再来年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』の制作が発表されましたが、来年の大河『真田丸』に続いて戦国時代が舞台となります。実は大河ドラマの歴史の中で、同じ時代が続いたことは何度かあります。ちょっとここでピックアップしてみます。
戦国時代-江戸時代
1.『天と地と』(1969)と『樅の木は残った』(1970)と『春の坂道』(1971)
2.『独眼竜政宗』(1987)と『武田信玄』(1988)と『春日局』(1989)
3.『信長 KING OF ZIPANG』(1992)と『琉球の風』(1993)
4..『秀吉』(1996)と『毛利元就』(1997)
4.『利家とまつ』(2002)と『武蔵 MUSASHI』(2003)
5.『功名が辻』(2006)と『風林火山』(2007)
そして、大河ドラマが現代劇の時期の新大型時代劇も
『宮本武蔵』(1984)と『真田太平記』(1985)はほぼ同時代です。
幕末
『三姉妹』(1967)と『竜馬がゆく』(1968)
無論、舞台設定が異なると同時代でもかなり違います。また戦国時代から江戸時代というのは時期が長く、本来は
*戦国前期(毛利元就や武田信玄、風林火山)
*戦国後期(織田、豊臣、徳川中心に関ヶ原前後まで)
*戦国(安土桃山)→江戸初期(大坂夏の陣の頃まで)
と分けるべきかもしれません。また、宮本武蔵が主人公の場合ですが、この人物はいわゆる戦国武将ではないため、別カテゴリーをあるいは作るべきかとも思いますので、この区分はあくまでも目安とお考えください。
そして実は、この戦国時代が続く場合はある現象が起こりやすくなります。それは何かといいますと、
戦国時代が2年に渡って続くと、その次には幕末物が来る確率が高い
ちなみに『春日局』の翌年は幕末の薩摩が舞台の『飛ぶが如く』、『毛利元就』の翌年は『徳川慶喜』、『武蔵 MUSASHI』の翌年は『新選組!』、そして『風林火山』の翌年は『篤姫』です。それ以外に単発であっても以下のようなケースがあります。
*『国盗り物語』(1973)→『勝海舟』(1974)
*『天地人』(2009)→『龍馬伝』(2010)
*『軍師官兵衛』(2014)→『花燃ゆ』(2015)
この逆に、幕末物の翌年に戦国物が来るのは
*『花神』(1977)→『黄金の日日』(1978)
*『獅子の時代』(1980)→『おんな太閤記』(1981)
*『龍馬伝』(2010)→『江 姫たちの戦国』(2011)
*『八重の桜』(2013)→『軍師官兵衛』(2014)
無論『花燃ゆ』(2015)→『真田丸』(2016)もこれに該当します。
この方式を当てはめてみると、2018年の大河は幕末である可能性が高いと思われます。
理由はいくつか考えられます。
*明治維新から150年という節目の年
*ここ何年かの方式に従えば、男性が主人公の年なので群像劇が作りやすい
*『花燃ゆ』が今一つな感があるのでその雪辱
こういったところでしょう。
しかし、乱世であること、著名な人物が多いということもありますが、戦国と幕末はやはり双璧をなしているといえます。その一方で、戦国時代が100年以上に渡って続き、その間様々な世代の武将が登場したのに比べると、幕末はペリー来航前後から明治初年を含めても20年ほどで、一世代か二世代ほどで完結するのが特徴といえます。幕末物がやや戦国物に押され気味なのは、こういう、タイムスパンの長短も関係しているといえるでしょう。
しかし今度幕末物を作るのであれば、長州五傑(長州ファイブ)か薩摩をベースに、本格的な志士たちの群像劇を作ってほしいものです。