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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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超高速!参勤交代 リターンズ

前作が参勤=往路、そして今回は交代=復路を描いていますが、この復路が前回以上にハプニング続きで、はらはらどきどきの連続でした。キャストは前回のメンバーに加え、柳生家や湯長谷藩関係で何名かプラスされています。湯長谷藩については、前作の感想記事で触れています。しかし松平信祝、懲りませんねこの人は。

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江戸を発って帰路についた内藤政醇一行、今度は牛久の宿で身請けをしたお咲も一緒だった。しかし、江戸で家臣たちが小金を稼いでいたとはいえ、予算が足りないことに気付いた一行は、またしても走ることになる。その後牛久に到着し、政醇とお咲の祝言が挙げられたが、そこへ国許で一揆が起こったという知らせが入る。実はこれは、蟄居を解かれた信祝の陰謀だった。

しかも幕府の目付が二日後に着くことになっており、家老の相馬兼嗣の案で、政醇と側近は飲まず食わずで走り抜ける方法を選ぶ。一方お咲は早駕籠を使うことにした。政醇一行は、底に穴の開いた舟で苦心惨憺しながら那珂川を渡るが、その時相馬が溺れてしまう。泳げない相馬を助けようと鈴木吉之亟が飛びこむが、今度は鈴木が丸太に当たって流されてしまう。しかし、それでもなお一行は湯長谷を目指して走り出す。

大沼宿で何とか大名行列の体裁を整えようとするものの、中間の数も少なく、人間に見せかけた案山子に頼らなければならない有様だった。何とか役人の目をごまかして切り抜けるが、次の高萩宿の先の関所では、一行の人相書まで出回っていた。八方塞がりの政醇たちだったが、目の前を棺桶を積んだ車が通りかかり、政醇らは死体に化けて棺桶の中に潜り込み、苦心の末、その場を切り抜けるのに成功した。

さらに一行の行く手に困難が立ちはだかる。山中で尾張柳生家の刺客に出くわしたのだった。しかもそこには、かつて政醇が担当を与えた段蔵もいた。段蔵は家族を人質に取られ、彼らに加担していたのだった。しかも、この一行を邪魔し続けていたのも松平信祝だった。政醇のおかげで蟄居をさせられた信祝は、柳生家を抱き込み、さらに湯長谷で一揆まで起こさせるという、用意周到な策を練っていたのだった。

その頃江戸では、その信祝を怪しいとにらむ秋山平吾が、思いを寄せる政醇の妹琴姫に脱藩届を出し、大岡忠相と組んで信祝を追い詰めることを決意する。2人が追い詰めたのは、柳生家の当主幻道の手下の森極蔵だった。さらに秋山は、柳生の忍びが持っていた書状から、信祝は日光社参をしていた将軍吉宗をも、暗殺しようとしていたことがわかる。大岡は秋山同席のもと、森の裁きを始め、誘導尋問で森、ひいては信祝の悪だくみを暴き出す。

柳生の刺客をかわし、湯長谷にたどり着いた一行が目にしたものは、跡形もなく荒らされた田畑と、既に柳生家の幟が翻っている湯長谷城だった。そこへ留守居役の次席家老、福田弥之助が現れ、共に信祝と戦うために立ち上がる。しかし家臣の妻子たちも人質に取られており、果てはお咲も村人たちの身代わりになって拉致される。しかも柳生家のみならず、江戸から信祝も軍勢を率いて湯長谷を目指していた。

政醇たちは総勢7名、片や大軍を従えた信祝の軍は1,000名で、その差は歴然としていた。当初政醇は一人で出向こうとするが、家臣たちが次々につき従い、信祝たちを出迎えることになる。しかしいざ対決というその時、政醇たちの味方に戻った段蔵が煙幕を張り、その隙に政醇をはじめ、剣に自信のある荒木源八郎や増田弘忠、槍の名手の今村清右衛門や、何とか湯長谷に戻った鈴木吉之丞らが攻め込む。

しかもそこに信祝の叔父の輝貞、そして日光社参をしていた徳川吉宗がやって来る。また信祝の兵たちも見切りをつけて去って行き、今度は信祝が窮地に陥る。さらにその後、柳生家の諸坂三太夫はこの様を見て、あっさり湯長谷藩を政醇に戻してしまう。こうしてやっと元に戻った湯長谷藩に、再び村人たちの笑顔が戻って来た。お咲の村の女性たちと共に働き、政醇は満足そうに田畑の様子に目をやるのだった。

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この作品、実は様々な過去の作品へのオマージュで彩られています。まず、松平信祝の軍勢に7人で立ち向かうところは、もちろん『七人の侍』がベースになっているといえるでしょう。猿の「菊千代」もそれにちなんだものかと。また『水戸黄門』や『大岡越前』など、かつてのテレビ時代劇を感じさせる部分もあります。そのうちDVDが出たら、どれだけの仕掛けが隠されているのか、チェックできたらと思います。

今回は柳生に占領された城に、藩士の家族が人質となっているわけですが、家老の相馬の娘が、眼鏡っ娘という設定なのが面白い。奥さんは簪で喉を突こうとし、荒木源八郎の妻の富江に止められます。また段蔵も妻子と会うなど、家族の描写も結構丁寧になされています。しかし相馬さん、どうも室賀さんのイメージがつきまとって仕方ありません。流石にこちらでは「黙れ小童」はありませんでしたが…しかしエンタメ性や家族を描くことなどなど、今の大河とも共通するものもあるようで。
(画像はアマゾンより)

超高速参勤交代リターンズ
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[ 2016/10/15 02:00 ] 映画 | TB(-) | CM(0)

エヴェレスト 神々の山嶺

遅くなりましたが、『エヴェレスト 神々の山嶺』を観た感想です-ちなみに今まで「山麓」と書いていたようなので、すべて修正しています。まずあらすじから。

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写真家の深町誠は、カトマンズの街を歩いていた。元々は登山家だが、今は山岳写真家として仕事をしていた深町は、出版社に写真集の出版を頼み、借金をしてまでしてネパールに来ていた。これは、付きあっていた彼女ともうまく行かず、40を間近にした深町に取っては、ある意味起死回生ともいえるものだった。

しかし出版の条件は、登頂が成功しない事には実現できないものであり、この登頂も結局は失敗に終わって、メンバーは帰国して行った。そんな深町は、路地の奥にある店(質屋?)にふらりと立ち寄った。そこは登山関係の品物も扱っていたが、店の主人は何やらやる気なさげだった。そんな主人を尻目に深町は、店の中で古いコダックのカメラを発見した。

深町はなぜこのようなものがあるのか、不審に思うものの、同時に何か予感するものがあった。それは、1924年に人類初のエヴェレスト制覇を目指し、遭難したジョージ・マロリーのものだったのである。何かの歴史的な手掛かりになるかもしれない、そう思った深町はそれを購入するが、盗難に遭ってしまう。そのカメラを探し歩いていた深町は、ある背の高い男と出会う。

その男は地元ではピカール・サン(毒蛇)と呼ばれていたが、実は著名な登山家である羽生丈二だった。羽生もそのカメラを購入したものの、盗難に遭って探していたのである。羽生は多くの実績を残していたが、一匹狼的なところがあり、思ったことをずけずけと口にし、かつてのザイルパートナーの岸文太郎を死なせてもいた。

羽生は第一陣のエヴェレスト登頂隊には結局選ばれず、スポンサーがついていて、しかも対人関係でそつのない印象の長谷渉が選ばれた。その後羽生も冬山を制覇し、その実力が認められて登頂隊に選ばれたが、1985年の登頂で第一アタック隊に選ばれず、しかもノーマルルートということで一人山を下りてしまう。今は車椅子生活となっている長谷からその話を聞く深町。しかもそんな羽生に会いたいという女性がいた。彼に兄を「殺された」岸涼子だった。

羽生はその後何度か単独での、エヴェレスト南西壁の冬季無酸素登頂を目指しては失敗していた。その後姿を暗ませ、ネパールで不法滞在をした後、シェルパのアン・ツェリンの娘と結婚して家庭を持っていた。恐らくもう年齢的にも無理だろうから、南西壁の無酸素単独を目指すという羽生。それを追いかけたいという深町。羽生は、互いに干渉しないという条件でそれを許す。

しかし冬場の、単独無酸素の南西壁登頂は過酷なものだった。気温がマイナス30度を下回る中、吹雪や落石と常に向き合う世界である。追う側の深町は遭難しかけ、羽生に命を救ってもらうことになる。結局羽生は力尽きて下山し、日本に帰って、写真集のためにと撮影した分をすべて燃やしてしまう。その後、岸の妹涼子を伴って、三度ネパールに赴いた深町。生きて帰ってくれと頼む涼子をベースキャンプに残し、単独で羽生の行方を追う。

しかし羽生は、変わり果てた姿になっていた。そこにはマロリーと思しき白人男性の遺体もあった。深町は、彼の荷物の中にフィルムがあるという羽生の幻を見るものの、最早それには目もくれず、涼子が以前、羽生に返そうとしたエメラルドのペンダントを彼の腕にかけ、喘ぎながら一人、涼子の待つベースキャンプを目指して行った。

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まず、山のダイナミックさが感じられる映画です。そして羽生の狂気にも似た南西壁征服の思い、そしてその狂気の男を追い続けるカメラマンの深町。どちらも好演です。また、尾野真千子さんの涼子、風間俊介さんの岸文太郎、佐々木蔵之介さんの長谷渉もいいキャスティングでした。ただ強いていえば、山のシーン以外をもうちょっと詳しく描いてほしかったようにも思えます。ある意味ヒューマンドラマでもあるのですが、山のシーンが所々に入るため、キャラ設定とかドラマとしての展開が、多少わかりづからかった感があります。それと登山が趣味でない私にとっては、耳慣れない専門用語にいくらか違和感もありました。

それと、これは観た方の多くが感じているのかもしれませんが、『永遠の0』にちょっと似た物を感じます。たとえば居酒屋で、若者たちが「山で死にたくないよなー」などと話している時に、深町がブチ切れてつかみかかるシーンがありますが、『永遠の0』で、宮部久蔵の孫に当たる大石健太郎が、友人から特攻はテロだといわれて、やはり激昂するシーンを思い起こさせます。また、最後の方で涼子が「生きて帰って来て」というのもそうでしょう。これは『軍師官兵衛』でも見たような記憶があります。

そして岸文太郎が、登山服としてラガーシャツを着ていますが、実はラガーシャツやラガーパンツは、頑丈で吸湿性があるので、アウトドアにぴったりなのです。以前ラグビー関係の記事で書いていますが、ラグビーライターの大友信彦氏が、登山の際にジャージーを登山服として愛用していたというのを思い出します。

[ 2016/05/18 00:45 ] 映画 | TB(-) | CM(0)

残穢-住んではいけない部屋-

『残穢-住んではいけない部屋-』を観に行きました。既に前評判でかなり怖いとか、ホラーとかといわれていた作品ですが、実際に観ていてやはり怖かったです。単に怖いというより、怨念のようなものを感じるといった方が正しいかもしれません。

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主人公の「私」は小説家で、雑誌に読者の実体験である怪談も執筆している。かつてMさんという人が、子供の頃泊まった遠い親戚の家の、河童のミイラの話を題材にしたこともあった。今回は都内の学生「久保さん」から、写真が同封された手紙をもらった。大学でミステリー系サークルに所属している久保さんは、寮を出て憧れの一人暮らしを始めたが、その部屋で何か物音がすると書いていて、同封されていた写真は、物音がする部屋のものだった。

久保さんと何度か会って、彼女が住むマンションの土地について、近所の人にも協力を得て調べたところ、そこにはかつてかなり大きな家があったことがわかった。しかも久保さんの部屋のみならず、隣室や上の階の方でも物音がしていた。物音は何か台がひっくり返るような音、そして布が地面を引きずるような音だった。調べて行くうちに、かつてその敷地にあった家で、和服を着た女性が自殺をしていたことがわかる。

台が引っくり返るような音はその時のものだった。また布が地面を引きずる音も、ほどけた帯が畳の上を引きずる音だった。しかも上の階の住人の子供が、いわゆる「見える」子で、首吊りの死体を目撃していた。調べて行くうちに、前に住んでいたいくつかの家族には問題があったこと、そしていたずら電話をしまくる子供がいたこともわかり、久保さんの隣室の人は、その正体不明のいたずら電話に悩まされていた。また久保さんの前に住んでいた人は、近所にはいないはずの赤ん坊の声に悩まされていた。

その人は、その後引っ越した後に自殺していた。その自殺した部屋には、今は別の人物が住んでいた。その物件の大家さんに話を聞くと、その人は自殺する前に大家さんにあいさつに来たが、深夜ということもあり、翌朝にしてくれと大家さんは言って、そのまま眠ってしまったらしい。夢だと思っていたのが、自殺していたことがわかってかなり驚いたようだった。

私はその後、やはり作家の夫と新居に移った。結局久保さんの隣室の家族は転居し、久保さんも別の部屋に引っ越した。そこは音もなく快適だと久保さんは言っていた。また作家仲間の協力を得て調べて行くうちに、かつてその家に住んでいた家族のこと、その家には精神を病む息子がいたことなど、一連の怪奇現象とのつながりが色々わかって来た。

中でも、その家に嫁入りした女性は、九州で炭鉱を営む家の出身だったが、その女性が嫁入りの際に持参した掛軸が、何らかの災厄をもたらしたようだった。福岡県出身でこの手の話題に詳しい会社員に話を聞くことになり、その人は話をするだけでも祟られる怖い話だと前置きしたうえで、話を進めた。

かつてその炭鉱で火事があり、何人かの炭鉱労働者が犠牲になっていた。実はMさんがかつて泊まった家は、その家の後に建てられたものであり、河童のミイラの正体はその労働者たちだった。結局私は、持病の肩こりが悪化していていたものの、作家仲間、そして久保さんと今はミステリースポットとなったその家に忍び込み、そこですべてのことを知った。その家の中は神棚や祭壇が多く見られ、またお札なども沢山貼られていて、また主人はいわくつきの怖いもの、持つ人が不幸になるといった物のコレクターでもあった。あるいはそれで、自分に起こる犠牲となった労働者の怨念を防ごうとしていたのかもしれない。

しかしこの、事故物件のマンションを探す旅はいつまでも終わりそうになかった。そんな折久保さんが、事故物件でないはずの自分の部屋でまた物音がするようになったこと、そして、そろそろこれを止めないかと提案して来た。そしてその後、かつて久保さんの隣に住んでいた家族が、無理心中したとテレビのニュースで報じられ、私や久保さんを始め、この話に関わった人たちにも、様々な異変が見られるようになって行った…。

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ごくざっとしたあらすじですが、グロテスクな物があまりない代わりに、何か精神的に訴えかけてくるものがあり、かなり日本的なホラーともいえますし、いささかの後味の悪さも感じられます。また「私」が仲間とミステリースポットに出かけるシーンには、多少ミステリー的な雰囲気もあります。

「私」を演じたのは竹内結子さんですが、ご本人は撮影中かなり怖かったと語っています。また「久保さん」が橋本愛さんで、作家仲間の平岡夢明(平岡芳明氏がモデル)が佐々木蔵之介さんですが、この平岡の嵌りっぷりが妙にインパクトがあります。女性がメインの割には女性らしい絶叫系の怖がり方がなく、この手のことに興味を持ち、冷静に物事を進めて行く中で怖さが見えて行く展開になっています。

[ 2016/03/15 21:30 ] 映画 | TB(-) | CM(0)

真田丸と風林火山とアフタースクール

やっと『花燃ゆ』が終わったと思ったら、今度は『真田丸』がどうこういわれているらしい。マスコミも結構煽りたがるところはありますが、まだ始まりもしないうちからあれこれ詮索するのもどうかと思われます-形を変えたPRと思えばいいのでしょうが。尤も『花燃ゆ』の場合は、一般女性の大河主人公という、かなり難易度が高い設定になっていたこと、しかも「幕末男子の育て方」なる、ある種突っ込まれそうな触れ込みだったこともあり、放送前からあれこれ言われてもやむを得ない部分もありましたが。

ところで『真田丸』の予習も兼ねて観ている『風林火山』、最終回は、第四次川中島の戦いが舞台となっています。所謂川中島の戦いの中で、最もよく知られているものです。この時、武田信玄は上杉謙信に謀られて妻女山に別働隊を派遣するのですが、実は上杉軍はもう山を下りていました。慌てて勘助は別働隊を下山させるも、数の上で劣勢な状態で戦闘に踏み切らざるを得なくなります。そして彼もこの戦いで戦死しますが、既に致命傷を負っていると思われるのに、なおも敵方めがけて突っ込んで行く姿には鬼気迫るものがありました。

この戦いと前後して、別働隊の一翼を担っていた真田幸隆の軍と、村上義清の軍勢が相討つところもあります。村上に勝利した真田の軍勢が、川中島に到着するのを見て、瀕死の勘助は勝利を確信するのですが、しかしいまわの際に六連銭の旗を見せるとは、かなり凝った演出です。この当時は毛利も、調略に優れた元就のもとで勢いを伸ばしていましたが、東海や甲信越の武将に比べると、毛利は水軍まで持っていたのに描かれる機会は少ないようです。幕末に再び勢いを盛り返すということもあるのでしょうが、今までメインでの登場が『毛利元就』、その後昨年の『軍師官兵衛』で触れられていただけのような記憶があります。

ちなみに『風林火山』で真田幸隆を演じていた佐々木蔵之介さんと、『真田丸』で真田兄弟を演じる大泉洋さん、堺雅人さんが映画『アフタースクール』で共演していたことがあります。大泉さん演じる、ある中学校の教師の前に、いきなりかつてのクラスメートだと言って、佐々木さんが演じる謎の男が現れます。実はこの男は探偵で、結局先生の方は無理やり捜査につき合わされることになるのですが…。大泉洋さんといえば、初めて名前を知ったのが2003年のアニメ映画『茄子 アンダルシアの夏』でした。スペイン一周自転車レース(ブエルタ・ア・エスパーニャ)を描いたもので、主人公のペペの役でしたね。

それから、『真田丸』の放送前に、これだけは恐らく確実かと思われることが1つあります。三谷さんの脚本は、結構笑わかし、くすぐりが入るということです。これは舞台でも人形劇でも同じです。このへんの賛否両論はあるかもしれません。あと、設定が多少舞台的になるだろうと思います。三谷人形劇が結構楽しめるのは、人形劇と舞台に共通するものがあると考えられますが、大河では控え目にした方が恐らくはいいでしょう。

飲み物-マティーニ
[ 2015/12/17 01:50 ] 大河ドラマ 真田丸 | TB(-) | CM(0)

動く森 スコットランド『マクベス』紀行

では本についてです。

フォトブックといっても単なる写真集ではなく、メインテーマであるマクベスを巡る旅の記録と解釈するべきでしょう。城に宮殿、劇場やホテルやパブなど様々な場所での佐々木さんの、これまた様々な表情と、マクベスへの思いが込められた文章、そして、戯曲『マクベス』からの引用が融合して、不思議な旨味を醸し出す一冊になっているといえます。
ご本人の文章も示唆に富んでいますし、写真のレイアウトもいい。マクベスに興味がある人、スコットランドに興味がある人、佐々木さんのファンの方すべてにお勧めです。本当は、舞台を観てから読むとベストなのでしょう。ナショナル・シアター・オブ・スコットランドのディレクター、ニューウォール氏及び、『風林火山』で共演後交遊関係にある市川猿之助さんとの対談があるのも、ポイントが高いです。
ちなみに今回はパブもあまり行けなかったようで、加えてウイスキーの蒸留所にももっと足を運びたいとのこと。今度はスコットランドを飲み尽くす旅について、一書をしたためていただきたいものです。

ちなみに「動く森」は、マクベスの中に登場するフレーズで、バーナムの森の事です。この森の、いわば「結界」的な性格が指摘されているのもまた興味深いものがあります。
(画像はAmazon.co.jpより)
動く森

[ 2015/11/24 00:36 ] | TB(-) | CM(0)

ゴールドバーグ版『マクベス』

超高速!参勤交代 その2で、俳優の佐々木蔵之介さんのフォトブックについて触れていましたが、この本を購入して、読んでみました。予想にたがわずというか、なかなか面白いです。感想はこの次の分に書きますが、この本のモチーフになっている『マクベス』は、もちろんシェークスピアの『マクベス』ですが、今年の夏にご本人が演じたのは、舞台を精神病院に設定したかなり前衛的なものです。

マクベス|PARCO STAGE

精神病院といえば、『カッコーの巣の上で』というのがありましたが、あれへのオマージュなのでしょうか。しかしマクベスといえば、かのロック・ホーム=間久部緑郎をどうしても思い出します。


[ 2015/11/24 00:04 ] その他 | TB(-) | CM(0)

京極夏彦ラジオドラマ 『百器徒然袋』

ご存知の方も多いと思いますが、2006年から2007年にかけてAMラジオで放送された作品です。何日か前に、佐々木蔵之介さんに関しての投稿で「ラジオドラマ」と書いたのはこれに関してです。尤も私もリアルで聴いていたわけではなく、ひとから教えてもらったのですが。キャストは以下の通りです。

出演
  • 榎木津礼二郎-佐々木蔵之介
  • 京極堂(中禅寺秋彦)-高嶋政宏
  • 益田龍一-石井正則(アリtoキリギリス)
  • 僕(本島)-田口浩正
  • ナレーター-夏木マリ
ゲスト出演 

第1話「鳴釜」
  • 早苗-山崎和佳奈
  • 篠村精一郎-辻村真人
  • 金ちゃん-梅津栄
第2話「瓶長」
  • 木場修太郎-ゴルゴ松本(TIM)
  • 今川雅澄-斎藤洋介
  • 雲井孫吉-蟷螂襲
第3話「山颪」
  • 関口巽-上杉祥三
第4話「五徳猫」
  • セツ-大路恵美
  • 小池英恵-野村真美
第5話「雲外鏡」     
  • 神無月鏡太郎-関秀人
第6話「面霊気」
  • 羽田隆三-妹尾和夫
2013年に違うキャストでもう1度放送されていて、そちらはCDが発売されているのですが、生憎この2006年から07年の方は、CDがかなり入手しにくい状態となっています。あるいはネット上で聴けるかもしれません。本当は再販を希望したいところです。

しかしなぜシャーロック・ホームズのタグなのかと思われるでしょう。私が時代劇版ホームズを考えているのは、これまた何度か書いています。主な登場人物のキャラ設定は一応終わりましたが、実はその江戸版ホームズのモデルが佐々木さんなのです。最初伊勢谷友介さんをイメージしていましたが、途中で多少趣向が変わりました。変人ぽくて飄々として眼力が鋭いけど、どこかちょっと抜けてて憎めない、そんな感じにしてみたいです。と言いつつ、アップするまでもう少しかかりそうです…。 
マティーニ 
 
[ 2015/11/16 23:23 ] ドラマ | TB(-) | CM(0)

超高速!参勤交代 その2

さてこの作品ですが、『一路』を観ていた方でまだ観ていない方にはお勧めです。あちらは正統的参勤交代ですが、こちらは何ともイレギュラーな参勤交代で、そのギャップがまた面白く感じられます。それにしても家臣の今村役が、『相棒』で鑑識官米沢守を演じている六角精児さんとは(笑)。しかし、いざという時の行列要員として、中間などのいわば「派遣」というのは現実に行われていたのでしょうか。ところで、この湯長谷藩は小藩であまりゆとりがないため、将軍家への献上品は大根の漬物という設定になっています。それを老中は鼻でせせら笑い、内藤政醇が国許で何かの如く味わう鯛にしても、うまいものではないという始末。まあ、何とも嫌な奴です。しかしこの政醇という殿様は、鯛の片身を食べるのにひっくり返すのですか…お行儀悪いなあ。尤も江戸ではできないから、せめて国許ではということなのでしょう。

作品を観ていて感じるのは、この殿様は何とも実直で領民思いの藩主であるということです。また家老の相馬に全幅の信頼を置いていて、何かあれば「相馬、知恵を出せ」となるわけで、この強行軍を如何に突破するかも、殆どが相馬の発案によるものです。またこの藩は会津に存在した実在の藩で、当然ながら言葉も会津弁になっています。「だけんじょ」(だけど)なんて聞くと、正に『八重の桜』の世界を連想します。またウィキ記事によれば、本家筋である磐城平藩はその後日向に転封されますが、この藩はその後もここで領地を保ち、幕末には奥羽越列藩同盟に加わって、新政府軍とも戦っています。内藤政醇は4代目藩主で、忠孝、倹約、扶助を旨とした藩法を定めています。

しかし佐々木蔵之介さんはこういう役が様になりますね。外連味が少ないというか。いつも思うのですが、この人は蔵元の息子さんらしく、品の良さが感じられます。上背もありますし、年齢にふさわしい落ち着きもありますから、結構トラッドぽい格好、たとえばネイビーのブレザーとかツイードの上着とか、チェスターフィールドのコートなども着こなせそうですね。そういう格好の佐々木さんも見てみたいものです。私にしては珍しいことですが、スコットランド紀行のフォトブックが出ているようなので、買ってみようかな…。

お洒落なランプとグラス 


[ 2015/11/13 00:45 ] 映画 | TB(-) | CM(0)

超高速!参勤交代 その1

享保20年(1735年)のこと。磐城国湯長谷(ゆながや)藩の藩主、内藤政醇(まさあつ)と藩士達は、江戸への参勤から1年ぶりに帰国し、故郷を満喫する。藩は4年前の飢饉により財政困難状態であったが、政醇は近隣の藩へ米の援助を続けており、年貢を上げようとする藩家老の相馬兼嗣(かねつぐ)の意見には反対していた。そんな折、江戸屋敷詰めの家老が駆けつけ、老中松平信祝(のぶとき)からの至急参勤せよとの書を持参する。藩の金山の届出に不正があったとのことで、5日以内に参勤しないと藩は存亡の危機に陥る。江戸への道は最低8日間かかるのだが、政醇は江戸行きを決め、どう乗り切るか相馬に案を出させる。

相馬が政醇を含め7人で出発し、役人のいる宿場だけ人数を雇い、それ以外は山越えをするという案を打ち出したその時、政醇は槍を取り、天井の一隅を突く。そこには抜け忍(ぬけにん、忍者を辞めて帰農している者)の雲隠段蔵が忍んでいた。段蔵は100両出せば、山越えを手ほどきするという。参勤の費用で頭を悩ませていた政醇と相馬はこれに乗る。2日目の早朝、政醇、相馬、荒木源八郎、秋山平吾、鈴木吉之丞、今村清右衛門、増田弘忠は段蔵に率いられて江戸へ発つ。5日間の強行軍のため駕籠や毛槍などはなし、刀も竹光という出で立ちだった。

一行は高萩宿に到着するが、そこには行列要員が25人しかいなかった。本来はその倍の50人の人数が必要なため、宿役人の目の前を通り過ぎた後、回り道して戻って行列に加わり、人数をそれなりに見せるという苦肉の策を採る。また、水戸の徳川宗翰(むねもと)の行列がやってくるが、政醇は幼時のトラウマで閉所恐怖症となり、駕籠に乗れなかった。駕籠には猿の菊千代を乗せて自身は馬を使用しており、その場は腹話術で乗り切る。一行は山道を行き、野宿をするが、その彼らを隠密たちがつけ狙っていた。その後段蔵は礼金をもらい、次の牛久宿で落ち合った時に残りの謝礼をもらう約束だった。政醇は牛久宿までは馬を使うことにし、その前に段蔵に、「このような物しかないが」と家宝の脇差を与える。
 
3日目、政醇は牛久宿の鶴屋に到着するが、いさかいから木に縛られている遊女のお咲を見て、あの女をと所望し、寝る代わりに背中と腰をもませ、両腕の赤い部分(入れ墨の跡か)に傷薬を塗ってやる。相馬たち一行は廃寺に転がり込むが、段蔵は報酬を得て消えてしまい、夜半に目を覚まして水を飲んでいた相馬は、そのまま井戸に落ちてしまう。そこへ公儀の隠密たちがやって来る。一行は大見得を切るも竹光では太刀打ちできず、逃げ出してそのまま谷に落ち、流されてしまう。一方で政醇はおたずね者になり、お咲たちは政醇の紋章である、下がり藤の紋の客に気をつけろと、鶴屋の女将から言い渡される。その後役人が宿を改めに来たため、政醇は閉所が苦手ながらも、やむを得ずお咲と共に押し入れに逃れる。一方報酬が手に入った段蔵は芸者遊びをしていたが、実はその金は古銭ばかりだった。

4日目、谷に落ちた家臣たちは一行は岸にたどり着くも、相馬がいないことに気づいて水死したのだと決め込む。その場所は既に牛久宿よりも先の藤代宿であったため、彼らは先を急ぐことにして、吊り橋を渡る。高い所が苦手で吊り橋と格闘していた鈴木は、背後に何かがいることに気付いて恐怖におののくが、それは井戸に落ちた後、何とか追いついた相馬だった。一方政醇は、お咲と共に馬で牛久宿を発つものの、途中で隠密に出会い、お咲を人質に取られてしまう。政醇はお咲か藩かの苦渋の選択を迫られ、降参しようとしたところに、ある大身の武士がやって来て、信祝の命により、政醇を殺さずに江戸に連れて来るよう隠密に命じる。その武士は実は段蔵が化けたもので、段蔵はその場で隠密たちを斬り、政醇はおかげで何とか窮地を切り抜けた。
 
家臣たちは取手宿に着いたものの、行列のために雇った中間(ちゅうげん)達は、1日余計に待機した分の手当てを払えといい、しかも行列用の道具を持ち去ってしまう。そこへ本家筋である磐城平藩主・内藤政樹の行列がやって来て、相馬たちを自分の行列に入れさせてくれた。これは、飢饉時に政醇に米をもらった礼であった。その後格上の仙台藩の大名行列がやって来たため、一行は飛脚に変装して行列を追い越して行った。飛脚は大名行列であっても追い越すことができたためである。
 
5日目、一行は磐城藩江戸屋敷に着いた。政醇の妹である琴姫は飛脚姿の一行に驚きながらも、江戸屋敷の人間を総動員して体裁を整え、江戸城に向かう。しかし馬でやって来た政醇とお咲はお庭番に待ち伏せされてしまい。そこに家臣たちがやって来て、今度は真剣で堂々と勝負し、最終的に段蔵がこれに加勢する。そして江戸城大手門では老中の松平輝貞、松平信祝が一行を待っていた。刻限の暮れ六つの鐘が鳴り終わろうとした時、弓矢に長けた鈴木が鐘に矢を当てて再度鳴らし、刻限を延ばして何とか一行を江戸城に入れた。政醇は、湯長谷藩では金を産出しないことを述べ、その責任をどう取るおつもりかと信祝を問い詰める。信祝は信貞により謹慎を命じられた。後に徳川吉宗に拝謁した政醇は、吉宗から、信祝が隠密を使うことにより私腹を肥やしている旨を聞かされ、敢えて政醇を参勤させて、信祝の罪を暴こうとしたのだった。
 
そして江戸屋敷では、お庭番との戦いの際に重傷を負った秋山を琴姫が看病する。段蔵は報酬をすべて政醇に戻し、その政醇はお咲を側室に迎えて国許に置くことにした。しかし、今村が帰途突然「行きの分の費用しか予算を組んでいなかった」と言い出し、帰りの旅でも一行はまた経費節減のため、今度は湯長谷藩に向かって走り出す。
[ 2015/11/13 00:40 ] 映画 | TB(-) | CM(0)
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Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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