過去のワールドカップその2です。以前この「ラグビーあれこれ」で、かつてワールドカップは複数の国で開催されていたことを書いています。南半球では1995年に南ア、2003年に豪州、2011年にNZがそれぞれ自国のみで開催をしていますが、北半球では2007年も複数の国で開催、2015年のイングランド大会でも、一部ウェールズで開催されていました。ですから今年のフランス大会が、北半球初の自国のみでの開催となります。
(日本も北半球ですが、国際試合のシステムは寧ろ南半球に近いです)
そして1987年の第1回大会は、NZと豪州で開催されました。実はこの時の関連記事を見ると、この両国のラグビーユニオン、日本で普通にラグビーと呼ぶ15人制ラグビーへの温度差を見せつけられることになります。NZは言わずと知れたラグビー王国であり、当然ながら盛り上がるわけですが、豪州で盛んなのは13人制のラグビーリーグの方でした。そのためタクシーに乗った記者が
「今(ラグビー・)ユニオンのワールドカップをやっているのかい?」
と訊かれたという話もあるほどです。
無論これは、まだ第1回でワールドカップの知名度が低かったせいもあります。しかし実際豪州はリーグの人気が高く、ユニオンは寧ろマイナーな存在とも言えました。一方北半球、第2回イングランド大会では英4か国とアイルランド、そしてフランスがすべて会場となっています。これに関しては第4回ウェールズ大会も同じで、要はファイブネーションズ(シックスネーションズの前身)のすべて国々による協力体制とも言えます。この傾向は2000年代以降も続きますが、この頃になるとシックスネーションズのすべてではなく、その一部で行われるようになります。
そして前出のように、2007年の第6回フランス大会は、フランスとウェールズとスコットランドのみでの開催、2015年第8回イングランド大会は、イングランドとウェールズでの開催となっています。また開催時期はそれぞれの国の秋に設定されていましたが、第4回以降はどこで開催されようが、9月から11月までの時期と改められました。
今年は今まで毎回出場していたカナダが不参加で、代わりにチリが出場します。このカナダやイタリアと言ったチームは、毎回出ていてそこそこ勝ってもいる割には、まだ決勝トーナメント出場がありません。イタリアは前回台風で1試合ができなくなったせいもあり、この次は決勝トーナメント入りを考えているでしょう。
シックスネーションズ勢と南半球の三強を除けば、第1回から毎回出場しているのは日本とアルゼンチンだけになりました。そのアルゼンチン、今年の大会は予選リーグで日本と顔が合います。何でも、一緒にイングランドを倒して決勝トーナメントに行こうと、言ったとか言わなかったとか。
それから以下の国々は、毎回は出場していませんが比較的出場回数が多い国です。
フィジー 第3回不参加(地区予選落ち)
トンガ 第2回不参加(地区予選落ち)
サモア 第1回不参加(地区予選落ち、第3回までは西サモア)
ルーマニア 第9回不参加(予選通過を決めていたが不正があり、ロシアが代わりに出場)
南アフリカ 第1回、第2回不参加(アパルトヘイトによる閉め出しにより出場できず)