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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  2015年05月

ガリレオとホームズ的なるもの

ガリレオとシャーロック・ホームズ」の第二弾になります。海外ドラマを観るということは、ある意味カルチャーギャップを楽しみながら観ることです。無論それが面白い場合もあれば、ちょっとしつこすぎてやっていられないという場合もあります。原作のホームズ、そしてその派生作品に関して言えば、やはり濃厚にイギリス的な存在ではあると思います。ホームズ好きな人、イギリス好きな人に取っては観ていて面白い作品がかなりあるのですが、しかしやはりどこか異質なものもあるわけで、そういった点をすべて踏まえたうえで観ている人は多いかと思います。

その一方で、これは日本人の特質とでもいうべきでしょうが、海外の事物を自国流にアレンジして、より身の丈に合った形に作り直すという傾向があり、時に独自進化を遂げ、ガラパゴス化とも呼ばれます。そしてホームズ的な存在(ホームズに限らずですが)を、現代の日本に合わせた形でアレンジしたのが、ガリレオではないかと考えられます。もちろんガリレオ以外にも、ホームズの類型と捉えられる探偵、刑事が登場する作品はありますが、特にガリレオの主人公である湯川学のキャラクターは、かなり類似性があるといえます。パペット版のホームズにもいえることですが、日本人の手を経由して生まれ変わったホームズと捉えることも出来ます。パペットも舞台はイギリス的ですが、パペットの造型やキャラ設定、効果音等々、かなり日本的な発想が採り入れられています。

パペットホームズは、日本でお馴染みの学園ものにアレンジされています。かつて、やはり学校を舞台にしたホームズ関連の映画で、『ヤング・シャーロック ピラミッドの謎』という、スティーヴン・スピルバーグ製作の作品があり、こちらも寄宿学校の生徒であるホームズが、転校生のワトソンを連れて、色々なトラブルに首を突っ込むわけです。これはこちらでも触れています。ただパペットは、ほぼすべてが校内で完結するわけで、その分先生や生徒が様々にキャラ設定されているわけですが、映画の方では校内で完結するわけではなく、実際に殺人事件が起こる点、そしてホームズに彼女がいる点などで大きく異なります。ちなみに、この映画の日本語版でホームズの吹替えをしたのが、山寺宏一さんです。

目下放送してもらえないかと考えている時代劇版ホームズなども、もちろんこの日本的アレンジのホームズの一つです。イギリス的なものだけでなしに、日本人の物の見方に立ったホームズを作ることで、それぞれが相対化出来るとも思われます。まあ、元々ホームズはイギリス人であるわけですから、この場合ホームズという人物ではなく、謎解きを理論化する存在と言い換えた方がいいかもしれませんが。

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[ 2015/05/31 16:02 ] パペットホームズ | TB(-) | CM(0)

『陽だまりの樹』番外編3 フェートン号事件

さて、前回の番外編の続きです。このナポレオン戦争当時、オランダはナポレオンの支配下に置かれ、そのため世界各地でオランダの国旗がある場所は、長崎の出島のみでした。これを狙って出島に押し掛けたのが、フランスと敵対関係にあったイギリスです。ウィキ記事に詳細が書かれていますが、イギリス軍艦フェートンはこの時、オランダ艦に偽装して入港し、商館員を人質に取りました。

当時の商館長(カピタン)であったヘンドリック・ドゥーフは、長崎の警護を請け負っていた福岡藩と佐賀藩に、非常事態のためイギリス側の砲撃に備え、また警護要員を増やしてほしいと願い出ましたが、この当時兵はかなり人数が削減されていたため、とっさの出来事に対処できず、結局イギリス側の要請を呑む形で、食糧や水を渡し、人質は解放されて、フェートン号は長崎を出港しました。

この事件は事件そのものよりも、その後の波紋がかなり大きなものでした。まず長崎奉行松平康英や、佐賀藩の家老が責任を取って切腹し、佐賀藩主も閉門(蟄居の一種)を命じられ、外国船に対する入国手続きがより厳しくなり、また、イギリスが脅威として浮上してくるようになりました。事実佐賀藩は、この時の反省から洋式の武装を模索するようになり、それが後の明治維新に功を奏します。また長崎で英語の通詞(通訳)が検討されるようになります。

とまれ、本国の援助のないまま出島に逗留していたドゥーフが始めた辞書の編纂が、その後の日本の蘭学に大きな影響を与えることになります。また、今後のイギリス艦の来航を見据え、「諳厄利亜語林大成」(あんげりあごりんたいせい)という、日本発の英和辞典が編纂されました。かつてオランダは、17世紀前半の、平戸のイギリス(当時はイングランド王国)商館の閉鎖により、日本との交易を独占するわけですが、このイギリス、そしてアメリカの進出により、数十年後にその時代の終焉を迎えることになります。

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ヅーフ・ハルマ(Wikimediaより)

[ 2015/05/31 14:12 ] ドラマ 陽だまりの樹 | TB(-) | CM(0)

ガリレオとシャーロック・ホームズ

実は私は、普段あまりドラマを観る方ではありません。自分でよさそうだなと思ったもの、ひとから勧められたものをピックアップして観ている程度なので、かなり観る数は少ないと思います。しかも、どちらかといえば国内ドラマや時代劇の比重が大きいです。無論海外ドラマも時々観ます。いずれの場合も、番組そのものを中心に観るため、関連グッズや本はあまり買う方ではなく、何というか、淡々と付き合う方です。また、かつては観ていても、キャストが変わってつまらなくなったとか、何となく面白くなくなったという理由で観なくなったものもあります。

結構医療とか法律関連のドラマは好きです。あと歴史関係とかも。何か目的があって、それを正にウォッチするような感じで観るからでしょう。海外ドラマでは『ペリー・メイスン』であるとか、『ER』なども観ていたのですけどね。あと『半沢直樹』も観ていました。これは銀行が舞台ということもあり、銀行の内幕や金融関係用語が出て来て楽しめました。半沢-大和田の関係もなかなか面白かったのですが、黒崎検査官が何ともいえませんでした。結構この人は黒幕なのですが。

前置きが長くなりました。実は最近、『ガリレオ』をまた観るようになりました。2007年の最初のシリーズから観ていますので、結構長丁場になりそうです。このガリレオ、主人公の帝都大学准教湯川学は、このタイトルにも書いているように、シャーロック・ホームズ的な要素を多分に持ち合わせています。研究熱心、理論に秀でている、人間嫌い、KY、変人などなど。しかし彼は探偵ではなく、あくまで科学者です。捜査の手伝いとして、犯罪が行われた状況や犯人を割り出すことはしますが、興味を覚えないとまず引き受けることはありません。また探偵でない分、依頼人と会ったり、捜査の聞き込みに行ったりすることもなく、人間関係が限られる分、よりその変人としての側面、特異さが目立つわけです。

そして、パペットホームズにもこの『ガリレオ』的な部分は採り入れられていると思われます。たとえばホームズが推理をする時のCGと、このドラマに登場する推理の場面は多少似通った所もありますし、しょっぱなで赤い糸云々というのも、個人的にはやはりホームズの「そして見つけた…赤い糸」を感じさせます。三谷さんもこの番組、観ておられたのでしょうか。尤もいくらホームズが、不要な人間関係を嫌ったとしても、子供と目を合わせただけで蕁麻疹が出るというのは、まず無かったでしょうが。

ところで『ガリレオ』は京大でロケを行っていますが、あの如何にも帝大といった雰囲気、悪くないですね。研究室のマグカップというが適度に古びた感じもまた、このドラマらしいです。

食べ物-アイスクリーム
[ 2015/05/31 00:05 ] パペットホームズ | TB(-) | CM(0)

『JIN -仁-』第1シリーズ 野風の万華鏡と仁の人間関係、そしてパペホ

『JIN -仁-』には、野風が万華鏡を覗く場面が度々登場します。日本には既に、1810年代には輸入されていたようです。ご存知のように万華鏡は、角度によって様々な図柄が楽しめるわけですが、それぞれの角度で見える図柄が異なり、それが、仁が医療に携わることによって、変わって行く人間模様を暗示してもいます。元々タイムスリップの前から、この万華鏡の図柄は使われていましたが、タイムスリップ後野風が登場し、彼女がこの万華鏡を覗いているところで、このからくりがより存在意義を高めるようになっています。

ところで仁の人間関係ですが、第1シリーズでは野風を含む、市井の人々が治療の対象になっていました。これが完結編では、その当時の要人、著名人へと変化し、治療に携わることによって、歴史を変えてしまうのではないかという懸念が、より大きくなって行きます。要人が多くなるのは、幕末の激動が一段と大きくなるのが原因の一つですが、それ以外にも、仁の名声を聞きつけた諸侯が、彼を招聘するという回もあります。もちろん身元も定かでなく、あくまでも医療の腕の確かさのみで幕末に医師として存在し、いつ未来に帰るかわからない危うさと常に隣り合わせの状態です。

一方で仁の存在を快く思わない人たちがいます。この時代の医学から見て、つい仁を含む蘭方医と漢方医の対決と考えがちです。ペニシリンを巡る医学館との確執がそれを物語っています。しかし実際は、仁の登場によって困るのは、彼と違う流れに属する蘭方医たちです。いわば、蘭方の内部抗争ともいえます。実際、野風の乳癌の手術の妨害を企んだのは、彼女の本来の身請け先であったさる御家門の藩医、三隅俊斉でした。今後も、この対立はまだ続きそうです。尤も、身内や親しい間柄が実は怪しいというのは、推理物、捕物関係にも多く登場します。意外性が読者、あるいは視聴者を惹きつけるという側面があるからでしょう。

ところで今夏放送予定のパペットホームズ続編は、第1シリーズの補完の可能性が高いのではないかということは、前にも書きました。つまり、ワトソンメモに記された小さな事件が中心になるということですが、第1シリーズの最終回を知っている身としては、この小さな事件を通して何が変わり、あるいは何が変わらずにあの結末へと結びつくのか、それを確認したいという気持ちがあります。正に『JIN -仁-』ではありませんが、これだとあの結末にならないというエピソードがあり、しかしそれに対して修正力が働く回もある。そういう楽しみ方が出来るといいのですが。

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[ 2015/05/30 23:20 ] ドラマ JIN ー仁ー | TB(-) | CM(0)

百匹のおたまじゃくしの冒険

ある朝、ワトソンは慌てて宿題をやっていた。しかしホームズはピロピロ笛を吹いており、はじめから宿題をやるつもりはないと言う。さらにこうも言った、「宿題をやる苦痛を10とすれば、叱られる苦痛は6、僕は軽い苦痛の方を選ぶね」その時221Bのドアをノックする人がいた、アドラー先生だった。先生の声を聞くやいなや、ホームズはワトソンに宿題を中断させ、一緒に大慌てで部屋の掃除をする。先生はホームズに、昨日の夜バーニコットが失神して保健室に担ぎ込まれ、ホームズに会いたがっていると言う。

その後、ホームズはワトソンと保健室に行き、バーニコットが絵を盗まれたことを知る、その絵は、おたまじゃくしがテーマの寮対抗の絵画コンテストのための物で、おたまじゃくしは、ビートン校の創設者、パーシー・フェルプス卿の渾名だった。その時、他のベッドにいた生徒が起き出して来て、ホームズとワトソンの前に現れる。それはマイクロフトだった。マイクロフトは弟を、大好きなアドラー先生の前では張り切るのも無理はないなとからかう。そしてウィルスン・ケンプが見舞いに来るが、バーニコットはケンプのことを知らなかった。ホームズとワトソンは、なぜマイクロフトとケンプが来たのか怪しく思う。

その日の夕方、2人は保健室で再会し、ラングデール・パイクから、ケンプはコンテストのディーラー寮代表であること、ディーラー寮からは最近優勝者が出ていないことを知らされる。2人はバーニコットを起こし、部屋に戻るように言う。そしてホームズは、アドラー先生に、夜の間ここにいるのを許可してくれと頼む。先生は最初この頼みに驚くが、その後許可が出、また先生は、この部屋には鍵がないことも伝える。そしてその夜、ホームズとワトソンは誰かが保健室に入って、一台のベッドの下から絵を摂り出そうとするのをのを見つける。犯人はケンプだった、彼らは抽象画風に描かれた絵を取り戻し、翌朝ハドソン夫人は、銀の蓋のついた皿を持って221Bに行く。

ホームズとワトソンは、バーニコットに蓋を空けるように勧める。その中には絵が入っていた。しかしながら、その絵はバーニコットの物ではなく、マイクロフトがバーニコットの作品を真似た下手な絵だった。本物はケンプが盗んで保健室に隠し、その後取り戻そうとしたが、バーニコットが失神したためそれが出来なくなった。そこでマイクロフトが仮病を使い、偽物とすり替えたのだった。ホームズはバーニコットに詫びるが、バーニコットは自分が描いたものだから気にしないと言い、もしその作品が優勝したら嬉しいとも言った。

しかし優勝したのは「赤いオタマジャクシ」を描いたダンカン・ロスだった、ホームズはしょげかえり、保健室でスプーン一杯の蜂蜜をもらう。

Kemp Holmes Watson
左から絵を持ち出そうとするケンプ、ホームズ、ワトソン(メモリアルブックより)

[ 2015/05/30 20:25 ] パペットホームズ エピソード | TB(-) | CM(0)

The Adventure of the One Hundred Tadpoles

One morning Watson does his prop busily while Holmes blows a party horn. He says that he has no intention of doing it from the beginning. What is more, he says "Assuming the pain of doing prep is ten, the pain of being warned is six. I prefer the lighter". Then someone knocks a door of 221B. It is Irene Adler. As soon as hearing her voice, he makes Watson stop doing prep and cleans up their dorm with him in haste. Irene tells Holmes that Barnicot fainted and was carried to nurse's office on the previous night and he wants to meet him.

After that, Holmes visits nurse's office with Watson and learns that Barnicot had his picture stolen. It is for a picture contest by four houses themed on tadpole, nickname for Sir Percy Phelps who established Beeton School. At that time, another pupil who also is in bed stands up and appears before them. It is Mycroft and he tells his younger brother in fun that it's natural for him to be in high spirits when he is with Miss Adler who attracts him. And Wilson Kemp visits Barnicot who doesn't know of him. Holmes and Watson wonder why both Mycroft and Kemp visit there.

On that evening, they meet in the office again and are informed by Langdale Pike that Wilson Kemp represents Dealer House in the contest and nobody from the house has become winner recently. They wake Barnicot and tells him to go back to his dorm. Then Holmes asks Irene Adler to permit their stay there during the night. Miss Adler who is surprised with it first but permits it later. She also tells that she has no key to the room. That night they find someone enter there and tries to get Barnicot's picture beneath one of the beds. It's Wilson Kemp. They take back the picture drawn abstractedly and Mrs. Hudson brings a dish with silver cloche to 221B on the next morning.

Holmes and Watson suggest Barnicot to empty the cloche and he finds his picture there. However, it is not his work but the one poorly modelled on his by Mycroft. His picture stolen by Kemp was hidden in nurse's office and he planned to take it later though Barnicot's faint prevented it. So Mycroft visits nurse's office using feign illness and changed it with an imitated one. Holmes expresses apology to Barnicot but he doesn't mind for he know it's drawn by himself even if Kemp wins the contest and he will be happy if it's realised.

However the winner is not Kemp but Duncan Ross who draws "A Red Tadpole". Holmes who is depressed with it is given a spoon of honey in nurse's office.

Nurse office
Barnicot, Holmes, Watson in Irene Adler's office. 

[ 2015/05/30 19:51 ] Koki Mitani | TB(-) | CM(0)

パペホ声優陣 2/Voice Acting of the Puppetry 2

ゲスト、または登場回数が少ない登場人物の配役はこちら。

梶原善-ベッポ
瀬戸カトリーヌ-メアリー・サザーランド
藤原竜也-ホズマ・エンジェル/ウィンディバンク
小松史法-ジェイベズ・ウィルソン及びアブドラ
武田真治-ダンカン・ロス
浅利陽介-べインズ
石井正則-ウィルスン・ケンプ
浦井健治-アーサー・モースタン
石橋杏奈-メアリー・モースタン
田口浩正-ショルトー兄弟
市村正親-ジョナサン・スモール
段田安則-チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン先生
高泉淳子-アガサ・ライト

今井朋彦-ヘンリー・バスカーヴィル
池松壮亮-ジャック・ステイプルトン
戸田恵子-イザドラ・クライン
三谷幸喜-ダグラス氏
藤田泰子-ダグラス夫人
迫田孝也-マクドナルド警部

The cast of guest characters or those who don't appear often.

Zen Kajihara as Beppo
Catherine Seto as Mary Sutherland
Tatsuya Fujiwara as Hosmer Angel/Windibank
Fuminori Komatsu as Jabez Wilson and Abdullah
Shinji Takeda as Duncan Ross
Yosuke Asari as Baynes
Masanori Ishii as Wilson Kemp
Kenji Urai as Arthur Morstan
Anna Ishibashi as Mary Morstan
Hiromasa Taguchi as the Sholto Twins
Masachika Ichimura as Jonathan Small
Yasunori Danda as Charles Augustus Milverton
Atsuko Takaizumi as Agatha Wright

Tomohiko Imai as Henry Baskerville
Sosuke Ikematsu as Jack Stapleton
Keiko Toda as Isadora Klein
Koki Mitani as Mr. Douglas
Yasuko Fujino as Mrs. Douglas
Takaya Sakoda as Inspector MacDonald

画像はAmazon.co.jpより/The image is from Amazon.co.jp
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[ 2015/05/30 13:56 ] パペットホームズ/SH Puppetry | TB(-) | CM(0)

『陽だまりの樹』第4回 「異人との遭遇」

万二郎はおせきに、藤田東湖が地震で母を庇おうとして、家屋敷の下敷きになり亡くなったこと、「陽だまりの樹」も倒れたことを話し、今後の幕府を憂える。しかしその後、藩家老の佐伯から連絡が来て、父の千三郎共々藩邸に向かう。その後万二郎は佐伯に伴われて登城するが、ここでも融通の利かなさを佐伯に指摘されてしまう。

江戸城では老中阿部正弘から、芝浜での一件について評価され、下田奉行所勤めとなる。当初は、黒船相手に斬り込むのかと意気揚々たる万二郎だったが、実際はアメリカ領事のハリスと、その通訳のヒュースケンの護衛だった。面白くないといった顔をする万二郎だが、同僚から、自分たちが異人どもを監視して、下田の民を守っているといえばいいと諭される。

大坂では、良庵が適塾に入塾したものの、塾生たちの汚さや、良庵の刀を奪い合う姿勢に呆れる。そして師の緒方洪庵に挨拶をした良庵は、先の腑分けのことについて問われた後、医学は民のためにある物で己のためにある物ではない、「医者の意地」などというのはよくないと窘められる。

その後、ヅーフ・ハルマが置かれたヅーフ部屋を案内してもらった良庵は、悪臭に顔をしかめる。塾生たちが庭先でアンモニアを作っていたのだが、一人が立ち上がったはずみで、それを良庵の袴にかけてしまう。その一方で、中津藩の福沢諭吉という男と懇意になった。しかし良庵の遊郭通いは直らず、授業にも遅れて出て来る有様だった。

ある日、古手町の種痘所にいた洪庵と良庵の元へ、植木職人が飛び込んでくる。呉服問屋蜷屋の主人が、疱瘡を患っているというのだ。2人は早速蜷屋に行くが、主人は自分にはかかりつけの漢方医がいると耳を貸さない。やむなく2人は、蜷屋の人間で、病気で休んでいる者はいないかを訊きだし、おゆうという女中が風邪で寝込んでいると聞く。そこを訪ねた良庵は、彼女が疱瘡であり、しかもある男と関わりがあったことを知る。

良庵はその男の元に行き、殴るけるされながらも、すぐに種痘を受けないと疱瘡に罹ると説得し続け、何とか種痘所まで連れて来たものの、顔を見た洪庵から、この男は既に疱瘡に罹って免疫が出来ていると言われてしまう。その夜、良庵は福沢と話し、江戸に種痘を広めたいと自身の希望を語る。一方福沢は、公費で洋行したいという夢を良庵に話す。

さて下田では、とある事件があった。ハリスやヒュースケンが、万二郎たちのことを、護衛でなく監視のようで息が詰まると言い出し、ある日ヒュースケンが一人で外出してしまう。しかしある浪人者が彼をつけ狙う。その浪人者こそ、かの丑久保陶兵衛だった。危うしヒュースケン。しかし、ヒュースケンを追って来た万二郎により、かろうじて救われる。

実は陶兵衛は、下田奉行が、日本側の警護を嫌がるアメリカ人へのいわば見せしめとして、金を出して襲わせたのだった。しかし単なる脅しでなく、万二郎とのつばぜり合いになったことからこの目論見は失敗したと見て、陶兵衛に金を渡し、自分の前から去るように言い渡す。

その後万二郎が、ヒュースケンが現場に落とした手帳を届けたのをきっかけに、2人の間には交流関係が生まれる。日本語を教える万二郎と、英語を教えるヒュースケン。ヒュースケンはさらに地球儀を見せ、アメリカはここで日本はここだと教える。日本の小ささに唖然とする万二郎。次第に彼は開国へと考えが傾き、良庵にそのことを手紙で知らせる。

そんなある夜、仙三郎の屋敷に良仙が訪れる。互いに息子のことを語り合い、これが親というものなのだと確信しあう2人。しかし、その直後に万二郎に知らせが届く。それは、父仙三郎の訃報だった。
[ 2015/05/30 00:55 ] ドラマ 陽だまりの樹 | TB(-) | CM(0)

花燃ゆ番外編18-再び『花神』との比較

すでに触れてはいますが、脚本と制作の担当者に関して、もう一度触れたいと思います。まず脚本担当の大島さん、宮村さん、金子さんのコメントです。

大島里美
「今を生きる私たちは、明るい未来を描けるでしょうか?何かをしたい、何かになりたい、何かができるはず……。うずうずと鼓動していた種に、ある日ぱっと光が射す。柔らかな新芽が顔を出し、自分の力でぐんぐんと天に伸びていく。「志」を持ち、それぞれの描く未来へと駆け抜けた若者たち、そして、彼らとともに生き、たくさんの種を育んだひとりの女性の物語を躍動感をもって描きたいと思います。」

宮村優子
「なにものかになりたいと焦がれる若者たちが、幕末という時代とぴたりと重なったとき、爆発的なエネルギーで明治維新の幕は上がりました。人も国も克己心に満ち、老いも若きも命がけの青春中というこの時代を、文という強力なヒロインに伴走しながら駆け抜けてみたいと思います。「ひとは育ち、育てあう」。兄松陰から学んだ信念のもと、残された門下生たちを奮い立たせ、慈しみ、ひごする文の“妹の力”。新時代に立ち向かう彼女のエネルギーを、熱く、潔く、血の通った人間ドラマとして響かせることができればと意気込んでいます。」

金子ありさ
「幕末という時代の大転換期に立ち合い、翻弄される一(いち)女性の物語。「花燃ゆ」の持つダイナミックな時代性、現代にも通じる細やかな普遍性を繋いでいけたらと願っています。吉田松陰という稀代の思想家が蒔いた種がこの後どう花開くのか。百花繚乱、それぞれの咲き誇る行く末を是非ご覧ください。」

そして、現場の総指揮に当たる土屋勝裕チーフプロデューサーのコメント(一部略)です。
「(前略)その明治維新を推し進めたのは、西洋諸国の進出に危機を感じた若者たちでした。大河ドラマ『花燃ゆ』は、そんな若者たちの青春群像劇であり、その若者たちを支えた家族や友人たちのドラマです。(中略)わずかふた部屋の小さな私塾から日本を動かす志を持った若者たちが次々と巣立っていったことに感動を覚えます。ヒロイン・文は、兄・寅次郎(松陰)の松下村塾で、高杉晋作とならび双璧と呼ばれた久坂玄瑞と結ばれ、(中略)「悲劇の連続」とも言うべき人生ですが、文は次々と振りかかる困難を乗り越えてまっすぐに生きていきます。困難と闘いながら、最後まで兄への愛、家族への愛、そして夫への愛を貫いた人生でした。「至誠にして動かざるは、いまだこれ有らざるなり」誠意を尽くせば、動かされないものはない、という孟子の言葉を信じて生きた人々のドラマをぜひお楽しみください。」
(いずれもNHK『花燃ゆ』公式サイトより)

一方、『花神』の脚本の大野靖子さんの、脚本を引き受けるに当たっての文章です。
「しかし平穏な時代であれば、おそらく日本の各地の土に平凡な一生を埋めたであろう人々が、激動の時期に遭遇したばかりに狂気につかれたように徳川三百年の封建制を粉砕してゆく。私は世に言われる『偉人』『英雄』を描くのではなく、彼等をもっと身近に引き戻し、カッコ悪く、リアルに面白おかしく描いてゆこうと思っている。事実そうであったに違いない。
人間は非常の事態に、異常な力を発揮する。現に大河ドラマを、至難といわれている司馬さんの作品を手がけるなどということは、私の人生にとってはまさに非常事態だ。だから持てる以上の能力を発揮しているではないか。およそなまけ者でだらしのない私の日常を知っている友人達は、目を丸くして驚いている。」
このほかにも「大河ドラマには他の番組では味わえない独特の面白さがある」「とにかく舟は岸を離れてしまった。『下田踏海の松陰のように、死に物狂いで漕ぐしかない』」ともあります。

そして『花神』の成島庸夫チーフプロデューサーは、このようなコメをしておられます。
「長州は最初から一枚岩だったのではありません。バラバラの中で、それなりの同一指向を辿る過程、その中には多くの試行錯誤も見られます。そういったすべてを包んだ行動のエネルギー、その奇妙な情念、そこに日本人があり、われわれがあります。そして何よりも先ず『若さ』があります。私たちが、今迄の日曜ドラマにたびたび取り上げられた幕末-維新にまたまた挑戦するのも、そこにこのような魅力を感じたからなのです。(中略)私たちは、史実を史実として書くのではありません。史実と史実の谷間にある多くの有りそうな話を綴って行くのです。いわゆる『歴史ドラマ』の楽しみとは、こういった"ドラマ"を史実の谷間に見出すことなのでしょう。
 面白いものにしたいと思っています。」
(いずれも『花神 NHK大河ドラマストーリー』より、一部抜粋)

『花燃ゆ』のそれぞれのコメントには「若者」「青春」「愛」といった表現が目につきますが、『花神』の場合はそれが殆どなく(「若さ」は登場しますが)、より泥臭くまた力強いドラマ観、加えて幕末の長州のあやふやさといったものも感じられます。無論その当時と今とでは、大河、ひいては広くテレビドラマを取り巻く環境が違うということもありますし、また『花燃ゆ』は、女性が一応主人公ということもあるでしょうが、この双方のコメントから受ける印象の違いが、正にそれぞれの違いなのかなと思われます。しかし大野さんの言葉は、かなり頼もしいです。

[ 2015/05/30 00:06 ] 大河ドラマ 花燃ゆ | TB(-) | CM(0)

パペホ声優陣 1/Voice Acting of the Puppetry 1

この人形劇では、山寺宏一さん、高木渉さん、江原正士さんや岸尾だいすけさんといった、有名な声優さんが声の出演をしています。加えて、普通の俳優さん、特に舞台を中心に活躍している人も出演しています。

主要登場人物の声の出演は以下の通りです。

山寺宏一-シャーロック・ホームズ、マイクロフト・ホームズ及び動物たち
高木渉-ジョン・H・ワトソン、ナレーター
堀内敬子-ハドソン夫人
江原正士- モリアーティ教頭、ゴドフリー・ノートン先生、バーニコット及びガルシア
岸尾だいすけ-レストレード、スタンフォード及びジョセフ・スタンガスン
三瓶由布子-ヘレン・ストーナー先生、イノック・ドレッバー及びヘンダーソン
中村梅雀-オルムシュタイン校長
宮沢りえ-アイリーン・アドラー先生
浅野和之-グリムズビー・ロイロット先生
平岩紙-シャーマン
関智一-ラングデール・パイク

The series features famous voice actors and actresses such as Koichi Yamadera, Wataru Takagi, Masashi Ebara and Daisuke Kishio. In addition, it also features ordinary actors and actresses especially those who mainly appear on the stage.

The cast of main characters is as below.

Koichi Yamadera as Sherlock Holmes, Mycroft Holmes and animals
Wataru Takagi as John H. Watson and narrator
Keiko Horiuchi as Mrs. Hudson
Masashi Ebara as Deputy Head Moriarty, Godfrey Norton, Barnicot and Garcia
Daisuke Kishio as Lestrade, Stamford and Joseph Stangerson
Yuko Sanpei as Helen Stoner, Enoch Drebber and Henderson
Baijaku Nakamura as Headmaster Ormstein
Rie Miyazawa as Irene Adler
Kazuyuki Asano as Grimesby Roylott
Kami Hiraiwa as Sherman
Tomokazu Seki as Langdale Pike

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[ 2015/05/29 20:47 ] パペットホームズ/SH Puppetry | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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