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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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堀内敬子さんと寮母のハドソン夫人

来年の大河『鎌倉殿の13人』で、堀内敬子さんが比企能員の妻、道を演じるというのを、『鎌倉殿の13人』新キャスト発表 続きという投稿でご紹介しています。

堀内さんと言えば、色々な作品に出演していますが、やはり思い出すのはパペットホームズです。この中で堀内さんは、寮母のハドソン夫人(画像)の声を担当しています。
MrsHudson 2

このハドソン夫人、明るく快活で面倒見がよく、クッキーを焼くのが大好きというか、ほぼ日課となっている女性です。しかし少々おせっかいで、しかも、猫を撫でた手でそのままクッキーを焼いたりもするようです。また生徒たちの食事を考えたり、部屋の掃除(恐らくこれは、221Bがあまりに散らかっているので、見るに見かねて掃除したとも取れます)をしたり、またある事件がきっかけで、ある生徒にクッションを作ってあげるたりもしています。

ホームズの最初の事件は(原作・緋色の研究)は、このハドソン夫人が生徒の食中毒の容疑者となり、謹慎させられたのが発端になっています。また最後の事件(原作・最後の事件)も、元々はハドソン夫人が、近くで殺人事件が起こったことをホームズに話したため、夜中だというのにホームズがワトソンを連れて現場へ行ってしまい、2人が、モリアーティ教頭からこれまた謹慎処分を受けたことから始まります。

その後ホームズは教頭先生の目をかいくぐって、オルムシュタイン校長が窮地に陥った事件を解決しますが、謹慎中に出歩いたことから、教頭から退学を命じられることになります。しかし元々教頭は、ホームズを退学させようとしていたというのが真相のようです。しかしハドソン夫人、殺人のことなど言おうものなら、ホームズが校則など無視して飛びつくであろうことは、わかっていたはずのですが…。

ともあれ、来年の大河とは直接は関係ありませんが、三谷さんの作品の堀内さんということで、今回、久々にパペットホームズのハドソン夫人についてちょっと触れてみました。

飲み物-ブロンドのエール

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[ 2021/10/06 01:00 ] パペットホームズ | TB(-) | CM(0)

パペットホームズの続編制作そして映画化

井上文太氏のツイートに、パペットホームズの映画化への言及がありました。
確かにこの人形劇は良作だと思いますし、まず続編(三谷幸喜氏は現在来年の大河で忙しいと思われるので、頃合いを見計らって)を何編か放送し、しかる後に映画化という方法もあるかと思われます。
私としては、人形劇版『空家の怪事件』や『ブナ屋敷』も観てみたいので、まず続編希望ですね。アドラー先生がどうなったのかも知りたいものです。

これも井上氏のツイにあるのですが、人形劇というとアナログなイメージがあります。しかしこの作品は、アナログであると同時に、OPにプロジェクションマッピングを駆使しているなど、今の要素を採り入れてもいて、人形劇という昔ながらのよさはある一方で、古臭さはない作品と言えるでしょう。
実際、このまま埋もれさせるには惜しいです。
人形劇といえば、子供向けのイメージがあるかも知れません。しかしホームズベースのこれは、明らかに大人向けであり、元々の原作に描かれた人間関係の複雑さや残酷さが、寄宿学校の少年たちによって表現されているので見ごたえがあります。


Eテレにも、この辺りちょっと真面目に考えてほしいものです。NHKの受信料について色々言われていますが、こういう作品や『昆虫すごいぜ』に使われるのなら納得です-あと総合の『ブラタモリ』、『突撃!カネオくん』、『ガッテン』なども付け加えておきますか。
そう言えば『きのう何食べた?』も続編(2020年正月バージョン)ができ、映画化もされるわけです。こういうのはファンに取っては嬉しいものですし、映画化ともなれば新たにファンがつく可能性もあるので、チャンスは逃すべきではないでしょうね。


飲み物-暖炉とウイスキー
[ 2021/02/08 00:45 ] パペットホームズ | TB(-) | CM(0)

ノートン先生とアドラー先生とホームズ

パペットホームズ関連で、この人物だけはそう詳しく書いていませんでした。ということで今更感もありますが、一応書いてみます。この美術のノートン先生、言うまでもなく『ボヘミアの醜聞』のゴドフリー・ノートンをモデルにしていますが、ビートン校の先生たちの中では、比較的ホームズとは馴染みが薄い先生です。そもそも、彼女である保険教諭のアイリーン・アドラー先生が、このホームズと親しげにしていること、ホームズ自身のいわば探偵ごっこが気に入らないことが、理由として挙げられます。ノートン先生は正にその『ボヘミアの醜聞』が原作の、「困った校長先生の冒険」でホームズと出会いますが、実際にホームズの捜査に関わるのは、「赤毛クラブの冒険」(赤毛クラブの部長であるはずのダンカン・ロスが、実は美術クラブの部員であるため)と「青いシロクマの冒険」ですが、どちらもサブタイに色がついているところが、美術教師絡みの事件であることを思わせます。

Godfrey Norton
(『シャーロック ホームズ』冒険ファンブックより)

しかし後者の「青いシロクマの冒険」、これはノートン先生自身が事件に関わっていました。順を追って行くと、

アーチャー寮の生徒で女番長のイザドラ・クラインが、ホームズたちの部屋、即ちベイカー寮221Bの前にぬいぐるみを置く
それをノートン先生が目撃し、声をかけるがイザドラは逃げて行ってしまう
ノートン先生は、アドラー先生の誕生日にそのぬいぐるみをプレゼントするが、突き返され、その後学校のバザーに出してしまう
アーチャー寮のインド人留学生アブドラがそれを手に入れるが、彼の目的はそのぬいぐるみをヨガ用のクッションに使うことだった
しかしアブドラが寮の屋根でヨガをしていた時に、そのぬいぐるみが落ちてしまい、「赤毛クラブの冒険」にも出て来たジェイベズ・ウィルソンがそれを拾うが、イザドラの手下のガルシアとヘンダーソンに追いかけられ、ホームズたちに助けを求める

ということで、ホームズがそれを逆に辿って行った結果、イザドラがワトソンへのラブレターを忍ばせたぬいぐるみだと言うことがわかります。そのラブレターを読まれては大変と、イザドラが必死になって探していたわけです。
しかし生徒から没収したのを、彼女の誕生日のプレゼントにしたり、バザーに出したりというのもどうかとは思いますが…尚ノートン先生は、ホームズが学校を去る日にはアドラー先生共々不在でした。そのような中、ホームズ自身は去り際にアドラー先生の幻を見ます。しかし当然というか、ノートン先生のことは頭の中にはなかったようです。

このホームズとアドラー先生の関係について、少年が大人になるための試練という投稿で書いています。最早幼くもなく、かと言って大人でもない(これはホームズがシリーズの最初に「(自分は)子供じゃない」と言い、最終回で「子供だ」と言う辺りによく表れています)少年と、『ピノキオの冒険』などに見られる、母を模した、しかし必ずしも優しいだけではない女性の存在についてのものです(尚その時々の投稿で、『ピノキオの冒険』の妖精の解釈がいくらか違うことを、ここでお断りしておきます)。ともあれ、このアドラー先生の幻というのはかなり暗示的です。この時一度退学したホームズは、やはり退校処分で社会人となったジェファーソン・ホープに迎えられて、大人の世界へ旅立ちますが、もう一度アドラー先生のいる世界に戻ることはあるのでしょうか。それは三谷氏次第となるのかもしれませんが、どのような心理状態で戻るのかを描いてほしいなとは思います。

[ 2020/05/06 00:45 ] パペットホームズ | TB(-) | CM(0)

ダグラス夫妻とホームズとワトソン

ホームズに登場するダグラス夫妻といえば『恐怖の谷』です。しかしパペットホームズでは、ホームズとワトソンが学ぶビートン校近くの、大きな屋敷に住むアメリカ出身の人物となっています。マクドナルド警部でも触れていますが、そもそもハドソン夫人が、この屋敷で殺人があったと221Bに駆け込んで来たため、およそこの手のことに関しては好奇心の塊のようなホームズは、ワトソンを誘って出て行きます。初めての校外の事件は、2人に取ってはすべてが異なった世界でした。そんな中2人は、屋敷の中に美術品の配送の仕事をしながら、彫刻の勉強をしているホープを見つけます。あの「最初の冒険」で退学処分となったホープは、2人を自分の勤務先の社員だと言ってその場を取り繕います。ホープが戻った後は警察の手伝いだと言って、偽のエンブレムをつけて身分を誤魔化し、何とかして現場に入り込もうとします。(この2つの肩書を使い分ける方法は、『古畑任三郎』の「追いつめられて」や『真田丸』でも登場します)そして殺人現場に入り込んだホームズは死体の顔の覆いを取り、散弾銃で撃たれたことを確認しますが、ワトソンは怖いよ嫌だよと言って見ようとしません。両者のキャラの違いがはっきり表れていますが、この場合ワトソンの方が年齢相応でしょう。尚、ダグラス氏の声を担当したのは脚本担当の三谷幸喜氏です。

Douglas.jpg
ダグラス氏とダグラス夫人(シャーロックホームズメモリアルブックより)

しかし警察関係者でないことがばれて、屋敷を追い出された2人は池で証拠品を見つけます。そこで連れ戻しに来たモリアーティ教頭を無視し、再び屋敷に戻るものの、警部は聞き入れてくれません。すると意外なことに教頭先生が、警部に推理をお聞かせしなさいとホームズに言います。そこでホームズはその場の証拠を次々と挙げ、最終的に死体は他の人物で、犯人はダグラス氏だと断言します。実は書斎にあった絵が、ダグラス夫人の要望でリビングに掛け替えられており、ホープはその仕事のために来ていたのですが、リビングとその絵はどこか不釣り合いでした。実はこれは、ダグラス氏が隠れているのをカムフラージュするためで、結局壁の中からダグラス氏が登場します。一転容疑者となったダグラス氏は取り調べに応じることになりますが、いつまでも事件に興味津々のホームズを教頭先生はワトソン共々連れ帰ります。ダグラス氏は、後で本を出すから、事件の顛末に関してはそれを読んでよと言うのですが…。ともあれ教頭先生は、自分が口を利いたからこそ警察も推理を聞いてくれた、お前は所詮外の世界では生意気な小僧でしかないと言って、ホームズには1週間、ワトソンには3日の謹慎となります。この事件がホームズに与えた影響はかなり大きなものでした。

[ 2019/09/02 00:15 ] パペットホームズ | TB(-) | CM(0)

アロイシャス・ガルシアとヘンダーソンと「青い白クマの冒険」

先日ご紹介したイザドラ・クラインには手下がいます。それがアロイシャス・ガルシアとヘンダーソンなのですが、どこかで見たことがある名前だと思う方もいるでしょう。実はゴードン・レストレードと「生真面目な証人の冒険」で、レストレードを部屋に招待して眠らせ、アリバイを作ろうとしたあの2人です。この時はパンを厨房からこっそり盗み出し、野良犬(多分シャーマンが後で飼うことになりソフィ)にあげていました。しかし穴に落ち、戻れなくなってしまったことから、ホームズが動き出すことになります。その2人はイザドラの忠実な子分でもあり、彼女を「姫」と呼んで、こきつかわれていました。「青い白クマの冒険」では、この2人が血相を変えて、ぬいぐるみを持っていたジェイベズ・ウィルソンを追いかけ、221Bに逃げて来たウィルソンはホームズとワトソンに匿われます。この辺り原作の1つ『三破風館』の冒頭そっくりですが、しかしなぜこの2人は、血眼になってぬいぐるみの持ち主を探していたのでしょうか。

パペホガルシア
アロイシャス・ガルシア

このぬいぐるみの最初の持ち主は、美術のノートン先生でした。ノートン先生に会ったホームズとワトソンは、イザドラが、寮のある部屋にお手製のぬいぐるみを置こうとしていたところ、それを不審に思った先生が声を掛けたことを知ります。イザドラはぬいぐるみをぶつけて逃げ出します。ノートン先生は恋人のアドラー先生の誕生日が間近ということもあり、テンプルちゃんと名付けたそのぬいぐるみをプレゼントするものの、突き返されてしまいます。そもそも生徒から没収したぬいぐるみを、そのままプレゼントにするとは如何なものかと思いますが…。ちなみに元々このぬいぐるみには長いしっぽがあったものの、それが「微妙だから」切ったと先生は話します。またイザドラがこれを置こうとしていたのは、実は221Bの前でした。テンプルちゃんは結局学校のバザーに出され、新しい持ち主のアブドラはアクメット君と名付けるものの、今度はそれが屋根から落ちて来ます。それを拾ったウィルソンは、前出のようにガルシアとヘンダーソンに追われることになります。

パペホヘンダーソン
ヘンダーソン
(いずれもシャーロックホームズメモリアルブックより)

ウィルソンがスティーブと呼んでいるこのぬいぐるみを持って、ホームズたちはイザドラの部屋へと乗り込みます。イザドラは以前の万引きの件に懲りず、また同じことを繰り返し、ホームズとは反発し合っています。そのイザドラがぬいぐるみを執拗に探していたわけ、それはこれが白クマではなくカンガルーで、中には他人に知られたくない、大事な物が入っていたからなのです。実際ぬいぐるみのお腹にはポケットがあり、中には手紙、それもワトソンへのラブレターが入っていました。イザドラは以前、自分を恐れずに帽子を拾ってくれたワトソンに好意を抱いていたのです。ホームズは反発し合うイザドラに当てつけるかのように、手紙を声に出して読もうとするものの、イザドラは泣き出し、ワトソンはやめるように声を荒げます。その後ウィルソンはスティーブの代わりに、トマトのぬいぐるみをハドソン夫人に作ってもらいます。ワトソンは、ホームズは謎は解けても女心がわからないのが君に足りない部分だと言い、ホームズはいささかすねた態度を取ります。

[ 2019/08/06 00:30 ] パペットホームズ | TB(-) | CM(0)

女番長イザドラ・クライン

イザドラ・クラインは18歳ですが、ビートン校の4年生で女番長です。アーチャー寮の生徒で、いつも手下の生徒、「生真面目な証人」にも登場したガルシアとヘンダーソンを連れています。ラテン系の血を引いていると思われる大柄な少女で、原作の『三破風館』では美女という設定になっていますが、こちらではどちらかといえば、凄みのある雰囲気になっています。アーチャー寮であるにも関わらず、ディーラー寮の生徒並みの豪華な個室に住んでいますが、先生たちも手を焼く問題児で、万引きを繰り返し、一度はホームズにそれを悟られて、学校から注意されたこともあります。そのせいか、ホームズを苦手としています。一方でワトソンに対しては、好感を持っているようです。彼女の部屋の壁には、ホームズとワトソンの写真がダーツで止めてあり、特にホームズの写真にはいくつものダーツが刺されています。(『相棒』の青木年男の部屋にある、杉下と冠城の写真のイメージです)

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ビートン校の女番長イザドラ・クライン
(シャーロックホームズメモリアルブックより)

そもそも「青い白クマの冒険」では、イザドラがワトソンに好意を抱き、不器用ながらも自分でぬいぐるみを作って贈りますが、この辺に乙女心が感じられます。ワトソンはその気持ちを理解できるものの、ホームズはさっぱりのようです。しかしそれがワトソンに直接渡らず、持ち主がくるくる変わったことから、この事件が複雑化することになります。そして事件解決に至ったホームズがしてやったりといった表情で、ぬいぐるみの中の手紙を読もうとしたためイザドラは泣き出し、ワトソンはホームズに対して本気で怒ります。またイザドラが絡んだのはこの事件だけではなく、その2つ後の「本当に困った校長先生の冒険」にも登場します。この回では校長先生が一方的にイザドラに惚れ込んでラブレターを送り続け、呆れ果てた彼女がそれを生徒会長のマイクロフトに見せたことから、騒ぎが大きくなります。校長先生は困り果ててー自業自得ではあるのですがー謹慎中のホームズを訪ね、ホームズは最終的に事件解決に加担するものの、これが彼が退学処分を受ける直接の原因となってしまいます。

[ 2019/08/02 00:45 ] パペットホームズ | TB(-) | CM(0)

インド人留学生アブドラ

アブドラはインドからの留学生です。アーチャー寮の生徒で背がかなり高く、「愉快な四人組の冒険」に登場するアーサー・モースタンと同じ部屋です。アーサーが夜に練習をするため、アブドラはいつもアイマスクと耳栓をして、先に寝ています。しかしこのため、ジョナサン・スモールが部屋に押し入った時も気づかず、朝になって初めてアーサーがケガをしたことに気づき、先生に知らせます。この部屋の様子を見にホームズたちがやって来た時、アブドラは犯人はドアから入っていないと言い、ホームズは天窓が怪しいと睨みます。ワトソンは最初はアブドラが犯人ではと疑いますが、ホームズの説明によって、あらぬ疑いをかけていたことがわかり、すまなさそうにします。インド訛り?か、ちょっとユニークな喋り方をするアブドラですが、実はこの後にも「青い白クマの冒険」で再び登場します。その時は、ぬいぐるみを紛失してしまったというものでした。

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アブドラ(シャーロックホームズメモリアルブックより)

実はアブドラは寮の屋根でヨガをすることがあり、その時に敷くクッションとして、青い白クマのぬいぐるみを使っていました。しかもそのぬいぐるみを、アクメット君と呼んでいました。このアブドラもアクメットも、正典の『四つの署名』に登場するインドの戦士と商人で、恐らく三谷氏はそれにあやかったのだろうと思われますが、それはさておき。ホームズはアブドラが、ヨガの時のクッション代わりになる物を探しているが、青い白クマでなくてもいいことがわかり、ハドソン夫人が作った2種類のぬいぐるみを見せます、どちらがいいかと訊かれたアブドラは、肉団子の方を選びます。「青い白クマの冒険」ではこの人形劇らしく、ジェイベス・ウィルソンや、ガルシアとヘンダーソンなど、過去に登場した人物が再び出て来ます。

[ 2019/07/16 00:30 ] パペットホームズ | TB(-) | CM(0)

ロイロット先生の二つの顔

正典の『まだらの紐』の、ロイロット博士をモデルにしたロイロット先生は化学の教師であり、生活指導も担当しています。当然ながら探偵気取りのホームズなどは目の敵のようになっています。おまけにホームズの苦手な科目、たとえば文学や哲学、天文学など(これは正典でも知識皆無とワトソンに指摘されています)の成績が悪いことをあげつらい、ワトソンにはホームズとは関わりを持つな、人生の大事な時期を棒に振ることになると、脅すような口調で言います。それでなくても体が大きく、しかも顔も大きくて凄みがあるのですが、ホームズに取ってそんなことはどこ吹く風です。しかも前出『まだらの紐』を原作にした「まだらの紐の冒険」で、ヘレン・ストーナーが訪ねて来た際に、そのことを察した先生は、ホームズに真偽のほどを確かめますが、ホームズはクロッカスの話を持ち出してはぐらかします。無論先生はそんなホームズを苦々しく思い、暖炉の火かき棒を捻じ曲げてしまいます。この辺りも原作を踏まえた描写になっています。こうすればちょっとは驚くだろうと思ったのでしょう。しかしワトソンがその棒を自力で元に戻してしまったことで、先生は言葉を失い、221Bを出て行きます。

Roylott.jpg
ロイロット先生(シャーロックホームズ冒険ファンブックより)

そんなロイロット先生ですが、シャーマンに密かに恋をしています。元々シャーマンは動物好きで、先生に動物のことを話して聞かせるのが好きでした。先生はシャーマンの動物小屋へ行き、最近動物の鳴き声がうるさいと苦情が来ていると怖い表情で言います。シャーマンはホームズやワトソンに、最近先生がやたらにうるさいと言いますが、あるいは先生のシャーマンへの思いが、こういう形で出て来ていたともいえそうです。結局先生は動物の本を買い込み、シャーマンが好きな動物の気持ちになり切ろうとして夜間に廊下を走り回り、ヘレンを驚かせてしまいます。最終的にはヌマドクヘビに襲われたシャーマンを助けるのですが、生徒を愛してしまったことから、自分は教師にふさわしくないと言い、学校を去って行きます。その後は「最後の冒険」に登場しますが、この時の先生は農場を経営しているようで、牛乳の缶を届けに来ていました。すっかり農家のおじさんの格好で、動物たちにも囲まれ、悠々自適といった感じです。

[ 2019/07/02 00:30 ] パペットホームズ | TB(-) | CM(0)

動物好きなシャーマン

シャーマンはベイカー寮の女子生徒ですが、なぜか一人称は「僕」で、他の言葉遣いも男の子のようなところがあります。動物小屋にいることが多く、ウサギや鶏を飼っています。その他に犬のトビーの世話も彼女の仕事です。そのせいもあってか動物絡みのエピソードによく登場し、ホームズの力になっています。「イヌ語通訳の冒険」(原作・ギリシャ語通訳の冒険)では文字通り犬の通訳を務め、「愉快な四人組の冒険」では、トビーを連れて来たり、ベイカー寮遊撃隊にジョナサン・スモールの居場所を突き止めさせたりもしています。さらに「赤毛クラブの冒険」では、ダンカン・ロスのキャンバスの下にあった羽根は白鳥のだと断言し、これが事件解決のきっかけになります。「バスカーヴィル君と犬の冒険」でも、魔犬にイヌの言葉で話しかけたはずなのに、相手がそれを理解していないと言ったことから、あれは本物の犬ではないとワトソンに伝え、こちらも事件解決にかなり貢献しています。しかし彼女に取って運命的なのは、何といっても「まだらの紐の冒険」です。

Sherman and Holmes
「バスカーヴィル君と犬の冒険」で、足跡を見るシャーマン(左)とホームズ
(『シャーロックホームズ』公式サイトより)

この中でロイロット先生は、動物の真似をしてシャーマンの気持ちになりきろうとしますが、それを見たヘレン・ストーナーが驚いて、ホームズとワトソンにこの件を伝えます。ロイロット先生はなぜシャーマンの気持ちになろうとしたのか、それは彼女を愛していたからでした。しかし教師と生徒の恋愛は許されないと、先生は自ら学校を辞めて行き、その後は農場を経営しているようです。最終回で、麦わら帽子を被って牛乳缶を持って来ているので、まずそう考えられます。そして先生は学校を去る前に、やはりシャーマンのことを理解しようと持っていた動物関係の本を、すべて彼女の動物小屋の前に置いて行きました。ちなみにこのシャーマンは、誰と付き合っているとか、どんな男子生徒が好きだというわけではなく、ただ動物好きでホームズの捜査仲間といった感じです。互いに一風変わっているところが、ウマが合うのかも知れません。

[ 2019/06/16 00:15 ] パペットホームズ | TB(-) | CM(0)

メアリー・サザーランド

先日ご紹介した「消えたボーイフレンドの冒険」のヒロイン、メアリー・サザーランドについて。このメアリーはディーラー寮の大柄な女子生徒で、かなりの近眼であるため、眼鏡をはずすと近くの物もはっきり見えません。しかしホズマに「(正体を見破られないため)眼鏡をかけない方がいい」と言われて以来、眼鏡をはずすこともあり、かけたりはずしたりで、鼻の両わきに跡がついていたりします。この辺りは原作のメアリー・サザーランドを踏まえています。リボンやフリルのついたバッグを持ち歩く乙女チックな趣味の持ち主で、しかもかなり惚れっぽく、眼鏡をかけている時とかけていない時、どっちの方がいいかなどと、相談相手のはずのホームズに訊いたり、ホームズの鼻が可愛いなどと言ったりもしています。髪型はサザエさんそっくりですが、物言いや態度は、そのサザエさんの弟の友人であるH沢さんに似ています。

Mary Sutherland 2
221Bに依頼に訪れたメアリー・サザーランド(右)
(シャーロックホームズ公式サイトより)

ウィンディバンクがホズマ・エンジェルに変装していたことを知った彼女は、当初はかなり腹を立てますが、結局元通りにウィンディバンクと付き合うようになります。実際「愉快な四人組の冒険」では、ウィンディバンクと一緒にいるシーンが出て来ますし、同じエピソードの後編で、ザ・トレジャーズのライブにも来ています。ちなみに「消えたボーイフレンドの冒険」では、ワトソンが、メアリーはホズマと会った後に君にも会っていたから、本当は君が好きなんだよとウィンディバンクに言い聞かせます。それを見たホームズは、女心を読む天才だなとワトソンに言い、ワトソンは、それは小説のお蔭だよと『二都物語』を見せます。実はメアリーが依頼に来る前、ホームズは小説なんてくだらないと、この『二都物語』を読んでいたワトソンに文句を言っていたのですが、ここに来て、ワトソンが一本取った形になりました。

[ 2019/06/11 00:15 ] パペットホームズ | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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