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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 63その2

『武将ジャパン』大河コラムの、第26回後半部分に関する疑問です。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第26回「悲しむ前に」 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)
https://bushoojapan.com/taiga/kamakura13/2022/07/04/169379


1.一体なんなんでしょう、当時の日本仏教って。
本人の意思も何もない状態で出家させ、それでどうにかなると思っているのでしょうか?
宗教の形骸化を感じるところであり、そんな雑なやり方で極楽往生を得ようってさすがに虫が良すぎるでしょう。
こうした感想は何も私だけのものではありません。
当時は栄西らが「変えなくちゃ、日本の仏教!」とばかりに鎌倉仏教を形成していきました。
『鎌倉殿の13人』は、当時のそういう行き詰まった空気まで掬い取り、なぜそうなったか?まで理解できるようにストーリーが進んでいるようにも思えます。秀逸ですね。

2.政子は初めて頼朝と会ったときに出したものを運んでいこうとします。
そこへ実衣がせかせかと来て、話があると言い出す。
食べるのかと実衣に聞かれ、わからないけど置いておけば何かできるかもしれないと政子。

3.疲れた政子がうとうとしていると、頼朝が起きあがり、皿を持ちこう言います。
「これは何ですか?」
政子は喜び、人を呼びにいきます。
しかし政子が見たのは、床に倒れ動かなくなった頼朝。

4.鎌倉御家人は武勇に重点を置きすぎですね。
武士にも、そうでない人にも、多くの評価基準が用意されてしかるべきであり、とにかく武芸がイケていれば良いってものでもないでしょう。

5.頼朝には、冗談みたいな約束通り侍所別当に指名してもらったり、あれだけ世話になっておいて、落馬くらいでここまで言われるのはさすがに酷い。忠義ってもんがないのよねー。

1、まず鎌倉仏教と臨終出家について、武者さんがどのくらいご存知なのか疑問です。
本人の意識(意思とありますが意識のことでしょう)がないのは、たまたま頼朝が脳卒中であっただけで、実際には病で余命いくばくもない人々により、これより前の時代から病による出家、あるいは臨終出家は行われていました。かの藤原道長もそうであったと言われています。
それから鎌倉仏教の形成には栄西だけではなく、道元、日蓮、そして浄土宗系の法然や親鸞も含まれます。
この頼朝の臨終出家は、行き詰まった空気がどうこうと言うより、その前の時代から行われていた習慣を踏まえたものであり、都の、そういう習慣に詳しい三善康信や大江広元がそれを持ち出したわけです。

2、例の木の実が、冬であるこの季節にあったかどうかは触れられていません。これが昨年であれば、現場は何をやっているのだと散々叩いたでしょうね。

3、これだと微動だにせず横たわっていた頼朝が起き上がり、皿を持って縁側に腰かけたかのようです。政子が目にしたのは、既に皿を持ち、縁側に腰かけている頼朝(の幻)だったのですが。

4、そもそも今まで幕府という統括機構がないわけですから、どうしてもそうなるでしょう。それにこの当時、多様な評価基準なるものがあったかどうかは不明で、それがあれば、義盛も重忠も粛清されなかったのではないでしょうか。

5、頼朝を担ぐというのは、平家の支配から逃れるという意味が多分にあったはずです。その後、特に鎌倉幕府が成立した後に関しては、頼朝に不満を持つこともあったでしょう。


6.重忠ですら、心底嘆き悲しんでいるのはお身内とごく一握りとか、冷淡に突き放すように言ってしまう。あわわわわ……。

7.下剋上どころじゃねえ。
坂東武者、そもそも上下意識ってもんがねえ!

8.父・頼朝が亡くなった時点で、頼家の年齢は18才。もしも十歳年上か、あるいは年下なら、コトはすんなり運ばれたでしょう。

9.しかし18才というのは、君主としてやっていけるかどうか、なかなか難しいところでして。

10.そう返す頼家ですが……このあと頼家は梶原景時に会い、「言われた通り一度は断った」と告げています。
んん?どういうこっちゃ?
と、思いきや、悪そうな顔のまま「それでいい」と返す景時。快諾したら節操がないと思われるから一度は断れ、と。
そして「これからは新しい鎌倉殿として思った通りに進めていけばよい」と語っています。
御家人の間で孤立しがちな景時には、自分を庇護する主君がどうしても必要だ。
頼家にとってなくてはならぬ存在であるために、動き出したようです。

6、「あわわわわ」じゃないですよ(苦笑)。そもそも畠山は平家の支配下にあり、一旦は頼朝を討ち取ろうとした人物でもあり、まして義盛同様、どこかしっくりいかないところもあったでしょう。

7、この時代「下剋上」と言えるほど、鎌倉幕府は確固たる存在であったかどうか疑問ですし、何より鎌倉時代初期と戦国時代をごっちゃにしていないでしょうか。

8、なぜ「十歳年上」となるのか、その根拠が不明なのですが。要は全成を摂政代わりにするなら、頼家が子供か、あるいはうんと大人で補佐役にするならいいということでしょうか。しかしこの当時、十代でも家督を継げる人物もいたでしょうし、本人の素質というのも関係しているでしょう。

9、ひとつ前に書いていますが、その人の天分にもよるかと。あとこの場合「君主」でなくて「主君」ですね。

10、あらすじと感想でも書いていますが、ひとつ前の回のこのコラムにあった
「こういう懐刀は、庇護する主君がいなくなれば脆い。すかさず頼家に取り入らねば、次なる政争に敗れて破滅が待っています」
という記述、やはり今回のこのシーンで持ってくるべきものだったでしょう。ただこの場合庇護を求めると言うよりは、景時が自分の側に取り込んでいる感じです。


11.「我らは先の右近衛大将、征夷大将軍の死を乗り越え、前へ進むのだ!」
そう言い切る頼家なのですが、どこか軽い。
重石となるにはまだまだ歳月が必要だと思ってしまう。

12.「父上は北条あっての鎌倉とお考えですか? 私は逆。鎌倉あっての北条。鎌倉が栄えてこそ、北条も栄えるのです」
「意味わかんねえ!」
義時が真摯に語っても、もはや何も通じないようだ。

13.彼女は頼家の弱点をよく理解しています。頼朝よりも気が強く、頼朝に似て女好き。いずれ必ずボロを出す。その時が北条にとって本当の勝負だ、と。
頼家がボロを出さなかったらどうする?と時政が尋ねると、そう仕向けるとりくが返す。
孫の失敗を願う、あるいは画策するなんて、どんな祖父なんだよ~!

14.義時はやっとかすかに微笑みます。我が子の聡明さを知ったのです。
頼時は先入観がない。和田義盛と比べるとわかりやすい。
義盛は「どーせ武士らしくねえ無様な落馬なんだろう!」という先入観、つまりはバイアスがかかっていました。
自分がなまじ武芸ができるだけに驕っている面もあり、このバイアスが頼朝への軽蔑心の現れてもある。

15.思考の【仮説形成(アブダクション)】というものですね。
これは何も一から作ったというわけでもなく、北条泰時は理詰めのことを言われると感動するタイプだったとか。
ストレスまみれの中、義時にとっても我が子の聡明さと善良さは癒しです。
後に、そこが対立の一因となりそうな予感もありますが……。

16.「頼家を助けてやってちょうだい」
そう言われても立ち上がり背を向ける弟に、姉は訴えます。

11、頼家はこのキャラ設定だと、歳月が経ってもそう変わらなかったかと思われます。

12、時政の場合は「鎌倉が栄える」ということに、比企の存在を感じ取っていたからであり、それが自分とりくの考えに反するようで、抵抗があったからではないでしょうか。

13、武者さんが好きな戦国時代でも、このようなケースは往々にしてあったのではないでしょうか。『独眼竜政宗』のように、祖父ならぬ母親が嫡男を疎んじる挙句、毒殺未遂までやってしまうとか。

14、少し前にも書いていますが、義盛とて頼朝に対する不満もあったでしょう。巴を側女にしたことも、あるいは関わっているかとは思います。
何よりも義盛は頼時と異なり、頼朝の着衣を見ていません。証拠となる物を見たか否かでは大きな違いがあります。それとこの頼時のシーン、パペットホームズに私はなぞらえていますが、頼時自身の登場のさせ方、謎解きにちょっと唐突な印象がありますね。

15、ここでまた「アプダクション」。
このコラムが大河レビューたりえていないのは、自分が書きたいことに大河を寄せる傾向があるせいかと思いますが、それはさておき。この場合仮説だ理詰めだと言う前に、落馬した瞬間に手をついたのに、着衣のその部分が汚れていないのであれば、落馬する前に気を失ったのではと普通思うのではないでしょうか。

16、これも嫌いな大河だったら、政子のこのセリフを、男に頼ってばかりでけしからんなどと批判したのではないでしょうか。武者さんは嫌いな大河だと、夫婦の当たり前の会話さえも叩くことがあるので。


その他にこういう箇所もあります。

中世は世界的にみて、近代以降よりも女性の権利が強かったことが指摘されます。

とありますが、なぜか日本と中国の例のみがあげられています。少なくともヨーロッパも入れないことには「世界的にみて」とはならないし、しかもこの場合近世が抜け落ちていますね。

結果、りくの夫・時政、実衣の夫・全成の主体性が薄れたようにも思えます。
そしてりくはともかく、実衣の政治的野心をクローズアップするための仕掛けが全成擁立策ではないかと思えるのです。

少なくともこの回の描写に於いては、一番権勢欲を求めていたのはりくだったのではないでしょうか、実衣には姉政子への対抗意識を感じるには感じますが。

しかし今回はあらすじにスペースを割いているせいか、MVPも総評も短めです。実は私もあらすじと感想を書いていて思ったのですが、頼朝の死から後が長く感じられたし、セリフも長めでした。

では続きはまた次の関連投稿にて。



飲み物-チューリップグラスのビール
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[ 2022/07/07 00:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

大河ドラマの可能性を探ってみると

少し前に、『天地人』と『真田丸』の上杉攻め、そして『天地人』の長谷堂城の戦いについての投稿で、コメントをいただいたことがあります。この長谷堂城の戦い、所謂「北の関ヶ原」(上杉VS最上・伊達)の戦いの一つで、最上と上杉との合戦です。

しかしかの『天地人』でさえというか。『天地人』だからというべきなのか、この戦いのあまり詳しく採り上げられておらず、最上軍がモブだったのは残念でした。また『独眼竜政宗』の場合は、最上は出て来たものの、上杉景勝が出て来ませんでした。

戦国で最上、上杉、伊達を揃い踏みさせると、こういうのもきちんと描かれるわけです。また九州を舞台にした場合は、島津の九州征服メインで、秀吉と黒田官兵衛に敵対させる形でいいかと思います。少なくとも地元では、それなりの数字が取れるでしょう。そろそろこういう大河が実現してもいいはずなのですが、依然としてその気配は窺えません。

それから江戸時代が舞台の大河、これも、最近は川中島大河同様に作られなくなっていますが、こちらも家光から吉宗の時代を中心にすればいいと、少し前に書いています。でなければ、吉宗から黒船来航までを舞台にするといいでしょう。

こういうのを1年でなく、2クールで2年に渡って描けば、そこそこ関心を集めるのではないかと思われます。無論ゴールは黒船来航ではなく、桜田門外の変でもいいし、江戸無血開城という選択肢もあります。

たとえば、『どうする家康』で織豊政権から江戸初期を描いたら、その翌年は秀忠、家光経由で(『葵 徳川三代』の時代背景)赤穂浪士から吉宗までを描き、その後ま幕末までを描くようにすれば、時代的にもつながります。またその当時の様々な人々、たとえば松尾芭蕉とか、伊能忠敬なども登場可能です。

大河は元からそうでしたが、特に最近は観光とタイアップしてしまったこともあり、1年単位で主人公も舞台も、時代背景もくるくる変わってしまいがちです。いっそのこと、このくらいの連続性を持たせてもいいかと思います。

江戸時代はとにかく、時代の変革というのはないわけですから、著名な将軍の時代をスタートまたはゴールに設定して、その間の物語を描くといいでしょう。またこれとは別に、室町時代中期という舞台設定も残されています。

この時代も一般にはあまり知られておらず、それゆえドラマ化されてしかるべきかとは思います。ただ多少分かりづらいので、こちらもまず足利尊氏の晩年期から始めて(『太平記』の終盤)、足利義満の時代の北山文化、嘉吉の乱や足利義教暗殺を持ってくるといいでしょう。部分的には『花の乱』と重なることになりそうです。

話は変わりますが、『鎌倉殿の13人』で、大姫の描写がどのようになるのかに興味があります。これも前に触れましたが、父頼朝との対立から御所を出て行って遊女となり、義経の郎党だった男の子供を宿し、ついには自殺するという設定にならないかと勝手に思っています。

義高を思い続けたあまり亡くなるというパターンではなく、自分でその仇を討とうとし、ついに実の父親に刃を向けるという、恐ろしくかつ悲しい設定でもいいかも知れません。無論彼女は頼朝の前に亡くなっていますから、その思いを家臣に託し、それがもとで、義時による頼朝「暗殺」が実現するという描き方もあるでしょう。無論、すべては三谷さん次第ですが。

飲み物-カウンターとカクテル
[ 2021/12/24 00:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『青天を衝け』徒然その16

まず、先日の投稿でやや意味が通じにくい、書き足りない箇所があったので直しています。

実業家に転身した栄一ですが、そう最初からうまくは行かないものです。また主君であった慶喜の台所事情も、厳しくなっていました。そんな中、薩摩に戻った西郷隆盛が西南戦争を起こし、政府は多額の出費を余儀なくされます。しかもその少し後、大久保利通も刺客に襲われて世を去ります。武士の世は終わりを迎えていました。その頃栄一の前に、土佐出身の岩崎弥太郎が現れますが、己の利益のために事業を起こしたい岩崎と、栄一の考えは根本から違っていました。その頃栄一は東京養育院をお千代と訪れます。

ごくざっとしたあらすじです。栄一が実業家転身後もというか、実業家に転身したからこそ、色々と試練の日々が続きます。三井との対立しかり、蚕卵紙の件しかりです。繰り返すようですが、こういうのは寧ろ大河よりもスペシャルドラマ的ではないかと思われます。主人公の功績を描くという点では納得できますが、その描き方にちょっと同意しかねるところはあります。

今までの『青天を衝け』を観る限り、栄一は常にいい人であり、正義の人物といった描かれ方をしています。無論主人公である以上、仕方のないことでもあります。また大河の主人公としては初めてだからこそ、このような描かれ方をしているとも取れます。しかし『独眼竜政宗』などは、初めての大河化でありながら、政宗は結構色々描かれていたと思うのですが、ここがやはり近代と戦国との違いでしょうか。

岩崎弥太郎を主人公と対立する存在として、あのようなイメージで持って来たのもそのためでしょう。ただ栄一自身にダーティーな部分もまたあっていいかと思うし、このような描き方は、どこか女性主人公大河のようにも見えます。ところで岩崎弥太郎、芝翫さんもよく演じているとは思いますが、私に取って、この人物を演じられる俳優さんといえば、やはり香川照之さんにとどめを刺します。

それと西南戦争と紀尾井坂の変(大久保暗殺)、両方ともナレのみですか。無論どちらも、主人公に直接関わる事件ではありませんが、どのような経緯でそれに至ったのかが、もう少し描かれていいと思います。この大河は今までもそうですが、どうも歴史的事件の詳細を端折る傾向があります。台湾出兵しかりです。商い=ビジネスは描くが、その発端となった戦争なり政変なりがあまりないのが、『黄金の日日』と異なる点ともいえます。無論、『黄金の日日』は戦国で、主人公を自由に動かせるという違いはありますが。

そんな中、第34回で久々登場のやす、そして徳川家康は嬉しかったです。武士の世が終わったとはいえ、この時代は、未だ江戸幕府の負の遺産を背負っていました。しかし歴史的事件の描写はともかく、平岡円四郎が出ていた頃はまだ面白く観られたのですけどね。

あとやはり、実業家となった栄一に吉沢さんはちょっと馴染みにくいように思います。再来年の「松潤家康」もこのような感じになるのでしょうか。

飲み物-ホットウイスキー

[ 2021/11/13 00:00 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

三谷幸喜氏とジェームス三木氏の違いとは

今まで、三谷大河はなぜ批判されるのか-1三谷大河の問題点でいくらか触れてはいますが、三谷幸喜氏とジェームス三木氏の大河の描き方について、改めて。

まず前者の投稿の方では、このように書いています。

いずれにしてもこの人(注・三谷氏)の場合、たとえばジェームス三木氏などよりも、「個人的な趣味嗜好」が反映される部分は大きいでしょう。ちょっとばかりこだわり過ぎかなと思われるところもありますが、それと物足りなさとがうまく補完し合うというわけでもなさそうです。

また後者でも

また三谷色が強く、王道大河にならないということは、大河の視聴にある程度制約がかかるということでもあります-これに関してはやはり独自性が強いものの、ジェームス三木氏の方がまだ王道的な部分もありました。

と書いています(いずれも原文ママ)。特に今回、英語のサブタイトルをつけたりしている点などもそうですが、三谷氏の場合、「視聴者がどう考えているか」よりも、「自分がやりたいこと」を優先しているのではないか、そのようにも取れます-英語に関しては、『真田丸』の時に英文サイトなどを作っていましたが、正直疑問も感じました。

ジェームス氏の場合、近代三部作で数字が多少落ちたこともあり、それまでとは違った(と思われる)路線で、しかも大河の主人公としては初めての伊達政宗を描くことで、成功したと言えるでしょう。無論これは今よりTVの視聴者数が多く、裏番組も今ほどではなかった時代の話ではありますが。

その後『八代将軍吉宗』(これも90年代前半のフォーマット変更が軌道に乗らず、再び脚本を依頼されたと思われます)でナビゲーターを使い、多少独自色を出すようになります。そしてハイビジョン放送を迎えた年は、集大成というべき『葵 徳川三代』でした。従来の大河の路線も踏まえつつ、しかも独自色を出せた、今までの脚本家の中でも珍しい存在です。

無論これは、大河が昔のそれではなく、より新しいものを目指す方向に向かうという時代の要望に、うまく応えたからとも言えそうです。しかし単にラッキーだっただけとも言えないでしょう。ジェームス氏は元々TVドラマを書いており、戦国物の場合は、戦闘シーンなどもきちんと描かれていました。

この点、三谷氏は明らかに「舞台関係者としての」本人がやりたいことを前面に押し出していると取れます。確かに三谷氏はファンサービスは旺盛であるかと思います。この辺りが、三谷氏はファンに取っては受けがいいと言えますし、どちらかと言えば三谷大河は、ファンに向けられたものであると言えるでしょう。

しかしこう言っては何ですが、そのやり方を通す限りアンチもまた存在し続けるかと思います。どの作家にもファン、アンチはそれぞれいるものですが、この人の場合特にはっきりしている感もあります。(ちなみに私はどちらでもありません)

『いだてん』の時もそうでしたが、舞台関係者の場合、舞台を見に来てくれる人、特に常連客が対象になりがちです。ただTVの視聴者は不特定多数で、舞台とは明らかに違っており、中にはその独自色を好ましく思わず、途中で視聴を止める人も出て来ることになります。大河が1年物を今後も続ける-個人的にその必要はないと思いますが-のであれば特に、舞台の脚本家を今後使うべきかどうか、検討する必要もあるようです。無論これは、『鎌倉殿の13人』の総合的な評価が出てからの話になるとは思いますが。

飲み物-黄金色のビール
[ 2021/10/22 01:00 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

大河に於けるレアな存在、南北朝と最上義光

以前、『天地人』と『真田丸』を比較した投稿をしていますが、それに関してコメントをいただきました。同じ時代背景や出来事でも、主人公や描き方が変われば随分変わるといった内容でしたが、実際戦国時代などはほぼ一世紀近くにわたっており、しかも様々な地域で領地の奪い合い、人質交換などが行われています。この投稿は長谷堂城の戦いに関するものでしたが、この戦いは正に「北の関ヶ原」でした。一口に関ヶ原と言ってもあの戦いだけではなく、それが方々に波及していたわけですね。

これと同じことが、南北朝時代や応仁の乱の際にも起こっています。南北朝を舞台にした大河は『太平記』のみですが、その影響が方々に及び、しかもそれが戦国にまで尾を引くことを考えれば、やはりもっと作られてもいいでしょう。別に1年物でなく、2クール程度でもいいのですから。また前出長谷堂城の戦いで、直江兼続に対抗した最上義光は、今までの大河の歴史の中で、『独眼竜政宗』でしか登場していません。南北朝も最上義光も、過去1度きりというのももったいない話です。無論最上義光は、『どうする家康』で出て来る可能性もありますが。

それから南北朝関連で、『逃げ上手の若君』の主人公でもある北条時行、この人物について投稿してからしばらく経ったので、『英雄たちの選択』と絡めてまた投稿しようと思います。この人は諏訪家に匿われるわけですが、この諏訪家というのは、諏訪大社の大祝(おおほうり、神職)でもあり、それに関するシーンが『風林火山』でも登場していました。後に諏訪頼重(戦国ではなく南北朝の人物)はこの人を担いで中先代の乱を起こし、足利尊氏の弟である直義を鎌倉から追放するに至ります。

飲み物-ウイスキーと照明
[ 2021/10/01 00:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

大河ドラマ雑考-53

『どうする家康』のキャスト予想関連で、長澤まさみさんの出演もあり得ると書いていますが、そもそも長澤さんの大河での役どころというのは、これまでの半分以上が忍びの役です(『功名が辻』の小りん、『天地人』の初音)。『真田丸』でやっと忍び以外の役を演じることになりましたが、この時もネット上で、「きり」の名前が、霧隠才蔵を暗示しているとコメントされていたことがあります。

しかしきりの役どころ、大坂の陣まではそれなりに理解できたのですが、最後の最後で、彼女は結局どういう役割で、その後どのような人生を送ったのかが見えにくくなりました。千姫を送り届けた後、急にいなくなってしまいましたからね。ありきたりな手法ではありますが、たとえばあの後、出家したことを窺わせるなどの描写があってもよかったと思います。三谷さんの敗者を描くやり方には、生き残った人々への救済措置を窺わせる描写が感じられないのがやはり残念です。

この『真田丸』、終了後にスピンオフができるのではと、ネット上、特にSNS上で騒がれたこともあります。きりのその後もさることながら、上杉景勝と直江兼続主従のその後なども、視聴者は関心を示したのではないかと思いますし、実は信繁は生きていた的展開を望む人もいたかも知れません。しかし『新選組!』のようなスピンオフが作られることはありませんでした。

その三谷さん、来年は「大河好きがニヤリとする」キャスティングを考えているとコメントしたことについて。前の方にも書いていますが、やり過ぎると視聴者の離脱を招くことにもなりかねません。あまりマニアック路線を行くと、うざいと取られても仕方ありませんし、大河好き=お得意様へのサービスのみならず、新規に観る人々のことを考えてこそのものでもあるわけですし-無論、すべてを初心者向け説明路線にする必要はありませんが。

先日の『天地人』関連で、『独眼竜政宗』を引き合いに出しています。ちなみに政宗に上杉景勝は出て来ませんが、天地人には政宗が登場します。時代的にも地域的にもほぼ似ており、政宗が生まれた米沢は、景勝が最終的に藩主となっています。このような共通性があるだけに、やはり政宗に対抗しうるだけの作品にしてしかるべきではあったでしょう。この天地人路線がその後『江~姫たちの戦国~』や『花燃ゆ』へと継承されて行った感はあります。

しかし政宗は、1980年代半ばの近現代3部作が振るわなかった(1986年の『いのち』を除く)ことから、起死回生策として打ち出されたようですが、そもそもなぜ数字が取れなさそうな近現代物を、それも3年もやろうと思ったのでしょうね。最初から無理があるような企画を打ち出しては、振るわなかったことの責任を取ろうともせず、次の作品にばかり目を向けさせる姿勢というのは、特殊法人という殿様商売だからこそできるというのを、もう少し自覚してほしいものです。


飲み物-ブロンドのエール
[ 2021/09/26 11:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

改めて思う『天地人』のおかしな点

『天地人』について先日書いていますが、せっかくの上杉家の大河でありながら、夫婦大河、もっと言えばホームドラマ的大河になってしまったのは、制作サイドの責任でしょう。無論、前作の『篤姫』にもそういう部分はありました-2000年代から2010年代にかけての女性主人公大河で、一番その手の雰囲気から遠かったのは、『八重の桜』であるかと思います。

ただ『篤姫』が基本的に大奥主体であり、ヒロインがこの大所帯を如何に束ねて行くかに腐心する一方で、薩摩では小松帯刀が藩主島津斉彬、久光の右腕となり、西郷や大久保といった藩士たちをまとめる家老の立場であって、その両者の対比は描かれていたかと思います。(ただ初恋の相手設定というのは疑問でした)

幕末と戦国末期~江戸時代初期という時代設定の違いはあれ、やはり家老的立場の直江兼続と、その主君の上杉景勝を描くにしては、何かおちゃらけた雰囲気が漂っていましたね。子供時代の描写がよかっただけに、あれはどうにかならなかったのかと思います。

また登場人物の服装と髪型、流石に石田三成のあれには引きましたし、兼続もいつまでも前髪をつけたままとか、これは『真田丸』との比較関連タグ(真田丸と天地人比較)でまとめていますが、真田幸村が人質というより、まるで直江家の食客のように見えたりもしました。さらにおかしいのが兜の「愛」です。

元々これは愛染明王から取った(諸説あり)と言われていますが、この大河では、兼続が兜をどのような意匠にしようかとあれこれ字を書き散らし、その中で「愛」の字を見つけた妻のお船が、これがいいのではと提案することになっています。こういう描き方がどうも安直なのですね。

その他にも、徳川方は悪であり、会津の神指城が、彼等と自分たちを隔てる結界のようなイメージになっていたのも変でしたね。元々この城は軍事拠点ではないかと家康に睨まれ、直江状によってそれが否定されることになりますが、実際景勝はこの城を、新しい城下町の拠点にするつもりだったようです。

その直江状。元々家康に宛てた書状であるはずなのに、なぜか他の要人にも送られたことになっているし、しかも書状そのものがやたらに長い。おまけに「挑戦状」扱いされていますが、これは家康からなぜ上洛しないのかという文が、西笑承兌を通して送られ、それに対する返信であって、挑戦状ではありません-無論、徳川幕府の成立後、そのようにいわば改竄された可能性は否定できませんが。

おまけに、直江兼続だから長谷堂城の戦いがあるかと思ったら、それも殆どなし。最上軍もモブ。この点は言っては何ですが、『青天を衝け』の禁門の変をちょっと思い出します。

これ、もう少し描き方を変えていたら、戦国末期から関ヶ原を挟んで、徳川幕府成立後の、『独眼竜政宗』とはまた違った面白さの戦国東北大河ができたはずなのに、結局そうならなかったのは残念です。本当は再来年は、家康よりこっちをやってほしかったのですけどね。無論九州の島津でもよかったのですが。

ただ家康が出て来るとなると、上杉なり最上なり、島津なりが出て来る可能性は十分考えられます。ただ、この『天地人』のように、題材はいいけれど、描写方法にかなり疑問が残る大河であってほしくはないものです。

飲み物-カウンターとカクテル

[ 2021/09/26 01:15 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

気づいたことあれこれ 28-続き

最近前日の投稿の続きが多くなっていますが、これもまた「気づいたことあれこれ28」の続きとなります。それから投稿分の文章がおかしい部分、変換ミスなどは随時直しています。

先日分で、『独眼竜政宗』が殻を破った作品と書いていますが、これは
近代三部作の直後の戦国大河
ジェームス三木氏の脚本
キャスティングが斬新
という条件下のもとでこそ、成り立ったかと思われます。
平均視聴率が30パーセント台というのも、大河の中ではかなり高いと言えます。しかも、家庭用のビデオが普及し始めた頃にこの数字ですから、今でいう総合視聴率を出せば、40パーセント以上行った可能性もあるでしょう。つまりこの作品のヒットは、単に面白い面白くないだけの問題ではなく、それが成立しうる条件を満たしてこそのものだったのでしょう。

この翌年、こちらは比較的オーソドックスな『武田信玄』がまた高視聴率を記録し、この後1996-97、2006-07、そして2016-17年と、時代背景や登場人物がそれぞれ異なる戦国大河が、2年続くことになります。ただし、2016年の『真田丸』と2017年の『おんな城主 直虎』になると、流石にちょっと陰りが見えるようになります。

両者の場合、確かに背景も人物も違う作品ではありましたが、一方が如何にも骨太な印象の大河というわけではなく、その意味で、全く趣の違う作品を連続して放送するという意味合いは薄れました。『秀吉』と『毛利元就』にもそれが言えるかも知れませんが、『毛利元就』には三英傑が出て来ず、しかも大河で初めて取り上げた人物であり、その意味では『秀吉』との差別化が図れたかとは思います。

それから女性主人公大河が、ホームドラマ的または朝ドラ的で、本人の原点が見えにくいと思われる点ですが、特にと言うかやはりと言うか、『江~姫たちの戦国~』と、『花燃ゆ』にはそれを感じざるを得ませんでした。前者はのっけから唖然とするようなシーンが出て来たり、また江があっちこっちに出没したりで、なぜそのような人物にせざるを得なかったのが見えにくく、後者では本来、主人公の文は読書好きな少女という設定だったはずなのですが、それがあまり活かされず、出番を増やすために、おにぎり作りをやっている印象が強くなってしまったものです。

最終的には江は3人目、文は2人目の夫と幸せな人生を歩むわけですが、これなら『直虎』の方が、本人の原点はしっかり描かれていると思いました。この大河も後になるにつれて、受け入れられなくなって行きましたが、最初の頃、おとわが子供時代に何をしたかは、無論創作であるとは言え、その後の彼女を形作るうえで大きな役割を果たしていたと思います。ただ、ちょっとやり過ぎかなと思われる部分はありましたが。

それと漫画ベースで大河を作る件。これに関しては以前、やはり視聴者からの反発もあるだろうといったことを書いています。特に今の高齢者層は、昔の作品を知っていることもあり、その多くが反発することは予想されます。しかし一方で、NHKは今後の視聴者を開拓しなければなりません。

無論これには今後の課題として、受信料不払いと引き換えに電波を止めるとか、スクランブル化するといったことも含まれますが、大河を若年層に親しみやすい方向に持って行くこともまた、考えられてしかるべきと思うからで、その意味でどのように仕掛けるか、その一環としてこういう方法もあり得るかとは思います。確かにこれだと「お年寄りの大河離れ」が進むかも知れませんが。

飲み物-ブランデーグラスのビール

[ 2021/09/19 01:00 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

気づいたことあれこれ 28

前回の続きのようになりますが、『黄金の日日』に限らず、本能寺の変が登場する戦国大河の場合、備中高松城攻めもかなりの確率で登場します。(無論『真田丸』のように例外もあります)秀吉が本能寺の変の知らせを受け取ったのが、この高松城攻めの陣中とされているため、この2つがセットとなり、しかる後に山崎の合戦、清須会議、賤ケ岳の戦いという流れになることが多くなっています。そのせいもあって、『麒麟がくる』のラストシーンは、新鮮と言うよりはどこか不完全燃焼ではありました。

備中高松城といえば、最近の大河ではやはり『軍師官兵衛』を思い出します。実際どのように堤防を巡らすのか、陣中でジオラマを作ってましたが、小寺の殿の趣味の箱庭共々、官兵衛と言えばジオラマをついつい連想しがちです。この時の秀吉と官兵衛のタッグの凄さは、本能寺の件を悟られず、しかも如何に姫路に戻るかを第一目標とした点でしょう。

無論その後秀吉は、摂津方面の武将を味方につける必要もあったものの、ライバルの柴田勝家も滝川一益もおいそれとは駆け付けることができず、これ以上はありえないほど有利な状況下で、秀吉は山崎で光秀を追い詰め、光秀は近江に逃れる途中で落ち武者狩りに遭います。

それにしても織豊政権大河がなぜ多いのか、それは信長の上洛に始まり、室町幕府再興と朝倉・浅井攻め、将軍義昭の追放、石山本願寺との戦い、甲州征伐に加えて本能寺の変に毛利攻めと、戦闘シーンが多く飽きさせないという点が挙げられるかと思います。また秀吉の家臣たちをそれぞれ主人公、あるいは準主人公とすることで、多くの作品を作れるというメリットはあります。

しかしその反面、飽きられやすいというか、ワンパターンになりがちなのも確かでしょう。ならば同じ時代の東北や九州を描いた方が、馴染みはなくても新境地を切り開けるはずなのですが、どうもひところの夫婦大河同様、無難だけれど皆が知っている時代背景、人物の方が、リスクを冒すよりもいいとNHKが考えているふしもあります。

『独眼竜政宗』の時のような、ある意味殻を破った作品というのは、今後出て来るのでしょうか。実は『いだてん』の後の『麒麟がくる』が、そうなるかと思ってはいたのですが。

それから先日の『青天を衝け』、篤太夫=栄一が実家がある血洗島へ戻ります。実家のシーンは、この大河の評価すべき部分でしょう。家族が出て来るからとも言えますが、ただ私の場合、所謂ホームドラマ的、あるいは少女漫画のプロット的な要素は好きではありません。女性主人公の大河や朝ドラでは、一部例外もあるにせよ、この手の要素が多いようですが、私としては、こういうのは予定調和的で面白く感じられないのです。血洗島のシーンが好きなのは、実家を描くことで、様々な意味での主人公の原点が見えて来るためです。

あと、父の市郎右衛門を演じる小林薫さんが割と好きなせいもあるかと思います。最近マクドナルドのCMにも出演していますね。

飲み物-グラスに入ったビール
[ 2021/09/18 00:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『黄金の日日』に思うこと

『黄金の日日』のアンコール放送については、以前も明智光秀関連で書いたことがあります。商人が主人公で、その意味では今年の『青天を衝け』と似た部分があります。とはいえ時代背景も、また主人公の境遇も大きく異なりますので、同列には論じるのは難しいでしょう。

この大河が面白いと感じる人はかなりいるようです-三谷幸喜氏もそう語っています。実際キャストも豪華だなと思いますし、その当時としては珍しく海外ロケも行われており、予算もかなりの額ではなかったかと思われます。またそれまで武士の視点からだった大河を、商人の視点からにしたという斬新さもあるでしょう。ただそこまで面白い大河であるかと言われると、正直な話何とも言えません。描写やキャラ設定などはいいと思います。

ただ私としては、同じ戦国時代を舞台にした『風林火山』、あるいは『独眼竜政宗』などの方が、題材としてはオーソドックスながら、かなり面白い大河であるかと思います。確かに1978年当時は、かなり攻めた大河ではあったのでしょう。しかし2021年の今観た場合、面白くはあるけれど、ずば抜けて面白いかと言うと、残念ながらそうでもない。少なくとも私はそう感じてはいます。

飲み物-黄金色のビール
[ 2021/07/15 00:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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