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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  2015年06月

The Adventure of the Residence of Mr. Douglas

One night Mrs. Hudson visits 221B and tells Holmes and Watson that there is a murder in the residence of Mr. Douglas who lives near Beeton School. Holmes goes out with Watson without permission to see the real murder and they steal into there.

There are many policemen inside and outside the residence. And Holmes and Watson are questioned what they are doing by Inspector Macdonald who commands the investigation but saved by Jefferson Hope who appears there. He tells the inspector that they are his colleague.

After that they celebrate the reunion. Hope says that he now studies sculpture while working at an art carrier and is told to remove a picture from Mr. Douglas' study to living room. Besides he says that the picture doesn't match the wall of the room and tells Holmes and Watson other strange points and the personality of Mr. Douglas.

After his leave, Holmes and Watson put false police badges on their uniform and enter the study. Holmes begins checking the dead body despite the fear of Watson. He finds that his wedding band is lost, his face is badly shot with a shotgun and some weight of a dumbbell are pulled out . But they are found out that they are not police staff but pupils and escape.

MrDouglas2.png
Holmes explains strange points of the body.

Holmes tries to pull up something in a pond situates in a garden of the residence with the help of Watson and Deputy Headmaster Moriarty who appears there to take them back. At last he pulls up a jacket with weights and sunk in the pond. Holmes and Watson tell their deputy headmaster that reporting is civic duty and run to the residence.

Though Inspector MacDonald refuses Holmes, Deputy Headmaster Moriarty tells him about his ability and asks him to listen to what his pupil says unexpectedly. Holmes tells the inspector explains strange points of the body and dumbbell showing the jacket held by Watson and finds out that the body in the study if that of criminal and Mr. Douglas is alive.

Then they find the master of the house hides in a space inside the wall of living room that is camouflaged by the picture removed from the study. Holmes hopes to join the investigation but is take back to Baker House with Watson by Moriarty.

The deputy headmaster tells Holmes that his mediation enables him to communicate with Inspector MacDonald and warns him to realise his immatureness. And he also tells him that he will be suspended from attending class for a week and Watson will be suspended also for three days.

Holmes, Watson and Moriarty
"You will be suspended from attending class, Holmes" (From Memorial Book)

[ 2015/06/18 23:58 ] Koki Mitani | TB(-) | CM(0)

『JIN -仁-』完結編第2話番外編 ヒ素と大牢

将軍家茂の御台所、皇女和宮に安道名津を献上した仁と咲ですが、これを口にした和宮が倒れてしまい、2人に嫌疑がかかるようになります。もちろん仁も咲も毒を盛ったりしてはいませんでした。容疑者が何名か浮上しますが、将軍家茂や和宮に何らかの殺意を抱く勢力とは別に、仁を快く思わない人物もまた候補として上がります。挙動不審な福田玄孝が仁友堂の蘭方医たちに疑われますが、果たして彼は犯人なのでしょうか。

ところで、この毒はヒ素であることが判明します。ヒ素といえば無味無臭であることから、古今東西を問わず、広く殺人に使われて来たことでも有名です。しかし毒と薬というのは、いわば紙一重の関係です。かつてヒ素は、ペニシリンの存在しない時代に梅毒の薬として広く用いられていました。もちろんこのドラマの場合は、既に仁がペニシリンを作っていますが、現実の幕末期はまだ梅毒をヒ素で治療していたと思われます。しかし、梅毒治療にヒ素を使わずに済むようになった原因を作りだした仁が、ヒ素で嵌められることになるとは皮肉なものです。

これを考えると、やはり医師が噛んでいるのは間違いないようです。問題はその医師が、自分でヒ素を盛ったのか、それとも誰かの命を受けて盛ったのかということです。前者の場合、御台所である和宮に直接ヒ素を盛ることが出来るのですから、やはり奥医師ということになります。そうでない場合は、誰かから指示を受けたことになりますが、その場合指示をしたのが誰であるかで、その後の情勢が変わっても来ます。あるいは、奥医師と仁の両方を嵌めるために行われたということもあるでしょう。

実は『ガリレオ』にもヒ素が登場します。第2シリーズの最終話である「聖女の救済」では、コーヒーにヒ素の酸化物である亜ヒ酸が入れられていたことがわかります。日本では、特に時代劇などで「石見銀山」と呼ばれています。元々は殺鼠剤で、実際の石見銀山で採れたわけではなく、同じ石見国にあった笹ヶ谷鉱山で、ヒ素を含む鉱石が採れたためです。しかし知名度の高い石見銀山の方が、笹ヶ谷よりも商品名としてふさわしかったのでしょうか。石見銀山は中世には開発されており、毛利元就がこの利権を手に入れるべく、尼子氏を討伐しています。

それから仁が入れられた大牢ですが、いわゆる牢名主がいる牢で、新参者は蔓と呼ばれる金銭を差し出さなければなりませんでした。仁はそのことを知らなかったため、様々な暴行そして辱めを受けます。安政の大獄で吉田松陰が江戸で入れられたのも大牢でした。牢名主への付け届け、あるいは役人へのお目こぼしの費用として、それなりの金銭を必要としたため、高杉晋作をはじめ、門下生たちが金策をしたといわれます。もちろんこれは江戸での話で、長州では士分であったため野山獄に入っています。

それにしても、安道名津を作っている時の仁友堂の医師の表情が、学校の調理実習のように楽しそうなのが何やら微笑ましくもありました。

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[ 2015/06/18 00:57 ] ドラマ JIN ー仁ー | TB(-) | CM(0)

『陽だまりの樹』番外編8 幕府の西洋式軍事装備

第9回で万二郎は、幕府陸軍の歩兵組の隊長を命じられます。この幕府陸軍というのは、文久2年、1862年に創設された西洋式の陸軍で、外国からの防衛と徳川幕府維持を旨としていました。長州征伐に出陣したことで有名ですが、その後鳥羽伏見の戦いや、戊辰戦争にも従軍しています。軍隊としての教育は、最初はオランダ式、その後フランス式になったといわれています。また、その途中でイギリス式も採り入れられています。元々は1850年代に、西洋式軍隊の基礎的な体制が作られ、教育も行われていましたが、井伊大老時に一度中断されました。

また、西洋式の軍隊である以上、軍服もいくらか西洋式になっていました。ドラマでは万二郎が、詰襟の軍服風な物に笠、帯刀でわらじを履くという、和洋折衷の服装をしています。兵たちも同じような格好をしており、それぞれが銃を手にしていました。この相手に対して、眞忠組の武器は主に刀と弓矢でした。一方西洋式の銃は、農民兵であっても命中率はそこそこのもので、眞忠組総崩れの一員となりました。もちろん、万二郎が父の仇である、楠音次郎を斬ったことも大きかったのですが、これが後に波紋を呼ぶことになります。

ところで良仙の方は和服でした。軍医らしく軍服を着るという習慣もこの頃はまだなく、いつもの服装のままで従軍し、また負傷者の治療をする際も、自宅で診療をする時の格好で、次々と運ばれてくる者に手当てを施して行きます。そして良仙はこの時、既にこと切れている者、手の施しようがない者よりも、助かる見込みのある方を優先するという、いわば戦時における非情さをも学びます。当初はそれに違和感を覚えた者の、その後、なぜ軍医という存在が必要であるのかを、良仙は身を持って知ることになります。

幕府軍は基本的に洋式、あるいは洋式軍服を模した格好ではあったものの、たとえば第二次長州征伐で、幕府に与した藩の中には、昔ながらの甲冑を身にまとい、さながら戦国時代の合戦のようないでたちで征伐に臨んだ藩もいました。これに対して長州は、和式ながら機動性の高い服装を身にまとい、鉄砲だけで相手を倒したといわれます。この長州軍の格好は、後に勝海舟が「紙くず拾いのような格好」と表現しました。ちなみに後の帝国陸軍は当初フランスをモデルにした軍服でしたが、普仏戦争後はドイツ陸軍に倣うようになります。

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[ 2015/06/18 00:05 ] ドラマ 陽だまりの樹 | TB(-) | CM(0)

花燃ゆ-20 続き

昨日も書きましたが、大河ドラマとは、殊更に現代的な視点を盛り込むべきではないと思います。もちろん、今の視聴者に合わせて多少フィクションの場面を入れるとか、あるいは人物像をアレンジするくらいのことは構わないでしょう。ただ、文の物の見方があまりにも現代的であること、そのため史実と相容れなくなっている感もあり、これはやはり脚本がよくないのではないかといわざるをえません。そこまで現代的視点を入れるのであれば、何も大河でやる必要はないのです。

幕末のドラマであれば、主人公が誰であれ、避けて通れない場面というのはあります。安政の大獄、そして桜田門外の変から和宮降嫁、その後の寺田屋騒動、そして八月十八日の政変、池田屋事件を経て蛤御門の変へと向かう一連の流れがそれです。しかし『花燃ゆ』で描かれたのは、現時点で安政の大獄と八月十八日の政変のみです。しかも八月十八日の政変に至っては至極あっさりしたもので、公家にこきつかわれる文といった描かれ方になっています。そして桜田門外の変はテロップのみでした。いくら文が主人公だからといっても、ここまで省略するべきでしょうか。おまけに主人公の描かれ方が軽いし、そもそもここまで幕末史に絡まない人物がなぜ主人公なのか、それが全く不明です。これも昨日書いていますが、『JIN -仁-』や『陽だまりの樹』の方が、はるかに史実が描かれています。

それから、これも前に書いてはいますが、ドラマで描かれない歴史上の様々な出来事が、公式サイトにアップされるようになっています。たとえばこの「花燃ゆ熱血教室」などはその一例でしょう。
http://www.nhk.or.jp/hanamoyu/special/hakunetsu/index26.html
しかし本当は、こういうのは極力ドラマに盛り込まれるべきものです。ドラマで文の登場場面だけやたらに多く、肝心の歴史が描かれずじまいで、サイトで情報や知識を補わざるをえないというのは、やはり本末転倒だし、大河ドラマに求められる物を満たしていないと思います。

来週は池田屋事件が一応描かれるようですが、吉田稔麿だけにスポットが当たらないことを願います。池田屋事件といえば、やはりなんといっても新選組と宮部鼎蔵です。しかもこの池田屋事件は、その後の情勢に影響を与えたうえでも大事な事件である以上、ここはきちんと描いてほしいものです。

それにしても、この大河は地元山口県ではどの位の視聴率があるのかと思います。地元では流石に視聴率はそこそこ上がるようで、昨年の『軍師官兵衛』は、福岡では藩祖ということもあり、視聴率が平均20パーセントを超えていたようですが、この『花燃ゆ』、地元では如何に。

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[ 2015/06/16 23:29 ] 大河ドラマ 花燃ゆ | TB(-) | CM(0)

『JIN -仁-』完結編 第2話

栄の脚気を治したドーナツ、特に咲の考案で、餡をまぶした「安道名津」(あんドーナツ)は江戸で大人気となった。以前世話になった役者の澤村田之助も、芝居で使うと言って作り方を習いに来た。そんな折、仁は松本良順に呼び出される、実は、ある方の脚気を治すため、安道名津を差し上げたいというのである。その患者の名前を聞いた仁は仰天した。それは将軍家茂の御台所、皇女和宮だったのだ。

しかし仁は、着物がいつも着たきり雀で、お城に上がる時にこの格好ではまずいと考えていた。そんな仁に、咲は着物を贈った。しかしそれは、帳場をまかされた彼女が、日々のやりくりのために通っていた質屋で見つけたもので、それを買うために自分の着物や帯を質入れしていたのであった。しかし咲は、それは兄から借りた物だと仁に話していた。

2人は江戸城に上がり、和宮のお出ましを待った。間もなく和宮がお付きを従えて現れ、重箱に入れられた安道名津を見て、その場で口にしてしまう。慌てる侍女たち、そして良順に仁と咲。しかし和宮は「お薬よりもおいしい」と言って、その場を去って行った。

しかしその後事件が起きた。城内で催された歌舞伎の見物中に、和宮は安道名津を口にし、茶を飲んだその時、急に気を失ったのである。仁は急いで臨時に胃洗浄の装置を準備させ、やり方を教えて、和宮は何とか一命を取りとめたが、誰が安道名津に毒を盛ったのかが、謎は深まるばかりで、ついに仁と咲が捕らえられてしまう。

同じ頃、仁友堂では福田玄孝の挙動不審を蘭方医たちが疑っていた。また、その後仁と咲が捕らえられたこと、安道名津に毒が入っていたのではないかという情報が入り、裏に漢方医たちが糸を引いていた可能性も出て来た。その他にも、和宮と対立していたといわれる、篤姫の命を受けた侍女の存在も疑われた。

一方仁と咲は、捕らえられた後牢獄に入れられた。旗本の娘の咲は独房だが、仁が入れられたのは、本来医師が入ることはない、多人数が共同生活を送る大牢の方だった。この大牢では、蔓(つる)と呼ばれる賄賂を牢名主に渡すのが習慣になっており、渡さない場合は、私刑を受けて死に至ることもあった。しかしその習慣を知らない仁は、牢名主から暴行を受ける羽目になる。

不安が募る仁友堂。そんな中、長屋を追われて仁友堂で下働きをしていた野風が出て行ってしまう。所詮花魁などあんなものだと医師たちは囁き合うが、野風はある手段で蔓を作ろうとしていた。

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[ 2015/06/16 00:44 ] ドラマ JIN ー仁ー | TB(-) | CM(0)

花燃ゆ-20

先日放送分「母になるために」を観ました。七卿に仕える文、長州内での仲間割れ、そして前回から続く久坂の浮気に悩む一方で、小田村家に養子を願い出るという筋書きになっています。しかしいつの間にか、文が七卿の飯炊き女と化しています。元々おさんどんの場面が多いのですから、それは納得出来るとしても、何かこう、歴史ドラマを描くうえで必要ないと思われる場面が多すぎて、本来の歴史の流れを妨げてしまっていることは、前にも書いた通りです。このドラマでも、公家たちのために八つ橋まで作っていますが、どうにも苦笑物です。

ちなみに公式サイトのあらすじには
「愛する人の命を守るため、戦を避けたい思いから公家たちの心をつかもうと京の菓子作りに一心不乱に打ち込むのだった」
とありますが、どうも無理やりな印象です。これではまるで朝ドラの拡大版です。そもそもこの時期、長州では志士の妻というのは一目置かれる存在であったはずで、戦を避けたいというよりは、夫の武運を祈る存在であったのではないでしょうか。

また長州の中でも議論が分かれ、上洛を目指す進発派と、長州にとどまる割拠派が対立します。進発派の代表格である来島又兵衛が、山下真司さんが演じているせいもありますが、まるで『スクール・ウォーズ』の泣き虫先生のようです。しかも来島と意見が合わない高杉が、腹立ちまぎれに障子を蹴飛ばすところが登場します。そもそもこの大河は、女性の視点から描くというのが制作陣の発言ですが、女性の視点から描くと、高杉は障子を蹴飛ばす乱暴者になってしまうのでしょうか。

文と小田村伊之助がやたらに出てくるのも妙なものです。前出の「必要でない場面」には、この2人が登場することが多いのですが、長州を舞台にした幕末ドラマであっても、文や伊之助はマイナーな存在で、この2人がいなくても特に問題はないのです。如何に後々夫婦になるといえども、ここまで出す必要はないでしょう。小田村家の子を一人、養子にくれという場面などはやむをえないと思いますが。その割に桂小五郎の影が薄すぎです。本来桂が出てくるところを、伊之助が代わってやっているようにも見えます。

それから久坂と辰路(実は薩摩のスパイ)のいわば不倫ですが、当時は遊郭通いや芸者遊びはいわば男の甲斐性であり、それに妻が口をはさむなどということは、そうなかったのではないでしょうか。この文を見ていると、そのことでやたらに目くじらを立てている感じです。あまりにも現代の基準で描かれているのも、せっかくのドラマを面白く無くしている一因でしょう。こうなると、高杉とおうのの関係もきちんと描かれるのかどうか疑問です。

他にも相変わらず高杉だけが白っぽい、そのため目につく服装をしていること、長州四天王の京までの移動が余りにもスムーズすぎやしないかという点などなど、どうも疑問に思われる点が多いです。またいわゆる長州ファイブは、この頃密航同然のかたちで英国留学をしているのですが、その様子も詳しく描かれていません。残念な話です。

これなら『JIN -仁-』や『陽だまりの樹』の方が、最低限の史実はきちんと描かれていますし、よほど大河ドラマらしく見えます。代わりにこのどちらかを放送してほしいとも思うのですが、流石にNHKで『JIN -仁-』は無理でしょうか。

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[ 2015/06/16 00:07 ] 大河ドラマ 花燃ゆ | TB(-) | CM(0)

『陽だまりの樹』 第9回 万二郎初陣

文久3年(1863年)5月。万二郎は幕府陸軍歩兵組の隊長を命じられた。この歩兵組は農民出身者で構成されており、鉄砲をかつがせて進軍させようものなら、すぐに音を上げる者ぞろいだった。何とか士気を上げようと考えた万二郎は、ある兵が歌っていた歌を進軍の際に歌わせて、覇気をみなぎらせるようにした。一方母のおとねは縁談を進めようとしていたが、万二郎はおせきが忘れられずにいた。

お玉が池の種痘所は西洋医学所となり、二代目の頭取として、緒方洪庵が大坂から赴任してきていた。ある日良庵改め良仙は、洪庵から軍医にならないかと誘いをかけていた。軍医より町医者の方が金になると考える良仙は、万二郎とそのことを話していた際、歩兵組の兵は農民ばかりなのかと訊く。万二郎は、国を守るのに士も農もない、まず強い軍隊を作ると答える。

その後良仙は、洪庵に同行するとおつねに嘘をついて、遊郭で数日を過ごしていた。いよいよ帰宅する日、遊郭の2階の窓からは黒船が見えていた。その後帰宅した良仙は、おつねから洪庵の死について知らされる。西洋医学所へ走り、洪庵の枕元で軍医になると誓う良仙。

その頃上総一帯では、眞忠組を名乗る一団が跋扈していた。名前とは裏腹に、彼らは豪農を脅して金を巻き上げ、小作農にばらまいているごろつき集団だった。関東取締出役の馬場俊蔵に呼び出された万二郎は、一団を討伐することになる。その頭領は、父の仇楠音次郎だった。しかし、眞忠組には農民も混じっており、同じ農民を討つことは出来ないと兵たちは渋る。

屯所に良仙が軍医としてやって来た。その前日万二郎は、討伐に気乗りがしない者は歩兵組を離れろと兵たちに言い渡しており、翌朝残っていた兵はわずか3人だった。しかし万二郎は、それでも決意を固める。それを耳にした兵たちが、ぞろぞろと歩兵組に戻ってきた。

進軍の途中、川のほとりで休憩していた歩兵組の兵が武家の女をからかったため、万二郎が諌める。綾というその女は、東金方向に行くと言い、同行を誘い出る万二郎をなぜか断る。お前は相変わらず、女を口説くのが下手だなと良仙は万二郎をからかう。

実は綾は、楠音次郎の妹で、幕府軍の情報を兄に教えていた。一方東金にあった幕府陣営に忍び込んだが、万二郎たちに捕まえられ、牢に入れられる。兄の助命を嘆願する綾だが、法を破ったのは事実だと言い放つ万二郎。いよいよ決戦の時が来るが、良仙は今一つ戦に乗り気ではなかった。そして5月17日の未明、幕府軍は眞忠組の拠点を取り囲む。

近代式装備を揃えた幕府軍の前に、眞忠組はなす術もなかった。野戦病院の良仙は大忙しになり、万二郎は音次郎を追い詰めて、苦戦しながらも父の仇を討つ。牢の中では綾が、銃声を耳にしていた。勝利は納めたものも、多くの負傷者と何名かの犠牲者を出し、「こんなに死人や怪我人を出して何がめでたいんだ」と良仙は声を荒げる。万二郎はこれが戦だというものの、彼も素直に勝利を喜べなかった。

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[ 2015/06/15 00:23 ] ドラマ 陽だまりの樹 | TB(-) | CM(0)

物理学者と監察医

ガリレオの変人性」の続きです。『ガリレオ』第1シリーズには、監察医の城ノ内桜子という女性が登場します。見た目如何にも女らしく、スイーツも好きなこの城ノ内先生は、殺人事件の舞台になった料理学校に通った経験もあります。しかしいざ仕事となると、警察関係者が鼻をふさぐ中、平然と腐乱死体の検死を行いますし、スイーツも遺体保存用の冷蔵庫から取り出して食べているわけですから、職業柄とはいえ、かなり肝っ玉が据わっています。

私はこのガリレオをホームズになぞらえていますが、城ノ内桜子は、そのプロ意識あるいは動じない姿勢から、「女ホームズ」といった感があります。湯川と2人で、ホームズのホームズ的なる部分を分担しているようにも見えます。第1シリーズでの湯川-内海-城ノ内の関係は、主に湯川と内海、内海と城ノ内という2通りの場面で構成されることが多く、内海薫が湯川の愚痴を城ノ内にこぼすという展開が主流です。内海も湯川にしてみれば、ある意味パペットホームズに取ってのアガサ(ホームズとアガサ参照)的なところもあり、一種の仕事仲間として存在するものの、互いの胸の内を明かすまでには至らないわけです。

これは城ノ内もしかりです。そもそも、彼女は湯川と最初から面識があるわけではありませんでした。第4話で初めて会い、その後もまた顔を合わせますが、理系出身という共通の背景を持ち、内海のように捜査協力を求めるわけではないため、互いに関心のある分野で会話が盛り上がることもあり、湯川には好感を持っているようです。とはいえ、この2人ももちろん恋愛関係にあるようには見えません。内海とは違った意味での仕事仲間、あるいは話の合う相手といったところでしょうか。

元々のホームズには、アイリーン・アドラーという女性が登場し、自分を出し抜いた相手として、ホームズの記憶に刻み込まれる存在となります。ただ、城ノ内桜子が湯川を出し抜くという場面はまず登場しませんし、彼女は事件に関わった人物でもありません。湯川がやっているのは、あくまでも本業の傍らの警察の手伝いで、そのため内海が日常的に研究室に来るようになり、助手の栗林が渋い顔をするわけです。むしろアイリーン的な存在がない方が、物理学者の日常としてはふさわしいような気もしますし、そういう存在があればあったで、また日本の社会風土に合った描かれ方になるかとも思います。見てみたくはありますが。

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[ 2015/06/14 19:27 ] ドラマ ガリレオ | TB(-) | CM(0)

ガリレオの変人性

またも『ガリレオ』関連です。ガリレオには多分に和製ホームズ的なところがあると前にも書きました。ちなみに最初のシリーズは2007年に放送されて、湯川の変人ぶりがかなりの反響を呼んだようです。2011年にNHKでBBC『シャーロック』が放送された時、イメージがいくらかだぶった人もいるでしょう。また、その前に放送されたグラナダ版にも、奇人と呼ぶにふさわしい振る舞いが登場します。この「系譜」は少年向けに多少アレンジされているとはいえ、パペット版にも確実に受け継がれています。

ただしガリレオは、あくまでも日本向けにローカライズされたホームズ的存在であるため、もちろん本家ホームズのような奇人変人ぶりは見られません。元々彼は『緋色の研究』でいう「諮問探偵」(延原謙訳)ではないし、もちろんワトソン的な人物と同居しているわけでもありません。従って、彼のどこか扱いにくい部分が出やすい同居空間(221B)や、ワトソンまたはマイクロフトのとのプライベートな関係の中でなされるやり取り、及びそれに関連した変人ぶりは見られません。

ドラマで見る湯川学の行動は、すべて研究室であるとか警察であるとか、あるいは被害者や容疑者と関わっている時間や空間でなされるものに限られています。従って、私的空間での彼の行動、あるいは変人ぶりについてはこちらは窺い知ることは出来ません。そうはいっても普段の無愛想かつ理屈っぽい物言いに加え、研究室で料理してみたり、あるいは警察の許可なしに被害者宅を捜査してみたり、いささか常軌を逸した人物であることも確かです。また、剥げかけたマグカップに薄めのインスタントコーヒーを作って飲む有様は、身だしなみには多少気を使っているように見えるにもかかわらず、こういった点に如何にも無頓着な人物であることを窺わせます。

原作では草薙俊平とホームズ-ワトソン的なラインを形成していますが、ドラマでは女性刑事が絡むため、これも本来のホームズ物とは趣が異なります。とはいえ、彼女との微妙な距離が、また独特の雰囲気を添えていることもまた否定は出来ません。探偵ではなく、探偵的行動を取る科学者と警察の組み合わせというのもまた、日本的で気に入っています。また、第1シリーズの監察医の城ノ内先生も面白いのですが、彼女については別に書きたいと思います。

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[ 2015/06/14 15:18 ] ドラマ ガリレオ | TB(-) | CM(0)

『陽だまりの樹』番外編7 自身のルーツを描いた作品

TezukaOsamu.netというサイトがあります。手塚治虫氏の人となり、経歴や作品に関する情報を盛り込んだ公式サイトで、その中に『陽だまりの樹』関連でこのようなページがあります。

「逆引き版『陽だまりの樹』創作秘話」
http://tezukaosamu.net/jp/mushi/201205/column.html

*『陽だまりの樹』はなぜ描かれたのか
*手塚家のルーツとは
*『福翁自伝』中の偽手紙作戦
*適塾に見られる虫プロの気風
*伊武谷万二郎のキャラ設定
*三百坂と松平家の家臣教育方法
などなど、かなり興味深い内容になっています。また良庵の最期やそれを記した文献も紹介されています。この手塚良庵、後の手塚良仙は、新政府軍の軍医となるのですが、西南戦争に従軍した際に赤痢に罹患し、その後大阪で亡くなっています。

ちなみに適塾では食事を立ったまま摂り、授業に備えるという習慣があって、これは『花神』の原作にも登場します。台所の板敷と土間に塾生が立って、飯櫃からめいめいが自分でよそい、おかずは日ごとに決まっていたのですが、村田蔵六(大村益次郎)は塾頭になっても他の塾生と一緒に立食していたため、洪庵から外に部屋を借りて住むように促されたともあります。ドラマではこの場面は登場しませんが、福沢が火鉢でメザシを炙り、良庵と共にそれを肴に酒を飲む場面があります。また、適塾でアンモニアを作っているところもドラマに登場します。この塾は一応医学塾ではありましたが、大坂という土地柄もあり、また蘭書購読中心だったせいか、かなり自由な雰囲気があったようです。

なお、このページの下の方にこのコラム「虫ん坊」のバックナンバー一覧が紹介されています。

[ 2015/06/14 00:47 ] ドラマ 陽だまりの樹 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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