fc2ブログ

ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  2016年01月

真田丸あれこれ番外編 囲碁と将棋

今回は「あれこれ」ではなく、一応囲碁と将棋というテーマが決まっていますので番外編とします。

一般に囲碁は戦略、将棋は戦術といわれます。戦局とは戦いをマクロな視点から見たもの、戦術はミクロな視点から見たものといえばいいでしょうか。たとえば武将甲が隣接する地域の乙に戦いを挑み、勝利して自分のものにしようとする場合に、そのために別の隣国と同盟を結び、兵器をどこから仕入れて、誰に最前線に行かせるかといったことを決めるのが戦略です。そしてそれを実行に移すためのものが戦術であり戦法となるわけです。この場合は、
戦略:甲が乙を攻めて自国領とするために丙と手を組み、兵器を調達する

戦術:甲の軍勢が国境まで行って、乙の城に襲撃をかける

戦法:乙の軍勢が籠城を続けているため、包囲戦をしかける
といった感じになります。
戦略はかなり大まかなものですが、その中に戦術も戦法も存在します。従って戦略がきちんとしていないと、戦術も戦法も狂ってしまいます。

囲碁は元々どれだけの領域を確保するかが目的ですので、戦略を立てるにはこの方法が向いています。一方将棋は、相手の大将をどのようにして奪うかに重点が置かれますので、戦術、ひいては戦法を立てるのに向いています。『真田丸』の中で昌幸が一人で石を並べている、あるいは家臣の高梨内記と碁を打っているのには、このような背景があるのも一因です。

第一回「船出」では、信幸と信繁の兄弟が将棋の駒で山崩しをしています。信幸はこのようなことで勝負をつけるより、きちんと将棋を指そうと言っているのですが、信繁はこういう遊びの方が面白いようです。両者の性格の違いが見て取れる一幕でもあります。ところで、ここで登場する「醉象」や「太子」という駒は、もちろん今の将棋には存在しません。今の形になるまでは様々な将棋が存在し、かつての大将棋や小将棋といった、いわゆる古将棋には、醉象の成駒として太子が存在したといわれています。ちょうど戦国時代は、この将棋が入れ替わる時期で、真田家に伝わる将棋にはこの駒がまだあったのでしょう。ちなみに右下の画像がそれですが、こちらは『真田丸』インスタグラムにアップされているものです。また敵の駒を取って再活用する、所謂持ち駒もこの時代に登場しました。

しかし「真田丸とシャーロックホームズ」にも書いていますが、この大河は、歴史以外のものからもあれこれ盛り込まれているようですし、過去の大河へのオマージュも少なからず感じ取れますので、そういった点にも惹かれます。

真田丸将棋駒
スポンサーサイト



[ 2016/01/31 17:00 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

天地人と江、花燃ゆの共通点 続き

実は先日、『江』のDVD第一巻を観ました。この作品は殆ど観ていないに等しいので、初めて観たようなものなのですが、しかしはっきり言って驚きの連続ですね。どのような点に驚いたかと言いますと、

  • お市と長政が婚礼前なのに2人きりで話している
  • 信長が小谷城に来た時、お市が意見しまくる
  • 物見櫓にお市が灯りを持って上って来る
  • 足利義昭が小谷城にいるという設定だが、あまりにもお馬鹿すぎ
  • お市がお腹の子(実はそれが江)を流そうとしているのを茶々が知っている。しかもそのための薬を飲もうとしている時に、茶々が初や侍女たちと部屋に入って来てそれを制し、さらに赤ん坊を流すのなら、自分も初も死ぬと言って妹の首に刀を押し当てる
  • 江が生まれた時点で、父の長政が江を抱いて物見櫓に上る。その時織田と浅井の両軍に赤ん坊の声が聞こえ、自然に休戦状態になる
  • 第2話で、幼い江が秀吉に突っかかるシーンが出て来る。しかし童女ならともかく、既に大人の女優が演じているため、痴話喧嘩に見えてしまう
  • いくら戦国時代、しかも織田信長の城といえども、信長が畳にいきなり刀を突き刺したり、また突然槍が突き刺さったりする
  • 信長が直垂姿なのに烏帽子をつけていない
  • 秀吉がやたらにお市を意識する

ざっと書き出しただけでもこれだけあります。特に茶々が刀を初に向けるシーンには引いてしまいます。確かにドラマであるため創作も必要ですが、その創作が異次元世界の出来事のようであることが多く、このへんも『花燃ゆ』を連想させます。しいていえばこちらの方がファンタジー色が強く、『花燃ゆ』の方が暗めの印象があるといった感じでしょうか。実はあと1話残っているのですが、観るべきかどうするか思案中です。

それから『天地人』ですが、本能寺の変後清須会議が開かれ、さらに天下人となった秀吉が上杉景勝のもとを訪れます。しかしこの時の秀吉がまた、真昼間から遊女相手に酒を酌み交わすようなエロ親父風に描かれているのに加え、石田三成の格好が如何にも珍妙です。白地に濃紫をぼかしたような裃姿で、月代は剃っているけれどわざと一方の鬢をほつれさせ、髷は結わず後ろで髪を束ねているといういでたちです。『風林火山』の上杉謙信に影響されたのでしょうか(笑)。何だか傾き者のようです。
また真田幸村(『真田丸』風にいえば信繁)が人質として上杉へと送られますが、この幸村は小袖に袴の普段着のまま景勝に目通りしています。せめて裃か素襖を着るべきでしょう。幸村は上杉家ではてそれなりの待遇だったようですが、いつも槍を持ってその辺りをうろついているため、仕官口を求めている牢人に見えてしまいます。そもそも、ここまで自由に動き回れたのでしょうか。
[ 2016/01/31 01:20 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

パペホ声優の大河ドラマ出演率

高木渉さんの『真田丸』出演をきっかけに、パペットホームズの声優さんたちが、どのくらい大河ドラマに出演しているかを調べてみました。人にもよりますが、総じて高めです。まず名前(敬称略)、パペホでの役名、そして出演大河作品とそれぞれの役名です。違う作品で同じ役を数回演じている人もいます。なお、出演者名はシリーズでの登場順です。

高木渉(ジョン・H・ワトソン、ナレーター)
真田丸(小山田茂誠)

妻夫木聡(ジェファーソン・ホープ)
天地人(直江兼続)

江原正士(モリアーティ教頭、ノートン先生、バーニコット及びガルシア)

花神(佐世八十郎=前原一誠)
他に『風と雲と虹と』、『草燃える』、『峠の群像』

中村梅雀(オルムシュタイン校長)
 
天と地と(武田勝頼)
新・平家物語(平時忠)
峠の群像(萱野三平)
八代将軍吉宗(徳川家重)
毛利元就(志道広良)
葵 徳川三代(徳川光圀、ナレーション)
武蔵 MUSASHI(茂助)
功名が辻(徳川秀忠)
篤姫(井伊直弼)
平清盛(平家貞)

宮沢りえ(アドラー先生)

春日局(お初)
太平記(藤夜叉)
元禄繚乱(瑤泉院)
武蔵 MUSASHI(お篠)
江〜姫たちの戦国〜(茶々→淀)

浅野和之(ロイロット先生)

太平記(塩冶高貞)
八代将軍吉宗(丹羽正伯)

梶原善(ベッポ)

秀吉(稲田大炊助)
平清盛(平宗清)

藤原竜也(ホズマ・エンジェル/ウィンディバンク)

新選組!(沖田総司)
新選組!! 土方歳三 最期の一日(沖田総司、回想シーンのみ)

平岩紙(シャーマン)

新選組!(初菊)

浅利陽介(べインズ)

秀吉(宇喜多秀家の少年時代)
元禄繚乱(柳沢吉里)
北条時宗(北条時宗の少年時代及び北条高時)
新選組! (近藤周平)
功名が辻(不破万作)
風林火山(小山田弥三郎)
軍師官兵衛(小早川秀秋)
真田丸(小早川秀秋)

石井正則(ウィルスン・ケンプ)

花燃ゆ(井上聞多→井上馨)

石橋杏奈(メアリー・モースタン)

軍師官兵衛(倫)
花燃ゆ(鞠) 

市村正親(ジョナサン・スモール)

獅子の時代(小此木恭平) 
江〜姫たちの戦国〜(明智光秀)

段田安則(ミルヴァートン先生)

翔ぶが如く(金太)
太平記(北条仲時)
秀吉(滝川一益)
真田丸(滝川一益)

今井朋彦(ヘンリー・バスカーヴィル)

新選組!(徳川慶喜)
風林火山(小笠原長時)
軍師官兵衛(平岡頼勝)

池松壮亮(ジャック・ステイプルトン)

義経(源頼朝の少年時代)
風林火山(武田勝千代=信玄の少年時代/ 武田勝頼)

戸田恵子(イザドラ・クライン)

新選組!(お登勢)

迫田孝也(マクドナルド警部)

真田丸(矢沢三十郎)

そして、この方を忘れてはいけません。
三谷幸喜(ダグラス氏)
功名が辻(足利義昭)

しかし中村梅雀さんは流石ですね。『天と地と』『新・平家物語』は恐らく少年時代の役と思われます。この方の『葵 徳川三代』の黄門様はよかったです。浅利陽介さんも結構出演が多いです。『軍師官兵衛』と『真田丸』の両作品で小早川秀秋とは、かなりはまり役と見るべきなのでしょうか。段田安則さんも2回滝川一益を演じています。それと今井朋彦さんの、『風林火山』でのちょっと頼りない感じの小笠原長時も印象に残っています。しかし高木さん、今回結構注目されているようです。前回で妻の松と再会を果たしましたが、今後はどうなることでしょうか。

ちなみに、浅利さんが『風林火山』で演じている小山田弥三郎とは、『真田丸』で武田勝頼を裏切った小山田信茂の兄といわれています。

[ 2016/01/30 21:00 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

真田丸公式サイトより

こちらの公式サイトですが

http://www.nhk.or.jp/sanadamaru/ 

トップページの下の方に情報欄があって、今後のイベントとか制作の様子が紹介されているのですが、明日18時、NHK-FMの番組に主役の堺さんが出演するとの由。それから今度のステラは大河特集のようです。またOP映像の製作に関してのコラム、これはなかなか面白いです。すべて実像をCG処理していて、外見は実は岡山県の高梁城、城の門と内部は、後年真田信之が城主となった松代城のものです。生涯城を持つことのなかった、次男坊信繁の夢の城といったところでしょう。それと最後の方で登場する赤備えの武者、これも実際に撮影したものをCG処理したようで、相当こだわりが感じられますので、このコラムだけ別個にリンクを貼っておきます。

http://www.nhk.or.jp/sanadamaru/special/interview/interview10.html

しかし今年の大河公式サイトは、昨年のよりも見やすいです。昨年が見づらかったといえばそれまでですが…それから、文章に余計な振り仮名があまりないのも嬉しいです。
[ 2016/01/30 01:00 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

代表とスーパーラグビーと畠山選手

シーズン真っ盛りにもかかわらず、ここのところちょっとラグビーにご無沙汰していました。まず、代表及びスーパーラグビー参加の日本チーム「サンウルブズ」のヘッドコーチ(HC)に関してです。代表HCはなかなか決まらなかったのですが、先日、かつてのオールブラックスのメンバーで、日本でもプレイ経験のあるジェイミー・ジョセフ氏が決定しました。個人的に、この人がサニックスブルーズにいた頃のこと、覚えています。試合も観に行きましたし。

日本代表次期HC、ジョセフ氏に正式決定!19年W杯へV手腕託す (サンスポ)

一方スーパーラグビーに参加するサンウルブズの方のヘッドコーチは、こちらもかつてオールブラックスの選手だったマーク・ハメット氏です。

マーク ハメット/MARK HAMMETT(日本ラグビーフットボール協会公式サイト)

また、当然といえば当然ですが、日本が毎年2月から始まるスーパーラグビーに参戦するため、国内リーグのスケジュールも変更を余儀なくされそうです。今は8月末から2月末までの半年間が国内シーズンですが、恐らく現行の日本選手権などは見直さざるを得なくなるでしょう。とはいえスーパーラグビーはスーパーラグビー、国内は国内で割り切るという方法もあります。無論トップレベルの選手はスーパーラグビーに行くことになりますが。一方で、村上晃一氏のブログ「ラグビー愛好日記」によると、日本代表でサントリーサンゴリアスの畠山健介選手が、英プレミアシップ(ラグビーではプレミアシップと呼びます)のニューカッスルに期限付き移籍のようです。

畠山健介、英国ニューカッスル・ファルコンズへ期限付き移籍(ラグビー愛好日記)
[ 2016/01/28 23:25 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

真田丸に見るシャーロックホームズ 2

前回『真田丸』とシャーロック・ホームズ、特にパペットホームズに共通して見られる点について書いていますが、今回は第2回と第3回からです。といっても、今回は全く同じ表現、かなり似通った表現があるわけではないのですが、信繁の行動や発言に、ホームズ、あるいは15歳のホームズなら言いそう、あるいは考えそうだなと感じられる点があります。

第2回は真田家の人々が、岩櫃城に向かう途中に小山田八左衛門に出会います。八左衛門は道案内をするためと言いますが、信繁はなぜ八左衛門が来たかを不審がります。 そもそも織田を迎え撃つために岩殿城に勝頼を向かわせ、攻撃に備えているのであれば、なぜこのような場所に兵を連れて現れるのか、その真意を信繁は測りかねるわけで、実戦経験がないにも関わらず、この辺の読みは名探偵並みに鋭いかと思われます。案の定謀られてしまうのですが、もはやこれまでという時に父昌幸が登場して事なきを得ます。

また第3回では、室賀領の領民が、真田領に忍び込んで薪を持って行くため、堀田作兵衛や梅らと共に彼らを撃退しますが、低い位置から攻撃するのは不利だと言って、山頂に陣取ってそこから攻撃を開始し、見事室賀の領民を追い払います。これは馬謖の言にあるものですが、この辺もビートン校のホームズ君なら言いそうです。
「上から攻撃しないと不利じゃないか、そのくらいわかっているだろうワトソン」
といった感じで。ちなみに高木渉さん演じる小山田茂誠は信幸の家臣となりますが、関ヶ原の戦い後しばしば九度山の信繁を訪れることになりそうです。その時、2人の間でどのような会話が交わされるのでしょうか。

ところでこの室賀領民撃退の前に、信繁がきりと梅にそれぞれ櫛を贈るシーンがあります。信繫は口では「櫛をもらって喜ばない女はいない」と言ってはみるものの、自分で梅に贈るのを照れ臭がり、櫛を渡す役目をきりに頼みますが、きりは自分で渡すように説得します。しかし踏ん切りのつかない信繁に業を煮やしたきりは、箱の蓋を取って梅に渡すのですが、その中身は自分に贈られたつげ櫛とはまるで違った、螺鈿と思しき細工が施された豪華な漆塗りの櫛でした。きりは当然面白くないわけで、その場を外してしまいます。その時に室賀の領民の侵入が知らされるわけです。

結局きりも混じって室賀の領民を撃退しますが、その帰途、足を挫いたようだといってしゃがみ込んでしまいます。先に行っていいというきりに、信繫はそうも行かないと言って、彼女を背負うべく背中を向けます。作兵衛も同様に背中を向けます。どちらかといえば作兵衛の方が、背負われて安心感があるように思えますが、きりは流石にここは信繁に背負ってもらうのでした。しかしそこへ小山田茂誠が現れたことで、ことが思いがけない方向に進展します。

かなり前のアイドルの曲だったと思いますが、「足を挫いたふりをしたら、あなたは私をおぶってくれた」という歌詞がありました。何かその歌詞を彷彿とさせる場面でした。しかしこの櫛をめぐるやりとり、もしパペットホームズ第二弾が作られるなら、似たようなシーンがあるいは登場するかもしれません。いや登場してほしいです。

飲み物-カフェオレ
[ 2016/01/28 01:40 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

『応天の門』染殿の后、鬼に乱心せらるるとの事

さて『応天の門』の続きです。前回、道真は書庫を漁っているのを父是善に見とがめられた際に、このように尋ねます。
「兄上は殺されたのですね」
父はそれを否定しますが、さて真実はいかに。

***************************

道真には優しかった兄の記憶があったが、その兄の死に際の様子が気になっていた。父是善は流行病で死んだと言うが、道真は加持丸の件の後、あれは狂犬病だったのではと思い、書庫で兄の日記を探すが、是善はそれをとがめる。そして兄が藤原に殺されたと主張する道真を遮るように、それを二度と口にするなといい、緊急の用で宮中へと出かけて行った。

白梅は道真の兄について知りたいと思うが、女官たちは頑なに口を開こうとしなかった。そして女官頭の桂木が、長兄の吉祥丸と道真は7つ離れており、その間にもう1人男児がいたが早世した。そして吉祥丸も亡くなったことを教え、白梅に、このことについては口外しないようにと釘を刺される。

是善は宮中で、帝から意外なことを聞かされる。帝の生母である染殿の后(藤原明子)の生霊が、寝所に現れたのである。夢ではない証拠に、手布が落ちていた。帝から、母に会いたいと頼まれる是善に、基経は藤原氏のことであるので、この件から身を引くように言う。后は基経の義姉であった。

その後基経は后の女官の遠山を叱責し、ことを表沙汰にしないように命じる。后は気の病で引きこもっており、遠山は看病のためそばに侍り、薬粥を后に無理にでも与えるようにしていた。それはあたかも、后に何かを盛っているようでもあった。そして、近いうちに七日七晩の祈祷が行われることになる。

その当日がやって来た。基経から祈祷の警備を頼まれた在原業平は、見目のいい僧たちが進む中、ある香りがすることに疑問を抱く。一方で道真は食事も摂らず、整然と、思慮深く綴られた兄の日記に目を通していた。そして、兄がいまわの際に「来るな!」と罵倒するように叫んだことを思い出す。それは、兄の死の2日前のことだった。

*************************

兄吉祥丸の死と藤原氏とは、何か関係がありそうです。しかも兄の病状は、加持丸の狂犬病にそっくりでした。兄はなぜそのような病気に罹ったのでしょうか、また藤原氏とその病気はどのようなつながりがあるのでしょうか。

しかも帝の母君である染殿の后は病で、遠山が看病を続け、果ては祈祷まで行われているものの、実子である帝が生霊を見たり、手布が帝の寝所に落ちていたりと、何か裏がありそうです。藤原氏出身の后は、あるいは基経たちに利用されようとしているのでしょうか。なお手布というのはこの時代、神事に用いた装身具のことで、後に手ぬぐいやハンカチの用途で使われるようになりました。


[ 2016/01/28 01:05 ] 応天の門 | TB(-) | CM(0)

天地人と江、花燃ゆの共通点

それから『天地人』についてです。OPについては前に書きましたが、1つ追加しておきます。兼続が「愛」の旗印を持って田んぼに入って行くシーンは、果たして必要なのでしょうか。

本編について。今回観たのは御舘の乱に至る上杉家の跡目争いと、その後の本能寺までですが、一応男性が主人公で、しかも戦国時代が舞台であるにもかかわらず、肝心の主人公より周囲の女性たちに重きを置いた描写なのが気になります。それも『風林火山』の今川義元と寿桂尼のように、何らかの功績がある女性であればそれもありです。しかし、一応著名な女性たちではあるのですが、何もここまで出さなくてもと思うことしばしばで、ならば肝心の樋口(直江)兼続や、主の上杉景勝をもっと出せばいいのです。それとやはり戦闘シーンが今一つです。御舘の乱なんて、もっと双方の思惑がうごめく世界であると思うのですが、これなら女性が主人公の『八重の桜』の会津戦争の方が、よほど迫力があります。あといくら泣き虫与六とはいえ、主人公や女性たちがすぐ泣く。これは『花燃ゆ』もそうでした。

織田軍が攻め込んだ魚津城の戦いにしても、戦闘にふさわしい緊張感があまり感じられず、昔話などをしているシーンは疑問に思えます。それと忍びの者の情報が、景勝の元に同時に来るのも偶然すぎです。要は、織田軍が方々から兵を撤退させているという知らせがほぼ同時に入り、その直後に本能寺の変が知らされるのですが、せめてこの間にはもう少しタイムラグをおいて、景勝が考えあぐねるところを演出した方が面白かったと思うのですが。それから御舘の乱の後、上杉景虎と菊姫が彼岸へと旅立ったり、本能寺の変で信長が謙信の幻を見たりするシーンも変にファンタジー的で、少女漫画のような印象を受けます。やはりというか、小松江里子さんの脚本には、このような傾向が少なからず窺えます。謙信といえば、毘沙門天を祀った岩屋がどうにも張りぼて臭かったです。そもそもあれは史実ではないようですね。また信長のそばに常に初音がいるのも不自然でした。

この『天地人』が抱えた問題は、そのまま『江』に引き継がれたような感じになっています。私はこれを観ていませんが、実際観た人に訊いたところ、それに近いものはあったようです。その『江』が抱えた問題が、今度は『花燃ゆ』でさらに問題化したといえそうです。『江』の脚本も女性ですが、こちらは小松さんではなく田渕久美子さんです。そして『花燃ゆ』も、小松さんの前に3人脚本家が変わりましたが、この3つの作品には「女性を前面に押し出し、史実に則らない脚本」という共通点があります。前出の少女漫画的展開というのも共通しています。この問題もそろそろ解決されてしかるべきでしょう。

『天地人』の視聴率は20パーセント超えもありましたが、『篤姫』の視聴層が翌年も観たからというのが大きいでしょう。大河ドラマの視聴率は、当初は前の作品から引き継がれて行く格好になります。それを考えれば『真田丸』は、『花燃ゆ』の視聴率が振るわなかった割に健闘していると思えますが、これはやはり前作への反動が追い風になっているのかもしれません。

飲み物-本とウイスキー 
[ 2016/01/26 01:09 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

真田一族の屋敷 ~昌幸の部屋のセット~

まずおわびです。先日の「真田丸あれこれ その2」で、小松姫が城に入れなかった相手は、もちろん実父の本多忠勝ではなく、舅で、徳川軍と相対することになった真田昌幸でしたので、修正しています。一体何を勘違いしていたのやら。

さて『真田丸』公式サイトより、真田昌幸の居室のセットの紹介です。 如何にも男性的かつ当主の居場所といった雰囲気の部屋ですが、傍らに胡桃が置いてあるのが何とも…。あとちゃんと碁盤と碁石もありますね。「丸っと」は、真田丸に引っかけているのでしょう。

真田一族の屋敷 ~昌幸の部屋のセット~

このドラマでは忍びの者を呼ぶ時は、鹿の骨を引っ張る仕掛けになっているようです。また兄弟が部屋に入って行くのに、回転扉を押して入って行っていますし、この屋敷自体が忍者屋敷のような造りになっているようにも取れます。『真田太平記』では、岩櫃城の地辺炉の間でしたか、そこにやはり毛皮が敷いてあって、レバーのようなものを引いて戸を開け、入室を許されるようになっていました。囲炉裏が切ってあるのは寒冷地ということもありますが、茶釜で湯を沸かして、白湯を飲むということも行われていたようです。その当時茶の湯はあったものの、煎茶が一般に飲まれるような時代ではありませんでした。
[ 2016/01/26 00:30 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

真田丸-3

長野県での『真田丸』の視聴率が30パーセント超えらしいです。通常地元では視聴率は高めになるものですが、30パーセント超えというのはかなりのものです。さて第3回「策略」、キーワードは「敵を欺くにはまず味方を欺け」です。

*************************

織田につくことを決めた真田昌幸、しかし織田が自分を受け入れるかどうかは予測不能だった。そんな昌幸を弟の信尹(のぶただ)が支える。信尹は真田が武田氏の家臣であった時も、上杉や北条と水面下で連絡を取っていた。そして昌幸は、叔父の矢沢頼綱にも織田に臣従する意志を伝えた。窮地にありながらも楽しそうな昌幸を、妻の薫(山手殿)は測りかねるが、とりはそれが真田の気風だと言う。その一方で、真田の郷に戻って来た信繁を、家臣の高梨内記の娘、きりが出迎える。信繁は心を寄せる梅に土産の櫛を贈ろうとしていたが、自分では気恥ずかしいためきりに依頼する。きりはそんな信繁の心を見抜き、自分で贈るように言い聞かせて梅の家へと連れて行く。

そんな時、梅の兄の堀田作兵衛が戻ってきた。再会を喜ぶ信繁と作兵衛。しかしそこへ、戦で山を焼かれた室賀領の者が、真田領に入り込んで勝手に薪を取っているとの知らせがあり、きりや梅をも含めた一同は、武器となる物を手に取って山へと向かう。室賀の農民を撃退した後、きりは足を挫き、信繁におぶわれて山を下りるが、そこに突然落ち武者が現れる。それは信繁の姉である松の夫、小山田茂誠であった。信繁は茂誠を梅の家に匿い、姉の松と再会させる。

その頃、戦のあった高遠城では、信長を迎えるための準備が、徳川家康の指揮のもと行われていた。家康の家臣である本多正信は、勝頼の首実検が終わった後供養をし、旧武田領の民の心をつかむことを提案する。実は茂誠はここに潜んでいて、本多忠勝に斬られそうになったところを、家康のとりなしで逃げて来たのだった。また昌幸の屋敷では、国衆(国人領主)の室賀正武や出浦昌相たち、そして信幸が織田への臣従について話し合っていたが、結局物別れに終わる。

信幸は、昌幸から上杉宛ての手紙を託される。なぜ上杉にと思いつつも、佐助を供に出発した信幸だったが、室賀や出浦は真田と上杉のつながりを知っており、途中で2人を襲撃して佐助は殺され、手紙を盗まれる。この不始末を父に詫びる信幸だったが、そこに出浦がやって来て仰天する。しかも死んだはずの佐助は生きていた。昌幸は信長に直談判しても効果が無いと悟り、出浦を使って、わざと室賀が手紙を拾うようにしむけ、室賀が内容を信長に伝えることで、自分という人間を知らしめるために工作したのだった。ひとを騙すことのできない信幸のことを考えて、まず息子である信幸を騙すことで目的を達成したのである。

父の真意を測りかねる信幸。病身の妻こうもそんな信幸を気遣う。その後、昌幸は信長から参上を要請する書を受け取り、信長が滞在中の諏訪に行くが、その時に信繁を同行させると言う。自分も信長に会ってみたいと打ち明ける信幸だが、嫡男はここに残るようにと命じられ、信幸は、自分は父に気に入られていないのではないかと悩む。

*************************

相変わらず昌幸の策略が冴えわたります。ホームズ正典の『瀕死の探偵』も、そういえば「敵を欺くにはまず味方から」だったような。しかし生真面目な信幸の身になってみれば、自分は父の真意がわからない、父は自分を理解してくれないのではないかと考えるのもむべなるかなです。よく信幸は道を誤らなかったものだとさえ思いますが、それはやはり嫡男としての自負があったのでしょう。おまえは嫡男だぞと諭す、あるいは持ち上げることで、この人物は己を失わずに済んだのかもしれません。『真田太平記』でもそのような描写がありましたが、この時は樋口角兵衛が慕ってくれていました。尤もその角兵衛は裏切りまくりのグレまくりでしたが。

しかし「チートな父親と生真面目な長男」というのは、毛利元就・隆元父子にも当てはまります。毛利元就はこれより前、むしろ昌幸の父幸隆と同時代を生きた人なので、一世代前の人物といえます。隆元は40そこそこで世を去り、その子の輝元が後年関ヶ原の戦いで西軍総大将となり、多くの領地を失って防長二国のみの主となります。一方昌幸と信繁は関ヶ原で家康と対立し、信幸は家康に味方することになります。

飲み物-ドリップコーヒー
[ 2016/01/25 01:00 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

TopNTagCloud