fc2ブログ

ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  風林火山その他

野田城の戦い

武田信玄最後の戦いとして、野田城攻めがあります。三河東部に於ける徳川の拠点で、ここを守っていたのは菅沼定盈でした。定盈は武田の大軍を相手に、500人ほどの少人数で城に立てこもります。そしてこの時信玄は、金堀人夫を使って、井戸に向かって坑道を掘らせ、水をそちらの方に流し込んで、井戸を涸れさせる作戦に出ます。

しかしこの時家康の方も、武田方の勢力を捕らえており、捕虜交換によって定盈は野田城へ戻ります。元々信玄はこの野田城攻めをすることで、浜松城を孤立させる狙いがあったと言われています。しかし力攻めを行ったわけではなく、その理由として、信玄の病状悪化があったともされています。

実際三方ヶ原の戦いの後、信玄は浜松の刑部城に入って年を越し、その後この野田城攻めに及んだようです。実はこの野田城は、かの三河一向一揆の本證寺同様、愛知県新城市に存在していました。

またこの城攻めの時信玄が狙撃され、それがもとで亡くなったという説もあります。この後ほどなくして他界していることもあり、こういう説が唱えられたとも考えられます。しかし一般には、信玄は病死とみなされています。そしてこの信玄の病気に、徳川方はいわば助けられたと言ってもいいでしょう。

ところで先日、信玄が輿に乗せられていると書いていますが、どうもあれは方形の棺のようにも見えます。但しこの場合、影武者の信玄はいるわけですから、信玄以外の誰かが亡くなったという体を装って、甲斐まで戻っているように見えます。

そういえば井戸を涸れさせる作戦、『風林火山』の「奇襲!海ノ口」で、武田軍が水脈を断とうとしていたのに勘助が気づくシーンがありました。あと火矢を防ぐために、城に泥を塗ったりもしていましたね。


飲み物-注がれるワイン
スポンサーサイト



[ 2023/05/20 01:45 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

三方ヶ原の戦いその後

次回の『どうする家康』は三方ヶ原の戦いで、これは家康2度目のピンチとなるわけですが、この大河の場合他にもピンチ、決断を迫られて悩むシーンは次から次へと出て来そうです。あるいは賤ケ岳の戦いとか、関ヶ原などもそうなるでしょう。大坂の陣もまたしかりと言えます。

で、この三方ヶ原の戦いの後、将軍義昭が挙兵するという事件が起きています。これは信玄の、この西上作戦が引き金になったとされています。元々は義昭が、信長を討つために信玄の上洛を促したとされていたのが、信玄が三方ヶ原で家康に勝ったため、義昭は信玄と結んで信長を追討する策に転じたというわけです。

その後信玄は東三河の野田錠を攻め落としますが、体調が悪化し、それ以上西へ向かうことはありませんでした。そして信濃で病没し、四郎勝頼がそのあとを継ぐことになります。その隙に家康は長篠城を取り戻し、一方勝頼も家康を相手に戦闘を繰り広げますが、天正3(1575)年の長篠の戦いで、武田軍は織田と徳川の連合軍に敗れます。その後勝頼は信長と和睦しようとしますが、結局甲州征伐により、追いつめられた勝頼は自刃します。

ところで第16回の、調略された奥三河の領主の1人に「長篠」とあります。この長篠とは長篠菅沼氏の菅沼正貞のことで、その城である長篠城を取り戻したことが、長篠の戦いで有利になります。

また作手も登場していますが、これは作手亀山城主の奥平定能のことと思われます。家康はこの父子を味方に引き入れるべく、娘の亀姫を子の信昌と結婚させます。あと田峯、これはやはり菅原氏の城で、長篠の戦い後にこの城を訪れた勝頼の入城を拒んだという話があります。

それと言わでものことですが、先日の回の冒頭に出て来たムカデは、武田の百足衆を表していますね。あと港がないことを信玄が嘆いたシーン、『風林火山』の鉄砲仕入れで、勘助が今川義元に、港を使わせてくれと言ったのを思い出します。


飲み物-チューリップグラスのビール
[ 2023/05/03 01:45 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』第10回に関しての武将ジャパンの記事について-4

先日の続きです。
尚「築山殿」関連ですが、於大の方が口にした以外は、この名称は第10回には登場しておらず、OPのクレジットも「瀬名」だけとなっていました。なぜか武者さんは「築山殿」を使いたがりますね。

で、信長は「無駄に」武芸を披露しているそうです。

織田信長は、毎回無駄に武芸を披露しています。
あの無造作に矢を連射していた弓の時間――矢は全て的を捉えていて、思わず本気で頭を抱えてしまいました。

美濃攻めをしようかと言う時に、なぜ「無駄に」武芸を披露なのでしょうね。そのための鍛錬とは武者さんは思わないのでしょうか。しかも
「矢はすべて的を捉えていて」
とありますが、それだけ武芸に通じていると見るべきでは?

そして藤吉郎ですが、この人のことも武者さん、正しい役名である木下藤吉郎ではなく、後の名である豊臣秀吉の名前にしています。羽柴秀吉ですらないのですね。

今週の豊臣秀吉ほど、気持ち悪い存在は無かったでしょう。
あのお市のことについて、書くのも嫌になる下劣な台詞が出てきた。
「いっぺんやっとけばよかった」って……絶句するしかないですよ。
(中略)
下劣極まりない秀吉像でした。
なぜあんな描写になるのか。秀吉をバカにするにも程がありましょう。

藤吉郎はこの回に限らず、瀬名を奪還した後も似たようなことを言っていますね。この人物のキャラ設定として、こう言うのを平気で言わせることになっているからでしょう。家康もあいつは嫌いじゃと言っていますし。

それに
「秀吉をバカにするにも程がありましょう」
て…どの秀吉と言うか藤吉郎と比較しているのでしょうか。大河の秀吉像など実に様々なのですが。それよりもここは、例の草履を懐で温めていたという美談、あれを覆してしまっていて、その辺もこの藤吉郎らしいと思います。
あと浅井長政の名前が出て来ますが、武者さんその辺りは関心はないのでしょうか。

武田信玄は、またもやバーベキューを楽しんでいそうな雰囲気で登場しました。
(中略)
穴山梅雪と山県昌景だけでなく、軍議の場に千代が一緒にいるあたりもどうしようもない。彼女は隠密ですよね? どういう状況ですか?
そしてこれみよがしに金を握る様が、見ていて恥ずかしくなってくる……。
家臣の前で、あんなバカげた真似をしますか?
(中略)
見ているだけで脳みそが溶けそうなシーンでした。

「バーベキューを楽しんでいそうな雰囲気」
具体的にどのような雰囲気なのでしょうね。
それとここでは穴山梅雪ではなく、穴山信君ですね。
それと千代は「武田の」間者ですね。今川調略に一役買うことになるのでしょう。

そして金、あれ『風林火山』にも出て来ましたがそれはともかく、あれだけの資金があるから、西へ目を向けたということでしょう。なのに金を握るなら、真田昌幸のように胡桃でも握っていろなどとあります。
信玄が金を握るのはきわめて象徴的な描写で、昌幸とは全然違うと思いますが。そう言えばこの頃は、昌幸の父幸隆が信玄に従っていた頃ですね。

「見ているだけで脳みそが溶けそうなシーンでした」
頭痛がしたと思ったら今度は脳みそが溶けるのですか、武者さんも色々と大変なことで。

裏切り者は許さんと飯尾義龍に迫る――今川氏真は、なぜいつもスモークの中を歩いているのか?
このドラマはCGだけでなく、画面の効果が無茶苦茶。ドライアイスを豪快にぶちまけたようで、何がしたいのでしょう。

あれはスモークと言うか、朝もやか何かを表現しているのではないでしょうか。
それとドライアイスをぶちまけたら、もっと白い煙がもくもく立つと思いますけどね。
詳しく説明したくないからなのか、何でもかんでも無茶苦茶で済ませてしまっていますね。

41分ほどのドラマで、39分くらいが側室ドタバタ。
その後ちょろっと、政治背景の描写でした。
13代将軍・足利義輝の死ですら、ササっと済ませるのですから、歴史を表現しようなんて考えてないのかもしれません。
「フィクションの大河ドラマに何を期待してんだよwww」ってことでしょうか?
いや、もうわけがわからなくなってきました。

嫌いな大河の側室はドタバタで済ませ、好きな大河(おんな城主直虎)の側室騒ぎは素晴らしいとほめる。ダブスタですね。
そして
「13代将軍・足利義輝の死ですら、ササっと済ませるのですから、歴史を表現しようなんて考えてないのかもしれません」
この大河の場合、義輝の横死はそれほど重要ではありませんから。では『麒麟が来る』で山崎の合戦がなかったこと、あれも
「歴史を表現しようなんて考えてない」
と取られてもしかたないのではないでしょうか?


飲み物-グラスに注がれたエール
[ 2023/03/17 01:45 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

戦国大河の家康の登場回数

『どうする家康』が始まってふと思ったのですが、徳川家康という人は、戦国大河の大半に登場しているのではないかと思います。少なくとも近畿地方や東海地方が主な舞台の場合は、殆どと言っていいほど出て来ているのではないでしょうか。今再放送中の『おんな太閤記』にも出て来ていますし。

また近畿や東海がメインでなくても、武田信玄が主役の大河の場合、三方ヶ原の戦いで比較的若い家康が登場しています。それぞれの作品に於ける立ち位置をざっと分けると、以下のようになりそうです。

主役
準主役、身内を含め主人公に比較的近い存在
主人公の主君、同僚またはそれに近い存在
主人公と直接関係はないが、何らかの形で巡り合う、または知り合いになる
時代設定が違う大河に、いくらか縁のある人物として登場

言うまでもないことですが、一番最後に該当するのは『青天を衝け』と『鎌倉殿の13人』のみです。『おんな太閤記』は上から2番目のパターンでしょう。戦国大名が主人公の場合、最初は上司的存在で後に主君となるケースが多そうです。無論秀吉の登場回数も多いのですが、『葵 徳川三代』は秀吉薨去後から始まるため、この大河では登場していません。

それから信長ですが、大河では18回登場(2020年時点、NHKアーカイブス)となっています。しかし2022年放送のスペシャルで、確か「19人」とあったのですが…『風林火山』に登場したモブ的な信長も含めてのことでしょうか。しかし信長が登場しない戦国大河(『春の坂道』、『独眼竜政宗』、『葵 徳川三代』など)でも家康は登場していますので、やはり戦国大河では断トツの登場回数と思われます。

なお前出の『風林火山』では、松平元康もわずかながら登場します。これは今川家が出て来るためです。

飲み物-テーブル上のマグのビール
[ 2023/01/14 01:30 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 84その3

『武将ジャパン』大河コラム、第46回終盤関連記述と総評関連での疑問です。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第46回「将軍になった女」 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)
https://bushoojapan.com/taiga/kamakura13/2022/12/05/172348


1.弓を構えた後鳥羽院が、見事に的へ矢を的中させる。
と、続いて秀康が射て、カッと砕け散ります。
「この藤原秀康にお任せいただければ、ひとつきで鎌倉を落としてご覧に入れます」
「頼もしいな、秀康」
微笑む後鳥羽院、跪く秀康。
なんでしょう、この失敗するしかない君臣は。
もう全てが駄目ですね。星智也さんの秀康が仕上がりすぎていて笑えるほど。
日焼けした肌、傷、的を射抜くと割れる派手さ。こんなに精悍なのに、張子の虎に思えて、ものすごく高度だ。

「なぜ」失敗するのか
「なぜ」張り子の虎なのか
「何が」ものすごく高度なのか
まるで説明がないのですが、結局何を言いたいのですか?独りよがりの自己満足といった感じにしか見えないし、文章も何やらとりとめがないのですが、どういう状態で書いたのでしょう。

2.時房はあんなにかわいいのに、戦うときはおそらく凶暴になる。実写版ピーターラビットのようなえげつなさを秘めている。
時房に瀬戸康史さんをキャスティングするなんて、なんて悪魔的な発想なのでしょう。毎回見るたびゾッとします。
一方で秀康、こやつは形だけ入った武士よな。いや、刀傷もあるし、実戦経験はあるのでしょう。
ただ弱い。こいつは無茶苦茶弱い。
だって兵法を真面目に計算すれば、あんなに自信満々に、無根拠で、ひとつきで鎌倉落とせるなんて言いませんてば。

「時房はあんなにかわいいのに、戦うときはおそらく凶暴になる」
ここも何を根拠に書いているのかまるで不明。それに「実写版ピーターラビットのようなえげつなさ」て、具体的にどういうことでしょうか。これ歴史ポータルサイトの有料記事だし、自分がわかればそれでいいと言った性質のものではないのですけどね。しかし、本当にとりとめがないですね。
それにそもそも、武者さんは藤原秀康という人物をご存知なのでしょうか。
元々この人は三浦胤義を朝廷軍に引き込み、挙兵に当たって伊賀光季(この大河でののえの兄)を攻め落としている人物です。時房と比較して駄目だ呼ばわりは、何の説得力もないのですが。

あと兵法を真面目に計算すればとありますが、兵法は「学ぶ」ものだと思います。

3.それに突っ込まないでニコニコする後鳥羽院も、もうだめだという雰囲気が見えてきました。
このタイミングなのでしょうね。
油断して弛緩し切った古い神である朝廷に、新しい神である鎌倉がぶつかる。だからこそ歴史が変わるのでしょう。

なぜ「もうだめだ」なのでしょうね。信頼する臣が弓の腕も相当なもので、しかもあれだけ頼もしいことを言われたら、普通は喜びこそすれ、嫌な気持ちにはならないでしょう。その臣の労をねぎらう意味もあるでしょうし。
そしていつの間にか鎌倉も「神」になっていますね。少し前は仏教を奉じる武士と、神道の朝廷と言った書き方になっていましたが。
そしてとどのつまりは、「油断して弛緩し切った古い神」朝廷へのネガキャン工作なのでしょうか。

4.実朝が殺されてから半年、季節は冬から夏に変わりました。

この7月19日はユリウス暦では8月末で、グレゴリオ暦だともう9月ですね。この年の4月に建保は承久に改元されています。

5.義時はどうにも小物に思える。天命が降りてきても器は大きくならないのだなと。父の北条時政とも異なるせせこましさがあります。
その点、政子は器が大きい。何もかも飲み込む強さがある。
理詰めの義時と、政子の情けにあふれた器量。この両輪があってこそ、鎌倉は安泰ではないでしょうか。

義時は最早理詰めと言うより、理を通り越した存在になっていると思います。そして義時は小物に見えると言うより、自分が黒幕に徹して、政子を中心に据えようとしているからではないでしょうか。尤も政子もそこまで強い人物だとは思いませんが。

6.義時は姉上にしては珍しい、随分と前に出る、私への戒めかと嫌味を言います。
「すべてが自分を軸に回っていると思うのはよしなさい。どうしてもやっておきたいことがあります。よろしいですね、尼将軍の言うことに逆らってはなりませんよ」
呆れたように姉を見送る弟の義時。でも、ちょっとホッとしているように思えます。
(中略)
政子は義時を救っているのです。
自分を軸にして世界が回る。それはとても疲れてしまうことでもある。指一本動かしただけで誰かの首が飛ぶ状況は辛い。その重荷を政子は代わってあげた。

寧ろ義時にしてみれば、してやったりかも知れません。これで頼朝の威光をかざして、御家人をまとめる役目ができたわけだし、このシーンの義時の表情を見ていると、政子は自分が将軍になったと思っていて、しかし実は「ならされて」いたようにも見えます。弟の掌の上で踊らされていると言うか。

7.政子は実衣に、放免になったと伝えに行きます。
「もう大丈夫。誰もあなたを咎めはしません。私は尼将軍になりました」
「尼将軍?」
「誰も私には刃向かえない。小四郎もね」
(中略)
小池栄子さんと宮澤エマさん姉妹が、圧倒的な美しさを見せてきます。

結局政子を将軍として奉ることの一因が、これだったのではないでしょうか。何よりもこの回、義時が義村と実衣を嵌めていることからしても、実衣の疑惑を利用して、政子を担ぎ出そうとしているようにしか見えません。

義時も最大の難関である政子の説得と将軍就任が終わり、晴れて都と対峙できると思っているようで何よりでしょう。最後の「圧倒的な美しさ」云々、武者さんはこれを書かないと落ち着かないのでしょうが、昨年のお千代の凛とした姿にも、同じ言葉をかけてほしかったですね。

そしてMVP(尼将軍政子)と総評関連ですが、

8.戦国時代までは女性の家長がいます。政子はうってつけのロールモデルといえました。
しかしそれが江戸時代になると、嘲笑の対象となってゆきます。
大河ドラマでも描き方もそうで、時代と作品によって異なります。

ではその「女性の家長」が誰であるか、例を挙げてほしいですね。あと江戸時代になると嘲笑の対象とありますが、それも具体的に名前を挙げてほしいものです。それと尼将軍と言えども、家督を継いだのはあくまでも男子です。

9.この政子像は転ぶことができない。
ある意味、主役である義時よりも重要とされてもおかしくない。
どれほどプレッシャーをかけようと、本作ならばできるんじゃないか。
そう信じ続けて見守り、報われた万感の思いが湧いてきます。
この政子は、本作製作者も熱心に見ている『ゲーム・オブ・スローンズ』の女王像を超越できたかもしれない!と思えました。

主人公は義時なのですが、政子の方が主人公だ!と武者さんは言いたくてたまらないのでしょうね。そしてこの大河は素晴らしかったとも、恐らくは声を大にして言いたいようです。私自身この大河はどうなるかと思っていたのですが、この第46回までを観る限り、ちょっと予想外の方向に行った感もあります。
あと例によってゲースロ。武者さんの場合、これも書き添えておかないとコラムを書いた気になれないのかも知れません。しかし、ここは武者さん個人のサイトではないのですが…。

10.北条政子がいて、尼将軍になって、本当によかった。
そんな圧巻の素晴らしさでしたが、世間にはこんな声もあるようです。
◆NHK「鎌倉殿の13人」闇を断つためにあなたは何をなされた…義時の政子への怒りに視聴者「もっと言うたれ」(→link)
言わんとするところはわかります。
頼朝の死後、伊豆へ戻ると言い出した義時を政子が止めた。どっちもどっち。そう言いたいのでしょう。
しかし、立場や状況の違いがあります。
・頼朝死後の義時は、頼朝から政治ノウハウを学んできている有力御家人
・一方の政子は、頼朝から政治に関わるなと言われてきた
この状態で伊豆へ引っ込むという義時は、かなり無責任ではありませんか。

無責任でしょうか。
私が投稿したあらすじと感想では、この回(第26回「悲しむ前に」)でこのように書いています。

政所は文官に、侍所は梶原殿や和田殿に任せ、また平六(義村)もいるし、それぞれが私欲に走らず頼家を支えれば今後も安泰、北条も五郎も太郎(頼時)もいる、皆で父上を支えればいいと義時。

また鎌倉の中心には、誰とでも隔てなく接することのできる姉上がいると言われ、政子は意外な気持ちだった。さらに義時は、伊豆に帰って米の勘定をする、これからの鎌倉に自分は要らないと言うが、政子は頼家を助けてやってくれと頼む。

当時の鎌倉はこういう状況でした。そして「米の勘定」、つまりこの時義時が帰っていれば、後世に名は残せずとも、武者さんが何かのように書いていた
「木簡を数えていたお兄ちゃん」
のイメージは保たれ続けたのではないでしょうか。

11.では実朝の死後は?
・義時は執権である。泰時や時房、大江広元もいる。実質的に鎌倉ナンバーワン
・政子は我が子の最後の一人と孫を同時に失った。夫もいない。出家しても全くおかしくない
政子があの状況で義時を止めるのはわかります。何もできない、どうしようもない。
一方で実力も地位もある義時が、頼朝妻という政子の立場欲しさに止めるのは、いささか冷血ではありませんか。

政子は頼朝の御台所であり、そのためにも彼女の存在が必要と思われたからでしょう。頼朝の威光を示せるのは政子しかいないとも言われて来たわけですし、殊更に義時を悪人に仕立てる必要もないと思いますけどね。丹後局から言われてもいたとわけですし。尚これに関しても、過去のあらすじと感想(第42回「夢のゆくえ」)でこのように書いています。

政子はたまに心の芯が折れそうになる時がある、4人の子のうち3人を亡くし、背負う物が多すぎる、家族のだれ一人失わずつつましやかな方がよかったと打ち明ける。しかし丹後局は頼朝と一緒になったのはいつかと尋ね、40年と答えた政子に、それでまだそんな甘えたことを言っているのか、いい加減覚悟を決めるのです。あの源頼朝と結ばれたということはそういうことと厳しく言い放つ。人並みの人生など望んではならないとも言い、さらにこう言い添える。
「何のために生まれてきたのか、何のためにつらい思いをするのか、いずれわかる時が来ます」

12.あなた方の思う通りにはさせない!――泰時みたいに思わず叫びたくなります。水に落ちて溺れている政子を棒でぶん殴るような所業ですよね。
なぜ政子をさらに責め立てようとするのか?
理由を考えてみると、そこにはミソジニー(女嫌い)があったりしませんか。
思い出すのは『麒麟がくる』の駒叩きです。
大河ドラマは『三姉妹』や『獅子の時代』のように架空人物が主役を務めたことすらあります。
しかし駒は「大河ではありえない!」と言われ続け、同じく架空キャラの東庵や菊丸より激しく叩かれました。

私が、武者さんのこの『鎌倉殿』関連の文章が腑に落ちないのは、主役で清濁併せ呑む義時ではなく、貞観政要絡みで、泰時の方ばかりを持ち上げがちなところも理由の1つかと思います。しかも政子は水に落ちてぶん殴られているような、そんな惨めな存在でもありませんけどね。そう言えば水に落ちた犬を叩くと言うのが、韓国の諺にあったかと思います。

そして論理が飛躍しているなと思うのが
「理由を考えてみると、そこにはミソジニー(女嫌い)があったりしませんか。
思い出すのは『麒麟がくる』の駒叩きです」
結局落としどころはここですか。

しかもその次に
「大河ドラマは『三姉妹』や『獅子の時代』のように架空人物が主役を務めたことすらあります」
とあるのですが、一体駒は
「女性だから」叩かれたのですか?それとも
「オリキャラだから」叩かれたのですか?

個人的にはオリキャラなのに、あちこちやたらに出張ったから批判されたと思います。医者の弟子で薬を作っていた女が、将軍の側女のようになっていたり、細川家に出入りしたりするのが不自然、あるいは越権行為のように見られたからではないでしょうか。無論これは東庵も似たようなところはありますし、それ以前に、『麒麟が来る』の演出や衣装も疑問ではありましたが。
たとえば『風林火山』などは、架空の女性キャラ、たとえばヒサとか葉月などと言った人たちもいましたが、彼女たちが煩わしく思われることはそうありませんでした、ヒサの夫となる平蔵はウザキャラとされたようですが。

しかし『三姉妹』だの『獅子の時代』だの、10年ルールはどうなったのでしょうね。あと主人公ではありませんが、『峠の群像』のメインキャラの1人、石野七郎次も架空の人物ですし、『黄金の日日』もメインにオリキャラが登場します。

13.声の大きな一部大河ファン、いわばノイジーマイノリティは、女叩きを楽しみの一種としているのでは?

これもまたどうかと思いますね。要はそういう大河ファンが、武者さんは嫌いということでしょう。ならばこういうメディアの記事を一々取り上げる必要もないかと思います。結局のところそれを止めないのは、このコラムでジェンダー論を主張したいからではないのでしょうか。

14.せっかく三谷さんが女性スタッフの意見を取り入れ、他の方々も配慮しているのに、ファンダムが女叩きを娯楽としていては、足を引っ張ります。

この大河の女性描写も、正直どうかなと思われる部分はありますが、それはともかく。
「ファンダムが女叩きを娯楽としていては、足を引っ張ります」
かと言って、武者さんがそれをやめさせられるわけでもないのですが…。気に入らない意見なら無視すればいいし、そう言う意見をチェックしないと仕事にならないのなら、それはそれと割り切るべきでしょう。
自分の嫌いな意見はすべて悪と言いたいのでしょうか。それは義時以上に独裁的な考えではないかと思います。


飲み物-グラスに注がれたエール

[ 2022/12/09 01:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 81その3

『武将ジャパン』大河コラム、第43回関連記述への疑問点その3です。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第43回「資格と死角」 - BUSHOO!JAPAN
(武将ジャパン)
https://bushoojapan.com/taiga/kamakura13/2022/11/14/172015

さて、北条泰時は自宅でぼやきタイムです。
弟の北条朝時から讃岐守はすごいと言われ、妻の初からまさか断らないだろうと念押しされますが、表情は浮かない。朝時は断ったら俺がなるってよ。今週もダメな弟だな。
と、そこへ闇の物体そのもののような義時がやってきます。
初が、また夫が何かやらかしたのかと心配していると、朝時が「ちぐさ」という女と揉めたことを詫び出している。いや、だから、お前は本当にダメな奴か。

「弟の北条朝時から讃岐守はすごいと言われ、妻の初からまさか断らないだろうと念押しされますが、表情は浮かない」
初の言葉の後に、気乗りしないとつぶやくように言って酒に手を伸ばして、初から止められていますね。で、朝時の
「断ったら俺がなる」
ジョークですよね。兄貴がならないなら俺がなろうかなあと言う軽いノリで、この人らしいと言えます。あと女性に手が早いのもこの人の特徴ですが、だから駄目な奴とも言えないわけで、承久の乱ではかなりの活躍をしていますね。それと時政の名越邸を受け継いでいます。

義時は無言のままでしたが、答えはおおよそ浮かんできます。
義時は「守成の英雄」になりたかったはず。
創業の英雄は、乱世の奸雄として悪事に手を染めねばならず、義時は自分がそうではないと思いたかった。頼朝の悪辣さに憤る側の人間だと思いたかった。
しかし、思った以上に乱世が長い。
清廉潔白であれば畠山重忠のように滅びてしまう。生き延びるために汚く染まってしまった自分が悲しくなる。
でも泰時はそうではない生き方ができる。よりよい世を作れるはずだ。

「守成は創業より難し」とでも武者さんは言いたいのでしょうか。
伊豆の領主の子に生まれ、図らずも頼朝の一番弟子的な存在となり、様々な形で師匠頼朝のやることを引き継ぐことになった以上、果てはその頼朝の子供たちをも手に掛けるような、汚い仕事にも手を染めざるを得ませんでした。そして
「思った以上に乱世が長い」
と言うよりは、時代の変わり目というのはとかく不穏なものであると言うことでしょう。江戸幕府でさえも安定したのは三代目からです。

実衣が、桜の花見からうきうきした顔で御所に戻っています。
姉がいないだけでこんなに伸び伸びできるなんて!
そう言い、のえに話しかける。
実衣は夫・阿野全成の言葉を忘れたのかもしれない。権力に酔いしれ、あわよくば時元を次の鎌倉殿にしようと企み、迷走しているように思えます。
そしてこれまた危険なのえ。

実衣が権力に酔いしれているかどうかは疑問です。鬼のいぬ間の洗濯といった感もあります。第一彼女も次の鎌倉殿は公暁推しで、時元はその次の候補ではあるのですが。それにこのシーン、どちらかと言えばのえを出すのが目的ですね。

二人は桜を見ています。何がけしからんって、のえはこんなロマンチックな時間を義時とは一切過ごしたように思えないところですよ。
彼女は「永福寺が素敵だった」とか語り始める。
仲章は「嵐山の桜も見頃かもしれない」などと言い出す。
向こうにずっといたのか?と、ときめくのえ。仲章はここだけの話と言いつつ、未だに坂東の水が合わないと打ち明けると、私もそうだとのえ。

けしからんかそうでないかはともかく、このような話を振ってくること自体、仲章が彼女を利用しているようには見えますね。

いつでもつきあうと言い残し、去っていく仲章……って、一体なんなんだよ、きみたち本当になんなんだよ!
三谷さんは腕を上げられたと思うところがあって、それはいやらしい会話術の気がします。ここの二人の会話は実にいやらしい。
のえの浅はかな見栄っ張りぶりよ。本物の京都育ちである千世にはないワナビー感が痛々しい。
そういう背伸びした女を転がすなんて、仲輝からすれば簡単コロリ。実質的に不貞としか言いようがない目線をビシビシと送っていて、これはあんまりだと唸ってしまいましたね。

だから仲章が義時の妻であるのえを、自分の側に取り込もうとしているわけですよね。そしてのえも、仲章に話を聞いて貰ったこと、ほめて貰ったことで満更でもないと思っているのでしょう。しかし前にも書いていますあが、武者さんは人物描写を、やけにこういう男女関係、色事の視点から見たがるし、またその手の記述にスペースを取りたがる傾向がありますが、これドラマのレビューですよね?
何だか軽いなと思ってしまいます。嫌いな大河でこんなシーンがあったら叩くのでしょうけどね。

それと「仲輝」て誰ですか?

そして仲章は、平賀朝雅に毒薬を渡した前科があるわけでして。
仲章経由でのえが毒を手に入れられるのではないか?という期待すら抱いてしまいます。
まぁ、そんな期待をされる北条義時も、一体どういう主人公なのかと思いますけれども……。

こういうのはこれからのお楽しみであるにも関わらず、勝手に妄想するのもどうかと思いますが。このコラム、ひいては朝ドラ記事にも言えることで、特に好きな作品の場合、勝手にあれこれ予想したがるように見えますが、別に予想コラムじゃないのですけどね。
しかし流石に後鳥羽上皇が毒を渡したとは書かなくなりましたね。あのシーン、はっきりそうとはわかりませんから。

仲章との会話で、かえって義時には伊豆に戻って穏やかに過ごす時政ルートはないと示されたようなものでしょう。
どんな酷い最期になるのか、本当に期待です。

時政はのんびり暮らしていましたが、実の息子義時から追放されていますし、しかもりくは京に戻ってしまうし。少なくとも義時にはそのような老後はないと言うか、そもそもこの人に「老後」があるのかどうかは疑問です。生涯現役の見本のような人でしょう。それと
「どんな酷い最期になるのか、本当に期待です」
言っちゃなんですが、大きなお世話だと思います。ひとつ前にも書いていますが、ここは武者さんの個人ブログでもなく、またドラマの結末を予想する場でもないのですが。

義村はさらに畳み掛けます。北条は貴方の家族を殺した。わずか6歳の兄上も殺された。北条を許してはならない。北条の助けで鎌倉殿となった実朝もまた、真の鎌倉殿にあらず。
そう吹き込むと「許せぬ!」と怒り心頭の公暁。
さて、この場面からして、今後の惨劇の黒幕を三浦義村とみなすことはできるのか?
難しいところです。
これは『麒麟がくる』の正親町天皇と光秀の関係もそうでしたが、動機を煽っただけで黒幕とみなすことには少々無理があります。
あくまで決めるのは公暁の意志。

公暁に義村が「事実」を打ち明けるシーンですが、実朝暗殺は義時の案とも、他の御家人を巻き込んだとも言われています。後者であれば、義村も暗殺を煽ったことにはなるでしょう。しかし途中で急に北条絡みの話をする辺り、何ともうさん臭く、公暁を焚き付けようとしている感があるのですが、公暁本人はそれには気づいていないようですね。

そしてそこで『麒麟が来る』。本当に好きですね(苦笑)。ただしここでの義村は公暁の乳母夫でもある以上、自らに火の粉がかからず、しかも目的を達成させる必要があります。どのような手を使うのでしょうか。

義村にせよ。実衣にせよ。藤原兼子にせよ。
自分が権力を得るチャンスに鼻をひくつかせている――そういう軽薄さがあるといえばそう。一直線に目標に向かう公暁とは違う軽さがあって、実にいやらしい。

義村に取って公暁は駒である以上仕方のないことでした。実衣については何とも言えません。そして兼子の場合ですが、この人は既に権力の座にいる人で、寧ろ頼仁親王を鎌倉に遣ることで、自らの影響力を強めようとした、鎌倉の覚えめでたき存在になろうとしたかも知れません。あと公暁の場合権力と言うか、まずは親の仇である北条と実朝を討ち取り、しかる後に義村の力を得て、鎌倉殿となりたかったのではないでしょうか。

日本中世において女性がどう権力を持ち、行使できたか。そこを語る上で大事な場面に思えました。
男性同士である後鳥羽院と時房の場面とも対照的に思えます。
むしろ感情的で気まぐれ、思いつきで進めるのは後鳥羽院の方に見えます。

「むしろ感情的で気まぐれ、思いつきで進めるのは後鳥羽院の方に見えます」
この書き方はどうかと思いますね。見方によっては、
「本来は女性は感情的で気まぐれ、思いつきで進めるのだが、この場合は寧ろ男性の後鳥羽院の方がそう振舞っている」
と言っているように取れますし、それは武者さんの主張と相いれないのではないでしょうか。そして時房との蹴鞠ですが、別に上皇は感情的でも気まぐれでも、ましてや思いつきでことを進めているようにも見えず、頼仁親王の派遣を命じて時房の耳にも届かせた辺り、なかなか強かだなとは思います。

女性の飲酒というのは、儒教文化圏ではタブーです。韓流ドラマや小説だと、女性が酒を飲むことがいかに大変であるかがじっくりと描かれることがあります。
これは日本でもそうで、女性が堂々と酒を飲めるようになるまでいろいろ乗り越えるべき壁がありました。
男性相手にお酌をしつつ。男性と差しつ差されつつ。
そういう局面ではなく、女性同士が親睦を深めるために飲酒する。
大河で描くのは画期的に思えます。飲むところまでは入りませんでしたが、果敢な挑戦が見られました。

そもそも儒教圏では、目上の人の前で差し向かいで酒を飲むことができませんね。それとこれも先日の投稿で、『風林火山』の三条夫人と由布姫が、甘酒を酌み交わすと言うよりは、酌み交わそうとするシーンがあると書いています。探せば、もう少し女性同士の飲酒シーンもあるかも知れません。

それと「いろいろ乗り越えるべき壁」があったのなら、それについて書いてほしいですね。

奇妙な仕上がりになってきています。
義時は主人公なのにセリフと動きが少ない。最終章突入後その傾向はありましたが、今回は特にそうでした。

義時は完結編では黒幕に徹している感があります。そういう場合はできるだけ、今後を悟られないように大げさに動かさないのではないでしょうか。

干し蛸を貶された政子は、かつてだったら引っ込めていたかもしれない。
それが民衆の暮らしを考えるべきではないかと提示するようなもっていき方で反論。
こういう言い方は、「あなたとちがって私たちは民衆の生活を見ている」という確信なしではそうそう言えないことでしょう。

「あなたとちがって私たちは民衆の生活を見ている」
何だかこれもマウントぽく響きますね、それとこのシーン、民衆の暮らしへの言及など出て来ませんし、その前のシーンも政子はそう言ってはいませんが。自分で勝手にシーンを作らないでほしいです。

一方で、後鳥羽院から「東夷」と呼ばれたのが時房であり、ここで坂東武者の属性が再度確認される。
坂東武者の政とは?
「撫民」であり、それを成し遂げるのであれば華も夷も関係ない。そんな政治思想を持ち込む北条には義があると。

これも先日書いてはいますが、この当時まだまだ東夷と呼ばれることもあったでしょう。そして民のどうこう、そういうのはこのシーンには出て来ません。ましてや北条に義があるなどと誰も言っていません。ある意味、政子の「田舎アピール」とも言える干しダコで、ここまでストーリーを膨らませられるのもすごいと言えばすごいです、武者さん。

このドラマの北条義時は確かに悪どくて、のえに一服毒を盛られて苦しみ抜くのが相応にも思えます。
しかし、そんな悪党というだけでも仕方ない。
ゆえに、北条氏の歴史における役割や、政の意義をきちんと見せるようにまとめてきている気がします。
最終章はみどころが実に多いと感じるのです。

私は義時のその悪どさ、この時代を生き抜くにはやらなければならないこと、それに苦悩する姿勢などなどを観たいから、これを観ているわけで、今のところ後添いに毒を盛られろなどと思ったことはないですね。と言うか、のえの存在意義が今に至るまで、あまり描かれていない感じです。歴代の義時の妻の中でも地味な印象ですし、この妻にそこまでの情を抱かないからこそ、義時もここまでやれたのでしょう。

それと
「しかし、そんな悪党というだけでも仕方ない。
ゆえに、北条氏の歴史における役割や、政の意義をきちんと見せるようにまとめてきている気がします。
最終章はみどころが実に多いと感じるのです」
具体的に北条氏の役割や、政の意義とはどのようなものでしょうか。それを書いてこそのものだと思います。


飲み物-ビールと夜景
[ 2022/11/19 01:00 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 81その2

『武将ジャパン』大河コラム、第42回後半部分関連記述への疑問点です。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第43回「資格と死角」 - BUSHOO!JAPAN
(武将ジャパン)
https://bushoojapan.com/taiga/kamakura13/2022/11/14/172015


もしも前回、唐船の渡海が成功し、日宋貿易が実現していたら?
京都に、鎌倉を経由した宋渡来の品を献上できたでしょう。
それができないから、干し蛸というなんともつまらないものになった。兼子も容赦なくそこを突いてくるわけですが、政子は負けていない。相手が贅沢な暮らしをしていると揶揄しています。

仮にあの船が進水できて日宋貿易が本格化していたとしても、この上洛にはちょっと間に合わなかったのではないでしょうか。それと政子は、このような交渉でもあり、またかつての上洛の教訓もあり、自分は田舎者だとへりくだって見せることで、こういう仕掛けを用意していたとも思われます。

彼女の言い分だと、鎌倉の方が「民の暮らしを考えている」と解釈できなくもない。
(中略)
「撫民」(民を思いやる)は北条が掲げたひとつの到達点。
北条政子が藤原兼子に返すことで、後に北条政治が到達するものも見えてくる。
思い起こせば頼朝は、上洛時にもっと立派な贈収賄をしていたものです。
頼朝の方が財力をかけることはできるけれども、贈収賄は道徳心がない。源氏に欠けたものを北条は補い、それを政治信条にしていくのではないかとも思える。
ゆえに高度な会話ではないでしょうか。
兼子も相手をみくびれないと思ったか。

汚れたものを口にすると、日々の食事が如何に美味かというセリフですが、それが民の暮らしとどうつながるのでしょうか。この場合はあくまでも鎌倉殿の後継に関する話なのですが。それと
「思い起こせば頼朝は、上洛時にもっと立派な贈収賄をしていたものです」
なぜ現代と比較するようなことを書くのでしょうね。それがその当時は、必要だったからだとは考えないのでしょうか。それに高度な会話と言うよりは、腹の探り合いといった雰囲気もあり、それもこのシーンは舞台向きかなと思われた所以です。

あと「民」を考えるというのは、『西郷どん』などでも採り上げられていましたが、嫌いな大河のせいか、こちらの方は全くと言っていいほど話題にしませんね。

頼仁親王が鎌倉殿になれば、兼子のことを鎌倉を上げて大事な方であると思うと。
「あら」と心を動かされる兼子。
この聡明な女性も、権力には甘かった。

「権力には甘かった」
とありますが、この場合兼子は卿二位で、政子はまだ従三位を賜っておらず、明らかに彼女より上のはずです。それに当時の「権力」はどう見ても朝廷の方ではないでしょうか。

現代ですとサッカーのリフティング、それを進化させた「フリースタイルフットボール」にかなり近いんではないでしょうか(むろん現代のほうが技ははるかに進歩していますが……)。

蹴鞠のことですが、リフティングもさることながら、私としてはラグビー代表の山沢拓也選手が、オールブラックス戦で見せたボールのドリブル、あれを思い出します。昔は、ラグビーボールのドリブルも結構見られたようです。

そして後鳥羽院を親しげにバシッと小突く時房。あーっ、いけません!

小突くのではなく、肩を平手で軽く叩いだように見えますが…。無論上皇の体に手を触れるのはあるまじきことでした。

トキューサで笑ってごまかされそうだけれども、後鳥羽院が敗北する理由がわかりました。
このトキューサが泰時ともども都に乗り込むと思うと皮肉なんですよね。
何が駄目か?
・感情由来で物事を決める
→後鳥羽院が上機嫌になったのは、自分の権力にトキューサが平伏したということにスッキリしたからに思えます。戦というのはそんな感情ではなく、利害を考えて起こさなければ危険。
・ワンマンでやる
→そういう感情的な人物を止める人が周囲にいればいい。しかし、なまじ才知溢れる後鳥羽院は自分一人で決めてしまう。蹴鞠ですら一番出ないと気が済まないという感情由来で戦おうとしても、誰も止めない。
・「東夷(あずまえびす)」
→ハッキリと言ってしまいましたね、「夷」と。
このドラマは北条宗時が序盤に「坂東武者の世を作る」宣言をして以来、個人的にはずっと脳内に「華夷」という言葉がよぎってなりません。

ここがよくわからないのですが。
「後鳥羽院が上機嫌になったのは、自分の権力にトキューサが平伏したということにスッキリしたからに思えます」
それが原因で上皇は承久の乱を起こしたのですか?発想が飛躍し過ぎでは。
そしてワンマンも何も、この後朝廷を巡る不穏な動きが続き、その結果上皇の院宣が発せられたわけで、しかも討つべき相手は時房でなく義時です。それと「東夷」もこの当時はそう珍しくなかったでしょう。現に鎌倉ではまだ血生臭い事件が起こっていたわけです。私としては、「いずれまた勝負しようぞ」の言葉が意味深だとは思いましたが。

何よりも武者さん、このようなことを言いながら、幕末大河の西国諸藩の武士を、薩長出身という理由で叩いているのですが、それはどうなのでしょう。

日本だけのことでもなく、中国大陸でも同じで、南宋が滅び、元が成立して華夷秩序が逆転します。
そうして逆転した「夷」同士、元と鎌倉幕府がぶつかり合う。そういう流れが興味深い。
後鳥羽院が時房を「東夷」と呼んだことで、そんな流れがますます加速したように思えました。

元の行政や経済のシステムは、南宋のをそのまま受け継いでいるのですけどね。

現代人は、仏像に似ていると言われても嬉しくないかもしれませんが、昔は仏像に権力者の顔が反映されたと言います。
武則天は龍門石窟の盧舎那仏を、自分の顔に似せたそうですよ。

なぜかここでまた武則天。政子はそこまでの権力者ではありませんが。

かくして大河では珍しい女性同士の飲酒が始まるようです。飲む場面までは入りませんが。

『風林火山』での三条夫人と由布姫の会見では、実際に酒(正しくは甘酒)が出て来ていますね。個人的には今回の政子と兼子よりも、この2人の会見の方が、もっと駆け引きめいたものを感じて怖かったです。

時代を超えた普遍的な美貌で、ただ美しいのではなく、豊かさをもたらすように思えます。古今東西女神像にありそうなお顔立ちなんですよね。
そりゃ大江広元も酔いしれますよ。風格が違う。

ここでまた政子上げですね。最終回まで続くのでしょう。別に小池栄子さんが悪いとは言いませんが。

実朝はこうなったら太郎泰時にも官位が欲しいと言い出します。
菅原道真と同じ讃岐守はどうか?
仲章がそう提案すると、泰時は畏れ多いと答え、義時も国司は早いと牽制しています。
それでもなって欲しいと実朝。上皇様ならば聞いてくれる、自分が頼めば必ずだと仲章は意気揚々です。
はぁ……なんだこの実朝は。もしも和田義盛の亡霊がいたら「ウリン、それはねえぜ!」とでも地団駄を踏みそうな流れだ。
実績でなくて上皇との距離感で官位やら国司がもらえるというのは、明らかにおかしいでしょうよ。危ういですってば。

なぜここで和田義盛?それはそうと、実朝は元々朝廷寄りなところはありますし、政子も兼子の覚えがめでたくて従三位を贈られていますが。平清盛などは妻時子の妹滋子(建春門院)が後白河上皇のお気に入りで、上皇との太いパイプができたこともあって昇進を続けているわけですし。

若い頃からイケメンと言われ尽くしで、もう飽きましたもんね。こんなトリカブトの妖精みたいな役をできて素晴らしいことじゃないですか。

トリカブトの妖精とは何ぞやと検索したら、それらしきイラストがありました。しかし女性に言うならまだしも、この場合はやはり普通に奸臣とか、あるいは偽善者と呼ぶべきではないかと…(生田さんに悪意はありません)。

今回は突っ込みたくなる箇所が多いので、もう1度このコラムについて書きたいと思います。


飲み物-マグとビール

[ 2022/11/18 07:00 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』第41回「義盛、お前に罪はない」あらすじと感想-1

第41回前半部分です。

和田館。実朝に戦は起こさぬと約束していた義盛は、息子たちが大江広元の館へ向かったことを知って驚く。しかし朝比奈義秀は、寧ろ相手は安心しており好都合、勝機はこちらにあると意気軒高だった。義時を騙したことになると義盛は言うが、今倒しておくべき、既に屋は放たれたと周囲が騒ぎ立て、ついに義盛は立ち上がってこう明言する。

「我らの敵はあくまでも北条。この戦、鎌倉殿に弓引くものではない。それだけは肝に銘じておいてくれ!」
「鎌倉殿に指一本でも触れたら、ただじゃおかねえぞ!」

双六に興じる義時の前にトウがやって来てこう伝える。
「和田の館から軍勢が東へ向かいました」
盤上の駒を薙ぎ払う義時。

義盛は三浦義村に、お前と義時は幼い頃からの友、向こうに付きたいのなら構わない、ここぞという時に寝返られたらたまったもんじゃないと言う。さらに通じてるんだろと言う義盛に、なぜ斬らぬと義村。俺たちだっていとこ同士じゃねえかと義盛は答え、その代わり戦場では容赦なしだと言う。義村は弟胤義ら仲間に、北条につく旨を伝える。

長沼宗政は起請文はどうすると尋ねる。そして八田知家の提案で、一同は水を無理やり飲んで胃の中の物を吐き出す。義村は義時の館に向かい、和田勢が大江館、義時の館そして御所を狙う手筈になっていると教える。ここにもかと言う義時に、向こうの狙いはお前だと義村。義村は信じるか否かは勝手だが、俺を信じなければお前は間違いなく死ぬと警告する。

義時は義村に南門、時房に北門を固めさせる。西門の指揮官は泰時だった。そして義時は、実朝を八幡宮の別当房へ移す予定でいた。鎌倉の行く末は、この一戦にかかっていた。また義時はのえと子(後の政村)に、実朝たちと八幡宮に逃れるか二階堂の館で匿って貰うを決めさせる。のえは離れたくないと言うが、義時は敵の目当ては実朝で、かなり危険だが構わぬかと問う。結局のえは二階堂に戻る。

また和田館では巴が、まだ役に立てると義盛に直訴するが、巴御前が戦場に立てば、手柄を立てようと躍起になった奴らに囲まれてしまうと義盛は言う。戦で死ねば本望と言う巴に、俺が死んだ時に言えと義盛。俺は生きて帰る、その時にお前がいないと困ってしまうと言う義盛に笑顔を見せる巴。そして義盛は兵たちに向かってこうい言い放つ。
「目指すは将軍御所!奸賊北条義時に鎌倉殿を奪われてはならん!」

その頃御所では義時と知家が何やら話していた。実朝の姿が見えないのである。廊下に出た義時の前に、何とか館を抜け出した大江広元が現れる。頼朝以来の文書や記録を、政所から八幡宮へ移すつもりだった。しかし実衣は御所を出るのをいやがり、政子は、和田を追い込んだのはあなただと義時を責める。その時知家がやって来る。実朝の居場所がわかったのである。実朝は御所の一室に千世、三善康信そして阿野時元と実を潜めていた。

戦にはならぬはずではなかったのかと実朝。義盛に謀られたと義時は言い、一同は八幡宮へ移る。一方泰時は酒のせいで昼間から寝ており、太郎起きてと初に起こされ、和田が御所を襲うことを知らされる。西門を守るはずであるのに泰時は我関せずで、水を飲んてまた寝てしまう。朝時は呆れるが、盛綱は泰時は酔いが早いと答える。真面目一徹の兄上に、こんな面があるとはと朝時。

私にだって悩みはある、なぜ私に指揮をと愚痴る泰時に、信じているからに決まっていると朝時。さらに朝時は期待されて生きるのがそんなにつらいのか、期待されずに生きているやつだっている、そいつの悲しみなんて考えたことねえだろと泰時を怒鳴りつける。そこへ初が桶を持って現れ、桶一杯の水を泰時に浴びせる。

実朝たちは八幡宮へ逃れるが、実衣は「今度こそ、死ぬ!」と声を張り上げる。やがて和田勢が南門から入り、義村は「和田義盛、謀反」と叫び、義盛は鎌倉殿をお救いしろと言い、両者が相討つ。盛綱は敵の来襲を泰時に知らせる。泰時は、実朝が八幡宮に移ったことは伏せていた。戦は延々深夜まで続き、八幡宮からそれを見ていた実衣は、御所に火の手が上がったと知らせ、燃え尽きてしまうのと尋ねる。戦だからなと義時。

千世に、ここにいたら大丈夫ですと康信は励ますが、政子は義時に、結局はあなたの思い通りになったとささやく。戦は大義名分のある方が勝ちと言う義時に、勝てるのかと実衣は尋ねる。しかしこれによって、和田についていた御家人は離れて行った。そこへトウがやって来て、義時は席を外す。すると実朝が、忘れ物をしたと言う。鎌倉殿の証しのドクロを忘れたのである。あれはもういいと政子は言うが、すべてはあれから始まったと実朝は気にしていた。

するとそこへ書類を持って来た広元が現れ、その役目を自分が請け負うと言う。このこと生涯忘れませぬと、広元の手を取る政子。広元は御所の中で敵を斬り防ぎ、ドクロを手にして身を隠す。義盛は手勢を連れてやってくるが、実朝が見当たらないことから退却する、泰時は畠山の時もそうだったが、なぜ御家人同士で戦わねばならぬとまた酒をあおる。これで最後になると時は言う。

盛綱は、太郎の勇猛果敢な戦いぶりを見たか、この人は酒が入った方がいいのかもしれないと朝時に言うが、わずかな酒量で酔って座り込む泰時を見て、弱すぎるだろうと朝時。

夜が明けた。御所の実朝と千世、康信そして北条家の人々は、部屋の中央に置かれたドクロを観ていた。いっぽう和田勢は由比ヶ浜まで退却し、そこで態勢を立て直す。


サブタイが何やら昔の時代劇のそれを思わせます。義盛の息子たちが大江館に向かい、戦わざるを得なくなった義盛は、北条は討つが鎌倉殿は助けるようにと兵に命じます。この鎌倉殿、つまり実朝の扱われ方を見ると、幕末大河の朝敵認定とやはりダブるものがあります。この点に於いて、この時期の鎌倉は未だ乱世と言うべきで、どちらが大義名分があるかが物を言う状況でした。何より、義時自らがそういう状況を作り出していたと言えます。

そして実朝は忘れ物をしたと言います。実際は何か言いかけたものの口をつぐみ、実衣に促されて、やっとそのことを口にしたのですが、政所の書類を持ち込んだ大江広元が、それを取って来ると言い、単身御所へ向かいます。意外と言うか、この人物は灯りもない御所で敵と渡り合い、ドクロを手にして身を隠します。そこへ義盛たちが現れるのですが、義盛はこの期に及んで、実朝が御所にいると思ったのでしょうか。無論泰時がそのように思わせたのでしょうが。

意外と言えば北条朝時。前回、下品で嫌いとのえに言わせたこの人物は、異母兄泰時に対して直言する人物でもありました。しかし泰時が何ともだらしなく描かれています。謹慎が面白くなく、昼間から酔いつぶれている状態で、指揮官を任されても全く気乗りがせず、ついに朝時から一喝され、果ては初から桶一杯の水を浴びせられます。この辺りは三谷さんらしい展開ですね。ところで初は泰時を太郎と呼んでいるのでしょうか。『風林火山』で、結婚後も夫を平蔵と呼んでいたヒサを思い出します。

三浦義村。元々和田合戦で義盛を裏切ったことになっているのですが、こちらでは義盛が認めた裏切りでもした。しかし義時も、義村がどこまで事実を話しているのか疑わし気です。そんな義時に、俺を信じなければ死ぬと言われたことで、義時は決意を固めます。それにしてもトウがやって来たのは、何のためだったのでしょうか。

起請文の件。流石にあれに背くと神罰が下ると言うことで、義村たちは胃の中の物を吐き出すと言う作戦に出ますが、知家もすさまじいことを思いつくものです。無論あの一味神水をなかったことにするには、あれしか方法がないのも確かではありますが。

飲み物-グラスに入った黒ビール
[ 2022/11/01 01:00 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 78その2

『武将ジャパン』、大河コラム後半部分の記述に関する疑問点です。なお当初貼っていなかったリンクを貼り、何か所かを修正しています。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第40回「罠と罠」 - BUSHOO!JAPAN
(武将ジャパン)
https://bushoojapan.com/taiga/kamakura13/2022/10/24/171613


三浦義村と胤義のシーンですが、

1.そういう計算高いところが胤義は嫌なのだろうし、義村はそんな反発にはもう慣れきっていて、意見をぶつけられるのも鬱陶しいのではないでしょうか。
(中略)
なぜ、そんな連中と付き合わねばならんのか、人生とはそんなものか、と、達観しそうな義村は孤独かもしれません。
感情の赴くままに生きるなんて彼にはできないのでしょう。

「義村は孤独かもしれません」とか「感情の赴くままに生きるなんて彼にはできないのでしょう」とありますが、このシーンに何か関係があるのでしょうか。それとその前に、義村は義盛と会って俺たちの鎌倉を作ろうなどと言っており、その直後に「ひげおやじは挙兵する」などと義時に密告しているわけで、その様子を胤義は目にしています。

そして当の義時は泰時と一緒にいました。胤義、泰時はどちらも一本気なところがあり、案の定胤義も泰時も兄や父のやり方に異を唱えている(泰時は政子に直訴している)、この両者の共通点をここでは楽しむべきなのかも知れません。

2.和田を庇うのですが、あの男はそうでなくても周囲には担ぎ上げる人物がいる。そしてまた宗時の言葉を言い訳として持ち出します。
北条が坂東武者の頂点に立つことが目的だ、と。

「宗時の言葉を言い訳として持ち出します」
言い訳も何も、この言葉こそが義時の原動力になったことは間違いないでしょう。北条の世を作るためには、旧知の御家人であろうと犠牲になるべき時は犠牲になって貰う必要があったわけです。

3.さらに、姉上は政治に関わらないで欲しいと続けると、政子もキッパリと「どの口がそんなことを言うのか!」と反論します。
そもそも政に関われと言ったのは義時です。支えると言ったのだから、義時も勝手なことをするな!

この前に政子は「もう十分ではないですか」と言っています。義時にしてみればまだ十分ではないわけで、それが姉弟の考えに齟齬が生じる所以とも言えますし、それとこの場合義盛を庇うことが「政」であったかどうかは、何とも言えないところです。まあ、義時も姉を利用している感はありますが。

そして政子が義村を呼びつけるシーンですが、

4.「どちらに味方するつもりか?」
そう義村に尋ね、小四郎とは固い絆で結ばれている、といった返事を引き出しますが、政子もそう単純ではありません。
「弟と違って私はすぐに人を信じないの」
本音はどこにあるのか。少しずつ義村との距離を詰めようとする政子です。
義時と義村のことを「刎頸の友」と紹介する記述を見かけたりしますが、そんな麗しい仲でもないでしょう。そして政子もそう感じているのでしょう。

政子も義時が和田を滅ぼしたいのはわかっているようで、ならば三浦はどうしたいのかを尋ね、戦を避ける作戦に出たかと思われます。恐らくはこれが本音でしょう。寧ろこれが前提にあるからこそ、義村を義時側に引き寄せることで和田の孤立を図ろうとしたと取れます。しかし義村は、再度同じことを訊かれ、そう言われて向こうと答えるばかはいないと、この人らしい含みを残した答え方をするわけです。

そしてこの部分
「義時と義村のことを「刎頸の友」と紹介する記述を見かけたりしますが、そんな麗しい仲でもないでしょう」
第31回「諦めの悪い男」で、比企能員が追いつめられ、自分に何かあれば三浦も立つと言うシーンで、隣室に控えていた義村が「三浦を見くびるな、北条とは二代にわたって刎頸の交わりよ」と語るところがあるので、それを踏まえているのではないかと思うのですが…。割と最近の回なのですが、もう忘れてしまったのでしょうか。


鎌倉殿の13人義村

5.義村は、前回悔しがっていた様を思い出すと、自分をなるべく高く売りつけたい、値札をつけたい欲求が理解できます。価値があると示したい。
その機会を掴んで安売りしない気概が満ちていた。これぞ山本耕史さんだ

「値札をつけたい欲求」「安売りしない気概が満ちていた」て、要は何を言いたいのでしょうね。自分には価値がある、甘く見て貰っては困る、ここぞとばかりに自分を高く売り込みたいとでも書きたいのでしょうか。そして「これぞ山本耕史さんだ」というのも意味不明。山本さんは俳優さんだから、どんな役でも演じます。何度も出して恐縮ですが、『きのう何食べた?』の、ジルベールに目じりを下げる「大ちゃん」と義村ではまるで別人です。

6.「私は尼御台ですよ」と言われ、思わずウンウンと頷きたくなる、そんな迫力を出し切った。小池栄子さんが鳳凰のようだ。
政子には野心も権力欲もない。ただただ器が大きすぎて相手がひれ伏してしまう。
そういう聡明さや気量、人徳がある人物、そんな尼御台がここにいます。
(中略)
費用対効果もあり、大河はもっとこういう場面づくしでもいい。この技法を突き詰めて欲しい。
そのためには脚本と、演者と、演出の実力が必要ですが、今回は全部揃っていた!

またしても小池栄子さんの政子は素晴らしい!ですね。
小池さんが政子を好演しているのは理解できます。最近メークも老けた感じになり、それなりの貫禄も漂うようになっています。しかしこれはドラマのレビューであり、小池さんを褒めるのであれば、せめて数行程度にとどめてほしいものです。そして最後の行
「そのためには脚本と、演者と、演出の実力が必要ですが、今回は全部揃っていた!」
こんなこと書くと、逆に安っぽいイメージになる気がするのですが。

7.すると朝時が戻ってきていました。なんでも初がこっそり呼び戻したとか。
初は彼女なりにきな臭さを察知し、呼び戻していたようです。本作は女性の知性が出ています。

前にも書きましたが、初が義村の娘だからその辺は抜け目ないのではないでしょうか。好きな作品なら何でもかんでも「女性がよく描かれている」なのですね、わかりやすいというか。あと「女性の知性」て性の字がだぶっていますね、「初が相変わらず冴えている」くらいでいいのでは。泰時はやけ酒をあおっていますが。

8.源実朝が千世を連れて永福寺にいます。
二人きりで花を愛でることができないと詫びる実朝。
歩き巫女のもとへ向かいます。

「二人きりで花を愛でることができないと詫びる実朝」は、そういう身分だから仕方ないわけで、千世もそう言っていますね。あと「歩き巫女のもとへ向かいます」は唐突過ぎないでしょうか。まず実朝が「あれを」と天幕を指さし、さらに、ここに顔なじみが来ているからと引き合わせることにしたわけでしょう。

9.北条家に伝わる一戦一敗の秘策――と、それは女装でした。女性用の衣服に身をまとった和田義盛が御所へ。
いきりたつ義盛に対し、実朝は「死なせたくない」と訴えます。

「女性用の衣服」という表現、どうにかなりませんか。被衣と袿と書いてほしいです。武者さん、直垂のことも単に「服」とだけ書いていますね。

10.義盛の手を取り、いつまでもそばにいて欲しいと伝え、小四郎も鎌倉を思ってのことであり今度は二度と行きすぎた真似はしないよう釘を刺します。
「ウリン!」
「またうまい鹿汁を食べさせてくれ」
そう言われ、号泣する義盛です。

後述しますが、2人の言うなればちょっと特別な関係を、こういう会話で表現しているようにも見えます。しかし義盛は、実朝を「ウリン」呼ばわりするのがやはり様になっていますね。

11.「和田殿が好きなくせに」
「おい!」
「和田殿が嫌いな方なんていませんよ」
鋭い時房、彼は本当に鋭い。
義盛のように愛嬌満点なタイプは好かれるし、時政にも愛嬌があった。そして時房にもありますが、それがない奴もいるわけで……。

この前に時房は、「戦にならずによかったです」と言っていますが、義時としてはいずれ和田とは戦になると思っていたでしょうし、それゆえちょっと浮かない表情をしているように見えます。そして時房が
「あのお人を嫌いな人なんていませんよ」
と言うシーン、ここで時房は真顔になっており、兄を牽制しているように見えます。それを考えると、単に戦にならずによかったからとか、義盛は皆から好かれるといった次元だけの会話ではなさそうに思えるのですが。

それと義盛にしても時政にしても、昔ながらの坂東武者ゆえ、ちょっと「抜けた」部分もあり、それが彼らの愛すべき点でもあったわけですが、しかしそれだからこそと言うべきでしょうか、彼らに政権運営や秩序の確立はできませんでした。

その後ですが、「今年の大河は地域を振興させている」なる見出しがあり、ニュース記事(リンクは貼りません)が紹介されています。記事の見出しは以下の通りです。

◆<鎌倉殿の13人>「木曽義仲挙兵武者行列」に青木崇高、木村昴、町田悠宇ら参戦 前回の10倍の人出 口上に観衆鳥肌(→link)
青木崇高さんの木曽義仲。
額に矢を受けて死ぬというショッキングな最期でしたが、おおらかで素朴なキャラクターの義仲は非常に魅力的でした。
コロナ禍の影響があったとはいえ、前回比で10倍もの参加者を集めたのは素晴らしいですね。
近所であれば行きたかった……。

とあるのですが、どんな大河も地元ではやはり盛り上がります。
それを言うなら『風林火山』で上杉謙信を演じたGacktさんも、地元の祭りに引っ張りだこでしたし、『真田丸』の上田市の武者行列しかりでしょう。

あと実朝の描写に関してなのでしょう。
「しかし、時代は変わりました。
そもそも大河での同性愛描写は腐女子を自称する皆様が楽しむためのコンテンツではないでしょう。
ブロマンスやBLが売りのドラマは他にいくらでもあります」
とありますが、大河の描写をどう楽しむかは、その人次第だと思うのですが。

時代は変わった。それは2012年『平清盛』との比較でわかります。
『草燃える』やこの作品での藤原頼長を挙げ、同性愛描写なんて昔からあったとする意見もありました。
同性愛を扱ったかどうかではなく、描き方とその受け止め方が変わった――そこが大事ではありませんか。

『草燃える』は『鎌倉殿』とほぼ同じ時代設定で、藤原頼長は出て来ません。

『平清盛』の感想や反応記事を読んでいると、結構な割合で同性愛をネタにして笑いを取りに行くものが見掛けられます。
この時代は、同性愛で笑いを取りに行くネタが鉄板。
(中略)
改めて考えてみると、著作権違反と同性愛差別を共有し笑いにするという、あまりに酷い話です。
オンラインやんちゃ自慢の類に思えます。
そんな癖はもう必要ない。私はそう思います。
前回の実朝描写に関する意見交換でも、差別用語を用いながらのものがしばしば見られました。
そういうことはもう終わりにしてよいはず。
見る側の意識も変えることが大切ではないでしょうか。

武者さんは嫌いであっても、ネット上には様々な意見があり、こういう風潮を好む人もいるわけですし、それを武者さん一人で終わりにしようというのもどうかと思います。嫌いならば、距離を置けばいいのではないでしょうか。そういう人たちから迷惑行為を受けているのであればまた別ですが。そして具体的に「差別用語」とは何なのでしょうね。
どうも『平清盛』への嫌悪感(と言うか、恐らくは藤本有紀氏が『カムカムエヴリバディ』を書いたことも関係している)と、藤原頼長の男色への反応とがごっちゃになっているように見えます。

あと頼長は、自身の日記である『台記』で男色について触れていますし、その相手の中には藤原氏のそうそうたる人物もいました。

今回の実朝描写が秀逸だったのは、あくまで「多様性の尊重として丁寧に描かれたからではないか?」と思います。
イロモノ扱いでもない。
サービスでもない。
ただ、人が人を愛することを丁寧に描いた。
だからこそ斬新なのです。

「多様性の尊重」云々と言うより、実朝に跡継ぎができなかったのは、こういう事情もあったからと言うのを、前述したように会話で表現したと言うのが正しいのではないでしょうか。特に斬新と言えるかどうかはわかりません。ただ武者さんが「多様性」に結びつけたがっているのは確かなようです。

あと今回はまた、武者さん自身の自己主張ともでも言うべき記述が多いのですが、それはまた機会があれば書こうと思います。


飲み物-テーブル上のマグのビール
[ 2022/10/28 01:00 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』第40回「罠と罠」あらすじと感想-2

第40回後半部分です。ところで25日にこの大河がクランクアップを迎えています。


泰時は、自分は誰とも敵対関係にならず、皆で安寧の世を築いてみせると言う。口で言うのはたやすいと義時。そして尚も父上は間違っていると言う息子に、義時は謹慎を申し付ける。そこへ義村が弟胤義人とやって来てこう言う。
「もう一押しだ。ひげおやじは間違いなく挙兵するぞ」

胤義は義村に義時の味方と言いつつ、和田につこうとしていると指摘し、大人になったなと義村に言われる。その義村はそうやって俺は生きて来た、上総、梶原、比企、畠山幾人が死んだ、三浦はまだ生き残っている、そういうことだと去って行く義村。一方泰時は政子に、義盛がこのまま行けば必ず兵を挙げる、父がそれを機に和田を滅ぼすつもりだから父を戒めてほしい、それができるのは尼御台だけと直訴する。しかし泰時の背後には義時が立っており、一喝する。
「謹慎しろと命じたはずだ」

政子は和田殿は武芸には優れていても利にさとくなく、北条の敵になるような野心はないと言うが、周りが担ぎ上げると義時。そしてこうも言う。
「申し上げたではないですか、兄上の望まれた世が目の前まで来ている、坂東武者のてっぺんに北条が立つ日が」
政子はもう十分だと言うが、姉上は関わらないでいただきたいと義時。政子は、政に関われと言ったのはあなただ、私を支える立場ではなかったのか、一人で勝手なことをしないと叱責とも取れる言葉をぶつける。

義時は言う。
「姉上に叱られたのはいつ以来でしょう」
政子も自らの非を認め、義時は承知した、尼御台の仰せだから和田殿をこれ以上けしかけないと答える。もう誰も死なせたくないと言う政子に、それは私も同じですと義時も答える。しかし義時は広元に、尼御台にはいずれわかってもらうと言い、また、和田を焚き付けるいい方法を思いついたようだった。

一方政子は義村に、義時は和田殿を滅ぼすつもりでいると話す。尼御台のお考えはと訊かれ、悔しいがいまやあの人を止めることは誰にもできないと言い、義村も同意する。戦になった場合は三浦は北条につくことになり、和田は孤立することになるため、戦を諦めるだろうと政子は考え、その見返りに義時の許可なく義村を宿老にする。そして泰時は謹慎になったことを初に伝えるが、そこへ義時に追い出された朝時が現れる。鎌倉がきな臭いこともあり、初が呼び戻したのだった。父上も子供に手を焼くお方だと泰時は言い、酒をあおる。

実朝と千世はアジサイを楽しむ。本当は2人きりになりたいが、立場上そうもいかなかった。そして実朝は片隅の天幕を指さし、顔なじみが来ていると言う。例の歩き巫女だった。しかし彼女が実朝の袖に振れたため、時元が戒めようとして鎌倉殿と口にしてしまう。実朝は御台所だと千世を紹介し、千世におばばは人の目に見えない物が見えると言う。おばばは仲はよく相手を敬っているが寂しい、幸せが3で寂しさが7だが、寂しさが10よりはいい、肘が顎につくかねと言い、千世は袖を顔に充てようとするが実朝が止める。

おばばは大戦が始まって鎌倉が火の海になり、たくさんの血が流れ、みんな死に、由比ヶ浜に髭面の首が並ぶと予言する。そこへ盛綱が来て、急ぎ御所へ戻るようにと言う。義時は胤長の屋敷を没収し、本来の慣例である同族への引き渡しも行われなかった。そんなことをすれば義盛が怒るに決まっていると実朝は言うが、義時は寧ろそれが狙いであった。戦には大義名分が必要だったからである。向こうが挙兵すればすなわち謀反となり、鎮圧軍を出すことができるのである。

実朝は止めようとするが、義時は以後出歩かぬように言って去り、和田が兵を集めているから、兵の支度をと時房に命じる義時。実朝は政子に義盛を死なせたくないと訴える。政子は三浦がこちらに付くから戦にならないと言うものの、実朝は、義盛は一人になっても戦う男であると言い、本人に挑発に乗らぬよう伝えようとする。しかしここに呼べば捕らえられてしまうため、政子は秘策を使う。

その秘策とは女装だった。やがて被衣をかぶった大柄な「女」が御所にやって来て、実朝に、ここまでコケにされては武士の名折れで、後には引けないと言う。お前を死なせたくないと言う実朝に、自分は死なないと義盛、歩き巫女がそう言ったのだと実朝は言うが、義盛によれば、おばばは近頃死ぬとしか言わなくなっていた。実朝は義盛の手を取り、いつまでもそばにいてくれと言う。

小四郎も鎌倉を思ってのこと、二度と行き過ぎた真似をせぬよう自分が目を光らせると実朝は言い、義盛は久々に実朝をウリンと呼ぶ、実朝はまたうまい鹿汁を食べさせてくれと言う。実朝は和田義盛は鎌倉一の忠臣であることはわかっていると言い、やがて義時も呼ばれる。実朝は2人の前で、北条と和田が手を取り合ってこその鎌倉と言い、自分に免じて此度は矛を収めて貰えないかと言う。義時は、和田殿は歴戦の強者、戦わずにすめばこれ以上のことはないと言い、実朝は義盛にこれからも御家人たちの要として力を貸すように求める。

久々に会えたから双六でもどうだと言われ、乗り気になる義盛。立ち上がろうとする義時に、政子は残るように言う。これで和田殿が挙兵することはなくなったが、わかっている、貴方は和田を滅ぼしてしまいたいと言い、鎌倉のためと答える義時に、聞き飽きたと政子。戦をせずに鎌倉を栄えさせてみよと政子は言うが、姉上は甘過ぎると義時。しかし政子は、こんなやり方でなくてもまとめて行けるはずと譲らず、その後廊下に出た義時に義盛が話しかける。
「考えてみれば、皆死んじまったな、昔からいるのは俺と平六くらいだ」

時の流れを感じると答える義時。今の鎌倉殿は賢いし、度胸もあるし、何よりここが温かいと胸の辺りを指す義盛。ようやく俺たちは望みの鎌倉殿を手に入れたのかも知れない、政はお前に任せる、力がいる時は俺に言え、これからも支え合って行こうぜと義盛は言うが、義時はどこか他人行儀だった。義盛はウリンが待ってる、行って来るとその場を後にし、義時は浮かない表情をする。

和田館では、義盛が北条に嵌められたと思った息子たちが、戦支度を始めており、ものものしい雰囲気だった。そこには義村と胤義、そして知家と宗政の姿もあった。義村はこの乱は失敗すると至って冷静に言う。なぜかと理由を訊かれて義村はこう答える。
「俺が向こうにつくからだ、挙兵したら寝返ることになっている」
「この先も鎌倉で生きていたいなら和田には手を貸すな」
そんなことは知る由もない義盛の息子たちは、義村や知家に声をかけ、これより手筈通り大江の館を襲っておとりとすると指示を出す。

義村も、共に北条を倒そうぞと声を上げるが、その前に巴は起請文を書かせようとする。義村は、信じて貰えないのなら手を引くと言うが、和田勢が太刀を一斉に抜いたのを見て口を開く、
「いいだろう、書こう」
その後義村はしたためた起請文を灰にし、巴が酒を注いだものを飲む。知家も同様だった。寝返る手はなくなったと言い、義村は「小四郎、すまん」と言って他の者と出て行く。

時房は義時に、戦にならずによかったというが、和田を滅ぼす口実を失ったのは事実だった。時房は和田殿が好きなくせに、あのお方を嫌いな人なんていませんよと言い、御所の守りを解かせると言って出て行く。その後義時はトウを呼び、和田の館にいる義村に引き揚げるように伝えよと命じる。建暦3(1213)年5月2日、和田合戦勃発。しかし義時は双六に興じる。


いよいよ和田合戦の勃発です。元々胤長が処刑されたのが一因とされていますが、ここでは出てこなかったようです。無論義時は胤長の屋敷を没収するという強硬な手段に出て、義盛を焚き付けようとしたのですが、その目論見はうまく行きませんでした。しかし義時は、和田を生かしておくと泰時の時代が危うくなる、つまり鎌倉殿の時代は終わり、得宗の時代となることは必然と思っていました。政子に
「坂東武者のてっぺんに北条が立つ日が目前」
と言ったのも、それを考えれば当然と言えるほどです。

その政子、「弟と違って私はすぐに人を信じない」と言っていますが、これは寧ろ逆かと思われます。結局彼女は、戦を避けるため北条につくのを前提に、義村を宿老にしてしまうことになります。無論その前に、彼女は再三どちらにつくのかを尋ねているわけで、2度目に聞かれた時の義村のセリフが
「そう言われて向こうと答えるバカはいない」
と、如何にもこの人らしくはあります。

それでも和田潰しを目論む義時ですが、実朝と政子が間に入ったことで、ことがうまく運ばず、かと言って元の状態に戻れるわけでもなく、何ともぎくしゃくした雰囲気ではあります。実朝が義盛を忠臣と呼び、彼に全幅の信頼を寄せるシーンは、単なる主従を超えたものが感じられます。多少話が逸れますが、男性同士の恋愛に於いては、所謂ガタイのいい人物が好まれると言われています。『きのう何食べた?』もそうでしたがそれを言えば、義盛などはかなりもてるタイプのようにも見えます。尚『きのう何食べた?』の方は「三浦義村」、つまり山本耕史さん演じる小日向大策が、主人公の1人史朗の理想のタイプでしたが。

一方で歩き巫女がまた登場します。しかし彼女は和田館から永福寺に居場所を移しており、実朝はそれを知っていて出かけえたようです。この時おばばはまた何やら意味ありげなことを言います。パペットホームズにも似たような表現が出て来たようにも感じられますが、それはさておくとして。一方で鎌倉が火の海になると言うのは、もう少し含みを持たせた言い方でもよかったかと思います。

そして義村。起請文を灰にして酒や水に溶かして飲むのは、所謂「一味神水」ですね。『風林火山』の甲相駿三国同盟にもこれが出て来ました。約束を破ると神罰を受けることになると言われていますが、さて義村はどのような行動に出るでしょうか。それはそうと、トウは義村のものになったはずなのに、まだ義時の命令に従って動いているようです。


飲み物-ホットラム
[ 2022/10/26 01:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

TopNTagCloud