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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  麒麟がくる

『麒麟がくる』が終わって-3

すみません、先日の投稿分に「この項続く」を入れ忘れておりました。一応今回が最後となります。

この大河の時代背景や登場人物は、『国盗り物語』のそれと共通するものがあり、いくつかのシーンを比較したこともありますが、やはり違うなと思いました。無論作られた時代も違えば、スタッフもキャストも違うのですから当然ですし、向こうは斎藤道三と織田信長が主役であるのに対して、こちらは明智光秀が主役です。
ですから必ずしも同じ設定である必要はないのですが、どう見ても主人公が、誰かの使い走りといった印象が少なからずありました。光秀が主役であるのなら、彼自身をもっと押し出してほしかったです。あとやはり演出が奇を衒い過ぎで、観ていて不自然さを感じることが多々ありました。

また個人的な感想として、信長や秀吉のイメージも今一つな感がありました。特に信長は過去の信長像と違い過ぎでした。染谷さんは演技はうまいと思いますが、第一印象があまりにも他の大河の信長と異なるのは、デメリットと言えるでしょう。斬新さを出すのであれば、過去のイメージを踏まえつつ、それまでとは違った印象で持って来てもよかったのではないでしょうか-たとえば、『真田丸』の家康のように。

それと、長谷川さんはやはり武将の雰囲気ではなかったと思います。『八重の桜』の川崎尚之助、『まんぷく』の立花萬平で見せた長谷川さんならではの、ストイックで学者肌的なイメージを活かせる役の方がよかったでしょう。
何よりも多くの人がそう感じていると思いますが、オリキャラが出過ぎで、肝心の実在人物が彼らのせいで割を食ったようにも見えます。池端氏は庶民の目線ということでオリキャラを入れたようですが、それなら光秀が主役でなく、彼らを主人公にしたドラマを土曜時代ドラマで作るという方法もあったでしょう。
あと沢尻エリカさんの降板で、白羽の矢が立った川口春奈さん、一生懸命やっていたとは思います。しかし彼女も、それから駒役の門脇麦さんも、やはり今時の若い女性という印象は拭えませんでした。

それと本能寺後を描かなかったことで、光秀がこの「大事業」を成し遂げたことへの満足感、それに伴うやり場のなさといったものが感じられず、如何にも勿体なく感じられました。あの時の光秀自身、そして大名たちの心情はきちんと描かれてしかるべきでした。

そもそも『炎立つ』以外の源平大河では、義経はすべて平泉で討死しているし、幕末大河でも西郷隆盛は西南戦争で散っています。『炎立つ』では義経は行方をくらませていますが、それでも彼がジンギスカンになったのを仄めかす描写はなく、また幕末大河で西郷がロシアに渡ったなどという設定にももちろんなっていません。
なのにここで「光秀=天海」説とも取れるような展開にしたのは、どうかと思います。敢えて山崎の合戦を描かなかったというよりは、ちょっと最期が投げやりになったような印象を受けます。

そしてもう1つ、衣装や風景の色彩が鮮やかすぎて、時に毒々しく感じられたのは、やはりマイナス要因だったと思います。黒澤和子さんのデザインは、『西郷どん』や『青天を衝け』などではかなりまともなのですが、戦国時代を担当させるとああなってしまうようですね。恐らくクレームもかなり来たのではないでしょうか。

それからこれはちょっと目にしたツイートなのですが、恐らく大河を観ている人なのでしょう。NHKは解体してもドラマ部門は残してほしいといった意味のツイがありました。しかしNHKは公共放送であり、公共放送としてまず残すべきは報道、気象そして災害情報です。その意味でこの意見は、失礼ながら本末転倒です。
恐らくこの人は、報道は偏っているから潰してほしい、でもドラマはいいと言いたかったのかも知れません。確かに私も、NHKは偏っているとは思うし、NHKのみならず多くのマスコミ、さらには海外のマスコミも何かしら偏っていると思います。しかしそれでも、公共放送として残しておくべきは報道関係なのです。どうしても大河のような時代劇が観たいのであれば、それとは別にチャンネルを作り、スポンサー付きで制作するべきでしょう。
(この項終わり)

飲み物-ウイスキーストレート
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[ 2021/02/11 00:00 ] 大河ドラマ 麒麟がくる | TB(-) | CM(0)

『麒麟がくる』が終わって-2

先日の続きです。

まず『麒麟がくる』の最終回、最後の方だけちらりと観たのですが、案の定というか、本能寺の変の後がすべて省略されていました。本来光秀を主人公にするのであれば、本能寺の変の後にもうひとつのドラマがあるわけです。言うまでもなく山崎の戦いです。ただ戦いのみならずそれに至るまでの過程、中国大返しに始まり、細川や筒井順慶の裏切りなどを如何に描くかが脚本家の腕の見せ所でもあるわけですが、その部分が思い切り端折られていましたね。

ならばそのまま終わったかと言うと、さにあらず。これも予想しえたことですが、オリキャラの3人をやはり入れて来ましたか。どうにもこうにもこの大河は、この3人を見せるためのものだったのではないかと、そう邪推したくもなりますし、これが、如何にもファンタジー的に映るわけです。同じ脚本家の『太平記』では、ここまでオリキャラが出て来ることはまずなかったのですが…。『麒麟がくる』が、『太平記』の劣化コピーのようにも感じられる所以です。

あと、これも初めの方から感じてはいたことですが、やはり戦闘場面が取ってつけた感じがあります。これに関しては第2回の『道三の罠』の感想で、こう書いています。

それと思うのですが、殺陣がどうも今一つです。そもそも雑兵の着物はまだしも、甲冑もやけに華々しいイメージがあるのですが、光秀や伝吾、さらにはその雑兵たちがいとも軽々と刀や槍を振り回していたり(そこまで軽いものではないと思いますが)、斬るというよりは刀を当ててみる感じだったり、一斉に矢を放ったところで相手にすべて当たったりと、ちょっとありえないような描かれ方になっています。何やら刀や槍を使ったアトラクション、あるいは懸り太鼓のBGVのようにも見えてしまいます。懸り太鼓や退き鉦などが出て来るのはいいのですが、そういう部分と、この戦闘シーンのいわば軽さとが、どうも噛み合っていない感もあります。ああいうのも、受信料でやっているのですけどね。

この最終回に関しては賞賛の声もありましたが、もちろん批判的な声も見られました。
本能寺後のシーンのカットの是非、内容が薄っぺらい、さらにはプロデューサーと脚本家の自己満足で終わった大河という声もあり、私もこれらの意見に同意です。誰でも今一つ馴染めなかった、好きになれなかった大河の場合は、制作陣の自己満足に終わったという印象を抱きがちですが、この作品はそれに加えて、戦国らしさがあまり感じられませんでした。

尚先日、視聴率についても書いています。
2000年代と比べてみると、戦国大河は5パーセントほど下がっています。余談になりますが、2000年代でもあまり数字を取れていない作品はあり、『風林火山』などはその一例です。私としては、この作品は登場人物のキャラが立っていてかなり面白く、その数字の低さはちょっと意外でしたが、こういう戦国らしさを生々しく感じさせる作品より、多少無難な感じの夫婦大河の方が、やはり数字を取れるのでしょうか。

それとやはり先日ですが、録画がない時代の大河についてこう書いています。

かなり前のは映像そのものが殆どない、またビデオが普及していないなどで、同じ大河をリピートして観ることができず、それも評価に影響しているのではないでしょうか。

要は映像を繰り返し観ていると、素人でもドラマの掘り下げ方がかなり理解できるようになるのですが、録画やVHS、DVDが存在しない時代は、そういう観方は不可能です。その当時を知る人の話によると、その頃は観方ももう少し緩かったようで、史実に関してもそううるさくなかったようです。
無論歴史に詳しい人はその当時もいたと思われますが、恐らく多くの視聴者は、原作となっている小説と照らし合わせていたのでしょう。本来フィクションであるはずの小説、そしてそれをベースにした大河を、ある程度は事実と受け止めていた人もいたのかもしれません。
ちなみに、ガイドブックが登場したのは1970年代後半のようで、その頃から徐々にビデオデッキも普及するようになり、大河を様々な視点から、多角的に捉えるようになったと言えそうです。

それから『青天を衝け』ですが、
『あさが来た』の五代様
『西郷どん』の小松様
この両名の出演が決まりました。
詳しくは明日アップする予定です。
(この項続く)

飲み物-ホットカフェオレ
[ 2021/02/10 00:00 ] 大河ドラマ 麒麟がくる | TB(-) | CM(0)

『麒麟がくる』が終わって-1

ここのところ『きのう何食べた?』関連投稿がメインになっていますが、今回は『麒麟がくる』が終わったばかりということで、大河関連です。

まず数字の話になりますが、この『麒麟がくる』、最終回はリアルタイム視聴率が18.4パーセントでしたが、年間平均視聴率は14.35パーセントとなっています。
これまでは『軍師官兵衛』が男性主人公の戦国大河のワーストでしたが、それを1パーセント以上下回り、戦国大河ワースト2位、男性が主人公の戦国大河ではワースト記録となりました。

歴代大河視聴率ワースト10、()内は放送年と関東地方の平均視聴率。
視聴率は小数点以下0切り捨て、2000年以前の作品は小数点一桁まで。

  1. いだてん(2019、8.17)
  2. 花燃ゆ(2015、12.00)
  3. 平清盛(2012、12.01)
  4. 西郷どん(2018、12.72)
  5. おんな城主 直虎(2017、12.8)
  6. 花の乱(1994、14.1)
  7. 麒麟がくる(2020-21、14.35)
  8. 竜馬がゆく(1968、14.5)
  9. 八重の桜(2013、14.58)
  10. 軍師官兵衛(2014、15.84)

放送開始が遅れたこと、コロナ禍で放送が休止の時期があったことも災いしたのでしょうが、それだけとは言えない事情もあります。何よりも、近年とみにリアルタイム視聴率は下がっています。これには以下のような理由がありそうです。

まずBSで先行放送されるようになったため、そちらを先に観て、本放送時には民放を観たり、TV視聴以外のことをしていたりするというケースが挙げられます。
元々BS放送は本放送後だったのですが、『江~姫たちの戦国~』が放送された2011年の4月からBS放送先行となり、2010年代からリアルタイム視聴率が下がった一因となったと思われます。固定ファンがつきそうな、三谷幸喜氏の『真田丸』のみ何とか数字を取れましたが、それでも『江』よりも低かったのです。NHKも視聴率を考えるのであれば、みすみすリアルタイムの数字を下げるような先行放送はやめるべきでしょう。また視聴率がいい時は嬉しそうにする一方で、悪い時は公共放送だからと言ってみたり、これではダブスタもいいところです。

それから、やはり大河を昔から観ている、TVを観ているという人々が減って来ており、それが数字に響いているのは否定できません。
尚内容に関してですが、今の方が一概に悪いとも言えないかと思います。昔も今もいい作品もあれば、そうでない作品もあったと取るべきですが、昔はネットがないため、評価を可視化できる手段が少なく、そのため大河はすべてよかったとされていた感がなきにしもあらずです。
またかなり前のは映像そのものが殆どない、またビデオが普及していないなどで、同じ大河をリピートして観ることができず、それも評価に影響しているのではないでしょうか。

尚制作統括の落合プロデューサーですが、
「全ての回を制作・放送することができて感無量の思いです」
とコメントしています。しかしながら、このコメントには肝心な点が抜け落ちています。今回はコロナ禍により、例外的に休止期間を挟んで、2年間にわたっての放送となりました。
ならば、休止後に再開された後も観続けた視聴者に対して、何か一言あってしかるべきだったのではないでしょうか。くどいようですが、大河はその視聴者の受信料で作られているのです。このコメントは、単に制作サイドとしての意見でしかありません。

あとメディアによっては「『いだてん』から好転」とありますが、いくら何でも男性主人公の戦国大河と『いだてん』を同列に論じるのは噴飯物です。

しかし先日の放送分、最後のところだけ観たのですが、あれではまるでファンタジーです。内容に関してはまた改めて。
(この項続く)

飲み物-エールと暖炉の火
[ 2021/02/09 00:00 ] 大河ドラマ 麒麟がくる | TB(-) | CM(0)

『麒麟がくる』池端氏への疑問

久々に『麒麟がくる』の公式サイトを見てみたのですが、トップページに「本能寺まであと4年」などとあります。この大河は、当初は「本能寺から逆算しない」とスタッフが言っていたはずなのですが、これは逆算にはならないのでしょうか。それとも休止期間で一部が変更になったのでしょうか。いずれにしても光秀を描く以上、本能寺とは無縁ではいられないはずですし、視聴者もまたそれを求めているとは思います。しかしそれでも、信長と光秀の考えのギャップがじわじわと大きくなる中で、敢えて本能寺という固有名詞を出さずに、いよいよXデー近しと思わせる方法はあったはずで、私としてはそのようにするのかと思ってはいたのですが。

あと長篠の戦いのように、詳しく描かれなかった歴史上の事件や合戦は、別個にコラムを設け、説明してしかるべきでしょう。それから池端氏のインタビューがあまり面白くないというか、オリキャラを出すのは当時の庶民目線だといわんばかりの姿勢には、いささか首をかしげたくもなります。おかしいのはオリキャラを「出す」ことではなく、「出し過ぎる」ことですし、まして官位や身分が物を言うその時代、庶民が帝と碁を打ちながら話すというのも変でしょう。こういうのがどうも強引に見えてしまうのですね。それを言うなら、『太平記』で花夜叉一座の面々が、帝と差しで話すシーンなどあったのでしょうか。

飲み物-ロックグラスカクテル
[ 2021/01/22 00:45 ] 大河ドラマ 麒麟がくる | TB(-) | CM(0)

『麒麟がくる』は『太平記』の戦国版なのか

大河の制作統括とそのコメントについて、先日から何やらぐだぐだと書いております。特に『麒麟がくる』に関して、新しさが強調された結果、いたずらに今までの戦国大河を否定する方向に走ったと書いていますが、無論それまでにも、新説の登場などでそれまでとは違った描写というのはありました。また時代により戦国大河の描き方も様々で、たとえば私が映像を観たことのある「最古の」大河、『国盗り物語』と今回とでは、似たような時代ながら主人公が異なるせいもあり、かなり違った描写になっています。しかし男性の主人公であれば、もっと本人が前面に出て来てもいいはずです。

池端俊策氏脚本のこの大河は、どう見ても『太平記』を戦国大河化したものに見えます。架空の人物の関わり方、公家や大名の関わり方、そして帝が介入してくるところなどはそっくりです。但し『太平記』でも、架空の人物はここまで出て来ることはなかったし、仮に出て来たとしても、花夜叉などは楠木正成の妹という設定だったので、それはそれで納得が行きました。ちなみに今回の信長と光秀の関係は、正成と高氏のそれをいくらか思わせるものがあります。また公家や大名の描かれ方も、私としては『太平記』の方がまだ受け入れられましたし、後醍醐帝の介入は、南北朝時代であれば当然のものでした。

今までも複数の大河の脚本を手掛け、似たような描写が多い人はいました。ジェームス三木氏なども独特の描き方をしており、当然ながらどこか共通点が見られはするものの、1つの大河を、異なる時代に置き換えるようなやり方はしなかったと思います。『太平記』と『麒麟がくる』の関係は、こう例えては何ですが、『篤姫』と『江~姫たちの戦国~』の関係にどこか似ています。同じ脚本家であることに加え、一方が原作付きであり、さらに『江』も『篤姫』の大奥的世界を採り入れた感がありましたが、生憎こちらは『篤姫』ほどにはぱっとしなかったというのも、やはりどこか似ていると言わざるを得ないのです。

飲み物-温かいカフェオレ
[ 2021/01/19 23:30 ] 大河ドラマ 麒麟がくる | TB(-) | CM(0)

『麒麟がくる』の最終回は本能寺の変

『麒麟がくる』の最終回絡みの記事に、
「最終回は本能寺の変」
という内容のものがありました。しかし一般に知られている限りでは、光秀は本能寺で生涯を閉じたのではなく、その後わずかの間天下人となった後、羽柴秀吉との戦いに負け、落ち延びる途中で小栗栖の辺りで土民に殺されたとも、自刃したとも言われています。最終回が本能寺の変だと、その後の光秀の行動と死は付け足し程度になりそうです。また信長が殺されたという大事件であるだけに、他の戦国武将にも大きな影響を与えているはずなのですが、これだと秀吉の中国大返しも、家康の伊賀越えも描かれないのでしょうか。

無論主人公が織田信長であれば、本能寺の変で最終回というも納得できます。しかし光秀の場合は、やはりその続きがあるのです。私としては、1月31日が本能寺の変、そして2月7日の最終回が山崎の戦いであると予想していただけに、いささか腑に落ちません。信長が主人公であったはずの『国盗り物語』の総集編でさえ、その後秀吉と一戦交える描写が出て来ます。ちなみに制作統括の落合プロデューサーは、このようにコメントしています。

「光秀と信長、二人三脚の大きな国づくりは、成し遂げられることなく、悲劇的な結末を迎えます。その先に光秀が何を見据えたのか、信長は何を思うのか…。『麒麟がくる』版の本能寺の変がどのように描かれるのか楽しみにしていてください」
(スポーツ報知)

無論制作側もそれなりに考えてはいるのかも知れませんが、どことなく曖昧模糊とした言葉です。まず二人三脚の国づくり(と、この大河ではなっています)がうまく行かない、これはいいでしょう。しかし悲劇的な結末を迎えるというのは初めからわかった話ですし、その先に何を見据えたのかなどという表現もまた、ありきたりな感じです。最終回をPRしたいのであれば、
「本能寺の変を楽しむには、この先決して見落としのないように!」
位言ってもいいのではと思いますが(三谷氏ならそう言うでしょう)。無論コロナ禍により、戦闘シーンが思うように描けなかったのも、最終回に本能寺を持って来る一因かも知れません。しかし、それならそうだと明言するべきですね。

先日に続いて、制作統括への疑問をまたもぶつけた形となりました。またこの最終回に関して、主演の長谷川博己さんも
「これも新しい形の『本能寺の変』なんじゃないかなと…」
と語っています。無論主演としては、そう言わざるを得ないでしょう。しかしこの大河、どうも制作側が「大河新時代」と銘打っている割には、「新時代」らしい高揚感があまり感じられず、逆に「新しさ」が強調された結果、いたずらに今までの戦国大河を否定する方向に走ってしまい、その結果、戦国大河としてどことなくずれたイメージをもまた受けてしまうのです。

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[ 2021/01/19 00:15 ] 大河ドラマ 麒麟がくる | TB(-) | CM(0)

『麒麟がくる』終盤に思うこと 続き

『麒麟がくる』がオリキャラのせいで不評の声が多いことは、先日も書いています。しかし、オリキャラのせいばかりとも言えないようです。もっと言えば
「戦国らしくない」
のだと思います。私も『麒麟がくる』を桶狭間の回(コロナウイルス禍で中止になる直前の回)まで一応毎回観て、再開後も2回ほど録画をチェックしています。確かにオリキャラの出番は多く、しかもかなり重要な事柄に関わっていますし、光秀とその家族が越前へ落ちる際にも手助けをしていますし、どういうわけか皆、重要な人物(帝、関白、将軍)と関わりを持っており、その部分が同じ脚本家の『太平記』になかった(花夜叉のみ楠木正成の妹だった)、ある意味不自然さを感じさせるのでしょう。

しかしその前から、あまり戦国らしくない部分、もっと言えば、斉藤道三の甥として武芸に達者で、学問にも秀でているという光秀像が、この大河からはあまり感じられません。これに関しては、「麒麟がくる ここまでの感想」というタイトルで、今年の6月から7月にかけて投稿しています。光秀があちこちに行かされたり、やたらに色々な事件に絡ませようとして、京へ行った際に将軍を拝ませたりするのは、やはりおかしいと言っていいでしょう。『太平記』の足利高氏も事件に巻き込まれますが、彼は足利氏の嫡男で、曲がりなりにも元服の烏帽子親は得宗である高時でした。おまけに剣の達人であるはずの光秀なのに、剣術の稽古をするシーンもない。さらに斉藤道三が、帰蝶の最初の夫である土岐頼純を暗殺するところも、ちょっとわざとらしさが感じられました。

加えて、これは女性大河にも共通しますが、主人公が己の内面を見つめたり、悩んだりするといった描写があまりない。常に誰かのパシリ的存在で行動を起こすシーンも多く、そのためどこか重みがなくて平坦に感じられてしまう上に、お約束のオリキャラがやたらと出て来る。何でも制作サイドに言わせれば、「従来とは全く異なる」大河を作りたかったそうですが、どう考えてもこの「全く異なる」がマイナスの意味にしかなっていません。さらに池端氏、『太平記』で室町幕府を開いた足利尊氏を描いたとガイドブックでコメントしていますが、『太平記』はどちらかと言えば鎌倉時代の終焉とその後の混沌とした時期がメインです。これなら池端氏でなくり前川洋一氏にすべて任せてほしかったです。

飲み物-コーヒーと砂糖とミルク
[ 2020/12/10 00:30 ] 大河ドラマ 麒麟がくる | TB(-) | CM(0)

『麒麟がくる』終盤に思うこと

以前にも『麒麟がくる』と『太平記』を比較したことがありましたが、同じ脚本家の作品とは思えないほど両者は異なっています。『太平記』の場合、原作があったこともいくらかは関係しているでしょうか。しかし実在の人物との関係、武将である主人公の描き方などなど、あまりにも差があるのではないかというのが実情です。『麒麟がくる』の場合、明智光秀の前半生がわからないのもマイナス要因であるとは思いますが、要はそこをどのように創作で埋めて行くかでしょう。それができないのであれば、無理に光秀を主人公とすることもなかったのです。

先日の分では、またオリキャラの出番がかなりあったようです。別にオリキャラを出すなとは言いませんが-と言うか、ドラマを進行させるにはこういう存在も必要なのですが、オリキャラがいないと物語が成り立たなくなっているというのは、やはり問題です。昨年の『いだてん』では、落語のシーン不要論が出、これがもとで離脱者が増えたのではないかと思われますが、今回はオリキャラのシーンが原因で、離脱者が出ているのではないでしょうか。あと9回しかないのに、まだ本能寺まで10年もある設定なのもどうかと思います。

それともう一つ、この大河の制作発表が行われた時、そして序盤の頃に、池端氏が「戦国の黎明期」といった表現をしていましたが、戦国時代の黎明期は天文年間より数十年は前でしょう。守護大名が戦国大名になった時期とか、鉄砲が出て来た時期と言うのであればわかりますが。これに関してはNHKにメールで問い合わせたものの、回答は得られずじまいでした。その他に、衣装の色遣いの問題もあります。こういう点を考えて行けば、せっかくの「売り物」であるはずの戦国大河を、安っぽくしている(と言っていい)制作サイドの責任は大きいです。

飲み物-温かいカフェオレ
[ 2020/12/08 23:30 ] 大河ドラマ 麒麟がくる | TB(-) | CM(0)

フィクションの中の非現実 その2

まず先日の投稿分、何か所か加筆修正をしていますので、その点についてお断りをしておきます。

その分にも書きましたが、大河ドラマでももちろん主人公無双であるとか、大げさなシーン、非現実的なシーンは登場しますし、女性主人公大河にそれが多いというのは、今までも書いて来ました。しかしながら先日の『麒麟がくる』の場合、主人公でなくオリキャラ無双になってしまっているふしがあります。実際この前の分の録画をざっと観てみたのですが、以下のような点が挙げられます。

  • 駒が光秀に、自分の薬を売っていた14歳の少年が、比叡山に向かって焼き討ちに巻き込まれて死んだと言い、暗に戦に否定的な見解を示す
  • 同じく駒が、公方様の側にいるとこのようなことがわかると口にする
  • その駒は筒井順慶と差しで話している。また、光秀の娘たまにかなり馴れ馴れしい口調で語りかける
  • そのたまは、比叡山の件で市場で石をぶつけられて負傷する。それを駒が助ける。しかしどう見ても石を投げた人物は、信長の家臣の娘と知っていて投げたように見える。そのようなことはあるのだろうか
  • 光秀が順慶と会う時も駒が同席する
  • 光秀が比叡山で命令に背き女子供は助けたと言うが、信長はそれを容認する。(ちなみに『軍師官兵衛』では女子供を助けたのは秀吉)
  • 松永久秀がいる部屋で畳の上にじゅうたんが敷かれている。しかし桶狭間の回でも書いたように、畳の部屋にじゅうたんという和洋折衷は、秀吉が天下を取り、大坂城の部屋で初めて行ったとされている。また階段に手すりがあるが、その当時はこうなっていたのだろうか
  • 全く個人的願望だが、信玄は市川猿之助さんが演じてもよかったかも

ざっとこんな感じでしょうか。まず駒が出て来るシーンですが、野戦病院のような所で負傷者の世話をしており、あたかも『JINー仁ー』の橘咲のようです。実は順慶と差しで話していたのはこの時ですが、普通に考えてこれはないでしょう。かてて加えて、将軍足利義昭の側女?なのか、しょっちゅう一緒にいるようですが、無論これもおかしい。しかも公方様の側にいたらこれこれがわかると言っていますが、公方様は、言っては何ですがどこの馬の骨とも知れない女がいる場所で、色々なことをぺらぺら喋っているのでしょうか。脇が甘いですね、信長に追放されるわけです。

しかも14歳の少年、ぱっと見10歳位に見えます。この当時14歳と言えばもう一人前であり、どこかの店に奉公していてもおかしくないでしょう。子供呼ばわりするのはちょっとおかしいのでは。それで戦がどうのこうの、『真田丸』で信繁の背中を押したきりや、夫の気持ちを汲んでいた『軍師官兵衛』の光とはかなり違いますね。また光秀ですが、『西郷どん』で蛤御門の変の後、戦を云々するふきに、貴女は関係ないと吉之助が一喝しますが、あの位言ってもいいでしょう。

さらに光秀の娘のたまですが、ああいう場所で明智の娘とわかるのでしょうか。それも石を投げるなどというのもどうかと思います。そしてここで、また駒が登場。わざわざ彼女の出番を増やしているように見えます。しかもたまにタメ口で話しかけ、お手玉を披露といった具合です。こういうシーンを入れるのなら、他に入れるべきものがあると思います。その駒は光秀が順慶と会う時も同席。

何だか『江』の二番煎じのようです。しかもあちらはタイトルどおり、江が主人公だったわけです。こちらは一応主人公は光秀なのですが…恐らく実質的な主人公はオリキャラの駒で、光秀は脇役なのでしょう。そうとでも考えないと納得できません。しかししかるべき身分の出身でもなさそうな駒が、どうやって将軍だの、大名だのと同席できるのか不思議です。

それにしても光秀が女子供を助けたと言った時、信長が目こぼしするような態度を取りますが、既にこの時、両者の食い違いが表面化していてもいいかと思います。そしてじゅうたんの敷かれた部屋。これは秀吉の天下になってから後と思われます。また階段の手すりですが、この場合はともかく、少なくとも城などでは敵の襲撃に備えて、わざと手すりを付けず、また角度もかなり急になっていたようです。

大河にも色々ありますが、非現実的、少なくともちょっとこれはないのではという描写は、今までは女性主人公の大河の一部や『いだてん』などでした。男性が主人公の戦国大河で、こういう描写を見せられるのは前代未聞です。

それと猿之助さんですが、武田信玄と言えば、市川亀治郎時代の『風林火山』での信玄役を思い出します。ただ、信長と敵対する設定の信玄に向いているかどうかはいささか不明です。

飲み物-コーヒーと砂糖とミルク
[ 2020/12/03 00:15 ] 大河ドラマ 麒麟がくる | TB(-) | CM(0)

『麒麟がくる』雑考19-視聴を止めた理由と来年の大河

『麒麟がくる』の放送再開、8月30日からの予定です。
とは言っても、私は『麒麟がくる』の視聴を再開後は見送る(録画は一応続ける)と、少し前に書いています。つまり、もう「くる」のを待たなくてもよくなったわけです。昨年までは、今年は楽しいだろうけど、来年はさてどうかなと思っていました。その期待薄だった来年=『青天を衝け』を待つことになるのですから皮肉なものです。

この大河、男性主人公でしかも舞台は戦国時代で、その意味では題材としてかなり申し分ないはずなのですが、このようなことになってしまいました。やはり主人公の経歴がはっきりしない時期に、女性主人公の大河のように創作を入れまくり、様々な人物と絡ませるようにしたため、従来の戦国大河の男性主人公と違った印象を与えた点がまず挙げられます。

それも今回は男性主人公であるため、行動範囲も女性より広く、男性だから斬り合いやら鉄砲やら出て来ます。つまり女性よりもスケールが大きくなるわけです。そのうえで本人の記録の少なさを補うための創作が入ることになり、結果的にフィクションとしてのスケールも大きくなってしまいます。そのため創作部分が、女性主人公の大河のそれよりさらにエスカレートした感も否定できません。いくら何でも女性主人公なら、本能寺の前の斬り合いなどはないでしょう。

言うまでもないことですが、衣裳もまたマイナス要因でした。考えてみれば、今までは大河を楽しめるか否かは、物語の展開や演出によって決まることが多かったのです。無論今回の視聴見送りには、そういった部分も関係しています。しかしそれに加えて、従来であればマイナス要因にはならなかったはずの衣裳の色遣いが、『麒麟がくる』という大河への評価を決定づけた一因となってしまっています。

とどのつまりこの大河には蜜月がありませんでした。最終的に面白いと思わなかった大河でも、最初の何か月間は面白い時期があるものです。特に女性主人公の場合は、彼女に近い存在の男性が4月頃まで活躍するため、その期間中は曲がりなりにも大河らしさを感じられるものです。『花燃ゆ』の吉田松陰しかり、『おんな城主 直虎』の井伊家の男性しかりです。『天地人』でも、子役の時は楽しめたのです。しかし今回は衣裳のせいもあり、第1回からの違和感を引きずったまま来てしまった感があります。

今まで戦国と言えば鉄板でした。男性主人公の戦国大河の面白さは、やはり本人の経歴に裏付けられる描写と、その間に点在するフィクションでしょう。しかし生憎今回は、それらをさほどに観ることもなく、それどころか、主人公が恐らく行っていないであろう桶狭間に行くなどという超展開で、さらには衣装のことなどが積み重なって、昨年同様途中で観ないという決断に至りました。

無論来年もまだどうなるかはわかりません。これも少し前に書いていますが、待つ間が花ということで、始まってみれば面白くないということもあるし、その逆に、いい意味で期待を裏切られたということもであるでしょう。視聴率もリアタイがそうでなくても、総合視聴率でそう悪くないということもあるかもしれません。尤も来年は関東が地元なのですから、東京の数字がNHKとしては気になるだろうと思います。いくら何でも『いだてん』を下回ることはないかと思いますが。

これを機に、NHKは戦国大河の主人公をもう一度考え直してはどうかと思います。地元からの要請もあったのでしょう、しかしやはりこれだと信長が主人公の方がふさわしいです。無論、今後も大河を続けるのであればの話です。

飲み物-カクテルブルー
[ 2020/07/27 00:45 ] 大河ドラマ 麒麟がくる | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『青天を衝け』の感想も書いています。またBSで再放送中の『黄金の日日』の再放送も観ています。そしてパペットホームズの続編ですが、これは是非とも来年の大河が始まる前に、三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、『相棒』をはじめとする刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2021年には北半球最強であるブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとの試合も組まれています。このチームにいい試合をし、今後さらに上を目指してほしいものです。国内のラグビーも、2022年からはいよいよ新リーグがスタートです。

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