り出し、秀次を戸惑わせる。秀次の側近たちは、秀吉が関白の返上を迫っているのではないかと口にするが、秀次は、時が来たら関白職を拾に譲ってもいいと心に決めていた。

一方一豊は、掛川の城下の普請もまだなのに、伏見城の普請を命じられたと千代に話す。伏見城は太閤秀吉の物となり、大坂城は拾の物となることが決まっていた。拾に大坂城を譲ることで、秀吉が関白に圧力をかけているのではないかと千代は恐れる。しかもその頃、やにわに秀次に関する流言飛語が飛び交いうようになり、秀次は、秀吉の威光を世に広めんがために、世継ぎとして関白の務めを果たしていると伝えるが、秀吉はもはや聞き入れなかった。

秀次は酒色に溺れるようになって行った。一豊は、愚痴をこぼす秀次を窘め、関白の職を、いつ手離してもいいだけの心構えを持つようにと言って、千代と共に淀城に向かう。淀城で二人は秀次の立場を弁護するが、三成は、秀吉が伏見城入りしたら伏見城下に移るようにと言い残して去る。やがて伏見城が完成し、多くの大名たちが伏見に居を構える中、前野景定ら、秀次の側近たちは密かに軍事行動を企て、石田三成と淀殿を討つ計画を立てていた。

一豊や堀尾吉晴、中村高氏らの説得も聞かずことを起こそうとした側近らの計画は、その後明るみに出た。秀次が朝廷に金銀を献上したことが発覚し、側近たちの連判状も秀吉の知るところとなって、秀次は詮議を受ける次第となった。一豊は、秀次を連れて伏見に来るように秀吉に命じられる。もし連れて来ない場合は、一豊も謀反人として処罰されることになった。一豊は即刻秀次を連れて行こうとするが、側近たちに阻まれる。そこへ千代がやって来る。

一豊は千代には、伏見に行くように言っていたにもかかわらず、ここに現れたことに驚く。千代は秀次に、今すぐここで出家をすれば、秀吉の気持ちも治まるかもしれないと告げ、秀次は、それで決心がついた、自分の最後の務めを果たすと言って伏見へ向かう。遅いと怒る秀吉に、秀次は唐入りと伏見城建築を批判し、秀吉をさらに怒らせてしまうが、秀次自身はもはや平静だった。その後身一つで高野山に幽閉され、謀反の罪で切腹させられる。また正室や側室、そして子供たちも処刑された。

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この大河では結構近江と尾張の対立が見られ、所謂近江勢である淀殿や石田三成が、この秀次の仮想敵という描かれ方をされています。実際、この血の気の多い側近たちがことを急いだため、秀次もそのとばっちりを受けたともいえますし、ある意味部下の管理ができていなかったともいえるわけです。これでは、加齢によって多少分別が失われていた秀吉が、癇癪を起こしてもやむを得ないかとは思います。それに比べると、『真田丸』の秀吉は側近が何かしでかしたというわけでもないのですが、叔父からのプレッシャーによって混乱し、職場放棄状態となってしまうわけです。

また、小牧・長久手の失敗がこの大河では描かれているため、多分にそれが伏線になってもいます。これは、家康が小牧に釘付けになって守りが手薄になった三河に、秀次率いる別動隊が攻め込んだものですが、これに家康が気付いたため乱戦となり、池田恒興と、鬼武蔵こと森長可の二人の将が戦死したものです。しかし元々これは森長可の発案で、それに名乗りを上げたのが秀次だったというわけですが、この失敗はその後大きなトラウマになったようです。

飲み物-赤ワイン

[ 2016/07/18 00:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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