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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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『いだてん』コラムに於けるオールドファン関連記述への疑問

先日の大河コラムの批判とそれへの突っ込みに関して。どう考えても批判そのものを武者さんが作っている、いわば自作自演的な印象があります。無論似たような批判はあったかもしれませんが、どこか本人に取って都合のいい、きわめて突っ込みやすい「批判」であるように感じられますので。

さらにオールドファンの手垢のついた論調として、こんなことまで書いています。

・女子供を喜ばせるイケメンが主演では、俺たち真の大河主張者である男性様は喜ばないぞ!
・イケメンでないところを証明できたからこそ、主演をやらせてやる
・女は良妻賢母以外認めないぞ!

本当にオールドファンというか、従来の大河ファンのすべてがこう思っていると(無論思っている人もいるでしょうが)考えているのなら、ちょっと驚きます。特に「イケメンでないのを証明できたから主役をやらせる」というのは一体何なのでしょう。
ちなみにこれは『西郷どん』を想定して言っているわけで、どう考えても西郷は美男子ではないこともあり、また体の大きな鈴木亮平さんにお鉢が回って来たと思われます。最初堤真一さんが決まっていて降板しましたが、私としてはモデル出身の堤さんと西郷はいささか違う印象を受けました。
もし仮に、武者さんが嫌っている他の大河をこの条件に当てはめてみた場合、辻褄が合わないことだらけです。たとえば『軍師官兵衛』ですが、これはどう見ても主人公はイケメンと言っていいでしょう。さらに『花燃ゆ』ですが、文(美和)が久坂玄瑞の妻であった時には良妻には見えませんでした。(楫取素彦と結婚してからそれらしく見えるようにはなりました)その後久坂と辰路の子の秀次郎を引き取ろうとしながら、帰るように言う辺りも、養母とはいえ賢母とは言い難い部分もありました。
またやはり『花燃ゆ』ですが、主人公こそ女性であるものの、周囲の男性、つまり「幕末男子」はそこそこのイケメン揃いでした。寧ろこういうのを武者さんは肯定するのではないかと思ったのですが、長州大河なのがネックだったのでしょうか。

まあこれは仮にやってみただけですが、元々某ネットメディアで、生田斗真さんが「脱イケメンで大河主演見えた」とあるのが、武者さんとしては、オールドファンの主張臭く見えて気に入らないというのが発端のようです。しかもその日は来ない、なぜならオールドファンも若者も満足させられない大河は終わるからと結論付け、例によって動画を勧めているわけです。
しかし「脱イケメン俳優」というのは、その俳優が単に若いイケメンだけでなく、役者として成長し、色々な役をこなせるようになったという意味でもあり、この記事では例として映画『土竜の唄』を引き合いに出してもいるのですが、それについては何も触れていません。しかもこれを前出の「手垢のついた論調」呼ばわりしていますが、その捉え方にはどうも疑問があります。
それにしても大河が終わるなどと言い、来年の大河も期待できないなどと書く一方で、『まんぷく』コラムでは楽しみにしているような書き方をするのですね。この辺が私に取って、「『まんぷく』コラムに思うこと8」で書いたように、武者さんの文章がとっちらかって見える、一貫性を欠いて見える一因なのだろうと思います。

武者さんが動画を勧めるのは、「新しい感覚」だとみなしているというのも先日書いています。テレビというオールドメディアの残滓が感じられるからなのでしょうが、これをアピールしたために、自分がかつて賞賛していた大河を否定するような格好になり、どっちつかずになった感もあります。
いっそ今までの大河を全否定し、推奨している『MAGI』を勧めるのであれば、それはそれで理にかなっています。無論今までのNHKの在り方も、その場合付け加えるべきでしょう。ただある時は大河は終わりであるといい、ある時は大河をほめるというのは、どう見てもその場の乗り次第のように見えてしまいます。何よりも大河コラムの中に、他の要素をあれこれ詰め込み過ぎではないかと思います。

過去の残滓といえば、かつてラグビー日本代表を率いた平尾誠二氏を思い出します。平尾氏は今までのやり方では日本代表は勝てないと、それまでとは思い切って違った路線に持って行き、代表強化の方法もかなり手を入れました。これは画期的なものに見えました。しかし一部では功を奏したものの、必ずしもそうとはいえませんでした。特に1999年のワールドカップではかなり評価を下げました。
これにはマスコミの論調も絡んではいましたが、ともあれスポーツという、勝敗による評価が大きな世界では、やはり結果につながらないやり方には疑問を持たれました。あれは古いとかこれは手垢にまみれているからという理由のみで、それを斬り捨てるのは果たして正解なのか、平尾監督の時代はそれを大いに感じさせられもしたのです。大河がダメだから動画だ『MAGI』だと一概に言えるものなのでしょうか。

一応、これを以て『いだてん』第13回コラム関連の投稿は終わります。突っ込みどころがあまりにも多すぎるので…一部省略した部分もありますが。

飲み物-コーヒー
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[ 2019/04/05 01:00 ] その他 | TB(-) | CM(0)

2018-19トップリーグ入替戦と中尾氏ブログ

先週末はトップリーグと下位リーグのチームの入替戦が行われました。
結果は以下の通りです。(赤文字勝利チーム)

宗像サニックス 75-0 栗田工業
日野 21-11 近鉄
豊田自動織機 7-31 三菱重工相模原
コカ・コーラ 24-33 NTTドコモ

というわけで、

宗像サニックス、日野-残留(トップリーグ)
栗田工業、近鉄-残留(下位リーグ)
三菱重工相模原、NTTドコモ-昇格
コカ・コーラ、豊田自動織機-降格

となりました。三菱重工とドコモはいずれも再昇格です。
この中で宗像サニックス-栗田工業、コカ・コーラ-NTTドコモの試合だけ観ましたが、前者は一方的な試合、後者はコカ・コーラが途中までよかったものの、トップリーグ経験のあるドコモに突き放される形となりました。これでコカ・コーラから移籍する選手が出ると思われます。豊田自動織機も恐らくそうなりそうです。

明日から「平成最後の」高校選手権が始まりますが、今回は「ラグビー界の武者氏」(と、勝手に呼んでいる)中尾氏について書きたいと思います。なお少し前に、「対抗意識と優越感」という投稿をしていますが、あの中に出て来るA君は中尾氏がモデルです。B君が平尾氏、D君が優勝した神戸製鋼のチーム、C君は、中尾氏と相性のいいチームと置き換えてみると、その構図が浮かび上がってくるでしょう。

この中尾氏については、ラグビー関連記事で何度も書いています。自分の好きなチームは絶賛する一方で、好きでないチームはかなり批判するというか、けなす人物です。武者氏よりは知性はあると思いたいのですが、先日いきなり見たくない言葉をブログで目にして、愕然としました。
それは「コウベ真理教」です。
これは中尾氏が、神戸製鋼のラグビーチームを揶揄する時に使う言葉で、見ておわかりのように、某教団にあやかっています。こういう言葉を公に使うのもどうかと思いますが、一頃はこの言葉を自著で使っていたことがあります。また「尊師」という言葉も使っており、これは故・平尾誠二氏をさしています。最近は流石になりを潜め、特に平尾氏が亡くなってからは、封印したものと思っていました。

しかし12月15日、神戸製鋼がサントリーを破って久々に優勝した時に、再びこの言葉が中尾氏のブログ『楕円系萬週報』に登場したのです。私は特に神戸製鋼のファンではないのですが、こういう言葉使いはどうかと思います。そういえばラグビーチーム維持のために、解雇者が出ているという理由で、サウザンズ・レイオファーズの愛称がふさわしいと言ったのも、この中尾氏でした。
そもそも神戸製鋼がスティーラーズという愛称を使ったのが、気に入らなかったようなのです。スティーラーズは新日鉄釜石(当時)こそふさわしいという信念のもと、こういう主張をしたのですが、寡聞にして、釜石と神戸が愛称問題でもめたなどという話は聞いていません。またそれ以外にも、平尾氏(中尾氏の言う「尊師」)への不満があるようです。

それは故・大西鐡之助氏のラグビー理論に関してです。大西氏はかつて早稲田の監督であり、さらに日本代表の監督も務めて、その強化理論は大西理論と呼ばれました。中尾氏によると

詳細は省くが、我輩が尊師に批判的だったのは、 
あちらが先に、早稲田&大西ラグビーを貶したから。
(中尾氏ブログより)

とあります。しかし私が知る限り、平尾氏が大西氏の理論を貶めたことなどありません。代表キャプテン時代に、『ナンバー』のインタビューか何かで、代表強化に関して大西氏とは違う意見を述べたようですが、それを「貶めた」ことになるのかどうか。また中尾氏は、日本代表のあり方についても自身のブログでこう断言しています。

西の町人文化的奔放さと、 
東の官僚的生真面目さのハイブリッドこそが、ジャパン・オリジナル。
どっちが欠けてもダメというのが我輩の立ち位置。

「我輩の立ち位置」と断ってはありますが、こう簡単に言ってしまっていいものやら。それにもうちょっと具体的な説明ができないかとも思います。

そもそもこの方、かつては「西」へのコメントが辛かったので有名です。それが神戸製鋼への見方に影響しているのではないかと思います。さらに今回引用したブログ記事には登場しませんが、ラガーマンという和製英語をラグビーマンにしろと言ってみたり。ラガーマンで定着しているのだから、殊更に変える必要もないかと思うのですが。何より特定の存在に固執し、それを基準にしたがったり、意外に本質的な部分が見えていない点では、かの大河や朝ドラのライターとそう変わりません。

飲み物-パブのスタウト
[ 2018/12/26 23:45 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

ラグビー代表と平尾氏 20

平尾氏関連投稿は、一応今回を以て終わりとします。本当は一周忌までで終わる予定だったのですが、あれやこれやで長引いてしまい、亡くなられてから一年半が経過してしまいました。選手としての名声は、日本人ラグビー選手としては今なお華々しいものがある一方で、コーチとしてはそうでもなかった、それには本人の一種の理想主義、日本ラグビーフットボール協会の対応など、様々な理由があると思います。協会の「お願いしてやってもらう」姿勢は、もっと早く修正されてしかるべきでしたし、代表監督に十分と思われる報酬(それでもサッカーよりは少ないでしょう)を準備したうえで、神戸製鋼でも、日本代表ユースでもいいから経験を積んだ平尾氏に、監督に就任してもらうというやり方を取れていませんでした。

もう一つ思うのは、平尾氏が過渡期の人物だったことです。ラグビーがプロを認めた、所謂オープン化の時期には、選手としては既に30を超えており、コーチとしてはまだ未経験の段階でした。無論この時点で引退を決意し、将来的にコーチとしての勉強をすることも、あるいは可能だったのかもしれないのです。その年のワールドカップで、日本はニュージーランドに145失点していたわけですから、それをきっかけにコーチとして出直すこともできたのではないでしょうか。その意味で1997年の代表監督就任には、テコ入れの意味もあったとはいえ、どこか中途半端にも感じましたし、今後の可能性もまだあったわけですから、いささかもったいない使い方でもあったわけです。この時点で外国人コーチを迎え、そのアシスタントでもよかったでしょう。尤も協会が外国人コーチを認めたのは、その8年後のことですが。

無論平尾氏本人の理想通りに、日本にラグビーをもっと広めたい、子供の頃から楕円球に触れさせたいというのであれば、ジュニア養成の方で正解だったと思います。文科省の中央教育審議会にも関与していたわけですから、教育とラグビー、あるいはリーダーシップの関係構築に意欲を燃やしていたのは事実でしょう。教育やビジネスに関連させて、ラグビーを語るのが好きな人物でもありました。しかしその成果がまだ見られず、しかも2019年ワールドカップで何らかのプレゼンスを示してくれるだろうと思っていただけに、果たせなかったのはやはり残念ではあります。私も監督としての平尾氏のやり方は疑問がありましたが、選手としてはそこそこいいとは思いました。そのためか、今でも平尾誠二といえば、やはり選手時代のジャージー姿、しかも神戸製鋼もさることながら、日本代表のジャージー姿が印象に残っています。

飲み物-パブのビール2
[ 2018/04/29 01:00 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

ラグビー代表と平尾氏 19

先日の相撲関連投稿でも触れましたが、ラグビーも独自性が結構あるとはいえ、スポーツである以上、一応はフェアプレイの精神が、世界共通となっています。しかし日本ラグビーフットボール協会(以下、協会)において、どこか世界と違ったものがあったのも事実です。かなり前のことですが、イングランドが来日した際に、試合中の給水ができないというハプニングがありました。これは諸外国では、その当時既に常識になっていたのですが、なぜか日本では給水ができなかったのです。無論その後改められましたが、この協会の姿勢に疑問を持つ声もありました。

そして代表監督選びも、特定の大学(早慶明同)から順番に選ばれていました。無論中にはそこそこうまく行った監督もいましたが、本人のコーチング経験、特に代表に準じたチームのコーチ経験もないままに選ぶというのも、わけがわからないことであり、要は協会に取って、大学ラグビーが如何に大事であるかを窺わせるものでした。つまり協会サイドでは、あくまで大学ラグビー主体、そして社会人(現トップリーグ)、代表といった感じで、口ではワールドカップの勝利云々と言いつつも、それにふさわしいだけのチームを作れているのか、これも疑問でした。

平尾氏が選ばれたのも、その二代前の小藪氏でニュージーランドに145失点し、山本氏は監督としての期限が切れたため、ここでテコ入れを考えたのはわかります。ただコーチ経験が、自らが率いたことのある神戸製鋼のみという平尾氏に、いきなり代表監督というのも無理な話でした。いくら本人にやる気があったとはいえ、まずその一つ下、今だとU20とか、高校代表レベルから始めてしかるべきだったのです。しかも当時の専務理事だった白井氏の「やる気がある限り続けてほしい」も、監督の契約内容としては無理があるものでした。

そもそもこの当時、監督は協会と契約を交わすのではなく、協会がお願いしてやってもらう存在でした。これは当時の会長の発言で明らかになっています。そのため実際は解雇に値しながらも、勇退ということで退いた監督もいました。こういう体制では、協会サイドが監督に厳しく言えるわけもありません。また代表強化について、協会と監督の間でどのくらい突っ込んだ話し合いがなされたのか、それも無論よくわかりません。平尾氏の監督辞任、実質上の解任は、協会にも大きな責任があるものでした。

そして平尾氏は、監督というよりは、子供の頃から楕円球に親しませ、自分の判断でプレーをさせる組織のまとめ役の方が向いていました。確かに子供にラグビーの何たるかを教えて行く存在よりも、代表監督の方が知名度が高く、マスコミの取り上げ方が大きいのも事実で、だから有名選手をとなったわけですが、代表監督というのは、そういう選び方をするものではありません。平尾氏も代表キャプテンとして、宿沢監督との二人三脚でチームを引っ張って行くのには、確かに向いていたとは思うのですが。

その当時、今から20年ほど前に比べると、協会も変化が見られましたし、代表監督は外国人が当たり前になりました。ましてやスーパーラグビーに参加できるなど、その当時は考えてもいなかったでしょう。実際外国人監督(HC)選出や海外に出て行くことで、ネットワークが大きくなるのはプラス要因です。しかし個人的には、もっと監督選びや試合の組み方に欲を出してほしいと思います。無論今のジョセフ氏も、国際試合ではそこそこ結果を残しているのですが、2015年のワールドカップが終わった時点でエディー・ジョーンズ氏に再契約を迫れなかった、その辺りがまだ弱いようです。

今現在、ラグビーをやっている国、WorldRugbyに名を連ねている国は結構います。しかしその中で、ナショナルチームを本気で強化している国がどのくらいいるかというと、恐らくはそのごく一部でしょう。無論中には機材や人材が揃わないというケースもあるでしょうし、ラグビーそのものの人気が低く、強化しようにも選手が限られるというケースもあると思います。我が日本がどのくらい本気で選手を集めて強化をし、質の高い試合をしているか、それは数々の国際試合で答えを出すしかありませんが、その大きな山は恐らくは来年やって来ると思われます。

飲み物-グラスビール
[ 2018/04/07 01:00 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

ラグビー代表と平尾氏 18

2000年11月、アイルランドに日本は大敗し、しかもその時のIRB(現World Rugby)の役員の一員として、日本協会の金野滋氏がこの試合を観戦していました。それでなくても70失点、しかも経験の浅い選手ばかりとなれば、今後の代表強化陣を再検討しなければならない事態となっていました。しかしその後、メディアでは今後の人事、あるいは協会の決定などに関する情報は、殆ど表に出て来ず、かろうじて某スポーツ紙が「平尾氏は解任か」と報じるにとどまりました。そしてその11月最後の週末、日本協会で行われた理事会で、平尾氏は監督を辞任し、強化方針を白紙撤回することになりました。

辞任は午後6時過ぎごろの発表だったこともあり、プライムタイムのテレビのニュースでこれが報道されました。翌日の朝刊も大々的にこれを載せていました。平尾氏の監督としての期間は終わり、同時に平尾プロジェクトもこれで終わりました。しかしその後の強化陣がなかなか決まらず、いよいよこの年も押し詰まり、花園ラグビー場で高校大会が始まった頃になって、かつての代表監督の宿沢広朗氏が強化委員長に、そして、東芝府中(現ブレイブルーパス)を3年連続の優勝に導いた、向井昭吾氏が監督と決まりました。この時から監督と代表選手は出向制、つまり所属企業から代表活動期間に限り、手当付きで貸し出してもらうといった方法が採られました。

この方法も最初はなかなかうまく行かなかったものの、2年目からは出向する選手も増えて行きました。ただしこのチームのネックは、アウェイの試合があまりにも少なかったこと、そして強化委員長の宿沢氏が、専従スタッフでなかったことも理由に挙げられるかと思われます。恐らく専従となるには報酬が安い、既に勤務先の執行役員であったなど、様々な理由が挙げられたかと思いますが、この時強化委員長も監督も専従であったなら、もう少し違っていたのではないでしょうか。この強化陣で2003年のワールドカップに出場した日本代表は、95年、あるいは99年よりはかなりましなチームになっていましたが、この時も善戦どまりでした。

その後向井氏辞任後は、かつて神戸製鋼に在籍した萩本光威氏が監督、強化委員長が、平尾監督時も強化委員長を務めた勝田隆氏と決まりました。実はこの時も新人を多く入れたため、試合そのものは散々な結果となり、2004年秋のヨーロッパ遠征では100点ゲーム、しかも日本協会の説明もどこかぶれた印象がありました。その少し前から、代表に外国人監督を何故入れないかという声が上がっており、最初はフランス人のエリサルド氏でしたが、不祥事で辞任、その後はジョン・カーワン氏となって、2007年のワールドカップカナダ戦で引き分けに持ち込みました。さらに北米2国は勝てる相手となり、次はサモアやフィジーに安定して勝つ のが目標となりました。

しかしカーワン氏のチーム、JKジャパンは、通常の国際試合では、ウェールズに勝つなどということもあったのですが、2011年のワールドカップでもカナダ相手に引き分け、その他は黒星という結果に終わりました。そしてエディー・ジョーンズ氏がヘッドコーチになり、2015年ワールドカップで南ア、サモア、アメリカに勝利し、その後のジョセフ氏のチームは、アウェイでウェールズに惜敗、あるいはフランスに引き分けというレベルまで成長するに至ります。恐らくスーパーラグビーに参戦したせいもあるのでしょうが、あのアイルランド戦から17年経って、「やっと」このレベルまで来たかと思わずにはいられません。

飲み物-グラスビール
[ 2018/03/18 00:30 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

ラグビー代表と平尾氏 17

1999年のワールドカップは結局のところ、直前のパシフィックリム選手権の好成績もあり、ファンに期待させつつも、その期待を結果に結び付けられずに終わりました。本来ならば大会直後に試合の総括と再検討が行われ、平尾氏続投なのか、あるいは他の人物に監督を依頼するのかが決まりそうなものですが、この点に関して日本ラグビーフットボール協会は、恐ろしくのんびりしており、国内で再開した社会人リーグと大学リーグにかかりっきりになっていました。そして、平尾氏続投が決まったのは、その年も押し詰まってからでした。

また新生代表チームでは、土田雅人氏が古巣のサントリーの再建のため、コーチから外れ、代わりに神戸製鋼で主将を務めた経験もあり、大西一平(かずひら)氏が加入することになりました。しかし、平尾ジャパンはそもそも土田氏の存在が大きかったという声もあり、またこの年のアジア選手権では、それまで勝つのが当たり前だった韓国に足元をすくわれそうになり、パシフィックリム選手権に至っては最下位で、前年の好成績が嘘のような有様でした。

このチーム力の低下は、選手の選考に一因がありました。普通代表を再建する場合、特にワールドカップ後に再建する場合は、数名はベテラン選手を残し、そのうえで新人、つまり初キャップの選手を加えるのですが、この代表チームは初キャップの選手がやけに多く、そのため試合慣れしていないというデメリットがまずありました。前年のワールドカップに招集された外国人選手も、本来ならばまだ選ばれてしかるべきでしたが、なぜかそういう選考方法は採られていませんでした。

もうひとつ、それまで「型にはめない」ことを特徴にしていた平尾ジャパンですが、この年になってフラットラインが導入されました。しかしこの方法は既に、前年のワールドカップで強豪チームが採り入れており、既にディフェンス方法も考えられていたという点で、周回遅れといわざるをえませんでした。それを反映するかの如く、秩父宮の観客数はその前年よりも数が減って行きました。また一部メディアでは、強化のスピードが遅いという指摘も見られました。

その年の秋、日本はアイルランドに遠征しました。本当はフランスも相手国となっていたのですが、フル代表との試合はキャンセルとなり、ここでも日本の実力がどのように評価されているのかを、垣間見ることができました。結局70失点で終わったこの試合、当時の協会首脳で、IRB(現ワールドラグビー)の金野滋氏が現地で観戦していたといわれています。また現地のメディアの評価も、かなり厳しいものでした。これを機に、代表のあり方が見直されて行くことになります。

このアイルランド遠征とちょうど入れ替わるような形で、オールブラックスとオーストラリア代表ワラビーズが日本を訪れました。特にオールブラックスは、パシフィック・バーバリアンズ(日本でプレイするフィジー、サモア、トンガの選手中心の選抜チーム)とチャリティマッチを行いましたが、その試合には、日本代表の試合よりも多くの観客が詰めかけて、スタンドはほぼ埋まっている状態でした。またマスコミの報道も、かなり華々しいものでした。

飲み物-レッドビール
[ 2018/03/08 23:00 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

ラグビー代表と平尾氏番外-1999ワールドカップとメディア その2

このワールドカップでもう一つ気になったことがありました。その前の大会でも見られたのですが、外国の代表チームの姿勢を殊更に持ち出し、見習えといわんばかりの論調が目についたことです。これは一つ前のでも書いていますが、大会前にデスクの要求もあったとはいえ、あれだけ代表をもてはやしたあとで、リーグ戦敗退となれば手の平を返したように、よそのチームを云々する姿勢には、どうも節操というものが窺えません。ラグビー記者諸氏も不満があるのでしょうが、それを記事にするのもどうかと思います。

特にこの大会では、下馬評は低いながら準決勝でニュージーランドを下したフランス、そして初の決勝トーナメントに進んだアルゼンチン、初出場ながら健闘したウルグアイを注目する人も結構いました。いずれもラテン系の国であり、それを特に強調する向きもありました。しかしその一方で、イタリアやルーマニアはさほどではなく、しかもイタリアはニュージーランドに大敗しているのですから、いささか整合性が取れないように思うのですが…。正直言って、フランスやアルゼンチンの持ち上げ方、それも本国のメディアが騒ぐのならともかく、日本のメディアの騒ぎ方は異常に映りました。

しかもアルゼンチンは、リーグ戦で日本に勝った相手、それも意図的に勝った相手である以上、少なくとも記者であれば、もっと冷静に相手を見るべきでした。大会で名を馳せた国を評価するのは構わないのですが、そういう国の肩を簡単に持ちたがる辺りに、日本のラグビーメディアの限度が見えたように感じられたのも事実です。しかもその一方で、決勝でフランスに勝ったオーストラリアの戦法への批判、その前の準決勝でのオーストラリアと南アの文字通りの死闘が、さほどに評価されていない印象をも受けました。

オーストラリアの戦法を批判したのは、有名なラグビーライターでした。批判はいいのですが、これがフランスに勝った相手でなければ、ここまで批判しただろうか。そのようにも取れる内容でした。要はこの記者がフランスに肩入れするあまり、フランスに勝った相手、しかもその人に取って面白くない方法で勝った相手だから、ここまで批判を込めたのではないか、そう取られても仕方がない記事でした。しかし個人で書くのならともかく、プロとして書く以上、私情を挟むのは許されないはずなのですが。

この大会では日本は思った結果を出せず、ある意味平尾氏の指導にも疑問が持たれたのも確かです。だからこそ、今後のあり方に関しての記事、それもできるだけ中立的な記事やコメントを望んではいましたが、全くないとはいえないにしても、かなり限られていたといっていいでしょう。このおかげで、フランスが結構頑張っていたにも関わらず、どこか冷めた目で見るようになって行きました。メディアが煽るような真似をしなければ、決勝ではもっと素直にフランスを応援できたのですが、このためにオーストラリアの応援に回ることになりました。

日本のスポーツメディア、あるいは普通のメディアでも感じるもやっとした印象は、こういう一貫性のなさも大きく関わってはいるでしょう。しかも自分たちの代表をどうするべきかという姿勢があまり窺えず、他国ぼめと代表強化陣叩きに終わったふしがあります。メディアのあり方はラグビーのみならず、他競技でも、あるいは相撲でも似たような印象があります。相撲といえば例の件、多分にこれもマスコミが騒いでいるふしがあります。私としてはどちらもどちらという印象を受けます。相撲の改善すべき点に関しては、また改めて書きたいと思います。

飲み物-キルシュビア
[ 2018/01/07 01:15 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

ラグビー代表と平尾氏番外-1999ワールドカップとメディア その1

今回はこの1999年のワールドカップに於ける、メディアのあり方に関してです。まず大会前、ラグビーメディアはこぞって平尾ジャパンを讃えました。いささか持ち上げ過ぎではないかとさえ思っていました。やはり1995年大会で、事前にやけに期待を煽るような報道があり、1勝もできずリーグ戦敗退、さらにニュージーランド戦の145失点があってからは、ラグビー関連メディアは、手のひらを返したようにあれこれ批判しまくりとなりました。

今回もそうなるかもしれないという不安はありました。しかし1995年大会とは違い、サモアあるいはアルゼンチンには勝てるかもしれないと、まだ一縷の望みをつないではいました。しかし既に述べましたように、日本は1勝もできませんでした。ここに来て、またメディアは態度を一変させることになります。専門誌はその後、平尾ジャパンの検証記事を連載しましたが、「期待が大きかった分、失望もまた大きかった」と、当該記事の冒頭に記していました。

しかし期待を煽ったその一因は、当然メディアにもありました。1995年大会時と変わらなかったのは
大会前の行け行けどんどん
敗退後の手のひら返し
この2点です。強化体制や対戦国が違った分、全く同じとは言えなかったものの、大会後の強化陣に対する姿勢には、何らかの既視感を覚えずにはいられませんでした。

本来大会前にも欠点があればそれを指摘し、敗退後にも称賛するべき点があれば、それについて言及するのがメディアの仕事であり、それでもなお代表を応援するファンがつくというのが、本来のあり方でしょう。事前に煽るのは、大会に関心を向けさせるでもあるのでしょうが、そうまでしないと関心が向かないというのも、また妙なものです。95年、99年と続いたこのメディアの姿勢は、ラグビーメディアのみならず、日本ラグビーフットボール協会の姿勢にも疑問を抱かせました。

ならば、協会の姿勢をも含めた代表強化の在り方をも含めて、きちんと議論するのであればまだわかるのですが、実際はそうではありませんでした。この代表批判の多くは、平尾氏をはじめとする強化陣に向けられていました。無論強化の責任者であること、しかも大会中に曖昧なコメントに終始していたことから、勢い矢面に立たざるを得なかった部分はあります。しかしそれが昂じて、安易な強化陣叩きに変わっていった部分もあります。

要はワールドカップの代表チームの敗退、勝利させられなかった原因を客観的に探るべきだったのが、いつの間にか
「他国のプレイを引き合いに出した監督批判」
これにすり替わっていった感もあります。実際この時の「他国を見習え」の表現もちょっとどうかと思いました。これに関しては次に書きたいと思います。

無論すべての記者がそうだったわけではありません。JSPORTSの解説も務めていて、このブログでも時々紹介している村上晃一氏、あるいは小林深緑郎氏などは違っていましたし、また代表強化陣批判をしていた記者の中にも、温度差があったのも事実です。また専門誌と『ナンバー』のような専門誌、あるいは記者個人の著書などでは、同じ事柄を取り上げていても、当然というか、表現方法にいくらかの違いが見られました。

この平尾ジャパンは、1995年の大会後、短期スパンで監督が交代し、そのため強化がまだ安定していないこともありました。一方で選手はかなりモチベーションが高く、それなりの技を持った選手もいました。また前年のアルゼンチン戦、そしてワールドカップ直前のパシフィックリムなどで、前出のように1勝はできるかもしれないとは思っていましたが、いつの間にかメディアの中で、予想が勝手に盛り上がって行ったふしもあります。

飲み物-パブのビール3
[ 2017/12/22 23:30 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

ラグビー代表と平尾氏 16

久々の投稿になります。満を持して臨んだ1999年ワールドカップでしたが、日本はサモアとウェールズに大敗し、後はアルゼンチン戦を残すのみとなりました。当然ファンは、このアルゼンチン戦勝利を期待するようになります。しかしそのアルゼンチン(ロス・プマス)も、サモアに勝ってかなり気合が入っていました。そしてリーグ戦最後の試合となったこの対決は、ミレニアムスタジアムで日没後に開幕しました。国歌吹奏は、軍楽隊ではなく一般のブラスバンドによって行われました。

実はこの大会は、それまでとは違った方式で行われていました。この大会から、従来の16チームに4チームをプラスした、計20チームでリーグ戦が行われることになったものの、4チーム×5の変則的な編成であったため、プレーオフが設けられることになりました。このプレーオフは、プールBの2位(イングランド)とプールCの2位(フィジー)、プールAの2位(スコットランド)とプールDの2位(サモア)、そしてプールEの2位(アイルランド)とベスト3位が戦うことになっていました。

アルゼンチンはベスト3位入りを目論んでいました。しかし得失点差の関係により、あまり多く得点すると2位になってしまって、スコットランドと当たることになるので、それよりも与しやすいアイルランドにという意図だったようです。そのためアルゼンチンは、できるだけ少ない点数で日本を破ろうとしていました。ならば日本も、総動員でアルゼンチン戦に臨むべきでした。また試合前の時点では、プールCのカナダもベスト3位の候補に上がっていました。

しかし顔ぶれはそれまでの2試合とそう変わらず、しかもこの大会での起用が期待された岩渕健輔選手(後にケンブリッジブルー)は、この試合のメンバーにさえ入っていませんでした。また日本もミスが多く、思い切った攻めができませんでした。タックルこそ捨て身ではありましたが、結局相手の思惑通りに試合は運び、結局日本は3戦全敗となりました。アルゼンチンがベスト3位を狙うのをあるいは知りつつ、手を打たなかったがゆえの敗北ともいえるでしょう。

この試合後平尾監督は、世界とはまだ差があるとコメントしました。しかし選んだ選手たちは皆、その年のパシフィックリムではいいプレーを見せていたはずです。無論パシフィックリムとワールドカップでは違いますが、全く違うというわけでもありません。このコメントに少なからずがっかりしましたし、また同じことを考えた人も結構いたようです。がむしゃらに勝利を狙うような気構えが、今一つ感じられない、そういう意味で何か後味の悪い大会でした。

ところでこの試合、リーグ戦最終戦ということで、サモアの選手もスタンドに姿を見せていました。そのサモアはウェールズを破った相手ですから、ウェールズの観客はブーイングをし、片やサモアの選手は、会場のスクリーンに顔が映し出されるや、大げさな顔芸でそれに応えるという、如何にもラグビー的な風景が楽しめました。もちろんアルゼンチンと日本のファンも詰め掛けており、プールDの国々が、さながら一同に介したような雰囲気でした。

飲み物-パブのビール1
[ 2017/12/16 00:30 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

ラグビー代表と平尾氏 15

1999年ワールドカップ、日本の第二戦は開催国であるウェールズでした。かつてアームズパークと呼ばれていたスタジアムは、ミレニアムスタジアムと名前を変えて大幅に改築されました。試合前には、その少し前に起きた鉄道事故の犠牲者を悼んで、黙祷が行われ、その後両国の国歌斉唱となりました。男性のコーラスグループが、それぞれ『君が代』と『ランド・オブ・マイ・ファーザーズ』を歌いましたが、『君が代』が実に見事に歌い上げられていたのには驚きでした。アクセントがおかしいと言ったこともなく、合唱だけ聴いていれば、日本人が歌っているのと何ら変わるところはありませんでした。

ならばこちらも、相手をしのぐプレイを見せたいというのが人情でしょう。そして実際、前半はそこそこいい試合になっていました。サモア戦の時のような硬さがなく、いくらか試合慣れしていたようにも見えましたし、大畑、ツイドラキ両選手がそれぞれトライを挙げた場面では、たとえ勝てなくてもかなり接戦できるのではないかという印象もありました。何よりもサモア戦で見られなかったトライを、前半で2本見ることができたのも、その期待をさらに膨らませたともいえます。しかし後半に入ると、状況は一変してしまいます。

後半はウェールズに押される形となり、日本のいいプレイは影を潜めます。そして、ウェールズに対して防戦一方となりました。こうなると日本は不利ですし、逆にウェールズにしてみれば、自分たちの思う展開に持ち込めたことになります。まだ点差が開かないうちに、選手交代をするべきだったのですが、なぜかそれが行われませんでした。特にスクラムハーフの村田亙選手は、流れを変えるためにも、ウェールズ優勢の展開になった時点で、早めに出しておくべきでした。しかし交代が行われたのは、試合の趨勢があらかた定まってからでした。

結局最終スコアは、15-64で日本の完敗でした。選手は揃っていたのに、なぜここまで点差が開いたかという点については、やはり「型」のなさに平尾氏がこだわるのも一因と指摘されていました。実際このワールドカップが終わった時点で、日本代表は「勝つ」のではなく、「国際試合として、おさまりのいいスコアに持って行く」のが目的だったのではないか、そのような声も聞かれました。中には善戦と見る向きもありました。無論これが選手交代を行い、代表のあるべき型をきちんと決めての敗戦であれば、そうも言えたのでしょうが、持てるべき力をすべて出していない印象がありました。

このウェールズ戦の翌日、サモアとアルゼンチンの試合が行われ、こちらは前半優勢だったサモアを、アルゼンチンが後半巻き返して勝利しました。これにより、日本が入ったプールDの順位は、得失点差が影響するといった、きわめて微妙な状況となっていました。ならば、その得失点差をうまく利用して勝ちたい、そういう雰囲気が代表の中に感じられてもよかったのですが、報道を見る限り、あまりそれは感じられませんでした。平尾氏はこのままで行くのか、あるいは最終戦でがらりとやり方を変えてくるのか、それが不明なまま、各チームは三戦目に突入して行くことになります。

飲み物-ブラウンエール
[ 2017/11/18 00:45 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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