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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  2015年06月

花燃ゆ番外編23-矢絣の着物の文と「何でも屋」の伊之助

NHK公式サイト「注目番組ナビ」のページの右側に、ピックアップMOVIEというのがあります。
http://www2.nhk.or.jp/navi/
ここに奥女中編のインタビュー動画があるので観てみたのですが、真ん中の井上真央さん演じる文は打掛姿ではなく、奥女中の「制服」ともいうべき、矢絣の着物を着ています。やはりどう考えても、奥女中としての文の服装はこれでしょう。しかしあの打掛姿は何なのでしょうか、藩主夫人や世子夫人へのお目通りのための正装なのでしょうか。この動画では他に田中麗奈さん、松坂慶子さんも登場して、いろいろ抱負を語っているのですが、しかしこれ、本当に脚本をもう少し練り直すべきでしょう。せっかくそこそこの出演者を出しても、脚本がよくなければ結局今までどおりです。

それにしても伊之助が長崎で武器を調達というのが、どうにも不可解です。長崎に左遷されて武器調達ということらしいのですが、それは坂本龍馬の仕事ではないのでしょうか。もちろん龍馬の亀山社中が出来るのはもう少し後ですが、いずれにしても彼は長州藩の儒学者であって、兵学者ではありません。もちろん実際の小田村伊之助は、このようなことはしてはいないはずです。それでなくても、このドラマでは伊之助一人で桂小五郎、坂本龍馬、そして一部久坂玄瑞まで兼任しており、「何でも屋」的なイメージになってしまっています。おまけにグラバー邸がやけに日本家屋風です。ここは何度か行ったことがありますが、もっと洋館らしい造りです。『花神』でも、『龍馬傳』でももう少しそれらしい雰囲気でした。

『花神』で思い出しましたが、次の回で、周布政之助が野山獄を訪れるようです。こちらの記事でも書いていますが、『花神』では、周布が「3年間獄にいて人物を作って出直してこい」と言い放って去って行きます。さてこの大河ではどのように描かれるのでしょうか。というか、期待していいのでしょうか。池田屋事件の時のように、あっけない描き方であってほしくはないものです。周布が大先輩として、高杉に大見得を切るところを見たいものです。無論これで彼は謹慎処分となり、長州の大暴走が始まるわけです。

再び動画に戻りますが、この中で文は色々な経験を積むにせよ、別に彼女は、山本八重のように戦場に行くわけではありません。萩城で奥女中として若君の守役を務めるわけです。ならば、戦場に行く男たちも描いてこそ、幕末ドラマとしてのバランスが取れるというものなのですが、何か制作陣が意図的にそうしていないようにも見えます。なぜでしょうか。それから、公式サイトのトップページには、やけに""つきで「大奥」なる表現が登場します。しかし我々視聴者が、冗談でこういうのならまだしも、制作側としてはやはり「奥女中」という言葉を使うべきでしょう。本物の江戸城の大奥ではないのですから。それとトップページの「白熱教室」の紹介で、新選組に振り仮名が振られているのも変な感じです。本文には全く振られていないのですが。
http://www.nhk.or.jp/hanamoyu/index.html

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[ 2015/06/26 00:23 ] 大河ドラマ 花燃ゆ | TB(-) | CM(0)

本当に困った校長先生の冒険 2

このエピソードの原作は『マザリンの宝石』です。ホームズは誰がオルムシュタイン校長を脅しているかを捜査し、結局ウィルスン・ケンプが犯人であると判明するのですが、その後モリアーティ教頭からケンプとつるんでいると濡れ衣を着せられ、逃亡を余儀なくされます。次は何が起こるのでしょうか。

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221Bの窓から抜け出すホームズ


この回の場面のいくつかは、日本の伝統的な芝居や時代劇の場面を元にしています。ケンプの袋を解くところは帯解き、男性が関係を持つために女性の帯を解くのと似ています。また校長先生のセリフ「これにて一件落着」は、声を担当している中村梅雀さんの父、中村梅之助さんの、1970年代に放送された時代劇『遠山の金さん』の名セリフです。

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「これにて一件落着」


画像はいずれもメモリアルブックより。
[ 2015/06/25 23:17 ] パペットホームズ エピソード | TB(-) | CM(0)

The Adventure of the Incorrigible Headmaster 2

This episode is based on "The Adventure of the Mazarin Stone". Holmes investigates who threatens Headmaster Ormstein and finds out that it is Wilson Kemp. However he is falsely accused of conspiracy with Kemp by Deputy Headmaster Moriarty and is forced to escape. What will happen next?

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Holmes steals out of the window of 221B.


Some scenes in it are based on those in Japanese traditional theatre or samurai drama. Unbinding of Kemp's bag is alike to obi-hodoki, untying of a woman's obi (sash) by a man to have relations with her. And the words "Kore nite ikkenn rakuchaku" (the case is closed) of Headmaster Ormstein, voiced by Baijaku Nakamura are famous lines by his father Umenosuke Nakamura in samurai drama "Toyama no Kin-san"broadcast in 1970s.

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"Kore nite ikken rakuchaku"

Both images are from Memorial Book.
[ 2015/06/25 23:06 ] Koki Mitani | TB(-) | CM(0)

『JIN -仁-』完結編第3話番外編 仁を陥れたい人々

皇女和宮がヒ素を盛られ、仁が胃洗浄を指揮して一命を取り留めます。しかしなぜ、ヒ素を盛るなどという大胆なことをやってのけたのでしょうか。この第3話を観る限り、犯人は、野風の健康診断で乳がんを発見できなかった、そのため仁に密かな恨みを抱いていた三隅俊斉のようです。しかしもし彼だとしても、江戸城の大奥によほどの伝手がない限り、将軍の御台所を毒殺するのはかなり難しいと思えます。しかも、ヒ素を直接茶碗に入れた奥女中は自殺しており、かなりこれには裏がありそうです。

元々このドラマは医療ドラマですが、このヒ素の件に限っていえば、少なくとも殺人未遂事件であることは確かです。しかも、実際関係者が一人死んでいることを考えれば、後々仁にも影響を及ぼす可能性があります。このような事件が起こると、つい蘭方医の台頭を快く思わない漢方医のしわざと考えがちですが、蘭方の内輪もめと取ることもできます。仁もこの時代では「蘭方医」に認定されていること、そして漢方の福田玄孝が仁友堂にいることを考えると、仁をひそかに恨む、あるいは妬む勢力のしわざである確率は高いです。

結局仁は、咲よりかなり後になって釈放され、どうにか仁友堂での生活を再開させました。しかし、蔓を誰が持って来てくれたのかがはっきりしません。そこで浮かび上がるのが、途中で姿を消した野風の存在です。彼女が急にいなくなったことで、所詮花魁とはあのようなものだと陰口をたたく仁友堂の医師たち、しかし野風はそこまで恩知らずではありませんでした。むしろ自分の手術をしてくれたことに恩を感じていたわけで、そのため最初は再び身を売ろうと横浜まで行ったわけですが、そこでルロンと出会うことになります。

今後も仁、そして咲は医療を通じて、著名人と知り合いになり、またペニシリンを改良することにもなります。出自がよくわからない医師、しかも一部の人間から見たら「出過ぎた」「自分たちに邪魔になる」存在が、今後の幕末の動乱と、それによって負傷する人々、命を狙われる人々との関係の中で、どのように自らの立ち位置を定めて行くのでしょうか。彼が、未来に戻ることはありえるのでしょうか。

ところで最後の方で、野風が洋服姿で現れます。この当時は、『風と共に去りぬ』や、『若草物語』とほぼ同時代で、まだ幅の広いコルセットでスカートを膨らませるのが主流でした。しかし彼女の場合は、馬に乗るということもあり、スカートの広がりは多少抑えてあります。しかしそれでも現在に比べたら、かなりスカートのシルエットを横に張らせたデザインになっています。当時の女性はすべて横乗りで、鞍もそれ用の物が使われていました。ただし18世紀から19世紀ごろの海外ドラマを観ていると、旅行などで長期間馬に乗る場合は、下にズボン状の物をはき、上にスカートをはいて、男性同様に跨ることもあったようです。

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[ 2015/06/24 23:59 ] ドラマ JIN ー仁ー | TB(-) | CM(0)

本当に困った校長先生の冒険

ある日オルムシュタイン校長が、謹慎中のホームズを訪ねて、イザドラ・クラインに贈ったラブレターを取り返してくれと頼む。ラブレターを手に入れた者から脅されているというのだ。ホームズは、校長の度重なる不倫に呆れながらも、221Bに身代わりの人形を置いて、部屋にいるとレストレードに思わせ、こっそり捜査を進めた。

ホームズはイザドラが他の生徒にラブレターを渡したことを知るが、その生徒の名はわからなかった。ラングデール・パイクは、脅迫状に使われたのが、ディーラー寮の2年生に配られた、数学の答案用紙であることをホームズに教え、ホームズはウィルスン・ケンプが犯人だと割り出す。ホームズはワトソン、レストレードと協力し、ケンプを221Bに呼び出す。

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「ホームズ、君に頼みがある」

ホームズはケンプに事実を話すようほのめかすが、ケンプは頭からはねつける。するとレストレードが入って来て、謹慎中なのに寮を出たということで、モリアーティ教頭の元に彼を連れて行く。そこでワトソンがケンプと話をし、コアラの形の置物に罪を告白させるようにして、ケンプを1人にする。

ケンプが帯状の袋にラブレターを入れ、それを体に縛り付けていることを告白した後、身代わりの人形のホームズが立ち上がってこういった、「ありがとう、ケンプ」。それは身代わりではなく本物のホームズだった。3人はケンプを嵌めて、オルムシュタイン校長のラブレターを取り返したのである。校長先生はホームズにお礼をいうが、モリアーティ教頭は、謹慎中にこのようなことをした彼をとがめる。

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コアラの形の置物(メモリアルブックより)

その夜彼はモリアーティ教頭に呼び出された。教頭は彼とケンプが共謀して校長を脅かしたと決めつけ、その証拠であるケーキを見せた。そのデコレーションにはこう書かれていた。

「親愛なるホームズ
尽きることのない友情に感謝する
ウィルスン・ケンプ」
("Dearest Holmes
Thanks for your endless friendship
Wilson Kemp")

ホームズは別れをいうためにワトソンを起こし、221Bを去って身を隠す。
[ 2015/06/24 23:18 ] パペットホームズ エピソード | TB(-) | CM(0)

The Adventure of the Incorrigible Headmaster

One day, Headmaster Ormstein visits Holmes who is suspended from attending class and asks him to take back his love letters to Isadora Klein. He says that he is threatened by someone who gets them. Holmes is amazed at his repeated adultery but searches it secretly placing his dummy in 221B to make Lestrade believe that he is in the dorm.

Holmes finds that Isadora hands the letters to a pupil but she doesn't tell him his/her name. Langdale Pike informs him that the headmaster is threatened by one of second graders of Dealer House because answer sheet of mathematics for them is used as threatening letter. Holmes infers it's Wilson Kemp from the fact and calls him to 221B in cooperation with Watson and Lestrade.

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"Holmes, I have a favour to ask of you"

Holmes suggests Kemp to tell him the truth but he refuses it flatly and Holmes is taken by Lestrade to Deputy Headmaster Moriarty for he goes out from the house without permission despite being suspended. Then Watson talks with him and make him confess him crime to an ornament in the shape of koala and leaves him alone.

After Kemp confesses that he puts the letters in a belt-shaped bag and ties it to his body, dummy of Holmes stands up and says "Thank you, Kemp" - it is not a dummy but real Holmes. They entrap Kemp and take back the letter of Headmaster Ormstein. The headmaster thanks Homes though Deputy Headmaster Moriarty blames him for doing such a thing during being suspended from school.

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An ornament in the shape of koala, from Memorial Book

However he is called by Moriarty that night. The deputy headmaster predicates that he and Kemp conspire together to threaten the headmaster and shown a cake that proves it. Letters of its decoration say as below.

"Dearest Holmes
Thanks for your endless friendship
Wilson Kemp"

Holmes wakes Watson to say farewell to hm and leaves 221B to hide himself.


[ 2015/06/24 23:09 ] Koki Mitani | TB(-) | CM(0)

『陽だまりの樹』 第11回 運命の分かれ道

元治元年(1864年)8月、万二郎は長州征伐に赴くことになった。留守中綾のことを頼むとおとねに告げる万二郎。そして万二郎は西郷と再会する。一方歩兵組の兵たちは、万二郎が眞忠組の頭の妹を匿っているという噂を巡っていさかいを起こしていた。くだらないことはよせと諌める万二郎。一方おとねは、夫の仇の妹である綾の枕元で、散々激しい口調でせめよった挙句、今後は食事を作らぬ、飢えて死ぬがいいとまでいい出す始末だった。

良仙が往診に来て、少し弱っているようだというが、おとねは知らん顔を決め込む。その後もおとねの、綾への冷たい仕打ちは続き、綾の耳元で、万二郎が思う人、おせきのことを話して聞かせる。一方大坂では、西郷と再会した万二郎が、別れた後のことを話していた。幕府の改革を夢見ているという万二郎に、西郷は幕府はあと数年しか持たぬといい、その後は薩摩が天下を取るとまで口にする。

万二郎は西郷と会った帰り道、兵たちが騒ぎまわっているのを目にする。彼らの砲口は、明らかに自分に向けられていた。物陰に隠れた万二郎に話しかけたのは、土佐の脱藩浪人坂本龍馬だった。龍馬も羽織に穴をあけられていた。幕府軍を揶揄する龍馬。そんな中で、万二郎と他の兵たちの連携が功を奏し、規律に違反した兵を連れ出す。

兵の不始末を詫びる万二郎に、ならば酒をおごってくれと頼む龍馬。2人は遊郭へ行く。ご機嫌でよさこい節を歌う龍馬に、万二郎は良仙をだぶらせる。遊ぶ時に遊べという龍馬。さらに彼が構想する、議会を中心にした「新しい国」について聞かされる万二郎。幕府維持を目指す万二郎には不愉快だったが、龍馬はこれは勝海舟の受け売りだという。勝は幕臣であるが、幕府よりも日本国のことを考えていると話す龍馬。

万二郎は迷っていた。そんな時、大坂での部下の不始末と、坂本龍馬との接触の責を負わされ、歩兵組隊長を解任されて、江戸に戻り蟄居を命じられる。一方でおとねは、相変わらず綾に悪口雑言を浴びせており、夫の位牌に向かって、鬼のような女だが許してくれという。そこへ良仙がやって来る。以前よりもやつれた綾を見て、良仙は食事をとっているか聞き、水を飲ませてみて、何日も水や食事を与えられていないことに気付く。

すぐに医学所に連れて行くという良仙に、万二郎からいわれたのだから家で看病するというおとね。良仙は、自分も万二郎に頼まれて来ているといい、息子が惚れた女性に、何もしてやらないのが解せないと詰め寄る。おとねはその後、元通りに綾の世話をするようになる。そして万二郎は、江戸への帰り道、勝が軍艦奉行の任を解かれたことを耳にする。幕府は何をやっているのかと憤る万二郎。一方良仙は、蘭書を紐といては綾の病状について調べていた。

万二郎が帰宅した。詳細は西郷からの手紙で知ったというおとね。勝は、神戸の海軍塾に浪士を入れたのが気に入らなかったとかで、閣老に海軍塾をつぶされ、あの様子じゃ幕府どころか日本が危ないと口にする。不満を良仙にぶちまける万二郎。そんな万二郎に、この蟄居で綾さんの看病が出来るじゃないかという良仙。そして、綾と同じ病状の患者がオランダにもいたが、勝手に治ったといって励ます。

その後万二郎は道場に行き、その日の出来事を逐一綾に話して聞かせる。そしておとねに、良仙から聞いオランダの病人のこと、そして、綾は本当はすべてを理解しているのではないかといったことを話し、母が看病してくれたことに謝意を述べる。おとねはこらえきれなくなり、綾を亡き者にしようとしたと万二郎に打ち明ける。万二郎は驚くが、その後綾に、母は悔いていると話す。

そして良仙は、第二次長州征伐の軍医として赴いた。そこで彼が目にしたのは、新式兵器の前に総崩れになる幕府軍の姿だった。治療してもまた戻ってくる兵たち。一思いに死んだ方が楽になるとまで口にする良仙も、流れ弾に当たって右モモを負傷する。江戸に戻った良仙はおつねに、少し弾がずれていたら男じゃなくなっていたと減らず口を叩きつつ、自分が負傷したことで兵士の気持ちがわかり、その時に誰がいてやるべきかをおつねに話し、誰かがこの仕事をやらなければならないともいう。

万二郎は、小野から幕府軍惨敗を聞かされ、あることを決意して、その後綾の枕元で、看病を長く続けられなくなるかもしれないと話す。実は、閣老を斬ることを決めていたのだった。心配するおとね。しかしある夜、帰宅した万二郎に、おとねは綾が目を動かすようになったと言う。良仙にそのことを伝えに行った万二郎は、同時に「シロアリ退治」をすると告げる。「後のことを頼む」という万二郎に、良仙はいう。「お前は死ぬ気だな」

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[ 2015/06/23 23:32 ] ドラマ 陽だまりの樹 | TB(-) | CM(0)

花燃ゆ-21 続き 女性の視点と戦闘場面

この大河ドラマが始まって、そろそろ半年になります。しかし残念ながら、やはり文が久坂玄瑞の奥さんというよりは、いつまでたっても松陰の妹であり、杉家の娘というイメージが強いです。兄の寅次郎が刑死し、その後様々な門下生との交流があって、久坂とも結婚しているわけですが、それに伴う彼女の成長がどうも描けていない感じですね。惜しいです。それと7月からの奥女中編、あれで井上真央さんがグリーンの打掛を着ていますが、彼女にはもう少し柔かい色が似合うような気もします。

しかし「女性の視点」「幕末男子」云々は結局どうなってしまったのでしょう。まず女性の視点というのは、ここまでで見る限り、文パート、あるいは女性パートの不必要とも思える増加と、それに伴う戦闘場面の削減にしか感じられません。そういえば文の登場場面の削減という話もあったようですが、あれは一体どうなったのでしょうか。そして幕末男子、これがもう影も形もなくなっているようです。これも結局何をいいたかったのか、今一つ不明です。いわれるように、文というヒロインがいて、彼女の周りにこれこれこういう4人の「男子」がいますよという、「幕末版花より男子」のイメージだったとしか思えないのですが、やはりそれでは幕末ドラマは難しいですね。本来、こういうのと大河を結びつけるべきなのかどうかとも思いますし、結びつけるにしても、もっとうまい方法があるのではないかと思います。

恐らく制作現場も、当初はある意味変化を持ち込もうとしていたのかもしれません。しかしそれは、あまりにも大河ドラマにはふさわしくない変化だったともいえます。元々大河は、史実とフィクションを交えたものであり、フィクションの度合いが高いもの、低いもの様々で、その時々で賛否両論があったものの、要所要所はきちんと押さえてありました。たとえば織豊政権を描いたものであれば、本能寺の変と天王山の戦いは外せないし、さらに徳川家康が絡むとなれば、関ヶ原の戦いも当然出てくるわけです。安政の大獄以降の幕末であれば、桜田門外の変、池田屋事件、蛤御門の変から長州征伐、大政奉還から鳥羽伏見の戦い、戊辰戦争までが1つの流れとなっています。観る側としては、その流れがどう描かれるのかも楽しみの1つなのです。

しかしこれらの歴史上のイベントが、この『花燃ゆ』ではかなり扱いが小さくなっています。本来、こういう流れを描くのと、女性の視点というのは矛盾するものではないでしょう。この2つを両立させられないことに問題があると思われます。あまりこういうのも何ですが、NHKは公共放送局であり、我々は受信料を払って番組を視聴しているわけです。その他に税金も投入されています。そして大河というのは、NHKの看板番組の1つです。制作側は何をどうしたいのかを、もっと視聴者に対してはっきりさせてほしいものです。どうもこのままでは視聴率も取れず、失敗作という形で終わりそうな気がします。

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[ 2015/06/23 23:10 ] 大河ドラマ 花燃ゆ | TB(-) | CM(0)

日本人と捕物番組

このブログのテーマであるパペットホームズ、そしてもちろんその原作の他の映像化番組、あるいはポワロとかミス・マープルに加え、時代劇の捕物帳や刑事ドラマなど、日本人は推理小説の映像化や捕物番組が好きだなと思います。謎解きだけでなくその周辺、あるいは背後の人物関係が面白いという側面もあります。特に、レギュラー出演者が登場するテレビ番組は、シリーズごと、あういはエピソードごとにどのような変化があるのか興味津々という人も多いでしょう。私もこの夏の『シャーロックホームズ 推理(ミステリー)の部屋』を楽しみにしています。

ところで、なぜ時代劇は捕物番組が多いのでしょうか。これは推測ですが、江戸時代に独自の治安組織が存在したためではないかと思います。そのため、様々な役職の人物を主人公にした小説が生まれ、彼らを主人公にしたドラマが出来たともいえます。一番多いのはやはり同心、特に町方同心と、彼らの下で働く岡っ引きを主人公にしたもので、これは町中の生活に馴染みやすいことも理由の一つです。特に彼らが、番屋にいることが多いせいもあります。

与力になると、公用の外出時は馬を使い(与力を一騎、二騎と数えるのはそのため)、供を連れるということもあって、なかなか市井の人々と親しく交わるというわけにも行きません。『御宿かわせみ』の主人公、神林東吾の兄通之進は与力で、恋人のおるいはかわせみの女将であるものの、元々は同心の娘です。ドラマの中でおるいが、神林家に年賀に行く場面がありますが、この両者の身分の違いがよくわかります。

しかしここで思うのは、なぜ江戸時代に複雑な構造の治安組織が出来上がったのかということです。これは恐らく、戦国時代の後に出来た幕府というのも、関係しているのではないかと思います。徳川幕府というのは、戦国時代の教訓を踏まえて、二度とあのようなことがあってはならないと、強固な地盤固めをしています。将軍の後継者選びに備えて、御三家を設立したのもそのためです。また、戦国時代に軍人として活躍していた武士たちが、太平の世の到来と共に活躍するべき合戦がなくなり、彼らのための職を作る必要もあったかもしれません。

むろん時代劇でも、捕物でない作品も沢山あります。まず大河ドラマ、これは捕物ではありません。NHK木曜時代劇も、捕物とそうでない物とに分かれます。BS時代劇もしかりです。他に『水戸黄門』も、事件解決に関わるものの捕物ではありません。『三匹が斬る!』シリーズなども同様でしょう。実は個人的に、あのシリーズ結構好きでした。それ以外にはいわゆる股旅物(『木枯し紋次郎』など)も捕物でない作品です。しかし今は、全体的に時代劇の割合が少なくなっているなと思います。それこそ時代劇版ホームズも含め、もっと増やしてほしいものではあります。

もちろん、現代も捕物、刑事ドラマはかなりあります。むしろ多すぎて、現在何が放送されているのか、すべてを把握できないほどです。中でも『相棒』なんて長く続いていますし、面白いと思います。海外の刑事物も面白いのはありますが、日本のドラマにみられる阿吽の呼吸的な感覚、特にアメリカの物に比べると、同じ刑事ものでもマイルドな感じなどもまた捨てがたいです。

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[ 2015/06/23 00:32 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『JIN -仁-』完結編 第3話

大牢に入れられた仁は、牢名主への賄賂=蔓を持っていなかったため、着物を取り上げられ、その後も冷遇される日々が続いていたが、ある日そこへ100両もの大金が届けられる。気をよくした牢名主は、仁を自分の側近にしようと言い出すが、仁はそれを断り、牢名主や側近の囚人たちの畳を、この牢屋敷すべてに敷き詰めたいと申し出る。

牢名主はこれに怒り、次の瞬間心臓発作で倒れる。しかし仁の治療により無事生還した。これにより、すべての畳が敷き詰められることになった。ちなみに当時は、牢名主が一番多くの畳を敷いてそこに座っており、側近の者たちも、それぞれ何枚ずつかの畳を敷いていて、それ以外の囚人たちは床の上に座る暮らしだった。

牢の待遇は改善されたものの、仁の取り調べは拷問が相次ぎ、苛烈を極めた。安道名津からヒ素が検出されたためであった。仁友館の福田玄孝は、多紀安琢に仁の無実を訴えるが聞き入れられない。そんな折、松本良順は佐分利にあることを伝えていた。それは、和宮が気分が悪くなる前に、茶に口を付けていたということであった。あるいは、安道名津のヒ素は、茶碗の茶がかかったせいではないのか。茶碗を調べればすぐにわかることなのだが、その茶碗の行方は定かではなかった。

一方で勝海舟は、仁の釈放のため、橘恭太郎に京に上るようにいった。かつて西郷の虫垂炎を手術したことを、京にいる一橋慶喜の耳に入れることで、力添えを願うことにしたのである。龍馬は、慶喜の警備役である新門辰五郎を通じて、嘆願書を無事手に入れる。

ある日仁は、唐丸籠に乗せられて南町奉行所に向かう。そこに恭太郎が現れて、嘆願書を差し出そうとするも、役人は偽物であると相手にしない。しかしその後仁は釈放され、晴れて自由の身となった。既に釈放された咲も外で待っていた。その後仁は、やはり茶碗からヒ素が検出されたことを良順から聞かされる。その犯人は、あの三隅俊斉だった。

ヒ素を直接盛ったのは一人の奥女中だったが、取り調べ前に服毒自殺をしていた。また、茶碗を調べるようにいったのは意外にも多紀安琢だった。その後安琢は、福田に医学館に戻って来てはどうかと勧める。しかしそこに仁が現れ、お礼だと言って、ペニシリンの製造方法を教える。

再び元に戻った仁友堂に、ある日西洋人の男女が騎馬で訪れる。よく見ると男は間違いなく西洋人だが、女は洋装の野風だった。野風はあの後、横浜でフランス人のルロンに身請けをしてもらい、その金を蔓として渡したのだった。ルロンは野風が長屋に住んでいた頃、簪を贈っていた。

野風は咲に、仁と幸せになるよう言い残して去って行く。その後仁は咲に結婚を申し込むが、咲は、自分の幸せは先生との結婚ではなく、仁友堂を遺すことだと告げた。

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[ 2015/06/22 23:37 ] ドラマ JIN ー仁ー | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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