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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  応天の門

『応天の門』源融、庭に古桜を欲す事一

寧(ニン)の件、島田忠臣の件と来て、今度は古い山桜の話となります。例によって奇妙な伝説のある木を、どうしても別荘へ移し変えたいという源融ですが、結局業平は、また道真に事件解決を依頼することになります。

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かつて桜の大木の下で、将来を誓った一組の男女がいた。男は坂上田村麻呂に従軍して、東国へと赴き、3年経てば帰って来ると約束した。

その後宮中では、在原業平が寧を逃がすため、意外な手を用いたことが評判になっていた。その時業平は、源信(まこと)が、融を探しているのを目にする。信は融が別荘に贅を尽くしているのを知り、戒めようとしていたが、その融は兄が去ったのを見計らうように、業平の前に姿を現し、自分の別荘へと連れて行った。

この別荘は四季折々の美を再現しており、確かに見事であったが、これでは信が怒るのも無理はないと、業平は内心つぶやく。しかし融は、これにもう一つ加えたい物があると言う。それは一本の山桜の木であった。しかし人足たちは、この木の側によるのは不吉だと言い、近づきたがらなかった。融は美しい物は呪われていても美しいと言い、業平にこうも言った。
「なびかぬ美女ほどそそるものはない。そなたにならわかるであろ業平」

しかし融に仕える童によれば、その木の周辺では不審なことが絶えなかった。結局業平は道真に頭を下げることになったが、その際寧を逃がしたことを散々恩に着せ、かつての塩焼きの宴のことで、道真の無礼(とみなされたこと)を取りなした件を持ち出しもした。道真はさほど気乗りではなかった。しかしその場にいた紀長谷雄は怖い物見たさということもあり、行く気満々で、ついに2人は業平の車で山桜を見に行くことにした。

その桜にはカラスが群れており、誰かが首を吊ったらしき縄も下がっていて、如何にも不気味な雰囲気だった。さらに木に近づこうとした長谷雄を道真は止める。その辺りにツタウルシがあり、踏むとかぶれる危険があるからだった。しかしツタウルシは普通は地面に生えず、木に巻き付くものだった。さらに下がっていた縄のうち、風雨にさらされない結び目の部分は、他の部分よりも新しいはずだったが、この縄はすべての部分が同じように古びていた。

道真は何者かが、この木を切り倒さないように、わざと近づかないための小細工をしているのではと疑う。しかもその少し前、木の側にいた山菜売りの女の存在も気になっていた。

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何やらいわくありげな桜の木で、どこか他の人物が細工をしたような、不自然な点が見られます。しかし長谷雄は怖がりなのに、一方で怖い物見たさで盛り上がるのは相変わらずです。無論業平もそれを見込んで、長谷雄を連れて来たようではあります。

[ 2018/02/18 00:00 ] 応天の門 | TB(-) | CM(0)

『応天の門』島田忠臣、菅家廊下につとむる事二

宜来子の父である島田忠臣は、かつて道真の父是善に師事していました。優秀さと、娘を道真に嫁がせる予定であることから、嫌がらせを受けるものの、道真(阿呼)に助けられます。しかしその阿呼に、自分は及ばないと感じるようになります。

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ある朝、道真の父是善が講義に赴くと、写本が水浸しになっていた。水差しの始末をしていなかったことを、是善に詫びる忠臣。ならばこの写しを二巻作れと是善は言うが、今度は忠臣の筆がなくなっていた。その前にも忠臣は紙を紛失しており、他の門下生の中傷が飛び交う中、当時阿呼と呼ばれていた道真がその場に現れて犯人を言い当てる。

実は阿呼は、忠臣の部屋の戸口と敷居に柿の渋を塗っていたのだった。忠臣より先にその部屋に入った者には、その渋がついているはずだった。しかもその男の着物から、忠臣の持ち物が色々と出て来た。その後写本を仕上げた忠臣は書庫で阿呼を見つける。

阿呼はそこで板切れに詩を書きつけていたが、忠臣を見ると逃げ去って行った。その場に残された板切れを見て、その出来に忠臣は驚く。しかしそこへ是善が呼びに来たため、忠臣は板切れを懐に入れ、講義の手伝いをするが、ふとしたことでその板切れを落としてしまう。

そこに書かれていたのは、以前是善が講義をした漢詩を読み直したものだった。是善は忠臣の作だと思い込み、それを門下生たちに見せて、己の力で新しきことを切り開くことこそ大事と訓示する。しかし忠臣は、その場で阿呼の作だと言えなかった己を恥じる。

忠臣は是善の跡を継ぐ予定だったが、阿呼が元服するまでという条件をつけ、その後は見聞を広めたいと是善に話す。しかし是善は、阿呼と忠臣の娘、宜来子を結婚させるつもりでいた。その阿呼は、まだ幼い宜来子に論語を教えていた。

8年後に戻った忠臣は、宜来子がいつの間にか眠ってしまっているのに気づく。その時、藤原基経の屋敷より車が来ていた。忠臣は大納言暗殺が失敗に終わったことを詫び、極刑をも覚悟するが、基経は、薬の替えはあっても、そなたの替えはどこにもおらぬと言い、自分のために詩を読んでくれと言う。

再び8年前。忠臣は阿呼に礼を言う。忠臣は阿呼が是善の跡を継げると確信していた。しかし阿呼は、父のような文章博士になるのではなく、唐へ行きたいと言う。忠臣は内心驚きつつも、ならばまず大学寮に入るように言い、勉強をするように勧める。

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既にこの頃から、捜査の方の才能も芽生えていた道真ですが、ヒントは柿の木に登っていて、女官からかけられた言葉でした。一方で忠臣は優秀な門下生でしたが、道真(阿呼)の非凡な才能、唐へ行きたいという強い思いに、自分とは違ったものを感じます。

そして現在(8年後)の忠臣は、すっかり基経の手下のようになった感があります。大納言は伴善男のことと思われます(詳しくはこちらを)。しかし基経が言うように薬が効かなかったのではなく、道真の処理が正しかったと、この場合は見るべきなのでしょう。

[ 2018/01/17 00:45 ] 応天の門 | TB(-) | CM(0)

『応天の門』島田忠臣、菅家廊下につとむる事一

唐から密航して来て、しかも殺人容疑をかけられた寧(ニン)を、協力してどうにか逃がした道真と昭姫は、談笑しながら歩いていました。しかしその二人を目にした宜来子は、道真が年上好みと思い込み、へそを曲げてしまいます。

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道真が昭姫と歩いているのを目にした島田宜来子は、ひどく腹を立てて戻り、夜具をかぶって拗ねてしまう。また戻って来た父忠臣にも悪態をつく。白梅は届けた干柿をそこに置いて、菅原家へ戻る。宜来子は、道真が年上の女性が好きである、しかも唐の女が好きであると思い込んでいた。

話はその八年前にさかのぼる。菅原家は私塾を開いており、寝殿の渡殿である、中門廊下に門下生を集めて授業を行っていた。阿呼とよばれていた道真は柿の木に登り、その様子を見ていた。するとそこへ、島田忠臣が現れて、木から降りて学問をするように命じる。

しかし阿呼は反発する。もう飽きた、一度聞いた話は二度と聞かずともよいと言い、それまでに覚えた詩をことごとくそらんじてみせる。忠臣はなすすべはなかった。道真の父是善もその点を案じており、忠臣は己の至らなさを恥じるが、是善は逆に、忠臣の娘の宜来子を阿呼の嫁にと言い出す。

東宮学士、つまり皇太子の師となった是善は、この塾を忠臣に任せるつもりでいたが、官位すらない忠臣は、貴族の出である他の門下生によく思われていなかった。そして忠臣は、学問をさぼる道真を机につかせようとし、硯が割れているのに気づく。

阿呼は忠臣が優秀なこと、そして宜来子の件で、誰かがわざとやったのだと言う。忠臣はことを穏便に収めようとするが、阿呼は反発し、さらに柿の汁がつくから木から降りるようにと言う、女官桂木の言葉にも耳を貸さなかった。そんな時、阿呼はある物を目にする。

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白梅が干柿を置いて行きますが、宜来子は道真と昭姫のことが腹にすえかねており、食べようとしません。一方忠臣は、菅原家の柿の木に思いを馳せます。その柿の木こそ、かつて年少の頃の道真が登って遊んでいた木で、忠臣はその家で学問を学んでいました。

宜来子の父でもある忠臣は、菅原是善の塾でも優秀な門下生でしたが、それが他の門下生の妬みを買い、嫌がらせをされるようになります。しかも、その後塾の後継を辞したことが、その後の彼の生き方を、大きく狂わせることになります。

[ 2017/12/07 23:45 ] 応天の門 | TB(-) | CM(0)

『応天の門』長谷雄、唐美人に惑わさるる事三

昭姫の顔見知りである寧が、殺人容疑を着せられて京へ逃げ込んで来ます。長谷雄に助けられ、昭姫の店を訪れた寧は、かつて宮中に仕えた彼女との再会を喜びます。しかし、取り締まりは厳しくなり、道真はある手を打ちます。

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東の大門は取り調べが強化されていた。権少将である業平が直々に取り調べを行い、口さがない役人たちは、神泉苑での失態を埋め合わすためと噂していた。そこへ昭姫の荷を積んだ車がやって来た。実はこの車には、道真が計考えたある仕掛けが施されていた。それは、かなり大胆な仕掛けであった。

業平はその筋書きを知り、いささか難色を示すが、色好みの少将様はお好きでしょうと、道真は気にも留めなかった。その仕掛けとは、荷の中に女装した寧(ニン)を紛れ込ませたのである。東の大門では、昭姫たちの積み荷の検分が行われたが、荷台に誰か乗っているようだった。その人物は起き上がって荷台から降りた、女装をした背の高い人物で、片方の足を負傷していた。

寧の姿は、正に役人殺しの容疑者の、目撃情報そのままだった。そこで業平は、目撃者をそこへ呼ぶが、目撃者によれば、船で見かけたのは男だった。しかし、化粧と衣で女として逃げることもできると、業平は追及の手を緩めなかった。そこへ昭姫が、さる国司気に入りで、これより国元に届け出るのだと抗議する。しかし業平は、身の証を立てぬ以上通せぬと粘る。

仕方なく寧は衣服を脱ぎ、下着姿になる。下着姿ではどう見ても女であったが、同輩の仇であるといい、ある役人に手荒なことをさせる。つまり股間に頭を入れ、男性としての物があるかどうかを調べさせたのである。結局それは確認されず、寧は女である、つまり女装した男ではないということになり、容疑は晴れた。

不機嫌そうな顔をして見せる昭姫に、業平は、役人たちが不満を持つ故このようにしたと、彼らに責任をなすりつけてしまう。そして博多行きの船が手配された。あのような非礼をと詫びる昭姫を、よくやってくれたと労う寧。寧は昭姫と道真に礼を言い、手配してあった博多行きの船に乗って別れを告げる。

道真は、唐に戻る気はないのかと尋ねるが、寧は唐での自分の人生は終わったと言い、自分が捨てた都がどう映るかは知らぬが、才が曇らぬよう、成すべきことをなすようにと告げて去って行く。昭姫は、憧れの人物であった寧と再会できたことを喜んでいた。しかし寧を女だと思っている長谷雄には、寧は道真に黙っているように伝え、こう言った。
「夢は、夢のままのほうがいいこともあるんでございますよ」

しかし道真が昭姫といたことが、ちょっとした騒ぎになった。菅原家の使いで島田家を訪れた白梅に、宣来子が道真のことを聞き、白梅はうっかり外泊したと答えてしまう。しかも、昭姫の店を口にしたことから、宣来子はそこへ連れて行くように命じ、話している二人を目にする。しかし白梅の予想を裏切り、宣来子はそこで出て行くこともせず、屋敷へ戻って行った。

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何とかその場をやり過ごした昭姫たちですが、業平もなかなかの役者ではあります。無論筋書きを描いたのは道真で、敢えて疑わせてみせ、最終的にその証拠が得られなかったことで、晴れて釈放というわけですが、結構きわどい方法でもありました。ちなみに宦官は、体つきが徐々に女性的になって行くようです。

しかし道真が昭姫といたことが、宣来子にとんだ誤解を与えてしまいます。外泊ということがかなり気に障ったようで、いつもの宣来子なら、昭姫と二人きりでいる道真を見て、勇躍目の前に出て行くわけですが、今回はちょっと勝手が違い、そのまま引き下がってしまいます。宣来子は何を感じ取ったのでしょうか。

[ 2017/11/05 00:00 ] 応天の門 | TB(-) | CM(0)

『応天の門』長谷雄、唐美人に惑わさるる事二

久々に『応天の門』です。紀長谷雄が、足を怪我した長身の女を見つけ、最終的に昭姫の許へ連れて行きますが、昭姫はその人物を見て驚きます。

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昭姫は、その背の高い女寧(ニン)に見覚えがあった。かつて昭君は唐の宮廷で、第三夫人の下女として仕えていたことがあったが、先帝崩御後、権力争いに巻き込まれないように夫人から暇を出され、日本へ行ったのである。その後女性たちは次々と宮廷を終われ、後継者争いで多くの血が流れ、寧は、最早この王朝は長くないと見て密航したのだった。

寧は夫人の形見と言って、昭姫に簪を渡した。しかし道真はその簪に血曇りがあることから、役人を殺した凶器ではないかと疑う。しかも背の高い唐人の女という点まで同じだった。道真は漢語で寧に尋ねたところ、あっさりそれを認めた。業平は役人殺しはやむを得ずとも、密航者とあれば放っておくわけには行かなかった。

しかし道真は、唐の文化をもっと知りたいと寧に食い下がる。業平は道真に、ああいうのが好みなのか、宜来子殿に言いつけるぞと言い、さらに「アレ」だと言う。道真にはしばらく考え、業平のいわんとすることを理解した。一方長谷雄もすっかり寧に夢中になり、漢語を頑張ろうと決意する。

昭姫は寧にいてもらえないかと頼む。しかし寧は、当初博多に行こうとしていたが、人を殺しており、このまま罰を受けてもやむを得ないと言う。長谷雄は寧を救おうと試み、昭姫も船を貸そうとするが、この事件の為東の大門の取り調べが厳しくなっていた。道真は、足を怪我した唐人で、背が高く、女装しているかもしれない男という情報を利用しようとする。

道真はその夜、縁先で寧と話していた。唐の文化に憧れ、科挙の制を実施するべきと言う道真に、寧は、自分にはそれらは権力を得るための手段や武器だったと話す。そして道真の前で寧は着物を脱いだ。寧は宦官だったのである。後宮に入って権力者に取り入ろうとした、そのなれの果てがこれだと道真に諭す寧だった。

そして道真は、車を押す人夫に変装し、寧共々東の大門を突っ切ることにした。長谷雄は寧との別れを惜しむ。やがて寧は車に積んだ荷物の間に身を隠し、昭姫率いる一行は、東の大門を目指して出発した。

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背の高い女と見えたのは、この寧が元々宦官であったからでした。唐を先に抜け出した寧を探し、日本まで来た寧でしたが、正当防衛とはいえ殺人を犯し、しかも密航者です。道真たちは、寧を安全に逃がそうとあることを企てます。

[ 2017/10/24 02:00 ] 応天の門 | TB(-) | CM(0)

『応天の門』長谷雄、唐美人に惑わさるる事一

久々に『応天の門』です。供善男は結局体調が回復し、再び出仕しますが、祭で藤原良房を襲ったと思しき賊は、結局捕まらずじまいでした。そして今度は、京に密航者が現れます。

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ある港で荷改めが行われている時、唐人と思しき女の密航者が乗り込んでいるのに、調役の役人が気づく。役人は特権をかさに、その女に言い寄ろうとするが、女は衣をかぶってその場を逃げ出す。あまり時間がかかるのを不審に思った部下がのぞいてみると、その役人は殺されていた。

京では紀長谷雄が、道真に伴大納言との関係をしつこく訊いていた。そんな長谷雄に、自分は得業生になって、唐へ行きたいと話す道真。遣唐使船は危ないという長谷雄に、そんなことでは何にもなれないと言い返す道真。長谷雄は、遊ぶのは今のうちだけなのにと愚痴りながら歩いて行くうちに、不思議な香りがするのに気づいた。

香りの元を辿ってみると、足を負傷しているらしい大柄な女がいた。しかも話す言葉は漢語で、うまくやり取りできないまま、足を冷やすために小川まで背負って行く長谷雄。一方密航者の件は業平の許にも届き、業平はすぐに指示を出して、菅家に迎えをよこす。

港では役人の遺体を見た道真が、吐き気を懸命にこらえていた。その唐人が何者で、どこから荷物に紛れ込んだかもわからない有様で、一方で船乗りたちは、日ごろの素行が悪い役人だったから天罰だとも口にしていた。道真は「詳しい人」に訊くべきだといい、また遺体の傷に注目する。

長谷雄は自邸に女を連れ込み、他の者の入室を禁じた。菅三殿に相談するべきか迷うが、昭姫のことを思い出し、女の手を握ってこう言う。
「あなたのことは、私が守りますから」
しかし家に置いておくのも不安なため、二人で牛車で昭姫の店まで出かけることにする。

長谷雄は昭姫の店の前で、道真、そして業平と鉢合わせする。帰ろうとする長谷雄を道真は引き止めるが、そこへ昭姫がやって来て、役人が殺されたのを聞き、素行が悪かったから当然だと、むしろそれを喜ぶような物言いをする。しかし犯人を捜すにしても、唐人は朝廷に出入りする人物も多く、うかつに調べるわけにも行かなかった。そんな時、道真は昭姫の簪に目を止める。

遺体はこめかみの急所を刺されており、そういう心得のある者のしわざとも考えられた。一方長谷雄も用件を訊かれ、足を負傷している女の通訳をしてほしいと話す。ところが道真が、足を負傷した女の目撃者がいると言い、しかも業平も、ならば遠くへは行けないだろうと言い出したことから、長谷雄が連れて来たその女が怪しいということになる。

長谷雄は手荒なことをしないという条件付きで、その女を車から降ろして連れて来る。その顔を見た昭姫は叫んだ。
「寧(ニン)さま…?!」
どうも、かつて唐の宮廷で女官として仕えていた女のようだった。

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神泉苑で矢が射られた事件の次は、密航者が役人を殺した事件と、業平も色々と大変なようです。しかも長谷雄が、事件にかかわっていると思しき、唐人女性を連れて現れます。さらに昭姫の顔見知りでもあるこの人物は、何者なのでしょうか。

[ 2017/06/16 23:30 ] 応天の門 | TB(-) | CM(0)

『応天の門』都にて、魂鎮めの祭の開かれる事四

久々に『応天の門』です。都の神泉苑で魂鎮めの祭が行われますが、その時帝めがけて矢が射込まれ、祭は一旦中止となります。しかしその矢は帝ではなく、藤原氏の長良房を狙っていたようです。一方で、祭になんら興味を示さない道真の許へ、伴大納言善男の息子である中庸(なかつね)が尋ねて来ます。中庸の様子を見て、ただことでないことが察せられ、道真は善男の屋敷へ向かいます。そこで彼が目にしたのは、血反吐を吐いて苦しむ善男でした。祭の宴で酒を振る舞われ、その酒に毒が盛られていたのです。

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道真が毒を吐かせている間、一人の女が追われていた。その女は誰かに命令されて、酒に毒を盛ったのだが、結局消されてしまう。一方善男の甥豊城(とよき)は、相変わらず飲み歩いていて、祭で何が起こったのかも知らんふりを決め込む。そして藤原常行は、帝から武装を禁じられているにもかかわらず、私兵を出して良房の屋敷の防備を固めさせるも、良房にいわれて兵を退かせる。その良房は、最近の基経の行動、特に自分の私兵を使ったり、怪しい者を重用していることを訝しんでいた。

その頃在原業平をはじめとする検非違使たちは、矢が射込まれた理由を探す。業平は道真を呼びにやるが、道真は友人の所へ出掛けて留守だという。業平は、てっきり道真も祭に興味を示し、紀長谷雄の所へ出掛けて、祭りを楽しんでいるのだろと考える。しかしその道真は、伴家の屋敷で善男の治療に当たり、不眠不休の日々を送っていた。眠気覚ましに顔を洗う道真に、母屋の方から声が聞こえる。善男が意識を取り戻したのである。

善男は何とかして立ち上がろうとする。毒はかなり抜けたようだったが、しばらく安静にと言い、道真もその場に転がってしまう。善男は道真に、是善の所の阿呼(幼名)かと話しかけるが、道真はこう答える。
「もう阿呼じゃありません。今は道真です」
やがて祭りも終わり、再び公家たちが参内して来た。常行は業平にその後の様子を訊くが、業平は一向に下手人の手掛かりがつかめないと言う。しかも矢が放たれた場所からは、帝の高御座は見えないということだった。常行は、これでは藤原の自作自演と思われるかもと危ぶむ。

むやみやたらに対抗勢力を疑うこともしたくない、しかも当主が狙われたとあっては外聞が悪いということで、常行は証拠がはっきりするまで、帝には適当に取り繕うことにした。もし証拠が上がればとの業平の問いに、常行はこう答える。
「そのときは本当に根絶やしにできる」
業平は藤原の何たるかを見る思いで、背筋がぞっとした。しかし参内した貴族たちの中に、大納言である伴善男の姿は見えなかった。

一同があれこれ噂をしている所へ、当の伴善男が現れる。帝の顔色が悪いようだがとの問いに、善男は平然と、少々酒を過ごしたと答える。当てが外れた藤原基経。そして良房は如才なくこう言う。
「大納言殿はまず御酒を控えられよ」
その白々しい様子を目にする業平。帝は基経と常行の労をねぎらう。
そして都大路では、道真が長谷雄から祭の様子を聞かされていたが、道真は、自分も忙しかったのだと言う。事情を知らない長谷雄は、書を読むのに忙しかったのかと不思議がるが、その時一台の牛車が二人に近づいて来た。

車から顔を出したのは、他ならぬ伴善男だった。思いもかけない大納言に長谷雄は驚くが、善男は、道真に乗って行けと勧める。自分は歩くからと道真が答えると、車は遠ざかっていった。長谷雄は、なぜ道真が大納言と親しくなっているのか、祭の間に一体何があったのか、その理由を訊きたがる。色々あったのだと答える道真。長谷雄は納得しない様子で、色々あったとは何かとなおも訊きたがるのだった。

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伴善男に毒を盛ったのは、やはり基経でした。しかしその善男が、平気な顔で参内して来たため、肩透かしを食わされてしまいます。尤も、このまま引き下がるような人物ではないのは事実ですが、次はどのような手を打ってくるのでしょう。

[ 2017/04/07 20:30 ] 応天の門 | TB(-) | CM(0)

『応天の門』都にて、魂鎮めの祭の開かれる事三

少々間が開いてしまいました。都で魂鎮めの祭が催され、一般人も会場である神泉苑に立ち入りが許可されて、大変な賑わいとなります。しかし帝の側にいた、藤原北家の長である良房が何者かに狙われ、祭りは中止となり、会場は騒然となりました。また、酒肴のもてなしを受けた伴善男は、帰宅早々嘔吐して倒れてしまいます。

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倒れた善男は他言を禁じるものの、容態は悪化し、息子の中庸(なかつね)は菅原邸に車を走らせる。当主の是善も祭から戻ったばかりだったが、中庸のうろたえた姿に驚く。中庸は道真の学識にすがろうとしていた。当の道真は、大納言である善男の息子で、しかも礼装である束帯を、着替えもせずに駆け込んで来たことから、緊急の事態に置かれているであろうことを察するが、その中庸と関わりを持つことに、何か危険な物を感じていた。

しかし是善が承諾したことにより、道真も伴邸に向かうことになる。道真は中庸に指示を出した。まず、祭りの後の混雑のため、二人で行くことによる遅れを避け、先に中庸が一人で戻ること。特に、家紋のない網代車を中庸が使っている以上、人目につかない方がいい事態であるから、よけいそうした方がいいこと。白梅は道真を案じるが、別々に行くことを中庸が承諾した以上、心配はないと答える。

道真は徒歩で伴善男の屋敷へ向かった。中では香が焚かれ、祈祷が行われていた。善男が血反吐を吐いて倒れたこと、神泉苑で毒を盛られた疑いがあることを話す中庸。道真は、ここで善男を助ければ、大納言方に与したことになり、見捨てれば藤原方に与したことになるため、なおも決心が鈍っていたが、結局引き受ける。しかし何の毒を飲まされたのが、それを特定できず、ともかく塩水を飲ませて吐かせることにした。

善男の喉が動かないのを見て、無理やり吐かせる道真。更に湯を沸かさせ、火鉢を用意させて、治療のためにその辺りの祈祷の道具をなぎ倒してしまう。周囲は驚くが、道真に取っては、善男の冷えた体を温めるのが先決だった。その頃神泉苑では、警備の物の遺体が発見され、犯人の物と思われる衣と、凶器と思われる弓矢が見つかっていた。弓は折れており、かなりの剛力の者のしわざのようだったが、目撃情報はなく、しかし単なるいたずらとも思えず、業平は悩む。

道真の方は、善男の体内の毒を出すのに懸命だった。粥を食べても戻してしまう善男だったが、とにかく体内の毒を外に出すには、それもやむなしと道真は考える。善男の体はほてり、汗まみれの衣には、毒が付着している可能性もあるので、焼くように指示する道真。しかし体は冷たく爪は紫で、しかも何の毒であるかはまだ特定できず、この治療でいいのかと悩む道真。当の善男は道真に、お前は是善の息子の吉祥丸かと、とぎれとぎれに尋ねる。

そして藤原基房は、島田忠臣と密談していた。やはり善男暗殺の張本人は基房であり、善男が急病で死んだように見せかけるように、念を入れて二の膳にも毒を仕込んでいたが、例の矢が射込まれた件で、二の膳の方には手をつけていなかった。実はその毒こそ、例の百鬼夜行騒ぎに紛れて、こっそり忠臣が運ばせた毒だった。基房の無謀な行動を忠臣は懸念するものの、自分たちもいつ疫病で死ぬかわからぬではないかと答える基房。

基房は、中庸が菅原家に赴いたものの、単身帰宅したこと、その後文章生らしき人物が、伴善男の屋敷を訪れたことを知る。基房は、中庸が是善に追い返されたことを喜ぶが、忠臣は、かつての師である是善の許へ、なぜ中庸が行ったのか、その文章生は誰かと考えているうちに、あることに気づく。基房は、是善が逃げたことに対して忠臣をからかい、毒を傍らの魚の桶に入れて殺してしまう。一方道真は、まだ善男の治療に追われていた。

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伴善男毒殺計画は、やはり藤原基房の差し金であり、例の百鬼夜行騒ぎは、毒薬を持ち込むためのものでした。今後善男はどうなるのでしょうか。そして何よりも、当の弓を引いた下手人である善男の甥の豊城は、裁かれることになるのでしょうか。

しかし、中庸が駆け込んで来た時の道真の分析が如何にも彼らしい。『まだらの紐』で、依頼人のヘレン・ストーナーがどのような状況で、どのような馬車で来たかを言い当てていたホームズを連想します。

[ 2017/02/24 00:45 ] 応天の門 | TB(-) | CM(0)

『応天の門』都にて、魂鎮めの祭の開かれる事二

『応天の門』続きです。都で帝の意向により、魂鎮めの祭りが開かれることになって、大内裏に庶民が入れることになります。しかし警備のために検非違使が動員され、さらに、伴善男の品行不正な甥、豊城がこの隙に乗じて、悪さを企んでいるようです。

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祭りが始まったが、道真は一向に興味を示さず、むしろ音楽がうるさいと言う始末だった。紀長谷雄は白梅を連れて出かける。彼女に「長谷雄様は他の姫君とお約束が…」と言われて、ないと答える長谷雄。その白梅は群衆の中で、うっかり他の男とぶつかってしまう。見るからに恐ろしげなその男は、実は伴豊城だった。

一方業平は他の検非違使たちと警固に当たり、女たちの注目を集めていた。しかし検非違使の数が足りておらず、業平は警備の手薄さを不安がる。様々な踊りや見せ物が披露され、一般人のみならず。帝や公家たちも大いに楽しんでいた。しかし藤原良房には、それとは別の目的があった。姪の高子を連れて来ていたのである。

良房はさりげなく帝に高子のことを教え、後ほどお目通りをと願うが、まだ少年である帝は、高子は高子なりに楽しめばいいと良房に話しかける。それを聞いて、祭りは楽しむのが一番と、良房を嘲るかのように哄笑する善男。しかし善男は、良房の企みに感づいていた。高子は後で帝より菓子を賜ることとなり、また善男の嫡男中庸は帝の御前に召し出される。

中庸は、豊城が行方不明になったこと、藤原一門を豊城が狙おうものなら、伴家も危ないと聞かされており、震えながら帝に挨拶をする。その場を善男がとりなし、帝も温かい言葉をかけるが、善男も内心は落ち着かなかった。そこへ膳が運ばれる。かつて佐渡にいた善男にちなみ、佐渡の塩を使った料理が並んでいた。

女官が酒を注ごうとするが、何か落ち着かない表情を見せていた。善男は酒をあおり、続いて中庸も飲もうとするが、酔った自分を連れて帰る役目ゆえ、飲むなと父に言われる。一方帝から目通りを許されなかった高子だが、さらし者になるよりはよほどましと妙に落ち着いたものだった。その頃、警備の隙を突いて豊城が忍び寄る。

豊城は弓に矢をつがえ、良房を狙うものの外してしまう。このことで場は騒然となり、帝が狙われたとの言が飛び交うが、藤原常行だけは、伯父の良房が狙われたのではないかと口にする。良房は動じなかったが、これにより公家はすべてその場を退き、検非違使たちが矢を入れる胡簶(やなぐい)が調べられる。

外にいた群衆が、急に人々が出て来たのを見て、何か異変にあったことに気付く。餅を食べていた長谷雄と白梅も、ただならぬ様子に気づき、急ぎ戻ることにした。都大路も、帰宅を急ぐ人々であふれていた。帝からは祭りは続行、武装はしないようにと公家たちに達しが行った。

善男は中庸に、このことは戻るまで口をつぐむように命じて牛車に乗り込む。その後二人は無事屋敷に戻った。中庸は、父から酒を飲むなと言われた件で、毒でも入っているのかと思ったと口にするが、その矢先、善男が激しく吐瀉し、そのまま倒れてしまう。

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やはりというか、この祭りに乗じて豊城がやらかしてくれました。しかも酒にはやはり何か仕込まれていたようで、善男は帰宅早々倒れてしまいます。伴家の一大騒動に、いささか頼りない嫡男の中庸はどのような手を打つのでしょうか。

[ 2017/01/18 23:45 ] 応天の門 | TB(-) | CM(0)

『応天の門』都にて、魂鎮めの祭の開かれる事一

久々に『応天の門』再開です。藤原基経が、物の怪騒ぎや不作などで、民の不平不満も高まっていることから、大内裏で魂鎮めの祭りを執り行うことを帝に提案します。しかしこれはかなり危険を伴うものでもあり、伴善男は真っ向から反対します。

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内外の民を大内裏に入れる基経の案に、伴善男は反対を唱え、他の参議たちも、魂鎮めなどと言いながら、邪魔者を一番排除して来たのは藤原だなどとささやき合う。しかし帝はこの案に乗り気であった。そこで伴善男は、大内裏ではなく神泉苑などはと口を滑らせ、それに帝も同意したため、神泉苑での祭りの開催が決まる。

この知らせは高子の許にも届けられた。高子の入内のためにはまたとない機会であり、高子は、やっと自分が道具として使われるのかと皮肉めいた口を利く。また警備の責任者には、在原業平が当たることになった。一方道真は、その祭には批判的であった。そんな時、紀長谷雄がやって来て、祭りに備えて昭姫の店へ香を買いに行くと言い出す。

祭を前に、昭姫の店は大忙しだった。そこへ縫物を届けにタマという少女がやって来る。昭姫はタマの顔がひどく腫れ上がっているのに気づいた。実はタマは針を無くしてしまい、縫物屋の女将にひどくぶたれた挙句、商売道具を無くす者は出入りさせないと言われたのだった。またタマも、家には小さな弟がいるので心配だと口にする。

昭姫は別の針を持って来て、見つかったことにすればいいと慰めるが、タマは聞かなかった。昭姫は店に来ていた道真に、タマの力になってくれたら、長谷雄の香の金は要らないともちかける。そこで道真と長谷雄はタマの家に行き、針探しを始める。しかし土間の藁の中に落ちたであろう針を探すのはなかなか大変だった。

道真は一旦家に戻って、父の部屋からこっそり慈石(磁石)を持ち出していた。それを懐から出し。これで吸い寄せてみてはどうかとタマに渡す。タマは針を探しながら、父は権史生の大宅鷹取であること、母も市で仕事をしていること、自分は縫物が好きで家計を支えており、縫物屋からもらう端切れで、弟に着物を縫ってやりたいと考えていることなどを話す。

針がやっと見つかった。一本の藁の中に紛れ込んでいたのだった。これで一件落着となるが、実は道真もいざという時のために、針を一本別に持参していた。私も昭姫同様、ずるい大人の側だったと言う道真。そして伴家の屋敷では、善男の甥の豊城が祭を楽しみにしていた。無論豊城は、よからぬことを企んでいたのである。

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魂鎮めの祭が行われることになりますが、プロローグ的な話題から始まりました。しかしこれには思わぬ伏線があります。権史生(下級官吏)大宅鷹取というのは、かの応天門の変で、重要な役割を担う人物だからです。しかし本人ではなく娘の話題から入り、なくした針を探すのに、珍しい磁石を貸してあげる道真とというのはちょっといい感じです。無論道真らしく、多少減らず口的なセリフも登場しますが。

[ 2016/12/09 01:30 ] 応天の門 | TB(-) | CM(0)
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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