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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  赤穂事件

昔の大河について少々及びNHK静岡の大河関連情報

先日の大河関連の投稿で、赤穂浪士の大河が今は作られないと書いています。恐らく今後作られるにしても、それまでとは、かなり見方が変わったものとなるでしょう。

ちなみにこの時代を描いた大河『峠の群像』は個人的に好きです。私の場合、これと『国盗り物語』は、80年代半ばまでの大河の中でも特に楽しめます。無論どれを楽しむかは人それぞれですから、あくまでも私の場合ではありますが。

しかし『国盗り物語』の、高橋英樹さん演じる信長は格好よくはありますが、光秀に対する態度は、今だとパワハラでしょうね。無論あの時代はそれでもおかしくはないのですが、ただ信長も、自ら光秀を造反させる結果を招いたとは思います。そして今年の信長も、別の形で「圧」をかけて来ていますね、いやらしいほどに。

また以前ご紹介した平原学氏のnoteによると

「どうもこのドラマ、当初から「華やかな合戦シーン」というものはなるべく描きたくないような印象を持ちます。
それよりも死体を映す。(中略)もちろん『鎌倉殿の13人』で何度も出てきた「首桶」は確かに「死体」の描き方の一つなんですけど。それよりも『どう康』の場合は、実際にそこで血を流し、命を奪われていく人間の姿をありありと描く」

とあり、それも同感です。

それとこちらはNHK静岡のサイトですが

【どうする家康】磯智明プロデューサーが語るドラマ出演者の素顔 シンポジウム記録②

これがなかなか面白いです。2があるということは当然1もあるわけで、こちらは記事中にリンクが貼られています。あと井伊虎松を演じる板垣李光人さん、『青天を衝け』の民部公子様の画像も貼られていますね。

それからこのサイトには「スタジオ舞台裏」という小見出しがあり、そこでロケや馬の事情についても書かれています。あとこの記事のこの部分、

大河ドラマって日本の割とはじめの技術が入ってきます。初めて4K化されたテレビドラマは大河ドラマ。初めてハイビジョンになったのも大河ドラマという感じで、いろんな新しい技術が一番はじめに入ってくるのは大河ドラマの歴史になっています。

「割とはじめの技術」とは何かと思ったのですが、要は色々な撮影技術の先駆者、パイオニアという意味のようですね。


飲み物-アイスコーヒーとストロー
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[ 2023/04/29 01:45 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

大河の変貌そして今後変えるべき点とは

朝ドラ『舞いあがれ!』のまとめですが、もう少し先になります。と言うのも『らんまん』はお休みしようと思っているためです。次のBK朝ドラについてはまだ考えていません。ただちょうど放送開始が、ワールドカップと重なるので、その点をどうしようかと考えています。朝ドラもほぼ1年間、2作品を観て来ましたが(再放送の『芋たこなんきん』も入れると3作)、平日は毎日放送があるため、意外と大河よりも大変だなと思われる部分もあります。

さてその大河については、課金すればいいのではないかというのを先日、先々日と書いています。また、必ずしも日曜の夜8時でなくてもいいし、時間も45分でなくてもいいでしょう。たとえば土曜日の夜10時に1時間で2クールでもいいのです。これだと色々な人物を扱うこともできるし、創作をあれこれ入れることもできるし、男女関係ももう少し突っ込んで描くのも可能でしょう。

平日夜10時台の『大奥』については、私は映画の方が面白いと思ったため、1話だけ観て止めましたが、ああいうのを観たいという層ももちろんいるはずです。『武将ジャパン』の武者さんも絶賛していましたね。無論これも夜10時台だからいいのであって、あれを大河にそのまま持ち込もうとすると、どうも炎上しそうな気がします。つまり、大河とは全く別物となるわけで、またもちろんあの作品への否定的な意見やブログ記事を目にしたこともあります。

結局大河を今の枠から外すと言うのは、自由度が高まる分、それまでの大河とは違う道を歩くということにもなるわけです。今のままで大河ドラマを作るのか、それとも思い切って違った路線で行くのか、その場合本当に観たい層相手に別料金枠でやるのか、色々考えるべきことはありそうです。ただ今までの間にも、大河はかなり変貌を遂げている以上、ここで思い切って変えるという方法もあるかと思います。

描写ももちろん変わっているし、戦闘シーンも全くなくなってはいないにせよ、過去の一時期から比べると激減してはいるでしょう。またテーマとしては赤穂浪士、川中島合戦などは作られなくなっています。今後は土佐を舞台にした幕末大河なども、坂本龍馬が薩摩にいて、寧ろ小松帯刀が主導権を持って動いたという説に従えば、かなりの変貌を迫られることになるでしょう。

それから過去の大河関連で少し。私の場合、70年代の大河(DVD視聴)で一番好きなのは『国盗り物語』です。『花神』もそうでしたが、当時の司馬作品ベースの大河は、群像劇風に作られていました。80年代で『峠の群像』、『独眼竜政宗』などがあげられます。政宗の場合はジェームス三木氏が脚本担当ということもあり、この辺りから少しずつ何かが変わり出したと言えそうです。


飲み物-黄金色のビール
[ 2023/04/03 01:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 64その2

まず、先日投稿分で意味が通りにくい箇所と、後述しますが、あらすじと感想2に誤りと思われる点があったので、修正しています。それと「平均」がなぜか「平家院」となっていました。失礼いたしました。

では『武将ジャパン』大河コラムに関する疑問点、後半部分(+MVP)です。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第27回「鎌倉殿と十三人」 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)
https://bushoojapan.com/taiga/kamakura13/2022/07/18/169673


1.子供を産んで、手間ひまかかると愛おしさが増す!
子供は日に日に顔が変わる!
まるで自分がすべて面倒を見ているようで、実際は、誰かに子供を任せているからこそ、ここへも来れるワケで。

2.かといって、つつじはどうか?
義母の言うことを聞く優等生で、これまた子を欲しがる始末。
こんな調子じゃ恋も楽しめず、いずれ、日が沈んだらいそいそと、愛する女の元へ通い始めるかもしれませんね。

3.梶原景時が入っていることは気に入らないから、自分も入れて“6”人衆にしろと言い出します。

4.それでも引き受けて“10”人衆となり、さらに畠山重忠の名が挙がると、義盛がやめておけと言います。重忠が祖父の三浦義明を攻め殺して以来、反発心がある義盛です。

5.なんでも武蔵の者同士として事前に比企から釘を刺されていたとか。
時政は娘婿に断られてオロオロし、りくは重忠が他のことで北条に協力すると言っても「結構だわ!」と冷たい態度を取っています。
りくって、自分が軽んじられたとなると怒りと恨みを募らせる性格のようですね。

1、「まるで自分がすべて面倒を見ているようで、実際は、誰かに子供を任せているからこそ、ここへも来れるワケで」
この当時、将軍の側室などそういうものでしょう。それにしても、日に日に顔が変わるのセリフがあるのに、武者さんは、義時も八重も引き合いに出さないのですね。

2、「これまた子を欲しがる始末」
これが意味不明なのですが。側室であるせつに男児が生まれている以上、御台所である自分も男児を産まないわけにはわけでしょう。そのへんの気持ちをわかっているのでしょうか。

3、能員は「梶原が入っているのに、なぜ比企が入っていないのだ」と言ってはいますが、気に入らないとは言っていません。気に入らないのならまず景時排除を考えるでしょう。そしてこの時も「さもなくば比企は今後一切力を貸さぬ」と言っており、比企に連なる人物は幕府に加担しないぞといった意味のことをつけ加えていますね。

4、義盛はやめときましょうとは言っていますが、祖父を殺された件は言っていません。

5、と言うより、りくの今までの比企への対抗姿勢を見ていると、重忠が比企に釘を刺されたことがいまいましく、また情なく思われたのではないのでしょうか。


6.義村が「もう爺さんは止めとけ!」と言い切りました。それはそうだけど、義村って敬老精神ってもんを取り繕うことすらしませんよね。

7.鎌倉時代の書籍を読んでいると、武士の姿が脳裏にパーッと浮かぶことがあります。
日々の風景の中に田んぼがあるのが当然だと思って私たちは生きていますが、そもそもは誰かが開拓したからこその景色です。

8.比企はシンプルな手を使いますので、文官には美女にお酌をさせた宴会三昧をしているようです。大江広元は全く嬉しそうではありませんが。
広元が上機嫌で酒を飲んでいた宴会は、上洛を果たした時のこと。
なぜ上機嫌だったか?
というと己の策が当たったからでした。関東の暴れ馬のような武士を手懐け、自分を見下してきた京都の連中の鼻をあかせた。

9.政子もリストを見ます。
そして足立遠元もいると告げられ、どこか誇らしげな遠元。
武蔵ならば畠山重忠が載りそうなのに、あえて自分が載っていることが嬉しいようです。
政子が一徹なところがよかったのではないかというと、誇らしげにこう言います。
「一徹。よく、言われます」
ほんとにぃ?
安達盛長とセットにして、比企を多くしたいから選ばれたのでは?

10.逃げ出せないように外堀を埋められ、引き受けるしかない義時。
こんな役目からスルッと逃げた義村。
キッパリ断った重忠にはなれない。
しかし、こんな後ろ向きな大河主人公ってありですか? いいですね、ありです!

6、なぜここで「敬老精神」?そして昔からの御家人が幕府のシステム、ましてや訴訟の判決という仕事に馴染みにくいからということはあるでしょう。

7、「開拓した誰か」のことを書きたいのであれば、まず荘園の話、そして武装農民→武士のことを書かないと意味が通じにくいと思います。元々開墾された農地が荘園となって行き、それが貴族のものとなり、有力者が武士団を統率するようになったわけですね。で、平安時代半ばには、既にこの組織は存在していました。

8、能員が文官たちの接待作戦に出たことと、広元が面白くなさそうのは理解できますが、それから後の部分はこの回と直接関係ないと思われます。

9、この足立遠元、安達盛長と血縁関係にあると言われてはいますが、比企と直接関係はなさそうです。寧ろ遠元の娘が、重忠の側室となっています。あと「比企を多くしたい」とありますが、遠元は「北条殿に呼ばれた」と言っていますね。

10、後ろ向きより何より、北条の人間で頼家にも近い以上引き受けざるを得なかったでしょう。実姉政子の推薦もありますし。それに立場上役目から逃げられない大河の主人公なら、『峠の群像』の大石内蔵助とか、『葵 徳川三代』の徳川秀忠などは正にそれかと思いますが、10年ルールがあるから武者さんは観ていないでしょうか。


11.尼御台(政子)の考えだと言っても、聞く耳を持ちそうにない。
義時が粘り強く新しい鎌倉を築いていこうと語りかけ、13人まで増えたけど、少数に力が集中するよりはよいかもしれないとフォローします。頼朝もそこを心配していたと。
頼家は、景時から聞いていた話と違うと察知。
つまりは、どちらかが嘘をついている。
もう誰も信じられなくなりそうで、実際、情で丸め込んだつもりでもほだされぬと突っぱねる頼家です。

12.ちなみにこれは不思議な面子とされます。
『吾妻鏡』では“5”人とされるのに、名前は“4”人しか載っていない。このリストで言うと、上から4番目までで、5人目が不明なのです。
本当に5人か? 5人目は誰か? 実はもう一人いたかも……でも『吾妻鏡』は意図的に減らした。
そんな時代考証をふまえた想像力で上記の6人になっていると。
ともかく劇中の時政は、それでも息子の時連と孫の頼時がいるから、ホッとしています。
って、そういう問題でしょうか。
義時と頼時父子は、“北条”ではなく“江間”として扱われます。

それからMVPが頼家となっており

13.彼にはビジョンがない。
それこそ『貞観政要』でも熟読していれば違ったかもしれない。

14.中途半端にやる気を出す頼家を見ているとそう思えてきます。
彼は非効率的で、わざと相手の神経を逆撫でするようなこともしてしまう。ピュアなところが全部跳ね返るようになっていて、肝心の中身がない。

15.『麒麟がくる』の光秀と比較してみましょう。
光秀は「こんなことでは麒麟はこない!」と初回からずっと絶望を繰り返していました。
彼の中にある「麒麟とは?」という発想は、儒教の教えがあればこそ。
朱子学を熱心に学び、どういう世の中がよいのか、光秀にはビジョンがありました。


11、ここのところですが、順番がおかしいです。
まず頼家が、景時から5人と聞いていたが何人になったかと尋ねる
13人になりましたと義時が答える
不満そうな頼家に、鎌倉殿がやりやすい形を探っていると説明する義時
お前はその中には入っていないのだなと頼家は訊くが、義時の態度ですべてを察する。義時は尼御台の考えであることを話す
頼家は怒りをぶちまけるが、お父上もそうやって支えて来た、我ら御家人をお信じくださいと義時は言い、さらにその後、少ない者に力が集まればよからぬことが起きるとも言う

録画を観る限り、この順番です。従って「どちらかが嘘をついている」のではないし、また「情で丸め込んだつもりでもほだされぬ」は、13人のお披露目の時に口にしています。この、義時と2人きりでの会話の時ではありません。

あと冒頭で書いていますように、この会話の部分で私もミスっていたところがあります。頼家は、義時だけは13人に加わらずに、自分の側にいてほしいと言ったわけですが、その意味を取り違えていました。あらすじと感想2の当該部分、書き直しています。

12、4人しか載っていないとありますが、『吾妻鏡』建久十年(1199)の、頼家の近習に関する記述では「小笠原弥太郎、比企三郎、同弥四郎、中野五郎等從類者」とあり、その後で「且彼五人之外」とあり、この近習が5人であったと書かれています。尚上記4人以外には、和田義盛の子朝盛や細野四郎が入っていたとされています。
あと時政は、時連と頼時がいるからホッとしているわけではなさそうですが…ただ能員が比企が2人入っておったと言ったから、北条だって(2人だ)と言っています。

13、また『貞観政要』ですか…武者さんらしいですね。

14、最初の方で頼家は「父を超える」と言っている以上、頼朝を超えたい気持ちはかなりあったようです。ただ経験不足のため空回りしてしまったということでしょう。

15、また『麒麟がくる』。これも武者さんらしいことです。第一戦国時代と、鎌倉時代を同列に論じてどうなるのでしょうね。それと他の戦国大河の主人公でも、信長などはビジョンを持っており、何と言っても自分が覇者となっていますが。


この後はまた次の投稿にて。しかし一度、武者さんがこの大河を叩くところを見てみたいです。そっちの方が似合う作品ではないか、そう思いますので。

飲み物-海とビール
[ 2022/07/22 01:00 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』再開と大河ドラマの今後

明日から『鎌倉殿の13人』が新たな局面を迎えます。頼家(鎌倉殿)と、御家人たちによる合議のシステムが確立されるわけです。

この大河は前にも書いてはいますが、御家人がメインになっている部分があり、彼らの様子を知るうえではいくらかのプラス面はあるとは思います。ただ三谷さんが『吾妻鏡』をベースにしていると言いつつ、一旦『吾妻鏡』を自分の中に取り込んで「三谷版吾妻鏡」を作り、それに沿って俳優さんを動かしているふしがあります。

この時代のもうひとつの局面、つまり朝廷との関係が思ったほど描かれていないように見えるのは、そういう一面があるからでしょうか。三幡(乙姫)の入内の件は、結局どうなるのでしょう。

ところで先日、『どうする家康』の新キャストをご紹介しました。これに加えて再来年の『光る君へ』の制作発表も行われ、夏から秋にかけては、3本の大河ドラマ関連の動きがあるため、ちょっとカオスな雰囲気が感じられます。新キャストと聞いて、それはどちらの大河かと思うこともしばしばです。

私は2024年大河は、南北朝か幕末かと予想はしていたのですが、どちらも実現しなかったことから、その翌年にまた幕末かと睨んではいます。ただ本当は、江戸時代の上方を描いた作品を観てみたいですね。以前『峠の群像』で、元禄期の大坂の描写が出て来たことを書いていますが、またああいうのを観たいです。いずれにしても2025年は大阪万博の年で、多少それを意識させる作品になることも考えられます。

仮に幕末となった場合、誰が主人公でどの地域がメインになるのかと思いますが、『青天を衝け』が、一応幕府方であったため、今度はまた西国諸藩の可能性がありますね。


飲み物-グラスビールと泡
[ 2022/07/17 01:15 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』新キャストの動画

再来年の大河『どうする家康』、先日新キャストが発表されています。

その時、今回は動画はないのだろうと思ったのですが、実はその後になって動画もアップされています。

新たな出演者発表を動画でお届け!ここだけでしか見られない映像も!?
(NHK ONLINE)

これを見た時、

何だ、動画も一緒に発表すればいいのに

と思ってしまったものです。無論それぞれの事情があり、収録が先送りになったとは思いますが。

ちなみにこの動画、脚本の古沢さんが紹介するのではなく、野村萬斎さんを除く5人の出演者が一堂に会する形を取っています。もちろん出演者同士は密にならず、いくらか間隔を空けています。

ところで12月14日は、赤穂浪士討ち入りの日でした。また『峠の群像』のDVDでも観ようかとも思います。「渋沢市郎右衛門」の中の人が、大変お若いです。

しかし本当に赤穂大河は姿を消しましたね。これに関しては数日前の投稿で触れていますが、もう少し時代を長めに設定するとか、何らかの工夫をしないと、どうしてもネタ切れ感が強くなります。

それとこれは、上方目線だったのもやはり大きいと思います。

飲み物-クリスマスのホットワイン
[ 2021/12/15 01:15 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

今後の大河の時代設定に関して思うこと

先日の投稿分で、思い切って大河の主人公をゲイ設定にするとか、あるいは今まで採り上げたことのない時代で、創作を多く入れて作るのはどうかと書いています。無論、今現在大河の視聴者の多くは高齢者と思われ、その高齢者の反発があることも予想されますが、新時代を謳うのであれば、そのくらいやってもいいでしょう。

しかし、今まで採り上げたことのない時代と一口に言っても、なかなか難しいものがあります。というのも、律令制の時代、つまりまだ武士が登場していない時代は、やはり大河に馴染まないからです。

今まで最古の時代設定は、『炎立つ』で、坂上田村麻呂が登場した平安時代前期であることを考えると、何らかの形で武士が出てこない大河というのは、やはりそれらしさを欠くようです。その意味では近代も馴染みにくいものがあります。特にこちらはオリキャラを中心にしない限り、創作を入れにくいというデメリットもありますので。

今のところ、考えられるのはやはり南北朝、あるいは最近ご無沙汰になっている、江戸時代前期から中期となるでしょう。南北朝の場合、「逃げ上手の若君」北条時行をメインに、中先代の乱を描いてもいいけれど、これだと2クール程度になると思います。それ以外では、前に足利尊氏をやっていますから、今度は楠木正成、新田義貞といった人物を中心に、滅びゆく南朝を描くことになるでしょうか。

そして江戸時代前期。この時代を描くとしたら、武断政治から文治政治への移行、一方で由井正雪をはじめとする浪人たちの不満、赤穂事件そして徳川吉宗による政治までを描くことになるでしょう。

過去に赤穂事件のみ、または徳川吉宗のみが描かれたことがありますが、家光の頃から話を始めて行けば、1年物にふさわしいだけの内容となりそうです。徳川綱吉も、最新の研究をもっと入れていいでしょう。

それから戦国黎明期があります。『麒麟がくる』で、脚本の池端俊策氏がこの表現を使っていたことがありますが、天文年間は戦国時代の黎明期というより、鉄砲を合戦に用いるようになった、その黎明期でしょうね。

ここで、やはり『花の乱』以降遠ざかっていた応仁の乱を復活させ、その後の戦国時代へとつなげて行きます。伊勢新九郎もさることながら、なぜか今まで大河の主役となっていない今川氏を、もう少し前面に出してほしいものです。

ところで、海外で大河的作品は可能でしょうか。例としてアメリカとイギリスを挙げてみます。アメリカは入植以来の歴史はそう長くないので、植民地時代や独立戦争、リンカーンの一代記、南北戦争、あるいは西部開拓などでしょうが、1年枠よりシーズン制で、多分に「今の」視点で描かれることになるでしょう。

イギリスの場合は歴史はそこそこ長いにせよ、歴史上の人物はシェークスピア作品などで採り上げられていることが多く、こちらの放送形態もシーズン制または不定期放送となりそうです。いずれも日本のように、1年である人物とその時代を描き、翌年は全く別の時代、別の人物をまた1年枠で描くケースは、珍しいといえるかも知れません。

飲み物-ホットワイン2
[ 2021/12/13 01:00 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『黄金の日日』に対する疑問点 続き

先日書いた『黄金の日日』関連の続きです。武将でなく商人が主人公であるため、商いが中心になり、それがある意味血生臭さもある戦国大河とは一線を画していますが、しかしこの大河も部分的には結構生臭くはあります。これは単に戦闘シーンではなく、人間関係の生臭さをも含んでいます。

またこの商いが中心というのは、『青天を衝け』とも共通しており、だから今年のアンコール放送となったのかとも思いますが、ただ時代背景が大いに異なっており、それぞれの商いの意味、規模の大きさもまた一概に比較はできません。それに渋沢栄一は一度は武士となっており、海外を見ては来たものの、海外に新天地を求めたわけでもなく、その点でも必ずしも同じ立場の人間とはいえないところがあります。

商い中心といえば、『峠の群像』があります。こちらは主人公は武士ではありますが、製塩を通じての大坂との結びつきが強く、また町人の登場が多い点などでは、やはりどこか似通ったものがあります。
さらに、拠って立つべき藩が存亡の危機にあり、藩士たちの落ち着きどころをどのようにすべきか、主人公が責任者として悩む部分にスポットライトを当てているところなどは、この大河の面白さに一役買っているといえるでしょう。

この『黄金の日日』の2年後に、オリキャラを主人公とした幕末維新大河『獅子の時代』が作られ、その2年後に『峠の群像』、またその2年後に近代3部作の最初の作品である『山河燃ゆ』と、それまで前例のない時代背景や、主人公のあり方を採り入れた作品が隔年で作られているのは、何らかの変化を求める声がNHKにもあったと思われます。
その嚆矢ともいうべき『黄金の日日』ですが、しかし今の視点でこの大河を観てる限り、商人という「新しさ」のメリットという一方で、それに伴う創作の多さというデメリットもあるわけで、何かを新しくする、殻を破るということは、それなりのリスクを伴うものでもあるといえそうです。

今後大河を作り続けるのであれば、徒に「新しさ」のみを追い求めるだけではなく、それが視聴者にどのような印象を与えるのかを、考えておく必要があります。でないと制作サイドの単なる自己満足に終わってしまい、受信料の無駄遣いとの批判の声が高まることになりかねないからです。実際これは『いだてん』で痛感しましたので。


飲み物-ロックグラスカクテル

[ 2021/11/04 00:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

緒形拳さんと大河ドラマ

それからこれも少し前、『風林火山』関連で投稿した時に、Gacktさんの謙信がビジュアル系と紹介されたことに触れていますが、実際反発もあったようです。しかし宇佐美定満役の緒形拳さんが、演技について色々指導してくれ、それがGacktさんが今なお役者を続けている所以ともなっているようです。しかもこの時緒形さんは、既に体調を崩していたのですが。

ところで大河俳優と言えば、人によって思い浮かべる俳優さんは様々でしょうが、私の場合真っ先に頭に浮かぶのは、西田敏行さんとこの緒形拳さんです。主役も脇役もできて―生憎、緒形さん主演の『太閤記』は観たことがありませんが―、その役に難なく溶け込んでいる、役になりきれているという点では、どちらも共通していると言っていいでしょう。

緒形さんの場合、特に印象深いのは『峠の群像』、『太平記』、『毛利元就』そして『風林火山』の4作品です(今アンコール放送中の『黄金の日日』も含めていいかとは思います)。赤穂関連大河で一番面白かった『峠の群像』の、中間管理職的な大石内蔵助が悩むシーンは、それらしき味わいがありましたし、また『太平記』の足利尊氏の父親の貞氏の、ちょっと人を食ったところ、『毛利元就』の尼子経久の老練さ、『風林火山』の宇佐美定満の、これまた曲者ぽい、あの勘助でさえたじろがせるようなオーラなどなど、この方以外ではちょっと考えられないものでした。あと5年はまだ現役を続けてほしかったです。

それから「一番搾り」のCM、これも覚えています。猫がサンマに近づいて来るやつが好きでしたが、その他にも、日常生活の中にありがちな何気ない光景を背景に、ビールと肴を如何にも美味しそうに口にする姿は印象的でした。主に中年より上の男性が対象であったと思われますが、その層に正にアピールできたのではないでしょうか。

それと、緒形さんが亡くなる年に、実写映画『ゲゲゲの鬼太郎 千年の呪い』で、ぬらりひょんを演じています。実写版は実はどれも観ていないのですが、どのような雰囲気だったのか観てみたいと思います。ぬらりひょんと言えば、何と言ってもあの頭が独特ですね。

飲み物-スノーアンドテル

[ 2021/10/18 00:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

秀吉を演じた俳優たち

『黄金の日日』で羽柴(豊臣)秀吉を演じている緒形拳さんですが、この人は大河で実にいろいろな役を演じています。

太閤記-豊臣秀吉
源義経-弁慶
新・平家物語-阿部麻鳥
黄金の日日-豊臣秀吉
峠の群像-大石内蔵助
太平記-足利貞氏
毛利元就-尼子経久
風林火山-宇佐美定満

多少クセのある役に加え、大石内蔵助のような役もうまく演じる俳優さんでした。あと1度大河に出ていただきたかったです。

この緒形さん同様、大河で複数回秀吉を演じた人がいます。言わずとしれた竹中直人さんです。この人はどちらかと言えば、アクの強い、もっと言えば暑苦しい雰囲気が持ち味で、秀吉の演技にもそれがよく表れています。『秀吉』は、どちらかと言えばまだ穏やかな雰囲気でしたが、『軍師官兵衛』になると、権力に憑りつかれた存在としての秀吉になって行きます。尤も『軍師官兵衛』のガイドブックによると、竹中さんはそういう秀吉を演じるのを楽しみにしていたとのことで、あの作品では石田三成の存在もあり、官兵衛を疎んじ始める秀吉の様子がよく描かれていました。

他にも秀吉を演じた俳優さんは多いのですが(と言うより、戦国大河の大部分に不可欠な人物ですので)、私としては

『国盗り物語」の火野正平さん
『おんな太閤記』の西田敏行さん
『利家とまつ』の香川照之さん

こういう人たちの秀吉も好きです。香川さん、もう一度秀吉を演じて貰えないものでしょうか。それこそ、『どうする家康』辺りで。どうも『龍馬伝』の岩崎弥太郎の怪演が印象的ですが、この秀吉もなかなかいいです。あとこれは今までも書いていますが、濱田岳さんに一度秀吉役をやってほしいですね。

飲み物-タンブラーの白ビール
[ 2021/04/13 01:15 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

大河ドラマ雑考-40

先日の『麒麟がくる』で、光秀の丹波攻めかという展開が窺えるという一方で、また駒が出て来て義昭に説教していたらしいです。駒が将軍の側にいるだけでもおかしいのですが、説教するに至っては『江』を思い出してしまいます。恐らくオリキャラは最終回まで出て来るのかもしれませんが、この2人が暗躍(と言うべきでしょうか)するせいで、肝心の光秀の存在感が今一つになっているようにも思えます。

ところでこれも先日、90年代に大河の傾向が変わった一因として、赤穂大河が99年で終わったからと書いています。このせいかどうか知りませんが、最近の40歳以下は、一部を除いて赤穂事件を知らないといった内容のツイを目にしたこともあります。しかし思うのですが、この赤穂事件というのは大河化せずとも、1クールでカバーできるように思えます。『忠臣蔵の恋〜四十八人目の忠臣〜』などというのもありましたが、ああいうやり方でもいいかと思います。ただ若い世代ほどTVを観なくなっていますので、どのような方法を用いるかを検討するべきでしょう。

それと似たような傾向として、所謂川中島大河(武田VS上杉)も、『風林火山』以降は制作されていません。これに関しては『国盗り物語』に見る明智光秀番外編と川中島大河で書いていますが、こちらもワンパターンになりがちで、ストーリーの展開も限られてくるからでしょう。その点『風林火山』は山本勘助視点で、しかも諏訪御寮人(由布姫)との関係が中心という構成に興味を惹かれました。

その打開策としてポスト川中島、つまり武田と上杉の、それぞれの後継者のサバイバルを描くという方法があります。実際『天地人』の時代背景や舞台設定はそれに近いのですが、この大河は基本的に夫婦大河であり、直江兼続の描かれ方が如何にも物足りなく感じられました。御館の乱にしても、もう少し戦国らしく描けなかったものでしょうか。中でも一番笑ってしまったのは「本能寺爆発」ですが、それはともかくとして、これがもう少し掘り下げられていたら、また新分野を開拓できたのかもしれません。

あとこれは再来年の『鎌倉殿の13人』関連ですが、今まで三谷幸喜氏の大河は「敗者」が主人公でした。新選組しかり、真田信繁しかりです。しかしここに来て、いわば勝者である義時が主人公となっています。義時自身、かなりの葛藤に苦しんだこともあったでしょうが、最終的に源氏直系と一部の御家人を滅亡させ、北条氏の執権体制を作り上げたという見方をすれば、やはり勝者と言えそうです。この大河は恐らくは「ポスト源平」の時代を念入りに描くと思われますし、そうなってほしいものです。

飲み物-ホットカフェオレ
[ 2020/12/22 00:15 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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