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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  2016年04月

真田丸に見るシャーロックホームズ 12 (事件でないのに事件に見えるトリック)

第16回「表裏」、権三の事件に始まって三成と吉継の密談、そして茶々の信繁への質問などが怪しげであると先日書きました。怪しいというか、本当はさほどでもないことを、信繁と視聴者に対して、さも何かであるかのように見せていると捉えるべきかもしれません。

まず茶々と目くばせをしていた権三が死んで、平野長泰が、自分は殺人だと思うと吹聴しまくります。秀吉の勘気に触れて始末されたのは、これで三人目のようです。その後信繁は三成に連れられて、御文庫で城の見取り図を見せられるのですが、その三成と吉継と利休追放の密談を耳にします。出過ぎたことをする人物は消されてしまう、そういう印象を信繁は持つわけです。さらに茶々が、権三の死について秀吉に尋ねます。(秀吉に付き添っていた信繁の耳にも当然入る)その後茶々が信繁を呼びにやらせて、帯を見せる段階になって、観ている側としては、信繁の身に危険が迫ったような気にさせられます。そして井戸を覗き込んでいたところを、加藤清正に見つかって落とされそうになります。

しかも京に行っていた秀吉が戻って来て、信繁を呼びつけます。(この時の平野長泰の「死ぬぞー」がまた何ともいえません)茶々関連ではありませんでしたが、家康が、真田を討つべく許可をもらう書状を送りつけている、これは本気なのだろうかと訊かれて、本気ではないと信繁は断言してしまい、一応は秀吉も納得したかに見えます。しかしその後片桐且元から、開戦だと訊かされて信繁はあわてふためくことになります。これはもう、心理トリックを駆使したドラマといっても差支えないほどです。

しかし確たる証拠は実は出てこないわけです。何となくこうではないか、という流れに沿って、信繁が段々プレッシャーを受ける展開になるわけで、しかも間にちらちら入る茶々が、その雰囲気を一層強めています。唯一、加藤清正が信繁を井戸に突き落とそうとするシーンに、実行犯をにおわせるものがありますが、これも「儂がしたこと」などと言う辺りに胡散臭さを感じさせます。そもそも権三の生死すら定かではないのです。清正が権三と飲んだのは事実かもしれませんが、実際彼が手に掛けたのかどうかはわからず、何か一芝居打っているようにも見えます。しかもまだ大坂城に慣れない信繁は廊下をうろうろしていて、何ともいえない焦燥感が感じられます。

事件でないのに事件を感じさせるというのは、パペットホームズにも登場します。「生真面目な証人の冒険」というエピソードがありますが、これもレストレードが偶然知り合った生徒が、翌日急に姿を暗まし、しかも授業に無断欠席していたため、これは事件だとホームズに持ち込みます。しかしホームズとワトソンは、生活委員であるレストレードが、自分たちの校則違反をロイロット先生に伝えたせいで叱られたこともあり、なかなか応じようとはしません。このためレストレードは焦りまくります。しかも同じ生活委員のべインズが、勝手な推理をして、レストレードをモリアーティ教頭のもとへ引っ張って行ってしまいます。

実はレストレードが知り合った2人の生徒、ガルシアとヘンダーソンは、学校の裏山でこっそり飼っていた野良犬にパンをやるため、レストレードが眠った隙を見計らって裏山に行き、途中で穴に落ちて帰れなくなっていたのでした。2人が学校の食堂からパンをくすねていたのは事実のようですが、それ以外の事件性はなかったのです。『相棒』の「つきすぎている女」なども似たものがあります。これも月本幸子が、自分の能力が認められているだけなのに裏があると思い込み、さらにマンションや間宮家の庭の写真からあらぬ妄想をして、ことを大げさにしてしまっていました。実際この回で問題にされるべきは、間宮フーズの先代社長の脱税と、そのお金を持ち逃げした前の家政婦でした。

話が戻りますが、この「表裏」は、恐らくは史実に沿った展開というわけではなく、むしろ創作部分の方がはるかに多いでしょう。しかし急に秀吉の家来となった信繁が、慣れない大坂城で四苦八苦する姿を描くのには、面白いやり方であると思います。そして上杉主従が越後に戻った理由として、徳川と真田の戦をそれとなく口にする件、そしてさらに、徳川からの書状で信繁を呼び出す件、片桐且元に浜松に行かせる件など、これでもかと信繁をじらせ続けるわけですね。

それとはまた違いますが、浜松城のシーンで、薙刀の指導をする本多忠勝。彼の教え方に、『新・三銃士』の「突くべし、突くべし、払うべし!」がちょっとダブりました。

飲み物-エスプレッソ
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[ 2016/04/30 01:45 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

「パブ・シャーロック・ホームズの回想」トークショーのお知らせ(ハヤカワオンラインより)

現在、早川書房内のカフェ・クリスティで開催されている「パブ・シャーロック・ホームズの回想」ですが、5月13日に、日暮雅道氏と井上文太氏のトークショーが行われることが決まりました。入場希望の方は以下の要領で、メールでの申し込みになります。ただし先着25名ということなので、もう締め切られているかもしれません。悪しからずご了承ください。

「パブ・シャーロック・ホームズの回想」トークショーのお知らせ

また早川書房のツイートによると、現在はホームズのパペットと、井上氏が昨年訪英された時の画像が主に展示されているようです。お近くまで行かれた場合は、ぜひ。

早川パブSH
[ 2016/04/30 00:45 ] シャーロック・ホームズ | TB(-) | CM(0)

真田丸あれこれ その15

ではあれこれに行きたいと思います。今回はとにかく秀吉にしてやられた感があります。これは「真田丸に見るシャーロックホームズ」でも書きたいと思いますが、信繁が秀吉の仕掛けた罠に嵌ってしまっている、そういう印象を強く受ける回でした。しかも父の真田昌幸の仕掛けと違い、流石に天下人だけあって仕掛けも規模が大きい。権三の件も、御文庫での、聞こえるように仕向けた感のある密談も、はたまた茶々の無邪気そうで実は強かそうな面も、信繁を嵌めこむための工作ではないかと思えてくるほどです。そもそも加藤清正が「儂がしたこと」などと、いわば白状してしまうのも怪しい。さて次回の展開は、如何に?

それと、「上杉主従がたった今越後に戻った」というのも何だか怪しいですね。こうすることで信繁を惑わせようとしたのかもしれません。しかし信繁は、どうもお屋形様の「今までの生涯で一番苦い茶」の意味を、きちんと読み取れていなかったのではないでしょうか。しかしこれで上杉家は、東の防衛の要となるわけですが、東北地方ではまだ、上方の数十年前の如く領地の奪い合いが繰り返されており、しかも伊達政宗が猛威を振るうようになっていました。秀吉が北条の次に警戒したのが伊達であったのも、無理からぬ話です。そのため会津を手放させるように仕向けたわけですが。

ところで『ステラ』最新号(前回分からのストーリーがガイドブックに掲載されていないので、とりあえずこれを買っています)によれば、第20回で秀吉の最初の子である捨(鶴松)が生まれるようで、それから判断すると5月末から6月ごろで小田原征伐になりそうです。小田原征伐は真田が上杉や前田と連合軍を組みますし、かの忍城の戦いがあるとすればまた楽しみです。この戦いには信繁、そして石田三成と直江兼続が参戦しています。

一方で昌幸は、徳川と開戦となった場合に上杉が加勢をしないことを知り、呆然とします。

「皆の衆、えらいことになった!」

越後の白の碁石を黒に置き換える昌幸。そして信幸は、父上が早く上洛しないからと責めます。そもそもなぜあの昌幸が、ここまで上杉を信じてしまったのでしょう。恐らく「息子を人質として差し出しているから」「あの義に篤い上杉景勝だから」という思いがあったのでしょうが、その上杉景勝が、義の信念をも曲げざるを得ない相手が秀吉なのです。恐らくこれで、秀吉がどのような人物かを学んだのではないでしょうか。しかも信繁の手紙は検閲されていて、おいそれと機密事項を知らせるわけにも行きません。ここで佐助無双となるのでしょうか。

その信繁は今回から、素襖の袖を取って着るようになっています。馬廻衆になった以上、それらしい格好をということなのでしょう。元々肩衣は素襖の袖を取ったものですから、肩衣の原初的なスタイルということもできます。しかし前夜、恐らくその素襖の袖を取り外していたきりに、上田に帰るように勧めたものの、きりは大坂を気に入っており、あれこれ言い争った挙句、そのまま出て行ってしまいます。しかしきりの「どこにいてもいいのなら、ここにいてもいいでしょう」には何となく納得させられます。結局彼女は北政所の侍女となり、しかも秀次に気に入られたようで、今度は信繁が気が気でなくなります。

飲み物-カフェオレ
[ 2016/04/29 01:15 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

2016スーパーラグビー第9節結果と第10節

さてスーパーラグビー、前節は秩父宮でサンウルブズがジャガーズに勝利でしたが、ハメットHCが涙を流していたのが印象的でした。この試合は熊本と大分の地震の犠牲者追悼のため、選手たちは喪章をつけてのプレイでしたが、コーチも黒のテープを袖に巻いていました。九州からやって来たと思しきファンの姿も見えました。
そのサンウルブス、今節は試合はお休みで、次節からはしばらくホームゲーム(含シンガポール=準ホーム)です。一方で、30日にはアジア選手権の韓国戦が三ツ沢で行われます。正直言ってこのアジア選手権は、日本にとってはむしろ若手を育成するもので、アジアラグビーの発展のためという意味合いが大きいです。むしろ正規の代表にとっては、その次に控える国際試合の方がメインで、6月のウィンドウマンス(国際試合月間)には、カナダでアウェイの試合の後、ホームでスコットランド代表、その後アウェイでウェールズとの試合です。

日本代表 今後の試合スケジュール (日本代表公式HP)

それから日本代表選手在籍チームの結果ですが、レベルズはチーターズにホームで勝利、チーフスはハリケーンズに辛勝、レッズはストーマーズに黒星、ハイランダーズも1点差でシャークスに負け、ブルーズはお休みでした。
しかしレッズ勝てないなあ…以前から、同じオーストラリアのブランビーズやワラターズの方が優勢ではありましたが、かの五郎丸選手がいるチームだけに、注目度もどうしても高まりますね。個人的には、フミこと田中史朗選手がいるハイランダーズが結構一押しなのですが。

ところで先日『エヴェレスト 神々の山嶺』を観たのですが、1960年代後半ごろの設定で、登山着としてラガーシャツを着ているシーンがあったのが印象的でした。実はこのシーンは、別の意味でも印象に残ったのですが、それはまたいずれ書く予定です。ラグビーがコンタクトプレイの多いスポーツだから、やはり丈夫に出来ているし、ボタンもゴム製だから、岩場で体をこすりつけたりしても、ケガをする確率が低いわけです。ラグビーライターの大友信彦氏も、かつて登山の時にラガーシャツを愛用していたという話があります。

[ 2016/04/29 00:10 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

蒲生氏郷と会津の変遷

昨日投稿した分で、蒲生氏郷について触れています。本能寺の変後、安土城から逃がすべく人質を連れ出したのは、『真田丸』では信繁と小山田茂誠ですが、本来はこの人であったといわれています。この蒲生氏郷は、キリシタン大名としても有名でした。奥州仕置の後会津に転封されますが、その当時の会津は、東北随一のキリシタンの多い地域だったといわれ、セミナリオもあったと伝えられています。結構逸話も多い人物です(詳しくはウィキ記事をごらんください)。戦国末期から、安土桃山時代を代表する人物といえますが、惜しいことに40そこそこで早世し、その後蒲生家にはお家騒動が起きたため移封されます。

そして秀吉は、越後春日山城主の上杉景勝を会津に120万石で転封します。この時に米沢城を任されたのが直江兼続ですーこの時もキリシタンは多かったはずですが、『天地人』でセミナリオが出て来たシーンというのは記憶にありません。もし氏郷が生きながらえていたならば、景勝もそのまま越後にとどまっていた、あるいは他の地に転封されたことであろうことを思うと、興味深いものがあります。秀吉は北条氏滅亡後は、関東管領として上杉家を関東に転封させる予定もあったようですが、結局徳川が関東に入ります。しかも会津転封には徳川監視の役割もあり、必然的に家康の会津征伐から関ヶ原の戦いとなり、家康と敵対した景勝は、所領を30万石に減らされて、今度は米沢の藩主となります。会津に行かなければ、あるいは西軍に与することもなく、石高を減らされることもなかったかとは思いますが、仮にそうでなくても、徳川と上杉は何らかの形で衝突してはいたでしょう。

会津にはその後加藤氏、そして保科氏が入り、この保科氏が松平の姓の使用を許可されて、会津松平家となります。この松平家が幕末まで会津を統治しますが、松平家も直系の世継ぎに恵まれず、養子を迎えて家督を継がせるようになりました。幕末の会津藩主容保も養子で、それゆえに会津のために貢献しようとしたといわれています。また戊辰戦争では、かつて会津を統治した上杉氏の米沢藩と共に奥羽越列藩同盟に参加し、会津戦争を戦うことになります。

飲み物-コーヒー 
[ 2016/04/28 01:15 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

秀吉の天下統一事業

『真田丸』にも登場する太閤検地ですが、これは織田信長の時代から既に行われており、秀吉はそれでノウハウを学んだともいわれます。この大きな特徴のひとつが石高制で、それまでの、収穫高を金銭に換算した貫高制に代わるものとなって、江戸時代へと受け継がれて行きます。また石高は生産高ではなく、年貢高のことを指していて、軍役や賦役の人数も、この石高によって定められるようになりました。

またこの検地とセットで語られることもある刀狩ですが、これは兵農分離の象徴でした。元々戦国時代は農民、特に庄屋や名主に準ずるほどの乙名(おとな)百姓であれば、苗字帯刀は当たり前で、いざとなれば戦にも参加していました。あるいは堀田作兵衛も、このような身分ではなかったのかと思われます。従って、彼らから刀を取り上げるということへの反感もかなりあり、実際には刀のみを取り上げて槍や弓などはそのままだったり、刀の所持が許可されたりすることもありました。

こういう、農村における天下統一事業とはまた別に、各地の平定も引き続き行われていました。九州や四国の平定のみならず、北条氏の討伐(小田原征伐)もその一環です。北条氏滅亡後は奥州仕置といって、東北地方の平定も行われ、この時伊達政宗が、小田原征伐に遅れたことなどを理由に領地を減らされた他、信濃の国衆に相当する国人領主も、秀吉に屈することになりました。この時蒲生氏郷が会津に入り、城の名が鶴ヶ城、城下の名が若松と改められます。

元々北条氏の討伐は、北条氏の家臣である沼田城代猪俣邦憲が、名胡桃城を奪取した事件が、大名の私闘を禁じた惣無事令に違反するとされたのが直接の原因ですが、これに関しては不明な点もあるようです。その前に、沼田城を巡って真田と北条はもめており、天正17年(1582)に、秀吉が間に入って沼田城を北条のものと定めています。しかし名胡桃城の辺りは真田領となっていました。

恐らくはその前から、徳川氏や近隣の大名と同盟関係を結んでいた北条氏を、秀吉が潰す目的もあったといわれています。『真田丸』ではどのように描かれるのか楽しみです。名胡桃城事件が、実は昌幸の自作自演だったなどということになっても、おかしくはないかもしれません。

飲み物-アイスティー

[ 2016/04/27 01:15 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

真田丸-16

さて第16回「表裏」ですが、この回の地上波の視聴率は16.9パーセントでした。しかし一方で、BSの視聴率が5パーセントの大台(5.2パーセント)に乗せたそうです。何とも画期的な大河といえますが、昨日のこの回もまた、キャラの立った人々の大集合でした。

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信繁は秀吉に呼び出され、悪い知らせがあるといわれる。上杉景勝が越後に戻ったというのだ。自分は上杉の人質なのにと途方に暮れる信繁に、いい知らせもあるとあると秀吉は声をかけ、明日から馬廻衆の一員とすることを告げる。馬廻衆とは、戦場での母衣武者、平時にあっては主君の親衛隊のような役割だった。

その日信繁は石田屋敷で父に手紙を書き、きりに上田に帰るように勧めるが、大坂が気に入ったきりは、そのまま部屋を出て行ってしまう。翌日信繁は登城し、馬廻衆の一員となる。馬廻衆に一名欠員が出たための採用だったが、その筆頭である平野長泰は、片桐且元のことを抜け作と陰で呼んでいた。しかも欠員が出たのは、権三という男が死んだためだったが、長泰は権三は殺されたのだと信繁に話す。

その権三というのは、カルタを取っていた時に茶々が目くばせした相手だった。権三はその夜、加藤清正の部屋で酒を飲み、井戸に落ちたということになっていた。しかも今度は、秀吉について移動する信繁に茶々が目くばせをする。秀吉は利休の待つ部屋に急いでいた。そこは堺から運ばれた南蛮渡来の文物が所狭しと並べられていた。

その部屋では秀次が、寧と茶々のための帯を選ぶのを手伝う。その後寧に帯を差し出す秀吉をフォローする秀次だが、寧は秀吉が選んだのではないことはわかっていた。そしてその部屋にはなぜかきりが、侍女のお仕着せを着て控えていた。秀次が寧のために、もう一度その部屋で鏡を見ようとして、きりを連れて部屋を出て行く。それを見送る信繁。

秀吉は寧に、今後は九州征伐を行うため、西国の大名の妻子の世話をしてほしいといい、寧が承諾すると、それこそ儂のかかじゃと持ち上げる。一方信繁は茶々に呼ばれる。茶々は帯を喜び、権三のことや、信繁の家族のことなどを聞きたがる。長泰は信繁に、長生きをしたければ茶々様に近づくなと注意する。

信繁は三成から、自分が出したはずの手紙を受け取る。その手紙には不都合なことが書かれていたためだった。秀吉は大名が勝手な戦をするのを禁じており、徳川にも恩を売りたいようだった。そして信繁は、御文庫に案内され、城の見取り図を見ておくようにいわれる。しかし隣室では、三成と吉継が、堺の勢力を削ぐため、利休をどうやって遠ざけるかについて密談していた。

秀吉は精力的に動き回っていた。そして信繁はまた茶々に呼び出される。茶々の侍女である大蔵卿局に、権三がいなくなったのを悲しんでいるように見えないというと、局は、哀しむのをおやめになったのだと答える。茶々は新しい帯を締めた姿を見せたかったようだが、信繁はこのような形でこっそり茶々と会っているのに不安を覚えていた。

その後信繁は井戸を覗きこんでいたところ、後ろに加藤清正がいるのに気づく。清正は、信繁をも抱えて井戸に落とそうとするが、その時やめろとの声が聞こえる。それは秀吉の弟で、大和宰相と呼ばれる秀長だった。秀長は三千石取りの身分をわきまえろと諭し、信繁には、自分たちは元は百姓、心がこの豪華さについて行けてないと話し、清正を許してやってくれと言う。

一方浜松城では、少女たちが薙刀の稽古をしており、本多忠勝の娘稲もその一人だった。稲は家康に目通りし、憎き真田をこの手で討ち滅ぼしたいとまで口にする。また本多正信の方は、そろそろ手紙が秀吉に届くころだとほのめかす。家康は念を入れて、真田攻めの許可を秀吉に取る方針でいたのである、

そして上田城。上杉の援軍が来るものと思っていた昌幸は、それを上杉に断られたことを知る。内記は、秀吉から援軍を出さないように命じられたようだと伝える。また信幸は、父が上洛を延ばしていたことのが原因であると責める。昌幸は、大坂の信繁が頼りであったが、その信繁は大坂城で、秀吉からの尋問を受けていた。

家康の手紙は本心かと訊かれて、本心ではないと答える信繁。秀長も助け舟を出してくれる。しかしそれも束の間、片桐且元が戦の準備のため、浜松城に行くことを信繁に伝えたのである。万事休すの状態となり、秀吉に今一度話をしようとする信繁の前に、今回もまた茶々が現れる。

*************************

上杉の人質から急に大坂城の馬廻衆になった信繁、様々な出来事に立ち向かうことになり、上田は上田で、上杉が来てくれない状態に八方ふさがりになります。尤も主である昌幸が、かつては同じやり方で大名たちを困らせて来たのですが、流石に天下人の計略の影響力は半端ないようです。しかし徳川は真田を攻めて来るのか、来ないのか、徳川の方はやる気満々のようです。そして茶々の存在、また秀吉の補佐役である秀長の存在も、今後色々な形で影を落としそうです。それから、何やら出世コースから外れた感のある平野長泰の存在がまたユニークです。

[ 2016/04/26 00:45 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

平野長泰と豊臣秀長

あらすじでも書きますが、信繁は秀吉の馬廻衆となり、そのまま大坂にとどまることになります。この馬廻衆は、秀吉のいわばSP的な役割で、その中には平野長泰もいます。この平野長泰は、所謂賤ヶ岳七本槍の一人で、この中で唯一大名になれなかった人物でもあります。とはいえ、五千石を与えられてはいたのですが…。関ヶ原では東軍に与して、将軍秀忠の家臣となるものの、大坂の陣では豊臣方につこうとしたため、戦陣には出られませんでした。『真田丸』では、信繁の上役的存在で、一癖ある人物として描かれています。演じているのは近藤芳正さんですが、この方『風林火山』では、真田幸隆の相棒ともいうべき相木市兵衛でしたね。ちなみにこの相木市兵衛の娘は、真田幸隆の次男昌輝(昌幸の兄)の妻です。

そして秀吉の弟の、豊臣秀長が登場します。前回にも登場していましたが、今回で人物設定がよりはっきりして来ます。大和郡山城主であり、秀吉の補佐役であり、実の弟であるがために、天下人に直言できる人物でもあったようです。また後に対立した甥の秀次との仲もよかったともいわれ、天正19年(1591)に没した後、歯止めを失った秀吉の暴走が始まり、利休切腹や秀次事件などが起こるようになります。秀長を演じているのは千葉哲也さんで、この方は舞台で有名な俳優さんです。今回はやはり、準主役とか脇役に結構いい俳優さんが揃っているため、観ていて安心できる大河になっています。特に「おじさんキャラ」がいい味を出していますね。真田の叔父上にもまた登場してほしいです。

飲み物-ドリップコーヒー

[ 2016/04/25 00:30 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

Sanada Maru Episodes 4-6

Episodes of Sanada Maru

Episode 4 "Chosen"(Challenge)

Masayuki and Nobushige visit Hokkeji Temple to meet ODA Nobunaga. There Nobushige meets TOKUGAWA Ieyasu also. Masayuki is driven into a corner by ODA Nobutada, eldest son of Nobunaga over a doubtful letter to UESUGI Kagekatsu though he decides to serve the Odas. However he insists that such ingenuity is needed to a local lord as him to survive the troubled times and becomes defiant.

Matsu, daughter of Masayuki is going to Azuchi as hostage to Nobunaga. At that time, her husband OYAMADA Shigemasa, brother of Nobushige who betrayed TAKEDA Katsuyori is sheltered in a vacant temple. Nobuyuki tells his sister to decide where he should go and live.

It has been decided that the Sanadas serve TAKIGAWA Kazumasu, one of the vassals of Nobunaga and Masayuki offers Iwabitsu Castle and Numata Castle to him. After that Matsu heads for Azuchi with Nobushige and attendants one of whom is Shigemasa disguising as  manservant. But just after her arrival, Nobunaga is killed by AKECHI Mitsuhide at Honnoji Temple, Kyoto.

Episode 5 "Kyuchi" (Predicament)

The death of Nobunaga made people in Azuchi panicked. Nobushige and Shigemasa try to rescue and make Matsu and other hostages most of whom are women and children escape. But they are chased and ovdertaken by the soldiers of AKECHI Mitsuhide at last.

TOKUGAWA Ieyasu learns the affair on his way from Sakai to Kyoto. At first he decides to go to Kyoto and save Nobunaga but his vassals persuades him not to do so. Then he hurries to Mikawa (eastern part of current Aichi) getting over difficulties to avoid the attack of Mitsuhide.

And local lords of Shinano includes Masayuki decide that they serve Uesugi Kagekatsu instead of Nobunaga. He accepts it but refuses driving away Nobunaga's army who threaens him on the pretext of his motto righteouness. But in fact he cannot afford to back the local lords up.

Episode 6 "Meiso" (Adrift)

Matsu, who is cornered by Mitsuhide's army throws herself into Lake Biwa. Though Shigemasa laments for the death of his wife, Nobushige encourages him to live with a strong will. In fact she is saved by a fisherman but loses her memory.

At that time, many of Nobunaga's vassals watch for an opportunity to attack Mitsuhide and Hashiba Hideyoshi is considered to be the most likely a new ruler. As Masayuki notices that Takigawa Kazumasu drops out from succession struggle, he begins maneuvering daimyos near him.

Nobushige returns to Shinano and is scolded for his bungle by Masayuki and his mother Kaoru blames him.  He goes to Ume's house and has her listen to his anguish of heart. Later he tells Masayuki that he loves Shinano that inspires his father not to make any daimyo invade his territory.

The image shows Masami Nagasawa as Kiri.
(From the guidebook published by Sankei Shimbun)
真田丸きり
[ 2016/04/25 00:00 ] Taiga Drama Sanada Maru | TB(-) | CM(0)

真田丸あれこれ その14

まず『真田丸』のブルーレイ及びDVD「完全版 第壱集」が7月に発売予定です。特典やブックレットもついているようで、これは期待できそうです。

三谷幸喜・脚本 NHK大河ドラマ「真田丸」BD&DVD完全版が7月よりリリース
(PONY CANYON NEWS)

では今週のあれこれです。秀吉と思いがけない初対面を果たした信繁は、秀吉共々福島正則が持参した着物に着替え、3人で城下の遊郭に出かけるのですが、ここで大酒飲みの正則が手にしていた特大の升が、後の太閤検地のシーンの伏線となります。しかし気の毒なのは上杉主従、2日待たされたことになります。やっと翌日目通りがかなうことになって、これで真田のことはまかせておけと、景勝は意気揚々たるものだったのですが、官位の授与と本領安堵を約束される一方で、真田に加勢するなと釘を刺されてしまいます。

これも上杉家のためと進言する直江兼続ですが、景勝は悩みます。しかし秀吉が、景勝が謙信の実子でないのを知らなかったというのには驚きです。尤も真田家でも、秀吉のことはさほどに知らない風ではありましたが。そして茶室のシーン、先日の「真田丸とシャーロックホームズ 11」に書いていますが、加えて秀吉のセリフがまた意味深です。信繁が初めてお目にかかりますと述べると、昨日会ったではないかと遊郭通いを持ち出します。

さらに、上杉殿より先に会ったというのは失礼だから黙っていたのだろう、心の優しい男よとまで言い、既に信繁は自分がもらい受けたといわんばかりの姿勢です。お屋形様は針のむしろに座るが如き心境だったかもしれません。わざわざあの場に信繁を呼びつけ、茶を振舞うわけでもないのに、入口付近に張り付かせるようにして同席させたのにも、恐らくはこういう企みがあってのことでしょう。「今までの生涯で一番苦い茶」の意味を、信繁は察したのでしょうか。

その信繁が、秀吉の遊郭通いに付き合わされた=気に入られたのを知り、石田三成は今までの信繁への態度を軟化させて、未来の岳父の大谷吉継に引き合わせます。その最中に加藤清正が来訪し、信繁は吉継と2人切りになり、関白殿下は気に入った若者はそばに置きたがると警告されます。「苦い茶」共々、この言葉も信繁の将来を暗示するものといえそうです。しかし、愛之助さんの吉継いいですね。この大河は本当に、準主役や脇役にそれなりの俳優さんを使っているなと思います。

その前に信繁は、父への手紙を書いていますが、「御屋形様」とあるところから、上杉景勝が、真田のことを秀吉に伝えてくれると書いているのでしょう。この辺も何やら暗示的です。そこへきりが落雁を持って入って来ますが、信繁にほっといてくれと言われると、自分一人で食べ始めます。きりは何か食べてる時間が結構多いようですね。その後秀吉の甥の孫七郎秀次に、寧(北政所)に枇杷を渡されるように頼まれ、しかも秀次はきりを見てまんざらでもない表情を浮かべます。何やら、秀次がきりに恋心を抱きそうな予感です。

一方信繁は、秀吉や茶々と一緒に天正カルタに興じます。裏返した札をひっくり返し、同じ絵が出たら勝ちという遊び方で、「神経衰弱」に似ています。信繁は検地に関しての質問にもよどみなく答え、カルタもどんどん勝ち続けるため、秀吉はよけいに気に入ったようです。その一方で、茶々は次の間に控えている侍と目くばせをしたり、ちょっと落ち着かない雰囲気でもあります。その後信繁は秀吉の家族や、子飼いの武将たちの団欒の場にやって来ます。そこには少年時代の小早川秀秋(可愛い)も、またきりもいました。一見和やかな団欒ですが、その後のことを考えるとこれも暗示的です。

しかしきりは姉御肌というか、どこか女子マネ的なところがあります。茶室に招待された信繁の着替えを手伝って、「習うより慣れろよ!」と送り出すところなど、正にそうであるかと。

飲み物-アイスミルクティ
[ 2016/04/24 01:15 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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