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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 73その1

『武将ジャパン』、大河コラム第36回関連記事、前半部分への疑問点です。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第36回「武士の鑑」 - BUSHOO!JAPAN
(武将ジャパン)


1.時政は狡猾です。爺様(じさま)こと三浦義明の仇討ちだとして三浦一門をけしかけている。

時政の場合は、武蔵が欲しくて御家人を煽っている感じですね。脇も甘いし。狡猾というのは、自分を利するためにずる賢く立ち回ることであり、寧ろ三浦義村の方がそういう形容がぴったり来そうです。

2.感情に流される義盛と、感情を一切断ち切って進む義村がそこにはいます。同族、同時代、似たような環境でこうも違うとなると、先天性の個性があるのでしょう。

「先天性の個性」と言うより、ここは「持って生まれたものの違い」とでもしてほしいです。

3.今でこそ湘南リゾートのイメージが強い由比ヶ浜ですが、この浜では結構人骨が発掘されます。
当時から「処刑あり、火葬あり」といった調子で、かなり大量に出てくるんですね。
(中略)
今年の湘南は、爽やかなイメージではなく日本版『ゲーム・オブ・スローンズ』こと『鎌倉殿の13人』観光を展開していて、なかなかシュールなことになっていますね。

いつから『鎌倉殿』が、日本版『ゲースロ』になったのでしょうか。武者さんの個人的願望でしょう。

4.間が悪いのが北条泰時です。義時の継室・のえが実は悪女であることを伝えようとして、怒鳴り返されます。
「今はそれどころではない!」
時房に出直すよう諭され、廊下に出た泰時は彼女とすれ違うのですが……なにやらお腹を抱えて苦しそうな表情をして、うめいています。

当初はのえのことで、何か別のことが発覚したのかと思ったのですが、どうもそうではなさそうでした。しかしもう義時も感づいているでしょうし、のえも妊娠している以上離縁は難しいでしょう。

5.ちょっと気になるのが泰時の性格です。
彼は空気が読めません。
どこかギスギスした雰囲気で、父も叔父もイライラしているとなれば、察することもできるはず。しかし彼はそういうことが苦手です。一言で言えば不器用なのでしょう。
そんな夫の欠点を補うのが初でしょう。
これまでも義時と泰時の間でクッション的な役割をこなしてきました。
彼女がいないところだけに、泰時もああなってしまったと。

「そんな夫の欠点を補うのが初でしょう」とあるのですが、無論この回に初は出て来ませんし、彼女がいないからああなったとも一概に言えないかとは思います。私としては、そういう泰時の性格がやや鬱陶しく感じられますが。

6.実朝は下文を取り下げたいと戸惑っています。あんな卑劣な騙され方を祖父にされて気の毒ですが……それでも義時は、一度取り下げたら威信に傷がつくと認めません。
これは世の真理かどうか?
一度決めたことを撤回することの是非とは面白いものです。義村あたりなら案外あっさり取り下げるかもしれない。

征夷大将軍たる人物と、御家人の義村を同列に論じることはできないのではないでしょうか。重みが違いすぎます。

7.『真田丸』の真田昌幸はホイホイ方針を変えて、「朝令暮改の何が悪い!」と開き直っていましたね。
そうすることで「この表裏比興が!」と言われることをどうでもいいと割り切れた。性格が左右しますね。彼は少数派です。

こちらも、なぜ鎌倉時代と戦国時代を同列に論じるのか不明です。ついでながら『真田丸』の昌幸の性格は、戦国という混とんとして掟破りが当たり前とも言える時代とよくマッチして、かなり面白いものがありました。

8.そもそも時房は、北条家の中でも立場が強くありません。異母弟である北条政範の下にいるような立ち位置であるからこそ、りくからも手厳しく言われる。

母親の身分の違いでしょう。りくの子である政範は、若くしてそれなりの官位も貰っており、異母弟と言えども時房は頭が上がらなかったわけです。

9.畠山は必ず討ち取るという時政に、しなだれかかります。
「しい様はいかないで」
「わしは御所に残って鎌倉殿をお守りする」
醜悪の極みを見せつける男女。この姿を覚えておきましょう。
我が身可愛さだけを考えている下劣さ。重忠とちえが蓮の花のような清浄の極みだとすれば、これは泥そのもの。
同じ夫婦愛でも大違いだ!

何だか時政とりくが、「醜悪の極み」だの「我が身可愛さだけを考えている下劣さ」などと言われていますが、時政には時政の考えがあったわけで、一概にこう表現するべきかどうかはかなり疑問です。一方で重忠とちえも「蓮の花のような清浄の極み」などと書かれていますが、何だか気恥ずかしくもあります。無論武者さんがそう思うのならそれでいいのですが、ただあくまでも個人レベルでの話です。
せめて
時政とりくは何とでも武蔵を手に入れておきたく、そのため畠山を討つ必要があった、一方重忠はこの事態にどう対応するべきか悩み、わずかな手勢を連れて、ちえと言葉を交わした後鎌倉へ向かう。この時の別れが、夫婦の永久の別れとなった。
くらい書いてほしいです。

10.なお、この一連の場面で、時政がりくを叱りつけた理由に「女子は黙っておれ!」という言葉はありません。
これは現代への配慮だけでもない。
巴御前のような女武者もいるし、当時は性的な役割分担がそこまで強固ではありませんでした。
本当に畠山は謀反を企んでいたのか?

まず最後の
「本当に畠山は謀反を企んでいたのか?」
改行を忘れたのでしょうか。どうもそれまでの文章とはあまり関係がなさそうなので。
そしてこの「女子は黙っておれ」云々ですが、巴御前のような女武者なら戦国期にもいますけどね。

そしてなぜこのような記述があるのかと思っていたところ、このようなツイを見つけました。

https://twitter.com/Sei_Kobeee/status/1571740540647141376
大河ってそんなにいうほど「戦は嫌でございますぅ」と女どもが言ってましたか?あれだけ長い歴史のものなので全部見ておりませんけど。ミソジニー混じりのインターネットミームの類じゃないかと思っていますが。

この「戦は嫌でございます」はかの『江~姫たちの戦国~』で登場します。ですから他の大河ではともかく、この中ではそういうセリフが出て来ますし(と言うか、第1回からかなり凄まじい展開でちょっと驚きますが)、『花燃ゆ』にもいくらか似た表現があります。しかし武者さん的には、この大河はもう10年以上前のもので、10年ルールが適用されるのではないでしょうか。それとここに来て急にこういうことを言い出したのは、一体なぜなのでしょうね。

11.そうはいっても大軍勢で囲まれたら終わりだと三浦胤義が張り切ると、兄の義村が「黙っていろ!」と諭す。兄弟でも性格は正反対のようで、同時に兄として弟を導く気力もあまりなさそうですね。

ネタバレになりますが、この胤義は後に承久の乱で、京都方について兄と敵対することになります。それもあって、この頃から不仲であるという描かれ方になっているのでしょうか。

12.ここでちょっと気をつけたいのは、兵法の理解度です。
『孫子』や『呉子』などはこの時代にもあり、そういう書籍を読み、理解したとわかる武士の言葉も残されています。
とはいえ個人差があります。
布陣を理解している重忠と泰時は、漢籍を読みこなしているとわかります。重忠は「武衛」が「佐殿の唐名(とうみょう)」だと理解していたし、泰時は『貞観政要』を愛読していると判明しております。
そう言い合う義時と義村。これもこの二人の教養が滲んだ言い回しともいえる。
矛というのは古代中国の武器で、それを収めるというのは漢籍を読んでいれば出てくる言い回しです。時政や義盛は使わなさそうですが、その義盛が重忠との交渉役に選ばれました。

また漢籍ですか(苦笑)。ここで重忠は、武衛のことを理解しているとありますが、ドラマ中で上総広常に、頼朝のことを武衛と呼べと言ったのは義村ですね。

それと「矛」(鉾)ですが、古代中国に限らず日本でも使われており、特にこの鎌倉時代までは武器として使用されたとも言われています。また祭りでも鉾が登場することはあり、たとえば大阪の天神祭には鉾流神事(ほこながししんじ)がありますし、京都の祇園祭の山鉾巡行も有名です。古事記にも出て来ますし、少なくとも矛または鉾は何であるのか、知っている人は多かったでしょう。ちなみに天神祭の鉾流神事は10世紀半ば、山鉾巡行は9世紀半ばの清和天皇の時代に始まっています。


飲み物-スミスウィックのスタウト
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[ 2022/09/23 01:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 69その3

『武将ジャパン』大河コラム関連続きです。

MVPが仁田忠常と比奈とのことですが、私は比奈と善児かなと思います。高岸さんは好演していたとは思いますが。と言うかこのMVP、この回で退場とか、登場回数が多い人を基準にしているように見えます。で、これも先日ちょっと書いた忠義とか武士道の話なので、今回は省きます。

その中で1つ。

この作品は、時代の先取りができる人物が、追いつけない周囲によって死ぬ残酷さを描いている。
思えば源義経や梶原景時もそうでした。

義経は「時代の先取り」だったのでしょうか。無防備に後白河法皇に近づいたことに、頼朝が警戒したのではないのでしょうか。寧ろこの場合、時代の先取りをしていたのは頼朝ではないかと思います。
そして景時。御家人の中では異彩を放つ存在でしたが、それ故に周囲とうまくいかず、孤立したのが災いしたと言えます。逆の見方をすれば、仮に先取りができようと、周囲との折り合いをつけられなければ、悲惨なことになると考えるべきでしょう。この当時は、一歩間違えると刃傷沙汰ですから。

そして『麒麟がくる』の駒について長々と書かれています。これまた先日ご紹介していますので省きますが、それに関して、ファンタジーの定義がどうこうと書かれています。

今回はそんなファンタジー要素の塊のような比企尼が登場しました。
(中略)
それを本作はあの地獄の中に置き、死亡状況がわからないことを逆手にとって生存させ、呪いをかけるように出してきました。
こういうことがファンタジー要素ではないかと思います。
日本における「ファンタジー」という言葉の使い方はそもそもがおかしくて、なんかありえないようなご都合主義とか、ただ単に自分の気に入らないプロットをさして呼ぶようにも見えます。
(中略)
呪いをかけたり、不吉な予兆として出す方がむしろ向いている。

駒の登場をファンタジー呼ばわりされたこともあり、ファンタジーの新定義をここで持ち出して来たように見えます。以前武者さんは、『江』や『花燃ゆ』に対して、ファンタジーという言葉を使ってはいなかったでしょうか。

そしてこれも、武者さんが『鎌倉殿の13人』を肯定している(どうもご都合的なところもありますが)からこそ、こういう論調になるわけで、嫌いな大河であれば、この部分も散々に言っているでしょう。で、例によってまた『ゲーム・オブ・スローンズ』がこの後に登場します。これを書きたくてたまらないのはわかりますが。

でその後の部分に、迎合していく怖さとかいやらしさ、おぞましさが詰め合わせになったようだなどと書かれていますが、人間は社会を作る動物であり、今ある体制に自らを適応させ、生き延びて行くわけです。寧ろこの大河では、そうせざるをえない主人公の心境をも描いてはいるのですが、その辺をきちんと理解できているのでしょうか。このコラムを見る限りでは、彼の秘めたる苦悩のようなものに触れず、悪意ある人物のようにしか見ていないようで、そういった部分で武者さんの、ライターとしての素質にいくらか疑問符を付けざるを得ないのです。

そして然る後に
「今年の大河は勉強になります」
歴史のみならず、人間心理の勉強と武者さんは言いたいようですが。まず大河は歴史の勉強ではなく、歴史に関心を持たせるきっかけであり、また歴史をどうドラマ化するかという興味への回答だと思います。そして人間心理ですが、特に「勉強」と構えなくても、普通に観ていれば大体のことはつかめるし、大河のみならず、ドラマを観る楽しみの1つはそれでしょう。無論これも、嫌いな大河なら散々に言っているのでしょうが。

それから小檜山氏名義でこういうツイートもあるのですが、

https://twitter.com/Sei_Kobeee/status/1562261701617397760
「義時のなんちゃら」系のお菓子、一体何を味わえというのか!と怒りながらひっくり返したくなるな…。義時の心の味なんて、むしろ食べたくない。

食べようが食べまいが小檜山氏=武者さんの勝手ですが、これを喜んで味わっている人もまたいるのをお忘れなく。しかしこういうのを見ると、やはり前述のように義時は悪人で、その悪人ぶりが面白いというような見方しかできていないように思えますね。

あとこれも恒例のと言うべきか
「胸がぐるぐるするとか、おかしれぇとか、そういうことばかり言っていては世間から騙されてしまう」
先日ストローマン話法について書いていますが、これもその一例でしょう。主人公のセリフの一部を切り取り、それをさも何かのように、糾弾するような姿勢も如何なものでしょうね。

それと、このブログも変換ミスはあるし、見つけ次第修正はしていますが、このコラムも「挙兵寺」などとありますし、ドラマ本編の記述に関してもおかしな部分が見られますし、チェッカーを付けた方がいいのではと思っています。

飲み物-ウィルトシャービール

[ 2022/08/26 01:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 67その3

『武将ジャパン』MVPと総評ですが、何でもMVPは全成と実衣だそうですが、例によって出番が多い人々をMVP認定しているように思えます。全成はともかく、私なら比企能員を選びますね。そもそもMVPというのが、ページ数を増やすためだけに存在しているようにも見えます。

で、例によってかなり長々と書かれているので、主な部分だけピックアップしておきます。

しかも(注・全成の呪詛は)この時代ならではのもので、もっと後の仏僧ではこんなことあまりしないと思います。そういう未分化の呪術に意味を持たせる所作をするって、相当大変な努力が必要だと思えます。
そういうことに気を抜かなかったからこそ、豪雨の中で祈り、奇跡を起こすという場面につながったのではないでしょうか。
気を抜いているようで真剣に真面目に呪詛祈祷をしていたからこそ、ああいう凄絶な場面になったと思えます。

「そういうことに気を抜かなかったからこそ」とは、どのようなことに気を抜かなかったからなのでしょうか。また、大変な努力とはどのような努力なのでしょうか。そういうのが書かれていないから、このコラムにありがちな曖昧な雰囲気のままで終わっています。
あのシーンは恐らく、それこそ日蓮の龍の口法難をベースにした創作でしょうし(『吾妻鏡』では知家が処刑したとしかありません)、また全成があのシーンで「気を抜いていた」ようにはとても見えないのですが。

全成はトボけていた。実衣は野心にギラついて嫌われかねない性格の悪いところが出てしまっていた。
これから先、この二人はあの凄絶な最期と、ほのぼのとした夫婦愛を同時に思い出すことになるのでしょう。

というか、全成は三谷さん一流のコントシーンに登場することが多かったですね。実衣は野心にギラつくと言うよりは、北条の娘であり、周囲も身内やその家人であり、さらにあの思ったことをずばりという性格ですから、逆に隙を与えた感もあります。寧ろ野心にギラついているのはりくの方であり、実衣があのくらいの隙のなさであれば、また全成共々違った運命を与えられたでしょう。

またこの二人はとありますが、全成は既に亡く(他に意味があってこう書いているとも取れますが)、実衣がかつての夫の思い出と共に生き、兄義時から聞かされた夫の最期を、折に触れて思い出し、あるいは千幡にそれを伝えるのでしょうか。

死んだ全成も気の毒ですが、叔父の粛清という素晴らしいカードをきちんと切れない頼家も苦しくなってきました。
せっかく全成を殺すのならば、その領土なり地位を分け与え、かつ御家人を引き締めるように持って行けたらよかったかもしれない。

この場合全成に直接手を下したのは八田知家であり、そうするように差し向けたのは、比企能員ではないかと思います。頼家は、この叔父がしたことに対して怒りはしましたが、最初は流罪であり、尚も(能員に命じられたとはいえ)、呪詛を行ったため処刑に及んだわけでしょう。それに全成の領地である阿野荘は、嫡男時元に与えられなかったでしょうか。

中国史ならば前漢・劉邦、明・洪武帝が得意とするところです。
功臣粛清なしで王朝を築けないか?
その答えが泰時愛読書『貞観政要』にあります。

ここでまた中国史。中国史について書かないと、このコラムはOKが出ないのでしょうか。この時代は前漢でも明でもなく、日本の鎌倉時代初期です。

で、某カルト教団について触れた後で、ネット会話の「神」についてどうのこうの。

「この脚本家のあの作品は素晴らしかった! だから今度も神脚本になる!」
これも一種の信仰です。
ドラマの出来がいかに悪くなって、脚本家が名義貸しばかりのような実態でも、見る方がひとたび信じれば、その人にとっては真実になります。
私は三谷さんは好きだけれども、別に信じて崇めているわけではありません。
実際に見て面白ければ納得するけど、そうでなければ突っ込む。
それが“信仰”に依らぬ理性での判断でしょう。
今回の『鎌倉殿の13人』には、そんな人間と信仰の本質も見えるような仕掛けがあって面白い。

「“信仰”に依らぬ理性での判断」
とありますが、このコラムを今まで観て来た限りでも、寧ろこの大河は絶対というか、「この脚本を信じています」といった記述も少なからず見られますし、「信じて崇めているわけではありません」などと強調するところも、どうも疑問に思えてしまいます。
そもそも
「今回の『鎌倉殿の13人』には、そんな人間と信仰の本質も見えるような仕掛けがあって面白い」
とありますが、「人間と信仰の本質も見えるような仕掛け」と言うのは、具体的にどういうことなのでしょうね。そういう仕掛けがあるのなら例を挙げてほしいのですけど。

また義経が登場していた回などは、義経と重忠はイケメンでどうこうと、『花燃ゆ』や『青天を衝け』で批判していた点をここでは評価していてダブスタだなとは思います。あと「ドラマの出来がいかに悪くなって」は、『平清盛』と『カムカム』の脚本家さんのことでしょうか。

そして
「でも、だからこそ「神回」とか「神脚本」という呼び方は好きになれない。
信仰ではない理性で判断することも必要なので」
なのだそうですが、別に神回、神脚本でもいいと思います。ファンによっては、そう呼びたい時もあるでしょうから。寧ろこうい意見に対してあれはいやだ、アンチのは見たくないなどと一々言うのであれば、ドラマのライターなどなさらない方がいいのではないでしょうか。すべてが武者さんの理想通りに進むわけではないのですから。

そしてまた『麒麟がくる』。

『麒麟がくる』の光秀もそうですが、義時も“巻き込まれ型”です。自分が先頭に立ち、かっこいいリーダーシップを発揮するわけでもない。
しかし、結果的に何かしている。
大河の主人公といえば颯爽とした笑顔で、さわやかに活躍するイメージがあるかもしれない。
それが結果として受け身で、どんどん目から光が消えていく……ってのは一体どういうことなんだ。
そんな中で、義時が己の使命に覚醒しましたね。
「ようやく分かったのです。このようなことを二度と起こさぬために何をなすべきか。鎌倉殿の元で悪い根を断ち切る、この私が!」
義時はものすごく我慢している。耐え抜いている。いつもギリギリだ。

これ、あらすじの方では「義時にはビジョンがない」と確か書かれていたと思いますが、ここで「結果的に何かしている」とあります。要は光秀は一旦壊れた体制の再生を夢見ますが、義時の場合は出来上がりつつある体制の死守ということであり、守るということは、妨害する勢力を根こそぎ封じてしまうわけですから、このようなセリフになるわけです。
それと義時も当初はいささか地味ながらさわやかな印象でした。大河の主人公は、大体夏から秋頃にかけて、人生の大きな課題に直面し、年齢も重ねてさわやかさは失われて行きます。何度も書くようですが、武者さんの嫌いな大河の主人公もまたしかりです。

それと
「義時はものすごく我慢している。耐え抜いている。いつもギリギリだ」
何だかこういう部分の表現が、失礼ながら幼稚な感じですね。義時は最早鎌倉幕府にあだなす者に容赦はせず、常に構えるようになったというところでしょうか。

比企一族との対峙については、よりえげつない設定に進みそうな本作。
次週以降、さらに救いがないでしょうから、身構えておきたいところです。

というか、もう大体どのようになるか予想はついています。比企能員の変が次回ですね。でさらに頼家の死、和田義盛の討伐と続いて行くのでしょう。

今年の大河は日本版『ゲーム・オブ・スローンズ』路線であって欲しい。そんな願いが叶いつつあります。
主人公の目から光が消えるという意味で、司馬懿主役の『軍師連盟』にも近い。

別に大河は『ゲーム・オブ・スローンズ』でも中国映画でもないし、またそうある必要もないのですけどね。
他にどのような映像作品を観ようが武者さんの勝手ですが、なぜこういう明らかに違う文化、違う時代設定のものになぞらえたがるのでしょう。

追い詰められたらどんだけ酷いことをするか、義時は証明してくれます。
全成は誰も恨むなと言った。義時は恨むことすら忘れている。
ただ害虫の巣を焼き捨てるような動機と衝動で、これから血塗られた道を歩むのみ。
義時を怒らせた連中が悪いのです。

追い詰めるというより、それぞれ守る領分があって互いに譲れないということでしょう。義時は恨むことすら忘れているのではなく、私怨というのがプラスにならないからではないでしょうか。例えば比企能員は多分に私怨に囚われている感があり、その辺りが能員と義時がかなり異なって見える一因かと思われます。

しかし
「害虫の巣を焼き捨てるような動機と衝動で、これから血塗られた道を歩むのみ」
もうちょっと表現を工夫できないでしょうか。「風雲急を告げる中、彼は今後獅子身中の虫というべき存在と対峙し、やがてもっと大きな存在にも戦いを挑むことになる」と、一応書いておきます。
それと「義時を怒らせた連中が悪い」というのは思考停止に過ぎますね。相手にも道理があるし、逆に義時に嵌められた人もまたいるでしょう。武者さん、最近あまり引用しない『八重の桜』の、「西国諸藩にも義がある」という意味の言葉、時代は違いますがあれにやや近いかと。

飲み物-マグとビール
[ 2022/08/12 01:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『ちむどんどん』第17週感想-2

まず、先日投稿分の疑問点、気になる点をもう一度挙げておきます。

第81回
  • 田良島デスク「若者はいつも自分の力で障害を乗り越える」
  • 同じく田良島デスク「和彦君のように意志が強く誠実な若者」
  • フォンターナに一番遅く出勤する暢子
  • 売上金と権利書を持って行かれたと言うが、売上金は銀行の夜間金庫に預けないのだろうか。権利書も本来は房子が持っているべきもの
  • なのに警察に届けず、三郎に一任したがる房子
  • 結婚の許しもないのに、琉装の衣装を試着する暢子
  • 青柳家にまだ弁当を届けている暢子
  • 矢作絡みで反社と思しき人物がやって来るが、名義変更もしていないのに、これを返済に充てるから買い取ってくれと権利書を見せるリーダー格の男

そして第82回です。
  • 実印だけは貸金庫にある房子
  • 房子「私がこれまで皆さんを裏切ったことがありますか」矢作たちの件は?
  • 房子の対応を和彦にぺらぺら喋る暢子
  • 挨拶してから肉詰めするの?それ前菜でしょ?
  • 客のテーブルから離れない暢子
  • そして自分語りを始め、「一日も欠かさず料理だけはしてきました」と話す暢子
  • 例の反社勢力と思われる人物がいちゃもんをつけて帰った後、即座に客が帰り始め、和彦も重子と一緒にそそくさと帰ってしまう
  • 房子と二ツ橋が詫びているのに突っ立っている暢子

まず先日の田良島デスクの言葉ですが、和彦は自分の力で障害を乗り越えたのではなく、愛が身を引いてくれたから、暢子との結婚を決めたのでしょう。しかも一連の彼の行動を見る限り
「意志が強く誠実」
とは、正直言ってあまり思えないのです。本当に誠実なら愛への対応もまた違っていたでしょうし。寧ろこの言葉は智に当てはまるかも知れません。

そしてフォンターナに泥棒が入り、売上金と権利書を盗まれた件ですが、夜間金庫を利用しないのもおかしいし、権利書は名義変更しないと売却はできません。何やかやとおかしなことが多いのですが、房子は実印だけは貸金庫にあるらしいです。それとフォンターナの金庫が出て来ますが、ああいうのに売上金を入れていたのでしょうか。あまゆであれを使うのならまだわからなくもないのですが。

房子の「裏切ったことがありますか」。この盗難事件の中心人物でもある矢作は、房子の従業員の扱いに不満を持って、仲間2人と辞めたのではなかったでしょうか。そしてその矢作が立ち上げたレストランの資金繰りがうまく行かず、例の反社勢力とつるんでしまったようですが、どうもこうにも、ここに至るまでの経過が呆気なさすぎるし、この矢作がいつも貧乏くじを引かされているように見えます。

さらにあまゆで暢子が、房子の反社勢力との対応を和彦に話します。口が軽いなと思います。

さらに和彦が重子を連れてフォンターナにやって来ます。ここで暢子が挨拶をし、それから前菜の仕込みをしていますが、これは前菜なのですから、お客に出せる状態にしてから挨拶するのではないでしょうか。しかも、この仕込みの様子が如何にも手馴れていない感じです。もうここに入って7年目になるはずなのですが。ところでこの当時ペペローネ、つまりパプリカはまだ日本にはなかったそうです。あれは赤ピーマンなのでしょうか。

しかも暢子、その後もテーブルに張り付いていて、何やら2人を監視しているかのようです。そして身の上話を始めます。しかしフォンターナはあくまでも彼女に取って職場である以上、あくまでも挨拶程度の言葉に留めておくべきかと思います。あれでは公私混同といった感じです。

それとフォンターナに入って以来、「一日も欠かさず料理だけはしてきました」と言っていますが、これはフォンターナの料理のことでしょうか、それ以外も含まれるのでしょうか。もし前者のことだとしたら、あれだけ休んでいたのに、どの口がとも言いたくなります。せめて、入店以来プロの料理人をめざし、休日でも料理をするように心がけました程度にしておけばいいのに。

ちなみにこの件、『あさイチ』で、二ツ橋と矢作以外の料理人がわからないと突っ込まれていたようですが、実際字幕を出さない限り(字幕だと役名が出るので)、誰がどういう名前なのか見当もつきません。いつまで経っても、二ツ橋と暢子以外はモブキャラ扱いなのですね。

そして和彦の
「三郎さんとオーナーは何で結婚できなかったんだろうね」
ですが、それを言うなら、なぜ和彦と愛は結婚できなかったかのと突っ込みたくなります。三郎と言えば、そもそもこの事件をこの人が解決する、その理由がよくわかりません。警察を呼べない事情があるとしか思えないのです。

その三郎は、「親が決めた相手と結婚しなきゃならない時代でもないし」と言っています。しかしだからと言って、相手が6年以上も接客の仕事をしていながらろくに挨拶もできないとか、しつこく弁当を持って押しかけたりしていては、やはりふさわしいとは認めて貰えないでしょう。そして三郎の妻多江も「反対されても負けないでほしい」と言うのですが、暢子の場合負けないと言うのは、相手にどのような迷惑をかけても我を通すのとほぼ同義です。

重子は、房子のことも興信所を使って調べたようです。相手の素性を知るには手間とお金を惜しまないですね。過去とは縁を切ったと言う重子に、房子は毅然と
「過去とは縁を切れません」
と言います。しかし房子はイタリアで修業をしてもいるはずなのですが、それはなかったことになっているのでしょうか。それはともかく、暢子が作った前菜を
「この子が作った料理」
というのはさてどのようなものでしょうか。家に招待して料理を振舞うのならこの言い方もあるでしょうが、せめて当店の味とか、暢子の料理というのをを強調させたいのなら、「この比嘉が腕を振るいました」などと言うのでは。

前にも書きましたが、そして大河と比較するのは何ですが、これなら『花燃ゆ』の方がまだ面白いです。あちらは男性パートとか、群馬編の一部はまだ楽しめました。


飲み物-アイスコーヒーブラック

[ 2022/08/02 23:30 ] その他 | TB(-) | CM(0)

大河ドラマ雑考-59 視聴率と大河ドラマの「しつこさ」

視聴率について、あまりあれこれ書くのも何ですが、前回の『鎌倉殿の13人』、11パーセント台にまで落ちています。元々戦国時代などでない限り、今は平均で10パーセント台前半というのが当たり前になっていますし、戦国大河であっても、せめて15パーセント台前後といったところでしょう。無論先行放送や再放送、あるいはTVを観ない人や裏番組優先の人が多いのも、リアルタイムの視聴率を下げている主な原因ではあるでしょう。しかし数字の下がり方が、予想外に早いなとは思います。

その『鎌倉殿の13人』なのですが、私としては源平合戦の後の描かれ方が、ちょっと今一つの印象があります。あとこれは三谷さんの脚本にありがちなのですが、セリフが長く、それがしんどく感じられることがあります。TVというのは特にセリフがなくても、表情とか周囲の風景などで、人物が置かれている状況を表現できるのですが、それぞれのシーンがセリフで埋め尽くされている感がなきにしもあらずです。前回の頼家と義時のやり取りなども、それと似た印象を受けました。

これだったら、『青天を衝け』の方が寧ろ面白いと思います。無論『青天を衝け』も、やはりおかしいとか不自然だと思うシーンもありましたが、特に『鎌倉殿』の場合、ひところの全成の登場シーンに見られる、コント的な乗りはやはり受け付けられませんでした。しかも1度のみならず、同じような演出が繰り返されるのはどうかと思いましたし、こうすれば皆面白がるだろうなという、制作側の意図が見えるような気がしました。

無論今までにも、言っては何ですが、そういったある種のあざとさを感じたことはあります。たとえば『おんな城主 直虎』で、茶碗をわざと落とそうとしてみたり、エクセルまがいの計算方法を直政が考えたりするのは、私としては抵抗がありましたし、『麒麟がくる』で、アラビア数字の計算式が画面いっぱいに出て来たりするのも、やはりどうかとは思いました。それを考えると馴染めない部分も多々ありましたが、『花燃ゆ』などはまだ制作サイドに迷いがあり、それゆえにまだ受け入れられる部分もありました。

さて前出視聴率に戻ります。世帯視聴率のみを発表するのもどうかと思いますが、それが常に東京の数字のみである必要もまたないかと思います。大河とか朝ドラなどは、その舞台になっている地域の数字も出すべきとは前から書いてはいますし、同じ作品でも東京と大阪ではまた反響が違うでしょうから、いささか手間がかかるものの、ここは複数の視聴率を出してしかるべきではないでしょうか。

蛇足ながら。先日『突撃!カネオくん』で、あんこを特集していました。あんこが作られる様子に、あの『カムカムエヴリバディ』を連想してしまいました。

飲み物ーアイスカフェオレ2
[ 2022/07/21 00:00 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

小檜山氏note記事とツイへの疑問点

まず小檜山氏のnote記事です。

プロパガンダとしての大河と朝ドラ
https://note.com/54seikobi85/n/ne33a063b5e34

しかし思うのですが、その「プロパガンダ」である大河と朝ドラのレビューを書いて報酬を得ているのは、他ならぬ小檜山氏=武者さん自身だと思うのですが。要は、自分が嫌いな大河と朝ドラはプロパガンダであると言いたいのかも知れません。ならばそういう作品の時は、レビューを書かないというのも一つの方法でしょう。

では一部抜粋します。

大河についていえば、2015年と2018年は流石に露骨すぎたのか、いわゆる大河クラスタでも感づいた層が多いのか、駄作枠とされました。
 不可解なのは2015、2018とできの上ででは大差がないにもかかわらず、なぜか熱狂的な一部支持を集めていた2019と2021です(といってもあくまでネット観測値であり、実数は取れてませんが)。

まず何が具体的に「露骨」なのか不明です。そしてこのブログでも書いていますが、私は2015年の『花燃ゆ』は、主人公のおにぎり作りや、椋梨藤太邸前での号泣、奥女中のシーンなどは馴染めませんでしたが、一部の男性パート、あるいは多少メロドラマ的ではありましたが、群馬編などはよかったと思います。

2018年の『西郷どん』は、全く疑問がないわけではないもののかなり好きでしたし、実際周囲に面白いと言う人もいました。特に奄美大島編などは評価されていましたね。

そして2021年の『青天を衝け』、これも一部疑問はありましたが、血洗島の藍農家のシーンや、天狗党関連で栄一が彼らを諫めるところなどは好きでした。最後の方が年表風になったのは残念ですが、オリンピックがこの年に決まった以上、やむを得ない部分もありました。また栄一の女性遍歴も、逐一描くわけには行かなかったでしょうし。2015年や2018年、特に2018年と大差がないというのは私も感じますが、それは寧ろ肯定的な意味での話で、特に主人公の生家や仲間の描写などは、両作品ともかなり受け入れられるものでした。

ただ小檜山氏に取っては、自分が嫌いなものは、皆も嫌いでないと嫌なのでしょうね。尚2019年の『いだてん』は、第6回までしか観ていないので何とも言えません。

また小檜山氏の場合、幕末から近代物、特に西国諸藩や徳川慶喜絡みが気に入らず、そういうのはすべてプロパガンダだと決めつけているふしはあります。好きな人も嫌いな人もいる、人それぞれと思っていればいいのではないかとは思いますが。一方で好きな作品に対しては基本的に無批判なのですね。

あと朝ドラでは、案の定と言うべきなのか『マッサン』、『あさが来た』、『わろてんか』、『エール』そして『まんぷく』などがやり玉に挙げられています。

では『ちむどんどん』関連です。例の、智が農家で野菜の買い付けをしているシーンですが、小檜山氏のnote記事にはこのように書かれています。

『ちむどんどん』第64回 歌子は歌いたい
https://note.com/54seikobi85/n/n9b78b7bda019

智は沖縄に仕事で出張し、できる仕事人ぶりを見せつけます。賢秀と大違いだな、おい。沖縄食材を仕入れて東京で売るだけでビジネスチャンスなんだぞ、にーにー。でもヒントではある。特質のある豚肉でビジネスだ!

とあるのですが、
「沖縄食材を仕入れて東京で売るだけ」
先日の投稿でも書いていますが、この当時沖縄や南西諸島でウリミバエの被害があり、植物防疫法によって農作物を持ち込むのは不可能だったはずです。これが解禁されるのが1993年ですからかなり先です。なのに、なぜそれに関する考察がないのだろうと思います。

それと小檜山氏ツイでこういうのもありました。

自分の意見が言えてスキルのある若い女が嫌いだ!ちむどんヒロインむかつく!って素直にいえばよいのでは?

「自分の意見が言えてスキルのある若い女」とは、暢子のことだと言いたいのでしょう。しかし私の場合、これに当てはまるのは暢子でなくて愛ですし、愛はあの中では好感が持てるキャラです。

あと

ちむどんアンチタグや記事、沖縄出身の貧困家庭からきた若い女は何をしてでもぶん殴りたい、そんな心性は観察できて興味深い。

ちむどんアンチが勢い余って沖縄差別をフルスイングしている点こそ、むしろルール違反で不正義だと思いますが。沖縄への知識なしで叩いていたりして、指摘されると怒り出す。

などともありますが、アンチタグのツイで、沖縄差別などというのは殆ど見たことがありません。あくまでも人物描写がおかしいとか暢子が料理人らしくない、あるいは暢子と和彦や智の関係の描写について行けないといったツイが、私が見る限りではメインになっています。

それと「沖縄への知識なしで」などとありますが、小檜山氏は前出のように、植物防疫法の存在に作品内で言及しておらず、あたかも農作物を持ち込めたような展開になっている点に何の疑問も呈していません。寧ろ小檜山氏にこそ、「沖縄への知識」を持ってほしいです。

ところで『ちむどんどん』、料理関係の考証をしているシェフの室井氏が、助言はしているとコメントしていたらしいのですが、制作陣がそれを無視しているのでしょうか。

これで思い出すのが『江~姫たちの戦国~』です。これも考証の小和田哲男氏が助言したことと、実際の作品とが異なっていたようで、それを考えると、制作統括の責任は大きいと言うべきでしょう。


飲み物-グラスに入った黒ビール
[ 2022/07/11 01:30 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』と『花燃ゆ』と末永創氏

タイトルの話題に行く前に、先日の投稿関連の、『武将ジャパン』コラムの土肥実平と北条時連の比較に関してもう少し。コラムでは石橋山の戦いの後、土肥実平が木の実を食べているが、新世代の時連ならもっと洗練された食べ方をするといった書かれ方をしています。

これに関して私は、両者を比較するにはそれぞれの条件が違いすぎること、ならばいっそのこと、勝利しながらも追われる身となって奥州へ逃げ、農作業をしている義経の方が、まだこの時の実平と相通じるものがあると書いています。また新世代などというのも、武者さんが勝手にそう言っているにすぎません。

このコラム全てに言えることですが、比較するにしてもその対象が適切でないことがあり、正直言って日本語の表現もおかしいです。武者さんが歴史に関してどのように考えているかはともかく、不特定多数の人物に読ませる文章を、それも有料コラムに書くにはいささか不向きな人ではないでしょうか。仮にこれが炎上目的であっても、工夫がないなと思われます。朝ドラ関連でも、首をかしげたくなる表現が目につきますが、これはまた朝ドラ関連投稿で。

ところで『鎌倉殿の13人』ですが、この大河のチーフディレクターは末永創氏です。この人の名前を目にしたことがあるという方もいるでしょう。『八重の桜』、そして『花燃ゆ』の両方で演出を担当していました。

以後はあくまでも主観ですが、『鎌倉殿』で女性同士の会話(特に政子と実衣、りく)が多いというのは過去何度か書いています。それで思うのですが、女性主人公大河を手がけて来た末永氏と、この女性同士の、場合によっては女子トーク的な会話のシーンの多さとは、何か関連しているのかも知れません。

とはいうものの、女性大河の演出経験の多さ即ち女性パートの多さとは言えないようです。『花燃ゆ』は、すべて録画してディスクに入れているのですが、観返してみると、必ずしも文(美和)がおにぎりばかり作っていたり、女性だけでわいわい喋っていたりといったシーンばかりではありません。男性パートは比較的きちんと描かれているところもあります。

そのせいもあり、『おんな城主 直虎』よりも面白い所があると何度かここでも書いています。この男性パートの描写に関しても、『鎌倉殿』と相通じるものがあると言ってもいいでしょう。実際この『花燃ゆ』の蛤御門の変(禁門の変)関連回、これも末永氏の演出ですが、どこか『鎌倉殿』の戦シーンとダブるところがありました。

それから文が美和と改名して、女中として城に上がることになりますが、この時日出(ひので)という奥女中が登場します。この日出を演じていたのは、実は『鎌倉殿』で亀を演じた江口のりこさんです。

あと大河ではありませんが、『ちむどんどん』の暢子役の黒島結菜さんが、高杉晋作の妻である雅を演じています。

今になって観返してみると、確かに粗も目に付きますが、シーンによっては納得できることもあります。また長州大河のせいもあり、蛤御門の変関連の描写にかなり尺を割いています。ただどうしても実際に戦や政変に立ち会っていない主人公、あるいはその周辺の女性たちの世界観が絡むため、男性主人公の大河に比べると、迫力に欠けるのは否定できないでしょう。


飲み物-テーブル上のアイスカフェラテ
[ 2022/06/04 01:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 45

『武将ジャパン』大河コラム後半部分です。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第19回「果たせぬ凱旋」 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)
https://bushoojapan.com/taiga/kamakura13/2022/05/16/168242

1.里は比企一族らしい。比企能員とその妻である道も、正攻法ではない手段で、利益を得ようとしていた。(中略)河越重頼の娘なのですが、ドラマでは父方の血統はすっ飛ばし、母方である比企の血を強調しています。

2.今年は殺陣にも気合が入っています。まだ武術の流派が確立するはるか前なので、荒々しい動きをし、迫力を出す。実にいい。最近の大河で「この俳優は剣道部に所属していた」という記述を見かけました。剣道の経験がないよりある方がよいとは思いますが、必ずしも当時を表現する上で相応しい動きになるとも限りません。(中略)漫画やゲームのような鮮やかすぎる殺陣になってもよくないんですね。その点、本作は、視聴者に中世日本らしさを想像させる、よい殺陣ではないでしょうか。

3.ムードメーカーの義盛が立つと、もう誰も拒めない。そしてそんな義盛に着火できる役目が、重忠にある。見事な連鎖反応が起きました。

4.いくら京都で人気だと言っても、肩を持っているのは戦に出なかった連中ばかり。一緒に戦った連中は、ついていこうとはしない。

5.もう一度あいつの元で戦いたいか?
否! 俺たちがそうなら、京都の連中もそうだろう。あいつをチヤホヤしている連中は、戦が何かわかってない連中だけだ。
とまあ、こんなふうに一点からどんどん手札を増やし、仮説を作り上げてゆきます。
ミステリだとシャーロック・ホームズが似た思考回路を使います。
日焼けして足を引きずっている医者となれば、アフガニスタン帰りだ!……簡単なことだよ、義時くん。

1、里が比企一族と言うのは、既に第13回で紹介されています。そして、土佐坊昌俊に静を暗殺させようとしているシーンですが、これを叔父と叔母である比企能員と、その妻道に重ね合わそうとしているのは無理がないでしょうか。そもそもこの当時、能員は頼朝の側近ではありましたが、そこまでの陰謀を企む人物ではなかったのですけどね。
「ドラマでは父方の血統はすっ飛ばし」
などとありますが、彼女のこのような行動が、本当に比企の血であると言い切れるのでしょうか。

2、「今年は殺陣にも気合が入っています」
前にもこのような記述を見た覚えがありますが、それぞれの大河で、それぞれの時代に応じた殺陣を指導しているだけだと思います。昨年しかり、一昨年しかりでしょう-一昨年の、ジャンプしながら相手を斬るのは違和感がありましたが。
それと
「最近の大河で『この俳優は剣道部に所属していた』という記述を見かけました。剣道の経験がないよりある方がよいとは思いますが、必ずしも当時を表現する上で相応しい動きになるとも限りません。」
吉沢亮さんのことでしょうか。剣道経験者ですが、剣術に不慣れな栄一をうまく演じていたと思います。ついでながら『花燃ゆ』の東出昌大さんも剣道経験者ですね。

3、「連鎖反応」とありますが、これは一つの物事がきっかけでまた別の物事が引き起こされるという意味で、この場合皆が上洛に同意したと言うか、コンセンサスを得たといったところでしょう。

4、義村のセリフを踏まえてでしょうが、「一緒に戦った連中」ではなく、その戦った連中の中の「命拾いした兵」にしてみれば、「無謀な戦ばかりの」大将にまたついて行こうとは思わないと言っていますね。要は懲りたということでしょうか。

5、「手札を増やし、仮説を作り上げて行きます」とありますが、義村自身従軍しており、京での噂も耳にしているでしょうから、義経とその兵たちについて、どのような状況であるか察しはついたでしょうし、多分に本人の経験によるものと思われます。あと武者さん、以前もホームズを出していたことがありますが(時代的に正しくありませんでしたが)、他のミステリも引用してはどうでしょう。それと
「日焼けして足を引きずっている医者となれば」
ですが、元々のワトソンは「左腕」を負傷しています。パスティーシュで左脚負傷となっているのはありますが。


6.ここまできて、やっと行家は自らが宿した死神に食われたのでしょう。
そんな行家と比べると、源頼朝という大物が義兄となっても欲に揺らがない北条義時は大した男です。ふるまいをわきまえた男に思えてくる。
ともかく源行家をいやらしく演じた杉本哲太さんが、お見事でした。彼がこの役で本当によかった。

7.綸言(りんげん)汗の如し。
天子の言葉は汗のようなもので、そう簡単にキャンセルできないということです。
ホイホイ撤回されるだけでは嫌で仕方ないので、せめてもの抵抗をしたのでしょう。こういうことをすると、権威が低下して信頼度も下げるため、禁じ手でもあります。

8.後白河法皇は、つくづくしみじみと、最悪だと思います。
彼は悪事を成し遂げようという思いはない。ただ、自分がエヘラエヘラしながら生きていければよい。
そのために周囲を平然と振り回します。プライドも何もあったものでもない。
(中略)
検非違使と受領を兼任しても別にいいし。宣旨なんて出して引っ込めて、引っ込めて出して……それでいいもん。
こんなルールも何もあったものじゃない相手に、まっとうな大人は対処ができません。
そしてそういうことをするから、武家の政権が成立することもわかる。
自分のことしか考えられない幼稚な人間は、実に罪深いことをやらかすものです。

9.お二人(注・西田敏行さんと鈴木京香さん)は奥州、つまりは福島県と宮城県の出身。後白河法皇当人の時代には、それこそ野蛮とみなされた場所の出身なのです。そんなお二方が京都に生まれ、人々を手玉にとる側を演じている。歴史っていうのは皮肉だと思いますし、痛快爽快なキャスティングだと思えます。

10.法皇と行家は、悪とは何か?ということを考えさせてくれる、秀逸な人物像でした。
流石にこの二人と並べるとかわいそうだけれども、里も悪い。
あの襲撃計画についてきっちり素直に説明して謝罪すれば、ああはならなかった。自己保身のために破滅します。
八重の言葉が真実をついていると思えます。
信じられないところが子ども以下としか思えない――そんな醜い大人が事態を悪化させてゆくのです。

6、まず行家と義時ですが、この両者は経歴も違うし、育った環境も異なっていると思われ、その2人を単純に比較はできないでしょう。逆に頼朝が義兄である以上、あまり差し出がましい振舞いはできないのではないでしょうか。義時の場合元々の性格に加え、それが寧ろ幸いしたとも言えますが。

7、「天子の言葉は汗のようなもので、そう簡単にキャンセルできないということです」
もう少し詳しく書いて貰えないでしょうか。一度汗が出たら体内に戻れないように、天子の言葉は一度口に出してしまえば、取り消せないということですね。それと今回も時折漢語を出して来ていますが、その前にドラマをきちんと観て、セリフを間違えないようにしてほしいと思います。

8、これは驚きですね。当時の宮中には様々な勢力がうごめいていたため、そのバランスを取るだけでも大変だったのではないでしょうか。実際あくの強いこともやっていますが、なぜ法皇がそうせざるを得なかったのか、そのことに関する考察が見えて来ません。単なる悪人扱いで、幕末大河の西国諸藩の志士、あるいは水戸藩関係者に対する視線と同じと考えていいのでしょうか。

9、もっと驚いたのがこれです。これはキャスティングをした側にも、俳優さんたちにも失礼ではないかと思います。三谷さんのことだから、この両名を今までと違った雰囲気で、人を手玉に取るようなイメージで面白く描きたいというのはありでしょう。
しかし
「奥州(中略)後白河法皇当人の時代には、それこそ野蛮とみなされた場所の出身なのです」
などとわざわざ書く必要があるでしょうか。そしてそれだけ武者さんに取っては奥州が大事な存在なのに、奥州藤原氏がやっていた北方貿易を日宋貿易などと以前書いていましたが、あれは一体何だったのでしょうか。

10、「法皇と行家は、悪とは何か?ということを考えさせてくれる、秀逸な人物像でした」
6でも義時と行家を比較していますが、流石に法皇と行家も単純比較はできないでしょう。何よりも、法皇を悪としてしか見られないというのがどうなのかとは思いますが。そして無論里も、同列に論じることはできません。彼女の場合は、どう考えても静憎しの思いがああさせたのではないでしょうか。
そして
「八重の言葉が真実をついていると思えます」とありますが、彼女に取っては子供たちの行動が基準であり、それのみですべてを判断することは当然できないでしょう。

あともう少し突っ込みたい部分はあるのですが、それは次の投稿で。


飲み物ーアイスカフェオレ
[ 2022/05/20 01:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

小檜山氏のツイと壇ノ浦合戦回

毎度のように小檜山氏、すなわち武者さんのツイートを持ち出してすみません。きりがないのでそろそろ区切りをつけたいと思ってはいます。

で、今回はこちらのツイです。
「そうそう。で、八重松陰が大河主演で、花燃松陰が逮捕と…」
こちらは他の方へのリプで、『八重の桜』の出演者関連でスレッドが形成されています。無論小檜山氏のことですから、好きな作品の登場人物は褒め、嫌いな作品の登場人物はけなしています。

それはともかく、この「大河主演の八重松陰」ですが、八重と主演作品、つまり『鎌倉殿の13人』の間にもうひとつ出演した大河があります。『西郷どん』です。こちらでは坂本龍馬を演じていましたが、小檜山氏は嫌いな作品だからだんまりのようですね。実際あの時の龍馬のイメージが、今の髪を下ろした時の小栗さんにどことなく重なるのですが。

そして何よりも、先日放送された『プロフェッショナル 仕事の流儀』で、小栗さんは主演に関して「断る理由がない」と語ったうえで、大河主演に関してこう述べています。
「(『西郷どん』の)鈴木亮平くんは、とにかく自分の人間力というものが、ものすごく大きくなる参加だと思うという話はしていた」
「背負うものも大きく、常に自分の人間力を試されているような気がする現場だったって話をしていた」
鈴木さんの言葉も、小栗さんが主演のオファーを受けるその一因となったようです。

そして「花燃松陰」が逮捕などとありますが、小檜山氏がほめていた『いだてん』前半部分でも、コカインで逮捕された出演者がいましたし、そして何よりも、『麒麟がくる』で当初帰蝶を演じる予定だった女優さんも、麻薬所持で逮捕されていますね。この辺りはどう考えているのでしょうか。

しかしツイでは、嫌いな作品叩き(特に『青天を衝け』と『カムカムエヴリバディ』)が凄まじいです。それも、叩く理由が正鵠を得ているのならまだしも、とにかく嫌いだから叩きたいといった雰囲気です。そう言えば以前歴史改竄した大河は嫌いだと言っていましたが、恐らく歴史を改変(改竄ではなく)していない大河などまずないでしょう。

ところで『鎌倉殿の13人』、明日は壇ノ浦の戦いです。いよいよ義経が平家を追い詰めて滅亡させるわけですが、これを巡って義経と景時が対立することになるのでしょうか。この両者を「アマデウスとサリエリ」になぞらえた記事がありました。個人的にはホームズとモリアーティ、特に(ちょっと生意気な)パペットホームズのホームズと、モリアーティ教頭のイメージもあります。

しかし平家を追い詰めるのはともかく、なぜ平家がそこまで追い詰められたか、平家の権力によって彼らはどのような不利益を被ったのか、そういった描写がやはり弱いような気がします。先日の投稿で触れた義高の脱出と逃走、さらには上総広常謀殺に先立つ御家人蜂起などに、尺を割くなとまでは言いませんが、やはりその尺の一部で他に描くべきものはあるでしょう。平家に関する様々なこともまたしかりです。

飲み物ーアイスカフェオレ

[ 2022/05/08 00:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』新キャスト第2弾発表

『どうする家康』新キャストの発表です。

【第2弾】2023年 大河ドラマ「どうする家康」新たな出演者発表!「チーム家康」──家康とともに“どうする?”と考え、困難を乗り越える!
(NHK ONLINE)

ベテランの俳優さんもいる一方で、家康の比較的若い時メイン(多分)のせいか、若手の俳優さん、大河が初めてという人もいます。今回発表のキャストは以下の通りです。(敬称略)

坂井忠次-大森南朋
本多忠勝-山田裕貴
榊原康政-杉野遥亮
井伊直政-板垣李光人
鳥居元忠-音尾琢真
大久保忠世-小手伸也
平岩親吉-岡部大
鳥居忠吉-イッセー尾形
於愛の方-広瀬アリス
服部半蔵/正成-山田孝之
石川数正-松重豊

井伊直政は「民部公子様」ですね。「女城主直虎によって大切に育てられた」とありますが、直虎はこの大河も登場するのでしょうか。それはいいのですが、もう草履投げのシーンはなくていいです。無論あれはあの大河の創作ですが、あのシーンのせいもあって、直政登場後は録画視聴になってしまったのですから。あと大森さんはやはり『龍馬伝』、松重さんは『八重の桜』のイメージが未だに強いです。松重さんの戦国大河出演は『毛利元就』以来ですね。

ところで若手中心というと、『花燃ゆ』とか『青天を衝け』のイメージがどうもダブります。ただ『青天を衝け』はいざ観てみるとそこそこ面白かったので、現時点では期待しています。こちらは主人公が家康なので、ナビゲーターとして徳川慶喜が登場するというのはありでしょうか。『葵 徳川三代』では、中村梅雀さんが扮する光圀公が狂言回し的な役どころでしたね。

ただあまり若い家康と家臣団メインだと、これは昨年もそうでしたが、老けメイクを工夫することになるでしょう。それと松平→徳川に絡んでくる他の大名家、側室たち、あるいは石田三成などのキャストはどうなるのでしょう。

あとやはり脚本が古沢氏なので、『ゴンゾウ 伝説の刑事』、『コンフィデンスマンJP』の出演者のキャスティングもありかも知れません。小手さんは、後者の方にレギュラーで出ていましたが。

飲み物-ロックグラスカクテル
[ 2022/04/17 00:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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