それから小檜山青氏のnote記事関連です。当初は、特に五島の描写には肯定的だったのに、舞が東大阪に戻る辺りから、やけに否定的または批判的な記述が目に付くようになりました。この動機付けなら五島は要らなかったとまで書かれていましたが、五島で舞が何を学んで何を得たかを理解していれば、とてもそういうことは書けないのではと思うのですが。
https://note.com/54seikobi85/n/n96eb02aff15b
展開が読めるっちゃそうですね。
・浩太は飛行機の夢を諦めた……
・舞が五島に行く前は順調だった工場もピンチ!
・夢を捨てて工場とったのになんでや!
↓
せや、お父ちゃんの夢を娘が引き継いだろ!
そういう動機付けやな。五島のばらもん凧は後付けで、当初はこう言うプロットで進めていたのかもしれない。展開が強引やで。
お父ちゃんが飛行機作りを目指していたのを知ったのと、五島での体験は全然別物なわけです。まず五島で祖母の言葉、そしてあの凧揚げを通じて自分に自信を持つようになり、帰りに五島で何度か見た飛行機に乗り、さらに父の夢であった飛行機作りと、工場が窮地に追い込まれていることを知って、飛行機を作ってお父ちゃんに元気になって貰おうと考える、普通にドラマを観ていたらこういう流れになるはずなのですが。
あと「展開が強引やで」とありますが、正直言って、小檜山氏の発想の方が強引に見えて仕方ありません。
謎の詩人ですが、彼の詩はたぶん、よろしくないと思う。どうにもならない思いを詩に託すという感じがないんですね。
『鎌倉殿の13人』で、源実朝が説明できない思いを歌に託した解釈を見たあとだとより一層辛い。
詩人だけでなく古本屋の店主でもあります。貴司への説明で皆がパーティーをやっている間に、海の底へ行って花をつかみ取ると言っていることそのものが、彼自身のどうにもならない思い、もどかしさの裏付けとなっているのではないでしょうか。時代や立場こそ違えど、実朝と同じように心情を吐露しているわけでしょう。
あと貴司も詩集を立ち読みしながら、
「これ読んでたらな、ずっと思てたのに言葉にでけへんかったこと、代わりに言うてもろた気ぃしてスッとすんねん」
と言っていますね。
登場人物全員が説明台詞全開
説明しなければわからないこともあるし、しかもこの朝ドラではタイミングよく説明されているから、かなり腑に落ちます。
大阪弁のイントネーションで出来がわかりますわな。
いかにも「大阪弁やで!」というつくりもんめいたものだとマイナス。
何だか失礼な言い方だなと思います。小檜山氏が求めている大阪弁とはどのようなものでしょうか。あとこの場合、舞台が東大阪ですから、厳密に言えば河内弁ですね。
で、その一方でこれはネイティブのことなのでしょうが、「ネイティぐ」とあって未だ直されていません。有料記事ならこういう部分をもう少しチェックしてほしいです。
それとどういうわけか、悠人がお気に召さないようです。
『ちむどんどん』のにーにーは許す。
しかし、悠人はゆるさん。もうお前だけは不倶戴天の敵とみなす。
以下、毒々しいことになるので有料エリアにするわ。
有料エリアでしか書けないことというのは何なのでしょうか。そしてどこが不倶戴天なのでしょうか。そこまで小檜山氏が激高する理由がわかりません。しかも、賢秀ニーニーは許すのに悠人は許さないとは、何とも気の毒な話です。一体まだ小学6年生の彼が、どんな理由で逆鱗に触れたのでしょうね。
https://note.com/54seikobi85/n/nc866b6f8d744
久留美の父が『カムカム』ジョーリアル版みたいなのは、今日評価できるところなんですけど。
『カムカム』のジョーさんは、原因不明の病気で演奏ができなかったと思いますが、こちらの佳晴さんはケガで現役を引退せざるを得ず、やめる理由がまるで違います。しかもその当時のラグビーは一応アマチュアリズムしか認められておらず、引退後の保障は不十分だったと言えます。恐らく会社に残ることもできず、一から出直すことを迫られていたのでしょう。
それは愛する娘が父を励ますためにちまちま頑張っていること。舞はチアリーダータイプ、朝ドラヒロインの王道です。NHK大阪はこういうキャバクラにいたらモテそうな女の子描写に定評あるから、受け入れられるんでないの。
これもまた随分と失礼な言い方ですね。舞は父を励ますのもさることながら、自分も好きだから飛行機を作っているのですけどね。それとキャバクラとどう関係あるのでしょうね。ちなみにキャバクラと言えば小檜山氏=武者さん、嫌いな大河の妓楼をキャバクラ呼ばわりしていましたね。
しかし……母のめぐみは苦労しても黙って耐えるしかなくて、ああも大掛かりなことをしてやっと認知されたのに。父の苦悩はホイホイ察知されて、励ますために飛行機作りまでして。
「母のめぐみは苦労しても黙って耐えるしかなくて、ああも大掛かりなことをしてやっと認知された」
とありますが、五島行きのことでしょうか。そもそもめぐみは「認知されたくて」五島へ行ったのでしょうか。そして舞にあれこれ口出しをするから、一旦自分だけ東大阪に戻り、それが功を奏したのではないでしょうか。
あとお父ちゃんは工場経営者であり、自分の家族と従業員、そしてその家族の生活に責任を取らなければならない立場です。それも「ホイホイ」察知されてなどいませんし。舞は、飛行機の作り方をなかなか教えて貰えず、遊園地にも行けないため、お父ちゃんは忙しいんだと悟ったのではないですか。
それと「励ますために飛行機作りまでして」は舞のことですが、この場合主語は「父の苦悩」です。ならば
「父の苦悩は察知され、愛娘から飛行機まで作ってもらえた」
とでも書かないと意味が通じないのではないでしょうか。
https://note.com/54seikobi85/n/n6ea0b3b0159a
五島で動機付けをしたと思ったら、翌週はお父さんをチアリーディングしているじゃないですか。ろくに舞の心情も勉学も描かれないまま、大学進学したと語られるわけで。
舞はお父さんの前で飛行機を作りたいと言っていますよね。それが最大の動機になったのではないでしょうか。そして、彼女の飛行機作りの勉強は、大学の航空工学の受講から始まるのではないかと思いますが。
そして阪神淡路大震災をすっ飛ばすとは思いませんでしたね。今後、そこをそれこそ『おかえりモネ』のように回顧するならよいのですが。
まずこの阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)について知っておく必要があるかと思います。この震災では、兵庫県の神戸市を中心とした東部の、それも瀬戸内側と淡路島のダメージが最も激しく、震度6から7の揺れを観測しています。一方大阪は震度4で、無論揺れを感じてはいますが、神戸ほどひどくはありませんでした。寧ろ京都の方が揺れたかも知れません。震災を描かなかったのは、ひとつはそれもあるかと思います。無論これが今後、何らかの形で登場する可能性も捨てきれませんが。
阪神淡路大震災を扱った朝ドラとしては、1997年の大阪制作の『甘辛しゃん』がありますね。