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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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『どうする家康』第31回に関しての武将ジャパンの記事について-3

『武将ジャパン』大河コラムその3です。また『らんまん』を叩き棒にしていますね。


日本を二分する――こういうセリフで小手先だけのスケール感を出したいのでしょうが、かえって逆効果でしょうよ。
九州や奥羽がまだ残っているのに、気が早すぎるのでは?
しかもサブタイトルが、往年の名画を安直に真似た「史上最大の決戦!」です。だとしたら、関ヶ原の戦いや大坂の陣はどういう扱いとなるのでしょう?

「九州や奥羽がまだ残っている」
この場合の戦いとは、信長や秀吉に臣従した地域と、信雄や家康の領国の戦いを意味しています。これらの殆どは今の東海、北陸、近畿そして中国地方で、まだ九州、四国や奥羽(東北)はその版図に組み入れられていませんでした。

「往年の名画を安直に真似た『史上最大の決戦!』」
『おんな城主 直虎』のサブタイも、過去の映像作品の捩りが多かったのですが。
そしてこの場合、信雄+家康と秀吉軍の対決だからでしょう。関ケ原はそれぞれ味方の大名を従えており、大坂の陣に至っては、家康+諸大名VS豊臣+牢人という構図でしたから。

このドラマは、本当におにぎりを握る女が好きだな!
「勝て勝て勝て!」って言いながら握るのは何なのでしょう。
『花燃ゆ』のリベンジでもしたいのか。誰かの趣味なのか。

当時はおにぎりは兵糧である以上、勝つことを念じながら、家康の側室である於愛が音頭を取って握ってもおかしくはないでしょう。また『花燃ゆ』の場合、ワカメがおにぎりに混ぜられていましたが、戦国時代の場合はもちろんそれはなく、玄米を炊いて握ったものでした。

兵糧をあんなふうに作って見せる意味がわかりません。昭和レトロなラブコメですか。

また「昭和レトロ」(苦笑)
武者さんは観ていないかも知れませんが、『功名が辻』で一豊の妻の千代が、侍女たちと一緒におにぎりを作り、長浜城に駐留する軍勢に振舞う描写がありましたね。

『らんまん』を見ていて気づきました。
書状を手に取り、さっと振ることで広げる。そんな時代劇お馴染みの所作ができています。そして気づきました。『どうする家康』では、そんな綺麗な所作を見たことがないことを。
そのことに気づくと、どうにも小道具の扱いもおかしくて気になって仕方ありません。

まず、『らんまん』は時代劇でありませんね。
ただ今よりもはるかに前の時代であり、昔の人はそういういう所作をしていたということでしょう。
そして
「『どうする家康』では、そんな綺麗な所作を見たことがない」
いつも思うのですが、具体的にどのようなシーンなのか、はっきり書いて貰えないでしょうか。武者さんの文章はそれが抜け落ちていることがあまりにも多いので。
筆の扱いについてははっきりそうと書いていましたが、あれもそうおかしなものではありませんでした。家康はちゃんと筆を立てて書いていましたし、お市自害を聞いた時は、筆を落としたのではなく放り出していたように見えたので、あの所作でも特に問題ないと思います。

思い出したように家康の薬作りが出てきました。
趣味というわりに薬研の使い方も雑。説得力がまるでありません。

そして家康の薬作り、というか薬湯を煎じるため薬草を粉末状にする薬研の使い方が雑とかなんとか。
では武者さんは薬研を使ったことがあるのでしょうか。どこが雑なのでしょうか。
尚この薬研を使った動画をいくつか見ましたが、特にあの使い方は間違っていないと思います。

それと「趣味というわりに」とありますが、この時家康は薬作りが趣味と言っているでしょうか?

太鼓の打ち方がおかしい。
軍勢ごとにルールがあって、もっときっちり打つもの。
やる気がないのか、そうした調子は一切感じられず、ポコポコ打つせいで迫力にも欠けている。
発声も声が裏返るので、本当に稚拙です。
大河ドラマをパロディにしたコントの類にしか見えません。

「軍勢ごとにルールがあって、もっときっちり打つもの」
これがまた何の具体例もないのですね。
ここまで言うのならばそのルールとやらを、ここでちゃんと明記してください。
「酒井の太鼓」について言いたいのでしょうか。ならばその太鼓についてだけ書いてほしいものです。

「酒井の太鼓」の記述 鶴岡市に保管された家臣の日記から発見
(NHK ONLINE)

そして
「発声も声が裏返るので、本当に稚拙です」
これもどのシーンで、誰の発声が裏返っているかが不明。
単に武者さんがそう思いたいからではないのでしょうか。

今週はやっとおもしろくなった。落ち着いた。
そんな感想もありそうですが、果たしてそうでしょうか?
(中略)
実在した女性がでしゃばって目立ったり。回想シーンまみれにしたり。いちゃいちゃする場面の比率は減りました。
そのぶんアリバイじみた描写が増えて相対的にマシに見える。それだけです。
どうにもちぐはぐで、それまであったむちゃくちゃな個性が薄くなったような気がします。

「実在した女性がでしゃばって目立ったり」
誰とは言いませんが、オリキャラの女性が目立つのはいいのでしょうか。

「いちゃいちゃする場面の比率は減りました」
ああいうのをいちゃいちゃすると思うのなら、武者さんの女性観はやはり偏っているなと思います。

「そのぶんアリバイじみた描写が増えて相対的にマシに見える」
「どうにもちぐはぐで、それまであったむちゃくちゃな個性が薄くなったような気がします」
またですか。武者さんは具体的にどれがアリバイじみているとか、誰の個性がむちゃくちゃなのか全く書かないのですね。
「あれが悪い、これがよくない」に終始しているだけだから、単なる自己満足にしか見えないし、もっと言えば、ドラマ本編そのものをちゃんと観ているようにも見えないわけです。

今まではおしつけがましかった。
「今までにない展開だろ?」
「俺たちってマジですげーだろ、イケてるだろ!」
「これぞシン・大河なんだよ!」
そういう自慢げな姿勢があった。それがどうにも落ち着いてきている。
それが良いのかどうか?
残ったのは歴史番組用の再現ドラマと、ラブコメじみた場面、そして説明セリフだけです。

今までは挑発的でしたよね?
「史実なんて誰も見たことないしww あなた別にその時代に生きてませんよねw 見てませんよね、だったらこういう展開がないとは言い切れないでしょwww」
「瀬名が悪役とかもう古いしw 森蘭丸でなくて森乱w 新説取り入れましたwww」
そういう思考停止の呪詛を振り翳し、どんな無茶振りで通してきた。
それがなんだかおとなしくなっちゃって。

「今まではおしつけがましかった」「今までは挑発的でしたよね?」
「それがどうにも落ち着いてきている」「それが良いのかどうか?」
「それがなんだかおとなしくなっちゃって」

この間の登場人物の月代を思い出します。
あの時も剃れ剃れと言わんばかりで、いざみんなが月代姿になったら、似合わないだのなんだの。
そしてこちらでも
「今まではおしつけがましかったと文句を言い、それが落ち着いたら落ち着いたで文句を言う」
単なる身勝手でしかありません。

あと「森乱」は史料に則った表記なのですが、それがなぜ思考停止になるのでしょうか。
平山氏に注意されたのがよほど面白くないのかと、勘ぐりたくもなりますね。
自分の思い通りに描かれないと、何でもかんでも史実無視のようで、この人本当に「歴史系ライター」なのかと疑ってしまいます。

歴史パートにせよ、戦国時代の合戦というよりも、現代劇の詐欺師ミーティングのような場面に過ぎません。
少し真面目にしたぶん、かえって基礎力が脆弱なのが露になった。それが現状でしょう。

結局何を言いたいのでしょうか。
「日本語でおk」というネットスラングがありましたが、あれを思い出してしまいます。
あと武者さん「詐欺師」も好きですね。本多正信にもこの表現しょっちゅう使っていますね。

本能寺も伊賀越えという歴史イベントも終わった。
マザーセナ、千代、女大鼠といった妄想ヒロイン大行進も終わった。
何も見どころがない。ものの見事に何も無い。きれいに中身がなくなり、積極的な不快感が薄くなった程度の話ですね。
豪華キャストと思える池田恒興と森長可が登場しても、何もワクワクは湧いてきません。
もう、盛り上がりも何もないんですね。

これから小牧・長久手の戦い、小田原攻め、江戸入りそして関ケ原…まだまだイベントは続きます。
そのためのキャストも発表されていますし、そして千代や大鼠は今後も出て来ないとも限りません。
武者さんが嫌なら観なくても構いませんが、その代わりこのコラムももう書かないでください。

このドラマは脚本がみっちり詰まっていない。スカスカのものを現場で手を入れて、どうにか形にしている。
だからこそ毎週のようにアドリブで補ったと語る裏話が披露されるのでしょう。
逆に、脚本を褒める出演者の声はほとんど聞こえてこない。今となって褒めているのは磯Pくらいではありませんか。
◆松重豊、「どうする家康」石川数正のラストシーンに言及「本来書かれていなかったセリフをアドリブで言った」(→link)

武者さんが好きな『麒麟がくる』でもアドリブはありましたが、好きな作品だと敢えてそれに触れないか、あるいは肯定的な見方をし、嫌いな作品だと積極的に叩いているように見えますね。
それと
「脚本を褒める出演者の声はほとんど聞こえてこない」
ひところ鳴りを潜めていましたが、また脚本を褒める褒めないで判断する癖が出て来たようです。
要は、一旦捨てた方法をまた使ってでも叩きたいということでしょうか。

ではガイドブック後編での出演者のコメントをいくつか。武者さんが叩いている築山事件に関してです。

松本潤さん
「さらには謎の多い『築山事件』。家康、瀬名、信康。この3人の関係性については諸説ありますが、古沢良太さんの脚本はきっとこうだったと思わせる筋書きだったので、僕自身そう信じています」

有村架純さん
「今作では、瀬名がたくらんだと言われている『築山事件』が出て来ます。初めて台本を読んだときは涙が出てきて自分でも驚きました。脚本の古沢良太さんも『書くのが苦しかった』とおっしゃっていたそうです。『潔く散るべし』という戦国時代の価値観の中で『やっぱり生きたい』という気持ちが表現されていたような気がします」

松重豊さん
「ドラマで描かれる『築山事件』部分の脚本を読んだとき、古沢良太さんの発想に感服しました。涙なしでは読めず、こんな物語があっていいと思いました」

視聴率では二桁を割ったり戻したりという体たらくで、それでも提灯記事は増えるのか、増えないのか?

「二桁を割ったり戻したりという体たらく」
これだと何度も割ったり戻したりしているようですが、スポーツ中継が裏に来ていなくて二桁を割ったのは、今までのところ第30回のみですよ。

そして
「超絶技巧記事が出ました」
などとあるのですが、つまるところ、同じ系列のメディアでも訴求対象によって書き方を変えているわけで、
「これぞできるプロの仕事だと思います」
などとあります。
こんなこと書くより、武者さん自身がきちんと「プロの仕事」をやるべきかと思いますね。

で、別の女性週刊誌の松本さん関連記事では、
「心底どうでもいい」
どうでもいいのにわざわざリンクを貼るのですね。タイトルだけ置いておきます。
「松本潤『どうする家康』の“制作スタッフと撮影打ち上げ”を主催、ムロツヨシは頻繁に参加も家康の正室・瀬名役の有村架純は「あえて誘わない」」

あと

惻隠の心は仁の端なり。『孟子』公孫丑章句上篇
哀れみや情けを持つことこそ、仁の基本です。

と、例によって漢籍引用ですが、いつもながらあっさりしているなと思います。惻隠の情とは、他人の不幸を憐れんで痛ましく思う心のことではないでしょうか。もう少し詳しく書いてください。
で、その後に茶々関連の持論展開。これまた例によって例の如くなので、パスしようかと思います。


飲み物-緑とグラスビール
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[ 2023/08/18 01:15 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』新キャスト発表その1

さて新キャスト発表ですが、実はこれは第1弾で、6月16日の正午に第2弾が発表されるらしいです。第2弾も楽しみな方は、ツイッターの公式アカウントのチェックをお忘れなく。

そして15日発表のキャストですが、「チーム秀吉」ということです。
(敬称略)

豊臣(羽柴)秀長-佐藤隆太
寧々(北政所)-和久井映見
仲(大政所)-高畑淳子
旭-山田真歩
加藤清正-淵上泰史
福島正則-深水元基
石田三成-中村七之助

『風林火山』の矢崎平蔵、『青天を衝け』のゑい、そして『舞いあがれ!』の祥子ばんばですね。山田真歩さんはフジテレビの『シャーロック』に出演していました。あと深水さん、どこかで見たことがあると思ったら、『真田丸』の福島正則がこの人でした。大河の場合、同じ俳優さんが何年か後に、同じ役を演じることもあるようですが、正にそのパターンではあるわけです。淵上さんは『燃えよ剣』に出演していましたし、七之助さんは松本潤さんと高校の同学年ですね。『ライジング若冲』に出演していましたね、そう言えば。

ところで、この七之助さんの叔父様に当たる中村芝翫さんが、中村橋之助時代に『功名が辻』でやはり三成を演じていたことがあります。

さて16日はどのような登場人物が発表され、誰が演じることになるのでしょう。


飲み物-ブロンドのエール
[ 2023/06/16 01:00 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』第19回「お手付きしてどうする!」あらすじと感想-1

第19回前半部分です。


元亀3(1573)年4月12日、信州駒場。武田信玄は桜の下で、自分が回復して織田との戦に備えている、そう言い続けよと勝頼に遺言する。そして3年の間自分の死を秘するように命じる。父の遺志を自分が成し遂げると言う勝頼だが、信玄は自分を真似ず、そなたの世を作れ、そなたの器量はわしをはるかにしのぐ、このわしが言うんじゃ、信じろと言い聞かせる。

信玄に取って勝頼は、己の全てを注ぎ込んだ逸材だった。黄泉にて見守ると信玄は言い、それがいまわの言葉となった。その後この場所で、1人の琵琶法師が琵琶をかき鳴らし、
「生者必滅、会者定離」
と語っていた。その後ろには仏像があった。

浜松城。家康の家臣たちは、恐らく信玄は亡くなったのだと噂していた。鳥居元忠は
「殿、助かりましたなあ!天は我らに味方したんじゃあ!」
とはしゃいでみせ、家康から敵とは言え、人の死を喜ぶとは何事かと注意される。また本多忠勝は信玄に奪われた所領を取り戻すように提案し、家康は彼らに内情を探らせる。

石川数正は、家康がいつも懐に入れている摩利支天が、守ってくださったのかも知れませんなと言って部屋を出て行く。木彫りのその摩利支天像に、家康はさらに小刀で手を加えようとして、三方ヶ原での信玄の言葉を思い出す。
「弱き主君は害悪なり、滅ぶが民のためなり」
その頃岡崎城では、瀬名が娘の亀姫と花を活けていた。

信玄の死は秘密にされるどころか、噂となって各地に広がり、これによって信長は敵対勢力を駆逐し始める。まず足利義昭を都から追放し、頼みの綱であった明智光秀は完全に織田方に付き、義昭を奸賊呼ばわりする。自分は将軍だとわめく義昭に信長は言う。
「ああ。俺のそばにいればな」

次いで信長は、羽柴秀吉と名を改めた木下藤吉郎を小谷城に派遣する。浅井長政亡き後、正室お市と3人の姫が残された。自害も考えたが、姫たちを立派に育てるように我が殿から託されたとお市。そのお市に秀吉はなれなれしく迫り、挙句の果ては長女茶々を抱いて連れて行く。その姿に咎めるような視線を送るお市。そして浜松では家康が執務に疲れ、刀を抜いて素振りを繰り返すうちに、あの三方ヶ原のことがまたも頭をかすめる。

家康は風呂に入り、誰かに髪をすかせようとする。入って来たのは侍女のお万だった。最近気力が出ないとこぼす家康に、あのような、大変な戦を生き延びられたのですからと答えるお万。何だかんだで生き延びていると家康は口にし、お万はそれは殿のお力、天は日頃の殿の行い、お優しいお心を天は見ており、だからお守りになるのだとお万は返す。さらにお万はこうも言う。
「万の目には、殿は天人様のように輝いて見えます」

それからは家康が風呂に入る度に、風呂焚きの下男ではなくお万が準備をすることになった。そしてやはり湯殿で家康の髪をすくが、手慣れたそのしぐさに、家康は慣れて来たようじゃのと話しかける。慣れるなんてとんでもないとお万は言い、殿の御髪に触れていると、胸が高鳴りめまいがと言いかけて、熱湯を張った湯船に手を触れてしまう。見せてみよとお万の腕に触れる家康。

家康は何かお万に心惹かれるものがあった。自分でもそれに気づき、慌てて彼女を下がらせる。その後家康は湯船のふちに、折りたたまれた紙があるのを見つける。お万が植物に紙の着物を着せて、人形に見立てていたのをその場に於き忘れたのである。それを渡すべく立ち上がろうとした家康だが、今後は自分が湯船のふちに手をやってしまう。

岡崎城では信康が瀬名と話をしたがっており、五徳と亀姫も同席する。話を切り出したのは五徳で、家康のいる浜松に移ってはどうかということだった。最早自分たちは子供ではないと信康。また亀姫に対しては、残るもよし、行くもよしと言う。亀姫は瀬名と一緒にいたがっているようだった。そして瀬名は五徳に、自分の存在は邪魔かと尋ねる。

五徳は瀬名が優しすぎ、信康から甘さが抜けないこと、しかし彼女は夫を、父信長に負けない強い大将にしたいということをまず打ち明ける。その一方で、瀬名が寂しいだろうというのも本心だった。瀬名は家康と相談することにする。五徳は速い方がいい、義父上を1人にしていては、よからぬ虫がつくかも知れぬとずばりと言う。意味を理解していない亀姫はこう訊く。
「浜松は虫が多いのですか?」


信玄が亡くなります。自分の真似をするなと言い残したということは、既に自分のやり方が通じなくなっていたこと、さらに勝頼は自分とは違うタイプの人物であることを見抜いていたようにも取れます。そして琵琶法師を演じているのは、大河の芸能考証と指導担当の友吉鶴心さんですね。あの法師の背後にあるのは摩利支天像でしょうか。

そして「いくさがみ」と言えども病には勝てなかったかと、家康の家臣たちは噂します。鳥居元忠に至っては、いい時に死んでくれたと言わんばかりのはしゃぎようで、家康に叱られます。これは家康の懐の「いくさがみ」、つまり摩利支天像が守ってくれたのかもと石川数正は言いますが、家康に取ってはあの三方ヶ原がどうもトラウマになっているようで、風呂で髪をすいてくれるお万に癒しを求めるようになります。

その浴室ですが、まず蒸し風呂としての風呂屋形というものがあり、そこで熱い蒸気を浴びた後に、外で髪をすかせているわけですが、そのそばに小さな湯船のようなものがあります。恐らく金属製で湯が張ってあるため、かなり熱いのでしょう。お万も家康もその縁の部分に触れて悲鳴を上げています。かかり湯のためのものでしょうか。この時家康は「うかつなお万じゃ」と言っていますが、お万はその前にも薪を落としてうかつだなどと言われています。

そして紙を畳んだようなものを、お万は浴室に忘れて行きます。それは彼女が植物に紙の着物を着せ、人形に見立てたものでした。その一方で岡崎城では、瀬名が亀姫と花を活けています。亀姫が活けているのは菖蒲でしょうか。端午の節句の花です。

その瀬名に信康と五徳、特に五徳が浜松に移ってはどうかと言い出します。その理由として、瀬名が優しいから信康に甘さが出てしまい、自分の父信長をしのぐような強い大将にするのは難しいこと、そしてもうひとつは、瀬名自身が寂しいのではないかと説明する五徳ですが、こういうことを平気で話すところは流石に信長の娘です。そして「よからぬ虫」、まるで浜松を見て来たかのようです。但し亀姫にはそれがまだ理解できませんでした。

その信長は、都から足利義昭を追い払います。どうも今回の本能寺の変は、この義昭が毛利と結託して光秀を焚き付けるのではないかとさえ思います。そう言えば『功名が辻』、この時はやはり信長に威圧されたうえに追い出される、三谷幸喜氏演じる義昭が本能寺の変を喜んでいました。さらに藤吉郎改め秀吉、お市に対して何とも不敵な態度を取ります。茶々を連れて行くところ、この時既に彼女の運命は決まったようなものでした。

あとこの頃から、女性たちが片身替わり(身頃の上下や左右が違う色、または柄のこと)の小袖を着るようになっています。五徳の小袖はちょっと贅沢そうですが、尾張と三河の違いを表現しているのでしょうか。


飲み物-ウイスキーオンザロック2
[ 2023/05/22 01:45 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』登場人物それぞれの思いと悩みそして行動

先日の『どうする家康』第15回についてもう少し。ところで、先日触れた小檜山氏のツイですが、今度は平山氏に対して案の定と言うべきか、慇懃無礼なと言うか、寧ろ誉め殺しのようなことをやっているようです。

本題に行きます。信長が言う
「乱世を終わらせるのは誰であるのか考えろ」
意味深長です。信長自身が自分のことを指しているとも取れますが、実際に乱世を終わらせたのは家康と言っていいでしょう。無論藤吉郎(秀吉)も、惣無事令を出して小田原征伐をやったものの、後継問題で不安を抱え、それが関ヶ原へとつながって行ったこと、そして最終的に嫡男である秀頼が、母である淀殿と共に大坂の陣で滅んだことを考えると、新たな乱世の要因を作り出してしまったとも言えます。

そして信長の「催促」。これも所謂「問鉄砲」を思わせること、しかしあれは俗説とされていることは、少し前のあらすじと感想に書いています。大河でも登場したのは『功名が辻』が最後であったような気がします。しかし家康はまた夏目広次の名前を間違えていますが、これは何かを意味しているのでしょうか。

左衛門、酒井忠次の「義とは何でござる」。義とはきれい事、屁理屈と言うのがなかなか当を得ています。あるいは義とは、自分の行いを正当化するものであるとも言えます。ただ信長の場合、義と言うよりは正に野望むき出しであり、そういう部分が長政からすれば不気味に映ったにも無理からぬ話です。

家康の「浅井殿が好きだからじゃ」と「将軍などひとのコンペイトウを奪い取るたわけである」
浅井につくためとは言え、苦しい言い訳ですね(笑)。

さらに石川数正の
「今なら信長を倒せるが、倒したあとどうするのか。将軍は天下はどうなるのか」
きわめて冷静な見方です。家康もどこまで本心かはともかく、信長への苛立ちを浅井に与することで何とか鎮めようという、かなり無謀な見方をしているように取れます。しかし信頼のおける家臣がいるというのは、うるさいようでいて有難いことでもあります。

さて武田信玄。千代を遠江に遣って金をばらまく考えのようです。この人のしたたかさに比べると、家康はまだまだ若輩であり、それがはっきりするのが三方ヶ原の戦いと言えるでしょう。また「切り取った他国を治めるのは容易でない」も、この人が言うと如何にも真実味があります。

あとお市ですが、このお市は多くの戦国大河で描かれるような、政略に弄ばれた不幸な女性のイメージではありません。寧ろ、兄を討てと夫に言ってもいますし。清須で家康に初めて会った時もそうでしたが、彼女もなかなかにしたたかと言えます。 

飲み物-お洒落なランプとウイスキーグラス
[ 2023/04/27 01:45 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』に関しての武将ジャパンの記事について その2

今回は2ページ目です。それから先日分の投稿で、意味が通りにくい箇所を訂正しています。

『どうする家康』感想あらすじレビュー第2回「兎と狼」 - BUSHOO!JAPAN
(武将ジャパン)
https://bushoojapan.com/taiga/ieyasu/2023/01/16/172912

今回はこちらからです。

Amazonプライムビデオに『MAGI』というドラマがありました。
天正遣欧少年使節団を描いた作品で、織田信長と豊臣秀吉が出てきます。
信長を演じるのは吉川晃司さん。
秀吉は父・拳さんを彷彿とさせる緒方直人さん。
この二人が、信長と秀吉の理想形のような人物像でしたので、非常に爽快感がある一方、焦りも感じました。
大河はもう二度とVODに勝てないのでは?

「大河はもう二度とVODに勝てないのでは?」
私個人としては、今後大河が作られなくなろうが、あるいは1年が2クールになろうが別にいい(その穴を埋めるものはある)のですが、大河がなくなって困るのは関係者とか、武者さんのような人だろうと思います。なのにわざわざ、これは大河の脅威になると書く必要もないと思います。寧ろ大河もこれに負けないだけの意気込みを見せてくれと書くのならわかりますが。
あと吉川さんは『天地人』で信長を演じていますが、武者さんはこの大河は嫌いなうえに10年ルールに抵触するのか触れられずじまい。それと緒形直人さん(『方』ではなく『形』だと思います)も『信長 KING OF ZIPANGU』の主演でしたが、これも観ていないのか、10年ルールのせいなのか何も言及なし。

で、

そんな心配は、2020年『麒麟がくる』における織田信長が染谷将太さんに決まったというニュースで吹き飛びました。
ベタではない信長にチャレンジするんだな……と思ったからです。

有体に言えば、『麒麟がくる』の視聴を途中で止めた理由のひとつにこの染谷さんの信長もあげられます。染谷さん自身の演技にどうこう言いたくはありませんが、どうも信長と言うより秀吉と言った雰囲気が強く、結局馴染めずじまいでした。

むろん時代考証を考えれば史実から逸脱させてはいけないという制約はあるだろうし、新しい信長像を受け容れられない層からはバッシングも起こるでしょうが、チャレンジなくして進歩はありません。

「新しい信長像を受け容れられない層からはバッシングも起こるでしょうが」
と、染谷さんの信長を受け入れられないのが悪いような書き方ですね。武者さんの場合いつもそうなのですが、自分が好きな作品は受け入れられて当然、受け入れられない方が悪いという書き方が多く、そういう部分に反発もあるのではと思われます。
それとこの『麒麟がくる』は2020年の大河(放送は2021年2月まで)で、既に放送は終わっています。にもかかわらず、
「バッシングも起こるでしょうが」
と、まるでこれから起こることを予想するが如き表現も、ちょっとどうかと思います。

で、またしても今作との比較。

それに比べて本作はどうでしょう……。
あまりに「テレビ業界が考えるベタな信長」ではありませんか?
不良漫画に出てきそうな信長と申しましょうか。
真っ赤っ赤。
いかにも昭和から平成前期にあったヤンキー信長像で、セリフも中二病というスラングそのまんまでした。

「昭和から平成前期にあったヤンキー信長像」
て、具体的にどういう信長ですか?この頃大河で信長を演じたのは、藤岡弘さんとか、前出緒形直人さんとか、『秀吉』で信長を演じた渡哲也さんなどですが、彼らはヤンキーだったでしょうか?緒形さんの信長も異色ではありましたが、それとはまた違ったかと思います。
また今回の信長、私としては、あらすじと感想でも書きましたが、恐らくは『平清盛』を踏まえており、これもまた今までとは異なる信長像であるかと思いますが。
「テレビ業界が考えるベタな信長像」
とは、たとえば『利家とまつ』の反町隆史さんとか、『功名が辻』の舘ひろしさんが演じた、新しがりで長身で、しかも相手を威圧する雰囲気がある信長こそが、それに該当するでしょう。無論ベタではありますが、その時々の主人公を活かすための設定ではあったと思われます。

『麒麟がくる』で船に乗ってやってきた、染谷信長の登場シーンと比較したらなんと陳腐なことか。

あの染谷信長も、私には「漁師のお兄ちゃん」にしか見えませんでしたが。まあ『麒麟がくる』なら何でもほめたがる武者さんらしくはあります。

今年の『どうする家康』は合戦の様子を湿っぽく見せ、「戦を避ける家康は素晴らしい」と誘導したいようです。
しかし、戦闘や負傷者の描写があまりに薄っぺらくて、かえって悲惨さが伝わってきません。視聴者を身震いさせた『鎌倉殿の13人』に遠く及ばないでしょう。
戦争の傷という点では『麒麟がくる』が秀逸でした。

まず『どうする家康』は合戦を湿っぽく見せているでしょうか。戦を避ける家康は素晴らしいと言っているでしょうか。大高城で決断を迫られた家康=元康が家臣の圧力に耐えかねて逃げようとしただけだと思いますが。
それと戦闘や負傷者の描写が薄っぺらいて、この前の第2回で、松平昌久の銃弾の的になった元康の家臣を見ても、同じことが言えるのでしょうか。自分の判断ミスで家臣がああなったのを見た元康が、いたたまれない気持ちになったのもまた事実でしょう。
結局ここでも『鎌倉殿の13人』と『麒麟がくる』は素晴らしい!それに比べて本作は…と言いたい、それだけのように見えます。

そしてやはり『麒麟がくる』を叩き棒にして、
「本作は上っ面で戦争を描いているだけに思えてなりません」
だの、
「元康が戦場から逃げ出すことで笑いをとろうとするようなセンスからもうかがえる」
(いや笑いを取るというのとはまた別でしょう)
だの。
さらに

戦場には将兵が大勢います。そこで何らかのスイッチが入って我先に逃げ出すと隊列が崩れ、それだけで大損害が出てしまいます。
撤退戦は難しいもので、将たる者は、なるべく部隊が乱れぬよう、逸る心を抑えて指揮を取らねばならない。
そんな戦場で大将が率先していなくなるって?
「ヘタレ」なんて笑っている場合ではなく、人命を著しく損なう危険性があります。

あれは戦場と言うか、大高城に立てこもっているわけです。
ですから隊列云々の問題ではないし、織田とのにらみ合いがいつまで続くかの持久戦と言うべきでしょう。そしてこれは第2回に関するコラムですが、第2回では元康は逃げていないし、第1回でも逃げようとしたけど逃げられなかったわけです。
しかしそれを言うなら、織田信長は金ケ崎から撤退する際、真っ先に陣を抜けて駆けだしていますが、武者さんとしてはそれはどう考察するのでしょうか。

要は、戦争に対する緊張感が全く感じられない。弛緩しきったドラマになっているため、いきなり介錯云々やられても、悪ふざけにしか見えないのです。

その前の大樹寺のシーンを見ていたら、「弛緩しきった」などとは言えないのではないでしょうか。あの時元康は自分の判断ミスの責任を取ろうとしていたわけなのですが。

そしていつものと言いますか、武者さんの比較対象のおかしな点としてこれを挙げておきます。

「がおー!」なんて、あざとく叫ぶ武家の夫人なんて、もう全く理解できない。
『鎌倉殿の13人』の大江広元を思い出してください。
彼はしばしば謀殺を進言していましたが、なぜ殺すのか、殺すことでどういうメリットがあるのか、いつも計算があった。
ああいう理詰めの言動で、彼自身の行動規範は説明されていた。
わけもなく叫んで誤魔化すような真似はしていません。

於大の方と大江広元を、なぜ比較するのでしょうね。何か共通点があるのですか?とにかく何か気に入らないと、適当な対象を引っ張って来て比較しているだけのように見えます。

大河に限らず、駄作にはある特徴があります。
主要な登場人物たちが、顔と顔を直接突き合わせていないとシーンを盛り上げられない――私はそれを「フェイストゥフェイスシステム」と呼んでいます。
映像的には、胸から上に集中したバストアップで、演出的にはベタで楽になりますが、危険な兆候です。
これをしばしばやらかすと、登場人物がテレポート状態になり、絵が単調になります。

駄作認定したくてしようがないのでしょうね。
本当の話、私は『鎌倉殿の13人』の室内のシーンに、それに近いものを感じたことがあります。
で、その後に
「家康と信長の出会いなんて、まさにそうでしたが、バストアップを多用するには理由があります。
所作を誤魔化せることです。
時代ものは特に所作の美しさが重要です」
などとありますが、手下が担いで来た竹千代に向かって白い子兎のようじゃ、食ってやろうかと顔を引き寄せるシーンであれば、寧ろバストアップにならない方が不自然でしょう。
あと
「映像的には、胸から上に集中したバストアップで、演出的にはベタで楽になりますが、危険な兆候です」
とあります。この「危険な兆候」は昨年のこのコラムでも使っていましたが、何だかわかりづらい表現ですね。「あまりこういうのを多用するのは考え物です」くらい書けませんかね。こういう日本語のわかりづらさも、このコラムの文章に違和感を覚える一因ではあります。

思い返せば2015年大河『花燃ゆ』では、上級武士の妻たちが、和室屋内でスタンディングパーティでもするようにずらっと立っている珍妙な場面がありました。
カナッペでも食べるのかと呆然としたものですが、今ならわかります。

ここで『花燃ゆ』叩きですか。しかしこれも例によって、第何回のどのようなシーンであるかの説明が抜け落ちています。それと「カナッペでも食べる」て、要はビュッフェスタイルのパーティーみたいだと言いたいのだと思われますが、この辺の表現もどうにかならないものでしょうか。

さらに

そして今年も、ぬぼーっと立っている場面が多く感じます。
昨年と比較するとわかりやすいかもしれません。
『鎌倉殿の13人』では、室内で複数名が座りながら協議をする場面が多くありました。エキストラたちがずらっと集まりながら座り込む場面も多かった。
それが今年は立ちっぱなしで、しかも妙な顔つきのエキストラが多い。いきなり切羽詰まっているのは?と感じるのは、そうした状況も一因です。

この「ぬぼーっと立っている」とは具体的にどのシーンでしょうか。今のところ戦のシーンが多いわけで、大将以外は立っていてもそれは当然だと思います。それと「妙な顔つきのエキストラ」、これもどのシーンなのかはっきり書いて貰えないででしょうか。そしてなぜこれが切羽詰まっている原因になるのでしょうか。
それと『鎌倉殿の13人』云々、三谷さんの大河は室内シーンが多いのだから、これは当然でしょう。無論こちらも戦場のシーンで、坂東武者たちが立ち尽くしているシーンもありましたが、昨年にしろ今年にしろ、それはひとつの演出方法と取るべきかとは思います。


飲み物ーホットワイン
[ 2023/01/19 01:15 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

『黄金の日日』「天変地異」

第45回「天変地異」です。


文禄5(1596)年6月(ユリウス暦では7月)、マニラをサン・フェリーペ号がイスパニアへ船出して行く。動く城ともいうべきその船を、助左衛門、桔梗そして五右衛門が見送っていた。しかしこの舟は太平洋を横断して目的地へたどり着くことはなく、半年後マニラへ戻って来ることになり、それがこの3人の日本人にも少なからぬ影響を与える。

五右衛門はいつ桔梗を嫁にするのか尋ねる。桔梗を嫁にと勧めたのは、未だに助左衛門が諦めきれな美緒だった。本心ではないだろうが、男と女にはそういう惚れ方もあるのだと教えられたと五右衛門。助左衛門の周囲にいた人物が色々と変わって行く中で、五右衛門と桔梗は変わらぬ存在だった。

助左衛門がアゴーとマニラを往復している間に、既に9か月が過ぎていた。助左衛門は桔梗にサンパギータ(茉莉花)の首飾り(レイ)を渡し、ずっと呂宋で暮らして行けるかと尋ねる。桔梗は一生日本に帰れずとも平気だと答える。助左衛門は何かを言いたそうにしていたが、結局何も言わぬまま、桔梗が暮らす鮫吉とみつの家を去っていく。その鮫吉とみつは、桔梗が首飾りをかけているのを見て、それは求婚を意味すると教える。驚いた桔梗はその後浜辺にいた助左衛門に会い、2人は抱き合う。

サン・フェリーペ号の乗組員は出航して間もなく不思議な彗星を目にする。日本でも堺で彗星が目撃され、お仙は、パーデレたちが話していた悪魔がやって来たと言う。また上方に火山灰が降る。そして7月12日亥の刻、今井館では、今井宗薫が、屋敷内での隠れミサを禁じ、一堂を引き下がらせる。また美緒には、小太郎はキリシタンにさせない、自分に取っては血を分けた子で、お前の人質にはさせないと言い、ミサの道具を庭に投げ捨てるが、その時地鳴りがする。

伏見を震源地とする地震が畿内を揺るがしていた。『義演准后日記』にはこのことが詳しく記載されており、かなりの被害者が出たうえに、建物も被害を受けていた。そしてこの地震で、虎が檻を破って飛び出して来た。虎とは加藤清正で、蟄居中にもかかわらず、伏見城にかけつけたのである。このせいで、伏見城に駆けつけた講和推進派の石田三成は門前払いを食わされる。同じ頃、サン・フェリーペ号も嵐の中を漂い、8月28日に土佐の浦戸へ漂着する。

土佐へ派遣された増田長盛は、秀吉に報告を行うが、これが凶事のもととなる。長盛は、侵略をするに当たってまず宣教師を派遣し、その後軍勢が差し向けられることを秀吉に話、バテレンの来訪は日本征服につながると訴える。秀吉は積み荷を没収し、戦中のバテレンに加えて都のバテレンも殺せと命じる。長盛は国外追放で事足りるというが、追放だけでは見せしめにならぬと秀吉は恐ろしい表情をし、結局11月15日に磔刑を宣告された彼らは、耳をそがれて長崎まで裸足で連行され、12月29日に長崎の西坂で磔にされた。またこの秋、文禄は慶長と改元された。

今井館を高山右近が訪れていた。小太郎が家出して、助左衛門と行動を共にしたと聞いて右近は頼もしいと目を細める。実は右近も助左衛門に会いに来たのだが、当の本人は呂宋にいた。実は右近は、あまり公にしにくいことを助左衛門に頼みに来ていたのである。それは大船を用意し、キリシタンたちを呂宋に逃がす手筈を整えることだった。弾圧が厳しくなるのを右近は恐れていた。美緒は宗薫が反対しようとも右近の要求を受け入れようとする。右近はその気概に、往年の堺の繁栄を思い出していた。

右近は天災や地震よりも恐ろしいのは秀吉で、明や朝鮮との講和も秀吉のせいで決裂したことを憂えており、右近は天災による被害も顧みずまた出兵をし、講和派を遠ざけて清正を近づける秀吉に憤っていた。

慶長2(1597)年4月。サン・フェリーペ号が持ち帰った日本でのできごとは、マニラのイスパニア人たちを激怒させる。その頃ディラオの日本人町では、桔梗が純白のドレスに身を包んでいた。明日は助左衛門との婚礼であり、その朝アゴーへ向かう助左衛門が、婚礼にこれを着るようにと置いて行ったのである。鮫吉もみつもその姿に嬉しそうだった。しかし彼らが楽し気に会話をしている内に、周囲が騒がしくなる。イスパニア人が攻めて来たのである。

理由はわからないものの、鮫吉はみつと桔梗に外に出るなと言い聞かせて、刀を持ち出て行く。一方アゴーでは、助左衛門がハギビスから結婚祝いを受け取っていた。引き止められるものの、助左衛門はその日のうちに戻ることにする。実はサン・フェリーペ号のことを耳にしており、イスパニア人が日本に報復することを気にしていたのである。そして助左衛門の予想通り、日本人町はイスパニア人の襲撃に遭っていた。

みつは刀を取り外へ出て、夫の助太刀をしようとする。しかし2人とも銃弾を浴びて倒れる。桔梗は短銃を手にし、侵入してくるイスパニア人を撃とうとするが、最終的に銃口を向けたのは彼女自身だった。助左衛門と五右衛門は、戦場から日本人町から火の手が上がっているのを見て、急いで水夫たちと町へ戻るが、人々は皆殺しにされ、桔梗も白いドレスの胸元を血に染めて死んでいた。

五右衛門はサン・フェリーペ号のやつらを皆殺しにすると出て行こうとする。しかし助左衛門は、彼らを殺したのは秀吉だと言う。再び船上の人となって助左衛門は、サンパギータの首飾りを握りしめ、このままでは済まさぬと桔梗に誓う。


サン・フェリーペ号事件が起こります。いくつかの戦国大河で描かれていますが、これに関しては、航海長がまず布教を行い、さらに軍を送って征服すると述べたため、増田長盛が秀吉にそれを伝えたのが、秀吉を警戒させてしまったといえます。フランシスコ会などは、必ずしも布教すなわち征服を考えていたわけではないともされていますが、とにかくこの航海長の言葉は、パーデレへの過酷な弾圧を決定づけてしまいました。

またこの後も、キリシタン絡みの事件が起こったとか、あるいは人身売買の問題、さらには長崎港がイエズス会の管理下に置かれているなどといったことから、秀吉そして後には家康といった施政者が、布教に警戒心を持つようになるのも無理からぬことではありました。またこれらはキリシタン大名が絡んだものもいくつかありました。私も以前、布教は征服の足掛かりではないかと書いたこともありますが、仮にすぐさまそれが結びつかずとも、何がきっかけでその方向に発展して行くかわからないという懸念は、特に政を行う上で考えるべき点ではあったでしょう。

ところでこの大河、段々とメインの登場人物による、秀吉への憎しみが強くなって行きます。あまりこういう描き方をするのは、ちょっと如何なものでしょうか。秀吉とその家臣たちによるドラマではないだけに、助左衛門や五右衛門の視点による見方が重視されていて、殊更に権力者すなわち悪という形になってしまうのも、それはそれでどうかとは思います。

あと『義演准后日記』など、一次史料がとにかく出て来る大河です。主人公にあまり史料や記録がないため、それでカバーしている部分もあるのでしょう。ただその一方で、なぜ加藤清正が蟄居させられていたのか、それへの言及がないのが不思議です。実はこれも、講和派の小西行長との対立に端を発しているのですが、その点を加えてほしかったですね。あと実はこの時清正は大坂にいて、一番乗りで駆け付けたわけではないともいわれています。

呂宋の日本人町。平和だったこの村に、イスパニア人が大挙して押し寄せます。サン・フェリーペ号が積み荷を奪われた報復ですが、どう考えてもこれはテロ行為ではないのでしょうか。そして婚礼の前日というのに、桔梗が助左衛門がくれた「南蛮小袖」、ドレスを着ていたのも暗示的です。結局これが婚礼の席でお披露目されることはなく、そのまま彼女の死出の衣装となったのは悲劇的ではあります。

尚この文禄5年に火山灰が降って来たこと、そして地震は『真田丸』にも登場していますね。『功名が辻』では、一豊夫妻が一人娘を失っています。地震速報も何もない時代のことです、犠牲者もかなり多かったでしょう。それから五右衛門が秀吉暗殺に赴くのは、どうも次の回のようですね。この回でと思ったのですが早とちりだったようです。

飲み物-ホットラム
[ 2022/02/20 01:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

来年度の大河アンコール放送と上田市でのスペシャルトークショー

それから現在『黄金の日日』が、日曜早朝にアンコール放送されていますが、この次のアンコール放送は『おんな太閤記』と決まりました。

再放送情報「おんな太閤記」
(NHKドラマ)

やはりアンコールは戦国中心ですね-唯一の例外が『太平記』だったわけですが。ところでなぜ『おんな太閤記』なのか。

脚本の橋田寿賀子さんが昨年亡くなったから
メインキャストの西田敏行さんが『鎌倉殿の13人』に出演しているから
来年の『どうする家康』が同じ時代を扱っているから

ざっと考える限り、こういったところでしょうか。
しかし橋田寿賀子さんの作品は、どうも独特の雰囲気があります。それが好きな人も無論いるでしょうが、私はそこまで好きな方ではありません。そしてやはり、同じ俳優さんが出演することが多いですね。まあこの独自のカラー、そして常連の俳優というのは、三谷さんにも当てはまりますが。

無論これは、その後の戦国大河に影響を与え、女性たちの存在感を際立たせたともいえます。特に『利家とまつ』、『功名が辻』などにも影響を与えたともいえそうです。『おんな城主 直虎』はこれとはまた違いますが、「おんな」を入れたのは、この作品にあやかる意味もあったのでしょうか。

同時にこれは、西田さんの俳優としての大きな転機ともなっています。この時以来、ほぼ3年から5年のペースで大河の、主人公を含め主だったキャストに抜擢され、今や押しも押されぬ大河俳優となっています。しかし頼朝の脳内の後白河法皇という設定は、いつまで続くのでしょうか。

それから同じドラマ関連でこういうのもあります。

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」スペシャルトークショー in 信州上田 ~木曽義仲挙兵の地 丸子~ 観覧募集のお知らせ

木曽義仲ゆかりの地ということですが、しかし上田といえばやはり『真田丸』ですし、青木さんと迫田さんといえば、どうも『西郷どん』を連想してしまいます。

飲み物-トディ2
[ 2022/02/19 01:15 ] 大河ドラマ | TB(0) | CM(-)

『黄金の日日』「呂宋遠征計画」

第44回「呂宋遠征計画」です。


文禄元(1592)年、秀吉の遠征計画を警戒したマニラ政府は、当時300人いた日本人を特定地域に移住させる。が住んでいたが、秀吉の呂宋遠征計画を知ったマニラ政府は、彼らを市外の指定区域に移住させた。翌年4月、助左衛門はアゴーで地元住民のタガログ人ハギビスや、地元の日本人町の長鮫吉や妻のみつに、鮫吉が手に入れてくれた秀吉の国書を読み聞かせる。

秀吉は服従せざる者は、悉く処罰するという強硬な態度を取っていた。それはカスチリア(イスパニア)に対しても同じだった。秀吉が、原田喜右衛門に操られているのは明らかだった。しかも喜右衛門はマニラで国書を読むに当たり、自分の都合のいいように内容を改竄していた。この年の7月、今度は日本へ使節団が、遭難によるダメージを避けるため二手に分かれて向かっていた。第1の船には使節と副使、第2の船には喜右衛門と通詞のガルシーアが乗船していた。そしてその2隻を追って、小太郎が乗る船黒潮丸が日本へ進んでいた。

小太郎は助左衛門から、国書を秀吉に渡さぬよう五右衛門に伝えてくれと言われていた。しかし第1の船は39日間で平戸に到着し、先に名護屋へ向かった。喜右衛門の船も3日遅れで到着して同じく名護屋へ向かが、五右衛門たちに襲われ、喜右衛門は命からがら逃げだした。結局ガルシーアは殺したが、五右衛門たちは喜右衛門を見失い、国書も見つからなかった。

名護屋城に着いた使節と副使はイスパニア語しか喋れず、意思疎通ができなかった。無論五右衛門たちに襲われた通詞も、同行していた喜右衛門も未だ行方が知れず、苛立った秀吉は国書を引き裂いて使節たちを驚かせる。そしてこの8月3日、秀吉の愛妾である淀殿が拾丸、後の秀頼を産んだ。しかしこの子の存在は、後の豊臣家混乱のもととなって行く。

それは聚楽第の秀次にも影響を及ぼし始めた。秀次は押し入った賊を役人に引き渡すこともせず、銃の試し打ちの的とするなど、常軌を逸した振舞いを見せる。桔梗はそんな秀次を諫めようと、頑なに秀次の前に立ちふさがり、やがて発砲した秀次の銃弾に肩を撃ち抜かれて倒れる。

10月28日。マニラ総督ゴメスはハギビスに暗殺された。殺したのはハギビスだった。助左衛門は驚き、これで戦が始まると鮫吉は危ぶむ。助左衛門は新総督のルイスに直談判し、ハギビスを処刑すればアゴーの住民がマニラに攻め寄せると言う。総督ルイスは戦争は望んでいないが、もしそうなればタガログ人のせいだと答える。

助左衛門はルイスに、戦争が起これば秀吉の軍が攻めてくると言い、さらに明からの生糸がだぶついていることに目を付け、日本との交易を申し出る。明との交易で本国から銀が流出しており、本来アカプルコに向けて贈られるべき生糸を送ることができず、出荷されずに港に山積みの状態だったのである。交易を望むルイスはハギビスは釈放できないが、脱獄なら自由だと言い、助左衛門は牢獄に赴いて錠のかかっていない扉を空け、ハギビスを連れ出す。

1594(文禄3)年4月。使節団が帰って来たが、秀吉の文書は相変わらず高圧的で見下したような内容だった。しかしルイスは柔軟な外交姿勢を望み、親書を送った。アゴーは穏やかな日々が続き、ラカンドーラはどんな民族が来てもいいが、彼らの支配下にはなりたくないと言う。そして1595(文禄4)年6月。今井館では、細川忠興が黄金100枚を貸してくれと言って来たと宗薫は言う。

実はこれは秀次に借りた金の返済だった。この頃多くの大名は秀次に取り入っていた。しかし秀次と秀吉の不仲は多くの人が知るところとなり、家康も息子秀忠に、太閤に味方しろ、もし太閤に何かあった場合は北政所の警護を知ろと命じていた。美緒は桔梗の身を案じるが、聚楽第からは病にかかったという便りが来たのみで、後は音信不通だった。宗薫も早まったことを後悔していた、実家へ下がることも難しいようで、美緒はある策を思いつく。

7月8日、秀吉の命を受けて秀次は伏見城へ伺候する。その前に秀次は病に伏している桔梗を見舞い、今までの行状を詫び、じき戻ると言う。この伏見城行きに楽観的な秀次だったが、この後2人が二度と会うことはなかった。秀次は伏見に向かわず高野山の高厳寺に幽閉され、15日切腹した。享年28。
その頃うなされて目が覚めた桔梗の部屋に、五右衛門が入って来る。驚く桔梗を黙らせた五右衛門は旅支度をさせ、美緒が待つ堺に連れて行って船に乗せる。義姉様もと一緒にと言う桔梗だが、美緒は無論乗らなかった。そしてその数日後の8月2日、三条川らで妻妾と子女30人余りが処刑される。この時の宣教師ジェロニモの書簡では、秀次の死が報告され、また秀吉も長くないこと、死ねば後継者争いで分裂が起こること、マニラが危機から解放されること、そして太閤が遠からず世を去る事への願望がしたためられている。


何だかことがうまく運び過ぎている感もあります。助左衛門が国書を手に入れたいきさつや、生糸の件がどうやってわかったのかが省かれていることもあり、こんなにとんとん拍子に行くものなのかとは正直思います。五右衛門が原田喜右衛門を捕らえられなかったのが、唯一のマイナス点でしょうか。しかし小太郎があそこで尻餅をつかなければ、相手を押さえ込めたかもしれませんが。

その五右衛門ですが、攻め方がちょっと悪いかなと思います。あれでは敵をみすみす逃がしているように見えます。それと殺陣ですが、あの刀の使い方では、傷は負わせられるものの、相手を殺すのは難しいのではないでしょうか。

それにしても船の撮影、この頃はVFXがないから大変だっただろうなと思います。模型を撮影してそれらしく見せてはいますが。

そして絵に描いたような無能な秀次、伏見への出立を知らせに来たのは不破万作でしょう。『功名が辻』では、この人物が秀次事件に関わる様子が描かれていました。ちなみにこの時、万作を演じていたのは浅利陽介さんです。

今井館。桔梗を秀次の許へやったのを後悔する宗薫です。確かにこればかりは、人を見る目がなかったともいえます。しかし今更手元に引き戻すのも難しそうで、そこで美緒が一計を案じ、ここから美緒無双となって行きます。しかし美緒さんは、前髪の縦ロールはやめたのでしょうか。それと秀次も見方が甘過ぎですね。

それから呂宋では、互いに違う言語を喋っているのに通じており、日本ではイスパニア語しか喋れない使節に秀吉が苛立っているのですね。この違う言語同士のやり取りは、『山河燃ゆ』でも登場しています。こちらは日本語と英(米)語ですが。この『山河燃ゆ』と『黄金の日日』、松本白鷗さん主演の大河は、どちらも日本と外国の関係、それに絡む貿易や軍事、外交を描いたものとなっています。

そして今回は今後の予告が入っています。無事呂宋に着いた桔梗は助左衛門と結婚することになります。桔梗さんウエディングドレスを着ていますね。そして五右衛門、いよいよ秀吉を殺めるべく、大坂城に手下と忍び込むことになります。


飲み物-エスプレッソブラック
[ 2022/02/14 01:00 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『黄金の日日』の創作と疑問点5

今回は創作と疑問点というよりは、観ていて気が付いたことをざっと書いて行きます。

まずこの大河は商人が主人公ですが、『青天を衝け』とは異なり、武士の世が続いていたこともあって、有力な武士と取り引きをする必要がありました。そのため、当初は美緒が主要な人物のように見えたのですが、段々秀吉や石田三成とのシーンが多くなり、第40回では、秀吉に対立する助左衛門といった感じになっています。

あるいはこの当時の風潮なのかとも思われますが、助左衛門や利休などの堺の人物が、「権力」の象徴である秀吉と真っ向から対立するというのは、わかりやすい描き方ではあります。ただ、もう少しひねってもよかったのではないかとも思います。大河がまだ日曜夜の娯楽の中心であった時代ですから、ストーリーとしてはわかりやすくということだったのかも知れませんが。

そして女性たちですが、やはりというか主人公、もしくは主人公に次ぐ出番の多い人物に絡まない時は、かなり出番が少なくなっています。前回も、どっちみちオリキャラあるいはそれに近い存在ならば、原マルチノが、桔梗に信仰を勧めるなどのシーンがあってもよかったかとは思います。美緒も、利休関連で登場することが多くなっていますね。利休切腹後は、仲が冷え切った夫である宗薫とのシーンがやはり増えるのでしょうか。助左衛門は桔梗と結婚すると言っていますし。

それから前回の1つ前で、秀吉は漢文が読めないことになっています。この当時はまだ、尾張の百姓の子で、針売りをしながら出世街道まっしぐらという説が有力だったのでしょう。しかし、この秀吉の出身には様々な説がありますし、今後また新説が出てこないとも限りません。

最近出てこない人物の一人に、細川ガラシャがいます。彼女も石田三成と一緒に出て来ることが多く、そのため味土野での生活が、たとえば『功名が辻』のそれのように描かれることは、殆どありません。あと秀吉の家臣も、三成か行長が中心ですし(母のマグダレナも出て来ませんね)、主人公と直接関係ないせいもありますが、徳川家康が何となく空気のようになってもいます。何だかもったいないなと思います。

ともあれこの大河もあと10回となりました。どのようにして、江戸幕府成立(多分)にまで持って行くのでしょうか。

飲み物-ホットワイン2
[ 2022/01/11 01:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『黄金の日日』「納屋襲名」の助左衛門

第32回。「納谷襲名」のサブタイ通り、助左が納屋の名を利休(千宗易)から譲り受けて納屋助左衛門となります。

まず始まりは小牧長久手の戦いからでした。徳川方に商人として関わっていた助左ですが、ひょんなことから秀吉の甥、秀次を助けることになります。秀次はこの戦でへまをやらかし、池田恒興と元助父子、そして森長可を戦死させていました。秀吉陣に戻った秀次は、叔父秀吉からひどく叱られ、また助左は徳川方であるにもかかわらず、秀吉から茶室に案内され、久々に千宗易と顔を合わせます。

その後助左は堺へ戻ります。店では桔梗と銭丸が待っていました。また兼久は宗薫として今井を継ぎ、助左に徳川に付け、ならば桔梗も引き取ると言います。助左の店の売れ行きがはかばかしくないのを見て、交換条件として徳川の商人になるように持ち出したようです。しかし助左は桔梗は戻りたがらないと言い、店構えを改良することにします。その店へ、他ならぬ宗易がやって来ます。

宗易は自分の店にある品と、助左の店の品々を交換したいと切り出します。無論これには理由がありました。翌日、呂宋丸で待っていた助左の前に現れた宗易は、僧形となっていました。そして納屋の姓を継いでほしいと言い、鍵を渡します。これによって助左は納屋助左衛門を名乗ることになり、宗易の店の権利を任されることになりました。そしてその後、助左衛門は再び呂宋へ渡ります。

まず小牧長久手の戦いで、秀次が失敗をやらかした件ですが、『功名が辻』にもこれがかなり詳しく登場しています。もちろんこの時は山内一豊が主人公なので、一豊が叱責の場に居合わせたという設定になっています。その後結局助左は、堺へ戻ったものの、今井兼久(宗薫)から徳川へ付けと言われます。店があまり繁盛していないのも一因ですが、桔梗の今後をどうするかを兼久は持ち出します。

しかしやはりというか、桔梗は助左の店にいることを選んだようです。その彼女が宗易が現れた際に、「白湯に蜂蜜を入れた物」を出すのですが、何やらハーブティーにマヌカハニーを入れるのを連想してしまいます。この当時、蜂蜜などはかなり貴重品だったでしょうね。その後出家した宗易から、納屋の姓と鍵を譲られる助左ですが、ちょっととんとん拍子に行き過ぎる感が、なきにしもあらずなのですが…。

飲み物-ワインとワイングラス
[ 2021/11/08 01:15 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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