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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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直垂と素襖と肩衣

第8回「調略」、これぞ戦国これぞ真田といった感じで、観応えのある回でした。 ストーリーは改めてアップしますが、この回で昌幸は、息子たちと酒を飲むシーンで、湯上りということもあって小袖を着流しにしています。「独眼竜政宗と天地人に描かれた大坂の陣」で、兼続が小袖を着流しにしているところがあると書いていますが、この当時もかなりプライベートな場では、やはりこういった格好もあったようです。この時の昌幸は革の胴着も羽織っておらず、如何にもくつろいだ感じですが、その実次なる手段を考えているようです。

さてこの当時の武士の格好は、普段は小袖に袴が一般的です。その上に素襖や肩衣が来て、さらにその上が直垂です。『真田丸』では第4回「挑戦」に登場する明智光秀が、この直垂に烏帽子という格好をしています。肩衣は元々素襖の袖を取ったものだといわれ、既に天正期には、上方や東海地方では出仕の時の衣服でしたが、信濃ではまだ素襖が用いられていたように見えます。素襖は布直垂とも呼ばれ、基本的な構造は直垂と同じですが、素材が布、つまり絹でなく麻であること、紐の部分が革になっている点などが直垂と違っていて、革緒の直垂とも呼ばれます。また半袴を合わせた素襖を小素襖とも呼びます。

この素襖は元々は大紋直垂が変化したものといわれています。大紋直垂も布(麻)素材ですが、素襖のように革紐をつけるのではなく、直垂のような丸紐がつけられています。そう考えると、『天地人』で直江兼続が城中で着ていたのは、この大紋直垂のようにも見えます。ちなみに兼続の弟の大国実頼が、天正14年以後に上洛して越後に戻った後、肩衣をつけて城に上がるシーンがあります。当時はまだ皆は大紋直垂と思しき姿でした。しかし『真田丸』では、天正10年の時点で、既に直江兼続が肩衣をつけています。

直垂は平安期には庶民の服でした。その当時は直衣や狩衣に代表される上領(あげくび)の方が格が高く、直垂のような垂領(たりくび)、つまり今の着物の打ち合わせのようなスタイルは格下でした。しかし、上着を袴にたくし込むため、機能的であることから武士の常服となり、その後は礼服化して行きます。上着を中にたくし込むこと、そして上下が対で仕立てられていることが、この直垂、及びそれから派生した大紋直垂や素襖といった服の大きな特徴です。

ところで「大紋」直垂というように、大紋直垂や素襖には家紋が入ります。大紋は大きめ、素襖はそれよりも小さめです。もちろん陣羽織にも家紋が入りますし、ヨーロッパでも中世は、貴族階級では軍装に家紋を入れる習慣がありました。これはどの家であるかを見分けるためのもので、紋章を常に身にまとうという点に、何らかの理由のために戦いが続き、その中で武将や騎士がその戦いに名乗りをあげ、武勲を得るために馳せ参じた中世という時代を感じ取ることができます。

また直垂には鎧直垂というものもあります。甲冑の下に着るもので、袖口や袴の裾を括るようになっており、かなり機能性が重視されています。色遣いは派手目なものもありますが、第7回「奪回」の信繁は、灰色の鎧直垂をまとっています。ある相撲部屋関係者の方の話によれば、現在の相撲の行事が斬る装束は、この鎧直垂に似た仕立て方になっているそうです。

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[ 2016/02/29 00:50 ] その他 | TB(-) | CM(0)

真田丸あれこれ その6

では今回もあれやこれやです。まず滝川一益に嘘をつき、岩櫃と沼田の2つの城を攻め落とした昌幸が箕輪城でその一益に会います。馳せ参じることが出来ずに申し訳ない、と(白々しく)述べる昌幸に、一益は明日伊勢に立つから、一緒に酒でも飲もうと誘います。このシーンといい、酒席で岩櫃と沼田の城を返すというシーンといい、一益の善良さが際立ちます。当てが外れた昌幸は、これでは一益が「火のついたように、かあっと」怒ると言ってそのまま立ち去ります。果たせるかな、自分が騙されたと気づいた一益はひどく怒り、あまつさえ小諸城で出くわした「真田の倅」を、お前の父から嘘ばかりつかれたといって人質にしてしまいます。何やら親の罪が子に報いた感が無きにしもあらずですが、信繁も城に潜り込んで人質を連れ出そうとしたのですから、いずれにしても一益がそのまま帰すことはなかったでしょう。

そして木曽義昌です。かつて武田の家臣で、織田に寝返って甲州征伐のきっかけを作ったために、人質に出していた母親と子供たちが処刑されています。第1回「船出」で、真田家の人々の口の端にのぼっていた木曽家の人質の伏線は、ここに来て回収されたようです。その後この木曽氏は徳川家の傘下に入りますが、嫡男義利は粗暴な人物で、後に改易されます。

それから薫(山手殿)と、信幸の妻こうが会食するシーンですが、これも後々何かにつながって来そうです。しかしこのこうという女性が如何にも儚げです。信幸は後に、本多忠勝の娘である小松姫を正室として迎えることになるのですが、この最初の奥方は早く亡くなるのでしょうか。

昌幸と出浦昌相の会話に、国衆たちが北条についているというのが登場します。武田と縁続きで大大名というのがその理由ですが、この時期は羽柴や徳川という新勢力が力を持ち始めていましたし、国衆でも昌幸は上杉と北条の二股掛けを続けていました。そして天正壬午の乱では、北条は手痛い敗北を喫しました。この敗北の裏にも昌幸ありなのですが、これは次の回を観てからにします。ところで北条といえばやはり小田原征伐ですが、この時の黒田官兵衛の開城説得が『軍師官兵衛』に登場しますね。また『風林火山』では、同盟の証として、武田信玄の長女が北条氏直に嫁ぐところが出て来ます。

そして次回で鍵を握る存在と思われるのが、この回の終わりに登場する春日信達です。武田の家臣である高坂弾正昌信の二男ですが、森長可が領地撤退後に人質を惨殺したのは、この信達のせいともいわれています。その後上杉に仕えたものの、真田と関わったために磔刑に処せられます。

飲み物-コーヒー

[ 2016/02/28 01:00 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

真田幸村と立川文庫

今回もまずネット記事からです。

真田幸村「イケメン化」なぜ? 実物は歯抜け・白髪説… (朝日新聞デジタル)

その当時でいえば、もはや初老のオヤジの外見だった幸村、つまり信繁がサブカルチャー的に、美男子に描かれているという部分ですが、これは洋の東西を問わずです。ヨーロッパの騎士物語などは、実際はともかく、かなりの騎士が美丈夫に描かれていて、これが後世の一般人の共感を得やすかったのだろうと思われます。イケメン化も行きすぎるとどうかとは思いますが、歴史を追求する上でのとっかかりになるのであれば嬉しいです。

それから「幸村」の名は、記事中にもありますように、講談の世界で用いられて来ました。要は、大石内蔵助を『仮名手本忠臣蔵』で、赤星由良之助と言い換えるのと似たようなものです。この講談が立川(たつかわ)文庫によって文庫本化され、十勇士が「創作」されるに至ります。無論、十勇士がいなくても、何らかの形で信繁をサポートする忍びの者はいただろうと思われます。池波正太郎氏の『真田太平記』では、これにくの一のお江が加わります。

ところで「言論弾圧云々」とありますが、大正時代はかなり自由な時代で、文学が花開いた時期でもありました。その後昭和十年代ごろから、多少の統制は出て来るようになりますが、日本で一番言論弾圧が厳しかったのは、GHQが駐留していた時期ですね。この時代は時代劇はご法度でした-しかしその後アメリカで『七人の侍』が紹介され、『ラスト・サムライ』が製作されることになるのですが。また時の統治者を作者が意識するというのもよくあるパターンで、シェークスピアが『マクベス』を書いたのは、スコットランド系の時の王朝、スチュアート王朝への配慮であるともいわれています。

最後になりましたが、立川文庫は今も復刻版があるようですし、電子書籍でも出ているのですね。こちらは真田幸村(信繁)のものですが

真田幸村漫遊記 [Kindle版]

アマゾンでは「立川文庫」で検索すると、これ以外にも色々出て来ます。

[ 2016/02/27 23:00 ] | TB(-) | CM(0)

キャラ設定と現代語と時代考証

BIGLOBEのポータルサイトにこういう記事がありました。リンクを貼るべきかどうか迷いましたが、一応貼っておきます。

真田丸」長澤まさみが「ウザ過ぎる」との声続々 視聴率急落の原因? 
(J-CASTニュース、cache)

叩き記事にしても、もう少しまともな記事を書いてほしいものですが…『相棒』の迷走云々などもそうですが、番組を本当に観て書いているのかと思います。まず、なぜきりが鬱陶しがられるキャラ設定なのかの考察が全くなし。しかもネット上の掲示板をソースに使う辺り、メディアとしてどうよ?と思うわけですね。ちなみに私も掲示板は見ることもありますし、結構穿った意見もあり、個人のサイトとかブログで引用すればまだわからなくもないのですが。

それから視聴率の推移完全スルーです。第1話、第2話と第6話しか紹介されていない。確かに下がった時もあるものの、第5話と第7話でまた上がっていますし、無論BS視聴組もいるのですが、視聴率が下がったことを強調したいせいか、そういう点にはお構いなしのようです。とにかく、まずはなぜそういう設定で、それが何の伏線になっているかから考えましょう。

きりがなぜああいうキャラで、婆様こととりにも、そして信繁や三十郎にも疎んじられているのか。それは今後彼女が何らかの形で変わる可能性があるからだと、個人的には思われます。ここまではっきりしたキャラ設定というのは、パペットホームズの言葉を借りれば「すべてのものには裏がある」、つまり理由があるわけです。

ちなみにこの時点でのきりは、信繁より多少年下と思われますので、まだ子供ですが、異性を意識する年齢にはなっているといったところでしょう。しかしウザい子はウザい、皆からもよく思われないと描かれているのは評価できます。『花燃ゆ』の美和のキャラも如何なものかと思われましたが、主人公だからというので、こちらは美和絶対主義みたいになっていましたから。

それと現代語ですが、ならばどの言葉でやるべきか代案を出すべきでしょう。しかし中世ごろの信濃の言葉とかだと、郷土史などをやっていない限り、今の日本人の大部分はよくわからないと思います。しかも『葵 徳川三代』ではセリフ、たとえば「御意」とか、大坂の「おおざか」という発音に苦情が来たらしいし、それとは別に、『八重の桜』の会津弁もわからないとクレームがついたようで、ならば現代語でやるしか選択肢がなくなります。

それと時代考証も、戦国時代は江戸時代とは全く違った時代であり、無論江戸時代的倫理観はありませんでした。しかし過去の戦国作品などには、結構江戸時代的なものの見方が感じられるシーンもあります。むしろ今回の『真田丸』とか『風林火山』の方が戦国らしいです。作品が新しくなるほど、その裏付けとなる史料がより多く揃うのもまた一因でしょう。

最後にこういう記事も貼っておきます。エキサイト関連の大河ニュースは結構面白いし、番組を理解しているように感じられます。

真田昌幸が掌返しまくり! 目が離せない『真田丸』の今後 
(Excite Bit コネタ、cache)

近年の大河ドラマは「命を大事にしよう」という近代的思想が強く反映されていたが、今回の『真田丸』では各登場人物が生き残りのため、あれこれと手を尽くして平気で裏切りも行う。昌幸はその象徴的な人物といえる。

大事なのはこれでしょうね。あくまでも当時の価値観で描いてこそ面白いわけです。
[ 2016/02/27 01:15 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

大河検定回答発表

では回答に行きます、まず問題です。
  1. 真田丸は元々ある城の近くにあった砦ですが、どの城の近くにあったのでしょうか
  2. その真田丸が築かれた目的は、どの戦いであるのかを答えてください
  3. その戦いは、どちらが勝利したでしょうか
  4. 武田勝頼は武田信玄の何番目の息子でしょうか
  5. 岩櫃城へ逃げる途中の真田一家を、謀ろうとしたのは誰でしょうか
  6. 信幸が父昌幸の計略とも知らずに、手紙を持って行こうとした相手は誰だったでしょうか
  7. 昌幸と信繁が信長に目通りした寺の名前は何でしょうか
  8. では、その寺はどこにあるでしょうか。かつての国名で答えてください
  9. 徳川家康が本能寺の変を知ったのは、どこに向かっている途中だったでしょうか
  10. 滝川一益が関東で滞在していた城を、当時の名称で答えてください

では回答です。
  1. 大坂城
  2. 大坂冬の陣
  3. 和睦なので勝者なしだが、徳川が豊臣にかなり要求を呑ませている
  4. 4番目
  5. 小山田八左衛門
  6. 上杉景勝
  7. 法華寺
  8. 信濃国(諏訪郡)
  9. 厩橋城
[ 2016/02/26 00:45 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

2016スーパーラグビー開幕

さて、明日からスーパーラグビー開幕です。

スーパーラグビー特集ページ (JSPORTS)

JSPORTSでは毎週4試合以上放送、オンデマンドで全試合放送です-といっても、18チームの総当たりプラス決勝トーナメントですので、全試合だとかなりの数になりますし、私の場合昨シーズンまでの15チーム週4試合だって、結構見逃しがあったのですが(苦笑)。

日本チームサンウルブズと、アルゼンチンから参加のジャガーズ、そして南アから新規参加のキングスにとってはこれが初陣となります。恐らく参加チームの中でも最も軽量な日本は、どのように戦うのでしょうか。また五郎丸選手、田中選手など、サンウルブズ以外でプレイする日本人選手も楽しみです。

それからアルゼンチンのジャガーズですが、ここの代表チームのニックネームはロス・プマ(ピューマ)スです。しかしエンブレムはジャガーです。本来ジャガーズで行くべきところが、誤ってピューマになったといういきさつがあり、このスーパーラグビーには、本来代表が名乗るべきだったジャガーズで臨むようです。

ところで日本での海外スポーツ中継だと、東アジアや東南アジア地域以外は、通常は日本より遅れて始まることが多いのですが、このスーパーラグビーはニュージーランドやオーストラリアの試合が多く、特にニュージーランドの場合は日本時間の午後3時ごろからです。逆に南アフリカの試合は時差が8時間ほどですので、午後の試合が日本の深夜に放送されます。

[ 2016/02/26 00:15 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

真田丸に見るシャーロックホームズ 5

今回は三谷作品に共通すると思われる手法がテーマですので、上記の2作品のみならず、特別に『古畑任三郎』(追いつめられて)も含まれます。

あらすじの方でも書いていますが、信繁と三十郎がとりときりを救おうとして、小諸城に潜入します。その時、当初はあたかも滝川の家臣であるかのように振る舞い、人質がどこにいるかを訊き出します。この小諸城の道家氏の家臣は親切で、場所を教えた挙句、台所に握り飯があるから食べろとまで言ってくれます。信繁たちはそれに感謝し、その部屋まで行ったところ、今度は滝川の兵が一人で部屋の前に立っています。どうやら厠に行きたいらしいのですが、一人では逃げられる可能性もあり、何ともしがたいようです。信繁たちは、今度は道家の家臣だといい、厠に行くように勧めて、台所の握り飯のことも教えます。

そしてまんまと部屋に忍び込もうとしたところで、今度は先ほどの、本物の道家の家臣がやって来て、部屋を間違えていた、そこには真田の者しかいないと伝えます。ここで逃げ出そうとしていたとりときり、特にきりは進退きわまれりといった表情をします。すると先ほどの滝川の兵が戻って来ます。道家の家臣からは滝川の者だと思われ、滝川の兵からは道家の家臣と思われている信繁と三十郎は、何とかその場をやり過ごそうとしますが、そこへ滝川一益が来て「真田の倅か」と口にしてしまいます。正に万事休すです。結局昌幸が一益に嘘ばかりついていたこともあり、信繁と三十郎は、とりときりと共に人質となりますが、木曽義昌の福島城でとりが口を利いてくれたため、信繁ときりは真田の郷に帰ることができるわけです。

これで思い出すのが、『古畑任三郎』の「追いつめられて」というエピソードです。ゲストは玉置浩二さんで、飛行機の中で愛人を殺してしまいます。その際にタイピンを無くしたため、それを隠すために、たまたま見つけた副機長の制服を着て席に戻り、古畑や今泉、西園寺たちの前では副機長を装い、乗務員の前では普通の乗客として振舞います。しかし時間が経過するにつれて言動が矛盾するようになり、最後には少年の一言が決め手となります。

そしてパペットホームズの「ダグラスさんのお屋敷の冒険」です。ホームズが殺人事件を見たさに、学校の近くのダグラス邸にワトソンを引っ張って行き、侵入したまではよかったのですが、捜査担当のマクドナルド警部に見とがめられてしまいます。
「この家の者じゃないな、どこから入って来た?」
そこへ、仕事で絵をかけ替えに来ていたジェファーソン・ホープが現れます。状況を察したホープは2人を、自分の仕事仲間だとマクドナルド警部に紹介してその場を切り抜けます。このホープは「最初の冒険」で退学となり、その後彫刻の勉強をしながら、美術品の運送会社で仕事をしていました。

ホープが去った後、ホームズとワトソンは今度は偽の警察バッジをつけて、あたかも警察関係者であるかのように装い、その2人を見たダグラス夫人もそれを信じます。こうして犯行現場の検分までしてしまうのですが、生憎マクドナルド警部に見つかってしまいます。運送会社の人間だと思っているマクドナルド警部と、警察関係者だと信じているダグラス夫人。しかしマクドナルド警部は夫人に、彼らは警察関係者ではないと言い、2人は何をお巡りさんぶっていると一喝されて、庭へと飛び出してしまいますが、その後池で証拠品を見つけ、2人を連れ戻しに来たモリアーティ教頭共々、再びダグラス邸に戻って行きます。

結構三谷さんはこのなりすまし物を得意としていますし、他にもまだ類似作品がありそうです。三谷さんの脚本ではありませんが、『古畑任三郎』的要素も多い『相棒』にも、あるいは似たようなものがあったかもしれません。ところできりは、現時点の『真田丸』では、うるさくて面倒くさい娘として描かれていますが、ある時期を機会に豹変する、その伏線かなとも思います。しかし彼女は、流石に片膝をついてのお辞儀はきちんとできていますね。
飲み物-ミルクティ
[ 2016/02/24 01:15 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

早丸、本丸、再丸

ポータルサイトにこういう記事がありました。

「真田丸」の視聴率が迷走している9つの理由 (エキサイトニュース、cache)

「信繁が暗い」とか「信幸の顔が伸びている」とか、正直かなり個人レベルの感想と思えるような記事ですが、要因8の「BS で見てる人が多い」には納得です。ちなみに第7回は本放送が17.4パーセントだったようですが、BS視聴率が4パーセントで推移しているのなら、この両者を足すとゆうに20パーセント台に達します。無論、ダブル視聴組も多いようですが。

そのBS視聴ですが、ネット上で「早丸」と呼ばれているようです。

ネット上では「早丸」の愛称で人気 BS視聴率が好調なワケとは?
(産経ニュース、cache)

ちなみに地上波本放送が「本丸」、再放送が「再丸」だそうです。しかしこういう記事を見ていると、やはり視聴率の発表は、BSと本放送両表記でいいのではとも思えてしまいます。
[ 2016/02/24 00:25 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

真田丸-7

『真田丸』第7回「奪回」。本日は徳川勢も小山田さんも登場していませんが、いやかなり面白い回でした。三谷さんのファンなら、間違いなくツボに嵌るかと。 パペットホームズのみならず、『古畑任三郎』とも共通するシーンがあるのですが、それはまた改めて。

*************************

軍事行動を開始した北条の軍と滝川一益の軍が上野で衝突し、北条の勝利に終わる。北条の重臣である板部岡江雪斎が勝利を報告に来て、氏政は床の中で一人ほくそ笑む。その一方で真田昌幸は沼田城を奪い返し、信幸に岩櫃城を押さえさせる。そして人質となったとりが、箕輪城にいることを知り、信繁を連れて箕輪状へと向かった。

一益は一旦領国の伊勢に戻ると言い、とりを信濃を抜けるまで預からせてほしいと頼む。一益は織田家の再建に心血を注ぐつもりだった。その後2人は酒を酌み交わし、その席で国衆たちにそれぞれの領地を戻すこと、どの大名につくべきかなどを話すが、一益はこともあろうに、沼田と岩櫃の城を返したいと申し出る。返したいも何も、その2つはとうに真田の手で押さえてしまっていた。

昌幸が去って間もなく、一益は真田の軍がこの2つの城を奪い返したことを知る。また昌幸は、上杉に攻め込まれないため兵を出したと一益に伝えていたが、それも嘘であった。そして信幸はとりと、随行していたきりの2人が箕輪状に捕らえられていることを知り、翌日一益の軍が箕輪状から小諸城に移動するのを見て、小諸城に忍び込む。

小諸城では城主道家正栄の家来になりすましたり、またある時は滝川の家臣を装ったりしながら、とりときりの居場所を探しだした信繁と三十郎は、2人を連れてその場を去ろうとするが、きりが信繁からもらった櫛を取りに帰ったことからことが発覚し、結局この2人も人質にされてしまう。

真田屋敷では薫(山手殿)がこうと食膳に向っていたが、病気のこうの力ない態度に不満を感じ、食事もそこそこに席を立つ。そこへ堀田作兵衛が屋敷を守るように命じられたと言って現れ、梅も食糧を持って現れた。そんな折、信濃を抜けようとしていた一益は、木曽義昌の足止めに遭い、直談判をすべく福島城へと向かう。

とりはその道すがら、気落ちする信繁をこう励ます。

思い通りに行かぬのがこの世。望みを捨てなかった者にのみ、道が開ける」

さて木曽義昌は、織田が攻めて来た時真っ先に武田を裏切ったにも関わらず、一益の便宜を図ることもせず、人質をすべて置いて行けば通行させるという交換条件を出す。その中に真田昌幸の次男がいると聞いて、義昌はしてやったりの表情を浮かべる。

一益はその後清須会議に間に合わせようとするが、それは実現せず、しかもその後不遇の生涯を送る。そして福島城の人質たちを前に、義政は大名になるとうそぶくが、人質の中にとりを見つけて狼狽する。とりは子供時代の義昌をよく知っており、武田を裏切ったことを責め立てて、人質を帰すように求める。しかし義昌にとっても、人質は大事なものであった。

結局とりは残り、とりが鬱陶しがっていたきりが信繁と一緒に戻ることになる。何かと話しかけるきりに、うるさそうに目をやる信繁。その頃小県では、室賀正武をはじめ国衆たちがが北条につくようになり、昌幸は出浦昌相に、北条に従う振りをして内情を探らせ、自らは上杉景勝との交渉に向かって、小県とは縁の深い上杉の庇護を受けたいと懇願する。

信繁は真田屋敷に戻って来て、兄信幸に今回の件を愚痴る。助けてはやりたいが、自分も岩櫃城のことで手いっぱいだと言う信幸。そして父昌幸からは厳しく叱られ、こう諭される。

「お前は自分の勘に頼りすぎる。儂も勘に頼ってはいるが、それは場数を踏んで得たものだ」

また信幸は勘に頼らないから間違いが少ないと言ったうえで、こうも語った。

「源三郎と源次郎、ふたりでひとつじゃ。源三郎は間違いはしないが糞真面目だ。お前は間違うが面白い。面白くなくては人は動かん」

そして昌幸は、弟信尹の指示のもと、信繁に春日信達の調略をまかせることにした。春日は上杉の家臣だがこれを北条に寝返らせ、自分が上杉を攻める際に有利になるように仕向ける作戦だった。しかもさらに、その後北条に臣従した時に、これが大いに役立つことをも踏んだうえでの調略だったのである。

*************************

相変わらず周辺国との交渉においては、実に腹黒い昌幸ですが、今回はいささか勇み足的な部分もあり、しかも滝川一益の善良さを読めなかったわけで、やはりこの人も人の子かとは思いましたが、それでも上杉と北条を比較する辺りはなかなかのものです。尤も「勘に頼る云々」は、いささか「お前が言うな」といった感もありますが。いずれにしても、この昌幸のこういう部分、あるいはその場で咄嗟に言いつくろうことができる才能というのは、信繁に受け継がれたようです。
[ 2016/02/23 01:40 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

上杉景勝とハムレット

いささか取り留めのない話ですが。

『真田丸』または『天地人』に登場する上杉景勝は、子供の頃に母の弟、つまり叔父である上杉政虎(謙信)の養子となります。この叔父と甥の関係といえば、『ハムレット』を思い出す人もいるでしょう。洋の東西を問わず、昔は父親が亡くなって叔父に養われる関係とか(景勝はこれに当たります)、あるいは『ハムレット』に見られるように、父親を殺して母を奪ったため、叔父甥で敵対する関係もまたあったと思われます。日本の場合は、夫が死ぬと妻は出家する例が多いのですが、特に戦国時代などは再婚した人も結構います。ただしその場合、男子は寺に入れるなどして、自らが仇を討たれないような措置を取っていました。

ちなみに上杉景勝は、叔父には反感を持っておらず、むしろ叔父を尊敬する甥でした。この人の苦労は、むしろその叔父が亡くなった後にやって来ます。謙信が急死したため後継者が定まらず、北条から迎えた義弟の景虎との間に対立が起きました。これで起こったのが御舘の乱です。この時景勝は、武田氏と同盟関係を結び、北条の後押しを受けた景虎に勝利して、上杉の後継者となりました。また、武田勝頼の異母妹である菊姫を妻としています。しかしその後越後は織田信長の襲撃を受け、国境にあった魚津城が落ちてしまいます。しかし織田信長が急逝したため難を逃れ、その後は秀吉に仕えて北条攻めで功を成し、領地を加増されています。

しかしこの会津を中心とする上杉領は、その大部分がかつての伊達政宗領で、その伊達政宗や最上義光の領地と隣接しており、しかも徳川家康を監視する立場にありました。おまけに秀吉の死後、徳川は上杉との対立を深め、その戦いの最中に関ヶ原の戦いが勃発します。上杉は西軍として伊達や最上らの東軍と一線を交え、結局徳川に降伏します。その後領地をかなり減らされ、米沢藩30万石の大名となった後は、大坂の陣に参戦しています。

『ハムレット』にあるような叔父と母親、あるいはレアティーズとオフィーリアに対する愛憎の念は、無論この景勝からは感じられません。上杉景勝はあくまでも戦国末期から江戸初期の大名であり、その立場にふさわしいことを彼なりにやり遂げたわけで、『ハムレット』のような内面的なものが描かれる存在ではないからです。しいていえば、直江兼続という家老との関係が、ハムレットとホレイショのような役割を果たしていたといえます。叔父も母も憎む対象ではなかったわけですし、また景勝自身、ハムレットの役に求められるような感情や苦悩を、ほとんど表に出さなかった人物として有名です。刀剣を集めるのが趣味でしたが、この点において、毒を塗った剣で落命したハムレットと何らかの共通点があるでしょうか。

恐らく景勝にとって身内のことで最も苦労したのは、やはり御舘の乱でしょう。特に上杉家は関東管領も兼ねていたため、誰がどこを継ぐかといった問題もありました。また、他にも畠山氏や村上氏からの養子もいましたが、とりわけ景虎との間にこのような事態が発生したということは、やはり景虎の背後にある北条との対立があったためと思われます。景勝の生涯で、この御舘の乱の場面のみを脚色すると、身内の対立で苦悩するこの人物の内面を、それなりに描いたものができるかもしれません。

飲み物-お洒落なランプとウイスキーグラス
[ 2016/02/22 01:35 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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