fc2ブログ

ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  風雲児たち

個人的雑考-2

先日投稿分の続きになります。実写ドラマに比べるとアニメは、それそのものが異次元世界であり、そこまで現実もしくは史実にうるさくないと書いていますが、無論作品にもよります。たとえば歴史上のある時代を描いた作品であれば、そのようなわけにも行かないでしょう。ただ私としては、アニメや漫画であれば、多少考証が緩くても特に気にならないのですが、実写は、どうしても自分が経験する日常と比較してしまいがちで、それだけ単なるフィクションと捉えにくいせいもあります。

大河ドラマももちろん実写です。ただこの場合、時代背景は数百年前、場合によっては千年近く前であったりするため、今現在の日常とは当然比較になりません。というか寧ろその逆で、数百年も前の時代設定であるにも関わらず、あまり現代的な描き方をされると、批判されがちになります。如何に今の時代と違うかというのを、やはり視聴者は求めているわけです。そもそも史実を織り込むのが前提のはずですから、どうしても史実を云々されるのはやむを得ないことであると言えます。

ただし大河の創作部分でも、極端に本筋からかけ離れていなければ、それはそれで納得できるのです。結局のところ本筋がしっかりしていて、主人公の存在がきちんと示されていて、しかもオリキャラが必要以上に出て来ないとなれば、受け入れられるということになるのでしょうか。ただしこういうのは主観的なものであり、もちろんその基準は視聴者によって異なります。だからこそ、制作側のはっきりした姿勢が求められてくるわけです。

その大河に関して思うことがあります。
大河のアニメ化
漫画を原作とした大河
は可能かということです。アニメに関して言えば、以前NHKは、ポワロとミス・マープルを主人公にした
『アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル』
をアニメ劇場枠で放送していましたが、こういう作品を参考にして制作するという方法もあります。その一方で、漫画を原作にした大河ですが、恐らく一部の、特に高齢の視聴者からは反発される可能性もあります。無論今の時代、漫画原作の時代劇は『JIN-仁-』をはじめ数多く存在しますし、NHKが制作した『風雲児たち』や『陽だまりの樹』も漫画が原作なのですが、大河だとやはり事情が違うとなるのでしょうか。

ところで『武将ジャパン』で大河を云々するのであれば、こういった提案もあっていいかと思うのですが、生憎私の知る限り、それはなかったようです。元々このコラムは、幕末大河で幕府寄りを善とし、薩長を悪とみなしがちな上に、筆者が昔の作品を観ないと明言していて、これでは作品をフェアに見られるわけもなく、また過去の大河と比較して考察できるわけもありません。こういうのは、それこそ個人ブログでやってほしいものですし、実際個人ブログで、武者さんよりもきちんとしたレビューを目にしたこともあります。私のような個人ブログと違い、多くの人に見られるコラムであれば、まず建設的な見方と客観的な文章を心掛けていただきたいものです。

あと原作に関して、これはまた別のとあるブログで、今は小説やコミックの原作が多いといった記述を目にしたことがあります。しかし昔の大河は殆ど小説が原作です。また漫画が原作の作品というのも、80年代には存在していたはずです。脚本家がオリジナルの脚本を書かないという意味なのでしょうが、別に私はそれがどのような形であれ、ドラマとして楽しめたらそれで満足ですし、正直言って特定の脚本家を応援しているわけでもありません-ただ三谷さんの脚本は、今度はどのような形に持って行くのかという興味は湧きますが。ところで脚本を評価する際に、伏線とその回収に言及する人は多いかと思いますが、私の場合、それのみに関心を寄せることはまずありません。
(この項続く)

飲み物-温かいカフェオレ
スポンサーサイト



[ 2021/01/09 00:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

正月時代劇インタビュー動画と大河ドラマのシーズン制

正月時代劇『ライジング若冲(じゃくちゅう)~天才 かく覚醒せり~』の関連動画(出演者インタビュー)が、NHK公式サイトにアップされています。

“伊藤若冲”の知られざる物語 中村七之助 × 永山瑛太 インタビュー

円山応挙 役 中川大志インタビュー

尚七之助さんと瑛太さんのインタビューですが、「年始にはこちらの歴史番組も!」なる触れ込みで、さほどに関係があるとも思えない『邪馬台国サミット2021』なる番組の情報もセットになっています。この辺りがどうにも興ざめですね。

ところでこの正月時代劇やBS時代劇、土曜時代ドラマなどは、大河では今一つだったプロデューサーやディレクターが、結構いい作品を手がけたりしています。最近では2018年の、『風雲児たち~蘭学革命編~』を手がけた土屋勝裕氏などがそうです。これから見るに、

大河と、それ以外の時代劇は別物と考えるべき
大河のみでスタッフは判断できない

このように考えざるを得ないのです。そもそも、それなりに面白い作品を作れるスタッフであっても、1年間(実質1年半)というのはかなりの長丁場であり、

やはり大河の1年間は、1つのドラマシリーズにしては長すぎではないのか

とまあ、このように思えてしまうわけです。

特に3つ目の1年間が長すぎるという点、今までにも半年(2クール)大河について何度か書いていますが、せめてこの程度が、1つのシリーズの放送期間として妥当でしょう。何よりかにより、本人の記録あるいは功績があまり知られていない人物の場合、1年間持たせようとしてやたらに創作を入れたり、あるいは架空の人物を出して来たりすることが多くなりがちです。

それでも昔は、1年物でも観る人が多く、その分数字が取れていたかも知れません。ただやはりこれは、TVの視聴形態も今とは異なっており、NHKを観る人も今よりは多かった、あるいは裏番組が面白くなかったからとも言えるでしょう。しかも原作があったため、原作と照合して観る人もいたかと思われます。それでも関東での30パーセント超えは、バブル期の何年間かに集中していたわけです。何でもそうですが、明らかに視聴形態が異なる時代の数字を持ち出してマウントを取るのは、如何なものかと思います。

先日小檜山青氏のコラムについて書いたとき、小檜山氏が提唱する大河のシーズン制についても触れています。個人的にこの人の意見にはあまり同意しませんが、シーズン制は検討するだけの価値がありそうです。ただその場合、今とは大河の在り方は大分違ってくるでしょう。今の『大岡越前』とか『赤ひげ』、『子連れ信兵衛』のような形になるわけですから。

なぜシーズン物が人気があるのか、理由のひとつとして、視聴意欲をかき立てるという点が挙げられます。同じシリーズを1年間かけて観て、その後1か月ほどで公式サイトが削除されてしまう今の大河より、毎年決まった時期、あるいは隔年ほどでシーズンを設け、サイトもそのままにしておいた方が、視聴者のリピート率も恐らくは高いでしょうし、新規の視聴者も呼び込めます。どうせならスポンサーを付けて、シーズン制を導入する方法もありかともいます。

もちろんその場合、数字がよくないと続編を作れなくなりますが、民放は皆そうなのです。NHKにも意識改革を持ち込むべきでしょう。またこの場合再放送はせず、見逃がし分を動画サイトで配信する方向に持って行くべきでしょうね。

飲み物-クリスマスのカフェオレ
[ 2020/12/23 00:15 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』キャスト発表その4と『炎立つ』

『鎌倉殿の13人』キャスト発表も4日目を迎えました。今日発表されたのは以下の5名(敬称略)です。

北条時政-坂東彌十郎
源頼家-金子大地
阿野全成-新納慎也
源範頼-迫田孝也
大江広元-栗原英雄

まず坂東彌十郎さん、ご存知市川猿之助(現猿翁)一座の歌舞伎俳優として有名です。そして金子大地さん、個人的にはどうも『おっさんずラブ』のイメージですが、どのような頼家を演じるのでしょうか。そして残る3名は『真田丸』と『風雲児たち』(蘭学革命編)の出演経験者です。新納さん、豊臣秀次、杉田玄白そして今度は阿野全成として再登場です。明日発表予定の義経とどのような絡みがあるのか楽しみです。蒲冠者こと源範頼は、『西郷どん』の方言担当及び江藤新平役でもお馴染みの迫田孝也さん。三谷さんのことですから、こういう歴史の陰に埋もれがちな人にもスポットを当てるようですね。そして「真田の叔父上」、信尹と中津藩主を演じた栗原英雄さんは、13人の1人である大江広元です。
(ついでと言っては何ですが、愛之助さん、山本さんと中川さんも『風雲児たち』に出演しています)

キャスト発表もあと1日となりました。明日はいよいよ大詰めで、
牧の方
源頼朝
源義経
三善康信
梶原景時
を演じる俳優さんたちが発表となります。

この中であまり知られていない(と思われる)三善康信ですが、元々は公家で、母の姉が源頼朝の乳母であったことから、京の情勢を頼朝に知らせ、挙兵のきっかけを作ったとも言われています。その後訴訟事務を扱う問注所の執事となり、さらに十三人の合議制に加わることになります。
また梶原景時ですが、かつては、頼朝と義経の不仲の原因を作った悪人という印象が強かったものの、今は、この人物の言動も最もだという見方もされています。要はスタンドプレイ大好きで、少々無謀なところのある義経を、景時がたしなめたにもかかわらず、義経が言うことを聞かなかったということから、『真田丸』の豊臣秀次同様、景時を善人として描く可能性もありそうです。

ところで18日に、和田義盛役として発表された横田栄司さん、この方は『相棒』の「ストレイシープ」で飛城雄一を演じていますね。樹海での練炭自殺を計画した人物で、本人も大動脈瘤を患っており、この辺りがホームズのジェファーソン・ホープを連想させます。そう言えば、『真田丸』では真田丸とホームズなるタグを作ったほど、パペットホームズと類似していると思しき点が見受けられたのですが、この『鎌倉殿の13人』はさてどうなることやら。

ところで源平大河と言えば、源氏と平家どちらかが主役になるわけですが、唯一どちらも主役にならなかった大河として、奥州藤原氏が主人公の『炎立つ』があります。この中では野村宏伸さんの義経が、鞍馬山を抜け出した後奥州に向かい、頼朝挙兵の知らせを聞いて、平家を壇ノ浦に沈めたまではよかったものの、後白河法皇への接近による頼朝との確執から、奥州へ逃げることになります。しかし今度は頼朝が藤原氏を敵視したことに悩み、衣川の合戦で人知れず行方をくらませます。

恐らく歴代の大河の中で合戦で死なない、寧ろその後生き延びた可能性もある義経を描いた、唯一の作品でしょう。この時頼朝を演じたのは長塚京三さんでしたが、渋めでいい味を出していました。
(2020年11月20日一部修正)

飲み物-コーヒーと砂糖とミルク
[ 2020/11/20 00:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

10月5日に思うこと

まず、デザイナーの高田賢三氏が、コロナウイルスによる感染症で亡くなられました。KENZOの創設者で、独自の色遣いで一世を風靡した人物でもあり、以前ご紹介したフランスラグビーのプロ14所属チーム、スタッド・フランセのジャージーのデザインも手掛けていました。ご冥福をお祈りします。

ラグビーと言えば、昨年の10月5日は、ラグビーワールドカップで日本がサモアに勝利を収めた日です。この試合、日本はアイルランド戦で封印したキックを多用し、サモアの選手を走らせて体力を奪う作戦に出ました。この白星によって、決勝トーナメントがかなり見えて来はしましたが、予選リーグ通過できるか否かは、最終戦のスコットランド戦に持ち越されることになります。

ラグビーワールドカップ関連でもう一つ。今年の12月に、2023年ワールドカップフランス大会の予選リーグの組み分けが決定します。尚ラグビーの場合、プール3位までであれば無条件で次回の出場が決まります。今年1月の世界ランキングを基に5つのバンド(グループ)に分けて抽選を行い、4つのプールに振り分けます。現時点では以下のようになっており、日本のバンド2は今回が初めてです(前回はバンド3)。ちなみにこのバンドが上位になるほど、組み分けで有利になります。

バンド1 南ア、NZ、イングランド、ウェールズ
バンド2 アイルランド、豪州、フランス、日本
バンド3 スコットランド、アルゼンチン、フィジー、イタリア
バンド4 オセアニア1位、ヨーロッパ1位、南北アメリカ1位、アジア太平洋1位
バンド5 アフリカ1位、ヨーロッパ2位、南北アメリカ2位、最終予選勝利チーム

オセアニアはサモアとトンガが有力、南北アメリカはアメリカとカナダ、ウルグアイの三つ巴状態で、ヨーロッパはルーマニア、ロシア、グルジアが挑むことになりそうですが、無論どのような結果となるかは未定です。

尚今現在出場が決まっている中で、日本が過去の大会で唯一当たっていないチームがあります。イタリアです。少し前までは日本と互角の相手でもあり、そろそろ当たるのではないでしょうか。

『三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち』を観に行こうかと考えています。まる3週間の上映なので、早めに行った方がいいでしょうね。市川猿之助さん、片岡愛之助さんに加え、語りが尾上松也さんと『半沢』トリオの揃い踏みです。

それと『峠の群像』の総集編第1巻について、そろそろあらすじと感想を投稿しようと考えています。

飲み物-カフェラテ2
[ 2020/10/05 23:45 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

NHKのドラマと受信料とに感じること(+加工テレビではNHK契約義務なし)

先日投稿した『風雲児たち~蘭学革命篇』(どうも最近、前回の投稿の続きのようになっています)ですが、NHKはこの他にも『陽だまりの樹』をドラマ化しています。さらにTBSの『JIN-仁-』があるため、この3つがいくらかごっちゃになることもあります。ただ『風雲児たち』は時代的に少し早いため、蘭方と漢方の対立などもあるものの、たとえば種痘を巡っての争いなどはまだ出て来ません。『陽だまりの樹』では、手塚良仙が大坂へ行き、種痘が行われているのを目の当たりにします。漢方の奥医師の力が強い江戸では、なかなか実現の運びに至らなかったのです。

同じような医療ドラマになりますが、NHKには『胡蝶の夢』をドラマ化してほしいと何度かリクエストしたことがあります。しかし未だ実現していません。これも司馬遼太郎氏の原作です。司馬氏といえば、『国盗り物語』、あるいは『花神』でもしばしば登場人物の心の声、独り言のようなセリフが登場しますが、これはこの人の原作ならではの「余談」を脚色化した結果、ああなったのではないかと思われます。

無論『胡蝶の夢』の場合、大河化は難しいと思います。10回シリーズ位で済むのではないかと思います。ただ主人公の松本良順が奥医師の地位を投げ打って、長崎に行くまでの心理描写、門人であり、かなりの変人でもある司馬凌海(こちらも主人公と言っていいでしょう)との関係、さらに江戸幕府瓦解後の様子を描くのであれば、10回ではやや足りないかも知れません。大河を半年単位にして、こういうのを持って来ても面白そうなのですが。

しかし大河をやるにしても、作品によっては奇を衒いすぎたような描写があり、その結果観なくなったこともあるわけですし、そういうのをすべて受信料で賄うべきなのかやはり疑問が残るところです。無論どのような作品でも賛否両論はあるでしょうから、ならば観たい人だけ課金する方が、よほどすっきりしているわけです。NHKは公共放送を謳っているわけですが、大河朝ドラにそこまでの公共性は生憎感じられません。観たくないなら観るなも民放ならともかく、受信料システムのNHKである以上、ならば受信料の一部を返してくれともなりかねません。

昨日になりますが、NHK視聴ができないTVの場合、契約義務は生じないという判決が出されました。つまり、NHKの敗訴に終わったわけです。

NHK映らず契約義務なし 加工テレビで東京地裁

NHKは二言目には公共放送を云々しますが、本当に公共性を重視するのなら
ニュース
気象情報
災害情報
これだけで済むはずですし、この3つだと500円ほどで足りるでしょう。しかもこの3つも、今はネットで入手できるのです。何かと言えば公共放送と言うのは、少々話が飛びますが、『ノーサイド・ゲーム』の日本蹴球協会の木戸専務理事が、何かにつけてラグビーはアマチュアであり、神聖なものだと言わんばかりの姿勢を取るのとどこか似ています。そもそも企業にチームを任せている点で、アマチュアもないと思うのですが。

それはともかく、大河もドラマも作るなとまでは言わずとも、原則論ばかりで行くのではなく、視聴者にどのような作品を作るべきか打診してみる、課金制を検討してみる位のことはするべきでしょうし、あと視聴者の質問にはきちんと答えて然るべきでしょう。過去大河の史料で問い合わせたところさっぱり返信が来ず、コールセンターに電話したら「返信が来るまでメールを送れ」と言われたことがありますが、ちょっと乱暴ではないでしょうか。

飲み物-ブラッディサム
[ 2020/06/28 00:45 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『風雲児たち~蘭学革命篇』再びそしてドラマ制作に思ったこと

先日の三谷氏関連投稿で、明智光秀医師説について触れましたが、それで思い出したのが、蘭方医を主人公にした『風雲児たち~蘭学革命(らんがくれぼりゅうし)篇』です。2018年の正月時代劇で、やはりと言うか『真田丸』の出演者が多く出たのでも有名です。少し前に、『麒麟がくる』の今川義元役の片岡愛之助さんより、『真田丸』で大谷刑部を演じた愛之助さんが好きだと書きましたが、この時演じた前野良沢もなかなかいい雰囲気でした。解体新書の編纂が主なテーマですが、良沢絡みで一節切(ひとよぎり、尺八の前身とも言われる)が出て来たのも、その時代らしさがあって、しかもちょっとさりげなくていいものです。これに関しては、こちらのページに関連記事があるので置いておきます。

『風雲児たち』撮影は快調!200年以上も前の一節切(ひとよぎり)に命が吹き込まれました。
(番組スタッフブログ、NHK ONLINE)

しかし大河とか朝ドラはかなり早めに削除されるのに、一昨年の正月時代劇のサイトはまだ残っているのですね。この機会に色々再発見することもできそうです。尚、番組公式サイトはこちらです。

(風雲児たち~蘭学革命篇)

『麒麟がくる』が三谷大河だったら云々と言い出したのは、戦国大河としてはやはり構成に疑問があり、これなら独特の世界観はあるにせよ、三谷氏に頼んだ方がよかったのではないかと思ったのに加え、山本耕史さんが主演だったらどうなるかという点にも興味があったためです。山本さんと言えば、三谷大河の常連ですからね。無論それ以前に、それまで描かれて来た人物や描写を殊更に変えてしまったり、登場人物に深くかかわることで史実であるのに、やけに端折ったりするのは控えた方がいいかと思います。また大河のみならず、脚本に問題があるというドラマ批判は何度か目にしたことがありますが、やはり一番の責任は制作統括にあると思われます。現場の指揮官ですから。

無論ドラマ内容や放送形式によって、あるいは出演者によって、同じプロデューサーでもかなりイメージが変わることもあります。信じられないかもしれませんが、前出の『風雲児たち~蘭学革命(らんがくれぼりゅうし)篇』、実は制作統括の一人があの土屋勝裕氏ですー『花燃ゆ』の制作統括のプロデューサーです。尤も土屋氏の場合、他に手がけているドラマを見ても、大河よりこういう単発とか数回シリーズの時代劇の方が向いているのかも知れません。しかしそれを考えれば、やはり大河の在り方そのものが再考の余地ありかと思ってしまいます。一方で演出が吉川邦夫氏で、こちらは『真田丸』やパペットホームズでも三谷氏と組んでおり、こちらは間違いなくプラスに働いたでしょう。

それと『麒麟がくる』は、福田靖氏の脚本ではいけなかったのでしょうか。ちょうど制作発表の頃、福田氏脚本のネットドラマと、他のノンフィクションの類似性が問題になったせいもあったかも知れませんし、また福田氏本人は、『まんぷく』の脚本に恐らくは重点を置いていたのかも知れません。しかし滅多に朝ドラを観ない私でも、『まんぷく』は面白く観ましたし、長谷川さんをあそこまで立花萬平というキャラに作り上げた手腕は評価できます。『龍馬伝』の脚本担当でもあったわけですし、ダブルで脚本と主役(『まんぷく』は準主役)という可能性もあったでしょう。どうにかできなかったのかと思います。私も朝ドラの方の長谷川さんは好きなのですが…。

飲み物-アイスコーヒー2
[ 2020/06/27 00:15 ] その他 | TB(-) | CM(0)

鳴門秘帖第9回「姉妹の契り」

いよいよ阿波へと渡った弦之丞とお綱は、勘助と言う船大工に案内されて、剣山を目指します。しかしやはり阿波に入った天堂一角や旅川周馬、そしてお十夜孫兵衛に付け狙わることになります。弦之丞は一角以下数人の阿波の原士を斬るものの、世阿弥を周馬に殺され、孫兵衛からお綱を盾に取られたうえに、世阿弥がお綱に託した鳴門秘帖を奪われてしまい、果ては徳島城の牢に入れられてしまいます。

**********************

千絵と万吉は阿波へ向かっていた。その頃阿波では弦之丞が捕らえられ、徳島城内の牢に入れられていた。そこへ筆頭家老の高木龍耳軒がやって来る。龍耳軒は牢を通じて世阿弥の話を聞いており、弦之丞のこともすべて知っていて、このような馬鹿騒ぎに加担するなと言い放つ。佐竹から蜂須賀家に養子に来た重喜が功を焦ろうとし、藩の借財12万両をどうにかすべく、大阪の藍玉問屋を押しのけようとしたが、商人たちはそこで幕府に泣きついたのだった。このため幕府は普請工事、裏では幕府転覆の血判状、鳴門秘帖探索と徳島藩を締め上げた。

また有村も重喜に入れ知恵をしたが、この鳴門秘帖を見た者はいなかった。弦之丞は、ある御仁も同じことを言っていたと答える。しかし龍耳軒は、この鳴門秘帖は表に出してはならぬもの、あればそだけで蜂須賀家の命綱となる代物と言って、弦之丞を牢から出す。鳴門秘帖を取り戻させ、後は好きにさせる魂胆だった。弦之丞は龍耳軒から受け取った刀で相手の眉間を斬り、あたかも脱獄したように見せかけた。龍耳軒は弦之丞が逃げたこと、あいつは一筋縄ではいかぬ男であると大げさに言いふらす。

同じ頃孫兵衛は実家にお綱を連れて行き、そば米雑炊をふるまっていた。お綱はためらうが、毒など入っていないと孫兵衛はいい、生まれた土地の食い物はいいとうまそうに啜った。また鳴門秘帖を手に入れたこと、お綱を盾に取ったら、弦之丞は何もできなかったとも話した。その鳴門秘帖は仏壇の前にあり、その仏壇には一角の位牌があった。弦之丞も一角を斬ったのだと孫兵衛。なぜ自分を追って下諏訪、賭場、そして阿波まで追ってきたかというお綱に、伝法な口調の鉄火な女に惚れたからだという。

孫兵衛はその鳴門秘帖で一儲けを企み、お綱と夫婦になって阿波で田畑を耕し、子供に手習いを教え、子供を作ってその成長を見届けるつもりでいた。江戸で辻斬りをやっていたのに似合わないというお綱に、生まれたときから辻斬りをやるやつはいないと孫兵衛は声を荒げる。孫兵衛は子供の頃、父が愛人を作り、母がその反動で隠れキリシタンとなり、額にかんざしで十字の傷をつけてしまったため、頭巾をかぶるようになっていた。しかしお綱は、孫兵衛の言うことになにかしら違和感を覚えていた。一方女武者姿の千絵と万吉は阿波に入り、杖をつく旅川周馬を追跡する。

周馬は孫兵衛の家へ向かっていた。後をつける2人を弦之丞が見ていた。孫兵衛は覚悟を決めたと言うお綱に酒を注ごうとするも、周馬が入って来て、一角の位牌を拝みたい、お前のことだから位牌くらい作っているだろうといい、仏壇の前へ行く。仏壇の前の、鳴門秘帖が入った箱をお綱はそっと隠す。一角は位牌を拝んだ後、鳴門秘帖はないのかと尋ねる。あの箱には特殊な膠で封がされていること、甲賀の者らしい仕掛けがあることから、俺が箱を開けてやろう、中のは偽物かもしれんと言う。お綱はうろたえた表情をするが、周馬はそこに隠しているなと見抜き、それを渡せと迫る。

2人が対立した時、千絵と万吉が入って来た。千絵は孫兵衛を相手にし、万吉は一角に縄を投げて捕らえようとする。すると酒が囲炉裏にこぼれて火柱が立った。孫兵衛は、家を燃やすわけにはいかぬとあたふたし、千絵はその隙に弦之丞と共に、世阿弥が死んだ洞窟へ行って、世阿弥の墓である土饅頭に手を合わせ、お綱と姉妹であることを名乗る。千絵は世阿弥から、この空の下につながりのある者がいることを聞かされていた。その頃徳島城では龍耳軒が有村に、主君と家臣の話であると口をはさませないようにし、秘帖をなかったことにするよう重喜に提案する。

会いたいと思いつつ会えずにいた弦之丞と千絵は、再会をことのほか喜んだ。積もる話をする2人を、お綱は見つめていた。辛いだろうが、姉妹の契りを交わした以上辛抱しろと万吉。しかし箱を手にしたお綱と万吉に、甲賀衆が襲い掛かる。忍者たちは、かつての主の娘の千絵のことなど気にも留めず、周馬の命令通りに動いていた。彼らは甲賀衆を相手に奮戦するし、何とか鳴門秘帖を守ろうとするが、そこへ孫兵衛と周馬が現れる。お綱の短筒の弾丸がもう切れているのを、短筒から弾を抜いた孫兵衛は知っていた。

弦之丞たちは奮戦するものの、秘帖の入った箱を奪われてしまう。孫兵衛と周馬はその足で徳島城へ向かい、重喜に目通りをする。重喜は大いに喜び、褒美を取らせることを約束する。また有村も喜ぶが、龍耳軒は内心密かに、弦之丞が間に合わなかったことを嘆いていた。その箱は鍵付きの蔵に厳重にしまわれたが、その夜ある忍びの者が天井裏から入り込み、蔵を破ってその箱を盗み出そうとする。

**********************

ここまで観て思ったことですが、弦之丞の役、本当はもう少し陰のある人の方でもよかったかと思います。アーカイブでしか観ていませんが、前回が田村正和さんだったので、そのイメージがあるのかもしれません。山本耕史さんだと、何か明るい印象になってしまうのですね。しかし再び虚無僧姿に戻っていますが、そしてはなはだ無粋なことではありますが、いつどうやって着物を着替えているのでしょう。

それと弦之丞と千絵が出会うシーンですが。花が咲いている中で、離れ離れになっていた男女が会うというのは、何かラブコメ的な雰囲気があります。そもそもああいうところで2人でいたら、すぐさま嗅ぎつけられるでしょうし、せっかく奪った鳴門秘帖が孫兵衛たちに奪われたら、せっかくの龍耳軒の言葉も無駄になってしまうと思うのですが…。それと早見あかりさん、女武者姿はなかなかですが殺陣が今一つな感あり。というか、むしろ弦之丞たちより、敵方のほうがまだ殺陣は様になっています。孫兵衛と周馬はなかなかいいです。周馬の雰囲気が、ちょっと作り込みすぎな気もしますが。

ところで龍耳軒が治水工事に言及していますが、やはり外様藩は普請をやらされています。これは薩摩も同じで、宝暦治水事件が起きたりしています。ちなみにこれは、かの『風雲児たち』の番外編にも登場しています。しかし徳島藩は幕末は幕府方に与していました。ここが同じ四国の土佐との違いといえます。また宇和島も藩主伊達宗城が、島津斉彬などと同じ四賢侯とされていましたが、幕末は勤王倒幕の藩とはなりませんでした。

しかし思うのですが、お綱の連発銃、あれは火縄銃でもなさそうですが、ああいうタイプの銃はあの当時(18世紀半ば)にはなかったと思います。所謂連発式のピストルが登場したのは、確か19世紀に入ってからです。尤もこの場合、彼女が単なる女掏摸では物語にならないから、あのような飛び道具を持たせたのでしょう。

前にもちょっと触れたかもしれませんが、主人公無双といった感じがやはり強いなと思います。もう少しドジを踏むところがあるといったアレンジがあってもよかったかもしれません。今回、ロードムービー風アレンジというのが売りなのですが、主人公がとにかく強くて、しかも牢に入れられてもすぐ出て来てしまうという設定はワンパターンな印象もあります。あとロードムービー的にするなら、もう少し回数があってもよかったかもしれません。さて次回は最終回です。

[ 2018/06/22 00:30 ] その他 | TB(-) | CM(0)

鳴門秘帖第4回「悲しき慕情」

中山道経由で阿波に発った千絵と周馬を追って、弦之丞、万吉、お綱も旅立って行きます。しかし孫兵衛や天堂一角らも同様に江戸を発っており、弦之丞をめぐって様々な人間模様が渦巻くことになります。

*************************

善光寺の宿場でお綱はお十夜孫兵衛と出くわし、自分も弦之丞に逃げられちまったと言う。そこへ阿波藩士森啓之助が現れて、お綱といる孫兵衛を咎めるが、孫兵衛は女連れのお前に言われたくないと言い、お綱ととある宿に入る。一方弦之丞を匿ったお米は、うらぶれた小屋に彼を連れて行き、この先の時雨堂なら安心だと教える。また自分は大坂の川長の娘で、養生に来ていることを教える。彼女の言動の端々に、森や天堂一角に好意を抱いていないのが窺えた。お米は心中密かに、長くないのなら今のうちに恋をしようと決める。

孫兵衛はお綱に酒を持って来させるが、お綱が南蛮渡来の眠り薬を混ぜていたため寝入ってしまう。その隙にお綱は、孫兵衛が取り上げていた短筒を懐から抜き、さらに孫兵衛の頭巾を引きはがそうとして瞬間ためらい、そのままにして出て行った。その翌日、お米は自分が一人なのに気づく。弦之丞は時雨堂へ向かっていた。そこへ万吉が現れ、一人で江戸を発ったことを責める。一緒に行く約束はしていないと弦之丞。万吉はお綱も来ていること、そして千絵のことを話す。弦之丞は千絵の手紙を見せ、やはり阿波に向かっていることを伝える。

雨が降る中それを立ち聞きしていたお米は、弦之丞に愛する女がいることを知る。そこへ天堂一角の一味がやって来て、虚無僧の行き先を尋ねる。お米は別の方向へ逃げたというが、彼らの声を聞いた万吉と弦之丞が現れ、お米を逃がす。また弦之丞と万吉も、竹藪の中で二手に分かれる。万吉は背後に人の気配を感じるが、振り返ってもだれもいなかった。しかしそこには旅川周馬が潜んでいたのである。周馬は千絵と忍び宿にいた。その宿で千絵は老婆から、10年前に世阿弥が訪ねて来たこと、弦之丞が戻らなければ、周馬が頼りだと言っていたと聞かされる。

しかしこれは周馬が、老婆に金をやって言わせていたのだった。その周馬は、万吉らしき男を見たことから、早めに発つことを決める。雨が上がったのち、お綱は帯揚げで首をくくろうとしていた。それを見かけたお綱は、帯揚げに銃弾を撃ち込んで自殺をやめさせる。お米は惚れた男に愛しい女がいることを打ち明ける。お綱は自分も同様だと言い、二つ名を持つ自分が魔が差したというか、暖かいはずの月夜に風邪を引いたようなものだと言う。その男のせいで自分は真人間になれるかもしれないこと、自分の命を差し出そうとしていること、死ぬ気になれば何でもできることをお米に伝える。

しかしその時お米は咳き込み、喀血して気を失う。幸いなことに森祐之助が中間の宅助と共に、駕籠屋を連れてこちらへ向かっていた。大事な人なら見ておかないとと、森に悪態をつくお綱。森はお綱の顔に見覚えがあったが、何はともあれお米を宿へ連れて帰った。この二人の女は、その後大坂でも顔を合わせることになる。そして弦之丞の父一学は、松平左京之介に呼び出されていた。一学は将軍のお側衆である老中田沼意次に会っていたのである。弦之丞が阿波絡みの事情を目安箱に入れ、このことで弦之丞を隠密として阿波に派遣することを田沼は許可していた。

左京之介も隠密の件、そして甲賀再興を約束していた。左京之介は一学に、弦之丞が大番頭の子ゆえ遠慮していたと答えるが、実のところ鳴門秘帖が手に入ればどうでもよかったのである。またこの弦之丞の書は一学が書き、お吉が目安箱に入れたものだった。匿名の書状は受け付けられなかったからである。そして孫兵衛は、女如きに薬を盛られてとあきれられるが、これがいい女なのだと話し、すっかりお綱にほれ込んでいる様子だった。そこへ森祐之助がお米を抱えて現れる。どちらも女子には優しいと一角は皮肉るが、孫兵衛はそのような病持ちの娘とは違うと言い放つ。

それを聞いた森は、その女は時雨堂の近くにいたと言い、孫兵衛は血相を変えて出て行く。嘲笑する一角たちに森は、弦之丞が阿波に入ったらお前たちも首が危ないと言う。それをお米は布団の中で聞いていた。孫兵衛は時雨堂へ行く途中、甲比丹の三次という男と会う。かつて大阪で抜け荷を手伝った仲だが、その件がばれて中山道まで逃げて来ていたのだった。時雨堂にいたお綱に孫兵衛は刀を突き付ける。しかしお綱は憎まれ口をたたき、短筒を取り上げられても平気な顔で、火薬がないと発砲しないと言ってのけ、万吉は今度こそ孫兵衛を捕らえようとする。

しかし万吉を人質に取られた格好になり、2人は三次の隠れ家に囚われの身となる。万吉は弦之丞が一人で罪をかぶっているのを気にしていた。孫兵衛や三次、その手下はオランダかるた(トランプの一種)で金を賭け、絵札取りのような遊びをしていた、お綱は参加したいと言い、手持ちの金をすべて賭け、自分が勝ったら万吉を釈放してくれと頼む。勢いに乗って勝ちまくるお綱だが、三次がいかさまをしていたのを見て追及する。しかしそこに弦之丞が現れ、連れの2人を返せと言って乱闘になるものの、3人はうまく逃げ出した。お綱は弦之丞と走っていることに高揚感を覚えるのだった。

**********************

まずお綱の「南蛮渡来の眠り薬」ですが、ベラドンナか何かでしょうか。この植物は
『相棒』シーズン2 「ベラドンナの赤い罠」「特命係復活」その他あれこれで触れていますが、ナス科の植物です。このころの催眠薬というのはナス科の植物を原料とした物が多く、麻酔薬、あるいは毒薬として用いられた物もあります。お綱がどのくらい酒に混ぜたのかは無論不明ですが、少なくとも致死量を入れるまではしなかったようです。

それからお米が首を吊ろうとするシーン、帯揚げを使っているようですが、実際に帯揚げが一般化したのは、もう少し後の時代だったようです。それはともかく、お綱との出会いはちょっと偶然過ぎではないかと思うのですが、そこはフィクションゆえというところでしょうか。しかし「暖かい月夜の晩に風邪を引く」という例えがまた何とも。そういえば「月形」を意味するluneの派生語にlunaticがありますが、これは「狂気の」とか「正気でない」という意味があります。弦之丞に恋したお綱も、それまでの彼女からしたら正気でなくなっていたのかもしれません。

しかし労咳病みのお米が外に出て、しかも雨に濡れるなど、どう考えても体によくなさそうなのですが、森祐之助なる人物はその辺お構いなしのようです。いささか頼りなくもあり、お綱に悪態をつかれるのも、お米が弦之丞を好きになるのも、わかるような気がします。それにしても天堂一角たちも、幕府を狙っているのなら武器の調達だの、その資金繰りだのやっていてよさそうなものなのですが…。

それと田沼意次、この時代はまだお側衆だったのでしょうか。田沼というと、どうも『風雲児たち』の草刈正雄さん演じる意次を思い出します。源内と玄白が、エレキテルと一緒に黄金のお菓子を持って来たのはいいけれど、少なすぎて呆れられるあのシーンです。

それから「オランダかるた」、既に江戸時代にはヨーロッパ式のトランプが入って来ていたとされていますが、賭け事に使われたためしばしば禁止令が出ています。この時三次の手下の一人が、お綱の後ろに座って、しきりに三次に目で合図を送っていますが、あれはどの絵札を持っているかを知らせるためのものだったようです。しかしこのシーン、結構尺を割いていますが、何かの伏線になっているのでしょうか。

[ 2018/05/18 01:00 ] その他 | TB(-) | CM(0)

鳴門秘帖第2回「甲賀屋敷炎上」

幕府大番頭、法月一学の嫡男弦之丞は剣の修行に出たいと、許婚の千絵を江戸に置いて出かける。しかし剣を極めれば人でなしになると師に諭され、虚無僧に身をやつす。そして戻って来た江戸で、辻斬りの孫兵衛、スリのお綱と出会う。

**********************

江戸に戻って来た弦之丞に、京都所司代松平左京之介は、父一学に会ったかと問い、弦之丞はまだ会っていない旨を伝える。そして世阿弥が阿波に、鳴門秘帖を探りに行ったことを教えられ、弦之丞は例の阿波の天堂一角の、鳴門秘帖にかかわるなという言葉を思い出す。これは幕府転覆計画の血判状であり、公家の藤村有村がその首謀者だった。有村は阿波に潜伏していた。阿波徳島は表向き二十五万石だが、藍玉利権のためそれよりも五十万石多い、実質七十五万石だった。それにより西国大名を動かそうとしていると左京之介はにらむ。

弦之丞は、剣は人でなしの道、それが正義に通じましょうかと疑問を呈するが、左京之介は密命であると言う。その時天井裏で物音がしたが、天井裏を槍で突いた弦之丞は、何もいない、ネズミでしょうと答える。実はそれは、2人の会話を聞いていた銀五郎だった。阿波に行くには命がいくつあっても足りぬと言う弦之丞だが、銀五郎はそれは男が立たない、旦那のためなら命はいらないとまで言う。千絵が行けと言えば行くつもりでいたが、前回門前払いを食わされたため、銀五郎に手紙を渡して届けてもらうことにする。

甲賀屋敷に忍び込んだ銀五郎は、そこかしこに張られた綱の一本に触れてしまう。これにより鈴が鳴らされ、甲賀衆が銀五郎を追う、その甲賀屋敷では、千絵は食事も取ろうとしなかった。多市は、周馬の言う弦之丞と、千絵の言う弦之丞の印象が違うのに疑問を抱く。その時周馬は賊が入り込んだことを伝え、弦之丞と左京之介が会ったことも知らせた。恐らく弦之丞が左京之介にそそのかされて、賊を送り込んだのではないかとの周馬の言葉を、千絵は頭から否定する。そして銀五郎は逃げる途中お綱と出会い、お綱は無意識に銀五郎が渡そうとした手紙をすってしまう。

結局銀五郎は橋の上でつかまり、串刺しにされて川に落ちる。そこへやって来た平賀源内が銀五郎を助け、このことが万吉のもう一人の下っ引き、熊によって知らされる。源内から、忍び姿の男たちに襲われていたことを聞かされた弦之丞は、甲賀者ではないかと考える。死んでもわっしは旦那のそばにいる、千絵のために阿波へ行ってくれと銀五郎は言い、息絶えた。その頃お綱は、手紙をすったことを悔やんでいた。自分の手と自分の業に嫌気がさしたのだが、そこへ孫兵衛が入って来て、手紙が阿波絡みであることから金になると悟り、お綱を倒して去って行く。

万吉は銀五郎の墓を作ってやり、男気のあるやつだったと弦之丞に話す。よほど旦那のことを気に入ったのだろうと万吉。弦之丞は阿波行きを決めるが、万吉は、なぜ甲賀者が銀五郎を襲ったのか不思議がっていた。そして孫兵衛は天堂一角の隠れ家に行き、手紙を見せる。孫兵衛も元々は阿波の原士だった。一角はいつも頭巾を離さぬ不思議な男と皆に紹介し、阿波関係の言葉がちりばめられた手紙を読む。差出人の名を見た一角は、自分が刃を交えた男であることを知る。孫兵衛も一角も、妙なところで弦之丞と関係ができていた。

一角は孫兵衛が、金がないことを知っていた。そこで手紙は買わぬが、おぬしの剣の腕を買うと持ち掛け、一角一味は孫兵衛と組むことになる。そして万吉は病の一学に会いに行き、弦之丞が左京之介から阿波行きを命じられたことを知る。左京之介の口のうまさを危ぶみ、万吉に支えになってやってくれと頼む一学。その弦之丞は、お綱から声をかけられていた。手紙のこと、それを孫兵衛が持ち出したことを話し、千絵様はきっと弦之丞を待っていると言い、さらに銀五郎が死んだことを聞かされたお綱は、お二人が会えなければ銀五郎も成仏できないと口にする。

手紙をすったのも何かの縁とお綱は、甲賀屋敷に手蔓があると言う。賭場で旅川周馬に、百両近い金を用立ててやっていたのだが、ろくに返してもらっていなかった。夜になって周馬を誘い出すから、そのすきに屋敷に忍び込むことを進めるお綱。なぜここまでしてくれるのかと問う弦之丞に、お綱は昔、湯島で自分を庇ってくれたことを話しかけるが、すぐに、番屋に自分を突き出さなかったからだと取り繕う。その夜、多市は千絵のために早すしを買って勧める。自分を案じてくれるのは多市だけだと千絵は言い、すしを口にする。千絵はどうやら周馬を信用してはいないようだった。

お綱は周馬を呼び出し、弦之丞は隙をついて屋敷に入り込み、中へと入って行くものの、やはり罠に嵌ってしまう。甲賀衆と斬り合いになる弦之丞、そこへ弦之丞の名を聞いた千絵が出て行くが、爆薬のために屋敷は火に包まれる。そして多市も、仲間を何人殺すと弦之丞に斬りかかるが、逆に斬られてしまう。駆け寄る千絵、そして弦之丞の援護射撃をするお綱。久々に弦之丞に再会できると思ったのも束の間、千絵は周馬に連れ去られてしまう。

**********************

今回は、弦之丞の方は銀五郎を、千絵の方は多市を失ってしまいます。キャラとしては面白い銀五郎ですが、セリフがちょっと説明的な印象もあり。しかし銀五郎を見つけた平賀源内、芸者遊びをするとは結構なお大尽であります。それにしても『風雲児たち』の源内がこの弦之丞ですから、何かややこしいといえばややこしくもあり。それから銀五郎が死んでしまい、万吉の女房のお吉が「銀の字」を連発するシーンがありますが、やはり「〇の字」という呼び方は、こういう時代背景の方がふさわしいように思われます。

ところでこの源内を演じている正名僕蔵さん、『相棒』シーズン14の「物理学者と猫」で堀井教授を演じていました。猫が生きている世界、猫が死んでしまった世界それぞれをシミュレートする、「シュレジンガーの猫」の方法で、いくつかの世界をシミュレートする構成で、謎解きの面白さというよりも、「右京、風邪を引く」的な、どちらかといえばちょっとお遊び的な雰囲気のエピソードでした。

弦之丞の手紙ですが、どちらにしても予期せぬ方向に行く運命だったようです。しかしお綱はあの手紙全部読めたのですね。しかし孫兵衛も、あの手紙を売るなどというよりは、堂々と自分の腕を使ってくれと言えばよかったようなものですが、それはちょっとためらわれたのでしょうか。この孫兵衛が頭巾を片時も離さない理由、確かこの人はいわくつきなのですが、それは話が進むにつれて明らかになると思われます。

それとこう言っては何ですが、千絵が食事に手を付けない割に、あまりやせ衰えている印象がないのですが…。最初周馬が毒でも盛っていて、それを察しているのかと思いましたが、周馬は千絵と結婚する予定だからそれは考えにくいです。

しかしこれと大河がどうにもこうにもダブってしまいます。要は

公家中心で幕府転覆計画→発覚する→幕府の取り締まりが厳しくなる

このパターンですね。しかも竹屋三位卿藤原有村を演じている篠井英介さんは、『翔ぶが如く』で橋本左内を演じていました。松平左京之介が西国大名の名を挙げるシーンで、島津、毛利と言うところに、この2つはやはり幕府の仮想敵であったと納得です。この時の徳島藩の殿様、蜂須賀重喜公も公家との交流が頻繁にあったようです。さらに反幕府勢力一味のトップが天堂一角であることを考えると、この役に渡辺大さんがキャスティングされたのもうなずけます。

(2018年5月3日加筆)


[ 2018/04/30 23:45 ] その他 | TB(-) | CM(0)

西郷どん第13回「変わらない友」

篤姫の婚礼支度がようやく整い、大奥へと入る一方で、斉彬は慶喜擁立への手筈を整えて行きます。また吉之助の親友、大久保正助が結婚しますが、その宴の前に登城の知らせが来ます。それは阿部正弘の訃報を伝えるもので、吉之助は再び江戸へ行くことになり、正助も江戸に連れて行けないかと頼んだ結果、熊本行きの許可が下ります。しかし正助は、なぜか吉之助の好意を拒み、このまま喧嘩別れかと思われたのですが…。

**********************

大地震によって嫁入り道具が破損し、篤姫の婚礼は翌年に延期された。吉之助はこの仕事を手際よくやってのけ、ついに安政3(1856)年の暮れに江戸城入りする篤姫を見送る吉之助。この2人はその後、明治維新に江戸城の今後をめぐり、再び会うこととなる。篤姫の駕籠はそのまま大奥に入ったが、不意にその引き戸を開けて中をのぞいた者がいた。篤姫はその人物に挨拶をする。その人物は
「丈夫か」「死なぬか」
と訊き、そのまま去って行くが、この奇妙な人物こそ、夫となる徳川家定だった。

一方芝の薩摩藩邸では、篤姫を送り出した斉彬が、吉之助を呼び寄せて切子のグラスで焼酎を飲む。集成館ではこの切子を始め、大砲や農具も作られていた。民の暮らしが満ち足りれば、国は治まると言う斉彬。そして斉彬は珍しいことに、薩摩弁で「おやっとさあ」と吉之助に声をかけるのであった。その後吉之助は斉彬に従い、大山格之助と共に薩摩へ戻ることになる。2人はまたも磯田屋へ赴き、別れを告げるが、その前に吉之助は目黒不動尊へ赴き、斉彬に男子が誕生することを祈願していた。また薩摩へ戻る途中、斉彬は京の近衛家を訪ねる。

近衛家は島津家との縁もあり、また篤姫の輿入れに尽力してくれていた。斉彬が礼を述べた後、一陣の風が吹き、紫衣の僧が現れた。その人物が月照であった。月照は孝明天皇と親交があり、斉彬は、一橋慶喜を次期将軍とするように依頼する。やがて3年4か月ぶりに薩摩に戻った吉之助を家族が出迎える。家は相変わらず貧しく、琴の夫である市来正之丞が藩から40両借りてくれたため、どうにか家屋敷を手放さずにすむようなありさまだった。吉之助は江戸は金がかかり、祖母や弟妹を助けてやれないことを嘆く。

その夜久々に西郷家で、郷中の仲間同士で酒宴が行われた。有馬新七や村田新八は、西郷が殿と直に言葉を交わせると知り、殿はどんな方かと質問を浴びせるため吉之助は立腹するが、その直後大久保正助が嫁を取ることになったと打ち明ける。帰郷の酒宴は正助の祝宴となり、どのような娘であるかを連れ立って見に行くことになる。この娘満寿は正助の上役の娘で、吉祥院で碁を打っていた。満寿についてあれこれ話をしていた吉之助たちに、当の満寿が近寄り、もしお嫌ならお断りしますときっぱり言うが、吉之助は正助のために弁護をし、満寿もそれを聞いて承諾する。

安政4(1857)年に斉彬に男児・哲丸が誕生した。斉彬は鶴丸城でも蒸気機関やエレキテル、そしてカメラなど、様々な西洋文明の産物の研究を重ねていた。そして弟の久光は、哲丸を支えて島津家を守ると言うが、斉彬は、それよりも国の安全が大事である、軍艦も入手しようとしていると言う。兄が異国と戦をするのでないかと久光は案じるが、斉彬は代わりに西郷に答えさせる。勝つことではなく、対等に付き合うことこそ大事と吉之助は答えるが、庭方役が自分にものを教えるように答えたのが久光は不愉快だった。斉彬は久光に、変わらねばならぬと諭す。

正助の祝言の日がやって来た。しかし吉之助に急ぎ登城の命が下る。鶴丸城では斉彬が、阿部正弘の訃報を伝える。一橋慶喜擁立が暗礁に乗り上げたと考える斉彬だが、篤姫様がおられもすと吉之助は言う。吉之助には再び江戸行きが命じられるが、一緒に連れて行きたい人物がいると吉之助は斉彬に願い出る。その夜、既に祝言が終わった後の大久保家を訪ねた吉之助は、斉彬に正助の江戸行きを頼んだこと、そして正助は熊本へ行って、長岡監物に会う許可をもらったことを話すが、正助には、吉之助が自分に恩を売っているようで、面白くなかった。

変わることが必要だ、この機会に薩摩を出ろと言う吉之助だが、結局2人の意見は合わず口論になってしまう。その後吉之助は再び江戸へ発つが、大久保家では祝言の夜に2人の会話を耳にした満寿が、今ならまだ間に合いますと言い、旅支度を揃えていた。両親からも背中を押される形で正助は旅立つ。正助は熊本への道を駆けるが、向こうからも駆けてくる男がいた。それは吉之助だった。吉之助は忘れ物をしたと言うが、その忘れ物というのは大久保正助のことだった。これで2人はよりを戻し、熊本へと駆け出す。

**********************

まず大奥に駕籠が到着した時の家定、月照が登場する前の風、そして正助が吉之助を追っていた時、吉之助も向こうから来ていたなどなど、何やら示唆的というか、それぞれの今後を暗示させるシーンが多い回です。しかし月照到着の前、画面が暗くなるのはなくてもいいような気もします。

それと斉彬の「おやっとさあ」、お疲れさまという意味ですが、斉彬にしてみれば、自分の野望のために篤姫を嫁がせたわけで、それをすべて切り回してくれた吉之助へのねぎらいの意味で、わざわざ薩摩弁で言ったと思われます。しかし吉之助も律儀というか、部屋に入れと言われているのに、縁先に座って切子に注がれた酒を干すわけです。しかし斉彬のあの研究室?ですが、『風雲児たち』の平賀源内の部屋が進化したイメージです。ところでカメラの前に座らされていた山田さん、あれからどうなったのでしょうか。ちょっと気になるところです。

その吉之助の律義さのマイナス面、というべきか。久光が斉彬に、異国と戦を始めるつもりかと尋ね、代わって吉之助に答えさせる場面ですが、あの時はいくら何でも主君の弟であり、それは流石に畏れ多いと辞退するべきなのでしょうが、ずばずば答えてしまう辺りもこの人物らしいといえます。無論久光にしてみれば、庭方風情に物を教えられていい気持ちはしません。この久光が大久保正助と懇意であったというのも理解できます。恐らく正助が吉之助の立場であれば、別の行動を取ったでしょう。

その正助の妻の満寿、碁が上手な人物として描かれています。恐らく彼女の手ほどきを受けて、正助が久光と碁を打つシーンも出てくるのでしょう。但し昨年のように、やたら碁を通じて意思疎通し合うなどという描き方は避けてほしいものです。ちなみに満寿を演じている美村里江さん、最初誰かなと思ったのですが、以前のミムラさんですね。確か芸名を変えられたようです。

あと斉彬に正助のことを頼む際、誰であるかを敢えて出さないのはいいですね。『西郷どん』のみならず、最近の大河はセリフが説明ぽくなるきらいがありますが、あそこでわざと出さず、正助に会うシーンにそのままつなげるのは評価できます。

それからご存知の方もいるでしょうが、坂本龍馬役が小栗旬さんに決まりました。小栗さんといえば『八重の桜』の吉田松陰役で、凧を揚げていたシーンを思い出します。薩長同盟は鈴木さん、玉山さん、そして小栗さんの揃い踏みとなるわけです。

[ 2018/04/09 23:45 ] 大河ドラマ 西郷どん | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『青天を衝け』の感想も書いています。またBSで再放送中の『黄金の日日』の再放送も観ています。そしてパペットホームズの続編ですが、これは是非とも来年の大河が始まる前に、三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、『相棒』をはじめとする刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2021年には北半球最強であるブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとの試合も組まれています。このチームにいい試合をし、今後さらに上を目指してほしいものです。国内のラグビーも、2022年からはいよいよ新リーグがスタートです。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

TopNTagCloud