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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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おんな城主 直虎-47 決戦は高天神あらすじ&あれこれ

相変わらず歴史が描かれない大河ですね。家康が家臣の前で妻子を殺したことを反省し、そして高天神城攻めが始まるのですが、その裏方の様子に、長々と時間を割いています。案の定武田氏滅亡までの時間が極端に短い、これはないでしょう。

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石川数正は自刃しようとするが、本田忠勝が止める。家康は家臣の前で、瀬名と信康を死なせたことを反省し、力を貸してくれと頼む。また万千代は榊原康政に、腹を割って話すように勧めたのはそなたかと訊かれ、先代に倣ったと答える。そして徳川に織田の援軍も加わり、高天神城攻めを本格化させるが、信長は降伏はさせるなと伝えていた。高天神城は兵糧攻めのため、周囲の砦用に材木が必要であり、奥山六左衛門と中野直之が一役買うことになる。二人は横須賀城で、軍議に加わる万千代を見て嬉しそうだった。

一方おとわは、戦のない世を作れないかと考えていた。天下布武を目指す信長に、今の時点では誰も逆らえなかったが、毛利とつながりのある安国寺恵瓊は、信長が高転びすることを示唆していた。そして六左衛門と直之は、高瀬と同じ方言を使う者を間者とみなし、本陣へ連行する。そして万千代は、高天神城の水切りに成功して二万石の加増となった。万千代は井伊谷の安堵を最早望んではおらず。また六左衛門と直之を家来にしようとしていた。そんな折高天神城から、降伏の矢文が来たことを常慶が伝えに来るが、最終的には武力を使うことになる。

敵を味方にする家康の策を知ったおとわは、政次を忍びつつ竜宮小僧の井戸に行き、直之がいるのを見つける。直之は自分は井伊谷の番人になる、殿が女子であったこと、その井伊谷が潰れ、ならば自分が万人になると決めていた。しかしおとわの、戦をせぬという戦が自分の弔い合戦であるという言葉にうなずく。そして武田勝頼は追い詰められ、天目山の戦いで自決する、その首は晒し首にされ、織田方の武将たちによって、かつての武田領が支配されることになる。そして駿河を統治することになった家康は、三つの盃に酒を満たし、妻子を弔った。

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今回の疑問点です。

  • 例によっておとわの「戦無き世」、この時代にありえない話です。これについては次の投稿で詳しく
  • 高瀬と同じ方言即ち武田領、すなわち間者。単純すぎ
  • おとわがまた尼姿で、父兄参観よろしく横須賀城に来るのが不自然
  • 家康の「降伏を促す」「敵を味方に」は、戦国時代の包囲戦であれば珍しくない話なのに、それに反応してみせる万千代は今まで何を学んでいたのか
  • 直之のセリフが、何かこれまでの辻褄を合わせたような長口上なのがおかしい
  • 天目山の戦いまでの展開が端折りすぎ
  • しかも勝頼が洞窟のような所にいるが、どう見ても、関ヶ原敗走後に身を潜めていた石田三成に見える
  • ご丁寧に晒し首、本当に生首の好きな大河ですね

あと3回ですが、段々録画視聴も苦痛になって来ました。あらすじがもう少し簡単になるかもしれませんので、その点ご了承ください。以前から朝ドラ的という表現を使っていますが、これ朝ドラにしたら、すべての場面がそれなりに決まりそうです。しかし大河として観ると実に緩い。あと上杉祥三さん、『風林火山』の「おのれおのれ」の高遠さんが、織田方の水野忠重役で登場していましたが、明智光秀役の光石研さんといい、『風林火山』出演者が、ちょい役、あるいは数回登場といった感じで出ていますね。(橋本じゅんさんを除く)

ところで『風林火山』関連でもう一つ、この高天神城攻めが志賀城攻めと重なって見えます。要は家康が降伏させ、使者を立てて開城をと主張するのに対し、信長は武力を使えと言う。志賀城は、勘助が降伏を望むのに、晴信は総力攻めじゃと言い、美瑠姫が小山田信有に助けられることになります。そういえば勘助の内野聖陽さんは、『真田丸』の家康ですが、あの時の家康は高遠にまで攻め込んで来てもいました。今回『風林火山』で、高遠頼継を演じた上杉さんを出したのは、『真田丸』の高遠での家康とも関連付けているのでしょうか。

それと『風林火山』第35回の紀行で、久能山東照宮が紹介されていました。この紀行の最後の部分に、家康が駿河を取るといったナレがありましたが、だから今回は高天神城で、駿河を取る設定なのかなともついつい思ってしまいます。時代背景もあるにせよ、やけにだぶる気がするので。

それにしても南渓の天下布武発言、もう少しでどうのこうのと、何やらこの時点で、その後の世界を知っているが如き物言いです。和尚はタイムスリップして来た人物なのでしょうか。

[ 2017/11/27 23:45 ] 大河ドラマ おんな城主 直虎 | TB(-) | CM(0)

直虎と女性大河-20

『おんな城主 直虎』、あと4回になりました。しかし徳川とか織田とか、この大河にしては戦国らしい描写があっても、おとわが出て来ると話がおかしくなる。また万千代も一万石取りの割には重みがない。特におとわは、『花燃ゆ』の美和と同じようなスタンスとなっているわけですが、それでも美和はまだ、思う男性は一人だけでしたし、明治になっているのに、というか明治になっていたからなのか、武家がどうこうと自己否定をするようなことはありませんでした。

『江~姫たちの戦国~』は、歴史描写はちゃんとあったのですが、主人公をはじめとする、女性キャラの絡み方がやはりよくありませんでした。しかしこの3つを比較した場合、一番まともでした。「戦はいやじゃ」もありましたが、今の『直虎』のおとわの言葉に比べたら、まだ可愛いとさえ思えます。しかしNHKは、この3つの女性主人公の大河に対する視聴者の反応から、きちんと何かを学んだのでしょうか。

最近NHKの受信料の取り立てが厳しくなっていることは、かなり問題視されています。実際動画を撮った方などもいるようですが、闇金の取り立て同然に、家の中にまで入って来るともいわれています。そうまでして徴収した受信料が、こういう大河や、クロ現のような番組に使われていることに、本来はもっと抗議していいでしょう。今後電波オークションを巡って、NHKも、経営方針を余儀なく変更されることになるかもしれません。

無論こういうのが好きという人もいるでしょう。それはともかくとしても、好きではないが、こういう作品でも受け入れたいという人もいるようです。しかし受信料を使い、しかも大河枠を使って放送されている作品には、もっとシビアになってしかるべきかと思います。今年は特に、「城主」というマジックワードによって、期待した人も多かったかと思います。しかしふたを開けてみれば、いつもの女性大河、しかも『花燃ゆ』以下などと言われる作品となりました。

もう大河の主人公は男性「限定」でいいはずです。無論『天地人』のような例もありますし、あまり有名でない男性だと、50話は厳しいかと思います。そもそもNHKの制作陣にやる気が感じられない、あるいは間違った方向にやる気を出しているというのが、一番の問題点であると思われますので、この際外部委託するとか、時代劇専門チャンネルと組んで制作するとかした方が、面白いのが作れるのかもしれません。

無論、女性主人公を全くやるなというわけではないのですが、もっと重厚な描き方をしてほしい。原作をつけて、群像劇的に周囲の男女も描いてほしい。そして主演も、それなりの女優さんにお願いしてほしい。前出の3作の場合は特に、主人公の設定がどうもチャラくていけません。言い方を変えれば、女性大河をお気楽に描くという時点で、その実女性主人公を、かなり軽視していると取れるわけです。それで質のいい作品が作れるとは思えません、作らない方がましでしょう。

飲み物-ホットカフェオレ
[ 2017/11/21 00:45 ] 大河ドラマ おんな城主 直虎 | TB(-) | CM(0)

おんな城主 直虎-45 悪女についてあらすじ&あれこれ

信康事件、家康はあの手この手で、何とか信長の機嫌を損じずに、ことをうまく運ぼうとします。しかし瀬名が、武田への内通の証拠と思われる文を残し、石川数正と共に行方をくらまします。家康の計画に、暗雲が立ち込めることになります。

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おとわは瀬名に会うために岡崎城に行くが、そこで信康を捕える徳川の家臣たちを目の当たりにする。その中には万千代と万福もいた。家康は、信康を幽閉するための城をくるくると変えて時間稼ぎをし、その間に今川氏真を立てて、北条と密約をかわそうとする。しかし瀬名は、自分が武田と内通したという証拠を残すと、石川数正だけを連れて姿をくらませてしまう。井伊谷に立ち寄った二人はおとわと会い、更に家康の策を伝えに来た万千代と万福に会う。そこで二人は、家康の策を知らされる。おとわは二人を匿おうとする。

さらにおとわは、瀬名が疑いを掛けられ、家のために命を捨てることをなじるが、既に瀬名は覚悟を決めていた。そして数正と龍潭寺を後にし、途中で数正と別れると、徳川の兵に捕らえられ、斬首される。その後氏真は、北条と話が付いたことを報告に来るが、既に家康の許には瀬名の首級が届いていた。家康も万千代も、それぞれが自らの責任であると主張する。瀬名の内通は酒井忠次によって織田信長に知らされ、信長は好きにせよ、余も好きにすると酒井に伝える。そして信康は、天正7(1579)年9月15日、自害して果てた。これにより岡崎城は混乱する。

おとわは例の井戸の側で、武家の世はこういうことばかりだと嘆く。南渓はそんなおとわに、ならばそなたがやってみろと言い、おとわは浜松城へ向かって万千代と面会し、ここでもまた戦に関して繰り言を述べる。その頃家康は、皆の意見を聞いた結果がこれだと言い、最早誰の指図も受けない、自分ですべて決めると言い張る。しかし万千代は、負け戦は間違いを正すことが肝心と言い、おとわが持って来た、瀬名の紅入れを家康に渡して、御方様が見ておられますと家康に忠告する。その紅入れは、龍潭寺で瀬名がおとわに贈ったものだった。

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今回の気になった点です。

  • 北条との密約云々、実はこの大河に登場しないことが絡んでいて、それを描かないので何かおかしくなっている。詳しくは後述
  • 井戸での出会いが偶然すぎで噴飯もの
  • おとわが自分より身分が上であるはずの瀬名に、タメ口を利くのもおかしい
  • 例によってはおとわが、武家はこうだの、家のために命を捨てるなだの、この当時としてはありえないであろうことを平気で言う。これも後述
  • どう見ても瀬名の犬死。こんな設定でなく、きちんと自害をさせた方がよかった
  • おとわが浜松に行って、しかも一万石取りの万千代と立ち話というのも変


まず北条と密約というのは、要は御舘の乱絡みですね。先日の田中城攻めでも触れましたが、この時北条は養子に出した上杉景虎(長尾景虎ではありません)が、家督を巡って景勝と争い、間に立った武田勝頼が不在の時に、景勝が景虎を討ち取ってしまいます。このため北条は武田との盟約を破棄し、徳川について武田を攻めることになるのですが、それが全然描かれていないので、家康が信康を延命させるために打ち出した、苦肉の策のようになっています。


それからおとわですが、彼女の目つきがまたすさまじい。ちょっと某野党の議員を思わせるのですが、それはともかく。まず瀬名へのタメ口に始まり、龍潭寺ではこう言います。


死んでいく奴は皆左様なことを言う!

お家のために命を捨てるは己の本懐。

そんなことばかり言いよる!

残される者のことを考えたことはあるか。

助けられなんだ者の無念を考えたことはあるか!

もう二度と私はあのような思いはしとうない!

徳川殿を大事というなら、どうか左様な思いはさせないでくれ


さらに井戸端でも、南渓にこう言います。

理不尽に命を差し出せといわれ
差し出す方は本懐などと笑い

この時代、こういう発想はまずないでしょう。むしろ瀬名の考えの方が普通であったと思われます。仮におとわがこういう考えであったとしても、物言いが下品すぎる。特にこの点に関しては、以前から何度か触れていますが、『風林火山』にぶつけている感があります。これに関しては、改めて書きたいと思います。しかし戦がどうこうと言う割には、万千代もその後何度も戦で手柄を立てますし、徳川家に至っては、大坂の陣で豊臣家を滅亡させてしまうのですが。

それにしても、龍潭寺で徳川が運が強い云々と言っていますが、瀬名が助かったのは人質交換がうまく行き、なおかつ石川数正が馬を飛ばして駆けつけたからです。しかし、それに関する数正への言葉がないのですね。あの時おとわもいたでしょうに。それと例の碁石、あれは『花燃ゆ』の「ボタオ」を連想させます。同じ無名の女性主人公の大河同士で、似たシーンが登場です。

あと石川数正の「お方様ほど美しい人はいない」、結局何を言いたかったのでしょう。要は、瀬名と数正が駆け落ちでもしているような雰囲気にしたかったのでしょうか。この大河は、どうもこういうシーンが目につきます。さらに人物設定も、これも以前も触れましたが、通り一辺で深みに欠けるなと思います。それから菜々緒さん、初めての大河で頑張ったと思いますが、残念ながらこの人は今一つ奥方という感じではありません。

[ 2017/11/20 23:45 ] 大河ドラマ おんな城主 直虎 | TB(-) | CM(0)

直虎と女性大河-19

『おんな城主 直虎』で、直虎ことおとわの出番は、既に終わっているようだというのは先日も書きました。なのに無理やり出番を持って来ているようで、それが不自然に映ります。主人公が絡むと面白くなくなる女性大河というと、やはり『花燃ゆ』を思い出します。あの時も美和が萩の乱で長州に戻ったり、その前には薩長同盟に参加したりしていたわけです。直虎は曲がりなりにも領主だから、もう少しましだろうと思っていたのですが、結局あまり変わりませんでした。

今回は『花燃ゆ』よりももっと生々しい表現が多く、また下ネタ的、BL的な物も多いです。しかし思うのですが、制作サイドはどのような意図でこういう表現を入れているのでしょうか。どうも、戦国時代のリアリティを出そうとして入れているのではなさそうです。もし本当に入れたいのであれば、それ以前に、ストーリー展開をもう少しそれらしくするでしょう。しかし実際のストーリー展開は、戦国のそれとはかなりかけ離れているようです。

特に今回は「戦は嫌」のみならず、家の否定に城の否定までやっているし、おまけに万千代の仕官後も変にBLや下ネタが多い。視聴者はこういうのが好きだと考えているのでしょうか。どうも、制作陣のそういう発想を疑わざるを得ません。確かに一部の人には受けるかもしれません。しかしどれだけの人が、それをよしとしているのでしょうか。結局これは制作陣の勝手な思い込みであり、あるいは読み違いともいえます。

そもそもヒストリアで採り上げられたレベルの、それも史料が少ない人物を、いきなり大河の主人公にするという時点でおかしいわけです。さらにそれに、制作陣のバイアスがかかってしまっています。そういう作品を、「一部の視聴者」へのアピールのために、ここまで受信料をつぎ込んで、贅沢に大河枠を取って放送する必要などないでしょう。大河をあまり観ない女性層を取り込む狙いもあるでしょうが、無理に史料のない女性を主人公にする必要もないのです。男性の主人公で十分です。

むしろ男性の主人公がどうやってその時代を生き、それにどのような女性が絡んでくるかをきちんと描いた方が、よほど視聴者を魅了するはずです。男性の主人公だと血生臭いシーンが多いといわれますが、今回だって血生臭いシーンはあります-ただ本編と馴染んでおらず、取って付けた感があります。歴史に付き物の血生臭さを、無理にストーリーから除外した大河、あるいは無理に絡めた大河はどちらも不要です。

ところで、ご存知の方もいるかもしれませんが、『直虎』のディレクターである福井充広氏は、『風林火山』でも演出を担当しています。『直虎』の「長篠に立てる柵」と、『風林火山』の「裏切りの城」、どちらもこの方の演出です。しかし『風林火山』の方が、戦国の非情さを表しているのも事実です。やはり制作統括が違うと、あるいは登場人物が違うと、演出が同じ人物でも作品そのものはかなり違ってくるものです。

飲み物-シナモン珈琲
[ 2017/11/14 00:00 ] 大河ドラマ おんな城主 直虎 | TB(-) | CM(0)

おんな城主 直虎-45 魔王のいけにえあらすじ&あれこれ

今日はまずこちらからです。岡崎と浜松の対立が深刻になって行きます。しかし、もう主人公を絡ませず、徳川と織田だけで展開した方がよくはないでしょうか。

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家康暗殺を企てた近藤武次が、信康の家臣の縁者だったことが判明し、信康の家臣たちに、城下に住まず領地に戻るようにとの処断が下される。自らを責める信康は、功を挙げることで汚名挽回を図る。しかし酒井忠次は、信康を許すのに乗り気でなかった。一方で家康に息子の長丸(後の秀忠)が生まれ、万千代は命じられて岡崎城に知らせに行く。信康には嫡子がおらず、これに不安を感じた瀬名は側女探しを始め、おとわに手紙を送るが、おとわが徳川家の事情を知ったのは、瀬戸方久の言が決め手であった。その頃織田信長は、信康の正室で娘の徳姫からの書状により、側女探しのことを知る。

その頃信長の家臣、明智光秀が岡崎城を訪れて、信康に従五位下の官位を貰って、箔をつけることを勧める。しかし信康は何か危うい物を感じ取り、丁寧に断る。その後安土城が完成し、酒井は祝いに訪れるが、その時信長と明智光秀から、信康と武田が内通している証拠を突きつけられ、更にこれは浜松の指示かと問い詰められる。酒井は圧倒され、まずは調べてと安土を後にするが、家康はこれに怒る。織田に取って徳川は、大きくなりすぎては困る存在だった。しかも信康の側女はかつて武田とつながりがある人物だった。家康はこれで悩むが、母の於大の方が家康を訪れ、信康を斬るように命じる。

ある日化粧をしている瀬名の許へ、南渓と尼頭巾姿のおとわが訪れる。還俗したのではないかと問う瀬名。おとわは外を歩き回っても怪しまれないように、わざと頭巾をかぶっており、その場で取ってみせる。安産祈願のための訪問だったが、その時騒ぎが起きる。榊原康政がその場にいて、内通の疑惑により、信康を処刑すると言明する。ならば傅役の私がと身代わりにと、平岩親吉は言うが、信康は必ず戻って来ると言ってその場を後にする。そして今川氏真の許には、松下常慶が密書を持って訪れていた。その密書は扇で、炙り出しにより文字が浮き出る仕組みになっていた。それには徳川からの協力要請が記されていた。

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この回は徳川のシーンが長かったせいか、結構面白いという評価もあったようです。しかしそもそもこの大河は、おとわ絡みの創作シーンが多いため、たまに普通の大河ドラマ的なシーンが登場すると、面白く見えると言った方がいいのかもしれません。では今回の疑問点です。

  • 相変わらず家康が家臣にサポートされている印象あり、しかもこの大河にありがちなことですが、信康処刑に至るまでの苦悩が描かれていない。むしろ、信康の方が自分で決断しているように見える。
  • 瀬名も家康に側室がいること位知っていたでしょうに、男子が生まれて急に騒ぐのはちょっと要領を得ません。こういう確執は何回かかけて描くべきなのに、急に展開してくるからなおおかしい。
  • 織田信長の服装がおかしい。元々の魔王スタイルがさらにエスカレートした感じがあり、カーテンか緞帳で作った衣装に見えてしまいます。いくら何でも、畳の上でブーツはありえないでしょう。
  • 明智光秀と平岩親吉が年取りすぎ。しかも光秀はどちらかというと、白髪でなくて「金柑頭」だし、この頃は丹波攻めではないでしょうか。親吉はこの時まだ四十前で、小田原征伐に参戦しているはずなのですが。
  • 瀬名が側室探しでおとわに手紙を送るのも何かおかしい。他に人脈があるはずでしょう。主人公を出すために必死だなといった感じです。
  • そのおとわが、外出の時は便利だからと尼頭巾というのもご都合主義な展開。さらに何度も書いてはいますが、農婦なのに打掛を羽織るのも変。
  • それから今川氏真への密書が炙り出しになっていますが、炙り出しは確か江戸時代からではなかったでしょうか。
  • 竜宮小僧改め今度は「鬼ばばあ」ですか。この辺が朝ドラ的なんだなあ…。

そして於大の方役の栗原小巻さんですが、元々しっかりした顔立ちだからでしょうか、何かいかつく見えますね。それから信長が文鳥を撃つシーン、愛知県で白文鳥が繁殖されていたことにちなむのでしょうが、文鳥も確か、江戸時代になってから紹介されたといわれています。あと瀬名の紅が少ししか残っていないことが示唆的ではありますが、何か本末転倒です。こういうシーンに気を配るのなら、主人公の設定や、藤の花の作り物感もどうにかしてほしいものです。

それと『風林火山』と似通った点についても、これまで何度か書いていますが、今回は太郎と信康がそれぞれ「不幸な嫡男」という点でしょうか。尤もこの2人は、結構似通っている所があるにはあります。

[ 2017/11/13 21:00 ] 大河ドラマ おんな城主 直虎 | TB(-) | CM(0)

直虎と女性大河-18

先日も触れましたが、『おんな城主 直虎』もあと6話を残すのみとなりました。しかし今のおとわの登場場面にはさほどの意味が感じられず、今後毎回登場しても、一体何をしたいのかが見えて来ません。母の祐椿尼が亡くなった時点で身を引き、最終回にまた登場するという設定でよかったでしょう。この人は歴史に残る死に方をしたわけでもなく、そのため引き際は比較的自由に設定できると思われますが、なぜかこれでもかと出て来るようです。

正直直虎=おとわの部分は夏までで、後は徐々に直政に移行させるべきでした。50話すべての主人公にする必要はなかったでしょう。それからキャスティングですが、菅田さんも人気があるという理由で選ばれたのは事実でしょう。しかし脚本と演出のせいなのでしょうが、如何にも下品な印象を与えています。第一あの時代、殿の御前で片肌脱ぎなんてありえないでしょう。こうまでして歴史上の人物を貶めている(といっていい)理由は、一体何なのだろうと思います。

脚本の森下佳子さんによれば「大河を息のできるところに戻してあげたい」なのだそうです、しかしこの大河はまともに息をしているどころか、青息吐息状態なのではないかと思っています。それとネット上で、この第44回に登場するセリフが、元々のベルばらのセリフのパクリではないかという指摘もあるようですし、また茨を植える行為というのは、このサブタイに合わせたたためだけという印象が強く、どこか取って付けたような印象を受けます。

この大河には生首とか、あるいは槍で政次を刺殺する(これもどうにも不可解ではあります)から、『江ー姫たちの戦国ー』や『花燃ゆ』とは違うという声もありましたが、それも疑問です。そもそも戦国らしい緊張感を描いてこそ、生首や刺殺といった描写も生きるのであって、そういう緊張感がまるでないのにそういうのをいきなり持ち込んでも、違和感ありまくりで、受け狙いにしか見えないのです。ならばきちんと戦国大河として描くべきでした。

それと、徳川家の人々が如何にも頼りない。織田と同盟して、武田を追い詰めている時期であれば、もう少し家康も家臣たちも、ぎらついた部分があっていいはずなのですが、それがまるでない。なんだかんだ言いながら、物分かりのよさそうな家臣もいるし、その意味で、万千代と万福の二人が切磋琢磨されているようには見えません。結局この万千代のパートも、直虎=おとわのパート同様のご都合主義が目につきます。

何よりもドラマを観ているというより、制作側の自己顕示欲を見せつけられているような気になってしまいます。どのような大河であれ、制作側の意図が出るものではありますし、今までもそれが嫌だなと思ったことはありました。しかしここまで歴史をないがしろにするのは、やはりいまだかつてなかったことです。この点で『花燃ゆ』を上回ってしまったこの大河の制作陣は、史上最悪の大河の制作陣として、名を残すことになるのでしょうか。

飲み物-ローズヒップティー
[ 2017/11/08 01:15 ] 大河ドラマ おんな城主 直虎 | TB(-) | CM(0)

おんな城主 直虎-44 井伊谷のばらあらすじ&あれこれ

今回も万千代と万福が中心の展開ですが、正直いっておとわのパート、ここまで要らないだろうと思います。しかも万千代と万福の方も、何やら下世話なネタが中心になっています。

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万千代と万福は田中城攻めに参加するが、小姓の身分では武功も挙げられず、信康を通して、戻ったら元服をしたいと家康に頼む。その後万千代は家康の寝所の番をしていて、怪しげな人物を見つけるが見失う。翌日万千代はある策を講じる。家康が戻っても万千代は目を覚まさず、家臣の近藤武助が薬湯を作るが、跳ね起きた万千代に毒見をしろといわれ、武助は戸惑う。薬棚の扉の結び目が違うことから、武助は武田の間者と見抜いた万千代は、揉み合ううちに左肩を負傷した。そして万千代は武田の間者を討ち取ったとして、一万石を与えられることになった。しかし寝所での功ということで、あらぬ噂をする者もいた。

井伊谷では、出家したなつが、万福からの手紙を持って龍潭寺を訪れていた。一方母の祐椿尼は心臓を病んでいた。幼き頃より心配をかけ、孫を抱かせることもなくと自らを責めるおとわに、南渓は方便であろうと口を挟む。孝行をと思うおとわは、母の病のことは知らぬふりで、時々皆に会いに来てくれるように頼み、寺に茨を植える。しのが寺を訪ね、万千代の一万石の話をするが、おとわはそのことを知らされておらず驚く。そして自らの死期を悟った祐椿尼は、最後にもう一人だけ会いたい人物がいるといい、万千代宛ての文を書いていた。そしておとわは近藤康用の許を訪ね、一万石のことを話すが、近藤もその件は初耳だった。

その時万千代と万福が戻ってきており、結局おとわと万千代は井戸の側で、二人だけで会話をする。おとわは、井伊を取り戻したと言う万千代に、ここは近藤殿と私でどうにかする、さようなことは下らぬと言う。万千代は、その下らぬことすらできなかったのは誰だ、ただできぬことから逃げただけだと言い返すが、おとわは家督は譲らぬと意地を張る。その後戻って来たおとわと昔話をした祐椿尼は、多くの人に文を残して世を去り、万千代は元服前ながら家臣として加えられることになるが、ここでも妙な噂をする者がいた。万千代はこのおかげだと、片肌を脱ぎ傷を見せる。一方で信康と瀬名には、暗い影がさしかかろうとしていた。

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万千代の戦場での手柄
祐椿尼の死
万千代対おとわのバトル
今回も大まかにいえばこの3つがテーマで、しかもたかだか30分程度で終わってしまう内容ではないかと思われます。相変わらず、戦国を意識した描写がなく、徳川家の人々に何か精彩が乏しいように思われます。特に家康と忠勝といえば、個人的にこのお二人のイメージが強いせいかもしれません。(『真田丸』DVDシリーズより)

真田丸家康と忠勝

では今回の疑問に思える点です。

  • 薬棚の結び目云々、妙に細部にこだわっていてトリックが幼稚。しかも当の間者が、その時必ずしも薬湯を作るとは限らないわけですが。あと左肩の傷も、要はあの『遠山の金さん』ポーズをやらせたかったからに見えますし、その辺が受け狙い臭い。
  • 受け狙いといえば、一々薬の名を出したり、茨の名前を出したり。最初の頃はそれも面白かったのですが、ことあるごとにこういうのを出して来て興ざめです。
  • 直虎の「寝耳に水」、これは、あまりよくないことが出来したという意味が大きいと思えます。「寝耳に水の果報」という言葉もありますが、「思いがけないこと」くらいでよかったのでは。
  • 寝所だの槍だの、今まで観た大河でもやけに思わせぶりな表現が多い大河です。
  • 井戸の側での直虎の「非戦論」、あれもどうにかならないかと思います。「戦はいやじゃ」と何ら変わりません。しかしああいう養母に育てられた万千代が、なぜあそこまで、当時の武士としてはまともな知識を身につけたか、それも不思議。ノブにでも習ったのでしょうか。
  • それと祐椿尼と直虎の会話が長すぎ。朝ドラ的展開。また茨はサブタイに合わせるためでしょうが、何か付け足し感がありますし、祐椿尼の文のシーンもしかり。ああいうのこそナレですませられるのでは。しかし桶狭間後といい、お手紙おばさん的な印象になってしまいましたね。
  • それから前から不思議でしたが、龍潭寺の関係者が全然老けたように見えないのはなぜでしょう。不老不死の修行でもやっているのでしょうか(苦笑)。

それと以前、同じ日の『風林火山』に対抗させていないか、そう思われる描写について書いたことがあります。無論、細かい描写でそれぞれが似て来る場合はありますが、今回、おとわが母に心配ばかりかけたと心情を吐露するのと、『風林火山』で、ヒサが父十吾郎の墓前で、父上に何もできなかったと涙を流すシーンと、何となくだぶるものがあります。

『風林火山』といえば、戦はいやじゃ的文句を並べるおとわには、このやり取りを進呈したいと思います。

宇佐美定満「一国を滅ぼしてまで、何のために戦うのか」
山本勘助「生きるためじゃ、我が思う人のためじゃ!」

この大河、こういう格好いいセリフがないのですね。しかしおとわは実戦は無理でも、「生きるため」「思う人のため」に、地道に努力することをしたのでしょうか…。

なんだかんだでこの大河もあと6エピになりました。

[ 2017/11/07 00:45 ] 大河ドラマ おんな城主 直虎 | TB(-) | CM(0)

直虎と女性大河-17

今回はまず過去の女性、あるいは夫婦を主人公にした大河の中で、大河で面白かったもの、あるいは大河でなくてもよかったものについて、書いてみようと思います。ただしDVD発売、あるいは総集編のみであっても、再放送が行われた作品に限っています、1967年放送の『三姉妹』はDVDが発売されていないので除外、また現代物も今回は除外しています。また総集編のみ、あるいは一部のテレビ再放送のみで観た大河には(*)をつけています。

大河で楽しめた作品
草燃える(*)
おんな太閤記
春日局(*)
毛利元就
功名が辻
篤姫
八重の桜

大河で楽しめなかった作品
花の乱
元禄繚乱(*)
利家とまつ
天地人
江-姫たちの戦国-
花燃ゆ
おんな城主 直虎

まず大河で楽しめた作品の方です。女性メインでありながら、男性の活躍も描かれているというのが主な理由です。『毛利元就』に関しては、結構男性パートと女性パートが分かれているところもあり、男性パートは結構楽しめました。それと、宮本信子さんの妙は結構よかったです。『功名が辻』は、主人公がやけに反戦的で、その意味で戦国らしからぬところはありましたが、秀次事件などはそこそこ描かれていたので、何とか合格。雰囲気的にはホームドラマ風で、翌年の『風林火山』とは、OP、本編共々かなり違った印象でした。

そして大河で楽しめなかった作品。『花の乱』は応仁の乱前の様子を描いていて、その意味では貴重なのですが、反面馴染みの薄い時代、公家風な雰囲気のある室町将軍ということで、いささか迫力に欠けたと見られた嫌いがあります。『元禄繚乱』は一番新しい忠臣蔵作品ですが、大石内蔵助夫妻の雰囲気がちょっと今一つ。今までなかった物を盛り込もうとして、いくらか失敗したようにも見えます。『利家とまつ』も、色々脚本やキャストを変えてみた結果、それまでの大河ファンが離反したようにも感じられます。『天地人』以降はいわずもがなです。

元々男性大河と女性大河を分けるべきなのかという疑問に加え、その女性大河のジャンルの半分以上が、少女漫画的なネタになっていることを思えば、最早存在そのものが否定されても致し方ないところです。無理して大河にしなくても、土曜時代ドラマやBS時代劇などで十分作れるし、そちらの方が大幅にアレンジしても、批判は少ないわけです。以前も触れたと思いますが、まずこういう番組でドラマ化し、反響が大きければ、その後手を加えて大河化することもできるのです。

そして大河の主人公というのは、やはり限られます。今年のように、統括のプロデューサーが、いくらこの人がいいと思っても、50話を作るのは無理がある人物もいるのです。なぜそこで、BS時代劇の企画が持ち上がらなかったのか、その点が如何にも不明です。自治体レベルで地元の英雄を大河化という声もあるでしょう。ならば群像劇にするしかありません。実際次に戦国大河をやるのであれば、最上、上杉、伊達と周辺の大名たちの群像劇にしてほしいです。

それとこれは『直虎』第43回のあらすじ&あれこれで、どうせなら万千代が、小姓たちの間でもっと揉まれてもいいのではと書きました。結構海外ドラマなどでも、似たようなことがあります。『ホーンブロワー海の勇者』の第一話で、海尉心得(候補生)の間でもめ事が起こり、決闘することになりますが、こういう男性の精神的成長のようなものが、特に最近の女性主人公物では描かれないなと思います。脚本家の人選もあるのかも知れませんが。

飲み物-コーヒーと砂糖とミルク
[ 2017/10/31 01:15 ] 大河ドラマ おんな城主 直虎 | TB(-) | CM(0)

おんな城主 直虎-43 恩賞の彼方にあらすじ&あれこれ

このあらすじ&あれこれもやっとあと7回になりました。録画視聴で、しかも1度しか観ていないので、雑になっているかもしれませんが、悪しからずご了承ください。正直言って、万千代編になっても何か面白くないですね。

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万千代と万福は小姓となった。しかし既に他の小姓たちは雑用に追われており、座って見ておけと言われる。仕方なく庭の足場固めをする二人。一方でノブは一人で、恩賞を求めてやってくる武将たちの草履の管理に追われていた。彼らに名札用の紙を配る万千代。また、新参者は入るなと言われるものの、養生に気を遣う家康のために薬を持参し、個々の恩賞の対象を家康のために整理する。しかしそれで徹夜し、部屋から出て来たところを先輩の小姓に見とがめられる。一方その頃おとわは、甚兵衛から、木を伐採したために山崩れが起き、川に土砂が流れ込んだと知らせを受ける。おとわは近藤康用にこれを打診し、乗り気でなければ、信長拝領の茶碗を売ると言う。

おとわは臨済法師の「巌谷に松を植える」の言葉を持ち出し、今この事業を行えば、近藤の名は残ると意見する。松下常慶は浜松城に行って、万千代にこのことを伝える。万千代は絵が上手ということで、植林の方法を図にして井伊谷に送り、その礼として薬を所望する。その薬と共に、瀬戸方久からサボン(シャボン)が届けられる。その薬を家康に届けようとすると、やはり他の小姓たちの邪魔が入るが、自分は殿の寵愛を受けていると万千代は大見得を切る。また家康は、万千代の持って来た薬を毒見もさせずに飲み、井伊には信頼を置いていると言う。そして岡崎城に、万千代を遣ることにする。

岡崎は浜松や配下の国衆に比べると、長篠での武功は少ないものの、織田の援軍を得られたのは、岡崎あってこそであり、瀬名と遠戚関係にある万千代に、サボンを持たせて行かせたのであった。将来のことを考えて、恩賞の少なさは我慢すると信康。そして井伊谷では、おとわの指導のもと松が植えられていた。この木が育った時、井伊谷は誰の領地となっているのだろうと甚兵衛。またおとわは、南渓から万千代が小姓になったことを知らされる。また諏訪原城に、今後のことを考えて今川家の将を入れることになった。そして天正六(1578)年、松は大きく育ったが、甚兵衛はもう他界していた。またなつは出家を決意する。

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それでは前回同様、今回気になったこと。

  • 恩賞を求める武将が、あそこまで大挙して押し寄せるでしょうか。ラッシュ時の電車ではないのですから。それと、草履番(があったかどうかは疑問ですが)はノブ一人なのでしょうか。
  • 普通小姓に恩賞関連の整理をさせるかどうか、これも疑問。
  • おとわの茶碗を売る云々もどうかと思いますが、例によって農婦なのにこの時だけ打掛を着て、しかも近藤と差しで、立ったまま話すなどありえないでしょう。完全に現代劇、それも朝ドラ。柴咲さん、朝ドラのヒロインの方がよくないでしょうか。
  • 植林について。この当時護岸工事の植林とか(武田信玄の万力林、現万力公園などもそう)、あるいは街道沿いなどに木を植えることはあったようですが、系統だった植林は江戸時代に、藩が行わせたのがそもそもの発端のようです。
  • 万千代は絵がうまい説、何だか後付けですね。しかも小姓の仕事をしていて、それが描けるだけの時間があるのでしょうか。それとも某特命のように暇だったのでしょうか。
  • サボン、つまり石鹸が所謂マルセル石鹸風ですが、当時はかなりの希少品でした。瀬名はどうやってこのことを知っていたのでしょうね。尚尾籠な話ではありますが、当時は体を洗うより、便秘の薬として使われていたようです。
  • 信康が恩賞のことは我慢すると言っていますが、もし信康の切腹が親子不仲説によるものであれば、この反応はちょっと変。

しかしなぜ面白くないのか、それは今度はおとわのみならず、万千代に対しても都合のよすぎる展開になっているためです。これが万千代があれこれもまれて行く成長物語で、小姓同士剣を抜き合って応戦するとか、家康とか榊原にダメ出しをされるとかいうのであればまだしも、なんだかんだでうまく行き、果ては家康の権力をかさに着るような展開になっています。

直政(万千代)編になって面白くなったという意見もあります。無論、直虎の頃に比較すれば、多少はましになったと言えるかもしれません。しかし万千代が出て来たら出て来たで、また以前と似たような展開になっている部分が、そこかしこにあります。しかもこの万千代も家康も、家臣たちも全然戦国武将らしさが窺えないのですが…これが江戸時代ならまだしも、武田との戦いがまだ終わっていないと言っているのに、妙にのどかな印象があります。あと衆道の描写もネタ臭いし。

それと、相変わらず人物の内面を掘り下げない描き方ですね。次回でまた退場する人たちがいるようですし、恐らく最終回までこのペースでしょう。もう既にこの大河に望むことはないし、早く終わってほしいなと思います。

それから。先週この大河の打ち上げが行われたようです。記事のリンクは貼りませんので、興味のある方は適当に検索してみてください。しかしある報道によれば、本来大河の打ち上げに使わないホテルの部屋を、スタッフが間違って予約したとかで、何かこの大河らしいなと思います。結構盛り上がったようですが、少なくとも出演者にしてみれば、やっとこの大河から解放されたという気持ちが、少なからずあったのではないでしょうか。

しかしこの主人公のおとわより、『風林火山』の忍芽(真田幸隆の妻)の方がよほど毅然としていて、言うべきことをはっきり言う女性ですね。流石に、『真田丸』のおとり様です。

[ 2017/10/31 00:30 ] 大河ドラマ おんな城主 直虎 | TB(-) | CM(0)

直虎と女性大河-16

ネット上に大河の視聴率が上がったという書き込みがあったのですが、どうも台風と関係しているようにも見えます。ご存知のようにこの前の日曜日は、台風が四国から本州の太平洋岸に向かって進んでおり、そのため台風情報、果ては選挙報道を見るためにNHKをつけていて、一部地域でやや上がったということもあるでしょう。ちなみに関東では0.1パーセント上げでした。また対象外ですが、避難所でも、候補者の事務所でも、あの日はNHKがつけっぱなしだったかもしれません。

ところで何かと『おんな城主 直虎』(もう城主ではありませんが)と比較している『花燃ゆ』ですが、雰囲気や背景などは、『花燃ゆ』の方にまだ好感が持てました。江戸時代ということもあるのでしょう、『直虎』のあくの強さは感じられませんでした。また『花燃ゆ』の場合、最終的に美和と楫取が結婚し、後に防府に住むことはわかっていたので、最終回に向けての道筋はつけやすかったと思います。『直虎』の場合、本人が天正10年死去とはわかっていますが、その数年前の設定がしにくいと思われます。

そのため、尼にもならずあちこちに顔を出す設定になっているのでしょうが、はっきり言って出て来ない方が、スムーズにことが運ぶと思います。この大河は主役2人、そして準主役の設定がやはりおかしく、そのためドラマの本筋、少なくとも桶狭間後の遠州情勢や、今川を楽しみたいと考えていた視聴者に取っては、その期待を大幅に狂わされてしまった感があります。まず主人公の設定が、途中でかなり変わってしまった印象があります。

ネット上では、『真田丸』もこれも面白いとか、その逆に、『真田丸』もこれも面白くない、あるいは『花燃ゆ』と『真田丸』は面白くなかったけど、これは面白いという意見もあります。十人十色というか、まさに人の好みは様々です。私は、『真田丸』は王道大河としてではなく、三谷ドラマとして観れば結構楽しめました。いい俳優さんも出ていましたし、クランクアップ後の堺雅人さんの「長い旅でないと見えない景色」のコメントも、気が利いているなと思いました。

先日のツイッターに関する投稿でも書いていますが、『直虎』の場合関連イベントがあまりないのか、ネタ不足な感は確かにあります。しかも公式サイトが今一つです。歴史用語の解説なども行われていません。先日の万千代の「八介」などもアップすればいいのにと思います。八介とは、元々苗字の下に「介」をつけることが許された家で、日本で八家しかないのでこう呼ばれます。大内家などもそうでしょう。

あと「ユキロック」(中野直之と奥山六左衛門)なども身内受けといった感じが強く、たとえば「黙れ小童」のように有名なわけではありません。菅田さんが、昨年の北村有起哉さんのように、彦根城の祭りに参加するわけでもありません。知名度の低い主人公を、ドラマで一般に普及させようとして失敗している感があり、そのためキャラ変更で受けを狙ったとしか考えようがないのです。このドラマでの知名度アップは、逆効果のように思えます。どのくらいの経済効果があったのか知りませんが、ドラマ自体は尻すぼみの印象です。

しかし女性ドラマばかりあれこれ言うのも何なので、今度男性大河についても書こうと思います。尤も大河は多くが男性大河であり、恐らくはその魅力中心になると思います。ところで所謂女性大河は、5本のうち3本が幕末が舞台です。来年の『西郷どん』が、『龍馬伝』以来の男性主人公の幕末大河というのは、ちょっと意外です。近年幕末大河が多すぎなうえに、『花燃ゆ』を持って来たのは失敗だったといわざるをえません。戦国物も今度は、骨太な男性主人公を希望しています。

飲み物-ホットココア
[ 2017/10/25 01:00 ] 大河ドラマ おんな城主 直虎 | TB(-) | CM(0)
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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