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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 67その3

『武将ジャパン』MVPと総評ですが、何でもMVPは全成と実衣だそうですが、例によって出番が多い人々をMVP認定しているように思えます。全成はともかく、私なら比企能員を選びますね。そもそもMVPというのが、ページ数を増やすためだけに存在しているようにも見えます。

で、例によってかなり長々と書かれているので、主な部分だけピックアップしておきます。

しかも(注・全成の呪詛は)この時代ならではのもので、もっと後の仏僧ではこんなことあまりしないと思います。そういう未分化の呪術に意味を持たせる所作をするって、相当大変な努力が必要だと思えます。
そういうことに気を抜かなかったからこそ、豪雨の中で祈り、奇跡を起こすという場面につながったのではないでしょうか。
気を抜いているようで真剣に真面目に呪詛祈祷をしていたからこそ、ああいう凄絶な場面になったと思えます。

「そういうことに気を抜かなかったからこそ」とは、どのようなことに気を抜かなかったからなのでしょうか。また、大変な努力とはどのような努力なのでしょうか。そういうのが書かれていないから、このコラムにありがちな曖昧な雰囲気のままで終わっています。
あのシーンは恐らく、それこそ日蓮の龍の口法難をベースにした創作でしょうし(『吾妻鏡』では知家が処刑したとしかありません)、また全成があのシーンで「気を抜いていた」ようにはとても見えないのですが。

全成はトボけていた。実衣は野心にギラついて嫌われかねない性格の悪いところが出てしまっていた。
これから先、この二人はあの凄絶な最期と、ほのぼのとした夫婦愛を同時に思い出すことになるのでしょう。

というか、全成は三谷さん一流のコントシーンに登場することが多かったですね。実衣は野心にギラつくと言うよりは、北条の娘であり、周囲も身内やその家人であり、さらにあの思ったことをずばりという性格ですから、逆に隙を与えた感もあります。寧ろ野心にギラついているのはりくの方であり、実衣があのくらいの隙のなさであれば、また全成共々違った運命を与えられたでしょう。

またこの二人はとありますが、全成は既に亡く(他に意味があってこう書いているとも取れますが)、実衣がかつての夫の思い出と共に生き、兄義時から聞かされた夫の最期を、折に触れて思い出し、あるいは千幡にそれを伝えるのでしょうか。

死んだ全成も気の毒ですが、叔父の粛清という素晴らしいカードをきちんと切れない頼家も苦しくなってきました。
せっかく全成を殺すのならば、その領土なり地位を分け与え、かつ御家人を引き締めるように持って行けたらよかったかもしれない。

この場合全成に直接手を下したのは八田知家であり、そうするように差し向けたのは、比企能員ではないかと思います。頼家は、この叔父がしたことに対して怒りはしましたが、最初は流罪であり、尚も(能員に命じられたとはいえ)、呪詛を行ったため処刑に及んだわけでしょう。それに全成の領地である阿野荘は、嫡男時元に与えられなかったでしょうか。

中国史ならば前漢・劉邦、明・洪武帝が得意とするところです。
功臣粛清なしで王朝を築けないか?
その答えが泰時愛読書『貞観政要』にあります。

ここでまた中国史。中国史について書かないと、このコラムはOKが出ないのでしょうか。この時代は前漢でも明でもなく、日本の鎌倉時代初期です。

で、某カルト教団について触れた後で、ネット会話の「神」についてどうのこうの。

「この脚本家のあの作品は素晴らしかった! だから今度も神脚本になる!」
これも一種の信仰です。
ドラマの出来がいかに悪くなって、脚本家が名義貸しばかりのような実態でも、見る方がひとたび信じれば、その人にとっては真実になります。
私は三谷さんは好きだけれども、別に信じて崇めているわけではありません。
実際に見て面白ければ納得するけど、そうでなければ突っ込む。
それが“信仰”に依らぬ理性での判断でしょう。
今回の『鎌倉殿の13人』には、そんな人間と信仰の本質も見えるような仕掛けがあって面白い。

「“信仰”に依らぬ理性での判断」
とありますが、このコラムを今まで観て来た限りでも、寧ろこの大河は絶対というか、「この脚本を信じています」といった記述も少なからず見られますし、「信じて崇めているわけではありません」などと強調するところも、どうも疑問に思えてしまいます。
そもそも
「今回の『鎌倉殿の13人』には、そんな人間と信仰の本質も見えるような仕掛けがあって面白い」
とありますが、「人間と信仰の本質も見えるような仕掛け」と言うのは、具体的にどういうことなのでしょうね。そういう仕掛けがあるのなら例を挙げてほしいのですけど。

また義経が登場していた回などは、義経と重忠はイケメンでどうこうと、『花燃ゆ』や『青天を衝け』で批判していた点をここでは評価していてダブスタだなとは思います。あと「ドラマの出来がいかに悪くなって」は、『平清盛』と『カムカム』の脚本家さんのことでしょうか。

そして
「でも、だからこそ「神回」とか「神脚本」という呼び方は好きになれない。
信仰ではない理性で判断することも必要なので」
なのだそうですが、別に神回、神脚本でもいいと思います。ファンによっては、そう呼びたい時もあるでしょうから。寧ろこうい意見に対してあれはいやだ、アンチのは見たくないなどと一々言うのであれば、ドラマのライターなどなさらない方がいいのではないでしょうか。すべてが武者さんの理想通りに進むわけではないのですから。

そしてまた『麒麟がくる』。

『麒麟がくる』の光秀もそうですが、義時も“巻き込まれ型”です。自分が先頭に立ち、かっこいいリーダーシップを発揮するわけでもない。
しかし、結果的に何かしている。
大河の主人公といえば颯爽とした笑顔で、さわやかに活躍するイメージがあるかもしれない。
それが結果として受け身で、どんどん目から光が消えていく……ってのは一体どういうことなんだ。
そんな中で、義時が己の使命に覚醒しましたね。
「ようやく分かったのです。このようなことを二度と起こさぬために何をなすべきか。鎌倉殿の元で悪い根を断ち切る、この私が!」
義時はものすごく我慢している。耐え抜いている。いつもギリギリだ。

これ、あらすじの方では「義時にはビジョンがない」と確か書かれていたと思いますが、ここで「結果的に何かしている」とあります。要は光秀は一旦壊れた体制の再生を夢見ますが、義時の場合は出来上がりつつある体制の死守ということであり、守るということは、妨害する勢力を根こそぎ封じてしまうわけですから、このようなセリフになるわけです。
それと義時も当初はいささか地味ながらさわやかな印象でした。大河の主人公は、大体夏から秋頃にかけて、人生の大きな課題に直面し、年齢も重ねてさわやかさは失われて行きます。何度も書くようですが、武者さんの嫌いな大河の主人公もまたしかりです。

それと
「義時はものすごく我慢している。耐え抜いている。いつもギリギリだ」
何だかこういう部分の表現が、失礼ながら幼稚な感じですね。義時は最早鎌倉幕府にあだなす者に容赦はせず、常に構えるようになったというところでしょうか。

比企一族との対峙については、よりえげつない設定に進みそうな本作。
次週以降、さらに救いがないでしょうから、身構えておきたいところです。

というか、もう大体どのようになるか予想はついています。比企能員の変が次回ですね。でさらに頼家の死、和田義盛の討伐と続いて行くのでしょう。

今年の大河は日本版『ゲーム・オブ・スローンズ』路線であって欲しい。そんな願いが叶いつつあります。
主人公の目から光が消えるという意味で、司馬懿主役の『軍師連盟』にも近い。

別に大河は『ゲーム・オブ・スローンズ』でも中国映画でもないし、またそうある必要もないのですけどね。
他にどのような映像作品を観ようが武者さんの勝手ですが、なぜこういう明らかに違う文化、違う時代設定のものになぞらえたがるのでしょう。

追い詰められたらどんだけ酷いことをするか、義時は証明してくれます。
全成は誰も恨むなと言った。義時は恨むことすら忘れている。
ただ害虫の巣を焼き捨てるような動機と衝動で、これから血塗られた道を歩むのみ。
義時を怒らせた連中が悪いのです。

追い詰めるというより、それぞれ守る領分があって互いに譲れないということでしょう。義時は恨むことすら忘れているのではなく、私怨というのがプラスにならないからではないでしょうか。例えば比企能員は多分に私怨に囚われている感があり、その辺りが能員と義時がかなり異なって見える一因かと思われます。

しかし
「害虫の巣を焼き捨てるような動機と衝動で、これから血塗られた道を歩むのみ」
もうちょっと表現を工夫できないでしょうか。「風雲急を告げる中、彼は今後獅子身中の虫というべき存在と対峙し、やがてもっと大きな存在にも戦いを挑むことになる」と、一応書いておきます。
それと「義時を怒らせた連中が悪い」というのは思考停止に過ぎますね。相手にも道理があるし、逆に義時に嵌められた人もまたいるでしょう。武者さん、最近あまり引用しない『八重の桜』の、「西国諸藩にも義がある」という意味の言葉、時代は違いますがあれにやや近いかと。

飲み物-マグとビール
[ 2022/08/12 01:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』と『花燃ゆ』と末永創氏

タイトルの話題に行く前に、先日の投稿関連の、『武将ジャパン』コラムの土肥実平と北条時連の比較に関してもう少し。コラムでは石橋山の戦いの後、土肥実平が木の実を食べているが、新世代の時連ならもっと洗練された食べ方をするといった書かれ方をしています。

これに関して私は、両者を比較するにはそれぞれの条件が違いすぎること、ならばいっそのこと、勝利しながらも追われる身となって奥州へ逃げ、農作業をしている義経の方が、まだこの時の実平と相通じるものがあると書いています。また新世代などというのも、武者さんが勝手にそう言っているにすぎません。

このコラム全てに言えることですが、比較するにしてもその対象が適切でないことがあり、正直言って日本語の表現もおかしいです。武者さんが歴史に関してどのように考えているかはともかく、不特定多数の人物に読ませる文章を、それも有料コラムに書くにはいささか不向きな人ではないでしょうか。仮にこれが炎上目的であっても、工夫がないなと思われます。朝ドラ関連でも、首をかしげたくなる表現が目につきますが、これはまた朝ドラ関連投稿で。

ところで『鎌倉殿の13人』ですが、この大河のチーフディレクターは末永創氏です。この人の名前を目にしたことがあるという方もいるでしょう。『八重の桜』、そして『花燃ゆ』の両方で演出を担当していました。

以後はあくまでも主観ですが、『鎌倉殿』で女性同士の会話(特に政子と実衣、りく)が多いというのは過去何度か書いています。それで思うのですが、女性主人公大河を手がけて来た末永氏と、この女性同士の、場合によっては女子トーク的な会話のシーンの多さとは、何か関連しているのかも知れません。

とはいうものの、女性大河の演出経験の多さ即ち女性パートの多さとは言えないようです。『花燃ゆ』は、すべて録画してディスクに入れているのですが、観返してみると、必ずしも文(美和)がおにぎりばかり作っていたり、女性だけでわいわい喋っていたりといったシーンばかりではありません。男性パートは比較的きちんと描かれているところもあります。

そのせいもあり、『おんな城主 直虎』よりも面白い所があると何度かここでも書いています。この男性パートの描写に関しても、『鎌倉殿』と相通じるものがあると言ってもいいでしょう。実際この『花燃ゆ』の蛤御門の変(禁門の変)関連回、これも末永氏の演出ですが、どこか『鎌倉殿』の戦シーンとダブるところがありました。

それから文が美和と改名して、女中として城に上がることになりますが、この時日出(ひので)という奥女中が登場します。この日出を演じていたのは、実は『鎌倉殿』で亀を演じた江口のりこさんです。

あと大河ではありませんが、『ちむどんどん』の暢子役の黒島結菜さんが、高杉晋作の妻である雅を演じています。

今になって観返してみると、確かに粗も目に付きますが、シーンによっては納得できることもあります。また長州大河のせいもあり、蛤御門の変関連の描写にかなり尺を割いています。ただどうしても実際に戦や政変に立ち会っていない主人公、あるいはその周辺の女性たちの世界観が絡むため、男性主人公の大河に比べると、迫力に欠けるのは否定できないでしょう。


飲み物-テーブル上のアイスカフェラテ
[ 2022/06/04 01:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『ちむどんどん』1週間分を観て思ったこと

先日から書いている『ちむどんどん』ですが、14日に第5週1週間分の放送があったので、録画して観てみました。その中で、やはり引っ掛かったところと言えば

  • 賢秀(にーにー)が投資話を持ち出し、母親の優子がお金を渡す。結局それは詐欺で、賢秀は酔っぱらって飲食店で暴れまわり、店の内装を壊してしまって損害賠償を要求される。しかしそのことについて優子は叱らないばかりか、寧ろ賢秀を庇い、賢秀はその後家出同然のような形で出て行くが、その後どういうわけかボクサーになって、ファイトマネーを家に送りつける
  • 主人公の暢子がコックになることを志すが、特に調理師学校に行くというわけでもない。最初は進学する友人について東京に行きたいと言い出すが、優子または大叔父の賢吉からのお金を当てにしているように見える。最終的に賢秀からのお金もあって、彼女は友人についでではなく、決まっていた内定も断って夢をかなえに東京へ行くが、進学先や就職先、そして住むところが決まっているわけではない
  • またこの家族の経済が、賢吉からお金を借りていることによって支えられているように見える。体が弱い末妹の歌子はともかく、賢秀や暢子が定収入のある仕事に就けば、家計の助けになるのではないか

こういう点が挙げられます。あと下地先生と歌子のこととか、良子の給料前借りなどもいくらか疑問ではありますが、主だった疑問点としては以上の3つです。

特に賢秀が投資の件で、優子からお金を貰い、最終的にすっからかんになってしまったうえに、優子が彼を庇おうとするのはどうも不自然に見えます。あれが沖縄の典型的な母親というツイを目にしたことがありますが、それでも賢秀は亡き父親から、母親と妹たちを頼むと言われていたはずです。なけなしのお金を出してくれた優子(一部は借金)に対して、まず謝るべきではないかと思うのですが。

しかもこの賢秀が、ダメな兄貴であったにしても、妹たちの面倒見がいいとか、調理師をめざす暢子に励ましの言葉を贈るとか、東京から手紙で、こっちに来いなどと書き送ったりするのであれば、まだそれなりに情のある人物なのだろうなと思います。しかしこの第5週を観た限り、どうもそのようではなさそうです。またこの中で一番割を食っているのは、どう見ても賢吉でしょう。

あと賢秀の件と言い、暢子の上京の件と言い、何か出たとこ勝負的なのが気になります。賢秀は沖縄を出て行って、たまたまボクシングに誘われたのでしょうが、彼にボクシングの経験はあったのでしょうか。全くの素人が数か月ほどで、あれだけ稼げるボクサーになれるものでしょうか。また暢子も、ちゃんと調理師の勉強をしてから、然るべき店に入社するという手もあるのではないでしょうか…。

ところで小檜山青氏のnote(https://note.com/54seikobi85/n/nb79d76867d1a)では
「それでも彼は愛嬌がある。可愛げがあるから許されるのって、実は女より男なんじゃないかと思える。あの「マグネットオーロラスーパーバンド」にせよ。褒められたいから詐欺に引っかかったということにせよ。まあ、そういうかわいいことを言われたらいっか……と、許したくないけど許せる」
などとありますが、これでは理由にもなってないし、正直言って賢秀に愛嬌があるようにも見えません。上の方で↑述べたように、ダメな奴だが、可愛げがあって妹の面倒も見る人物であれば、いくらかの情状酌量もできるかとは思いますが。

それと小檜山氏、『カムカムエヴリバディ』のファンがこれをぶっ叩いてるなとと書いていますが、少なくとも私は、あちらのヒロインの方に好感が持てます。ちなみに『八重の桜』の時も、『平清盛』のファンが2月頃まで叩いているなどとありますが、やはり藤本さんが『カムカム…』の脚本を書いたことによって、この人はアンチ清盛になってしまったようですね。以前はそうでもなかったと思います。

飲み物-注がれる紅茶
[ 2022/05/15 00:45 ] 朝ドラ | TB(-) | CM(0)

小檜山氏のツイと壇ノ浦合戦回

毎度のように小檜山氏、すなわち武者さんのツイートを持ち出してすみません。きりがないのでそろそろ区切りをつけたいと思ってはいます。

で、今回はこちらのツイです。
「そうそう。で、八重松陰が大河主演で、花燃松陰が逮捕と…」
こちらは他の方へのリプで、『八重の桜』の出演者関連でスレッドが形成されています。無論小檜山氏のことですから、好きな作品の登場人物は褒め、嫌いな作品の登場人物はけなしています。

それはともかく、この「大河主演の八重松陰」ですが、八重と主演作品、つまり『鎌倉殿の13人』の間にもうひとつ出演した大河があります。『西郷どん』です。こちらでは坂本龍馬を演じていましたが、小檜山氏は嫌いな作品だからだんまりのようですね。実際あの時の龍馬のイメージが、今の髪を下ろした時の小栗さんにどことなく重なるのですが。

そして何よりも、先日放送された『プロフェッショナル 仕事の流儀』で、小栗さんは主演に関して「断る理由がない」と語ったうえで、大河主演に関してこう述べています。
「(『西郷どん』の)鈴木亮平くんは、とにかく自分の人間力というものが、ものすごく大きくなる参加だと思うという話はしていた」
「背負うものも大きく、常に自分の人間力を試されているような気がする現場だったって話をしていた」
鈴木さんの言葉も、小栗さんが主演のオファーを受けるその一因となったようです。

そして「花燃松陰」が逮捕などとありますが、小檜山氏がほめていた『いだてん』前半部分でも、コカインで逮捕された出演者がいましたし、そして何よりも、『麒麟がくる』で当初帰蝶を演じる予定だった女優さんも、麻薬所持で逮捕されていますね。この辺りはどう考えているのでしょうか。

しかしツイでは、嫌いな作品叩き(特に『青天を衝け』と『カムカムエヴリバディ』)が凄まじいです。それも、叩く理由が正鵠を得ているのならまだしも、とにかく嫌いだから叩きたいといった雰囲気です。そう言えば以前歴史改竄した大河は嫌いだと言っていましたが、恐らく歴史を改変(改竄ではなく)していない大河などまずないでしょう。

ところで『鎌倉殿の13人』、明日は壇ノ浦の戦いです。いよいよ義経が平家を追い詰めて滅亡させるわけですが、これを巡って義経と景時が対立することになるのでしょうか。この両者を「アマデウスとサリエリ」になぞらえた記事がありました。個人的にはホームズとモリアーティ、特に(ちょっと生意気な)パペットホームズのホームズと、モリアーティ教頭のイメージもあります。

しかし平家を追い詰めるのはともかく、なぜ平家がそこまで追い詰められたか、平家の権力によって彼らはどのような不利益を被ったのか、そういった描写がやはり弱いような気がします。先日の投稿で触れた義高の脱出と逃走、さらには上総広常謀殺に先立つ御家人蜂起などに、尺を割くなとまでは言いませんが、やはりその尺の一部で他に描くべきものはあるでしょう。平家に関する様々なこともまたしかりです。

飲み物ーアイスカフェオレ

[ 2022/05/08 00:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 37

『武将ジャパン』大河コラム関連続き(4ページ目)です。今回は武者さんの文章(青文字)に意見を述べるやり方で行きます。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第15回「足固めの儀式」 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン) - 4ページ
https://bushoojapan.com/taiga/kamakura13/2022/04/18/167740/4

大河で学ぶ人間関係といった記事に関して、

では、なぜ、そういう記事が出るのでしょう。
需要あるところに供給あり――去年は渋沢栄一から『論語』を学び(これまた推奨できません)、来年は家康から学ぶ。そういう需要は毎年あるものです。PVが稼げるなら、何でもアリで記事が作成される。
何かを学べるとすれば、大江広元かもしれません。
彼は際どい事態に何度も巻き込まれ、それでいて断定的なことはなかなか言わず、責任転嫁する達人です。
今回の会話でも「決定したのは頼朝ですよ」と言い切り、うまく責任回避しました。
それでいて頼朝が一から考えた陰謀とも思えない。広元がうまく誘導しているように見える。ともかく只者ではありません。
こういう「王佐の才」(主君を助ける才能)はよいものです。

とあります。
まず昨年の渋沢栄一、のっけから「推奨できない」のだそうです。来年の家康も、これから見る限りあまり期待してなさそうで、最初から叩く可能性もありますね。
それにしても
「PVが稼げるなら、何でもアリで記事が作成される」
この部分ですが、少し前に出てくる
「笑いで誤魔化そうとする文覚は、架空の儀式を持ち上げるなら、もっとディテールにこだわりを入れた方がいいですね。嘘をつくときは、少し真実を混ぜるとよいと言いますし」
これ同様、「PVが稼げるなら何でもアリで記事が作成」も、いつもの武者さんのパターンに見えて仕方ないのですけど。

閑話休題。
個人的に大江広元は、現段階でそこまで切れ者かと言われると、私としてはちょっと何とも言えません。
それに最初に鎌倉へ下ったのは、お兄さんの中原親能の方ではなかったでしょうか。広元は後になって鎌倉へ行き、1184年に公文所の別当になっていたはずです。尤もこの第15回の乱自体創作でしょう。この中で史実は、上総広常が斬られたという点のみではないでしょうか。

でまた「王佐の才」、そして後の方で、広元の行動原理を学ぶには『貞観政要』がいいとか何とか。いや別にこういうの出してもいいのですけどね、武者さんの場合毎度毎度この手のことが出て来て、しかも肝心の大河に関する考察の方が、おろそかになってるなと言わざるを得ません。今度のことにしても、この創作を入れるべきだったのか、もしこれを入れなかった場合、広常暗殺はどのように描かれるとよかったのか、そういうのをもっと書くべきかとも思います。

そして「(景時が)中世の殺人者らしい発想がありました」とあり、以下のような文章が出て来ます。

殺すことがまずありながら、動機づけをしたい。
そこで神の出番です。
神が殺していいと言ったから……という理屈を通す。
これは別に日本特有でもなく、中世のカトリック教国では「おらが村の聖遺物」だの、その日の守護聖人だの、そういう神頼みを理屈にして色々やらかすことはありました。
しかし「そういう迷信って、どうかと思うよね……」という意識の進歩があり、プロテスタントではそういうことはやらなくなる。
そんな中世人らしい神頼みをするところが、景時なのでしょう。

まず景時の「神頼み」なるものですが、これは「賽の目に聞くしかない」のところでしょうか。運を天に任せると似たものがあります。

それはともかくとして、この後の部分、これがどこかおかしいのです。
まず
「中世のカトリック教国では」
とあります。カトリックの国という意味なのでしょうが、中世のヨーロッパでは基本的にカトリックか正教会のどちらかしかなく、西欧はカトリック圏です。宗教改革が行われるのは16世紀、ルネサンスの時代です。

さらに
「おらが村の聖遺物」だの、その日の守護聖人だの、そういう神頼みを理屈にして色々やらかすことはありました」
ここまで書くのなら、その例を挙げて貰えないでしょうか。
また
「『そういう迷信って、どうかと思うよね……』という意識の進歩があり、プロテスタントではそういうことはやらなくなる」
この「迷信」なる表現、こちらの方がどうかと思いますね。武者さんがどう考えようがそれは本人の勝手ですが、こういうコラムで書く以上、もう少し表現に気を付けた方がいいのではと、老婆心ながら思う次第です。以前も聖書をディスるような書き方をしていましたし。

それとプロテスタント諸派の一部は、カトリック的なやり方を払拭するようになりますが、それは礼拝にカトリック色を持ち込まないためでした。それからルーテル派とか聖公会、これらもプロテスタント教会内の諸派とみなされていますが、これらの教派はカトリックに似た部分があり、守護聖人の日を祝ったりもしています。武者さんが言う「プロテスタント」は、『八重の桜』に登場するピューリタニズムのことなのでしょうか。

ついでながら、4月23日はサン・ジョルディ(聖ゲオルキス、聖ジョージ)の日ですね。

さらにその後

というのも「殺したいから殺した!」「殺した方が手っ取り早いからそうした!」とスカッと笑顔で言い切る奴も、ごく少数、人間の中にはいます。
(中略)
答えは源義経です。
権威や神を平気でぶん殴るような相手が隣にいると、景時の神経はもう、やすりで削られ続けるようなものでしょう。

今まで義経が、殺したいから殺したと言ったり、権威や神を平気でぶん殴ったりするようなことをしていたでしょうか。確かに旅の途中で男を殺してウサギを奪ったり、敵将の首を取るから兵をくれなどと言ったりはしていますが、そういう時でさえ、このようなセリフは口にしていないはずですが。亀の前の件では暴れ回ってはいましたが、これも戦に出られないための憂さ晴らしのようにも受け取れます。大体義経がどのように振舞うか察しはつくものの、彼が平家を相手にどのように戦うのかがはっきりしない時点で、こう書くのもどうかと思います。

それから、来週は「木曽義仲討ち死に備えるため、本レビューの公開は遅れます」とのことですが、誰か代理の人に書かせて、武者さんとの違いを見てみたいものです。

飲み物-ワインとワイングラス
[ 2022/04/23 01:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』新キャスト第2弾発表

『どうする家康』新キャストの発表です。

【第2弾】2023年 大河ドラマ「どうする家康」新たな出演者発表!「チーム家康」──家康とともに“どうする?”と考え、困難を乗り越える!
(NHK ONLINE)

ベテランの俳優さんもいる一方で、家康の比較的若い時メイン(多分)のせいか、若手の俳優さん、大河が初めてという人もいます。今回発表のキャストは以下の通りです。(敬称略)

坂井忠次-大森南朋
本多忠勝-山田裕貴
榊原康政-杉野遥亮
井伊直政-板垣李光人
鳥居元忠-音尾琢真
大久保忠世-小手伸也
平岩親吉-岡部大
鳥居忠吉-イッセー尾形
於愛の方-広瀬アリス
服部半蔵/正成-山田孝之
石川数正-松重豊

井伊直政は「民部公子様」ですね。「女城主直虎によって大切に育てられた」とありますが、直虎はこの大河も登場するのでしょうか。それはいいのですが、もう草履投げのシーンはなくていいです。無論あれはあの大河の創作ですが、あのシーンのせいもあって、直政登場後は録画視聴になってしまったのですから。あと大森さんはやはり『龍馬伝』、松重さんは『八重の桜』のイメージが未だに強いです。松重さんの戦国大河出演は『毛利元就』以来ですね。

ところで若手中心というと、『花燃ゆ』とか『青天を衝け』のイメージがどうもダブります。ただ『青天を衝け』はいざ観てみるとそこそこ面白かったので、現時点では期待しています。こちらは主人公が家康なので、ナビゲーターとして徳川慶喜が登場するというのはありでしょうか。『葵 徳川三代』では、中村梅雀さんが扮する光圀公が狂言回し的な役どころでしたね。

ただあまり若い家康と家臣団メインだと、これは昨年もそうでしたが、老けメイクを工夫することになるでしょう。それと松平→徳川に絡んでくる他の大名家、側室たち、あるいは石田三成などのキャストはどうなるのでしょう。

あとやはり脚本が古沢氏なので、『ゴンゾウ 伝説の刑事』、『コンフィデンスマンJP』の出演者のキャスティングもありかも知れません。小手さんは、後者の方にレギュラーで出ていましたが。

飲み物-ロックグラスカクテル
[ 2022/04/17 00:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 33

『武将ジャパン』大河コラムの疑問に思う点、まず前半部分からです。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第14回「都の義仲」 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)

1.(義高登場シーン)人類は、能力判断基準の厳密化と反比例して、見た目を重視する傾向があり、まだまだ素朴な当時、顔の良さは今よりずっと重い意味があった
2.ドラマの出来は子役を見ればわかる。(中略)指導側の技量が大きく反映される。今回は演技指導が盤石だとわかる
3.後世、幕末の西軍側が露骨に天皇を“玉(ぎょく)”扱いをしていたが、この時代も天皇をいいように利用しているとしか言いようがない、日本史の大きな特徴である
4.その後、白河法皇が、木曽義仲を労っています
5.かくして義盛と相撲をとり、わかりあう義高

1、見目の良い義高登場ということでこう書いているのでしょうが、それとこれとどういう関係があるのでしょうか。何よりもドラマのことをメインに書いてほしいですね。
2、私が見る限りでは、『青天を衝け』の少年時代の栄一の祭りのシーンも、『西郷どん』の幼い頃の吉之助が腕を斬られるシーンも、演技指導はきちんとされていたと思います。
3、帝を擁さないと朝敵とされるからではないでしょうか。そもそも「西軍」とは何ですか。禁門の変の長州軍のことですか。
4、これだけ明らかな間違いなので原文ママです。確かに白河法皇は長命な方でしたが、流石にこの時代はもうおられませんでした。「後」の字をつけるつけないで、かなり違ってくるので要注意ですね。
5、「わかりあう」シーンはあったでしょうか。この後、これも自分の務めと言うシーンはあり、それもこのコラムに一応書かれてはいますが。

6.頼朝は密かに法皇に文を送って、今後朝廷の指示に従い、西は平氏、東は源氏が収めると提案した。法皇にこう伝えておけば、源氏のことは全て頼朝が決めていると勝手に判断してくれる、義仲の悔しがる顔が目に浮かぶと高笑いをしている。頼朝は単なるゲスということでもなく、政治の人、で発揮されていなかった才能がだんだんと開眼してきた
7.義仲が履き物を投げ、それからひらりと飛び降りると、京雀たちは扇を手にして嘲笑う。なんという陰湿さよ
8.(所領の支配権を武士が握っていない)どこかあやうい、日本中世の構図といえる。隣の南宋と比較すると、国のシステムとして緩い
9.法皇と双六遊びをしていた行家は、義仲の悪評を聞き、困ったものだと突き放す。どこまで卑劣なのか
10.「ゆっくりせいと言っておいて……本当にゆっくりする奴がおるか!」な、な、な……何、この京都人の面倒臭さを凝縮した「ぶぶ漬けでもどうどす?」理論は! あまりの陰険さに私は震えるしかない

6、単なるゲスと決めつける方が寧ろ正しくないと思うのですが…この人は指揮官であり、乱世の政治家であると私は思います。さらに都の事情を知っているから手回しが早いですね。あと才能は「開眼」でなく「開花」ではないでしょうか。
(尚ここでまた『麒麟がくる』が引用されていますが。それと比べてどうしたいのでしょうね)
7、マナーに則っていないことをしている以上、これは仕方ないでしょう。
8.平安時代末期は、武士が所領を支配できていませんでしたから、これも当然のことですし、そもそも体制が違う南宋と比べる必要もないかと。
9、これも行家なりの世渡りの方法ではありますね。あまり上手だとも思いませんが。
10、これも当時なら当たり前ではないでしょうか。義仲がナイーブすぎるのも事実でしょう。それに京都人が面倒くさいのどうのとありますが、武者さんの好きな『八重の桜』の同志社英学校も、『麒麟がくる』の室町幕府も京都なのですけどね。

11.中世の迷信、その弊害がここにある。三種の神器があろうがなかろうが、即位はできている
12.(義仲のその後の行為)わかりやすく面白いからと、最初の見方(義仲野蛮説)が受け入れられがちだが果たしてそうなのか。恩賞があるからこそ武士は血を流しても戦う。その仕組みを壊すだけでなく、所領まで取り上げる法皇の所業は無茶苦茶だ。

11、中世の迷信などとありますが、今も皇位継承の際には三種の神器のうちの剣璽(草薙剣と匂玉)が継承されています。後鳥羽天皇の即位は、後白河法皇の院宣により行われましたが。
12、これは立ち回り方の問題もあるかと思います。義仲のブレーンに、都に通じた人物がいなかったせいもあるでしょう。

あと倶利伽羅峠の戦いで、武者さんは「火牛の刑」で大勝利を挙げたと書いていますが、これも『源平盛衰記』にあるのみで、実際のところはわかりません(『吾妻鏡』にはありません)。またこの戦いで、斉の田単が、油を入れた壺を投石機で投げたなどともあり、このことから源平合戦でも割と原始的などといったことが書かれています。

いつも思うのですが、ドラマ本編に関することだけまず書けばいいのに、どうしてこう私見やら持論やら、他の大河との比較やらを挟んでくるのでしょうか。個人のサイトでもないでしょうに。

飲み物-ホットチョコレート
[ 2022/04/13 01:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

小檜山氏ツイ続きと「変われないNHK」

まず先日の『大岡越前』関連で、変換ミスがありましたので直しています。そしてやはり先日、小檜山青氏のツイートに関して書きましたが、実際朝ドラをはじめ、これは如何なものかと思うような内容のものが散見されます。

たとえば
「今回のあれやこれやで確信したんだけど。大河ドラマと朝ドラって2015年以降、誰かの口出し入っているでしょうね」
などとありますが、「誰かの口出し」はともかく、主人公の立ち位置などを考えて、それにふさわしい展開を設定する以上、様々な形で考証が入るのは当然でしょう。これに関しては後述します。

当然同じ時代でも。作品によって描写は異なるわけで、そこが自分の理想に合わない作品に反発する小檜山さん(今回は便宜上これで通します)には面白くないのかも知れません。といっても、個人の理想に100パーセント沿った作品などそうあるものでもなく、小檜山さんも本当に『八重の桜』をすべて受け入れているのかどうか、ちょっと疑問です。また水戸大河(青天を衝け)が「慶喜さまは殺したくないけど勝手に配下が天狗党を殺したの!」などというのもありますが、一橋家の当主である慶喜が天狗党に口出しはできないかと。

さらにフィクションは模倣されやすいから気を付けろといった内容のもあり、銃器入手や怪盗になるとか、柳生新陰流をマスターして将軍を斬首するなどというフィクションの場合、模倣の難易度を考えて欲しいと思うなどとあります。要は真似されやすいから危険だということなのでしょうが、こんなことを書いていたら、フィクションの全面否定になるのではないかと思われますが。

そしてまた例によって、中国史関連のツイも見かけます。まあツイートであれば、本人が好きなことを発信しているだけだからまだしも、大河に直接関係ない中国関連の情報を入れてくるのもどうかと思いますし、朝ドラコラムにも直接関係のないことが書かれたりしているようです。

大河コラムの最終ページなど、殆ど持論展開のためにあるようなことが多いのですが、こちらは大河のレビューを読みたいのであって、小檜山さんの持論を読みたいのではありません。あと『平家物語』もお好きでないようですが、これは『鎌倉殿の13人』と比較されたことも関係しているでしょう。

ちなみに『まんぷく』という朝ドラは、この人に取っては駄作だったようで、「どれだけ甘ったれてるんだ」などといった、スタッフへの不満も漏らしていました。しかしどう考えても、本編を(多分)きちんと観ていないせいで、どこかあらすじの解説がおかしい上に、自分の主観や関係のない話題をやたら入れて、しかも報酬が発生するコラムを書いているわけですから、甘ったれているのは小檜山さんのほうではないでしょうか。

尚前出の考証に関して。以前もリンクを貼ったことがありますが、『どうする家康』の脚本(準備稿)について当該アカウントで紹介されていますので、そのツイの画像をお借りしました。この準備稿に考証が入って決定稿となるわけですから、単に脚本家の一存だけで決まるものではないでしょう。尚サムネイルですのでクリックで拡大できます。

どうする家康ツイ1(脚本)

ところでNHK関連でこういう記事もあります(全4ページ)。

石原さとみから元SMAP、人気声優まで起用の“新しいNHK”「答えは皆さまの声の中に」
(読売新聞オンライン)
あと、コメント付きのyahoo記事のリンクも置いておきます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/
b6d8795635bf2e29cb6c90655e794d8039e080d0

ぶっちゃけて言わせていただくと、この「新しい」NHKなるもの、多用なニーズにマッチしたコンテンツなる言葉同様、少しも新しいという印象を受けず、どこか自己満足臭さを感じてしまうのです。そして1ページ目、「権力を監視するのはジャーナリズムの役割だ」というのも何やら手垢がついた印象があります。今はジャーナリズム≒マスコミすなわち権力であり、それを監視するのが視聴者ではないかと思うのですが。

そして元SMAP(というか、『新しい地図』でしょうか)とか人気声優を出すという姿勢、それはいいのですが、何か民放の後追いのように感じられるのです。

しかも4ページ目トップに、受信料に関しての記述があり、「NHKを見ないからといって断ることはできないのだ」などとあります。やはり読売も既存マスコミである以上、強く出られないのでしょうか。この受信料の部分、ひいてはNHKの在り方にメスを入れてこそ、初めて「新しいNHK」が登場するのではないかと思われます。
そしてその次のパラグラフですが

しかし、昭和のテレビ 黎明期とは比べものにならないほど、生活様式が変化し娯楽の選択肢は広がっている。公共放送の事業範囲や扱う番組ジャンルを再考してみる時期に差し掛かっているのかもしれない。これを幹部にぶつけると、「ニーズがある以上、娯楽番組も放送するのが公共放送。教育・教養番組だけやっていればいいというのはおかしい」と反論された。伝統ある大河ドラマ、連続テレビ小説、紅白歌合戦……。なるほど、娯楽番組でも国民生活に深く根付いている。どこまで受信料で支えるべきか、判断は容易でない。

結局NHKが変われない要因はここなのですね。ですからいくら目先を変えても、どこか似たような路線になってしまう。大河にしても受信料があるから制作できているのですが、NHK幹部に言わせると初めに番組ありきで、だからこそ受信料を払えという思考回路になるのでしょうか。そしてこういう人がNHKにいる限り、半ば強制的な受信料徴収が続き、スクランブル化もされないのでしょう。

私は何度も言っていますが、もう大河も紅白もマンネリ化している感があり、そろそろやめていいのではないかと思います。またこの人たちは、番組視聴率に関しては何と考えているのでしょう。それでも作り続けるべき理由は何か、本当にニーズだけなのでしょうか。

TVや雑誌(特に週刊誌)といった既存メディアは、彼らを支えて来てくれた視聴者や読者と共に老いて行っているなと思いますし、その中身も高齢者の要求に応えたものと言ってもいいでしょう。その意味でTVを新しくしたいというのは理解できますが、それが如何にもおじさんが考えた若者向けの内容であり、刺さった印象があまりないのです。これらの番組がもしうまく行かなかった時、誰が責任を取るのでしょうか。ちなみに個人的には、『昆虫すごいぜ』と『突撃!カネオくん』は間違いなく刺さる番組です。

本来根本的な改革をするチャンスはいくらでもあったのに、先ほどの幹部氏のように、ニーズがあるからと「変わらないこと」を望むと、すべてがモラトリアム化して行く可能性もまた大きそうです。こういう組織あるいはガバナンスの在り方に、日本ラグビーフットボール協会をどうしても連想してしまうのですが、これについてはまた別の機会にします。

飲み物-ビールと夜景

[ 2022/04/11 01:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

武者さんのレビュー雑感と時代劇、そしてNHKのネット配信

『武将ジャパン』の大河コラム、今年は1度だけ休んだもののほぼ毎回見ています。しかしどうもこのコラム、または朝ドラ関連レビューにしても、武者さんが理想とする形にそぐわないものは悉く叩くようです。こういう好き嫌いベースで書かれた文章を、やはりレビューとは言わないでしょう。

これが個人サイトやブログなら、まだしもそれもありかと思います。しかし大河にしても朝ドラにしても、報酬を貰って書いているはすです。しかも往々にしてあるべきシーンを見逃していたり、実際にないシーンが登場したりで、本編をきちんと観ているのかと疑いたくもなります。

あとこれは今年の大河でとみに感じることですが、好きな作品だと言っても、どこか無理があるように見えます。本当に好きではないにせよ、自分の意に沿う描写、たとえば女性が活躍するなどのシーンが多ければ、好きだということにしておきたいのかも知れません-それもどうかなと思いますが。それと『八重の桜』後の、幕末明治大河がよくないと考えているようですが、私にしてみれば当の『八重の桜』も、それ以前の『龍馬伝』や『篤姫』も疑問に思う点はありました。

如何せん、ドラマをはじめとする映像作品、あるいはそれに出演する人たちへの評価はどうしても主観が入りがちです。だからこそ、個人レベルでないドラマ評は中立的な視点が必要なのですが、それどころか主観が入りまくりです。あと漢籍とか、全く本編と関係ない作品(ひところの大河コラムでの『ゲーム・オブ・スローンズ』、あるいは華流ドラマなど)を持ち込んだり、こういうことでマウントを取らない方がいいと思いますけどね。

そんなことをするくらいなら、せめて本放送を観た後録画をチェックして内容を把握し、中立的な視点から文章を書いてほしいものです。それから持論展開のために、大河や朝ドラをいわば出しにしている感もあります。大河コラムの最終ページなどは、正にその感があります。しかし何度も言いますが、個人のサイトやブログではないのですから、作品に無関係なことは控えるべきでしょう。

話が変わりますが、今BSプレミアムで『大岡越前』をやっているので観ています。個人的に『大岡越前』は好きでして、昔の作品をCSで観たこともあります。特に今の『大岡越前』は、中の人が同じということもあり、『刑事7人』の天樹悠を連想してしまいます。あと『鬼平犯科帳』や藤沢周平もの、あるいは『御宿かわせみ』なども好きな作品です。

如何にものメジャーな時代劇よりも、寧ろ私はこういうのが好みといえるかも知れません。ただし『鬼平』は。比較的メジャーと言えるでしょうし、あとこれもメジャー時代劇といえる必殺シリーズのうち、80年代に作られた『新・必殺仕事人』もいいなとは思います。三味線のお師匠さんが、糸で相手を絞め殺すシーンは印象的でした。ああいうのは一種の殺しの美学でしょう。

今時代劇をやらないのは、映画では時々作られてはいるものの、基本的にお金がかかるので、週一のドラマでは難しいのも一因であると言えそうです。それとTV全盛期に色々な時代劇が作られ、ネタが出尽くしたということもあるでしょうか。ただ今の刑事ドラマでもそうですが、捕物はやはり人気がありますし、それをベースにした作品は、今後も何らかの形で作られ続けるかと思われます。ところでこの『大岡越前』、5月から新シリーズが始まるようです。

それからNHK関連で1つ。4月22日から期間限定で、ネットで番組を配信する計画がありますが、それに関してこのような記事があります。

NHKのネット配信実証 テレビない世帯への受信料徴収は「現時点では考えていない」と金子総務相
これに関して受信料は、現時点では考えていないということですが、コメント欄には「そういう含んだ言い方するから勘ぐられる」「将来は(受信料徴収は)ありうるのか」などとあり、結局のところNHKが受信料欲しさに新手の策を打ち出した、そのように見られても仕方ないようです。配信を望まない世帯への送信打ち切りをますやり、職員の報酬を引き下げ、それでも足りない分は別の方法で補うのが、本来のやり方であるべきかとは思いますね。

飲み物-ミルクが注がれる紅茶
[ 2022/04/09 01:00 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』「許されざる嘘」あらすじと感想-2

『鎌倉殿の13人』関連投稿ですが、まずは『どうする家康』SPについて。

どうする松本潤?徳川家康の大冒険
(NHK ONLINE)

早くも来年の大河関連番組ですが、しかし再来年は一体…?

そしてあらすじと感想第二弾です。
まず先日も書きましたが

平家の出番が少なすぎる

鹿ケ谷の陰謀も描かれずに、後白河法皇の幽閉、そして頼朝や北条氏と平家方の敵対が出て来ても、いささか説得力を欠くのではと正直思います。そのせいか、南都焼討の描写も簡単でしたね。その反面八重の出番は多い。今のところ『八重の桜』ならぬ『八重の鎌倉』といった感じがしなくもありません。別に八重が出て来るのはいいのですが。あそこまで義時や政子を、彼女と絡めて描くべきなのでしょうか。

そして鎌倉。御所も出来上がって政子が移って来ます。この時袿の下には袴をつけず、小袖の着流しのままですね。りくはその姿を褒めるものの、頼朝が夫時政よりも広常や景時を重んじる姿勢、また政子が産むべき後継者への期待などで、今一つ面白くありません。既にこの時の彼女の怒りもまた、後の時政追放へとつながって行きそうです。

面白くない人物がもう1人います。言わずと知れた義経です。そもそも平家との戦があるから馳せ参じたにも関わらず、飢饉で兵を出せない上に、同母兄の義円が孫子の知識や和歌を披露したりするため、余計に自分の存在が霞むように見えたのでしょう。そこへ運よくというか、叔父に当たる新宮十郎行家がやって来て京へ上れと頼朝をせかします。戦ができる状況でもなく、しかも束の間の政子との時間を大事にしたい頼朝は、多忙を理由にこの叔父に会おうとしません。

そのため行家は、頼朝の弟たちを誘いますが。蒲冠者範頼から逆に誘われ、頼朝の家人になど毛頭なる気はない行家を怒らせます。しかし義円がこれを後悔したため、義経はこの兄をけしかけ、行家に従うように言いくるめます。あまつさえ、頼朝宛てにこのことをしたためた手紙を預かった義経は、その手紙を破ってしまいます。やはりこの人物は、思考回路は常人とは違うと見るべきでしょう。しかし破り捨てるのであれば、人目につかない所でやるべきでした。この辺は脇が甘いといえます。

ちなみに、この破った手紙を元通りにするというのに、かの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドクへの手紙を連想してしまうのですが、似たようなシーンが三谷さんの人形劇にも登場します。パペットホームズの踊る人形が出て来る回で、べインズから渡された、人形文字の解読の仕方が記された紙をホームズは破ってしまいます。しかしこの回のラストシーンで、それが元通りにつなぎ合わされていることから、あるいはこれをヒントにしたとも考えられます。

結局この手紙の件で頼朝に叱られるものの、未だ男児がおらず、しかも、義経の武人としての才能を見込んでいた頼朝は語調を和らげ、お前を後継者にとも考えているとも言います。無論頼家が後に誕生するため、これは実現しませんでしたが、これに似た例として、豊臣秀次と秀頼の関係があります。関白となったものの、思いがけず秀頼が生まれたため、秀次は関白の座を追われ、叔父である秀吉は疑心暗鬼にかられます。

無論義経は秀次と立場が違いますが、こう言われて悪い気はしません。しかしその後、男児が生まれるための祈祷を全成が行っているのを見て、複雑な表情をします。つまり彼の場合、実の兄のうち1人の存在が面白くなく、行家に同行させてしまうのですが、もう1人の実兄である全成は、自分が異母兄の後継者となる道を、いわば遠ざけることをしているわけで、どうにも複雑な心境にならざるを得ないでしょう。ちなみにこの義円は、『吾妻鏡』では鎌倉入りはしていません。

その後政子が懐妊し、男児を望む頼朝は、全成の意見を容れて徳を積むべく、伊東祐親・祐清父子の恩赦を行います。しかし赦されるはずだったこの父子は、かの善児によって落命します。清盛退場回は、祐親退場回でもあったわけです。

それにしてもオリキャラとはいえ、実に絶妙なタイミングで現れるこの善児ですが、祐親はこの男を使って、頼朝や北条時政を殺めようとは考えなかったのでしょうか。尚『吾妻鏡』では、祐親はこの助命をよしとせず、自刃したことになっています。祐清はその後で亡くなったとされています。

しかし、直に千鶴丸を手に掛けたこの善児がまだ生きているため、生まれる子は命が短いと全成。景時の家人になった善児ですが、さて、今後の彼の運命や如何に。何せこの人の運命が、次の鎌倉殿の運命にも関わっているのですから。

ところで今回の『武将ジャパン』関連コラム、ざっと見たところ、範頼が義経の「半兄」となっています。父親が違う兄のことを競走馬ではこういいますが、この場合だと母親が違うわけだから「半兄」とはなりませんね。そもそもこの言葉、人間の場合も使うのでしょうか-せめて「異母兄」「腹違いの兄」ではないかと思うのですが。
(2022年3月23日一部修正)

飲み物-トディ
[ 2022/03/23 01:15 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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