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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  赤穂事件

秀吉を演じた俳優たち

『黄金の日日』で羽柴(豊臣)秀吉を演じている緒形拳さんですが、この人は大河で実にいろいろな役を演じています。

太閤記-豊臣秀吉
源義経-弁慶
新・平家物語-阿部麻鳥
黄金の日日-豊臣秀吉
峠の群像-大石内蔵助
太平記-足利貞氏
毛利元就-尼子経久
風林火山-宇佐美定満

多少クセのある役に加え、大石内蔵助のような役もうまく演じる俳優さんでした。あと1度大河に出ていただきたかったです。

この緒形さん同様、大河で複数回秀吉を演じた人がいます。言わずとしれた竹中直人さんです。この人はどちらかと言えば、アクの強い、もっと言えば暑苦しい雰囲気が持ち味で、秀吉の演技にもそれがよく表れています。『秀吉』は、どちらかと言えばまだ穏やかな雰囲気でしたが、『軍師官兵衛』になると、権力に憑りつかれた存在としての秀吉になって行きます。尤も『軍師官兵衛』のガイドブックによると、竹中さんはそういう秀吉を演じるのを楽しみにしていたとのことで、あの作品では石田三成の存在もあり、官兵衛を疎んじ始める秀吉の様子がよく描かれていました。

他にも秀吉を演じた俳優さんは多いのですが(と言うより、戦国大河の大部分に不可欠な人物ですので)、私としては

『国盗り物語」の火野正平さん
『おんな太閤記』の西田敏行さん
『利家とまつ』の香川照之さん

こういう人たちの秀吉も好きです。香川さん、もう一度秀吉を演じて貰えないものでしょうか。それこそ、『どうする家康』辺りで。どうも『龍馬伝』の岩崎弥太郎の怪演が印象的ですが、この秀吉もなかなかいいです。あとこれは今までも書いていますが、濱田岳さんに一度秀吉役をやってほしいですね。

飲み物-タンブラーの白ビール
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[ 2021/04/13 01:15 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

大河ドラマ雑考-40

先日の『麒麟がくる』で、光秀の丹波攻めかという展開が窺えるという一方で、また駒が出て来て義昭に説教していたらしいです。駒が将軍の側にいるだけでもおかしいのですが、説教するに至っては『江』を思い出してしまいます。恐らくオリキャラは最終回まで出て来るのかもしれませんが、この2人が暗躍(と言うべきでしょうか)するせいで、肝心の光秀の存在感が今一つになっているようにも思えます。

ところでこれも先日、90年代に大河の傾向が変わった一因として、赤穂大河が99年で終わったからと書いています。このせいかどうか知りませんが、最近の40歳以下は、一部を除いて赤穂事件を知らないといった内容のツイを目にしたこともあります。しかし思うのですが、この赤穂事件というのは大河化せずとも、1クールでカバーできるように思えます。『忠臣蔵の恋〜四十八人目の忠臣〜』などというのもありましたが、ああいうやり方でもいいかと思います。ただ若い世代ほどTVを観なくなっていますので、どのような方法を用いるかを検討するべきでしょう。

それと似たような傾向として、所謂川中島大河(武田VS上杉)も、『風林火山』以降は制作されていません。これに関しては『国盗り物語』に見る明智光秀番外編と川中島大河で書いていますが、こちらもワンパターンになりがちで、ストーリーの展開も限られてくるからでしょう。その点『風林火山』は山本勘助視点で、しかも諏訪御寮人(由布姫)との関係が中心という構成に興味を惹かれました。

その打開策としてポスト川中島、つまり武田と上杉の、それぞれの後継者のサバイバルを描くという方法があります。実際『天地人』の時代背景や舞台設定はそれに近いのですが、この大河は基本的に夫婦大河であり、直江兼続の描かれ方が如何にも物足りなく感じられました。御館の乱にしても、もう少し戦国らしく描けなかったものでしょうか。中でも一番笑ってしまったのは「本能寺爆発」ですが、それはともかくとして、これがもう少し掘り下げられていたら、また新分野を開拓できたのかもしれません。

あとこれは再来年の『鎌倉殿の13人』関連ですが、今まで三谷幸喜氏の大河は「敗者」が主人公でした。新選組しかり、真田信繁しかりです。しかしここに来て、いわば勝者である義時が主人公となっています。義時自身、かなりの葛藤に苦しんだこともあったでしょうが、最終的に源氏直系と一部の御家人を滅亡させ、北条氏の執権体制を作り上げたという見方をすれば、やはり勝者と言えそうです。この大河は恐らくは「ポスト源平」の時代を念入りに描くと思われますし、そうなってほしいものです。

飲み物-ホットカフェオレ
[ 2020/12/22 00:15 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『武将ジャパン』続きと大河の転換期に関して

先日の武者さんのコラム関連で、このようなものもありました(2019年4月5日投稿分より)。オールドファンの手垢のついた論調として

・女子供を喜ばせるイケメンが主演では、俺たち真の大河主張者である男性様は喜ばないぞ!
・イケメンでないところを証明できたからこそ、主演をやらせてやる
・女は良妻賢母以外認めないぞ!

こういった形で紹介されているのですが、このような意見が本当にあったのでしょうか。どう考えても武者さんの妄想のように見えます。もし本当にあるのなら、その出典をはっきりさせてほしいものです。仮にそのような意見があったとしても、その人たちが支持した大河を否定するということは、自分が賞賛した過去の大河も否定するということにつながりかねないと思うのですが。

それからこのコラムについてですが、たとえば同じ女性大河でも温度差があることがわかります。コラム自体は『八重の桜』の終わりの頃から始まっており、その『八重の桜』については肯定しています。しかし『花燃ゆ』は否定しており、『おんな城主 直虎』に関してはまた肯定的な論調でした。私にしてみれば、『花燃ゆ』と『直虎』にはどこか似通った部分もあり、そのため武者さんが『花燃ゆ』のみを批判するのは、ちょっと奇妙に感じられました。しかしその後、何かにつけて『八重の桜』を引き合いに出すのを見て、要は幕末の薩長大河が嫌いなのだなということがわかりました。だからどこか共通点があるヒロインなのに、幕末長州はダメ、戦国はOKとなったとも考えられます。

それと自分が好きな作品が低視聴率だった場合は、視聴率など関係ないと言い、嫌いな作品が低視聴率の場合は、批判の材料にするというのも随分都合がいいなと思います。実際『直虎』は戦国大河で最も視聴率が低く、総合視聴率は『西郷どん』より低かったのですが、なぜ戦国物なのに視聴率が低かったのか、自分なりの考察をしてしかるべきでした。また『西郷どん』が関東では低いものの、西日本では高く出たことも無視していました。

先日ご紹介したまとめサイトにもこのようにあります。
「好みに合わないドラマなら脚本家・スタッフ・出演者・作品関連企業への誹謗中傷・名誉毀損・罵詈雑言。逆に好きな作品ならなんでもベタ褒めするためダブスタなんて朝飯前」
しかも文章がとかく感情的になりがちであるため、読む側としては同意するせざるにかかわらず、何かしら不愉快な気分にならざるをえないのです。

それから、90年代から大河の傾向が変わったように思われるその理由としては、『信長 KING OF ZIPANGU』のような宣教師目線の大河が作られるようになったほか、
  • 琉球や東北といった地域をメインにした大河が作られた
  • それに伴い、放送フォーマットの変更も検討された(ただしこれはうまく行かず元に戻している)
  • 所謂時代劇やTVドラマでお馴染みの人たちではなく、舞台出身の俳優の起用が多くなった。特に『毛利元就』
  • 東山紀之さん(琉球の風)、本木雅弘さん(太平記、徳川慶喜)といった、ジャニーズ事務所のアイドルが主役、またはそれに近い役を演じるようになった
  • 赤穂大河がこの年代最後の99年を以て姿を消した
こういった点も挙げられるかも知れません。

大河が今後どうなるのか予測はつきませんが、NHKへの批判が強くなっているようにも見えますし、NHKそのものが改革を余儀なくされる可能性はありそうです。大河をやめた方が、合理的な経営ができるようにも思えますし、今年のコロナ禍が、大河と観光のタイアップに影響を与えた可能性も否定できません。今後NHKは大河を「捨てる」のでしょうか、それとも今後の運営形態に合わせて「調整」して行くのでしょうか。

飲み物ーホットワインとくるみ
[ 2020/12/20 23:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

12月14日と赤穂大河

今年も12月14日を迎えるに当たり、赤穂事件をメインにした大河について。これに関しては「赤穂事件」というタグで、『元禄太平記』と『峠の群像』関連の投稿をまとめています。さらに私としては、幕府と討ち入りの、どちらかを中心に持って来た方が面白く感じられること、その意味で、『峠の群像』の赤穂視線の描き方は評価できるとも当該記事に書いています。

今世紀に入って赤穂事件関連大河がないのは、マンネリ感があるのも事実かと思われますが、ならばマンネリを打破すればいいのです。つまりいつもいつも討ち入りを入れる必要はないのです。幕末大河で必ずしも桜田門外の変が重視されないようなものです(『花燃ゆ』での描写はどうかと思いましたが)。どうしても討ち入りとその後の切腹を入れたいのであれば、赤穂藩の視点で描けばすむ話です。幕府中心なら、牢人たちの処遇を巡っての幕府の政策、さらに吉良や上杉の関係を中心にして、討ち入りはモブとまでは行かずとも、そのような事件があったといった感じで描けばいいし、そういう大河があっても最早おかしくはないでしょう。

赤穂事件に限らず、源平大河でも同じことが言えます。源平だと必ず壇ノ浦の合戦が登場します。しかし再来年の『鎌倉殿の13人』のような場合は、あくまでも義時が主役で、源氏の直系を滅亡させ、御家人を粛清するのが目的であるわけです。ならばどこまで壇ノ浦を描く必要があるのか。そもそも鎌倉幕府の基盤となる大倉御所はその前に設置されているわけで、壇ノ浦を機に鎌倉幕府ができたという描かれ方は最早ないのではないでしょうか。真田家に関係のない関ヶ原はほんのわずかしか描かなかった三谷さんのことです。壇ノ浦が似たような描かれ方になってもおかしくありません。無論その後の義経の処遇を巡ってひと悶着起こるわけですから、まるっきり無視ということにはならないでしょうが…。

ところで最近、『十三人の刺客』や『上意討ち』、『三津屋清左衛門残日録』に加えて『無用庵隠居修行』などなどを観ているため、すっかりチャンバラに嵌っている感があります。今現在の事情からチャンバラシーンも難しくはあるでしょうが、やはり時代劇であれば見たいものです。それから公開が延期されていた映画『燃えよ剣』、来年10月の公開が決まったようです。

映画と言えば『新解釈・三國志』、実はこれも観てみたいと思っています。こちらは『鎌倉殿』で頼朝を演じる大泉洋さんが劉備を演じています。

飲み物-ウイスキーストレート
[ 2020/12/13 23:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

大河と忠臣蔵 14(峠の群像)まとめ

一言でいって、なかなか面白い大河でした。完全版があれば観てみたいのですが、生憎総集編しかないのが残念です。しかし総集編が3巻あること、そしてやはり、赤穂藩士たちが改易となった後の生き様と、仇討ちまでのいきさつが中心となっているため、筋立てがかなりはっきりしているのも、この大河に魅力を感じた一因と言えます。

この大河を「仇討ちの美学」に仕立てなかったことも、面白く感じられた一因でしょう。冒頭に高田馬場での仇討ちのシーンがありますが、それを見物に訪れる人々が映し出される一方で、飛脚の伝平が上方に走り、元武士で浄瑠璃作者の近松門左衛門に会うシーンが登場します。この辺りに当時の江戸と上方、それぞれの様子が垣間見えます。やはり元禄というのは上方の町人文化が花開いた時期であり、それが後年江戸に伝えられて江戸独自の文化が成熟して行くので、上方にかなり比重を置いているのも評価できます。

この上方目線が、作品全体を貫くある種のアンチヒロイズム、仇討ちだけに活路を見出さない姿勢につながっているとも言えそうです。そして大坂の塩問屋の娘の素良とその友人の美波、それぞれが赤穂藩士に思いを寄せることになります。それとは別に、片岡源五右衛門もゆうという旅籠の娘に慕われることになり、彼女たちが赤穂とかかわりを持ったことが、その後の人生に大きな影響を与えて行きます。

特に石野七郎次と素良、この2人はオリキャラですが、『元禄太平記』の兵庫とおときのように、赤穂浪士を支える男と密偵となる女の関係ではありません。あくまでも石野と素良は、塩という赤穂藩を支える産業に関わっている人物であり、浪士たちとは一線を画している存在となっているのが、やはりこの大河らしいと言えます。それにしても兵庫は最後で武士を捨てるわけですが、あの時既に町人になるという描写はできなかったのでしょうか。

『赤穂浪士』はどうであったかは知りませんが、恐らく赤穂浪士(義士)大河の中で、幕府関係者や吉良の登場も限定的であり、その意味で、最も浪士たち自身の思いを描いたであろう作品と言えます。また緒形拳さんの、悩みかつ決断する内蔵助も見ごたえがありました。この方は、最初の方の作品は知りませんが、『黄金の日日』でかなり恣意的な秀吉を演じて以来、大河では単なるヒーローではない人物を好演していると思います。

滝が水しぶきを上げるタイトルバックも、如何にも元禄時代ですという印象ではなく、藩士から浪士となった男たちの生き方を表現していると言えます。どちらかといえば、戦国や幕末のような印象を与えるOPとなっています。

飲み物ーホットワインとくるみ
[ 2020/11/09 00:00 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

大河と忠臣蔵 13(峠の群像)

『峠の群像』総集編第3巻第3部です。いよいよ大詰めです。

炭小屋に入った浪士たちは何も発見できず、戸を開けたままその場を離れます。その間上野介は、2人の家来と共に炭小屋に逃げ込み、戸を閉めてしまった上に物音を立てたため、浪士たちはこれを不審に思い、再度中に入って辺りを窺った後矢を放ちます。これで家来の1人は落命、もう1人は浪士たちに斬りかかるものの、反撃されてその場に倒れます。しかもこの行為により、上野介がその場にいることがわかってしまいます。

最早これまでと思った上野介は、浪士たちに斬りかかろうとするも槍を受けて絶命します。呼び子笛の音により、邸内にいた浪士たちや内蔵助は、炭小屋に駆け寄ります。上野介の死体であるかどうか、邸内の家来たちに確認させ、さらに寝間着をめくって背中の傷を確かめたところ、本人に間違いないようです。内蔵助は上野介の寝間着を元通りにし、開いたままになっていた目を閉じます。そして首級を取った浪士たちは裏口から外に出、泉岳寺まで凱旋します。既に屋敷の外で、伝平と共にことの成り行きを見守っていた美波は不破の後を追いますが、不破は美波に守り札をわざと落として行きます。

泉岳寺の内匠頭の前で浪士たちは討ち入りの報告をし、これで殿の許に参上できると内蔵助は口にします。その後多くの浪士たちが切腹しようとしますが、内蔵助はそれを制し、いずれ御公儀から腹を斬らせてもらうことになると諭します。その「ご公儀」の方では、柳沢吉保の側室町子が、何やら面倒なことになるかもと言い、また綱吉も処分をどうするか決めあぐねており、こう言います。
「赤穂の田舎侍が余を試しておる」

内蔵助をはじめ一部の浪士は細川家に預けられました。今日は精進料理をと言う細川家の用人の言葉に、これは助命祈願の精進であると源五右衛門は言います。命が助かるのが真意なのかと質す源五右衛門に、ならばそれから解き放たれた後で腹を切ればいいと内蔵助は答えます。一方主税や安兵衛、不破らは松平家に預かりの身となっていました。仕官の話が松平家に来ていると言う大高源吾に対し、不破は何としても生きているつもりはないと言います。そして美波は守り札を握りしめ、不破より先にあの世で待っていると橋から川に身を投げます。一方で石野ら塩組も、赤穂を立ち去るように命じられます。

浪士たちの処分は切腹と決まりました。忠義そのものは評価しつつも、江戸市中で騒ぎを起こしたことに対し、切腹という形で名誉を守ろうと言う幕府の決断でした。これは綱吉直々の決断であり、さらに吉良家は断絶となってしまいます。この断絶は、幕府が自らの非を認めさせたも同然でした。

おゆうは商売を続けていました。源五右衛門の後を追わないのは、子供ができたからだと伝平に何食わぬ顔で言いますが、彼女がめくっていた帳簿には涙の跡がついていました。そして石野は今後のため江戸へ行き、素良との祝言を延期することにします。素良はそこまでしなくていいと言うものの、意外にこれでいいこともあると石野は言います。素良はこんな店どうでもいい、2人で大坂を出ようと涙を流します。

石野は江戸へ発ちますが、体に気をつけろと何やら意味深長な言い方をします。その直後近松が素良の前に現れ、止めなはれ、(石野は)もう帰らんつもりやと言い、素良はあわてて後を追いますが、ついに石野を見つけることはできませんでした。その後内蔵助たち浪士は切腹となります。近松はこれを基に浄瑠璃『碁盤太平記』を書き、後にこれは武田出雲らにより仮名手本忠臣蔵となり、所謂忠臣蔵となって行きます。またこの年元号は宝永と代わり、峠は下り坂へと向かって行くのでした。
(第3巻第3部終わり)

ついに吉良上野介が炭小屋で見つかり、浪士たちに殺されます。ここに赤穂浪士たちの悲願が成就し、一同は泉岳寺へ行き、内蔵助は浅野内匠頭の墓前にこのことを報告します。そこで切腹しようとする者もいましたが、内蔵助はいずれご公儀から沙汰が下るのでしばらく待てと言います。またこの時吉良邸では、浪士たちを一目見ようとする人々が押し掛けていました。彼らは庶民のヒーローでもあったのですが、だからと言って容認すると、江戸市中で騒動が起こるもとになりかねず、結局切腹を申し付けることで、何とか幕府が辻褄を合わせた感もありました。

浪士たちとつながりのある女性たちの、三者三様も描かれています。おゆうは源五右衛門の子をみごもりますが、はるばる江戸までやって来た美波は、最早不破とは再会できないことを悟って、彼が故意に落とした守り札を持ったまま身を投げます。そして素良、石野七郎次も最早赤穂で塩を作ることは不可能になり、江戸へ発つと言ってそのまま大坂へは戻らないつもりだったようです。彼女の場合、石野が町人となったことで、添い遂げられる可能性があったにもかかわらず、それが無に帰しただけに、かなり虚しさを感じたことでしょう。

この大河の場合、赤穂浪士をメインに持って来ながらも、描いたのは「ヒーローでない赤穂浪士」でした。以前『西郷どん』関連で、「スーパーヒーローでない西郷」を描いたと書いたことがありますが、それと似たものを感じます。元々ヒーローとしての赤穂浪士は、どちらかといえばTVより映画向きとも言えますし(松の廊下の刃傷から、クライマックスの討ち入りまでが2時間ほどで描けるため)、それを逆手に取っての構成と言えるかも知れません。またラストシーンも主人公やその周辺人物を強調するのでなく、近松が芝居の筋を書き散らした紙の中の一枚に、「峠の群像 完」とあるのはなかなか上手いと思われます。ただ『おんな城主 直虎』の、碁盤の「完」はあまりいただけませんでした。

飲み物-ロックグラスカクテル
[ 2020/11/08 00:00 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

大河と忠臣蔵 12(峠の群像)

『峠の群像』第3巻第2部です。

内蔵助は吉良の茶の仲間である四方庵宗偏に、茶の心得がある大高源吾を弟子入りさせます。源五は大坂の商人と身分を偽り、上方に帰るので、最後の茶を一緒にと申し出ます。そして明後日14日をと言ったところで、宗偏は先約がある、吉良様のところで茶会だとうっかり口にします。源吾はこれを内蔵助に知らせ、浪士たちも14日討ち入りを決定します。ゆうは、残されるわが身の辛さを夫に打ち明けますが、源五右衛門は、1年に1度自分を思い出してくれる人がほしいと言います。

源五右衛門と不破は、身分を隠して暮らしている仲間にこれを知らせに行きます。さらに討ち入りの手順が次々と発表されるも、ホリは一人その場を離れて涙します。当日、源五右衛門は短い間だったが楽しかったと言い、ゆうは、短い間だったからこそむつまじく暮らせたのかもと答えます。そして、町方や吉良方に狙われている店を出て行くように言いますが、ゆうは別れを惜しんでなかなか出て行こうとしません。ついに源五右衛門はゆうを外に出し、戸を閉めてしまいます。同じ頃、堀部家でも安兵衛とホリが最後の挨拶を交わしていました。また不破に会うべく江戸へやって来た美波は、小野寺十内に追い返されてしまいます。

吉良邸では茶会も終わり、上野介が障子を開けさせます。雪はかなり積もっていました。灯を入れさせようとする小林に上野介は、風が冷たいと背中の傷が痛むと言って閉めさせてしまいます。その雪の中を、内蔵助は浅野家下屋敷へと向かい、瑤泉院となった阿久里に面会します。この時内蔵助は阿久里手製の頭巾をかぶっていました。阿久里は浪士たちの暮らしぶりを内蔵助から聞き、内蔵助自身も山科で畑を耕していると話します。そのような内蔵助に、吉良様が憎くはないのか、もう来なくてもよいと阿久里は声を荒げます。

内蔵助も表から退出し、待たせていた不破とその場を去ります。その後阿久里は仏壇にふくさを見つけます。それは、浪士たちの連判状でした。阿久里は静かに内蔵助に手を合わせます。一方江戸のとある旅籠では、伝平が美波を誘って不破に会いに行かせようとしていました。内蔵助たちは隠れ家で火事場装束に身を包み、寅の上刻(午前4時)、吉良邸の前に立ちます。表門は内蔵助、裏門は主税を総大将に、それぞれ屋敷の中へ入り込み、あたかも100人以上いるかのように思わせて、相手を混乱させます。

浅野方は、常に3人1組で行動しました。刃向かう相手を斬るも女たちは見逃し、さらに奥に踏み入ったため、上野介は清水一学を浪士たちと戦わせ、3人の側近と部屋に残ります。しかし一学はその後不破たちに出くわし、3人に1人ではなすすべもなく討ち取られます。

「襲う側は時を選べるが、守る側は常に万全の構えでいなかればならない」
しかしその万全の構えが長く続くわけもなく、しかも寝込みの無防備な状態を襲われた吉良方は敗色が濃くなって行きます。無論隣近所にもこの騒動は知られるところとなりましたが、塀を乗り越えて来ない限り手出しはありませんでした。屋敷の奥にまで浪士たちが忍び込み、上野介の寝所では、小林が主の衣を借りて敵を欺きます。しかしその方法も結局通用せず、小林は絶命します。なおも斬り防ぐ浅野方ですが、足軽を逃がしてしまいます。上杉の許へ通報に行ったと見られますが、向こうが武装して攻め入っても時間がかかる、吉良様を探せとの内蔵助の命令で、浪士たちは炭小屋に入ります。
(第3巻第2部終わり)

討ち入りが現実のものとなります。大高源吾から14日に茶会があることを聞かされ、討ち入りの日取りが決まります。しかしこれは浪士たちの妻、あるいは浪士を思う女性にしてみれば辛いものでもありました。それでも嶋屋美波は、実際に吉良邸の近くまで行っているわけですが、怪しまれなかったのでしょうか。それと四方庵宗偏、ついうっかり、14日の茶会を口に出すと言う失態を演じてしまったようです。

討ち入りの前に、内蔵助は不破数右衛門を連れて阿久里に会いに行きます。この時の内蔵助は、すっかり浪人としての暮らしに慣れたと話し、内匠頭の仇を討つ気はないのかと阿久里を苛立たせます。しかし内蔵助が帰った後、仏壇を見た阿久里は、彼らの決意のほどを知るのでした。ところでこの討ち入りですが、浅野方が複数で動いたこと、ゲリラ戦の方法で戦ったこと、吉良方の家来がかなりいたことなどは評価できます。雪が作り物風なのは残念ですが、これは仕方ないですね。また比較になりますが、『元禄太平記』など吉良の家来は数えるほどしかおらず、しかも女性も間者のおとき以外出て来ませんでしたので。

そして前出の
「襲う側は時を選べるが、守る側は常に万全の構えでいなければならない」
これはナレーションの一部ですが、正にこの大河の討ち入りは、泰平の時代に於ける合戦と言えます。その「合戦」とその発端、それに至るまでの段取りにスポットライトを当てたことにより、あたかも戦国大河であるかのように、戦の何たるか、準備と諜報と戦略が如何に大事であるかを再確認させられます。

飲み物-温かいカフェオレ
[ 2020/11/04 23:15 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

大河と忠臣蔵(峠の群像)11

まず、紅葉の季節に合わせてブログの背景の色を変えています。今月29日のアドベント第1週から、例年通り、クリスマス&新年バージョンにする予定です。

『峠の群像』総集編いよいよ第3巻です。内蔵助は江戸へ下向する前に、四条河原町の梅林庵に立ち寄って、江戸へ向かう不破数右衛門に、片岡現右衛門宛の手紙を渡します。既に町人となって、ゆうと酒屋を営んでいる片岡でしたが、手紙を読み終えた後一礼し、不破の手を握りしめます。片岡の参加には反対の声も上がりますが、内蔵助はそれぞれがそれぞれの本懐を遂げればいいと言い、さらに、この時の流れによって、主君や自分たちのことが忘れられて行くのが恨めしいと口にします。

一方素良は祝言を近松から勧められ、理想が多いほど不幸になると戒められるものの、結局は花嫁衣裳の前に世之介宛の手紙を置いて家を出ます。は石野七郎次と共に生きることを決めた素良は、一人赤穂へ向かうのでした。そしてその年の9月1日、永井伊賀守(直敬)が新たに赤穂藩主となることが決まりました。永井家は石野たちの製塩を許可しますが、その代わり刀を捨てることを命じます。石野は町人姿となり、組の者たちの前で決意を述べます。製塩の組の中からは賛同者が出る一方で、もちろん離脱者も出ました。

内蔵助は梅林庵を出て、洛中の旅籠に偽名で泊まり、自分に従って来た女中のかるに、危険な目にも遭うから親もとへ戻れと言いますが、かるは旦那様のそばにいたいと言います。同じ頃、近松門左衛門と美波も江戸へ向かっており、美波は不破に会います。不破は美波に他の男を好きになるように言いますが、美波は不破について行く決心を固めていました。そして内蔵助が江戸に発つ日、理玖や子供たちに内蔵助からの土産が届きます。理玖に贈られた土産は数珠でした。また石野は金の工面もあって、大坂の両替商泉屋に奉公し、その後老中の秋元但馬守にまず会うことにします。

秋元からは、浅野家再興についても、浪士の仇討に関してもはかばかしい返答を得られませんでしたが、老中に骨を折ってもらうためにも金子が必要でした。さらに石野は秋元から、柳沢吉保が仇討をさせたくないと聞かされます。

江戸に着いた内蔵助は、ここでも父子共々偽名を使っていましたが、宿の外では町方が目を光らせていました。これは柳沢の差し金でした。このような中、仇討が延長される可能性も出て来ましたが、内蔵助は外出するときは、複数名でと指示します。また安兵衛の妻ホリは、仇討が行われた場合、残される身はどうすればいいかわからないとゆうに話しかけます。

ある日浪士たちの一部は、吉良の駕籠の前に土下座し、扉を開けさせるように仕向けます。その駕籠の主は確かに吉良で、この目で顔を確認したと彼らは上機嫌でしたが、内蔵助はこのような抜け駆けが気に入らないようです。ところがその時吉良は上杉の屋敷にいました。案の定この吉良は偽者で、小林平八郎の手の者だったのですが、その時町方が引き払ったとの知らせが入ります。これには浪士たちも首をかしげます。浪士の間からは、我々を利用しているのかという声も出ますが、それであれば浅野が再興されてもいいはずでした。

元禄15(1703)年12月、主を失った竹島は信用を失っていました。近松は石野に竹島を救うように持ち掛け、竹島を助けないのは浅野家の為か、しかし浅野家のためなら、既に内蔵助が江戸へ下っていると言い、素良は竹島を捨てたが、石野は何を捨てたのかとまで詰め寄ります。その日、帰宅する石野の前に世之介が現れ、江戸に出す店のことを自分にまかせてくれと頼み込みます。

さらに吉良邸では家臣たちが、赤穂の浪士たちに目だった動きはないと結論付けていました。
(総集編第3巻3分の1終了)

今回は最終回が含まれるため、3分割して投稿予定です。素良は結局石野の許へ行き、美波も不破に同行しようとします。オリキャラを交えたラブシーンが、この総集編で初めて登場するわけで、それはすなわち、石野や不破が選んだ道に彼女たちがついて行くということでした。男女の抱擁シーンというのは、せめてこういう形で持って来てほしいものです。この意味で、『元禄太平記』のオリキャラシーンはやはりがっかりでした。尤もオリキャラが出張るという点では、先日の『麒麟がくる』の方がもっと凄まじかったと言えます。今回に限って録画を再生してみましたが、あれではまるでオリキャラが主役で、光秀や義昭は脇役です。

討ち入りに向けての準備が進んでいますが、実際問題、どうするかを浪士たちもまだ決めあぐねていた感もあります。何より彼らは幕府から目を付けられており、自由に動けるわけでもなく、また石野の働きかけなどもあって、討ち入りが手ごたえの確かな現実となるには、もう少し時間がかかりそうでした。無論旅籠に泊まるにも偽名を使っており、この辺りは幕末大河の志士たちとそう変わりません。しかしながらある時期を境に、柳沢の命を受けた町方たちが急に撤退してしまいます。これは何を意味するのでしょうか。

内蔵助の家族たちへの土産物を、八助が持って来ますが、理玖に渡されたふくさの中には、数珠が入っていました。もちろん理玖には察するものがあったようです。

飲み物-カウンターとカクテル
[ 2020/11/04 00:15 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

大河と忠臣蔵 10(峠の群像)

第2巻までを観て感じたこととして、

  • 赤穂がメインになっているため、浪士たちの考えや行動が分かりやすい
  • 加えて、浪士主体であるがゆえに、大石内蔵助の考え、さらに造反者や塩組などのそれぞれの立ち位置を描き分けやすい
  • 幕府関係者の登場が必要最低限に抑えられている
  • オリキャラや近松門左衛門の登場も少な目で、しかも主人公や、メインとなる集団(この場合赤穂浪士)に関与した形での登場となっているため、浮いたイメージがあまりない
  • 円山会議が登場する

このような点が挙げられます。無論これは総集編であるため、展開が分かりやすい形で編集されているでしょうし、そもそも総集編とはそうあるべきではないかと思います。特に円山会議はよかったです。つまるところ、お家再興か仇討かで、仲間たちの間でも意見が割れ、内蔵助も迷いに迷った挙句、大学の広島藩お預けでついにほぞを固めた、その決意表明の場がこれであったわけですから、やはり外すべきではないでしょう。尚会議そのものは内密であったため、現在伝わっているこの会議の様子は、後世の実録本によるものです。

『元禄太平記』の場合、やはり2巻だけでは足りない部分もあると思いましたし、オリキャラの登場部分がどこか本来のストーリーからかけ離れた印象もあり、それにちょっと違和感を覚えもしました。寧ろ『峠の群像』の場合、オリキャラのシーンが少ないようにさえ思われます。確かに石野と素良の2人きりのシーンなどは、『元禄太平記』の兵庫とおときのシーンにいくらか似てはいますが、石野と素良の場合は、竹島屋に関して今後の伏線となっている感があるのが、異なる点として挙げられるでしょう。

それと思うのですが、赤穂義士物ならやはり赤穂メインでいいと思います。赤穂と江戸とを並行させる形で描いても、どっちつかずになってしまうのではないでしょうか。もし柳沢や吉良、さらには上杉を描きたいのなら、寧ろ赤穂は脇役に徹した方がいいでしょう。ただ幕府の上層部を持ち出すということは、赤穂事件の政治利用という側面もまたあるわけで、それをどのように描くのかが制作陣の腕の見せ所ともなりそうです。『元禄太平記』の場合、政治利用として徹底してそのように描けばよかったのですが、結局義士たちのヒロイズムを持って来たことで、何か妥協の産物といった感じがします。

それと前にも書いていますが、由井正雪の慶安の変から始めて、この赤穂事件で締めくくった方が、戦国的な武断政治から、江戸時代らしい文治政治(徳川綱吉は特に儒学に没頭していました)へと移行する有様を描くことになるため、大河のテーマとしてはふさわしいかと思われます。如何せん、時代の移り変わりを描くのでなければ、それに代わるだけの大きな存在を持ち出さないと、大河として制作する意義はないのではないでしょうか。

飲み物-ホットココア
[ 2020/10/27 00:00 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

大河と忠臣蔵 9(峠の群像)

11月14日、内匠頭の月命日に内蔵助は内匠頭の墓詣りをします。浅野家再興と吉良への処罰を願う内蔵助ですが、これが浅野家再興だけであれば、幕府も逆らわず家中からも一目置かれたであろうと考えてつつ、しかし主君の無念の死を無駄にはできませんでした。内蔵助の脳裏に、若い頃内匠頭と海辺を共に走った記憶がよみがえります。

雨の中墓参りをする内蔵助に、傘をさしかける者がいました。不破数右衛門でした。不破も墓に手を合わせ、内蔵助の仲間に加えてほしいと頼み込みます。そして内蔵助は田村右京太夫の屋敷に行き、庭先に一礼します。田村は好きなだけ滞在せよと言い、また内匠頭の最期は立派であったと声をかけて去って行きます。その頃柳沢邸を吉良が訪れ、嫡子についてひとしきり話した後、本題である隠居の件を切り出します。家督を譲って隠居することを認めるのは、幕府に吉良を処分する気持ちがないことを意味していました。

この件で赤穂側は騒然とします。しかし内蔵助は3月まで待て、もし隠居した人物を処分した前例がないのなら、その例を作っていただこうと言うのみでした。この件は赤穂へも伝わりました。塩組の浪士たちは、いざという時、つまり仇討の時に備えて商人となっておく方がいい、処罰を受けずにすむと素良は提案しますが、商人になることへの不満の声も上がります。石野は命を粗末にするべきではないと思い、他の浪士たちの動きを案じます。

素良は、内蔵助の命は内蔵助のものと言いますが、石野はそれに疑問を抱きます。その時彼の手が素良の手に触れてしまいます。部屋を出て行く素良は、三月に番頭の世之助と祝言を上げる、もう待てないと語気を強めます。江戸では脱落者が出始めました。高田郡兵衛をはじめ何名かが脱落したため、特に郡兵衛には示しをつけさせるべく斬ろうということになり、安兵衛がその役目を買って出ます。しかしついに安兵衛は郡兵衛を斬ることはなく、ならば自決しようとする郡兵衛を諫めます。

元禄15(1702)年1月、赤穂では萱野三平の葬儀が行われていました。14日世を去った菅野は、表向きは病死でしたが、実際は両親と内蔵助への遺書をしたためた後割腹しています。これに関して未だ迷っている内蔵助を不破はなじりますが、内蔵助は自分が迷って何が悪いと言います。内蔵助は今なお、大勢で吉良の仇を討つことが正しいことなのか否かで悩んでいました。

そして元禄15年3月、素良はついに世之助と結納を交わします。近松は石野はこのことを知っているのかと美波に尋ね、美波は知っているはずだと答えます。近松は憮然たる表情を浮かべます。

内蔵助の子供たちのうち、元服した主税以外は理玖の実家に引き取られます。そして理玖は、武士としての正しい道を行きたいという主税に、武士も町人もない、生きてくれと訴えます。その夜、内蔵助と共に縁先にいた理玖は、夫や嫡男と別れた後は何を思い出すのだろうかと自分に問いかけます。そして別れの日、主税はいたたまれずにその場を去り、理玖も涙を流しながら前を向いて歩いて行きます。

片岡源五右衛門は宿で鉄砲の手入れをしていました。そこを訪れたゆうに、明日よそに移るからもう来なくていいと言いますが、ゆうは諦めきれません。結局ゆうは片岡の隠れ家にまで赴きます。源五衛門はそこから吉良が通るのを見計らって、鉄砲で狙うつもりでいました。しかしことは思い通りに運びません。

同じ頃、伏見で遊興にふける内蔵助を安兵衛が苦々しく見つめていました。江戸下向を何度も催促し、しびれを切らせて上方にやって来た安兵衛に取って、内蔵助は最早心変わりしたとしか思えなかったのですが、不破が、あれは隠れ目付を欺くためであると教えます。

町子はゆうに、片岡の代わりにいずれ誰かが吉良を狙ってくれると言います。片岡が町方に引き渡されでもしたら、今度ばかりはどうにもできないと町子。結局ゆうは捕り方を呼び、代わりに狙ってくれる者がいると言って片岡を捕縛させます。

再び伏見。堀部弥兵衛らは、浅野大学が広島にお預けとなり、再興の望みが絶たれたことを知ります。しかも内蔵助の遊興が、すべてをわかったうえでの行動であることを知った不破は、家へ戻る内蔵助の後を追い、共に死のうとします。しかし内蔵助は、この度の幕府の態度が、自分たち田舎侍を苦しめていると言い、吉良を討つと明言した後、不破に江戸へ下り、このことを仲間に伝えるように、片岡に勝手な行動をさせないようにと命じます。

このことで、塩組も解散の動きが出て来ます。しかし石野は製塩をあきらめず、再興の見込みがないからと言って諦めてはならぬ、これから見込みを探すのでござると同志を諭します。そして7月28日、今日円山に19人の同志を集めた内蔵助は、自分たちの願いが何一つ幕府に聞き入れられなかったことを不満に思い、ついに亡き殿の無念を晴らすのでござると口にします。人の命は尊い、血気にはやって無駄にしたくないと思っていたが、最早これまでである、皆の命大石に下されと言って、10月までには江戸へ向かう決意を明らかにします。無論抜け駆けは厳禁でした。
(第2巻後半終わり)

第2巻の後半部分です。迷いに迷った内蔵助が、やっと決意を固める円山会議までが描かれます。結局赤穂側の言い分は何一つとして聞き入れられず、さりとて人命を粗末にはできない、それを熟慮したうえでの決断でした。しかし内蔵助の苦悩はなかなか周囲が理解せず、ただ遊興しているだけである、あるいはなかなか江戸にやって来ないと言うことで、しびれを切らせる者もいたようです。堀部安兵衛もその一人で、気持ちはわからなくもないのですが、この場合もっと大局的に物事を見るべきでしょう。片岡源五右衛門も、はやり過ぎたきらいがあります。ともあれこういう事態を乗り越えたうえで、やっと浪士たちが一丸になろうとしています。

一方で石野七郎次。素良との結婚を考えつつも、塩組に残る道を選びました。この人物はまだ、再興を諦めていないようです。そして不破数右衛門。内蔵助に味方するのかと思ったら、いきなり斬ろうとしたりもしますが、内蔵助が、吉良を討つ意志を初めて明らかにしたのがこの人物でした。しかし内蔵助の妻理玖に取っては、嫡男主税が夫と共に行動すること、その行く先は恐らく吉良を討つことであろうことを考えると、商人になってでも生き残ってほしい気持ちは山々のようです。その一方で、塩組の何名かは、商人になることを潔しとしませんでした。

またこの内蔵助夫妻をはじめ、何組かの男女が出て来ます。内蔵助と理玖は前述のとおりですが、素良はとうとう石野を諦めて与之助と結婚、さらにゆうは、あれだけ思っていた片岡を裏切るような行動に出ます。無論そうしてでも、片岡に生きてほしいという気持ちがゆうにあったからなのですが。しかしこれを見る限り、糸を引いている一人が町子で、そのことを柳沢も、無論綱吉も全く知らないように見えます、

萱野三平。俳人としても有名な人物ですが、大石への忠誠と父との板挟みになり、自害しています。このことも内蔵助に大きな影を投げかけています。ちなみに菅野が自決したのも、内蔵助の墓参りと同じ14日、主君浅野内匠頭の月命日です。

それと今までの分を見る限り、元禄2年3月というのが、幕府の決定及び素良の結納と、内蔵助と石野の両名に取っていわば節目となっています。この2人の今後が、これに大きく左右されるということなのでしょう。

あと伏見のシーンが若干途切れがちになっているのが惜しいです。それでも赤穂に焦点を当てているため、物語自体の展開は比較的わかりやすくなっています。

飲み物-ウイスキーロック
[ 2020/10/26 00:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)
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aK

Author:aK
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『青天を衝け』の感想も書いています。またBSで再放送中の『黄金の日日』の再放送も観ています。そしてパペットホームズの続編ですが、これは是非とも来年の大河が始まる前に、三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、『相棒』をはじめとする刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2021年には北半球最強であるブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとの試合も組まれています。このチームにいい試合をし、今後さらに上を目指してほしいものです。国内のラグビーも、2022年からはいよいよ新リーグがスタートです。

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