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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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佐怒賀氏のコラムに関して

先日触れた『グラフNHK』の佐怒賀氏のコラムについて、ちょっと突っ込んでみます。
(引用部分太字、『グラフNHK』昭和48年1月1日号より)

土曜の午後から始まった解放感が、ずっと続いて、それもようやく終わりに近づこうとしている。さあ!あすからまた仕事だ!と日常性への予備運動を開始するのが、日曜日の夜の一般家庭の姿だろう。いうならば解放感と緊張感の谷間に於けるもっとも充足した生活時間といえる。

「日常性への予備運動」というのは、いささかわかりづらい表現です。再び始まる日常に向けて、心の準備をするとでも言うべきでしょうか。土曜日の午後からというのが、土日が休みでなかったこの当時らしいです。しかしかなりポジティブな書き方ですね。この当時は「サザエさん症候群」やブルーマンデー的概念はなかったのでしょう-尚少し前には、そのものずばりの大河ドラマ症候群なる言葉も存在したようです。

NHKという公共放送が、その良識のシンボルとして、自信を持って全国の日曜日夜の家庭に送りとどける、いわば倫理復活の「国民ドラマ」なのである。

「国民ドラマ」とはちょっと大げさな気がしますが、この時代のことですからわからなくもありません。しかし大河は「倫理復活」なのでしょうか。江戸時代ならともかく、戦国大河などの場合、その当時の倫理と昭和のそれとはかなり違っていたかと思います。それともその当時は、乱取りだの撫で斬りだのはドラマに登場しなかったのでしょうか。

(前略)<花の生涯>から<新・平家物語>にいたる十年間の展開の過程は、そのまま日本のテレビドラマの技術史、発達史になっている。

技術史、発達史とありますが、技術開発などは受信料ですべて賄われていると思われます。なぜかそれに言及されていません。このコラム全体に感じることですが、視聴者が受信料を払って観ていることにもう少し触れてもよさそうなものです。

テレビドラマなんて、チャチなものさ、という印象の普遍的な中にあって、周到に準備され、綿密に選び抜かれた脚本と人材とにより、一回一回、精魂込めて作られていった作品は、テレビそのものの評価の流れを大きく変える。

チャチという表現はあれですが、それに近いテレビドラマは恐らく今も存在します。また大河そのものも、それに似たような作品が多く、大河化そのものに疑問符が付く作品もありました。それに大河が「テレビそのものの評価の流れを大きく変える」というのも、何やら上から目線に感じますが、この当時はこうだったのでしょうか。そもそもこの文章自体、NHK関連メディアというせいもあって、ちょっと盛り過ぎてやしないでしょうか。

それはこのシリーズの開始直前、つまり昭和三十七年後半から急速に伸びるテレビセット台数にも、ピタリと照準が合って、大量の視聴者動員をかけることになる。

大河によって、TV視聴者が増えたのは事実かも知れません。しかしこのように書くと、大河と家電メーカーはタイアップしていたのかと、邪推したくもなります。また「急速に伸びる」などと書くのなら、それを裏付けるデータがほしいところです。

また、これで絶対に見逃せないのは、各作品のすべてが、正月開始、年末完了の暦年構成をとっていることである。それはちょうど、正月の「道」の儀式で始まり、再び暮の「道」の儀式に終わるという、日本人的倫理観に根差した生活サイクルと符合する。

「各作品のすべてが正月開始」は正しくありません。第一作『花の生涯』は、昭和38(1963)年の4月スタートです。またこのコラムが書かれたかなり後ですが、『炎立つ』は7月はじまりの翌年4月終わり、『花の乱』は4月に始まっています。『麒麟がくる』はコロナ禍の影響で、終わりが2月までずれ込む結果となり、『青天を衝け』は2月14日スタートです。そして1年物にするのであれば、それにふさわしい主人公を選ぶことが前提ですが、今時は1年どころか2クールで終わりそうな主人公もいるのですが…放送期間、見直してほしいものです。

ところで「再来年」の大河は、いつ頃発表になるのでしょう。

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[ 2021/01/12 00:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

側室や寵姫を織り込むという方法

男性主人公の大河に関しての投稿をしようと考えていましたが、先日側室に関するコメントを頂いたので、まずそちらの方を投稿することにします。大河に限らずですが、日本の場合は主役、あるいはそれに準ずる女性が、比較的清廉潔白に描かれることが多いです。無論これも場合によりけりで、例えば『太平記』の阿野廉子や、『花の乱』の日野富子などは、元々がかなり影響力が大きい女性たちであるため、悪女的に描かれていました。それでも日野富子は足利義政の正室ですが、阿野廉子は後醍醐天皇の寵姫です。後醍醐天皇には中宮や女御もいましたが、そのいずれでもありません。

この廉子は、天皇の皇子である護良親王(大塔宮)を失脚させ、さらに暗殺にも関与したとされている人物です。そして、我が子恒良親王を皇位につけようとし、実際親王は即位して後村上天皇となっています。日本史上の著名な寵姫や側室で、これに近い人物としては淀殿がいます。ただし淀殿は後継者をめぐる争いがあったわけでもなく、自分の息子秀頼が後継者になることが決まっていました。むしろ関白秀次がこの件で割を食っています。淀殿は跡目争いというよりも、幼くして父を失い、また母の自害の元となった男の側室となり、自信の最期が悲劇的という点でドラマ向きといえます。

淀殿はともかく、廉子のような女性を準主役的に入れると、一般的な女性主人公とはまた違った味わいがあるかと思います。ただし問題は、こういう女性がどのくらい実在したのかです。それに加えて、大河であまりそういう部分を描くというのは、好ましく思われないかもしれません。ただ側室というのは、明らかに現代とは違う発想であり、その当時らしい雰囲気を出すうえでは、適度にこういう存在を入れていいかとは思います。『独眼竜政宗』でも、愛姫と猫御前の確執などがありました。『風林火山』の由布姫と油川夫人(於琴姫)などもそうであるかと思います。

女性主人公についてはもう何度も書いていますが、彼女たちが常に正義の側に立つ存在というのが、当然ではあるものの、あまり面白みを感じさせないという点もあるでしょう。『江~姫たちの戦国~』の淀殿や『八重の桜』の八重が比較的面白い存在だったのは、彼女たちが追い詰められる側であったというのもあるかもしれません。それとはまた違いますが、たとえオリキャラであってもえぐい感じの側室を登場させ、それによってドラマそのものが引き締まるのなら、ことさらに主人公にしなくても、女性を活かす手段とはなりうるでしょう。

ただし大河の男性主人公は、近年は正室しか持たなかった人物が多くなっています。山内一豊、直江兼続、黒田官兵衛(*)などはそうですし、また再来年の主役の明智光秀も、正室しかいなかったといわれています。(西郷吉之助は島妻がいますのでここでは省きます)側室を入れると話が複雑になるというのもあるのでしょう。しかしたまには側室の多い武将を出して、正室と側室の対立、それによって導き出されるものをフィクションとして、うまく話に織り込むという方法もまたありかと思うのですが。

(*)前田利家を入れていましたが、この人は側室がいたので外しています。尚1997年大河の主人公、毛利元就は側室がいましたが、正室死後に継室のような形で迎えています。

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[ 2018/09/03 00:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

レアな時代背景の大河

再び『太平記』について。この鎌倉末期~南北朝時代を舞台にした映像作品が珍しいため、大河における足利尊氏も、多分真田広之さんが演じた、この尊氏のみと思われます。大河に秀吉や家康は数多く登場していますが、足利尊氏や新田義貞は一人しかいないということで、如何にこの作品がレアであり、それだけ希少価値であるかともいえます。個人的には、この時大河化してくれてよかったなと思っています。時代的にはなかなか面白いというか、戦国時代に匹敵するほどの寝返り、裏切りが日常茶飯事の時代ですので、その手の展開が好きな向きには特にお勧めです。

レアな時代の大河というと、『炎立つ』もこれに含まれます。大河の放送スケジュールが、変則的になっていた時期の放送なので、大河ドラマ史上唯一、2年間(1993年7月-1994年3月)にわたる放送となっています。また、渡辺謙さんが主役二人を演じています。時代背景としては、平安時代末期の東国が舞台なのですが、源義家や藤原三代などが登場し、最後の方で、奥州に逃れた源義経が登場します。他にも『樅の木は残った』が江戸時代前期、『風と雲と虹と』が平安時代前期となっていますし、『花の乱』の室町時代も、大河としては珍しいといえるでしょう。

大抵は室町でなく戦国時代になりますし、その方が50話持たせられるからというのもあるでしょう。しかし鎌倉時代はまだ源平関連、そして『北条時宗』などがあるのですが、室町時代は本当に舞台になっていません。応仁の乱も大河というよりは、3回連続のスペシャルでやった方がいいか、あるいはオリンピック大河年の大型時代劇でやった方がいいかという感じですし、この時代もエピソードはそこそこあるのですが、大河化するには小粒なのでしょうか。京の公方と鎌倉公方の対立劇とか、東国の武将の群像劇などにすれば、そこそこ行けるような気もするのですが。

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[ 2017/09/30 00:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

風林火山の歴史的背景8-諏訪家と高遠家に思うこと

第17回では高遠頼継が、諏訪家の当主頼重が切腹し、諏訪の領地を部分的にとはいえ手に入れますが、それに不満を持った頼継が再び戦を起こし、結果的に敗走します。この時武田は、頼重の遺児でまだ乳児の寅王丸を擁し、諏訪衆の心を惹きつけます。この方法は、後年羽柴秀吉が、三法師を擁して清須会議を進めたのと似たものがありますし、また『太平記』の千寿王(後の足利義詮)が、幼児ながら父の名代を務めたのと共通したものが見られます。

ところで『太平記』は、言うまでもなく南北朝時代を舞台としています。この時代、諏訪家は信濃守護の北条氏の御内人で、南朝方でした。この南北朝の影響は室町期にも尾を引き、南朝は後に後南朝ともなって、『花の乱』に登場する長禄の変では、赤松氏の遺臣が後南朝の行宮を襲い、神璽を取り戻したりもしています。井伊家も南朝ですし、武田家は最終的には北朝についています。この意味でも、『太平記』をもう一度大河、あるいは大型時代劇などで放送してほしいところです。

高遠はその後武田に降るものの、最後は天文21(1552)年に自害させられることになります。その後高遠城は、晴信と由布姫の子である勝頼が城主となった時代があります。その前には秋山虎繁(信友)も城代となっており、山本勘助が改築したことでも有名です。しかしその後、勝頼は武田を継ぐことになり、仁科盛信が高遠城に入りますが、織田の攻撃に遭い、高遠城が落ちたため、織田軍は城があった伊那からの侵略も可能になりました。その後織豊政権時に紆余曲折を経て、江戸時代には高遠藩が築かれます。

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[ 2017/07/30 01:30 ] 大河ドラマ 風林火山 | TB(-) | CM(0)

されこうべと一休とホームズ

まず昨日の「花の乱を観て 2」で大事な出演者を描きそびれていました。森侍者(しんじしゃ、あるいは森女=しんじょ)です。この人物は盲目の、瞽女というか女性版琵琶法師というか、ある意味妖精のような存在でもあります。元々は、富子の失明した異父妹と思われます。演じているのは『花燃ゆ』にも出演中の壇ふみさんです。

ところでこの大河では一休宗純の髑髏杖が出て来ます。また、髑髏の木の面をも作っており、ある種世捨て人らしい一休らしい演出ともいえます。そういえばパペットホームズも、髑髏のついたステッキを持っていました。一休やホームズという、どこか奔放で浮世離れした感のある人物には、髑髏の奇矯さがやはりマッチするようです。元々ホームズにおける髑髏は、『バスカヴィル家の犬』で、医師のモーティマーがホームズの頭蓋骨をほめたことに由来するようですが(パペット版でもステイプルトンが「いい頭蓋骨ですねー」と言っています)、BBC版では221Bに頭蓋骨そのものが登場します。またホームズではありませんが、『レ・ミゼラブル』の翻案である『ああ無情』には、マドレーヌ市長の部屋に髑髏があるという都市伝説が流れ、市長の、善人だけどどこか得体の知れない部分を浮き彫りにしています。

一休の髑髏杖は、ウィキ記事によると、
「正月に杖の頭にドクロをしつらえ、「ご用心、ご用心」と叫びながら練り歩いた」
とありますから、やはりかなり変わった人物ではあったようです。また前出の森侍者は、そもそもは一休の側女であるとされています。ちなみに一休はいわゆる破戒坊主で、女性とも親しく、また肉食もしていますが、民衆には人気がありました。それからパペットホームズの髑髏杖は、ちょっとわかりにくいのですが、 このイラストの向かって右側、ホームズが手を添えているステッキです。(井上文太氏スケッチ集より)

Bunta Sketches Holmes2

 
[ 2015/11/05 21:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

花の乱を観て 2

先日も書いた『花の乱』ですが、出演者はなかなか豪華です。日野富子役の三田佳子さんをはじめ、足利義政役の市川團十郎さん、細川勝元役の野村萬斎さんといった具合です。歌舞伎や狂言の役者さんが出演しているのは、室町時代という設定で、舞などを披露する場面があるからでしょう。また、若い頃の足利義政が、團十郎さんの長男で、当時の市川新之助さん、今の海老蔵さんです。そして富子の少女時代は、松たか子さんが演じていますが、松さんに取ってこれが初めてのテレビドラマかつ大河ドラマです。また、松さんのお父様の松本幸四郎さんが、酒呑童子の役で出演しています。

その他に一休宗純役の奥田瑛二さん、流石にこの時はお若いです。どうも最近だと、『花燃ゆ』の玉木文之進、『八重の桜』の佐久間象山のイメージが強いのですが。それから義政の母の重子が京マチ子さん、富子の兄の日野重光役の草刈正雄さんは、来年の大河『真田丸』の真田昌幸役です。あと義政の弟の義視が佐野史郎さん、そしてその子の義材が『花燃ゆ』の楫取素彦の大沢たかおさんです。つまり三田さん、奥田さん、そして大沢さんが、20年後の『花燃ゆ』に登場しているわけで、「花」つながりとでも呼ぶべきでしょうか。それから今参局役のかたせ梨乃さんですが、個人的見解ながら、やはり『花燃ゆ』の久坂玄瑞の愛人、辰路にちょっとイメージがだぶります。

こちらも花つながりというべきなのか、『花神』のレギュラー出演者も何名か登場しています。吉田松陰役の篠田三郎さんが、勧進聖願阿弥役で出演していますし、また井上聞多の東野英心さんと、伊藤俊輔の尾藤イサオさんも出演していて、何やら『花神』の凸凹コンビぶりを思い出します。尾藤さんは、『軍師官兵衛』の伊吹善衛門役でもありました。あと、これも以前ちょっと触れていますが、生瀬勝久さんが上月左近将監満吉役で大河デビュー、その後いくつかの作品に出演することになります。 今後もまた大河に出演していただきたいものです。

緑茶 
[ 2015/11/05 00:20 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

花の乱を観て

少し前にこちらの記事で、『花の乱』について書いています。で、実際どのようなドラマだったかと思い、DVDを観てみました。主人公である日野富子が、実は両親の子供ではなく、酒呑童子と母親苗子の子供であったことから、生後すぐに山城国椿庄で、伊吹十郎太の娘の椿として育ちます。しかし、その後生まれた娘の富子(異父妹)が盲目となったことから、2人は入れ替えられ、椿は富子として育てられるようになります。ちなみに、盲目の異父妹を迎えに来たのは一休宗純でした。

その後富子は足利義政と結婚することになります。しかしその前に彼女の夢枕に、ある青年が登場します。その人物をひそかに待っていた富子の前に、ついにある日その人物が登場しますが、それこそ未来の夫となる足利義正でした(このような夢占いなどがかなり登場するのが、この大河の特徴です)。しかしその後、義政の乳母であるお今(今参局)が妨害工作を企み、自分に内通している者たちを使って、富子に密かに薬を飲ませて乱心状態にさせますが、管領細川勝元の機転により難を逃れます。富子の兄である日野重光にとっても、この妹と将軍との結婚は大きな意味がありました。そして、夫と対立しつつも、自分の才覚で政治を取り仕切るようになります。

ここまでしか観ていませんが、特徴としては、室町文化、特に公家文化の色彩が強いものとなっています。元々富子の夫の義政も、公家風な生活を好んでいたこともあり、この時代の文化に興味がある人には面白い作品でしょう。また戦闘シーンなどもそこそこ出て来ます。これはやはり、主人公が将軍の御台所という設定も大きく関係しています。その反面、大河によく登場する戦国や幕末などの男性的な雰囲気にはやはり欠けます。やはり室町時代という、戦国時代に突入する前を舞台にしている以上、混乱が終結し、完成を見るという筋立てのドラマになりにくいというのも一因と思われます。しいて言えば、『毛利元就』にもちょっと似た物を感じます。

ピンクの菊









 
[ 2015/11/04 00:42 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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