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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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小檜山氏の朝ドラnote記事と長編漫画のよくない例

まずおわびです。下記の小檜山氏の記事、コピペしたままで下書きに入れていたつもりが、公開となっていました。一体何のことかと驚いた方もおられたでしょう、失礼いたしました。

でこの記事なのですが、9月23日に更新されているので、その日の放送回の分と思われます。しかしこれが、なぜが第118回となっています。朝ドラは週5日の放送で、金曜日の放送終了時点で5の倍数になるので、第120回の間違いでしょう。こういうところはきちんと改めてほしいです。私も時々ミスってしまうこともありますが、見つけ次第修正はしています。まして朝ドラを売り物にしているnote記事で、有料会員でないと全文見られないシステムなのであれば、もう少し気を付けてほしいです。

追記-この投稿にコメント↓を頂いています。それによると、小檜山氏が第114回の記事を投稿しておらず、第115回の分を第114回として投稿-ここで1回分のズレが発生-したことに加え、別々の2つの記事を共に「第117回」としていることから2回分のズレが生じているとの由。ご親切にありがとうございます。

『ちむどんどん』第118回 美味しいものを作り、食べさせ続けること
https://note.com/54seikobi85/n/nbe4e0136488e

で、やんばるへ戻る暢子の送別会に関してなのですが、

最終週へ向け、ちょっと押し込め気味だけども、東京との別れです。
・田良島
  田良島はこうなることを予測していたとか。和彦の目標である沖縄に関することの執筆は、東京ではまだできないということでしょう。
・矢作
 店は畳むか? どうするか? 矢作が引き継ぐことになりました。いろいろあったけど、彼なりの問題点を克服し、念願の店まで構えたのだから目標達成です。よかったよかった。井之脇海さんの説得力よ。
・重子
 重子は中原中也の詩で見送りつつ、沖縄に来て欲しいと和彦に言われます。生前は理解できなかった夫。でも、その夫の思いが宿る沖縄に行くことでわかることもある。できなかった家族との和解が実現できました。そりゃ波子も泣くわ。

とあります。

いきなり2か月経ってすべてが解決していることへの疑問は、この記事には書かれていません。こういう点も当然指摘するべきかと思いますが…で、まずおかしいのが、
「和彦の目標である沖縄に関することの執筆は、東京ではまだできないということでしょう」
です。これは逆に「東京でなければできない」のではないでしょうか。寄稿先の出版社は東京にあると思われますし、編集者と会うにも都内に住んでいた方が便利でしょうし、何よりも先日も書いたように、この時代はまだネットが普及していません。やんばるに住んでいることが、デメリットにもなるでしょう。

その意味でも和彦は、沖縄に戻っている時こそ、智と勝負に出たりするのではなく、自分の足であちこち歩いて取材をするか、あるいはその手がかりをつかむようにするべきだったかと思われます。嘉手苅さんの件はどうなったのでしょうね。

あと矢作は店を引き継ぐようですが、ここで気になるのは、かつて店を潰した矢作が、今後何かで融資を受けることができるのか、それだけの信用があるかどうかということです。それから中原中也に関しては先日書きました、このドラマにはあまり馴染みがいいとは思えません。

そして多江に関してです。

そしてここで多江が、ここにいない房子に会うように促します。思えば三郎と色々あった、そんな相手を多江は気遣っている。なんか多江をかわいそうだのなんだの言っていた界隈も知っておりますが、何が幸せでそうでないか決めるのはあなたたちではないでしょう。

実際多江は三郎との間に子供もいる(結局登場しないまま終わりそうですが)にも関わらず、暢子から何かと言えば三郎、房子とセットで見られている感があり、その意味ではやはり同情せざるを得ないところもあるでしょう。

しかし何よりも、ここでどうかと思うのは
「何が幸せでそうでないか決めるのはあなたたちではないでしょう」
この書き方は如何なものでしょうか。「かわいそうだのなんだの言っていた界隈」はいくらか察しがつきますが、何もここまで上から目線の書き方をしなくてもよさそうなものです。

それを言うのであれば、先日ご紹介した『武将ジャパン』大河コラムでは

保身に走る時政はなんと小さく醜いことか
時政とりくの老成できないバカップル
(政子は)なんと貞淑で素晴らしい女性なのでしょうか

などと書かれていますが、こういうのも別に武者さん=小檜山氏が決めることではないでしょう。第一、視聴者としてドラマの感想を述べているだけなのに、気に入らなければ一概に否定するのもどうかと思います、なぜスルーしないのでしょうね。

二ツ橋が説得してもこなかった、そんな房子の元へ暢子は向かいます。そしてペペロンチーノ対決。
朝ドラとして構造がよくできていて、送別会でこれまでの回想シーンが出てきます。思えば暢子は無謀だった。でも、それでいろいろなものを変えてきました。
そしてペペロンチーノ対決をする暢子。勝ったら沖縄に来て欲しい! そう強引に約束しようとします。じゃあオーナーが勝ったら? 決めていない暢子。勝ったら赤の他人になるとツンケンする房子。

「構造がよくできていて」とはちょっと妙な表現かと思います。また回想シーンはその前の回でもやたら登場していて、出せばいいというものでもなさそうです。それはともかく送別会を抜け出して、閉店したフォンターナに行って、今からペペロンチーノ対決だなどと言うこと自体、普通に考えて他人の迷惑を考えていないなと思います。こんなことをするよりも、セリフできちんと説明させれば済む話ですが、制作サイドがやりたくないのでしょうね。
 
勝敗はあいまいになっているようで、これは房子が沖縄に来ると示される終わり方です。

いずれにしてもこの朝ドラは来週までで、あらすじには房子が来ると書かれています。しかし勝敗を決めるシステムもよくわからない、暢子がかつての上司に沖縄に来るように要請する、何よりもまたペペロンチーノ対決…こう言うシーンに尺を取るくらいなら、何の前触れもなしに、房子が沖縄へやって来る方がまだ納得できます。

ところでこういうツイがあったのでご紹介しておきます。

https://mobile.twitter.com/ShunsukeTodo/status/1572726736240148480

こちらは朝ドラではなく漫画関連ですが、手塚治虫氏の『漫画の描き方』という本の図が添付されており、長編漫画のよくない例として以下のような点が指摘されています。

かんじんの中心テーマが途中でそれてしまっている
しりきれトンボ
横道がさらに枝葉に分かれ、どれが本スジかテーマかわからない
スジがぎくしゃくしてかたい
スジがひどくこんがらがっている
ひとりよがりで不親切
スジのうえに意味のないふくらみがある
枝葉が多すぎてわかりにくい

『ちむどんどん』にも、かなり当てはまるかと思われます。

尚この本は、手塚氏の漫画全集の別巻のようで、Amazonその他で入手可能です。

飲み物-ミルクティ2
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[ 2022/09/25 00:15 ] その他 | TB(-) | CM(2)

『鎌倉殿の13人』「決戦前夜」あらすじと感想-2

まず、先日投稿の「あらすじと感想-1」、誤変換その他勘違いと思われる箇所がいくつかあったので、訂正しています。失礼いたしました。

改めて第9回ですが、少し前に書いたかと思いますが、平家の描写があまり出てこないので、なぜ平家を倒したいのかが、今一つよくわからないと言う人もいるかも知れません。鹿ケ谷の陰謀も出て来ませんでしたし。確かに『吾妻鏡』は鎌倉幕府の創設の史料にはなりますが、少なくとも今は平家に反旗を翻している段階なので、もう少し平家方の思惑も描いてほしいところです。

それから全成が、義経に会いもせずに追い返してしまうシーンですが、あれはどうかなと思います。この時義経に会って、兄弟の証となる物があるかどうか、訊いてみるという方法もあったかと。で、最後のシーンでやっと頼朝に会って、なぜかまず顔が似ていると言い(似ていませんが)、その後で思い出したように御館の文を取り出して、やっと弟であると認めて貰えたわけです。しかし顔がどうこう、そして涙、涙と、ちょっとこの人はコミュニケーションに難ありでしょうか。しかし御館といえば、やはり『炎立つ』を思い出しますね。

時政の妻のりく。伊豆山権現では祈祷をしていましたが、またも現実的な彼女に戻ったようです。この彼女の性格が、今後様々な形で、北条家に影響して行くのでしょうか。お産も間近なようですね。一方で八重の描き方ですが、どうも賛否両論あるようです。確かに泰時の母は義時の正室ではないとされており、その母が八重であっても問題はないはずですが、彼女のキャラが少々きつくないかという見方もあるようです。しかし八重さん八重さんと言われると、『八重の桜』を連想してしまいます。

富士川での時政と義澄の会話、そしてコント?シーン。2人のオヤジ(失礼)の他愛ない話と悪ふざけ、子供時代に戻ったような気持ちなのかも知れませんが、しかし結局、あれが結局追討軍を追い払う一因となったようです。そもそも三谷大河に言えることですが、合戦シーンより、それに至るまでの会話のシーンの方が面白いと言うか、三谷さんが本領を発揮しているのは間違いないでしょう。武田信義と義時の会話しかりです。

ところで善児、オリキャラゆえどこへでも動かせますが、どこへ消えたのでしょうか。また、意外なところで出て来るのでしょう。

黄瀬川の陣、頼朝と盛長は酒席に招待されます。しかし義時は信義に「お前の分はないよ」とあっさり言われ、酒宴が終わるのを待つことになりますが、ここの部分、三谷さんつながりということもあり、パペットホームズのあるシーンを思い出します。寄宿学校ビートン校の生徒であるホームズは、友人で生活委員のレストレードと、校内に貼られた踊る人形の文字を解読しようとしており、その時ホームズの「弟子」(実際にはブラックジャックとピノコのような関係)アガサが、寮母のハドソン夫人が、ローズマリーのお茶を淹れてくれたとホームズに知らせに来るのですが、レストレードの方は、「アンタのはないよ」と、実にすげなく言われてしまうのですね。

飲み物-白いカップの紅茶
[ 2022/03/10 00:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

細胞とブラック・ジャックとBLACK

ほぼ連日この漫画関連で書いていますが、『はたらく細胞』(以下、本編)のコメントで、『ブラック・ジャック』を凌ぐとあり、しかも医療漫画と書かれたものを見たことがあります。一応このコメントから見る限り、医療関係の方のようでしたが、私としては寧ろこれは科学漫画のように思えます。
本編自体は、確かに細胞の役割(すべてが正確というわけではなさそうですが)を描いており、医学に不可欠な知識とは言えます。しかし医療現場を描いたものではないので、医療漫画はちょっと微妙です。寧ろ『はたらく細胞BLACK』(以下、BLACK)の方が、もう少し医療との絡みは大きいかと思われます。

ところで前出の『ブラック・ジャック』ですが、手塚治虫氏の作品を集めた「TEZUKA OSAMU OFFICIAL」で、ドクター・キリコによる主人公ブラック・ジャック(以下、BJ)の名セリフの解説として、以下のようなものがあります。


(前略)
「生きようとする意思」を挫けさせた患者にBJはことのほか厳しい。
なにしろ「生命」こそが神であり、「生きること」こそが、すべての生ある者への至上命令なのだと思ってるのがBJなんだ。
死にたい、とか、もう駄目だ、なんて弱音やあきらめは絶対に許さない。
そんな弱気になった者の、その体の中ではしかし免疫細胞が損傷した部位を直そうと懸命に働いているし、細胞たちは生き延びるためにせっせと新陳代謝を続けている。
その無言の努力はひとえに「もう死にたいよ」などと泣き言を言っている体の持ち主を、それでも生き延びさせるために続けられているのだ。
そんな「からだ」という精密機械の不断不休の重労働に常に敬意を払っているBJだからこそ、生きることを諦める患者は許さないのさ。
(後略)

TEZUKA OSAMU OFFICIAL ブラックジャックSPECIAL BJ名セリフ

「その体の中では」以降の箇所、BLACKの中で、既に心肺停止状態になっているにも関わらず、何とか酸素を届けようとする赤血球の姿が何となくだぶります。正にあれは「生き延びさせるために続けられる」「不断不休の重労働」ではありますね。
あのタイトルのBLACKは、もちろんブラックな労働環境の意味ではありますが、あるいは、このBJへのオマージュも込められているのではと思ってしまいます-あくまでも、個人的感想ですが。

ところでツイッターで見た、恐らくパロディなのでしょうが、BJが熱中症にかかるからと、マントでピノコを直射日光から遮ろうとする漫画があります。しかしピノコは「熱中症」を、「ね、チューしよう」と思い込み、BJにこう言います。
「ピノコがいーっぱいチュウちたげゆっ」

余談ながら、本編の血小板が、ピノコキャラだったらどうだっただろうなとつい思ってしまいます。

飲み物-スミスウィックのスタウト
[ 2021/06/30 00:30 ] 漫画・アニメ | TB(-) | CM(0)

『河童』に関して思うこと-2

先日「『河童』に関して思うこと」という投稿をしています。この中で河童が白樺の幹に手を回していたと思われる表現を、なぜか枝を集めていると書いていました。訂正しています。

ところでこの小説が風刺小説という点に関して、どこか違うように思うとも書いています。無論これが書かれた時代の観点からすれば、そのように考えられたとしても不思議ではないでしょう。ただ個人的には、無論書かれた時代も違えば、小説と漫画という点でも異なりはしますが、たとえば『ブラック・ジャック』などの方がかなり風刺的な印象を受けます。それとは別に、『若きウェルテルの悩み』をパロディ化し、冷戦下の東ドイツの青年が、思い切りこの作品をディスる『若きウェルテルの新たな悩み』という小説がありますが、それをもちょっと思い起こさせます。

そこで考えたのですが、この小説の中に登場する、昭和2年当時の様々なことを、解読してみると面白いかもしれないと思い、今後はそのような形でこの作品に関して投稿して行くことにします。登山に関しては既に前の投稿でご紹介していますので、その後の箇所に登場する、これはと思った点を次々挙げて行くことになりそうです。
尚私の場合引用元はネット上の青空文庫ですので、解説が付けられていません。そのため、この解読はすべて私の独断によるものであることをお断りしておきます。また他ジャンルの作品との絡み、比較もしています。

たとえば、冒頭で主人公(精神病患者第二十三号)が、S精神病院に入っていて、院長はS博士だとあります。イニシャルに加えて、東京市外とあることも併せて考えると、恐らく東京府巣鴨病院(現・都立松沢病院)であり、院長は榊俶(さかき はじめ)ではないかとも思われます。(巣鴨はこの作品発表時は東京府下ではあるが市内ではない)ただしこの作品が書かれた当時は松沢病院となっており、院長は呉秀三でした。

そして主人公がなぜ河童を捕まえようとしたかはともかく、追い回しているうちに何か穴のような物に落ちてしまいます。そこで気を失っていたのを助けられ、医者のチャックの家に連れて行かれるのですが、こういう異次元世界への瞬間移動というのが、かの『JIN-仁-』をちょっと思い出させます。尤もあれはタイムスリップではありますが、それはともかく。担架で主人公が運ばれたというのは、この当時救急車が存在しなかったのも一因でしょうし、何よりも主人公に河童の世界の街を見せるという目的があったかと思います。
それからチャックが透明な水薬を飲ませたとありますが、主人公が身動きもできないほど節々が痛んでいたということから察すると、消炎もしくは鎮痛効果があるものなのでしょうか。河童の薬というのもありますが、これはどうも膏薬のイメージが強いです。ちなみに石田散薬は河童が教えたと言われているようです。
この水薬が具体的に何であるのかはわかりませんが、実際、今でも水薬(液剤)で、鎮痛効果がある物は存在します。痛み止めを液剤にして、小型のボトルやプラスチックのアンプル様の物に入れた物で、透明な液剤としては、ロキソプロフェンナトリウム内服液(ジェネリック)などが挙げられます。もちろんこの当時はこの薬は存在しませんが。

後『水虎考略』というのも出て来ますが、これは江戸時代末期に編纂された河童の研究書です。ちなみにこの10年ほど後に、かのアマビエが瓦版に登場しています。

その後の、河童の体つきやサイズに関する記述ですが、長さはメートル法、体重はヤード・ポンド法で表記されていますので、いささかわかりづらくはあります。身長は1メートル前後、体重は10ポンドから20ポンドとありますが、20ポンドは大体10キロ弱です。さらに気温の表示が華氏で、ここで出て来る平均気温華氏50度は摂氏10度です。なのに着物を着ることをしないのは、河童が皮下脂肪が分厚いからだろうと書かれています。逆に主人公が服を着ている、特に恥部を隠しているのを河童に笑われる始末です。

この少し後に、主人公が万年筆を河童に盗まれてしまいます。万年筆といえば、余談ながら思い出すのが、今回の『半沢直樹』です。第1シリーズのネジを思わせますが、ああいうクラシックな形の万年筆を出してくるというのは、どのような意図があるのでしょうか。

飲み物-アイスコーヒーブラック
[ 2020/07/30 01:00 ] | TB(-) | CM(0)

ゴールドバーグ版『マクベス』

超高速!参勤交代 その2で、俳優の佐々木蔵之介さんのフォトブックについて触れていましたが、この本を購入して、読んでみました。予想にたがわずというか、なかなか面白いです。感想はこの次の分に書きますが、この本のモチーフになっている『マクベス』は、もちろんシェークスピアの『マクベス』ですが、今年の夏にご本人が演じたのは、舞台を精神病院に設定したかなり前衛的なものです。

マクベス|PARCO STAGE

精神病院といえば、『カッコーの巣の上で』というのがありましたが、あれへのオマージュなのでしょうか。しかしマクベスといえば、かのロック・ホーム=間久部緑郎をどうしても思い出します。


[ 2015/11/24 00:04 ] その他 | TB(-) | CM(0)

ロック・ホームのアンソロジー

少し前に、手塚治虫氏の作品に登場するキャラ、ロック・ホームに関してロック・ホームとシャーロック・ホームズと三谷氏という記事を書いたことがあります。その後、この人物について書かれた『華麗なるロック・ホーム』という本を読んでみました。
画像Amazon.co.jpより
画像





初期の登場作品から、最後の登場作品(ブッキラによろしく)までの何十年かをアンソロジー的に追ったものです。前出記事にリンクを貼らせていただいた、「アリトホシクズ」様の記事にあるような、ズボンの長さとキャラ設定に関しては、まだわからないことが多く、今後また関連作品を読んで行こうと考えています。しかしその記事にもありますように、このロック・ホーム、初期は如何にもヒーロー風の美少年探偵がメインなのですが、それが『バンパイヤ』の間久部緑郎で豹変します。美形悪役で、しかもこの中では女装までしています。正にホームズを思わせる変装の巧みさであると同時に、こちらの記事に書いたような、ホームズとモリアーティの表裏一体性をも感じさせます。この『バンパイヤ』は、かつてアニメと実写を織り交ぜたTVドラマが放送されていて、水谷豊さんが主演しています。個人的にはこの作品に、多少『バスカヴィル家の犬』と似た物を感じます。

米沢嘉博氏によるこの本の解説には、無国籍でかっこいい役を与えられたがゆえに、少年物の主人公たりえることが出来ず、その後悪の美学に酔うキャラクターとして変貌を遂げる旨のことが書かれています。少年の頃から、素朴な少年のキャラではなく、どこか大人であり、手塚氏の作風が複雑な物へと変化するにつれて、より複雑なキャラへとなって行くわけです。生みの親たる手塚氏も、かつては同じような立場であったケン一、さらにはアトムと比べると、冷たくてドライな感じと言っておられるだけに、元々少年でありながら、少年の枠を超えた特異なキャラであるともいえます。

ちなみにこの中の『化石島』という作品に、シャーロック・ホームズが登場します。ルパンにしてやられる、ホームズとしては損な役回りですが、ルパンが仕掛けてルパンが盗むという点で、『怪盗紳士ルパン』の、「悪魔男爵の盗難事件」を連想します。

[ 2015/06/20 23:17 ] | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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