先日の大河コラムの批判とそれへの突っ込みに関して。どう考えても批判そのものを武者さんが作っている、いわば自作自演的な印象があります。無論似たような批判はあったかもしれませんが、どこか本人に取って都合のいい、きわめて突っ込みやすい「批判」であるように感じられますので。
さらにオールドファンの手垢のついた論調として、こんなことまで書いています。
・女子供を喜ばせるイケメンが主演では、俺たち真の大河主張者である男性様は喜ばないぞ!
・イケメンでないところを証明できたからこそ、主演をやらせてやる
・女は良妻賢母以外認めないぞ!
本当にオールドファンというか、従来の大河ファンのすべてがこう思っていると(無論思っている人もいるでしょうが)考えているのなら、ちょっと驚きます。特に「イケメンでないのを証明できたから主役をやらせる」というのは一体何なのでしょう。
ちなみにこれは『西郷どん』を想定して言っているわけで、どう考えても西郷は美男子ではないこともあり、また体の大きな鈴木亮平さんにお鉢が回って来たと思われます。最初堤真一さんが決まっていて降板しましたが、私としてはモデル出身の堤さんと西郷はいささか違う印象を受けました。
もし仮に、武者さんが嫌っている他の大河をこの条件に当てはめてみた場合、辻褄が合わないことだらけです。たとえば『軍師官兵衛』ですが、これはどう見ても主人公はイケメンと言っていいでしょう。さらに『花燃ゆ』ですが、文(美和)が久坂玄瑞の妻であった時には良妻には見えませんでした。(楫取素彦と結婚してからそれらしく見えるようにはなりました)その後久坂と辰路の子の秀次郎を引き取ろうとしながら、帰るように言う辺りも、養母とはいえ賢母とは言い難い部分もありました。
またやはり『花燃ゆ』ですが、主人公こそ女性であるものの、周囲の男性、つまり「幕末男子」はそこそこのイケメン揃いでした。寧ろこういうのを武者さんは肯定するのではないかと思ったのですが、長州大河なのがネックだったのでしょうか。
まあこれは仮にやってみただけですが、元々某ネットメディアで、生田斗真さんが「脱イケメンで大河主演見えた」とあるのが、武者さんとしては、オールドファンの主張臭く見えて気に入らないというのが発端のようです。しかもその日は来ない、なぜならオールドファンも若者も満足させられない大河は終わるからと結論付け、例によって動画を勧めているわけです。
しかし「脱イケメン俳優」というのは、その俳優が単に若いイケメンだけでなく、役者として成長し、色々な役をこなせるようになったという意味でもあり、この記事では例として映画『土竜の唄』を引き合いに出してもいるのですが、それについては何も触れていません。しかもこれを前出の「手垢のついた論調」呼ばわりしていますが、その捉え方にはどうも疑問があります。
それにしても大河が終わるなどと言い、来年の大河も期待できないなどと書く一方で、『まんぷく』コラムでは楽しみにしているような書き方をするのですね。この辺が私に取って、「『まんぷく』コラムに思うこと8」で書いたように、武者さんの文章がとっちらかって見える、一貫性を欠いて見える一因なのだろうと思います。
武者さんが動画を勧めるのは、「新しい感覚」だとみなしているというのも先日書いています。テレビというオールドメディアの残滓が感じられるからなのでしょうが、これをアピールしたために、自分がかつて賞賛していた大河を否定するような格好になり、どっちつかずになった感もあります。
いっそ今までの大河を全否定し、推奨している『MAGI』を勧めるのであれば、それはそれで理にかなっています。 無論今までのNHKの在り方も、その場合付け加えるべきでしょう。ただある時は大河は終わりであるといい、ある時は大河をほめるというのは、どう見てもその場の乗り次第のように見えてしまいます。何よりも大河コラムの中に、他の要素をあれこれ詰め込み過ぎではないかと思います。
過去の残滓といえば、かつてラグビー日本代表を率いた平尾誠二氏を思い出します。平尾氏は今までのやり方では日本代表は勝てないと、それまでとは思い切って違った路線に持って行き、代表強化の方法もかなり手を入れました。これは画期的なものに見えました。しかし一部では功を奏したものの、必ずしもそうとはいえませんでした。特に1999年のワールドカップではかなり評価を下げました。
これにはマスコミの論調も絡んではいましたが、ともあれスポーツという、勝敗による評価が大きな世界では、やはり結果につながらないやり方には疑問を持たれました。あれは古いとかこれは手垢にまみれているからという理由のみで、それを斬り捨てるのは果たして正解なのか、 平尾監督の時代はそれを大いに感じさせられもしたのです。大河がダメだから動画だ『MAGI』だと一概に言えるものなのでしょうか。
一応、これを以て『いだてん』第13回コラム関連の投稿は終わります。突っ込みどころがあまりにも多すぎるので…一部省略した部分もありますが。
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