微生物研究所から、ウイルスが持ち出される。そのウイルスは、感染率と致死率が100パーセントの正に殺人ウイルスで、一旦ばらまかれたら大変なことになる代物だった。微生物研究所の職員である永峰千沙子は、小菅という男が研究員を殺し、ウイルスを持ち出したと杉下と亀山に話す。そして、そのウイルスを生み出したのも小菅であった。もちろん捜査本部が設けられてはいたものの、特命はそれに参加できず、杉下は単独に小菅と接触を始める。
その後、杉下に小菅から電話がかかる。杉下が何をしたいのかと訊いたところ、小菅はこう答えた。「ゲームかな」。杉下は一旦は小菅を追い詰めるも逃げられてしまう。それからも小菅は何度か杉下に電話をかけてくるも、なぜか昼間にかかって来る電話には、杉下は知らぬ顔を決め込んでいた。遅い時間の電話に出ることで、小菅の隠れ家を突き止める作戦だった。
ようやく小菅の拠点とウイルスを探り当て、逮捕にまでこぎつけるも、その部屋で爆発が起き、中にいた米沢たち鑑識官や一部の刑事が閉じ込められてしまう。彼らは隔離されるが、1時間以内に発症するリスクが高いといわれる。そんな中、米沢がこっそり杉下に電話をし、ある人物に防護服の男が何かを注射して出て行ったと伝える。果たして、その注射をされた人物が苦しみ始めたのを知って、一刻の猶予もならないと察した杉下は、たまたま病院の駐車場にいた亀山に連絡を取り、どんな手段を取ってでも隔離病棟に向かうように指示する。
亀山は途中で出会った防護服の男に、少々手荒い真似をして入り込み、感染した男に防護服を着せて、ウイルスの拡散を防ぐ。一方捜査本部も病院に乗り込んでいた。件の注射をした男は、亀山に防護服を奪われた上、殴られて気を失っており、それを見つけた伊丹は、これまた荒っぽい方法でその男を気づかせ、逮捕する。感染した人物は結局亡くなった。
なぜその男が注射をしたのか、それは小菅が持っていたウイルスを本物のように見せるための画策だった。実は本物は防衛省に売り飛ばされており、小菅のウイルスは偽物で感染力は無かった。また本人もそれを踏まえたうえで、本物を手に入れようとしていたのだった。その後亀山は、自分に取って最後の事件を終え、美和子と共にサルウィンへ、子供たちに正義を教えたいと飛び立って行った。
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これもまた犯罪=ゲームの路線ですが、今回は一歩間違えればバイオテロになりかねず、かなりの緊張感が漂います。特命の2人は小菅の拠点に入り込んで彼を捕らえますが、この時の亀山の、相手の足をすかさず踏みつけ、背後から襲いかかって取り押さえる方法は一見に値します。それから米沢たちが隔離されたその後、亀山が「たまたま」病院の駐車場にいて、しかも伊丹もその現場にいたことで、犯人を捕まえられたわけですが、2人のうちどちらかでもこの場に居合わせなかった場合、どうなっていたのかと思います。
そして亀山は、この事件を最後に警視庁を退職し、サルウィンに向かうわけですが、まだその前のをすべて観ているわけではないので、その伏線がどうなっているのだろうとちょっと思います。しかしこの中で、隔離病棟に忍び込んだ際に、米沢にその判断は正しいのかと訊かれて、「右京さんの判断は間違っていない」と言うシーンにはなかなか亀山らしいものがあります。しかもなぜかと訊かれた彼はこう加えます。
「何年、あの人と相棒やっていると思っているんですか」
正に亀山退場回の決め台詞であったと言えるでしょう。その一方で、小野田官房長と防衛官僚のやり取りはなかなかシニカルなものがあります。
ちなみにサブタイトルの「レベル4」は、バイオセーフティーレベルのことで、微生物や病原体を取り扱う施設の格付けを意味しています。 レベル4はその最高位で、エボラウイルスなどを取り扱える施設がこれに相当します。日本では現在、国立感染症研究所がこのレベル4です。
Author:aK
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。
他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。