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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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戦国大河と視聴率

「困った時の戦国頼み」に関して、あまり数字だけで判断するのも何ですが、視聴率と絡めてもう少し。1967年と68年に幕末大河を放送(恐らく明治維新から100年というのを踏まえて)したものの、68年の『竜馬がゆく』でそれほど数字が取れず、翌年から連続して戦国~江戸初期が舞台の大河を放送したことは、前にも書きました。しかしながら、そこまで視聴率が上がったのかというと、そうでもなさそうです。ビデオが普及していない時代ですが、この頃から民放が、大河を意識した番組を流すようになったせいもあるのでしょうか。ちなみにウィキによれば、平均視聴率は

天と地と 25パーセント
樅ノ木は残った 21パーセント
春の坂道 不明

となっています。25パーセントと言えば、幕末物ですが『篤姫』とそう変わりませんし、21パーセントと言えば、『功名が辻』とあまり変わらず、また『利家とまつ』より低いです。これから見るに、NHKは戦国大河にいくらか活路を見出していたものの、まだそこまで数字が取れていたわけではなく、無論大河を観ていない層も多かったかと思われます。

戦国大河のブレイクと言えば、やはりバブル期の『政宗』と『信玄』で、NHKが戦国頼みになるのは、やはりこの頃からではないでしょうか。そのせいか、『秀吉』も30パーセント台を記録したとされています。逆の見方をすれば、大河は20パーセント台が普通であり、30パーセント台後半と言うのは、時期限定の特殊な現象であったとも考えられます。『秀吉』後は、戦国といえども30パーセント台の視聴率は影を潜めるようになりますが、ある意味元に戻ったとも言えますし、この頃からTVに代わる娯楽が登場し始めたせいもあるかも知れません。

その後戦国大河は、2000年代は20パーセント台を記録しますが、2010年代になると20パーセント割れを起こすようになります。個人的には楽しめる作品もあったのですが、大河を観ない、あるいは8時からの本放送を観ないという傾向が反映されているようです。そのため頼みの綱の戦国も、『軍師官兵衛』で15パーセント台、『真田丸』で16パーセント台となり、『おんな城主 直虎』に至っては12パーセント台と、戦国大河最低記録となりました。『麒麟がくる』も現時点の平均視聴率が14パーセント台と、戦国大河としては苦戦が続いています。色々事情はあるにせよ、切り札と言うべき戦国も数字を取れなくなっているわけで、NHKの今後の出方が注目されます。無論総合視聴率をチェックすれば、場合によっては20パーセント台と、過去の大河に引けを取らない数字ということもあるのですが、如何せんこれがNHKから発表されることはありません。しかし本当に数字を意識しているのであれば、リアルタイムでなく総合視聴率を発表するという手もあるでしょう。

ところで『春の坂道』で、原作者の山岡荘八氏が主演として、中村錦之助(萬屋錦之介)さんを指名したとのことですが、その当時は原作者の権限がそこまで強かったのでしょうか。近年も原作がある場合は、原作者がコメントすることはありますが、流石にキャスティングにまでは口出ししないでしょうね。こういう部分にも時代の流れを感じます-無論、作家がそこまで関与することがいいという意味ではありません。

飲み物-ホットココア
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[ 2020/11/26 00:00 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

三英傑が出ない大河ドラマ

来年の大河も含め、織豊政権を描いた大河ドラマは多いものです。無論織田、豊臣、徳川の誰に重点を置くかによって、時代背景は異なって来ます。徳川メインだと江戸初期が舞台になることもあります。その反面三英傑が登場しない、登場してもすべてではないとか、あるいはごく限られた回のみといった大河作品も存在します。これは主に中央(当時は京都)から離れた、地方の有力大名を描いた作品に多く見られます。

今までの大河の中では、3つのパターンに分けられます。
  1. 武田信玄、上杉謙信をメインに描いた作品
  2. 東日本の有力大名
  3. 西日本の有力大名
1の場合、『天と地と』、『武田信玄』、『風林火山』がこれに該当します。2はやはり『独眼竜政宗』でしょう。3は『毛利元就』が挙げられます。しかし1,2共に時代的背景もあり、三英傑のすべてあるいは一部が、メインではないにせよ登場したことを考えると(『天と地と』にも3人すべて登場しています)、三英傑不在の『毛利元就』は、戦国大河でも稀な存在といえそうです。無論これは、織田信長が台頭し始めた頃、元就が世を去ったという時代的背景もあります。その子供たちの世代、たとえば『軍師官兵衛』で描かれていた、吉川元春や小早川隆景の時代になると、当然信長や秀吉も出て来ます。

『毛利元就』は、主人公が中国地方を切り従え、中国地方の盟主となったところでクライマックスを迎えています。これだけ一つの地方に徹した大河というのも、実はそうないのではないかと思われます。無論武田・上杉大河などはこの部類に入ると思われますが、かつて放送された『樅ノ木は残った』、これに近いかもしれません。大河史上唯一半年間の放送だった『琉球の風』もこのタイプなのかもしれませんが、生憎これはリアルタイムで観ておらず、DVD化されていないので、確認するのが難しいのです。ちなみに西日本の戦国大河なので、国衆でなく国人領主となっていたり、村上水軍が出て来たりしますし、また尼子一族の内紛も結構すさまじいです。またこの頃から松坂慶子さんがコミカルな役を演じるようになり、恐らくそれが『まんぷく』にまでつながっているのでしょう。

飲み物-パブのビール2
[ 2019/05/18 01:00 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

太平記に思うこと

まず、以前も『太平記』に関して投稿をしていますが、その時と比べて見方が多少異なることをお断りしておきます。

ここのところ『平清盛』と『太平記』関連投稿がご無沙汰になっています。『平清盛』、先月で終わらせようと思っていたのですが…恐らく『鳴門秘帖』関連投稿のせいもあるかもしれません。ところで、『太平記』の脚本担当の池端俊策氏(一部仲倉重郎氏)が脚本ということで、再来年の大河を楽しみにしている人も多いかと思われます。私は無論、実際に始まってみなければわからないというのが正直なところですが、面白くあってほしいとは思います。

しかしながらこの『太平記』、構成そのものは『龍馬伝』、『軍師官兵衛』、あるいは『西郷どん』とそう変わらない印象があります。主人公の足利高氏(後に尊氏)自身は、豪族の息子で鎌倉幕府に出仕し、父親と対立して自分探しの旅に出て、日野俊基らと親交を深め、その後彼らの動きに共鳴して、後に鎌倉幕府打倒に乗り出すといった具合で、要は自分の人生を導いてくれる人物と出会って、様々な人々と交流を持ち、最終的には自らの立ち位置を変えてしまう筋立てになっています。

『独眼竜政宗』とか『武田信玄』と並び称されることもあります。無論俳優さんはよく演じていましたし、鎌倉幕府の要人のキャストはかなり分厚いものでした。しかしドラマとしての規模からいうと、政宗、信玄とはやはり異なるものがあります。そもそもこの2つにしても、リアルタイム放送ではありえないだの、史実を描いていないだの言われていたようですし、『太平記』は特にトレンディ大河とも言われ、ドラマ自体は青年期から初老期の高氏(尊氏)の、少し前に触れましたが、成長物語的と言っていいでしょう。

恐らく時代背景からして、政治背景をディープに描くと物議を醸しがちで、また原作となった『私本太平記』自体、結構新解釈に基づいた部分があるためと思われます。成長物語自体は大河の定番でもあり、トレンディと呼ばれたりした割には、脇役がしっかり固められていたこともあり、この言葉にありがちな浮わついた雰囲気はあまりありませんでした。ただ構成自体は今時の大河とそう変わらない部分もあり、それゆえ政宗、信玄とはまた違った雰囲気があるのも事実でしょう。

これも触れたことがありますが、大河はヴィンテージ化することによって、美化される傾向があります。前出のように、かつて話題になった作品であっても、リアルタイムではあれこれ突っ込まれていることが多いのです。近年では『風林火山』などもそうだったようです。同じような構成で、リアルタイムでは突っ込まれ、年数を経ると懐古の情でもって見られる、その繰り返しというのもどうかなと思います。やはり、一年物のシリーズで過去との比較がしやすいというのが、関係してはいるでしょう。

それから『太平記』といえば、柳葉敏郎さんが演じた、ましらの石というオリジナルキャラが登場します。主人公に対抗する、それも一般人目線を代表する人物です。このましらの石も、確か後になるにつれて登場回数が少なくなり、それに取って代わる形で、足利家の内紛が描かれるようになって行きます。恐らく尊氏の立ち位置が確定することにより、その存在があまり意味を持たなくなったせいでしょうが(これは藤夜叉も似たようなところがあります)、ちょっともったいないように思います。大河での、主人公に対抗する一般目線オリジナルキャラとしては、石も含めたこの3人が有名です。

  • ましらの石(太平記)
  • 滝本捨助(新選組!)
  • 矢崎平蔵(風林火山)

いささか「うざい」存在ではありますが、この手のキャラが登場することにより、ドラマが展開して行くという意味では面白い存在でもあります。石と平蔵は、自分の大事な存在を主人公、あるいはその主君に殺されて恨みを抱く点で、共通するものがあります。しかし捨助は基本ぼんぼんキャラで、しかも常に主人公と同じ組織にいたがる点で、他の2人と異なりますし、三谷氏のドラマらしいキャラともいえます。

また今後も太平記についてはアップしますし、DVD視聴も再開する予定ですが、大河作品の池端氏の脚本はどのようなものか、特に、どのような癖があるのかを今後見て行きたいと思います。

飲み物-キルシュビア
[ 2018/06/11 00:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

風林火山徒然-40

第42回、勘助と景虎が高野山で出会う回です。由布姫逝去後、喪失感を抱えた勘助は晴信に文を送り、高野山へ赴きます。一方景虎はといえば、家臣たちの領地争い、ひいてはそれによる派閥争いに嫌気がさして春日山城を出奔し、こちらも高野山へと向かいます。最初は勘助と、いわばニアミス状態になるわけですが、その後二人で斬り合いとなり、無量光院の住職清胤から、何が修行じゃと諫められます。場所が場所だけにこれは当然でしょう。

その後二人は曼荼羅を見せられ、和とは何であるかを説かれるわけですが、その翌日に二人で朝食を摂っているシーンで、出家をすれば晴信を討てなくなると、景虎自ら苦笑するところで、観ている側も苦笑させられます。しかしなんだかんだと言いつつも、景虎は畢竟武人であり、俗世界の人物であることは間違いないのですが。結局景虎は、長尾政景と直江実綱が高野山を訪れ、大熊朝秀が謀反を起こしたことを聞いて下山します。

ところで勘助が旅立つ前に、由布姫の侍女であった志摩が、妻を迎えて山本家を絶やさぬようにとの姫との約束を、守ってくれと念を押します。どうも勘助が高野山に向かったのは、由布姫を失ったこともさることながら、これについて考える目的もあったのではと思うのですが…。結局勘助はリツを妻としてでなく、養女として迎え、しかるべき武将と結婚させることにします。これが勘助に取っての、いわばぎりぎりの妥協点でした。

ところで夫婦を養子にするというので思い出すのが、清原真衡です。この人は平安時代後期の、出羽の豪族清原武貞の嫡男でした。しかし子供がおらず、本来なら一族から養子を迎えるべきところを、平氏の流れを受け継ぐ男子と、源頼義の庶出である女子を夫婦とし、迎え入れたという話があります。真衡の場合は清原家の格を高める狙いもありましたが、一門でのいわば独裁を進める目的もありました。そのため勘助の夫婦養子構想とはかなり異なっています。

それからこの『風林火山』をはじめ、大河ドラマには騎馬武者が登場するOPの作品がいくつかあります。実際に観たことがある作品としては
国盗り物語
武田信玄
太平記
炎立つ
風林火山
が挙げられます。
このうち『国盗り物語』はどちらかといえば合戦ですが、かなり馬に焦点を当てたOPとなっています。『武田信玄』は「風林火山」の4つの映像を背景に、騎馬武者が進軍して行く有様を描いていますが、どうもこの火のイメージが、その後の『太平記』、『炎立つ』にも受け継がれているようです。実際『武田信玄』と『太平記』のOPは何かしら似ていますし、『太平記』と『炎立つ』も、武者たちが一斉に登場するシーンは共通しています。『風林火山』は『国盗り物語』同様、馬の動きをメインにした部分もありますが、『武田信玄』を意識した部分もあります。個人的に赤石山脈と、トメのクレジットに入る前の武田菱の旗が上がるシーン、あれが好きなのですが。

飲み物-パブのビール2
[ 2018/01/27 00:00 ] 大河ドラマ 風林火山 | TB(-) | CM(0)

風林火山の歴史的背景23-武田晴信の正室と側室、そして子供たち

第35回「姫の戦い」では、於琴姫=油川夫人が登場します。武田晴信は正室である三条夫人以外に、諏訪御料人(由布姫)、油川夫人、そして禰津御寮人の3名の側室がいました。それぞれの子供たちについてまとめておきます。

三条夫人
義信
龍芳(海野信親)
信之
黄梅院(北条氏政室)
見性院(穴山信君室)

諏訪御料人(由布姫)
勝頼

油川夫人(於琴姫)
真竜院(真理姫、木曽義昌室)
仁科盛信
葛山信貞
信松尼(松姫)
菊姫(上杉景勝室)

禰津御寮人
安田信清

ちなみに三条夫人の三男信之は、夭折したといわれていますが、生前に一族の西保氏を継承したという説もあります。

『武田信玄』では
諏訪御料人ー湖衣姫
油川夫人-絵理
禰津御寮人-里美となっています。なお、『風林火山』には禰津御寮人は登場しません。また『風林火山』では、黄梅院と見性院の本名が、それぞれ梅と菊となっています。

しかし武田晴信の場合は、子供たちよりも兄弟姉妹の方が多く、兄弟は親類衆や僧侶となり、姉妹は今川義元や諏訪頼重をはじめ、そこそこの武門に嫁いでいます。ただし菊御料人と呼ばれる妹のみ、公家の菊亭晴季に嫁いだとされています。この菊亭晴季、『真田丸』の昌幸の正室薫が、その娘であることを自称していました。しかし昌幸は息子たちに、実際は侍女だと打ち明けます。恐らくはこの菊御料人に仕え、それが縁で昌幸と夫婦になったという設定なのかもしれません。

飲み物-パブのビール2
[ 2017/12/03 01:15 ] 大河ドラマ 風林火山 | TB(-) | CM(0)

風林火山の歴史的背景22-滋野氏三家と晴信の側室

第34回「真田の本懐」では、海野家を再興する話が登場します。この海野家は滋野氏の中でも、禰(根)津、望月と共に一族を代表する家、所謂滋野氏三家でした。この滋野氏は元々は、清和天皇の皇子貞保親王の流れを汲むとされ、平安時代前期には信濃の御牧を統括していて、滋野という姓を名乗るようになったのは、9世紀前半とされています。後に一族の一人が海野姓を名乗るようになったとされていますが、詳しいことは不明な部分もあります。しかし御牧を統括する家系ということで、勘助が初めて真田幸隆に会った時の、名馬を育てる云々もうなずけるというものです。

信濃とのかかわりは、滋野恒蔭が貞観10(868)年に信濃介となったことが発端といわれています。ちなみに滋野氏には海野、禰津、望月の他にも、真田をはじめ矢沢、春原、出浦、香坂など、この『風林火山』や、『真田丸』で有名な家もあります。この海野家を継いだ龍芳は、その後信親と名を改め、海野家の当主となりますが、武田家の滅亡に及んで自害したとも殺されたとも、あるいは織田信忠から処刑されたとも伝わっています。しかし彼の息子が生きながらえ、江戸時代には今川氏同様、高家旗本として生き残ることになります。

ちなみに禰津氏からは、武田信玄の側室である禰津御寮人が出ています。この禰津御寮人は、『風林火山』では登場していませんが、『武田信玄』ではそれらしき人物が登場します。大地真央さん扮する里美が、この人物に相当するといわれています。この人の子は武田信清で、後に出家することになります。無論禰津御寮人以外にも、晴信には諏訪御料人(由布姫)、油川夫人(於琴姫)といった側室がいました。この油川夫人の娘の一人が菊姫で、後に上杉景勝の正室となります。次回は、いよいよその於琴姫が登場です。

飲み物-カクテル
[ 2017/11/26 00:45 ] 大河ドラマ 風林火山 | TB(-) | CM(0)

大河ドラマ雑考-22 残忍さも大河には必要

ここのところ大河続きになっています。今回は残忍なシーンに関してです。昨今の大河では、スイーツでなくても、合戦や残忍なシーンが減ったという声は多いです。元々スイーツは、恋愛やアットホームな雰囲気を描き出す点が重視されるため、合戦や残忍なシーンが少なくなるのもやむを得ないことです。というか、そもそもこの2つは車の両輪的な部分もあり、戦闘シーンが多いほど、残忍なシーンも多くなるという傾向はあります。

無論戦闘シーンがなくても、どこかいわくありげな人物を出してみたり、あるいは敵対する相手への執念を描いたりすることで、人間の心の闇、あるいは陰謀といったものを描き出すことはできます。たとえば『武田信玄』の、三条夫人の侍女である八重などは、正にそのパターンであったといえます。こういう人物を、そこそこ経験を積んだ俳優さんが演じることで、場面そのものが締まってくるともいえます。『太平記』の直義毒殺もそれに近いものがあります。

無論所謂スイーツであっても、有名な俳優さんが出て来てはいるのですが、こういった部分がうまく描かれないか、最初から度外視される格好になっています。女性主人公の大河に限らず、『天地人』などでもそうでした。戦国末期から江戸初期の上杉家などは、闇の部分もきちんと描いておくべきだったでしょう。それを描いておけば、御館の乱のシーンが、少女漫画のようにならなかったはずなのですが。

また今年の『おんな城主 直虎』も、確かに生首は出て来ますが、それがドラマのベースにそぐわず、戦国らしさを出すための小道具の域を出ていません。それが生々しいからではなく、受け狙いのように感じられるので引いてしまうわけです。その割に殺陣のシーンで血が出ないし。しかも90年代ごろまでは、髪の毛だけというのでなく、正面を向いた生首が登場していました。かつては首が飛ぶシーンなどもあったようですが、そこまでは行かずとも、もう少しリアルにしてもいいのでは。

また敵対する側の執念として、例えば鋸引きなどがあります。これは『黄金の日日』で登場したと思います。それから『炎立つ』の処刑シーン、これも凄い。源頼義が藤原経清を捕え、処刑する時にわざと太刀を岩にぶつけ、刃こぼれをつくって鋸状にします。しかる後に、かつて経清の家臣であった人物に、無理やりその刀で斬首させるのですが、切れ味が悪いわけですから、経清は塗炭の苦しみを味わうことになります。あの演出の生々しさは、やはり昨今の大河では見られないものです。

飲み物-キャンドルとワイングラス
[ 2017/11/25 01:15 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

風林火山の歴史的背景14-大河の真田家そして高梨家

今回は歴史的背景というより、大河に出て来る真田家についてです。所謂真田幸村、つまり信繁の登場回数は、大坂の陣絡みもあって、やはり真田家の中で最多といえます。その他にも真田昌幸が『武田信玄』と昨年の『真田丸』、そして真田幸隆がこの『風林火山』で登場しています。

逆に、真田信幸(之)や真田信尹は、確か『真田丸』のみです。ちなみに『風林火山』では、後の方になって嫡男信綱(真田丸のこうの父親)の成人した姿が登場します。この大河では、恐らくは『真田丸』に続いて真田家が詳しく描かれているようと思われます。(無論『真田太平記』では、もっと詳しく描かれています)

また幸隆の描かれ方は、『武田信玄』と『風林火山』では異なります。前者の方が、ある程度年齢を重ねた老獪さがあり、後者はむしろ清々しいイメージです。とはいえ、策略を用いるべきところではしっかり用いているのですが。そして『真田丸』の婆様とり(恭雲院)の若い頃が、忍芽というのもうなずけます。

ところで『真田丸』では、真田家の重臣として高梨内記が登場します。これに関しては、米のとぎ汁と黒姫伝説という投稿でも触れていますが、この内記は高梨政頼の子という説があります。そしてこの政頼の妹が黒姫で、北信地方の民話黒姫伝説のヒロインとなっています。

政頼は、信濃の国衆らしくというべきか、他勢力に苦しめられており、そのため越後の長尾家の援助を受けていました。しかし武田晴信が徐々に彼を追い詰め、国衆としての力を失って、長尾家に大きく依存するようになります。

その息子の内記がなぜ、武田方の真田に仕えたかというのは、やはり前出の記事に書いていますが、姉妹が真田信綱の妻というのが理由です。高梨内記は現時点では史料が少なく、不明な点もあるようで、その辺りのいきさつについてはよくわかりません。しかしそれを考えれば、きりが「真田の娘」と自分を言うのも納得です。ところでこの高梨政頼、近々『風林火山』に登場です。

飲み物-パブのビール1
[ 2017/09/17 01:00 ] 大河ドラマ 風林火山 | TB(-) | CM(0)

風林火山と八重の桜に見る真田丸 続き

先日の分の続きです。内野聖陽さんはもちろんですが、おなじ戦国のよしみがあるせいか、『風林火山』に出演していた人は、結構『真田丸』にも登場しています。『風林火山』で春原惣右衛門役、そして『真田丸』では 直江兼続を演じている村上新悟さんもしかりですし、『真田丸』の春日信達役の前川泰之さんが、『風林火山』では飯富源四郎(昌景)の役です。

この飯富源四郎昌景は、 後に兄(叔父ともいわれる)の飯富虎昌が、所謂義信事件、信玄の長男義信が、今川氏を巡って父と津対立した事件のあおりで失脚したのを受け、飯富姓を捨てて山県家の家督を継いでいます。『武田信玄』では篠田三郎さんが演じていました。高坂弾正役の村上弘明さんと並んで、武田家家臣の中でも特に二枚目な存在でした。その他にも近藤芳正さん、浅利陽介さん、寺島進さん、吉田鋼太郎さん、そして小日向文世さんもこの両方に出演しています。

それから『真田丸』では女性からの配偶者への呼びかけとして、「旦那様」が何度か登場しますが、『風林火山』でも同じです。これはいつ頃から習慣化したのだろうなと思います。江戸時代には一般化していたようでもあり、商家の主人を指す表現となり、またパトロン、顧客などという意味でも使われるようになりました。しかし元々は僧侶が、お布施をする人を呼ぶ「檀那」が語源といわれています。

そして先日の『八重の桜』関連で、中野竹子が引き入る婦女隊の、新政府軍相手の戦いに触れています。彼女たちは本当は、松平容保の姉である照姫の警護隊でしたが、その後照姫が城を出たとの知らせに城下に出て、そこで会津の部隊と出会い、新政府軍と戦うことになります。新政府軍も女性ということで、当初は捕囚する目的でしたが、反撃のすさまじさに戦闘を開始します。

実は、『真田丸』で松と梅がいて竹がいないのは、竹林院(信繁の正室)がいるせいかと最初は思っていたのですが、あるいは、この竹子の存在があるため、敢えて竹を外したのではないかとも考えられます。無論これは私の想像で、三谷さんが本当にそう考えられたのかどうか、はなはだ不明ですが、共に敗者を描いたものであり、家族の絆が強いという点でも、何か共通点があるように思えるのです。 

飲み物-コーヒーフロート
[ 2016/05/03 01:40 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

昔の大河を観てみると

かなり個人的な感想ですが。

『真田丸』に関して、「キャラ設定と現代語と時代考証」でも少し触れていますし、また他の方のブログでも紹介されていますが、現代語を使うな、あるいは自分の知っている戦国時代と違うという意見があるようです。以前にも書いていますように、現代語でなければどの言葉を使うか、あるいはその言葉で多くの視聴者にアピールできるのかという問題があります。また「自分の知っている戦国時代」というのは、まさか実際に戦国の世を目にされたわけではないでしょうが、文学その他昔の大河などで描かれている戦国ということでしょう。

昔の大河というか、1980年代に放送された、『独眼竜政宗』や『武田信玄』などの視聴率が一番よかった大河が、恐らくはそういう「戦国」のスタンダードなのかもしれません。無論こういうのは今観ても感動します。原作もあり、重厚でバランスもいいです。ただしそのバランスの良さゆえに、ちょっと昔のものといった感じがしなくもありません。主だった人物や主だった合戦は出て来ますが、反面、ちょっと癖のある主人公を少々マニアックに描くような感じではないのです。ここ10年以内の戦国大河で、この手の描き方がされているのは『風林火山』と今回の『真田丸』くらいでしょう。

今回大河ドラマがどのような形で続くのかは無論不明ですが、こういう三英傑、あるいは北条とか上杉といった人たちよりは知られていない存在を、三英傑と絡めながら描くという方法もあります。少々気が早いですが、来年の『おんな城主 直虎』も、井伊谷三人衆や今川家を丁寧に描ければ、それなりに面白くなりそうですし、女性大河にとかく向けられがちな批判も、いくらかは回避できるかと思います。時代的には少し前ですが、地理的には『真田丸』と重なる部分もあります。元々直虎の父井伊直盛は国人(国衆とほぼ同じ)で、今川家に臣従しています。

前にも書きましたが、今回はOPも戦国らしくなくて好きです。従来の合戦や三英傑、有力大名中心の大河でなく、OPもそれらしくないのに、本編が戦の前哨としての策略に満ちた、それゆえに如何にも戦国的なのも好感が持てます。

飲み物-本とウイスキー
[ 2016/03/03 00:46 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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