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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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『どうする家康』第11回に関しての武将ジャパンの記事について-3

先日の続きです。今回も引用部分は短めにしていますが、それでも長めになっています。それから先日「刈谷城攻め」と書いていましたが、もちろんこれは鵜殿長照の上ノ郷城攻めの誤りです、訂正しています。

やたらと芝居ががかっていた田鶴が不憫でなりませんでした。
(中略)
しかも回想シーンで、冬なのにペールカラーの着物で話している二人がいる。あれでは寒いとしか思えません。
この田鶴の回想に出てくる場面が、おじさんが考えた若い女設定でさらに辛い。
「若い女はスイーツ食うよね!」
だから、このセンス、もうどうにかしてっての……。

また「ペールカラー」(苦笑)
そして必ず「おじさんが考えた若い女設定」
武者さんのこの固定観念の方こそ、どうにかしてくれと言いたくなります。
で、
「串団子で、はしゃぎながら外食するってどれだけ陳腐な表現方法なんですか。怪我の原因にもなるからやめましょうよ」
くわえて走ったりすれば確かに危ないでしょうが、そういうシーンはありませんよね?
第一この当時、外食するなら団子とか餅とか、そういうのに限られていたと思うのですが。

お団子食べてはしゃいでいる時間があったら、統治者なり為政者なりの思いでも入れるべきだったのでは?
本作に、とにかくありがちな描写――ぶつ切りにして、臭い感動を入れればいいと思っている。

武者さんに取っては「臭い感動」であったのでしょうが、お田鶴がこの行動に踏み切るためのいわば伏線だったのではないでしょうか。ここで

「どうする家康」田鶴の行動原理は瀬名への「強すぎる愛」 “裏切り者”の声も「うれしかった」
https://mantan-web.jp/article/20230317dog00m200069000c.html
(MANTANWEB)

という記事が紹介されており、
記事でわざわざ解説しなければならないほど、本編の描写が足りていないなどとありますが、ちゃんと観ていればわかることでしょうし、他の大河でもそれは同じと思われます。
そして、

そもそも田鶴の話は、後世の創作とされます。
それをここまで引っ張るばかりか、しょうもないアレンジを効かせて、台無しにしてしまう。

創作と言うよりいくつか説があるため、どれを採るかとなったのではないでしょうか。そして例によって
「しょうもないアレンジ」
どこがしょうもないのでしょうね。彼女が城を守ったこと、城下に赴いたこと、さらに瀬名に手紙を送ろうとして結局送らなかったことなどなど、それなりに意味があると思いますが。

そして「料理初心者ほどわけのわからんアレンジをして、色々ぶち壊しにする状態」なる書き出しで、「レモン味の牛乳」を

三谷幸喜さんならばわざと固めてカッテージチーズ風にできるし、森下佳子さんならばラッシー風にできるし、池端俊策さんなら寒天を入れることで解決する。それが今年は、固まりかけのまずい牛乳だけが残っているんです……飲みたくありません。

何言っているんだ?と言いたくなってしまいます。しかし徹底して好きな脚本家しか出していませんが、山本むつみさんは登場しないのでしょうか。
それと「飲みたくありません」
だったら飲まなければいいのでは?

そして瀬名とお田鶴をクローズアップした、本作の女性描写が酷い、こういう記事があるがどれもこれも脳内妄想女などとあります。失礼ですが、武者さんの方が脳内妄想なのではないかと思いたくもなりますね。
その記事とはこういう記事です。

有村架純&松嶋菜々子&古川琴音ら「どうする家康」のカギを握る女性たち
https://www.cinemacafe.net/article/2023/03/18/84159.html
(シネマカフェ)

女性たちが様々な形で登場するのは、昨年も似たようなものだったと思います。しかし武者さんも叩くためとは言え、色々な記事に目を通してますね。本当はこの大河を好きなのではないかとさえ思ってしまいます。でベクデル・テスト(ジェンダーバイアス測定のためのテスト)がどうこう、ひらパーで岡田准一さんが既視感のある格好で、メリーゴーランドに乗ってどうこう。これには
「どう見ても作り物の馬に乗って、はしゃぐ信長もとい園長て……そんなんお前、むしろ皮肉っとるんやないか?」
遊園地だから当然かと思いますけどね。ちなみに信長ならぬ園長(そのなが)という名で登場したようです。紛争姿はこちらをどうぞ。

https://www.hirakatapark.co.jp/
(ひらかたパーク公式サイト)

さらに
「ま、それはさておき、関西弁ネイティブの岡田准一さん、時代劇もお得意です。
(中略)
バリバリに関西弁を使う役が見たいんですよね。どうですかねえ。楽しみにしております」
関西弁が理由ではない(多分)とは言え、BK朝ドラが嫌いな武者さんにそう言われてもなあ…と思います。

そしてこの回では登場していないお葉の関連記事ですが、彼女のしぐさが『うる星やつら』の場面に似ているという記事をわざわざ持ち出し、こういう記事を引っ張って来て、このアニメは1981年のだから若者向けではないとか何とか。知らないなら知らないなりに楽しめるのではないでしょうか。実は私もこのこと知らなかったのですが、『レジェンド&バタフライ』に似ているとは思いました。
あとお葉の家康に対する仕草に「ムツゴロウさん」という声もあったとのことで、これも80年代だから若者向けではないなどと書いていますね。

そしてこの部分、

面白ければ褒める。
つまらなければ批判する。
レビューというのは当然そうあるべきだと思いますが、つまらない作品についてそう批評していると、私のような末端の者にまで「なぜ褒めないなんだ、馬鹿か!」といった言葉が飛んでくることがあります。

「面白ければ褒め、つまらなければ批判する」は、1つの作品の面白い部分、そうでない部分をそれぞれ批評または批判するものだと思います。しかし武者さんは好き嫌いのみで判断し、嫌いな作品即ちつまらない作品と決めつけるから反発も来るのでしょう。レビューとは本来、もっと客観的な分析が要求されるものではないでしょうか。これが

作品の面白い部分は褒め、つまらない点は批判する。
レビューというのは当然そうあるべきであると思います。仮に作品がつまらないと思われても、描き方や登場人物の動かし方などで見るべき部分はあるでしょう。ただ批判が多くなると反発がくることもやはりあります。

とでも書かれていたら、まだ納得できるのですが。

それからステラのテレビ桟敷談義なる記事ですが、これも一応URLを置いておきます。

家康(松本潤)の側室問題は続く!? 大河で描かれるセクシュアリティーってなんだ? 大河初心者の“見た蔵”とマニアの“同門センパイ”が第10回を大胆レビュー!
https://steranet.jp/articles/-/1623
(ステラnet)

武者さんが公式ポリアンナ(記事)と呼ぶこのステラの記事、戦国期の女性同士の同性愛で、
「ドラマでは、扱い方がセンシティブで難しいんだ。今回は、家康は同性愛について理解を示した、それくらい懐の深い人でした、というのがオチだよね。でも、ドラマからはそれ以上のメッセージは伝わらないように感じたんだ」
そして公式ポリアンナも引いたとあるのですが、別にこの桟敷談義なる記事、武者さんが言うポリアンナ記事ではないように思います。他に大河紹介記事もありますし。

そして『平清盛』はバッシングがひどかったのに、SNSで盛り上がった、ドラマ通は理解できる作品と位置づけできたと決めつけ、本当に必要だったのは、批判の中身を吟味して改善することだったと書かれています。そして家康も反省からの改善がないとか何とか。
確かに清盛は反省すべき点もあったかとは思いますが、後からDVDで観た限りでは癖が強めながら、そんなにひどい作品とも思いませんでした。ならば『麒麟がくる』にも同じようなことが言えるかと思うのですが、その点武者さんはどう考え、どう改善するべきだったと思っているのでしょうか。

そもそもこれ、清盛がどうこう言っていますが、例によって関連ツイのハッシュタグのことを批判したいように見えます。

あとこの漢詩ですが、

項羽作『垓下の歌』より
力抜山兮気蓋世
力は山を抜き、気は世を蓋(おお)う
私の大河愛はめっちゃ素晴らしくて、タイムラインを絶賛で埋め尽くすほどなのに
時不利兮騅不逝
時に利あらず、騅(すい)逝(ゆ)かず
ドラマ通が少ないのか、マスゴミやアンチのせいか、視聴率が低迷してる!
騅不逝兮可奈何
騅(すい)の逝(い)かざるを奈何(いか)にすべき
トレンド一位取ればヒットのはずなのに、それが通じないってどういうこと!?
虞兮虞兮奈若何
虞(ぐ)や虞(ぐ)や若(なんじ)を奈何(いかん)せん
えーん辛いよぉ、推しがヒットしないのどうすればいいのぉ〜!

最後の「虞や虞や汝を奈何にせん」は有名ですね。それはともかく、皮肉ろうとしてどうも「おじさん構文」同様滑っているような感があります。何か1人で感傷に浸っているように見えると言うか、単なる自己満足のように見えますが。
このコラムが「レビュー」たりえないのは、こういう点も一因かと。


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[ 2023/03/25 01:45 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

銀河鉄道999のテーマ/Opening Theme of "Galaxy Express 999”

漫画家の松本零士さんが亡くなられました、ご冥福をお祈りします。代表作『銀河鉄道999』のアニメ版、ゴダイゴによるテーマ(1979年)を、ここに置いておきます。

Leiji Matsumoto, a manga artist died on the 13th of February. So I post an OP theme of "Galaxy Express 999", based on one of his works that is performed and sung by GODIEGO. R.I.P.




[ 2023/02/22 01:45 ] その他/others | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 61

『武将ジャパン』大河コラム、第25回前半に該当する部分への疑問点です。それからまたしてもお詫びになりますが、あらすじと感想で、北条頼時を泰時としていました。いずれ泰時と改名はしますが、現時点では頼時なので書き直しています。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第25回「天が望んだ男」 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)

まず全成の占いのシーンについて。ここだけ長いので、他の部分とは別にしています。また、前後を多少入れ替えています。

この占いに関して武者さんは

全成のアドバイスは全体的に説得力が感じられません。
(中略)
ここでも大江広元あたりなら、なんとか言い抜けを考えそうですが、そうはなりません。お得意の祈祷をしないあたりが全成の気の小ささかもしれない。それでダメだったらどうしようもありません。
個性が埋没しがちな全成。
頼朝が重視していた陰陽道。
その要素を踏まえて、こんな興味深い描写にするのだから技巧が光りますねー。
しょうもないお笑いの場面のようで、当時の価値観や宗教観がわかる、かなり難しい場面。
(中略)
ただ、全成の忠言もデタラメでした。妻の実衣(阿波局)にツッコまれて白状。赤い服はまずいと全成は妻に言いますが……。

私はこの部分は多分にコント的だと思っていたし、全成にしても、頼朝から矢継ぎ早に何がよくないのかどうかと訊かれ、適当なことを述べたに過ぎないでしょう。これは大姫の時も似たようなものだと思います。
ですから「説得力がない」にしても、「個性が埋没しがち」でも特におかしくはないし、「当時の価値観や宗教観」が全くないわけではないにせよ、このシーンは
「まだ死にたくない、そのために厄除けをしたい頼朝」と
「鎌倉殿である兄の手前、何かを言わなければならない全成」
の、掛け合いのようなものではないでしょうか。何よりも、最後の部分で全成の忠言がデタラメなどとあるのですから、寧ろこれから遡って行った方が、このシーンは読み解けそうです。

で、

当時の宗教観なども交えながら、少し考察してみましょう。

などとあるのですが、その中でこれは如何かと思う部分をピックアップしておきます。

・そもそも「夢占い」ってどうなん?
夢占いは迷信である――。
実は中国でも魏晋時代、日本なら邪馬台国の頃から、すでに夢占いは廃れていました。それを頼朝に告げないのはよろしくありませんね。

そんな大昔に夢占いは廃れていたでしょうか。平安時代には夢占いは盛んに行われていました。中国大陸に於いては、この魏晋時代を境に、公的なものであった夢占いが世俗化されたと伝えられています。大阪大学の湯浅邦弘教授によるものですが、一応URLを置いておきます。但し1995年の研究であり、その間また何らかの新節が登場した可能性はあります。

https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/6009/mrp_029-001.pdf
(12ページ)

・昔を振り返る人に先を託す
これはよいとは思います。

これ、「昔を振り返る」と「人に先を託す」は別々だと思います。だから義盛の館で、昔のことを振り返ってはいけないとなったわけでしょう。


1.それにしても、頼家も、頼時も、元服して烏帽子を被り、前髪をなくすと見た目がグッと締まりましすね。日本を代表する時代劇美男は、やはりこうでなくては。

2.堯舜のように政治は徳が高い人がやるべきであり、吟味を重ねた方がいいと言うのは三善康信でした。
堯舜とは古代中国の聖なる君主です。一人ではなく、堯と舜の二人。後に北条泰時が「堯舜のようだ」と評されることとなります。

3.例えばイギリス王室では王位継承順位が数百人単位で決められています。あの王室が盤石とされるのは、それだけ後継者が多いからなんですね。

4.イライラを募らせるりくに対し、鎌倉では義時の異母弟である北条時連(北条時房)が、これまたノホホンと伊豆から届いた鬼灯(ほおずき)を抱えています。
頼朝の部屋が暗いからそこに飾って――姉の政子からそう指示される時連ですが、おっとっと、「赤が不吉」だという情報は共有なされていないのでしょうか。

5.愛嬌たっぷりの御家人おじさんたち。
ポイントは、訴訟で土地の分配や権利を決めている点でしょう。
中世は暴力的な時代であり、何かあると殺し合いで決着というようなこともありました。【曽我事件】の発端である曽我兄弟の父の死も、その一例ですね。

1、まず烏帽子を被って前髪を垂らす人はあまりいないと思います-サブカル的な作品は別です。それと
「日本を代表する時代劇美男」
とありますが、何だか昔風な言い方ですね。それと坂口さんも金子さんも「時代劇俳優」という印象はあまりありません。この場合、大河ドラマに出るからにはこうでなければと言うのならわかります。

2。武者さん、必ずこれに言及すると思いました。ただこの場合は、三善康信が堯舜を引き合いに出したことで、頼家、ひいては一幡をディスるような意味に取られ、比企能員を怒らせてしまったことから、この引用は失敗例と言うべきかもしれません。

3、以前見た何かの記事にあったのですが、何千人もいるためデメリットになることもあるようです。最低限のバックアップ要員は必要ですが。

4、その「赤が不吉」というのは、後で頼朝がいかんと取り外したことで初めてわかる=情報は共有されていないわけですね。そもそも頼朝は他には誰もこのことを話しておらず、だから不思議がられるのだと思いますが。

あとほおずきは死者を導く提灯の意味がありますから、頼朝はその意味でも、縁起でもないと思ったかも知れません。『鬼灯の冷徹』というアニメがありましたが、あの鬼灯は鬼神ですね。そしてこの植物はナス科で、範頼のナスともどこか通じるものがあります。

5、中世と言ってもこの後、室町時代辺りまでが含まれます。この場合は「鎌倉時代初期」でしょう。


6.といっても、時代はまだまだ中世であり、トークスキルや印象によって決まってしまう傾向があったのです。
道理を聞いて吟味して、判定が下されるのは、北条泰時の統治まで待たねばなりません。

7.話が先走りましたが、武力ではなく統治能力が頼朝によって持ち込まれ、それが御家人を安堵させていたことにご注目ください。

8.その噂(注・範頼の件は比企が絡んでいたということ)を流したのは、なんと時政でした。それもあってか、比企を頼家の正室にしたがっていないとか。

9.時政は大したものですね。【曽我事件】でかけられた疑惑を晴らすのであれば、別の方向へ頼朝の目線を向けたらよい。一石二鳥のよい策を思いついたものです。
本人が考えたのか、それともりくが吹き込んだのか。手強い人物となったものです。

10.「まだお怒りですか……お怒りのようだ。なんです? そのまるで永遠(とわ)のお別れのようなお顔は」
比企尼はじっと無言で座っています。
頼朝は怯え、仕事があるとその場を立ち去る。
と、比企尼は眠っていただけでした。最近はどこにいてもすぐ眠ってしまうとか。
「あ、佐殿は」
そう言いますが、行ってしまったあとです。お話したかったのに、そう悔やむ比企尼です。
頼朝は相当自信を失っています。
傍若無人ならば、年老いた尼になんて怯えない。冷静になれたら、居眠りに気づけたかもしれない。
結局のところ、彼は自分自身の恐怖を相手の中に見てしまい、怯えているのでしょう。

6、つまりこの場合は、御成敗式目の制定ですね。『吾妻鏡』では特に、泰時は好人物として書かれていますが、この書物が北条得宗家目線であることも、考えておく必要があります。それとこの場合、私もやっていますが、「頼時(後の泰時))」とした方がいいかも知れません。

7、だからこそ、大江広元が鎌倉に下向し、その礎を築いたと言えるのですが。

8、比企と言うよりは、比企一族の出身のせつですね。

9、りくが考えたのなら、あそこまで比企の台頭を不安視しないかと思いますが。

10、この部分ですが、比企尼は眠っておりましたと言いつつ目を開けています。本人は眠っていたつもりでも、実際はどのような会話が交わされたか覚えていなかった、あるいはわからなかったか、実際はすべてを見通したうえで、眠っていたとわざと答えた可能性もあります。
ここは「赤子に命を吸い取られる」ことに恐怖を覚えていた頼朝が、尼の様子もおかしいということで、さらに落ち着きを失ったと見るべきかとも知れません。
そして
「傍若無人なら」
とありますが、頼朝が傍若無人に振舞うような描写はここではないのですが。


11.おいおい。弓術はダメ。『貞観政要』読解でも北条家の頼時に水をあけられている。そこだけ強者であることを証明してどうなるのか。

12.頼時がキラキラとした目で「御家人ランキングを作っていた」と重忠に語りかけます。
(中略)
そして全てを兼ね備えているのは畠山重忠。
そう告げられても重忠は素っ気なく話をかわします。謙虚ですね。

13.景時は身命を賭して守ると返事をしますが、なかなかに切実なものがあります。
彼は上総広常の粛清をはじめ、御家人の恨みをかうようなことを散々してきました。
こういう懐刀は、庇護する主君がいなくなれば脆い。すかさず頼家に取り入らねば、次なる政争に敗れて破滅が待っています。

14.なんでも北側に六国見山の側に和田義盛の館があるそうで、家人から側女になった巴が住んでいるとか。

15.あの粗暴だった義盛も身なりを気にするようになりました。

11、この間もそうでしたが、こういうのの出典をきちんと出してほしいです。

12、ランキングですか、少々飛躍した感はありますね。それに一番は誰なのかと言いつつも、どういう点に於いて誰が優れているかとこの場合言っていて、そのすべてを兼ね備えているのが重忠と言うわけでしょう。それと重忠が話をかわしたのは、あまりそういうことを、北条の息子にぺらぺら喋ってほしくないという気持ちもあったからでは。

13、ここのシーンですが、景時はそこまでこの主君の運命に気づいていたでしょうか。この場合信頼のおける臣下として、当たり前のことを言っただけかと思います。無論景時が計画して頼朝を亡きものにしようとしたのであれば、また話は別ですが。

14、ここですが、巴が「家人」であるというセリフはなく、頼朝も「そばめ」とのみ言っていますが。

15、身なりを気にするというか、烏帽子はつけていますが、この当時直垂も着けない下着姿で鎌倉殿に会うとは、非礼と言っていいでしょう。だからこそ義盛が恐れ入っているわけですが。あるいは何かむつごとの後だったのでしょうか。

続きは次回にて。

飲み物-ジョッキのビール2

[ 2022/06/29 01:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

小檜山氏ツイ続きと「変われないNHK」

まず先日の『大岡越前』関連で、変換ミスがありましたので直しています。そしてやはり先日、小檜山青氏のツイートに関して書きましたが、実際朝ドラをはじめ、これは如何なものかと思うような内容のものが散見されます。

たとえば
「今回のあれやこれやで確信したんだけど。大河ドラマと朝ドラって2015年以降、誰かの口出し入っているでしょうね」
などとありますが、「誰かの口出し」はともかく、主人公の立ち位置などを考えて、それにふさわしい展開を設定する以上、様々な形で考証が入るのは当然でしょう。これに関しては後述します。

当然同じ時代でも。作品によって描写は異なるわけで、そこが自分の理想に合わない作品に反発する小檜山さん(今回は便宜上これで通します)には面白くないのかも知れません。といっても、個人の理想に100パーセント沿った作品などそうあるものでもなく、小檜山さんも本当に『八重の桜』をすべて受け入れているのかどうか、ちょっと疑問です。また水戸大河(青天を衝け)が「慶喜さまは殺したくないけど勝手に配下が天狗党を殺したの!」などというのもありますが、一橋家の当主である慶喜が天狗党に口出しはできないかと。

さらにフィクションは模倣されやすいから気を付けろといった内容のもあり、銃器入手や怪盗になるとか、柳生新陰流をマスターして将軍を斬首するなどというフィクションの場合、模倣の難易度を考えて欲しいと思うなどとあります。要は真似されやすいから危険だということなのでしょうが、こんなことを書いていたら、フィクションの全面否定になるのではないかと思われますが。

そしてまた例によって、中国史関連のツイも見かけます。まあツイートであれば、本人が好きなことを発信しているだけだからまだしも、大河に直接関係ない中国関連の情報を入れてくるのもどうかと思いますし、朝ドラコラムにも直接関係のないことが書かれたりしているようです。

大河コラムの最終ページなど、殆ど持論展開のためにあるようなことが多いのですが、こちらは大河のレビューを読みたいのであって、小檜山さんの持論を読みたいのではありません。あと『平家物語』もお好きでないようですが、これは『鎌倉殿の13人』と比較されたことも関係しているでしょう。

ちなみに『まんぷく』という朝ドラは、この人に取っては駄作だったようで、「どれだけ甘ったれてるんだ」などといった、スタッフへの不満も漏らしていました。しかしどう考えても、本編を(多分)きちんと観ていないせいで、どこかあらすじの解説がおかしい上に、自分の主観や関係のない話題をやたら入れて、しかも報酬が発生するコラムを書いているわけですから、甘ったれているのは小檜山さんのほうではないでしょうか。

尚前出の考証に関して。以前もリンクを貼ったことがありますが、『どうする家康』の脚本(準備稿)について当該アカウントで紹介されていますので、そのツイの画像をお借りしました。この準備稿に考証が入って決定稿となるわけですから、単に脚本家の一存だけで決まるものではないでしょう。尚サムネイルですのでクリックで拡大できます。

どうする家康ツイ1(脚本)

ところでNHK関連でこういう記事もあります(全4ページ)。

石原さとみから元SMAP、人気声優まで起用の“新しいNHK”「答えは皆さまの声の中に」
(読売新聞オンライン)
あと、コメント付きのyahoo記事のリンクも置いておきます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/
b6d8795635bf2e29cb6c90655e794d8039e080d0

ぶっちゃけて言わせていただくと、この「新しい」NHKなるもの、多用なニーズにマッチしたコンテンツなる言葉同様、少しも新しいという印象を受けず、どこか自己満足臭さを感じてしまうのです。そして1ページ目、「権力を監視するのはジャーナリズムの役割だ」というのも何やら手垢がついた印象があります。今はジャーナリズム≒マスコミすなわち権力であり、それを監視するのが視聴者ではないかと思うのですが。

そして元SMAP(というか、『新しい地図』でしょうか)とか人気声優を出すという姿勢、それはいいのですが、何か民放の後追いのように感じられるのです。

しかも4ページ目トップに、受信料に関しての記述があり、「NHKを見ないからといって断ることはできないのだ」などとあります。やはり読売も既存マスコミである以上、強く出られないのでしょうか。この受信料の部分、ひいてはNHKの在り方にメスを入れてこそ、初めて「新しいNHK」が登場するのではないかと思われます。
そしてその次のパラグラフですが

しかし、昭和のテレビ 黎明期とは比べものにならないほど、生活様式が変化し娯楽の選択肢は広がっている。公共放送の事業範囲や扱う番組ジャンルを再考してみる時期に差し掛かっているのかもしれない。これを幹部にぶつけると、「ニーズがある以上、娯楽番組も放送するのが公共放送。教育・教養番組だけやっていればいいというのはおかしい」と反論された。伝統ある大河ドラマ、連続テレビ小説、紅白歌合戦……。なるほど、娯楽番組でも国民生活に深く根付いている。どこまで受信料で支えるべきか、判断は容易でない。

結局NHKが変われない要因はここなのですね。ですからいくら目先を変えても、どこか似たような路線になってしまう。大河にしても受信料があるから制作できているのですが、NHK幹部に言わせると初めに番組ありきで、だからこそ受信料を払えという思考回路になるのでしょうか。そしてこういう人がNHKにいる限り、半ば強制的な受信料徴収が続き、スクランブル化もされないのでしょう。

私は何度も言っていますが、もう大河も紅白もマンネリ化している感があり、そろそろやめていいのではないかと思います。またこの人たちは、番組視聴率に関しては何と考えているのでしょう。それでも作り続けるべき理由は何か、本当にニーズだけなのでしょうか。

TVや雑誌(特に週刊誌)といった既存メディアは、彼らを支えて来てくれた視聴者や読者と共に老いて行っているなと思いますし、その中身も高齢者の要求に応えたものと言ってもいいでしょう。その意味でTVを新しくしたいというのは理解できますが、それが如何にもおじさんが考えた若者向けの内容であり、刺さった印象があまりないのです。これらの番組がもしうまく行かなかった時、誰が責任を取るのでしょうか。ちなみに個人的には、『昆虫すごいぜ』と『突撃!カネオくん』は間違いなく刺さる番組です。

本来根本的な改革をするチャンスはいくらでもあったのに、先ほどの幹部氏のように、ニーズがあるからと「変わらないこと」を望むと、すべてがモラトリアム化して行く可能性もまた大きそうです。こういう組織あるいはガバナンスの在り方に、日本ラグビーフットボール協会をどうしても連想してしまうのですが、これについてはまた別の機会にします。

飲み物-ビールと夜景

[ 2022/04/11 01:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『武将ジャパン』コラムのニュース記事と小檜山氏のツイに関して

『武将ジャパン』のコラム関連ですが、今回もまたニュース記事のリンクが貼られています。リンク元が明記されていないので一応書いておきます。

大河、小池栄子VS江口のりこで「亀の前事件」 三谷幸喜が“女のバトル”押し出す狙い
(NEWSポストセブン)

何でも武者さんによれば

要約しますと、もはや時代錯誤的な芸能界のセオリー分析です。
週刊誌にせよ、ネットニュースにせよ、こういう「女同士はドロドロしてるよね〜」という偏見は定番です。

らしいのですが、目を通した限りでは、そこまでは思いませんでした。紹介記事ということもありますし、全体的にこの回が楽しみですねといったニュアンスで、なぜ亀の前事件がここまで描かれるのかということで、

「また、三谷さんが「原作のつもりで書いている」と語る『吾妻鏡』に「亀の前事件」が書かれていたことが、これほどフィーチャーされるベースになっています」

とあり、その次のページでは

「第12話では、前回のラストシーンで父・伊東祐親(浅野和之)と兄・祐清(竹財輝之助)を愛する頼朝に殺された前妻・八重(新垣結衣)の切ない心情も描かれます。さらに義時の妹・実衣(宮澤エマ)の人生にも動きがあるなど、やはり『鎌倉殿の13人』は「女性たちの物語もしっかり描く」というスタンスなのでしょう」

などとも書かれているのですが、武者さんにはそれでも不満なのですね。

そういえば武者さん、漢籍はあれこれ出してくる割に、『吾妻鏡』に関してはあまり触れていないようですが、レビューを書くのなら、まずそちらを調べるべきではとも思います。そのせいか、上総広常に和田義盛が会いに行くのは『吾妻鏡』に出て来るのに、人選ミスなどと書かれていましたし。

それと、この武者さんと同一人物とされている小檜山青氏のツイートですが、プロフィールページを見ても他のアカウントからのリツイが多いため、絞り込んでみました。検索窓に「from:ユーザー名(@の後の部分)」、場合によってはキーワードを入力して検索すれば簡単に本人のツイが見られますので、そうやって目を通したところ、たとえば『麒麟がくる』の駒叩きに関してこういう内容のツイがあります。尚ツイートは、部分的に紹介しているものもあることをお断りしておきます。

要は駒のように高等知識を持つ女性が嫌いで、その延長戦にあるヘイトを感じる意見もある。要するに女性研究者や政治家を粘着して叩くようなものと同じトーンがあって気になると。

他にも駒はそこまでプロットを妨害していない、あそこまで嫌われるのがわからないとしたうえで、善児の方がむしろトリッキーというのもあります。

しかしどう考えても駒は、本来関わるべきでない部分まで踏み込んでおり、この部分が如何にも奇妙に感じられたのが、批判される一因となってはいるでしょう。正直、駒は『江』とか『花燃ゆ』とどこか相通じるものもあります。その辺を考慮に入れず、駒が女だから叩かれると一方的に決めつけるのも如何なものでしょうか。

また善児も、伊東祐親父子暗殺などは史実と違っていますが、彼は要は出番が限られた暗殺者です。そして今のところ、駒ほど史実に踏み込んでいるようには見えません。

それからもうひとつ、これは朝ドラ関連ですが、「オカルトじみた因縁で(母子が)再会」などとあります。

平安末期の大河のほうがまだしも迷信から距離を置いているように思えるほど無茶苦茶だし

などとあります。私は朝ドラを観ていないのでダイジェストの動画だけ観てみたのですが、どこがオカルトじみているのか、どこが迷信なのかはよくわかりませんでした。この平安末期の大河は恐らく『鎌倉殿の13人』のことでしょうが、こちらは時代が時代ですし、全成が変成男子の法を行うシーンなどは、今から見たら迷信とまでは言わずとも、呪術的ではあるのではないでしょうか。

あとアニメ『平家物語』のびわが駒でなく江に近いとあったりしますが、びわはストーリーテラー的存在と思われます。なのに

駒は意味があるけどびわは…善児的な活躍をするとか!

善児的な活躍をして、平家の人々を抹殺して行くのでしょうか…それはないでしょう。
その他にも中国大好きな一面も見られるので、やはり武者さんなのだろうなと思います。それから今年と昨年の大河関連でこのようなツイもあります。

大河で二年連続、妊娠中の妻がいるのに不貞行為を働く描写があるけど。
それをごまかしているか?
批判的に描くか?
このニュアンスはむしろ真逆なわけで、二年連続出てきたからOK!というのはちょっと読解力の面でこう…ねえ。

とありますが、『青天を衝け』の場合は身重なのは妻のお千代でなく、妾のくにの方ですね。

飲み物-暖炉の前のウイスキー


[ 2022/04/02 01:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

ガブリエルの猟犬

3月25日は「受胎告知日」でした。つまり大天使ガブリエルが、ナザレのマリアのもとに、イエスを身籠ったことを告知したとされる日です。ちなみにこの時期、ワイルドハントの一種とも取れる「ガブリエルの猟犬」が、空を跋扈するといわれています。

「西洋魔術博物館」様のツイートにはこのようにあります。


実際は雁の渡りというのが、何だかオチのようでもあり。

ところでこのリプ欄に”My Favorite Things”とありますが、かの『サウンド・オブ・ミュージック』に登場する曲です。確かにこの”wild geese that fly with the moon on their wings"という歌詞もありますね。

雁が渡るのはもちろん西洋でも同じで、『ニルスの不思議な旅』では、ニルスとモルテン(NHKアニメではキャロットも)が、アッカ隊長率いる群れと共にラップランドへ、そして秋には南の方へと旅をしています。

飲み物-ミルクが注がれる紅茶

[ 2022/03/27 01:15 ] その他 | TB(-) | CM(0)

アニメ『平家物語』その他

先日の『武将ジャパン』関連投稿で触れた、アニメ『平家物語』、実はこれは観ていないので、公式サイトをチェックしてみました。

TVアニメ「平家物語」公式サイト

主人公はびわという少女で、右の目だけが青く、この目で未来を見ることができるという設定です。その他平家一門や一部源氏の関係者も出て来ます。元々びわは琵琶法師の父親を平家の武士に殺され、平家の屋敷に忍び込んだところ、自分の予言に重盛が共感して屋敷に住むことになり、その後は平家の栄華、そして衰退が描かれて行きます。

ところでこのびわですが、後に屋敷を追われ、母の足取りを追って一旦越後へ行き、その後京に戻ります。しかし平家は既に京にはおらず、代わりに木曽義仲の軍が占領していました。びわはこの義仲の兵に襲われるものの、白拍子に救われるということになっています。

ところで『武将ジャパン』のコラムでは、このアニメについてこう書かれています。
(詳しくは当該コラムの4ページ目を参照してください)

そもそも語り部がオッドアイの架空美少女で、彼女がらみの本筋とさして関係ないエピソードが本編をぶつ切りにする。
そんなことを大河ですればどうなるか?
抑制的であった『麒麟がくる』の駒ですらああも叩かれたのです。

アニメにはアニメの、大河より緩いルールがあって成立していて、比較することが適切とは思えないのです。
ましてや大河をくさすために持ち出すのであれば、作品に対して失礼ではないでしょうか。
『鎌倉殿の13人』が嫌いならば、いちいちアニメと比較せず、嫌いな理由と箇所をあげればよいだけかと思います。


ここの後半部分については、特定の大河作品と、舞台や時代が異なる他の大河との比較、あるいは外国ドラマとの比較はOKなのかと先日書いています。そして前半部分、びわは確かにオッドアイですが、右目が未来を見渡せるということから、このようなキャラデザインになっていると思われます。

そして彼女はオリキャラながら、このアニメの主人公であり、あくまでも琵琶法師という立場を崩していないようです。こういうのが、駒と異なる点と言っていいでしょう。従って、彼女絡みの本筋と無関係のエピソードが出て来ても、そして多少の違和感があっても、それはそれと受け止めることになるでしょう。無論大河とアニメの違いもあるでしょうが。

というかこの前半部分では、「そもそも大河でそんなことをすればどうなるか?」とあり、描かれ方という点でびわと駒を比較しているようにも取れますが、後半では大河とアニメは違う、比較するべきでないとなっています。ちょっと矛盾しているように思えます。最初から駒を持ち出さずに『鎌倉殿の13人』だけを引き合いに出して、大河とアニメとは違うとした方がよかったのではないのでしょうか。

しかし、実際このアニメの演出が好きだと言う人もいるようですし、何よりも、『鎌倉殿の13人』であまり描かれていない、落ちぶれつつある平家が描かれることで、やはり比較したくなる人もいるのではないでしょうか。『鎌倉殿』は、本当に平家の登場回数が限られているなとは思います。

しかし『青天を衝け』のスクショを見ていて改めて思ったのですが、あのコラムは結局スタンスは同じで、対象となる作品が好きか嫌いかによって反転するようになっています。実際この中でお千代に関して書いていることは、今年の政子にもいくらか当てはまるのですけどね。しかも『麒麟がくる』がやたら出て来るし。

飲み物-暖炉の前のウイスキー


[ 2022/03/19 00:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 26(+カメラマンの映り込み)

『武将ジャパン』関連の続きです。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第10回「根拠なき自信」 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)

その前に先日投稿分をもう一度おさらいしておきます。

1. 奥州藤原氏の美しい装束は「日宋貿易」の賜物
2. 文覚は殺人をしたという記事をリンクしている
3. 大庭景親の晒し首を遺体損壊

まず1、奥州藤原氏がやっていたのは、現在の青森県にある十三湊(とさみなと)を拠点として行われた「北方貿易」ですね。そして2の袈裟殺し、これは『源平盛衰記』の創作です。さらに3、武者さんが好きな『おんな城主 直虎』に井伊直盛(直虎の父)の首が出て来ますが、あれも遺体損壊なのでしょうか。

では本題です。

4. 文覚関連で、こんな仏僧がいる時代に生まれた鎌倉仏教っていったい何なのか
5. 「今週の遺体損壊」関連でなぜかリメイク版『柳生一族の陰謀』
6. 「お芋いっぱいもらっちゃった」というセリフで、なぜか「いもくりなんきん」を引用し、サツマイモ、栗、カボチャを女性は好むと説明
7. 草餅を差し入れる義時を、ハーゲンダッツを差し入れることで好感度アップを狙っているダメ男になぞらえる
8. 北条政子と実衣が干し果物を食べているシーンで「当時の女性も、食べ物の定番はドライフルーツ」

4ですが、文覚は僧として神護寺の再興に力を尽くしています。あくまでも袈裟を殺したのは創作ですから。
5、前出の「遺体損壊」絡みで生首のニーズがある番組として、『鎌倉殿』以外に、なぜか一昨年に放送された『柳生一族の陰謀』を紹介。
6、これはあらすじと感想でも書いていますが、この当時の芋は里芋か山芋のはずです。なのになぜか「サツマイモ」、サツマイモが入って来たのは近世以降なのですが。
7、草餅とハーゲンダッツですか、もう少し例えようがあるとも思いますが。ハーゲンダッツといえば、義村の中の人が演じた『きのう何食べた?』の大ちゃんが、恋人のジルベールに買いに行かされていましたね。
8、当時はともかく、今の定番は必ずしもドライフルーツだけではないでしょう。この当時は甘いものが少ないからこそ、こういうのしかなかったでしょうし。

9. 牧宗親の京言葉に「しかしなんだろう、この嫌らしさは」
10. 地元鎌倉の当時の献立を再現した食事と、なぜか「信長の御膳と比較すると、面白い」
11. 広常が義政を斬り捨てたのは、頼朝の命令があったとも解釈されますが、どうでしょうかという記述
12. 戦国時代にあってこの時代にまだないものをおさらいとあり、以下のような点が指摘されている
『麒麟がくる』では喊声をあげ、陣太鼓や法螺貝が鳴らされる
『孫子』くらいは常識になっている
織田家の蓄えた財力、西洋渡来の鉄砲などが勝敗を決定づける
平安鎌倉期には、それすらまだない

9、『青天を衝け』関連で、武者さんは、美賀君が御所言葉を喋らないと書いていたことがあります。御所言葉、あるいは京言葉を喋らなければ叩く、そして喋っても叩くのですね。そしてこの後に、坂東武者に寄り添っていると書いていますが、こういう時は坂東は原始的とは言わないようです。結局どっちの言動にもあれこれ言いそうな気はしますが。
10、なぜここで鎌倉時代の食膳と、戦国時代のそれを比べるのでしょうね。
11、広常が義政を斬るのは、『吾妻鏡』にちゃんと出て来ます。どうも『吾妻鏡』をきちんと読んでいないようですね。
そして12ですが、ここでまた戦国時代との比較。ここでそれをして何になるのでしょう。『麒麟がくる』と比較したいだけのように見えます。要は戦国にはあれもこれもある、この時代はないから将の頭の中の策がすべてと言いたいようです。それと気になるのが、このコラムでは『孫子』への言及が多いのですが、兵法書は『孫子』だけではないのですけどね。

13. 「合戦の最中にきのこ採りだってよ。まあ、それも義時だから仕方ない」だそうです
14. そして神奈川のご当地大河は『草燃える』以来ですからと、10年ルールを無視
15. 今年は公式サイトから公式SNSまでレベルが高い、毎回人物相関図が更新されると賞賛
16. 例えば『青天の衝け』の場合、池田屋で近藤勇と永倉新八の活躍を土方歳三が盗んでおります
17. それから女性像云々で、『青天を衝け』では、妾が笑顔で渋沢家から出て行きましたが、あれこそまさにねじ曲げた(注・視聴者向けにアレンジした)女性像の典型例でした

13、この当時きのこも立派な食料ではないでしょうか。これより少し前ですが、『今昔物語集』に谷に落ちた信濃守藤原陳忠が、ヒラタケを一杯手にして引き上げられていますし、また木曽義仲もヒラタケが好きだったようです。尚きわめて個人的な発想ですが、義村が翌年の春に、八重にたけのこを持って来たら笑います。
14、武者さんは10年ルールと言う一方で、平気で40年以上前の大河を引き合いに出したりしますね。そもそも源平大河なんて制作頻度がそう高くないのだから、10年ルールは外した方がいいのに。それと鎌倉が出て来る大河なら、部分的ではあっても
『太平記』
『北条時宗』
『義経』
などにも登場しますね。
15、これは今年に限ったことではありません。しいて言えば『西郷どん』以来の、主だったシーンの画像の復活は評価したいです。
16、前にも書きましたが、近藤や永倉の活躍を盗んでなどいませんね。後から駆け付けた土方の方をクローズアップしただけの話です。土方が、後に篤太夫(栄一)と会っていますし。
17、これも『青天を衝け』批判ですが、くには娘文子が結婚するからということもあり、しかも渋沢家の人々に頭を下げて出て行きましたし、栄一の長女歌子も彼女に感謝の意を述べていました。特に不自然ではないと思います。

その他にも、義経が可愛いなどともありますが、今年のがもし嫌いな大河であれば、空気の読めない奴とかなり叩いていたでしょう。そして最後のこちら。

18. なぜアニメ(恐らく『平家物語』)と大河を比較するのかとあり、私にはちょっとわからないとあり、

アニメでは烏帽子をかぶっていない人物が出てきておりますし、木曽義仲はまともに甲冑をつけていないで戦うような場面もある。
そもそも語り部がオッドアイの架空美少女で、彼女がらみの本筋とさして関係ないエピソードが本編をぶつ切りにする。
そんなことを大河ですればどうなるか?
抑制的であった『麒麟がくる』の駒ですらああも叩かれたのです。

アニメにはアニメの、大河より緩いルールがあって成立していて、比較することが適切とは思えないのです。
ましてや大河をくさすために持ち出すのであれば、作品に対して失礼ではないでしょうか。
『鎌倉殿の13人』が嫌いならば、いちいちアニメと比較せず、嫌いな理由と箇所をあげればよいだけかと思います。

ということらしいのですが、何やらブーメランのような気がします。この『鎌倉殿の13人』のコラムも、何かにつけて、時代背景も舞台も違う『青天を衝け』を悪い意味の比較対象として採り上げ、一方でこれまた設定が大幅に異なる『麒麟がくる』をいい方の比較対象として採り上げていますが、これはOKなのでしょうか。またこういう比較の仕方が、武者さんの『鎌倉殿の13人』に対する評価を、どこかどっちつかずで歯切れが悪く見せてしまう一因となってもいます。また、大河と『ゲーム・オブ・スローンズ』を比較するのはありなのでしょうか。

最後に。第10回の佐竹攻め、広常が義政を斬って源氏軍が石段を上るところで、マスクをつけたカメラマンが映り込んでいます。これはちょっとどうかと…『真田丸』の赤ちゃんの紙おむつの件を思い出します。詳しくは「鎌倉殿の13人 カメラマン 」などで検索してみてください。『タイムスクープハンター』などとも言われているようです。

飲み物-ホットラム
[ 2022/03/18 01:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

「西洋魔術博物館」ツイートと北米秋冬の祝祭

以前、西洋魔術博物館さんの、ハロウィンとソウルケーキ関連のツイートをご紹介しますが、今回もう一つご紹介しておきます。


このツイも、西洋の民間伝承的なものが紹介されていて楽しめますが、ここで注目したいのはリプ欄です。かつての少女漫画に言及されていて、

日本では一時期の少女マンガが「バレエ、まま母、松葉杖」で溢れていたとのこと。

とありますが、1年ほど前に投稿した、飛鳥幸子さんのバレエ漫画関連ツイートを思い出します。この中では、かつてのバレエ漫画について書いており、まま母は出て来ませんが、両親を失った幼い姉妹が、老夫婦に母屋を貸すという設定になっています。創作物にも、それぞれの時代のトレンドがあるということでしょう。

本題に戻ります。アメリカに於いてはハロウィンの次は感謝祭、そしてクリスマスとなるのですが、日本も今では、単にクリスマスやバレンタインデーのみならず、ハロウィン、果ては復活祭までがイベント化する気配を見せています。

しかしキリスト教色の薄いハロウィンはともかく、復活祭は如何かと思います。これほどキリスト教と密接な行事はそうありませんし、クリスマスにそう熱心でない教派も、復活祭は祝うほどです。

何よりも復活祭は、その前のレント(受難節、四旬節)と結びついていますから、レントに節制を行って、しかる後に復活祭を祝うことになるわけですし、クリスマスも、本来はアドベント込みのはずなのですが…。でも最近は、アドベントカレンダーをあちこちで見かけるようになってはいます。

ちなみに、かつてイラクがクウェートに侵攻した際、多国籍軍が派遣されましたが、この当時のアメリカのブッシュ(父)大統領夫妻は、感謝祭に、兵士たちの激励のために現地を訪れています。クリスマスだと宗教色が強いこともあり、湾岸のイスラム教諸国に配慮して、感謝祭に日程を組んだといわれていますが、この時は当然というべきか、夫妻をはじめ、将官や兵士たちに七面鳥が振舞われています。

しかし七面鳥の肉は、割と癖が強く、ソースをかけないとちょっとパサついた感じがします。アメリカでは結構、サンドイッチに挟んで食べたりもしていますけどね。その代わり低カロリー高タンパクです。

民間伝承といえば、6年前にユールとワイルドハントについて投稿していますが、そろそろまたこのテーマで書こうかなと思っています。ワイルドハントも、西洋版百鬼夜行のようなもので、こちらは空を駆け巡って来ます。ハロウィン前に、まねきケチャの『あるわけないのその奥に』をご紹介していますが、こちらも正に
「そこのけそこのけもののけが通る」
です。元々は、オーディンが連れて来る祖霊たちだったのですけどね。

飲み物-ブランデー2
[ 2021/11/23 00:30 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『逃げ上手の若君』と北条時行

8月の下旬になりますが、辻さんの訃報と『逃げ上手の若君』という投稿をしています。その中で、この『逃げ上手の若君』の漫画を読んでいるとも書いており、実際現時点では第2巻までを読んでいます。この先、南北朝の動乱の中で、主人公の今後の生き様がどう描かれるか楽しみです。

ところでこの投稿では、『英雄たちの選択』で主人公の北条時行(相模次郎)が紹介されることにも触れていますが、この番組を観たところ、作者の松井優征氏のインタビューがあり、これほど少年漫画向けの人物もいないとのこと。確かに「流浪の王子」と呼ぶにふさわしい人物ですからね。

その時行は鎌倉幕府滅亡後、諏訪氏の許に身を寄せ、諏訪頼重が中先代(時行のこと)の乱を起こすに至るわけです。実際今も長野県には、北条のつく地名が残されています。

またこの番組中では、様々な分野の第一人者が、彼の行動について話を進めて行きますが、彼は北条氏を糾合するのと、後醍醐天皇につくのとどちらを選ぶかの問いに関しては、すべての人が北条氏を糾合すると答えていました。

滅亡したりとはいえども、北条の名は依然として大きなものでもありましたし、100年余りにわたって幕府を仕切って来た力は侮れなかったようです。さらに後醍醐天皇の南朝に与した時行は、京と鎌倉を抑えるまでに至ります。元々が平氏である北条氏のこと、六波羅探題の場に幕府を開くという選択肢もあったでしょう。しかし、こちらは源氏である足利尊氏は、かつて源頼朝がそうであったように、征夷大将軍のみならず惣追捕使にも就任し、治安を乱す者たちの鎮圧に乗り出そうとします。

時行は後に3度目の鎌倉入りを果たしますが、その直後に尊氏が攻め入り、かつての北条の家臣たちと共に捕らえられ、辰口で処刑されます。日本史上、若くして散った武将というのは多いのですが、この人はかなりその後の可能性を秘めた、その意味で非常に「惜しい」人物であったともいえそうです。

しかし漫画の影響もありますが、今後この人物の研究、あるいはこの人物への関心が高まれば、再び南北朝大河が作られる可能性もあるでしょう。これは先日書いたように、1年物でなくていいので、2クールで個々の武将にスポットライトを当てるようにすれば、面白いのではないかと思います。皇室絡みでもあるためなかなか描きにくい南北朝ですが、見方を変えればまだ手付かずの主人公の宝庫ともいえますので、あとは描き方次第でしょう。

ところで番組中の再現映像、『太平記』のいくつかのシーンを思わせるものがありました。


飲み物-ブロンドのエール
[ 2021/11/18 01:00 ] その他 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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