久々に『軍師官兵衛』の終わりの方のエピを観ました。こちらの方は『真田丸』と逆で、関ヶ原の戦いはそこそこ描かれている一方で、大坂夏の陣はかなりあっさりです。後藤又兵衛の戦死と、それを聞いた黒田長政の反応、そして大坂城炎上くらいです。
大河は主人公によってどこに重きを置くかが違って来ますから、無論『真田丸』の超高速関ヶ原もありなわけです。ただし大谷刑部の自刃と、石田三成の敗走はやってもよかったかとも思いますが。
また、田中圭さん演じる石田三成がかなり嫌な人物として描かれており、徳川家康は結構好人物といった描写でした。この家康を演じたのが、『国盗り物語』で同じ役だった寺尾聡さん、そして秀吉は、まさに『秀吉』で主役を演じた竹中直人さんでした。
大河において、同じ役を同じ俳優さんが演じるのはそう珍しくはありません。しかし、この時の小早川秀秋が、2年後も再現されるとは当時は思っていませんでした。
ところでこの作品、正直もう少し脚本が、それも後半の部分練られていたらなとも思いますが、結構オーソドックスな戦国大河ではありますし、『真田丸』が三谷さんのカラーが強い分、こちらの方を好む人もいます。
三谷さんのも捻りが効いているのは楽しめるのですが、合戦シーンが今一つなのはちょっと残念です。無論その分謀略シーンなどは確かに面白いし、本領発揮だなと思われるところもあります。
こちらの場合は、最初の方の播磨の情勢や、九州平定が描かれていたのはポイントが高いです。ただし1615年が元和元年となっていたのは残念でした。確かに後で元和に改元されますが、大坂の陣当時はまだ慶長20年でしたので。
しかし、NHKの方でどのように企画されていたかはわかりませんが、『天地人』とか『江』のようなスイーツ系の後、これとか『八重の桜』のような大河が出て来たことで、また正統派路線に戻るのかなという期待がありました。しかしその後に『花燃ゆ』だったのは、ちょっといただけませんでしたね。
『花燃ゆ』といえば、美和が第二次長州征伐の時に、城の見取り図を出してあれこれ指示するシーンがありましたが、そもそも若君の乳母がなぜああいうのを持っていたのでしょうか。それに比べると、『真田丸』の大蔵卿局が、戦がどうこうと口を挟むのはまだ可愛く思えます。
この大河が始まった頃は、映画『永遠の0』が公開されていて、作品中で、主人公の宮部久蔵が戦地に赴く時、奥さんが「生きて帰って来て」と言うシーンがありますが、大河の中でも「この子のためにも生きて帰りたい」というセリフがありました。
『永遠の0』の宮部夫妻を演じたのは、この官兵衛役の岡田さんと、『花燃ゆ』の文(美和)役の井上真央さんでしたが、大河とこのセリフは何か縁があるのでしょうか。前回の『真田丸』でも、稲が大坂に向かう信之に、「生きて帰って来て」と懇願するシーンがありましたので。
しかし映画『関ヶ原』の岡田さんの石田三成、どんな感じになるのでしょう。