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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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花燃ゆ-25 続き 文は篤姫ではなく小松帯刀の妻的存在

『花燃ゆ』が萩のみ、もっといえば文(美和)のみの視点で描かれていることは、以前にも指摘しています。たとえばコレラ騒動についても、萩城下の流行のみで、長崎から流行が始まって、多くの地域で大流行したという点には全く触れられていませんでした。しかも文よりも歴史的には著名な人物が多いのに、彼らの生き様が文の目の届く範囲でしか描かれないため、ある日突然登場したり、あるいはどこかに出かけていたのが戻って来たりということになりがちです。

だから長州征伐が行われているのに大して描かれないし、高杉や桂も、本当はもっと色々なことをしているはずなのに、それがさっぱり出て来ません。すべて文の、それも創作上の視点が基準になっているため、本来の背後関係が実にわかりにくい上に、肝心の史実がダイジェストやナレーションで済まされてしまい、そして奥のおはぎ作りが、やけに時間をかけて放送されるというような事態になっています。

逆の見方をすれば、文が登場しない場面では、そこそこ大河らしくまとまっていることが多いのです。たとえば小田村伊之助が捕らえられたり、高杉が密かに逃げ出すところなどは一応様にはなっています。つまり、脚本家が朝ドラや現代劇中心の人であっても、史実をなぞれば、一応は大河として格好がついているわけで、それを考えれば、やはり史実に沿った描き方も必要になるわけです。そもそも、大河で無名の人物を主人公にして、しかも創作部分を多くして数字を取るのであれば、かなり時代劇に慣れた人でないと難しいでしょう。

まして現代ドラマが中心の脚本家の場合、どうしていいかわからず、つい現代感覚でアレンジしてしまうことは十分に考えられます。だから脚本家選びは重要であると思われます。それと、歴史考証家の意見をきちんと聞いているかどうかも大切です。あまり時代考証のみを重視すると、ドラマとして構成しにくいという点も無論あるでしょう。ただ、どう考えても入ったばかりの奥女中が、藩の上士でしかも世子の小姓に直垂を持って行くとか、藩主夫人に対してことさらに意見するとかいうのはやはり不自然です。

今となっては何ですが、やはり吉田松陰の次に高杉、その後伊藤や井上という流れを大まかに作り、そのうえで文や他の家族、藩主や藩の上層部などを絡ませるようにすれば、文が奥女中として萩城に上がっても、奥ばかり描かず、史実と並行させることが可能でした。歴史に関心がある視聴者も、それなら納得できたでしょう。また文を創作キャラとして多少遊ばせても、さほど違和感はなかったかもしれません。先日『篤姫』の感想の中で、大奥以外のこともきちんと描かれていると書きましたが、主人公の視野の外をきちんと描かないと、主人公そのものが引き立たないのは事実かと思われます。

また残念ながら、文は『篤姫』の、天璋院篤姫に匹敵する存在ではありません。『花燃ゆ』の文は、『篤姫』の小松帯刀の妻の、お近くらいの役どころでちょうどよかったのではないでしょうか。このくらいであれば準主役的存在であり、ほぼ毎回登場することもできます。また、多少創作を織り交ぜても大丈夫です。どうしても文を出したいのであれば、なぜこういうポジションに置かなかったのかと思います。現実の『花燃ゆ』の文が、奥でやけに背伸びしている印象があることを考えると、余計にそう感じられます。ちなみにこのお近も文同様、夫と愛人の間に生まれた子供を養育しています。

日本家屋
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[ 2015/07/27 23:43 ] 大河ドラマ 花燃ゆ | TB(-) | CM(0)

花燃ゆ番外編27-『篤姫』を観て

同じ女性の主人公、しかもこちらは本物の大奥を舞台にした『篤姫』のDVDを観ました。現在放送中の『花燃ゆ』と同時期、つまり蛤御門の変から、第一次長州征伐の頃のを観たのですが、やはり描き方が違うなというのが正直なところです。元々『篤姫』は宮尾登美子さんの原作を田渕久美子さんが脚色し、常に視聴率20パーセント台を誇っていた大河ですが、やはり人間関係とか、大奥の権謀術数、それぞれの人物と史実との絡み合いがきちんと描かれています。そして、『花燃ゆ』の都美姫(毛利敬親夫人)を演じている松坂慶子さんに、このドラマでの篤姫の侍女、幾島の印象がどうしてもダブってしまいます。

そもそも『篤姫』は、始めから大奥入りを想定したドラマ進行になっていました。大奥に入って徳川家定夫人となり、家定逝去後は次代将軍家茂の妻、和宮を迎える一方で、家定の生母の本寿院との絡みもあったその一方で、西郷や大久保、小松帯刀といった薩摩武士や坂本龍馬がどのような行動に出たのか、そしてやや出番は少ないものの、長州勢はどう反撃したのかがわかるようになっています。史実とのバランスが取れているため、女性を主人公とした大河としては、かなりの出来のように見えます。

『花燃ゆ』の奥の場面がどこか付け焼刃に見えるのは、始めから奥を設定していなかったというのも、理由の1つとして挙げられます。というか、「幕末男子」云々、これもあまりよくなかったですね。別にキャッチをつける必要はないのです。無名の女性だからこそ、PRの必要があると考えたのかもしれませんが、それがイメージを固定させて逆効果になっています。それよりも、無名だからどうしても創作の部分が多くなるわけで、如何に史実と創作をうまくコラボ出来る脚本家を選ぶか、それがこの大河を作る上で、一番肝心だったのではないでしょうか。失礼ながら、朝ドラがメインの脚本家ではやはり限度がありました。

もちろん『花燃ゆ』には原作もないわけです。だからこそ「幕末男子」が不調に終わった後、奥女中編へとスライドできたのですが、始めから練られた奥女中編ではないから、どこか取って付けた感があります。だからこそ乃木坂46を出演させたりして、話題を集めようとしたりしているのですが、問題はそういう所ではないと思われます。なぜ一介の奥女中である文(美和)が、藩主夫人や世子夫人にことあるごとに諫言するのか、その部分が如何にも不自然ですし、大奥ではない外様大名の城の奥であるにせよ、あまりにもそれらしい雰囲気が無さすぎです。彼女たちの会話も、奥女中というよりOLのそれのように見えてしまいます。こういう部分こそまず改めるべきでしょう。

そういえば、『花燃ゆ』の井原剛志さん演じる龍馬の登場は、1回だけなのでしょうか。少なすぎると思います。幕末物の中では、龍馬は比較的自由に動かせるキャラですし、恐らくそれゆえ『JIN -仁-』にも登場させられたわけです。ああいう人物をうまく配置することで、もう少し面白くなるのではないかと思われるのですが。秋には群馬県令となった楫取素彦(小田村伊之助)と、その楫取と結婚する美和となるわけです。それ以後は更に創作の部分が多くなるかと思われますが、脚本は大丈夫なのでしょうか。

江戸城 
[ 2015/07/25 23:23 ] 大河ドラマ 花燃ゆ | TB(-) | CM(0)
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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