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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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『黄金の日日』美緒の外科手術とその後の蘭方医学

『黄金の日日』関連です。

前回は本能寺の変に関するシーンが中心でしたが、その前の「プエルト・デル・ハポン」では、助左が美緒を連れて呂宋に行きます。助左に取っては5年ぶり、そして美緒に取っては初めての呂宋でした。しかしこの地では、現地の人々がイスパニア軍と戦っており、美緒は負傷者の治療をすることになります。この辺はいくら何でも創作と思われますが、ともかくキリシタンである彼女は、宣教師から習ったと言って、傷口から弾丸を取り出す手術を行います。

無論この当時麻酔はなく、消毒(という概念が、そもそもなかったかと思いますが)も焼酎のみでした。戦国物だからこそ可能な創作であり、流石に同じ商人を描いた『青天を衝け』では、こういう描写は無理でしょう。この辺りが戦国物と近代物の、そもそもの構成の違いとも言えます。しかしこの手術、『炎の英雄シャープ』で、弾丸を受けて重傷となったシャープの手術を思わせるものがあります。

さらにオリキャラの女性がこういう手術をする辺り、『麒麟がくる』の駒(と東庵)を思わせます。無論描写としては、『黄金の日日』の方が優れているとは思います。駒ちゃんの場合は医者の弟子とは言え、あまりに無双過ぎでしょう。昨年放送された、薬剤師が主人公の『アンサング・シンデレラ』がちょっとダブります。また宣教師直伝ということですが、実際その後日本の外科手術は、蘭方のカスパル流が基本となって行きます。

江戸時代、外科と眼科は蘭方の領域とされていましたが、後年蘭方が禁じられた時期でさえも、この2つは蘭方によって続けられていました。無論その他、たとえば内科などは漢方のみとされており、当時のこういう状況は、『陽だまりの樹』の中に描かれています。この時主人公の手塚良仙は、遊女の十三奴(とみやっこ)が虫垂炎で発熱したのを見るに見かね、薬を処方するのですが、このことが漢方医をひどく怒らせてしまいます。

閑話休題。無論5年の間には変化もありました。かつて杉谷善住坊に思いを寄せ、結婚したがっていたノーラは、善住坊、彼女の言う「ゼンジ」が亡くなったことを聞かされて悲しみます。また助左は、その後美緒を呂宋に残して日本に戻りますが、戻ったのがちょうど本能寺の変の頃であり、彼もまた、この歴史上の大事件と関わりを持つに至るわけです。

飲み物-ランプと水とウイスキー
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[ 2021/10/09 00:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

コロリ騒動で思い出す作品と言えば

先日の大河関連投稿で、コロリ(コレラ)絡みで『陽だまりの樹』と『JINー仁ー』についても書いています。この2つの作品は時代背景が似通っていますし、当然ながらこのコロリ騒動にも巻き込まれる設定になっています。後者の場合は、仁先生が現代の医学知識を持ったままタイムスリップしているため、経口補水液や点滴など、治療方法は当時では考えもつかない画期的なもので、それで多くの人々が助かるわけですが、元々この病気は、インドのガンジス川流域の風土病でした。しかし19世紀になると、原因菌が人間にくっついてヨーロッパに入り、大流行を引き起こすに至ります。

さらに中国、ひいては日本でも多くの感染者を出すわけですが、このコロリ騒動で思い出す作品がもう一つあります。司馬遼太郎氏の『胡蝶の夢』です。主人公の一人松本良順が、夏場に患家から届けられた煮凝り状の料理を口にして、その数時間後に激しい下痢で消耗してしまい、師でもあるポンぺの診察を受けることになります。この当時の、つまり仁先生がいない前提での治療方法としては、キニーネが最も有効であるとされ、そのためキニーネが払底したとも言われています。ちなみにこの当時は、コレラ菌がまだ発見されておらず、コッホがこの菌を発見するのは1883年、明治16年のことでした。

コレラ菌以外にも食中毒を引き起こす菌として、腸炎ビブリオ、赤痢菌、サルモネラ属菌や腸管出血性大腸菌など、様々な菌があります。(コレラ菌や赤痢菌なども、今は食中毒病因物質となっています)少々ネタバレになりますが、これも先日投稿した『はたらく細胞フレンド』で、M細胞が店主を務める「バル・パイエル」に、こういった菌がやって来て暴れまわります。中でも赤痢菌は白血球の貪食を回避することができるという、厄介な一面を持っており、この中でも白血球があっけなく倒されてしまいます。尤も今ではこれらの菌による発症は減少しており、代わりにノロウイルスなどが主流になっています。

飲み物-コーヒーとチョコレート

[ 2021/04/27 00:45 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『青天を衝け』第10回までを観て思ったこと 続き

先日の続きになります。
一応第10回(25日放送分は省く)まで観たうえで、今度は栄一自身に関することですが、この当時百姓である彼が、身分制度を否定したり、幕府に責任があると断言したりしていますが、あそこまで強く踏み込めたのでしょうか。
この人物にさほど詳しくないせいもありますが、当時幕府、つまり御公儀の存在はやはり大きく、まず施政者が変わるべきではないか位には考えはしたかも知れませんが。尚この施政者とは将軍ではなく、老中のことです。

あとこれも前に書きましたが、尊王攘夷を唱える志士たちが目の敵にする異人とコロリ(コレラ)について。彼らが異人の存在についてあれこれ言う割には、異人さんたちの姿が出て来るシーンは限られますし、コロリも社会に影響を与えるほどの存在感を示せていません。無論今のご時世、疫病が蔓延して人々が亡くなるというのは、なまじ現実で似たような状況になっているため、描きにくくもあるでしょう。
しかしならば志士たちに声高に叫ばせるより、たとえば
「コロリなる異国からの病が流行っていて、それが攘夷派に取って火に油を注ぐ結果になっている」
などというセリフを挟む程度でもよかったかと思います。
また医学に関して言えば、尊王攘夷もこの頃大きな課題となっていたでしょう。これは『陽だまりの樹』で出て来ましたし、『JIN-仁-』のペニシリン製造所も、元々は種痘のための物でしたね。

しかしやはり、市郎右衛門と尾高惇忠の存在は重みがあります。大河の場合は成長物語でもあるので、主人公がまだ若く、とかく方向性が定まらない中、その人物を指南する存在はどうしても必要です。
女性主人公大河に違和感を覚えるのは、ヒロインがとかく自分中心に走りがちで、直言する存在がいない、あるいは影が薄いせいもあると思いますが、『八重の桜』の山本家は、その点は寧ろ例外的だったと思います。


飲み物-スノーアンドテル

[ 2021/04/26 00:15 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

個人的雑考-2

先日投稿分の続きになります。実写ドラマに比べるとアニメは、それそのものが異次元世界であり、そこまで現実もしくは史実にうるさくないと書いていますが、無論作品にもよります。たとえば歴史上のある時代を描いた作品であれば、そのようなわけにも行かないでしょう。ただ私としては、アニメや漫画であれば、多少考証が緩くても特に気にならないのですが、実写は、どうしても自分が経験する日常と比較してしまいがちで、それだけ単なるフィクションと捉えにくいせいもあります。

大河ドラマももちろん実写です。ただこの場合、時代背景は数百年前、場合によっては千年近く前であったりするため、今現在の日常とは当然比較になりません。というか寧ろその逆で、数百年も前の時代設定であるにも関わらず、あまり現代的な描き方をされると、批判されがちになります。如何に今の時代と違うかというのを、やはり視聴者は求めているわけです。そもそも史実を織り込むのが前提のはずですから、どうしても史実を云々されるのはやむを得ないことであると言えます。

ただし大河の創作部分でも、極端に本筋からかけ離れていなければ、それはそれで納得できるのです。結局のところ本筋がしっかりしていて、主人公の存在がきちんと示されていて、しかもオリキャラが必要以上に出て来ないとなれば、受け入れられるということになるのでしょうか。ただしこういうのは主観的なものであり、もちろんその基準は視聴者によって異なります。だからこそ、制作側のはっきりした姿勢が求められてくるわけです。

その大河に関して思うことがあります。
大河のアニメ化
漫画を原作とした大河
は可能かということです。アニメに関して言えば、以前NHKは、ポワロとミス・マープルを主人公にした
『アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル』
をアニメ劇場枠で放送していましたが、こういう作品を参考にして制作するという方法もあります。その一方で、漫画を原作にした大河ですが、恐らく一部の、特に高齢の視聴者からは反発される可能性もあります。無論今の時代、漫画原作の時代劇は『JIN-仁-』をはじめ数多く存在しますし、NHKが制作した『風雲児たち』や『陽だまりの樹』も漫画が原作なのですが、大河だとやはり事情が違うとなるのでしょうか。

ところで『武将ジャパン』で大河を云々するのであれば、こういった提案もあっていいかと思うのですが、生憎私の知る限り、それはなかったようです。元々このコラムは、幕末大河で幕府寄りを善とし、薩長を悪とみなしがちな上に、筆者が昔の作品を観ないと明言していて、これでは作品をフェアに見られるわけもなく、また過去の大河と比較して考察できるわけもありません。こういうのは、それこそ個人ブログでやってほしいものですし、実際個人ブログで、武者さんよりもきちんとしたレビューを目にしたこともあります。私のような個人ブログと違い、多くの人に見られるコラムであれば、まず建設的な見方と客観的な文章を心掛けていただきたいものです。

あと原作に関して、これはまた別のとあるブログで、今は小説やコミックの原作が多いといった記述を目にしたことがあります。しかし昔の大河は殆ど小説が原作です。また漫画が原作の作品というのも、80年代には存在していたはずです。脚本家がオリジナルの脚本を書かないという意味なのでしょうが、別に私はそれがどのような形であれ、ドラマとして楽しめたらそれで満足ですし、正直言って特定の脚本家を応援しているわけでもありません-ただ三谷さんの脚本は、今度はどのような形に持って行くのかという興味は湧きますが。ところで脚本を評価する際に、伏線とその回収に言及する人は多いかと思いますが、私の場合、それのみに関心を寄せることはまずありません。
(この項続く)

飲み物-温かいカフェオレ
[ 2021/01/09 00:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

フィクションの中の非現実 番外編(漫画に期待される超展開と実写化について)

まず先日の投稿のうち、「『国盗り物語』に見る明智光秀」の投稿で、恥ずかしながら「京」を「今日」と変換していたので直しています。また飛鳥幸子さんのバレエ漫画関連ツイに関しても、多少わかりづらい所があったので修正しています。

ところでそのバレエ漫画の超展開ですが、そもそも漫画やアニメとは、何らかの形で超展開が見られるものですし、寧ろ読者はそれを期待されていると言ってもいいでしょう。そのため「非現実」と呼ぶのは適切でないかも知れず、従って番外としています。実写版だと違和感を覚える描写でも、漫画やアニメだとごく自然に受け入れられるということもあります。最近は漫画を原作とした実写版も多く、それに関しては特に異は唱えません。

ただ如何せん、漫画の超展開は実写版に落とし込みづらいことも多く、それがしばしば評価の分かれ道となることがあります。私もそこまで漫画ベースの実写版を観ているわけではありませんが、この場合漫画は漫画、実写版は実写版と割り切って観ることも可能でしょう。無論、しばしば引き合いに出していますが、『きのう何食べた?』のように現実世界に沿った形の漫画もあり、こういうのは比較的実写化しやすいとも言えます。あと『JIN-仁-』も結構好きでしたが、『陽だまりの樹』は少々端折った感はありました。

漫画が今のような形で、いわば市民権を得る前は、小説よりは一段低い物としてみなされていました。漫画は最初から絵がセットになっており、自分で行間を読んで情景を思い浮かべるような構造になっておらず、それゆえに子供向きとされる傾向は強かったと思います。しかし漫画は漫画で、小説にない魅力があるもの事実ですし、いずれかに偏らず、両方を一緒に読むのが私としてはお勧めです。

無論小説と漫画の相違だけではなく、漫画とアニメにもまた違いがあります。漫画はコマ割りの中からストーリーを想定しつつ読んでいくことになるわけで、登場人物が実際に動き回って、ストーリー展開を見せてくれるアニメとはまた異なっています。しかし『鬼滅の刃』を観てから、原作を買うために書店にお客が押し寄せた由、昔実写版映画を観て、原作を買い求める人がいたのと非常に似通っていると言えますし、最早この両者は同じ次元と捉えるべきかも知れません。

個人的には、大河ドラマの原作を一度実験的に-あくまでも実験的にですが-漫画にしてはどうかとも考えていますが、これはやはり難しいでしょうか。

飲み物-シナモン珈琲
[ 2020/12/11 23:45 ] その他 | TB(-) | CM(0)

NHKのドラマと受信料とに感じること(+加工テレビではNHK契約義務なし)

先日投稿した『風雲児たち~蘭学革命篇』(どうも最近、前回の投稿の続きのようになっています)ですが、NHKはこの他にも『陽だまりの樹』をドラマ化しています。さらにTBSの『JIN-仁-』があるため、この3つがいくらかごっちゃになることもあります。ただ『風雲児たち』は時代的に少し早いため、蘭方と漢方の対立などもあるものの、たとえば種痘を巡っての争いなどはまだ出て来ません。『陽だまりの樹』では、手塚良仙が大坂へ行き、種痘が行われているのを目の当たりにします。漢方の奥医師の力が強い江戸では、なかなか実現の運びに至らなかったのです。

同じような医療ドラマになりますが、NHKには『胡蝶の夢』をドラマ化してほしいと何度かリクエストしたことがあります。しかし未だ実現していません。これも司馬遼太郎氏の原作です。司馬氏といえば、『国盗り物語』、あるいは『花神』でもしばしば登場人物の心の声、独り言のようなセリフが登場しますが、これはこの人の原作ならではの「余談」を脚色化した結果、ああなったのではないかと思われます。

無論『胡蝶の夢』の場合、大河化は難しいと思います。10回シリーズ位で済むのではないかと思います。ただ主人公の松本良順が奥医師の地位を投げ打って、長崎に行くまでの心理描写、門人であり、かなりの変人でもある司馬凌海(こちらも主人公と言っていいでしょう)との関係、さらに江戸幕府瓦解後の様子を描くのであれば、10回ではやや足りないかも知れません。大河を半年単位にして、こういうのを持って来ても面白そうなのですが。

しかし大河をやるにしても、作品によっては奇を衒いすぎたような描写があり、その結果観なくなったこともあるわけですし、そういうのをすべて受信料で賄うべきなのかやはり疑問が残るところです。無論どのような作品でも賛否両論はあるでしょうから、ならば観たい人だけ課金する方が、よほどすっきりしているわけです。NHKは公共放送を謳っているわけですが、大河朝ドラにそこまでの公共性は生憎感じられません。観たくないなら観るなも民放ならともかく、受信料システムのNHKである以上、ならば受信料の一部を返してくれともなりかねません。

昨日になりますが、NHK視聴ができないTVの場合、契約義務は生じないという判決が出されました。つまり、NHKの敗訴に終わったわけです。

NHK映らず契約義務なし 加工テレビで東京地裁

NHKは二言目には公共放送を云々しますが、本当に公共性を重視するのなら
ニュース
気象情報
災害情報
これだけで済むはずですし、この3つだと500円ほどで足りるでしょう。しかもこの3つも、今はネットで入手できるのです。何かと言えば公共放送と言うのは、少々話が飛びますが、『ノーサイド・ゲーム』の日本蹴球協会の木戸専務理事が、何かにつけてラグビーはアマチュアであり、神聖なものだと言わんばかりの姿勢を取るのとどこか似ています。そもそも企業にチームを任せている点で、アマチュアもないと思うのですが。

それはともかく、大河もドラマも作るなとまでは言わずとも、原則論ばかりで行くのではなく、視聴者にどのような作品を作るべきか打診してみる、課金制を検討してみる位のことはするべきでしょうし、あと視聴者の質問にはきちんと答えて然るべきでしょう。過去大河の史料で問い合わせたところさっぱり返信が来ず、コールセンターに電話したら「返信が来るまでメールを送れ」と言われたことがありますが、ちょっと乱暴ではないでしょうか。

飲み物-ブラッディサム
[ 2020/06/28 00:45 ] その他 | TB(-) | CM(0)

気づいたこれあれこれ 18

既にお伝えしていますが、18日から『JIN-仁-』が再放送されます。幕末へのタイムスリップと、その時代なればこそ感じた医師としての使命、野風や龍馬との出会い、蘭方と漢方の対立、「船中九策」、病院に搬送された謎の人物は誰なのかなどなど、見どころの多い作品ではあります。ところで幕末という時代は、ペリー来航後の開国に伴い、政治のみならず医療に於いても変化が見られた時期で、実際この時期はコレラが流行し、また種痘が奨励されています。無論戦国時代も日本史上の変革の時期ですが、当時は蘭方をはじめとする西洋医学が存在せず、そのため今の医学との共通項がきわめて少ない時代でもありました。仁が幕末に行ったのはこういう理由もあってのことでしょう。蘭方の最大の貢献は外科と眼科で、その後蘭方が禁止された時代も、この2つだけは例外として認められたほどです。これは『陽だまりの樹』にその様子が描かれています。

ところでこのシリーズが再放送される背景として、コロナウイルス禍が大きく関わっています。スポーツ界やテレビドラマなどが、これによってかなり影響を受けていますが、アメリカでは、無観客試合も検討されているようです。実際無観客試合であっても、TV中継あるいはネット配信がなされていれば、これらを通じて観戦することも可能ですし、大相撲も無観客でしたが、こちらはNHKが放映権を持っているせいもあり、千秋楽まで中継されました。ただ、選手やコーチの安全は保証されなければならないでしょう。スポーツは無観客でもまだ成り立ちますが、問題はテレビドラマの方です。こちらは収録で多くの人数を入れる必要があるため、スポーツの無観客とはかなり事情が異なって来ます。

もちろん今現在は、移動することによるリスクが伴うため、ロケもできません。TV番組が特番とか再放送だらけになってしまう所以です。それでも放送期間がある程度融通が利くのであれば、たとえば半年先送りすることもまだできるでしょう。しかし放送期間が決まっているドラマの場合、延長がどこまで可能でしょうか。NHKの朝ドラなどがそれに該当しますが、この次の作品も収録が中止されているため、放送スケジュールを変則的(たとえば数か月遅れ)にするか、それとも中止するかのどちらかになる確率が高いと思われます。無論大河もそうなる可能性があります。特に大河はロケが何度かありますが、その辺のスケジュールもかなり見直さなければならなくなるでしょう。こちらも来年の作品は、まだ動きがなさそうです。

飲み物-カクテルとオイルランプ
[ 2020/04/18 00:15 ] その他 | TB(-) | CM(0)

幕末医学事情3 長崎医学伝習所

前回、ポンペについて触れました。このポンペは元々オランダ商館付の医官で、幕府が長崎に設けた海軍伝習所の一室で医学教育を行っていましたが、この「医学校」の立場はなかなか微妙でした。幕府が運営しているのかというとそうでもなく、無論海軍伝習所付属というわけでもないわけです。位置づけとしては、海軍伝習所の医師である良順がポンペに頼み込んで作った医学塾とでもいえばいいのかもしれません。ただし長崎奉行の許可を得ており、奉行所がここの面倒を見てくれることになりました。また商家からの寄付もありました。ちなみに長崎は天領ですから、大名が存在せず、奉行がこの地域の行政を取り仕切る仕組みになっていました。

良順は、日本の蘭方がきわめて断片的であることに気付いており、ポンペに教授を依頼したのはそのせいであるといえます。本来であれば、系統だった医学教育を行うために、それぞれ専門の教授を招聘しなければならないわけですが、当然それだけの余裕はありません。従って、ポンペが一人ですべての教授を行うという、かなり超人的なことをやってのけたわけです。このポンペ在任時には、日本初の洋式病院も建設されています。もちろん安政のコレラ(コロリ)大流行の時も、良順が感染したこともあって、ポンペが獅子奮迅の働きをしたともいわれています。この時は当然仁先生はいませんから、キニーネでの治療が主流でした。この時に緒方洪庵が発表したのが『虎列剌治準』です。

なお、『陽だまりの樹』の手塚良庵も同時代の人ですが、この人は適塾に学び、自腹を切って種痘所を作った人でもあります。この種痘所は後に幕府の手により、西洋医学所となりますが、攘夷に明け暮れたこの時代に、幕府がこのような機関を作ったというのはかなりの決断を要したといえます。種痘所時代に火災に遭った後、『JIN -仁-』に登場する濱口梧陵から資金援助をしてもらって再建しますが、この時代、長崎の医学所に資金を提供した小曽根乾堂共々、医学に貢献した商人の代表格ともいっていい人物です。また、そのような空気が日本の社会にあったというのも事実でしょう。

薬とスプーン
[ 2015/05/15 01:05 ] ドラマ JIN ー仁ー | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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