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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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『相棒』第10シーズン第15話「もがり笛」

久々に『相棒』です。第10シーズン、つまり杉下ー神戸コンビの時代のエピです。実は、現在『真田丸』で直江兼続を演じている村上新悟さんが、この中に経理夫(字幕の表記をそのまま転載)役で登場します。いかつい感じですが、声はやはりあの声です。

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青梅医療刑務所で、数日後に元の刑務所に戻る予定の懲役囚、浪岡が刺殺された。その少し前、厨房ではガス漏れ警報のブザーが鳴っていた。その刑務所では病人を収容するため、常に独房の鍵は開けられていたが、浪岡はほぼ回復していたため、鍵がかけられていた。出入りができる一部の人物に疑いがかかる。浪岡の独房には教戒師の佐野が来ていたが、ガス漏れ報知器の音声に気づいて独房を出ていた。

医療刑務所では、独房は厨房と仕切られており、厨房に入ることができるのは、職員と、調理などを手伝う、経理夫と呼ばれる短期服役囚だけだった。その経理夫の戸村という男が、厨房に入っていた時に事件が起こっていた。しかも元栓や、凶器の包丁が仕舞ってあった引出の指紋は消されていた。このことから何者かが事前に計画的犯行であったことがわかる。捜査一課の三浦、伊丹、そして芹澤の3人がやって来るが、そこには既に特命コンビも到着していた。

捜一と特命は役割分担をし、杉下と神戸は、犯人の可能性が低いの少ない懲役囚の捜査をするが、その中に末期癌の江田勉もいた。江田は自分と似たような犯罪歴の持ち主で、しかも快方に向かっていた浪岡を許せなかった。江田自身は自分では移動できず、車椅子を使っており、また常に介護士井上洋子の世話を受けていた。杉下たちは、江田の独房の封筒に注目する。それは1週間前に遺族に手紙を書く目的で受け取ったものだが、封筒だけが残っていた。

江田は手紙は書き損じて捨てたと言うが、当然ごみはチェックされる。しかも1週間前から暇つぶしに仕方なく教誨を受けているというが、教戒師からもらった聖画が大事そうに枕の下にあった。さらに動けないと言いながら、自分で車椅子を操って、ある程度の距離を移動できることもわかる。しかし厨房には刑務官と経理夫しか入れないため、凶器の包丁を持ち出すには共犯者が必要だった。

また同じ1週間ほど前に、江田がひどく苦しんでいたにもかかわらず、井上が、看護師も呼ばずにそのまま放置していたことを佐野が目撃していた。しかし実は、井上が看護師を呼ぼうとしたにもかかわらず、ナースコールを押さないように江田が止めていたのである。江田は井上が、自分が殺した相手の娘であることを知っていて自ら罪を悔い、そのような行動に及んだのだった。

刑務官から話を聞いた杉下たちは、浪岡が数日前に「殺してやる」と「もがっていた」、つまり大声で叫んでいたことがわかる。冬に木の間を風が通り抜ける音「もがり笛」になぞらえて、刑務官たちは服役囚が叫ぶのをそう呼んでいた。また経理夫の戸村が、食物を浪岡に譲渡したため罰せられていた。そのため戸村は、浪岡に何か弱みを握られていたのではと2人は疑うが、戸村は教戒師の佐野こそ疑うべきだと話す。以前廊下ですれ違った時、手紙らしきものを隠し持っていたのである。

2人は井上にも話を聞く。井上は、全国で初めて介護士の公募を行った青梅医療刑務所に興味を持って、そこで仕事をすることに決めた。しかし元々は、父親が江田に殺されたことで体調を崩した母を、介護する目的で介護士の資格を取ったのだが、その時既に母親は他界していた。しかも自分の仕事先に江田がいるのを知り、許せないという気持ちがあった。しかし杉下は、江田は既に井上のことに気づいていると答える。

杉下と神戸は、今度は浪岡の被害者の妻、茂田早奈江を訪ねる。浪岡は元々暴力団員であったが、離脱届を出していたため仮釈放が認められた。しかし早奈江が調査会社を使って調べ、偽装であることを見抜いて匿名の告発文を送ったため、仮釈放は却下された。浪岡は早奈江に、恐らくは仮釈放を念頭に置いて手紙を送り、それに対する早奈江の返事が1通あったが、それは井上が偽造したものだった。

井上は隙を見て番号を文字のわきに振っており、その番号通りに読むと、「出所したら殺す」となっていた。浪岡はそれを読んで「もがって」いたのだった。井上が手紙を偽造したのは、ナースコールの件で江田が罪を悔いているのを悟り、浪岡にも同様に罪を悔いてほしいという思いからだったが、それとは反対に、偽装離脱までしようとする浪岡に腹を立てていた。しかも「殺してやる」の言葉を聞き、これでは早奈江が危なくなると、犯行を企てたのだった。

しかも早奈江のもとにも例の聖画があった。早奈江は佐野の教会に出向いていて、佐野が江田との接点となっていた。当初は佐野は聖職者であるため公開を渋っており、また手紙を受け取った事実も否定していたが、早奈江が危なくなると知り、江田から受け取った便箋を渡す。その便箋には、もし井上が自分を殺しても、情状酌量をしてやってくれと認めてあった。

そんな折、江田がシーツで首を吊る。遺書がその場にあり、それには、浪岡殺害犯は自分だと書かれていた。江田は、浪岡殺人は井上の仕業だと知っており、そのうえで敢えて彼女を庇うために、自分が罪をかぶって自殺を図ったのだった。江田は一命は取り留め、そこに現れた佐野の姿に涙する。そして井上は殺人の罪で、警察に連行された。

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独房に自由に出入りでき、しかも包丁も持ち出せる人物ということで、数名の容疑者が浮上します。しかし江田は車椅子を自分で使えても、包丁は持ち出せない。戸村は包丁は持ち出せるが、怪しいのは佐野だと言う。そして佐野は、実は江田の手紙を預かっていただけだった。結局井上洋子が犯人となるわけですが、物語の途中から既にそれがわかっていて、最終的には江田の手紙、そして浪岡の手紙に振られた番号の謎に行きつくことになります。

しかし医療刑務所に着いた捜一トリオが、既に特命の2人が到着しているのを見て、うんざりした表情を浮かべるのには苦笑です。ちなみに医療刑務所は全国に4か所、東京、大阪、愛知、福岡に設置されている由。また、この「もがり笛」の一つ前に「右京のスーツ」というエピがありますが、こちらも刑務所絡みで、被害者が着ていたスーツのテーラーが、実は刑務所出身だったという設定です。この2つが続いたのはそのせいでしょうか。

[ 2016/11/04 01:15 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

『相棒』第10シーズン第14話「つきすぎている女」

久々に『相棒』です。

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かつてヤクザの男を殺した情婦の月本幸子は、模範囚として早期の出所を果たし、ハローワークで仕事を探していた。条件が悪くても構わないという彼女に、職員は清掃会社の仕事を紹介する。近況を特命係に手紙で知らせる幸子、杉下とヒマ課長角田はそれを覗き込むが、神戸は幸子と面識が無かった。しかしその後幸子から、誰かから尾行されているという連絡が入る。

幸子は清掃会社の仕事ぶりが認められ、会社の得意先である間宮家の担当となった。この間宮家は、大手外食チェーンを経営しており、その後社長の間宮から家政婦になるよう勧められた。しかも、作った料理をほめられ、会社のメニューとして採用された。その後もいくつか採用され、そのたびにボーナスが増額して行った。しかも住居は高級マンション。こんなにとんとん拍子にことが運んでいいものか、逆に不安がる幸子。しかも間宮から求婚までされてしまう。

神戸は考え過ぎだと言い、杉下は、能力が正当に評価されているだけだと言う。しかし幸子がそう考えるのには理由があった。まず服装に関しては、黒髪を後ろで束ねて、黒っぽい服装で香水無しという決まりがあった。また、間宮の書斎には立ち入らないように言われていた。幸子はそれが腑に落ちないらしいが、杉下が何も言わないのを見て、彼がすっかり変わってしまったと思い込んでしまう。また実際杉下は、最近何か気乗りがせず、調子がよくないと感じていた。

その後、幸子はクローゼットに隠してあったある写真を見つける、それは幸子の前任の家政婦、串田由紀と間宮の息子、瑞樹の写真だった。瑞樹はなかなか幸子に懐こうとしていなかった。そして由紀は、今は行方が分からなくなっているらしい。しかも額の裏には「たすけて」という文字が描かれていた、幸子は事件性を感じ取り、杉下に連絡する。そして3人が出て行こうとした時、マンションの隣人である大崎智美が荷物を受け取っていた。それは、千住信用金庫が上客に贈っている梅干しだった。しかし、そのマンションの近辺には千住信用金庫の支店は無かった。

間宮の家に着いた一行は、間宮の父清次郎の書斎に入り、畳が不自然に浮いているのを見つける。そこで床下を探すものの、結局何も見つからなかった。杉下は間宮家の飼い犬を見て、「タッキー」と声をかけるが、実はその犬の名はロッキーだった。瑞樹がいたずらをして、ロに線を書き加えて田の文字にしていたのだった。しかし有力な手掛かりは得られない。杉下と神戸は、その後間宮を会社に訪ね、串田由紀と幸子の服装について尋ねるが、由紀は行方を追っていること、そして黒っぽい服装は、由紀のそれに似せることで、瑞樹に親しみを持たせるためだと話した。しかもその日、幸子はまた尾行に気付く。

翌日幸子は、ロッキーが庭の土を掘り返しているのに気付く。その下には何やら箱のようなものがあり、中からは手紙や串田由紀の写真が見つかった。帰宅した瑞樹にこの箱について尋ねる幸子。瑞樹は、自分がいたずらしたから出て行ったのだと話す。幸子は自分で調べてみることにして、瑞樹に口止めし、箱の中の書類から「天体構造研究所」なる組織を知る。そこに体験入学のために赴き、エイブラハムと名乗る藤原の指導のもと、深呼吸をしたり体を動かしたりする。この研究所は、宇宙学と様々な宗教をミックスしたものを教義としていた。しかも、串田由紀はここの会員だった。

幸子は意を決して、捜査一課の伊丹に調査を依頼する。何か大きな事件が背後にあるに違いない、でも特命では当てにならないと彼女は信じていた。そしてそこでわかったのは、藤原はかつて様々な問題を起こしたカルト教団「太陽のしもべ」のメンバーだったのだ。念のためにと、所在位置を知らせるブザーを渡される幸子。その幸子は、ついに例の書斎に足を踏み入れる。そこには天体構造研究所のパンフレットや、女性失踪事件の切り抜きをまとめたスクラップブックがあった。間宮はなぜ、このようなことをしているのか。彼は天体構造研究所のメンバーなのか。

幸子は間宮に話があるといわれる。幸子自身も、この件で間宮に質問したいことがあった。差し向かいで座ってワインを勧められるが、何か薬でも混ぜられているのではないかと思い、その手には載らないといきなり果物ナイフを抜いて間宮に突き付ける、驚く間宮。ブザーを鳴らす幸子。すると、サングラス姿の恰幅のいい男が急に間宮に襲い掛かって来た。その一方で、杉下たちは清次郎に会い、なぜ60になるかならないかで社長を息子に譲ったかを問う。天の啓示と答える清次郎。また千住信用金庫を調べた杉下と神戸は、あるアパートを訪ね、そこの住人を連れ出す。

ブザーを聞きつけた捜査一課の3人は、間宮家に急ぐ。しかし被害を受けているのは幸子ではなく、間宮だった。捜一のおかげで何とか自由になれた間宮は、天体構造研究所のパンフレットがあったのは、由紀がそこの信者で、行方を探るために入会したと話す。そこへ杉下と神戸が由紀を連れて現れる。アパートの住人は由紀だったのだが、かつてと違って、やけにけばけばしい身なりでふてくされた印象になっていた。実は由紀は、この家から大金を盗んで逃走し、マンションの隣にいた大崎智美の名義で、千住信用金庫に預けていたのだった。大崎に梅干しが来たのも、清次郎の書斎の畳が不自然だったのもそのためだった。金は清次郎の書斎の床下に隠されていたのである。

しかし、なぜ清次郎は被害届を出さなかったのか。それは、この金が脱税した金だったからである。由紀が逮捕されることを考えて、社長職を息子に譲り、なおかつ由紀に関するものを隠したのは清次郎だった。またサングラスの男は、以前幸子が逮捕されるもととなった事件に関わっており、実は尾行するのではなく幸子を守っていたのだった。また、マンションの壁に「たすけて」と書いたのは、ロッキーを田ッキーにしてしまった瑞樹のしわざだった。またボーナスも、杉下が言うように幸子への評価によるもので、すべては彼女の思い込みに端を発していた。伊丹は吐き捨てるように言った。
「捜査一課に入って以来、こんなくだらない事件は初めてだ」

神戸は幸子を「おっちょこちょい」と評するが、杉下はそれをたしなめる。その幸子はその後、先の事件で逮捕された田村と面会する。出所したら一緒にやり直そうという田村だが、幸子はあっさり、それは無いと言ってのける。そして今度彼女が手に入れたのは、たまきが去った後の「花の里」の女将の座だった。そして、杉下の不調も、この花の里に足を運ばなかったのが原因だった。幸子は久々に店にやって来た杉下と神戸と雑談をし、それぞれの注文の料理を渡す。しかし、杉下に渡したのは神戸が、そして神戸に渡したのは杉下がそれぞれ注文した物だった。神戸は言う。
やはりおっちょこちょいですね」

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長くなりましたが、相棒第10シーズン14話「つきすぎている女」です。これを観て思うのは、ホームズの『ブナ屋敷』に似ているということです。幸子への細かい服装の規定、息子が懐いてくれない、そして、自分の部屋から思いがけないものを発見する点などはそっくりです。もちろん、事件そのものの結末は違いますし、その「事件」も、脱税した金が盗まれたことより、幸子が自分の思い込みで作り上げてしまったといった方がいい、架空の事件の方に重きが置かれています。ある意味、月本幸子という登場人物の、一風変わった紹介方法といえるかもしれません。

ところでこの中では名義貸しが登場します。これはもちろん違法行為です。特に最近では、テロ規制もあってかなりやかましくなっているようです。特に刑事ドラマの脚本は、新しい法律が施行されると、それに合わせなければならない部分もありますから、監修者がいるとはいえ、法律の知識もある程度必要なのではないでしょうか。
[ 2015/12/23 02:00 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

相棒第7シーズン第8話及び第9話 「レベル4」

微生物研究所から、ウイルスが持ち出される。そのウイルスは、感染率と致死率が100パーセントの正に殺人ウイルスで、一旦ばらまかれたら大変なことになる代物だった。微生物研究所の職員である永峰千沙子は、小菅という男が研究員を殺し、ウイルスを持ち出したと杉下と亀山に話す。そして、そのウイルスを生み出したのも小菅であった。もちろん捜査本部が設けられてはいたものの、特命はそれに参加できず、杉下は単独に小菅と接触を始める。

その後、杉下に小菅から電話がかかる。杉下が何をしたいのかと訊いたところ、小菅はこう答えた。「ゲームかな」。杉下は一旦は小菅を追い詰めるも逃げられてしまう。それからも小菅は何度か杉下に電話をかけてくるも、なぜか昼間にかかって来る電話には、杉下は知らぬ顔を決め込んでいた。遅い時間の電話に出ることで、小菅の隠れ家を突き止める作戦だった。

ようやく小菅の拠点とウイルスを探り当て、逮捕にまでこぎつけるも、その部屋で爆発が起き、中にいた米沢たち鑑識官や一部の刑事が閉じ込められてしまう。彼らは隔離されるが、1時間以内に発症するリスクが高いといわれる。そんな中、米沢がこっそり杉下に電話をし、ある人物に防護服の男が何かを注射して出て行ったと伝える。果たして、その注射をされた人物が苦しみ始めたのを知って、一刻の猶予もならないと察した杉下は、たまたま病院の駐車場にいた亀山に連絡を取り、どんな手段を取ってでも隔離病棟に向かうように指示する。

亀山は途中で出会った防護服の男に、少々手荒い真似をして入り込み、感染した男に防護服を着せて、ウイルスの拡散を防ぐ。一方捜査本部も病院に乗り込んでいた。件の注射をした男は、亀山に防護服を奪われた上、殴られて気を失っており、それを見つけた伊丹は、これまた荒っぽい方法でその男を気づかせ、逮捕する。感染した人物は結局亡くなった。

なぜその男が注射をしたのか、それは小菅が持っていたウイルスを本物のように見せるための画策だった。実は本物は防衛省に売り飛ばされており、小菅のウイルスは偽物で感染力は無かった。また本人もそれを踏まえたうえで、本物を手に入れようとしていたのだった。その後亀山は、自分に取って最後の事件を終え、美和子と共にサルウィンへ、子供たちに正義を教えたいと飛び立って行った。

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これもまた犯罪=ゲームの路線ですが、今回は一歩間違えればバイオテロになりかねず、かなりの緊張感が漂います。特命の2人は小菅の拠点に入り込んで彼を捕らえますが、この時の亀山の、相手の足をすかさず踏みつけ、背後から襲いかかって取り押さえる方法は一見に値します。それから米沢たちが隔離されたその後、亀山が「たまたま」病院の駐車場にいて、しかも伊丹もその現場にいたことで、犯人を捕まえられたわけですが、2人のうちどちらかでもこの場に居合わせなかった場合、どうなっていたのかと思います。

そして亀山は、この事件を最後に警視庁を退職し、サルウィンに向かうわけですが、まだその前のをすべて観ているわけではないので、その伏線がどうなっているのだろうとちょっと思います。しかしこの中で、隔離病棟に忍び込んだ際に、米沢にその判断は正しいのかと訊かれて、「右京さんの判断は間違っていない」と言うシーンにはなかなか亀山らしいものがあります。しかもなぜかと訊かれた彼はこう加えます。
何年、あの人と相棒やっていると思っているんですか
正に亀山退場回の決め台詞であったと言えるでしょう。その一方で、小野田官房長と防衛官僚のやり取りはなかなかシニカルなものがあります。 

ちなみにサブタイトルの「レベル4」は、バイオセーフティーレベルのことで、微生物や病原体を取り扱う施設の格付けを意味しています。 レベル4はその最高位で、エボラウイルスなどを取り扱える施設がこれに相当します。日本では現在、国立感染症研究所がこのレベル4です。

[ 2015/10/05 01:00 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

『相棒』シーズン6第10話「寝台特急カシオペア殺人事件!」

『相棒』シーズン6第10話「寝台特急カシオペア殺人事件!」、まずはあらすじです。

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過激派メンバーの新井田が、アミューズメントパークで爆弾マニアの塚原と取引をするが、新井田はそのための金を持って行こうとして発覚し、もみ合っている最中に爆弾が炸裂した。その金はホテル従業員の根元という男に奪われており、この根元は、北海道で公判中の事件の重要参考人であったため、杉下と亀山は、寝台特急カシオペアで彼を護送することになる。カシオペアには翻訳者の堂上公江、モデルの三樹ライナと友人の国子、大学教授の安藤の一家、増田という男とその弟らと一緒になる。しかし彼らの間には、どこか不自然なものがあった。

食堂車で杉下は、ライナが津島というクラブ経営者に名刺を渡されているのを目にする。また安藤と息子の博貴の関係もどこかおかしかった。博貴は素行不良で高校を退学させられており、この旅行は家族の絆を取り戻すための旅行だったのである。また根元は、何かに怯えているような目つきだった。そんな時、津島が自室で他殺体となって発見された。杉下と亀山は警察手帳を見せて捜査を開始する。そして杉下は米沢に連絡を取り、死亡推定時刻をどうやって算出するのかを教えてもらった。それによると、殺人が行われたのは午後11時半から0時までとなり、その前にカシオペアは盛岡を発っていて、次の停車駅は函館、しかも4時18分の到着だった。つまりその間犯人は逃げることができない。この間に事件を解決できないかと杉下は考える。

このカシオペアは窓が開けられず、従って走る密室となっており、犯人が列車内にいる確率が高いことから、杉下はそれまでに犯人を割り出すべく、自分たちと根元以外の1号車と2号車の客を部屋に戻す。そして、津島が食堂車で持ち歩いていた手帳がないこと、スーツケースのロックの数字が合っておらず、きちんと閉まらないことに杉下と亀山は不審を抱く。また2人は乗客たちの話から、増田という男と一緒にいる人物が、俳優の羽鳥亮矢であることを知る。実は羽鳥は三樹ライナとお忍びで旅行を楽しむつもりで、それぞれ他人のようなふりをして乗り合わせ、犯行時は、車両内の空き部屋で密会していた。

その部屋には盗撮用のビデオカメラが仕掛けられていた。本来は、羽鳥とライナを撮影する目的であったが、津島の手帳を隠そうと部屋に忍び込んだ犯人が、自分が写っていることを知って映像を削除したのだった。そんな時、杉下たちは堂上からお茶に誘われ、その席で、カシオペアが青森で進行方向を変えるため、一旦停車することを聞かされる。その時食堂車のゴミも降ろされることがわかった2人は、厨房に急行してゴミ箱の中を探り、ページが破られた津島の手帳が捨てられているのを発見する。 

杉下は食堂車に乗客たちを集め、津島がペーパーアシッドを売りさばいていたことを話した。このペーパーアシッドはLSDが浸み込ませてあり、隠語で切手と呼ばれていて、津島がライナたちに名刺を渡した際、杉下は「切手」という言葉を耳にしていたのだった。また、津島は安藤の妻、仁奈子が息子を「ヒロくん」と呼んでいたにもかかわらず、「博貴君」と呼んだことから、杉下たちは彼らが知り合いであることを指摘し、手帳の破られたページに、その人物の名があったのではと示唆する。そしてついに父親の安藤が犯行を自白した。息子の件で津島ともみ合っているうちに、津島が持っていた刃物が彼自身の左胸を刺したのだった。スーツケースの番号が合っていなかったのは、安藤が自分の指紋を拭き取ろうとして動かしたためだった。 

杉下は堂上に、青森停車の件を教えてくれたことで礼を言う。すると堂上は、かつて結婚を考えていた恋人を、そのカシオペアに乗車していたのと同じ日、つまり1月2日に事故で失い、それ以来自分の時計は止まったままだと身の上話を始める。その時読んでいた本になぞらえて、まるでシシュポスの岩のように、何度も落ちて何の進展もないと話す堂上。そして函館から北海道警察の警官が乗り込み、安藤一家はそこで下車した。その後、カシオペアは終点札幌に向かって走り始めた。 

そして根元を北海道警に送り届け、帰京しようとした杉下と亀山に、大河内から連絡があり、別の爆弾の取引があるから調べてくれと言われる。その爆弾は誰の手に渡ったのか。実はその爆弾を買ったのは、他ならぬ堂上公江だった。堂上は乗車時に、亡くなった夫の物だと言ってカメラケースを抱えていたが、その中身は爆弾だったのである。彼女は杉下に青森停車を教えることで犯人をほのめかし、自分に疑いがかからないようにしていたのである。

その一方で、根元が北海道警本部から逃走した。根元は、ホテル駐車場の拳銃密売である著名な人物を目にしており、その人物と関係のある別の人物から脅されていたのである。根元が車中で、怯えたような表情でいたのはそのためだった。杉下たちは根元の自宅を訪ねるが、既に根元は連れ去られ、マフラーだけが落ちていた。そこで2人は近所の空家物件を当たり、かつてレストランだった所に監禁されていた根元を見つける。根元を監禁したのは、カシオペアに、撮り鉄が趣味のフリーターとして乗り込んでいた保坂という男だったが、この保坂がカシオペアの中で、警察の隠語を使っていたのが杉下には引っかかっていた。実は保坂は、北海道警の刑事の藤井だった。

その後杉下と亀山は、堂上が宿泊予定だった洞爺湖畔のホテルに向かう。そこにいたのはホテル王の仲瀬だった。仲瀬はかつて、学生運動盛んな折に、堂上の恋人に爆弾を作らせていたが、その恋人は作業中に爆発で死亡、そして堂上も彼の子を流産してしまっていた。堂上は何食わぬ顔で自分だけ出世し、ホテル王にまで登り詰めた仲瀬への復讐を考えていたのだった。堂上が杉下たちと寝台車の話をしていた時、不意に脚の怪我に言及したが、その怪我はこの時のものだった。そして堂上の名前もまた、過激派として古い資料に遺されていた。仲瀬に爆弾で報復を試みる堂上、しかし杉下と亀山がうまくそれを阻止する。

仲瀬は銃密売容疑で逮捕され、杉下は、彼女の恋人が爆発で死亡した際、黒焦げになったロケットを堂上に渡す。指輪を堂上に買ってやれなかったかつての恋人は、この中に、自分が好きな天体の写真を入れて彼女に渡そうとしたのだった。杉下は、星たちは動き続けているのだから、貴女も自分の時計を動かしなさいと告げて去って行く。 

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 『オリエント急行殺人事件』をベースにしていると思われる部分もあるこの作品ですが、最初は全く関係ない場所での殺人から始まります。結局殺人ではなく凍死であることが判明し、トリオ・ザ・捜一が本庁に戻る途中に、根元が札束を持って逃げるのを見て取り押さえようとして、失敗してしまいます。しかも令状無しの捜査であったことから、ピルイーターこと監察官大河内に、新年早々資料のPC入力作業を命じられます。その最中、亀山から伊丹に、ある件で訊きたい旨連絡が入りますが、この2人のやり取りは相変わらずです。そして杉下が、米沢に死亡推定時刻の割り出し方を訊いた時、米沢はちょうど、録画していた紅白歌合戦を観ようとしていました。このへんがまた、如何にもこの人らしいです。

また杉下と亀山は、銃の密売絡みで元旦は登庁していましたが、たまきや美和子と新年会をする予定だったので、その後2人で花の里に向かおうとします。その矢先に入って来たのが、根元の護送でした。たまきと美和子は仕方なく、女2人でご馳走を食べて酒を飲みます。その時美和子が、帝都新聞の元旦特集のインタビュー記事を読むシーンが出て来ますが、その中にホテル王仲瀬、そして俳優の羽鳥の記事があります。また、たまきが北海道に行きたくて集めたパンフレットに、堂上が泊まる予定だった洞爺湖畔のホテルの物もあり、かなり伏線を張り巡らせた作品です。またこの時美和子が作るお雑煮が、ピンク色の、あまりお雑煮らしからぬ雰囲気であることを考えると、エジプト料理にヒントを得た、いわゆる「美和子スペシャル」と察せられます。
 
[ 2015/09/24 01:00 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

『相棒』と『ガリレオ』に見る少年の「超能力」

子供が特殊能力を持つというのは、ミステリーやサスペンスの世界ではよくあるようです。まだ未熟な分、大人にはない物を持っているからとみなされることが多いようですが、今回は『相棒』と『ガリレオ』に登場する「超能力」を持った子供たちと、その背景についてです。

『相棒』第7シーズン第13話 「超能力少年」
縄手順子と名乗る女性が、10歳の息子の拓海を連れて特命を訪れた。彼には予知能力があり、これから起きる事件の「お告げ」があったのだという。拓海は銀座の、一晩に何百万も収入があるクラブで殺人が起こると話す。しかも、左前ながら銀座のクラブで殺人が起こり、周囲を驚かせる。杉下は、亀山が去った後米沢と行動を共にし、花の里で、この「お告げ」のトリックについて話し合う。

縄手家に盗聴器の受信機があるのではないかとにらんだ2人は、実際に家を訪れるが、そこにあったのは受信機ではなく盗聴器本体だった。つまり、母子の会話は誰かに盗聴されていたのだった。また家の中は、一種オカルト的なインテリアで、拓海も母親の指導のもと、好きなゲームを楽しめない状態だった。そんな折捜一がやって来て、米沢は拓海の部屋に移動し、互いに打ち解ける。

その次に拓海は、犯罪に使われた銃器が久我山公園で発見されると杉下や米沢に話す。トリオ・ザ・捜一が見守る中、銃器は発見され、順子と拓海はマスコミの注目の的となる。一方で杉下は、順子のの元夫で拓海の父親、斎木敏也と会い、順子が超能力のいわば英才教育を施していると話すが、順子の英才教育は、別居開始後に始まったものだった。その後斎木は、情報を得るために盗聴器を仕掛けたのは自分だと話す。

さらにその後新たな「お告げ」があり、あるコンビニで盗みが起きると拓海はいう。このためコンビニに捜一や組対5課を貼り込ませるが、空振りに終わる。しかし現実には、通りを1本隔てた不動産会社で盗みが起きていた。なぜ「お告げ」には時にばらつきがあるのか。杉下と米沢は、拓海がいつも登校中に「お告げ」を受けることから、通学路を受信機を持って移動し、あるアパートからの音声を、拓海が受信していたことを突き止める。

その部屋は、件のナイトクラブの出入り業者坂本が住んでいた。坂本はこのクラブのママ真紀と協力して、彼女の夫を殺し、真紀のクラブのやり直し、そして坂本自身の人生のやり直しの資金として、現金を盗んでいたのだった。では、なぜ拓海がそれを受信できたのか。それは、上下の歯にかぶせた金属のせいだった。上下違う金属が使われており、それが受信機と似た働きをして、頭蓋骨を伝って音声が届いていたのだった。しかし断片的だったので、実際の事件との食い違いが起きていたのである。

順子はかつて、超能力少女と呼ばれ、TVにも出演していたが、本番でのミスが響いて散々な批判を浴びていた。それを見返すため、息子の拓海を超能力者として仕立て上げたのだった。しかしそこに斎木がやって来て、超能力にこだわる順子を諌める。

次に、『ガリレオ』第1シリーズ第2話「離脱(ぬけ)る」です。
9月のある日、フリーライターの上村は、風邪で寝ている息子の忠広が、枕元のスケッチブックに赤い車の絵を描いているのを見る。上村は離婚後忠広と2人暮らしだった。忠広は父親を見て、ドアのチャイムも鳴らないのに、馴染みの焼肉屋の主人、幸恵が来ると口にする。果たしてその直後、幸恵が部屋に入って来た。忠広は父親と幸恵に、自分の体が浮き上がって、その赤い車が見えたのだと話す。

内海薫はまたも帝都大の湯川研究室にやって来て、その同じ日に起きた殺人事件の調査の協力を頼む。容疑者は栗田という生命保険会社の社員で、被害者はOL長塚多恵子、そして、忠広が栗田の赤い車を見たことも話して、ともかく上村家に足を運んだ。上村は息子の幽体離脱を主張するが、湯川は何か理論に基づく現象が起こったと見て、その後研究室で、学生たちを相手にこれについての考察を行う。上村父子の暮らすマンションと、栗田が車を止めていた場所の間には工場があり、普通に考えて、忠広が赤い車を目撃するのは不可能だった。

一方容疑者の栗田は、その前日に長塚の部屋を訪れたものの、殺害当日は車を止めてサボっていたからアリバイがあるという。また湯川は、工場の廃棄物処理場に、ぼろぼろになった長靴がいくつもあったのを見つけ、この工場で何かあったことを悟る。一方、上村は幽体離脱した息子を、TVに出演させる日々が続いていた。しかし忠広の言動は、どこかぎこちなかった。

ある日、焼肉屋を訪れた湯川と内海は、上村父子が食事をしているのに出会う。上村が出演交渉の電話で席を立った間、湯川はかつて社会を騒がせたスプーン曲げについて、皆がそれを信じてしまったのだと忠広に話す。忠広は、どこか微妙な表情を見せた。そして出演当日、本番の少し前に湯川は内海と上村父子、そして幸恵を研究室に呼び出し、水槽の仕掛けを見せる。それはあの日、忠広が体験したことが再現される仕掛けになっていた。

犯行当日、例の工場では液体窒素が漏れる事故があり、床表面の温度が急激に下がっていた。その時床の長靴が凍り、ぼろぼろになっていたのである。またその日は9月にしては暑い日で、熱を含んだ空気は上に行き、工場としては、普段は空けない大扉を開けて窒素を逃がしたため、蜃気楼に似た状況が生まれていて、普段は下にあって見えない物が見えるようになり、忠広が見た栗田の赤い車は、正にそれによるものだった。しかし上村は頑なにそれを否定する。

内海はいった。忠広が上村に付き合ったのは、そうすれば父親が報酬を得られて喜ぶから、だから自分も嘘をつこうとしたと。上村は半ば腹を立てて研究室を去り、忠広と、そして幸恵も後を追って、3人はTV出演もせずそのまま帰路に就いた。また長塚殺害の件は、女子柔道チャンピオンだった彼女を扼殺するには、栗田は小柄であることから、別の犯人が浮上した。

この2つには
*子供が特殊能力を持ったことにされる
*特に、親が何らかの目的でそれを触れ回る
*しかしそのトリックは、科学で証明される

こういった特徴があります。しかも、捜査する方(杉下や捜一、あるいは内海や先輩の弓削)と原因を突き止める方(米沢、湯川)の役割分担がはっきりしていて、特に後者の方にもかなり重きが置かれているという点です。ただ、子供とすぐ打ち解けて、メールアドレスまで交換する米沢とは違い、湯川は子供が苦手で、上村家を訪れた時も内海を通して話を聞き、しかも研究室で拓海と目が合ったことから、蕁麻疹が出てしまいます。

また、『相棒』の方は母親で、しかもかつての自分の汚名をすすがせる目的があるわけですから、ややもすると感情に走りがちで、別れた夫に窘められます。一方『ガリレオ』では父親で、しかも計算高い感じのお父さんですから、母親代わりと思われる幸恵が、子供によくないと苦言を呈する場面が出て来ます。いずれの場合も、最終的に親が子供の「超能力」を利用するのは見送られた格好になります。

そして、1970年代に起こったスプーン曲げが採り入れられています。『相棒』では、母親の順子がその当事者であり、『ガリレオ』では、恐らく小学生の頃の湯川が、それに魅せられたものの後でそのトリックに気付くもので、この場合は両者が、いわば表裏一体となっているともいえます。

[ 2015/09/13 00:40 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

『相棒』第5シーズン第4話 「せんみつ」と『青い紅玉』

まず、関東地方北部への台風の影響と水害が、東北にまで及んでいるようです。離れた土地に暮らしてはいますが、気になります。

では本編に行きます。

*************************

宝石強奪事件で12億円相当の宝石が盗まれた件が、世間を騒がせていた。その一方で、捜一の三浦が特命にやって来て、杉下にある空き巣の常習犯について調べてほしいという。

「せんみつ」、千の言葉のうち三つだけが事実、転じてうそつきの槙原という男が、奥多摩のとある別荘に侵入して、空き巣の容疑で逮捕された。しかし今回は素直に罪を認めているらしい。杉下と亀山が取り調べたところ、確かに槙原は全面的に犯行を認めたが、何か裏があるように感じられた。そもそも別荘に人がいない時期で、しかもなぜその別荘に入ったのか、あれこれ尋ねる2人。そして杉下は、本当はもっと重い罪を犯して、窃盗はその隠れ蓑ではないかと切り出すが、槙原は平然としていた。

その後、別荘を調べに行った亀山は、この事件を取材したいという美和子からの電話で、共に別荘近くの産廃場に行き、男の死体を発見する。殺されたのは、ちょうど槙原の逮捕の直前だった。今度はこの殺人事件の参考人となった槙原は、もちろんそれを否定する。槙原と同郷の三浦は、この男が以前1億円を稼ぎ、故郷で温泉を掘る計画を立てていたことを杉下に話す。

杉下は考えた、槙原が実際に人を殺していたら、なぜ別荘に侵入して空き巣を働いたりしたのか。また、産廃場からは槙原の指紋は見つからず、殺人事件とは直接関係なさそうである。ならば、宝石強奪事件との関係はどうなのだろうか。取り調べ中、杉下は三浦と組んで一芝居を打つ。まず三浦は、かかって来た携帯電話を取り、殺人容疑は晴れたと槙原にいいのこして、取調室を去って行った。わざと残された携帯を手に取って、自分の愛人の美津子に連絡を取る槙原。

実は槙原の携帯には、犯行時に何度も美津子に連絡した履歴が残されていた。槙原は、別荘地の近くにある高森酒造の、ワインのバーレルオーナーに応募しようとしていたのである。そこでは5年後の熟成を待つワインの樽の、個人オーナーを募集していた。しかしなぜ槙原はバーレルオーナーになろうとしたのか。それは、あの犯行の夜に、ある男が宝石を樽の中に入れるのを目撃したからだった。

その男こそ、宝石強奪グループの1人である本脇だった。本脇はこの酒造会社の社員だったが、素行不良で首になっており、その後強奪した宝石を独り占めしようと、ワインの樽の中にそれを隠したのだった。その樽は、個人オーナーを募っている樽の1つだった。しかしその後本脇は産廃場で殺され、槙原はそれを目撃してしまう。必死で現場から逃げ出した槙原は、敢えてセキュリティシステムのある一軒の別荘に入りこみ、警察に逮捕されることで、とりあえずは自分の身の安全を確保しようとしたのだった。

別荘で空き巣を働いて、また別荘に入る-つまり「ムショ暮らし」となれば、服役囚となり、一応身の安全も確保される。殺人グループも逮捕されるだろうし、何よりも5年経てば宝石を隠した、あの樽が手に入るのだ。そのためにも応募を急いだ槙原だった。三浦はいい加減故郷に戻って、堅気の仕事を探せと槙原を諌めるが、槙原は、これからも空き巣をやりますよと平然と返す。しかし杉下が、すかさずそれに突っ込んだ。
「ウソしか言わないなら、今の言葉もウソなんですね…」

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この口八丁手八丁で、悪いことをしているけれど根っからの悪人にも見えず、空き巣狙いばかりやっている槙原と、特命の2人の掛け合い、それと珍しく?捜一の三浦の関与が結構楽しめます。何だかんだといいながらも、三浦が槙原のことを心配しているのがまたちょっといい感じです。

そして、これを観て思ったのは、ホームズの『青い紅玉(ガーネット)』の要素が採り入れられているということです。こちらは、盗品である青のガーネットを、鵞鳥に呑み込ませて、それをクリスマス用に持って帰ったまではいいものの、いざひねってみると、宝石を呑ませた鵞鳥ではないことがわかり、犯人が必死になって呑み込ませた方の鵞鳥を探そうとするわけです。一方この『相棒』は、犯人はどこに宝石があるかはわかっています、相手は生き物ではないので自分で動くこともなく、他の業者が持って行くこともありません。ただ

早く応募しないと、あの宝石の件がばれてしまう

その一心で何度も何度も愛人に電話をして、応募させようとするわけで、そのうろたえぶりが、やはりホームズの犯人といささか共通します。また、『青い紅玉』では、最後にクリスマスだからということもあり、犯人は監獄送りにされず、代わりにホームズから叩き出されますが、こちらの方では、三浦の、刑事というよりは同郷の人間としての気遣いが感じられるものとなっています。

[ 2015/09/12 00:41 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

『相棒』第1シリーズ第5話 「目撃者」

ざっとあらすじを書いておきます。

小野田官房長が、孫を幼稚園に車で送って行く途中、急にその子が尿意を催し、車から降ろして用を足させるが、この辺警察関係者である「じいじ」はかなり微妙な立場だった。その後、車に乗ろうとしたその子が、ある人物の死体を発見する。それは近くの小学校の教師で、凶器はボウガンだった。小野田は特命の2人にこっそりこれを伝える。

以前から、その小学校に通う子供たちが、通学途中のアパートに住む佐々木からボウガンで脅されていたことを知った杉下と亀山は、その男が怪しいとにらむ。一方で捜査一課の面々は、小学校を訪れて捜査を始める。そんな折、その小学校の生徒の手塚守が、その犯行現場を目撃したと特命の2人に話す。

しかしこの守は、一筋縄で行く子ではなかった。小学生にして『異邦人』を読み、その他もろもろのことに詳しく、大人顔負けの理論を展開する子供だったのである。また図書館の本だけでは物足りないようで、担任の前原恭子から本を借りて読んでいた。守は両親を亡くして親戚に引き取られており、前原は、必ずしもその親戚とはうまく行っていないようで、いつも図書館にいることを2人に伝える。

佐々木も当然、容疑者の1人だった。天井裏からボウガンが見つかったからだが、犯行時現場にいたのは佐々木ではなかったことが明らかになる。なぜかといえば、その時ボウガンが盗まれていたためで、当然誰かがその盗んだボウガンで、犯行に及んだのだった。

実はその前原は、最重要容疑者とみなされていて、しかも件の教師から1度暴行を受けかけていたが、犯人は前原ではなかった。いつも遅い時間まで図書館にいる守も、その光景を目にしていた。しかも杉下は、ボウガンは比較的体格にハンディがあっても相手を倒せること、しかも現場にあった4つの穴と、学校の用具室の折り畳み椅子の脚の位置がぴったり合致したことから、犯人を特定するに至る。

犯人は守だった。椅子を現場に置いて、その上に立って相手に狙いをつけたのである。しかも守は、自分は14歳未満だから家裁送りになり、特に影響はないと平然といってのける。そんな守を、亀山はある場所に連れ出す。そのある場所とは東京拘置所だった。

2人はその当時入所していた浅倉禄郎と面会し、犯罪を犯すとどうなるか、浅倉は直にいって聞かせる。浅倉の言葉を聞いて、初めて涙を流す守。一方外では、前原と杉下が待っていた。杉下は前原に、浅倉が死刑囚であることを話す。

***************

何ともこましゃくれた感じの守ですが、彼もまた内面に悩みを抱えていたようです。あまりに子供らしくない彼が、浅倉の言葉を聞いて涙を流すところに変化が見て取れます。ちなみにこの守を演じたのは、子役時代の染谷将太さんです。

それから以前書いた「ベラドンナの赤い罠」同様、この回でも小野田官房長は、回転寿司の皿をレーンに戻してしまっています。しかし冒頭のいい「じいじ」ぶりには、何かほのぼのとさせられるものもあります。

[ 2015/08/31 00:50 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

『相棒』第4シーズン第4話「密やかな連続殺人」第5話「悪魔の囁き」

さて、浅倉緑郎に匹敵するもう1人の「悪人」、村木重雄の登場です。この第4話と第5話もセットで、それぞれ前編、後編的扱いになっています。

荒川の河川敷で若い女性の遺体が見つかる。その遺体の耳には、本来両方にあったはずのピアスが片方しかなかった。それは、13年前に都内で起きた、ある女性殺人事件にも共通するものだった。亀山薫は、その13年前の事件を担当し、今は退職して屋台を経営している佐古から渡される。佐古は、それを被害者の遺族から譲り受けたのだった。今度の事件は、その時のと何か関係があるのだろうか。

そして杉下と亀山は、イヤリングと違ってピアスは外れにくいこと、また、ピアスが片一方外れた女性の殺人は、全国でそれまでに10件起きていた。日本の場合は全国規模の捜査機関でなく、都道府県レベルの捜査であるため、犯人はそこを突いていて、あちこちの地域で似たような殺人を繰り返していたのだった。しかも同じ場所では事件は起きておらず、今回もたまたま荒川の河川敷で発見されたものの、元々は埼玉での殺人だった。

13年前の事件は、村木重雄という予備校講師が有力な容疑者だったが、証拠不十分で不起訴になっていた。村木の元を訪れた杉下と亀山は、そこで捜査一課と鉢合わせをし、しかも村木に自殺未遂までされてしまう。幸い事なきを得たが、そこへやって来た、経営コンサルタントをやっている妻の順子は、大声で夫を叱咤し、バッグで殴りつける。唖然とする一同の前で、村木は服従の体を示し、順子と共に去って行った。この奇妙な夫婦関係を目の当たりにした杉下は、村木が容疑者とされたのがトラウマとなり、診察を受けている精神科医の内田美咲の元を訪ねる。

内田によれば、村木夫妻の関係は支配と隷属と呼ばれるものであること、またこの事件の犯人は真面目で、出張や転勤など各地を飛び回る仕事をしていること、ピアスを片方だけ持ち去るのは、自分だけにわかる共通項であることを告げる。ピアスは元々魔よけのためであったが、それを外すことで、持ち主を征服した気分になれるのだという。ということは、持ち去ったピアスを妻に渡すことは、本来の夫婦関係の逆転があるのだろうか。また、順子の左耳は明らかに変形していた。

結局その後の調査で、村木は大手予備校の教師で全国を飛び回っており、講義の日程そして場所と、殺人事件の発生日時及び場所とがぴったり合致した。しかし遺体は高い所から川に投げ込まれており、交通事故で脚を負傷した村木には至難の業だった。しかも、村木はその後、捜査一課が家宅捜査に入った隙を見計らい、マンションの屋上から身を投げて自殺してしまう。

家宅捜査の末出てきたピアスは7つで、残る3件分の証拠品は見つからなかった。共犯者が順子であれば同じ場所から見つかるはずだから、他に犯人がいるとにらむ。しかも直近の件に関しては、埼玉で行われた殺人であるにも関わらず、荒川の河川敷で発見され、しかも被害者は東京の人間だった。犯人が被害者を埼玉の人間だと勘違いしたのは、彼女が埼玉のデートクラブで働いていたからだった。しかも、店長は女性客もあるから、犯人は男に限らないという。

そして村木の妻順子は、捜査一課の取り調べに楯突きながらも、事件当日はアリバイがあったこと、そして、内田の助手の青年の安斉と会っていたと話す。この2人は不倫関係にあった。そして杉下は、直近の3件はすべて、内田の講演が行われた場所で起こっていたことを突き止める。しかも杉下は、内田から村木が描いた不気味な絵を渡されていた。内田は、自分がこの絵に隠されたヒントを見逃していたと自分を責める。一方で、犯罪心理学者である彼女の論文には、どこか彼女自身が、悪に惹かれるのを示唆するものがあった。彼女はこの事件に絡んでいるのか?

しかし、被害者日高鮎子の最後の客は男だった。しかも内田は、安斉の部屋に儀式に使うような一隅が設けられていることを知る。彼は、村木の悪の継承者であることを自認していた。それに気づいた安斉は内田を人質に取り、屋上に出て杉下、亀山を前に、自分だけでも飛び降りようとするが、そこを亀山が体を張って阻止する。

***************

浅倉禄郎の殺人鬼ぶりとはまた違い、大手予備校教師という前職のせいか、真面目で気弱そうである一方で、カリスマ的、しかも妻に「隷属」しているという位置づけの村木の殺人は、どこか象徴的です。そして、わからないように違った場所で事件を起こしながらも、ピアスを持ち去るという共通項があるために、むしろ探られやすくなってしまったともいえるのですが、なぜそこまでしてピアスを持ち帰りたがったのか、そこには妻との関係がありました。しかも、自分がかかっている精神科医のアシスタントを、自分の悪の後継者として取り込む辺りはなかなか強かで、そのぶん浅倉のような「憐み」が与えられず、自分で自分を葬り去るような格好になったとも取れます。そして後継者である安斉もまた、気弱そうで真面目そうな人物というのが興味深いです。

ところで、この中で特に村木が口にする「ウィム・パティオール」とはラテン語で、「私は圧迫に耐える」の意味との由。しかし安斉の部屋の、儀式に使われるようなスペースは正直結構不気味ではあります。

[ 2015/08/30 00:59 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

『相棒』シーズン2第21話「私刑~生きていた死刑囚と赤いベルの女」

プレシーズンに放送された「恐怖の切り裂き魔連続殺人!」の続編というべき回です。

投身自殺したはずの浅倉禄郎が、実は生きていた…ホームレスとなった浅倉は、炊き出しを待っている間に、他のホームレスの男から自分の正体に気付かれ、法務省刑事局刑事課長の永井の取り調べを受け、再び拘置所に戻された。しかし浅倉は記憶を失っており、亀山薫はそのことに怒りをぶつけるが、もはや浅倉は、母を殺した以外の記憶は残っておらず、逆に自分は他にも殺人をしたのかと問いかけるのだった。

永井は浅倉に催眠療法を受けさせようとする。楽しかった時の記憶だけでも戻ってほしいと願う亀山、しかしそんな矢先、拘置所内でサイレンが鳴り渡る。その後、亀山は浅倉が自殺したという知らせを受け取って、やるせなさを感じる。葬儀がひっそりと行われた後、亀山の元を「特命係の亀山~!」とからかい口調で訪れる伊丹を、亀山は殴りつけてしまう。しかし伊丹は一言、「そう邪険にするな」。実は伊丹は、浅倉の自殺に隠蔽工作があったらしいことを伝える。

浅倉は刑務官の斎藤を殺して脱走したかどで、一部の刑務官から私刑を受けており、刑務主任の中津がそのことを永井に伝えていた。亀山は永井に連絡を取り、隠蔽工作の裏付けのために監視ビデオを提出するよう依頼するが、永井は、刑務官がテープを入れ忘れたと話す。そこで亀山は、かつて自分が担当した未決囚の田端を拘置所に訪ね、サイレンが鳴った当時について訊く。田端によると、サイレンは午前2時ごろ鳴り、その後、ドアノブで首を吊っている浅倉が発見されたのだった。

杉下は、刑務主任の中津が浅倉を殺したのではないかと密かに疑っていた。中津が浅倉を殺す理由はただ1つ、斎藤を殺したのが、本当は浅倉ではなく、浅倉が記憶を取り戻すとまずいからだった。そもそも、浅倉は斎藤を殺すのが目的ではなく、脱獄が目的なら、斎藤を気絶させておけばよかったのである。杉下は亀山と、その当時の状況をシミュレートし、上着の袖で絞殺する場合、最低でも8分はかかることを突き止める。また中津は斎藤からいじめられていたこともわかった。しかし今度はその中津が死亡する。

中津の携帯電話には、最高検察庁の次長検事である、皆川千登勢への発信履歴が残されていた。皆川は、浅倉の私刑の件でビデオを公開しており、中津による斎藤殺しも疑っていた。そのため、中津にちょっと脅しをかけていたことを告白し、のみならず、浅倉殺しを中津に依頼までしていたのだが、ことの真相を永井に知られてしまっていた。浅倉を殺したいために、法務大臣の瀬戸内に、彼を死刑にするようはっぱをかけるも、なかなか承諾してもらえなかった。結局その後杉下が、中津の司法解剖で胃から遺書が出てきたと嘘をついたことで、あっさり自分の罪を認めてしまう。

なぜそこまでして浅倉を殺したかったのかと問われた皆川は、こう答える。
「殺人犯として捕まった彼が不憫だったから」つまり、憐みによるものだったと。

その後亀山と美和子はマンションの屋上で、かつて浅倉と3人で星を眺めた時のようにワインを持ち込み、友人を偲ぶのであった…。

***************

第2シーズン最終回で、浅倉のその後が描かれています。結局記憶喪失、しかし母親の殺人だけは記憶に残っている状態、しかもホームレスとなっていた浅倉は、最終的には拘置所で刑務官により殺されてしまいますが、その決定を下したのは、かつて検事であった彼の大先輩ともいうべき皆川千登勢でした。皆川は「不憫さゆえに」彼を殺すように指示したことを特命の2人に伝えます。屈折した愛情というか、何か「聖女の救済」をちょっと思い起こさせます。無論それぞれを取り巻く状況も立場もまるで違いますが、皆川にとって、浅倉が殺されたことで何かが完結したのかもしれません。この皆川を演じていた岸田今日子さんがいい雰囲気でした。

しかし伊丹を殴りつける亀山の熱さ、これだけ自分を悼んでくれる友人がいたのは、浅倉にとっては幸せだったといえるのかもしれません。しかし、杉下と亀山の絞殺のシミュレーション、如何にも杉下らしい、徹底した立証というべきでしょうか。あと、亀山から殴られても、珍しく?あっさりといなす伊丹がまたなかなかよかったです。

[ 2015/08/29 23:47 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

『相棒』S10E7 「すみれ色の研究」と『緋色の研究』の比較

このサブタイトルを見て、まず連想したのはホームズ正典の『緋色の研究』でした。実際に観てみたところ、全く同じではないにせよ、いくらか重複する箇所がありますので、ピックアップしてみます。上が『相棒』、下がホームズ正典です。

*植物工学研究所が舞台である
*化学実験室が舞台の一部である

*加藤誠と美咲の父娘関係
*ジョン・フェリアとルーシーの養父娘関係

*加藤の妻恵子の急死
*ルーシー・フェリアの急死

*所長が不正を働いていて逃亡した
*ジョン・フェリアが教団の掟に背いて逃げた

*竹山が倉田を殺した際、サボテンの棘で倉田が指を刺し、床に落ちた血を次亜塩素酸ナトリウムで拭こうとした
(証拠隠滅の為、証拠品として持ち出された血の付いたサボテンに同じことをしようとした)
*殺害現場に血が流れていた

*竹山から指輪を贈られていた倉田だが、開封すらもしていなかった
*犯人ジェファーソン・ホープの目的は指輪だった

*加藤は娘がHTLV-1ウイルスのキャリアで、いつ発病するかわからないことを懸念する
*ジェファーソン・ホープは大動脈瘤を抱えていて、いつそれが破裂するかわからないと気にしている

とりあえずはこういった点でしょうか。
ところでこの中で、加藤は事件当日、ある人物に会うと話していますが、実際はローズマリーの抗癌作用について調べるため、多くの資料を持ち帰っていたのでした。その中の帝都燃料の倉田の実験のファイルが、研究費の不正の裏付けとなり、加藤家を訪れていた神戸がそれに目を付けて、彼が研究所に踏み込む一因となったわけです。またかつて、杉下が賞を獲った小説に関するやり取りの中で、
加藤「賞を獲ったトリックの提供は自分だ」
杉下「僕が最初に君に話したんだ」
などといい合う辺り、恐らくこの2人は、大学時代からずっとこうなのだろうなと思わずにはいられません。
そして角田課長、朝食はバナナ、特命室での一人きりの昼食は、昨夜の残りの肉じゃがとお握りですか。でも何だかんだいいつつ、愛妻弁当が実は嬉しいのではないでしょうか。ちなみに弁当を包んだハンカチも、マグと同じパンダがあしらってあるところを見ると、パンダ好きは実は奥さんの趣味なのかも。

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[ 2015/08/29 00:43 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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