ワールドカップ関連です。
少々遅くなりましたが、NZと南アの決勝について。
ファイナルらしく、あるいはこの両者の対決らしく、立ち上がりから激しいせめぎ合いです。しかし2分、NZのフリゼル選手が危険なプレイでバンカー判定。これで南アはペナルティゴール(PG)。0-3。1人少ないながらも攻めるNZ。攻守が入れ替わる中、南アのポラード選手が相手陣ゴール前にハイパント、そして尚も相手陣内でボールをキープします。その南アの猛攻を耐え凌ぎたいNZ。
勢いに乗って相手ゴール前に押し寄せる南アに、NZの反則。これで再び南アのPGで3点追加、0-6。フリゼル選手はイエローの判定で、12分に試合に復帰します。一方NZも14分に、南アの反則でマイボールラインアウト。トライを狙います。南アの再びの反則で、相手インゴールに飛び込みたいNZは、南アを翻弄するようなパスワークで前進。そしてまたも南アに反則で、NZはPGによる初得点。3-6。しかし18分にそのNZの反則で、今度は南アがPGを狙います。
PGが決まって3-9。雨が強くなり、ボールが手に付きにくくなる中での南アデクラーク選手のノックオン、NZのマイボールラインアウト。双方のボールの争奪戦から、相手陣深くにボールを蹴るNZ。ここでチャンスを作ろうとするも、またもバンカー判定。NZのキャプテン、サム・ケイン選手がハイタックルということで下がります。再び14人のNZ。その後南アはマイボールスクラムから展開し、相手ゴールぎりぎりまで攻めるもトライならず。
南アはリボック選手がドロップゴールを狙うも決まらず。しかし相手陣に攻め込み、NZの反則を誘ってこの試合4本目のPGを狙います。そしてここで、ケイン選手にレッドカードの判定。この先NZは1人少ない人数で、しかもキャプテンを欠いた状態で南アと戦うことになりました。一方南アはポラード選手がPGを決めて3-12。点差が開きます。
NZもマイボールで攻め込むものの、あと一歩。その前の南アのペナルティで、NZはこれが2本目のPGです。終盤、NZは南アのラインアウトからボールを奪うもノックオン。ここでハーフタイム。
NZ、ボーデン・バレット選手のトライ
後半。南アがNZゴールにボールを持ち込むものの、グラウンディングが認められず。ゴールラインドロップアウトで、ゴールライン後方からのドロップキックで試合再開。いい形で攻め込む南アと耐えるNZ。ここでアレンザ選手が飛び込むも、ボールを落としてトライならず。そして南アのキャプテン、シヤ・コリシ選手がバンカー判定で退場。今度は南アが14人。
自陣から果敢に攻撃するNZですが、ノックオンで南アボールのスクラム。しかし何とか攻め続けるNZ。ここで南アに反則ということもあり、NZはマイボールラインアウトから、トライを取る選択をします。そしてコリシ選手はイエローカードの判定。しかしNZの反則もあり、南アボールとなってなかなか得点できません。そんな空気を打ち破るように、後半13分にアーロン・スミス選手が相手ゴールに飛び込んでトライ。
しかしながらビデオジャッジで、その前のラインアウトでNZにノックオンがあったことが判明します。結局トライは無効となるものの、南アにも反則があり、その後も何とかボールをキープし続けたNZは、17分にボーデン・バレット選手がトライ。コンバージョンが決まって11-12。
後半20分を経過してあと20分、フィジカル面で優る南アが圧力をかける中、相手陣へ攻め込むNZ。さらなる得点を求める両チーム、リードされているNZは、相手の出方をも見つつ試合を進めます。そして若干膠着状態かと思われるまま最後の10分へ。後半30分、南アのコリシ選手のドロップゴールは距離が短くて届きません。
その後ボールを動かすプレイに出るNZ。そして南アのコルビ選手に、デリバレイトノックオン、意図的にボールを叩き落とす反則でイエローカードとなり、恐らく時間内には試合には戻れなくなりました。これでまた14人対14人。そしてPGを狙うNZのジョーディー・バレット選手、決まれば逆転も惜しくもはずれ。
スクラムは劣勢ながら、それでも南アを止めたいNZ。一方南アはDGをまたも狙うものの、これもはずれ。残り5分に逆転の望みをつなぎたいNZですが南アも粘ります。そんなNZはどうにか相手陣に入ったものの、ノックオンとなって南アスクラム。ゴール前のスクラムは組み直しで時間が経過します。相手ボールをもぎ取りたいNZでしたが、そのままボールはタッチを割ったようで、これで試合終了。南アが2019年大会に続いて連覇です。
優勝を喜ぶ南アの選手とコーチ陣
(録画映像より)
スコアにあまり変動はなかったものの、人数に変動があった試合でした。このレベルになると、流石に修正可能ではあるものの、選手に取っても多少やりにくかったのではないでしょうか。しかもNZはキャプテン退場、南アもキャプテン一時退場でしたし。
ところで途中退場の憂き目を見たケイン選手、次シーズンのリーグワンではサンゴリアスに加入です(コルビ選手も同じ)。今大会、日本と同じプールのイングランドとアルゼンチンが3位決定戦まで残ったことは、日本に取ってもいくらかプラスにはなったと思われますが、この決勝カードの両チームの場合はそれとはまた別に、
日本でのプレイ経験がある
日本でプレイ予定がある
という選手がかなり多いので。
あとやはりと言うか、南アはリザーブにFWをかなり入れて来ていましたね。NHKの場合、クワッガ・スミス選手が途中から交代したことで、これまたやはりと言うか、解説の五郎丸氏があれこれとコメントしていました。何せ五郎丸氏が運営に携わる、静岡ブルーレヴズのキャプテンですので。
ところでこの決勝カード、1995年大会の決勝と同じですが、この時は両チームとも得点はゴールキックのみでした。あの時はNZにジョナ・ロム―選手というトライゲッターがいましたが、南アとしては、この選手を走らせないようにあれこれ策を練っていたようですから。
それから今大会言われていたことですが、インゴールが狭くボールがすぐ出てしまい、それがプレイに影響したとも言えます。フランスの場合、スポーツのクラブが総合クラブであるためか、サッカーと兼用のグラウンドであることが多く、それがインゴールの狭さにつながっているように見えます。と言うか、日本の兼用グラウンドでももう少し広いように見えるのですが…。
そして1点差で優勝を逃したNZ、優勝という課題は4年後に持ち越しとなりました。無論NZだけでなく、それぞれの国がそれぞれの課題を抱えて、今度は豪州大会に臨むことになります。
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