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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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ラグビーワールドカップ個人的予想

もうリーグワンも閉幕し、これからは代表強化試合とワールドカップとなります。と言うか、あと3か月ちょっとでワールドカップは本番を迎えることもあり、今回日本はどのくらいまで行くべきか、ちょっと予想してみたいと思います。

前回は日本は初のベスト8入りを果たしました。無論これは自国開催で、リーグ戦では南半球の強豪と当たることもなかったというのも幸いしています。その代わり別のプールで南アとNZがぶつかり、南アが負けるという波乱がありました。

しかもリーグ戦で負けたチームは優勝しないというジンクスがあったにもかかわらず、その南アが優勝したという、その意味でも画期的な大会でした。

そして今回はフランスで行われる大会であり、リーグ戦の相手は以下のようになっています。

チリ
イングランド
サモア
アルゼンチン

チリとサモアに勝つというのは最低条件としても、イングランドとアルゼンチン、どちらかに勝たないとベスト8には進むことができません。この2チームはやはりなかなか手ごわいです。しかもサモアもどう出てくるかわからないのです。

チリに関しては、全く未知と言うほかはありません。無論代表スタッフは情報分析をして、対策を練ってはいるでしょうが、フランスでの大会でもあり、その意味でも4年前に比べて、当然いくらかのハンディはあるでしょう。

個人的に、今回もベスト8に入れば私としてはよしとしています。無論代表首脳陣が目指すベスト4進出は期待していますが、イングランドかアルゼンチン、このどちらかに勝つだけでも、それなりの意味はあると思います。無論勝ち点も大きな意味を持って来ますので、負けても4トライ以上、ファイナルスコアは7点差以内はきっちり確保したいものです。

このリーグ戦に関して、三重ホンダヒート所属で、アルゼンチン代表のキャプテンを務めた経験があるパブロ・マテーラ選手は、日本とアルゼンチンが、イングランドを破ってベスト8入りすると語っています。

アルゼンチン代表元主将のNO8マテーラ「アルゼンチンと日本が8強に行く」…W杯フランス大会まで100日
(スポーツ報知)

それと気になるのが、やはり新型コロナウイルス対策です。この大会ではバブル式が採られるのでしょうか。外国で変異株が広まっていたりもしましたし、また日本でも5月以降いくらか増加傾向(特に沖縄で増加)にあるようで、油断はできません。


飲み物-テーブルの上のスタウト
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[ 2023/06/02 01:45 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

『ラグビー黒書 145点を忘れるな』の中尾氏コラムについて-3

最近ちょっと書いていなかった『ラグビー黒書』関連です。この中尾氏のコラムでは、どう考えても、他者を誹謗しているようにしか見えない表現を使用していることは、前にも書いています。「コウベ真理教」などはその最たるものですが、こういうのもあります。

連日のカジノ通いだって、だれにも相手にされない孤独なソンシの夜な夜なのテレフォン攻撃から逃げるためだったという見方(ジョーク)だって成り立つわけです。

この「カジノ通い」ですが、南アの治安の問題からして、なかなか外出する機会がなく、一部の選手が繰り出していたという話は見聞きしたことがあります。しかしそれをはっきり伝えた記事は、残念ながら見聞きしたことがありません。そのように言われていたということ、そして平尾氏もその1人だったというのはわかっています。これは後で平尾氏自身もそれに言及したというのを、ある書物で読んだことがあります。

しかし、この書き方はないだろうなと思います。ここで「ソンシ」というのは、その少し前のページで「スモール・ブッシュ」と書いていた、当時の代表監督小藪氏のことと思われますが、表現方法が色々変わりますね。その方法のいずれもが、これは如何なものかと思われますが。

そしてブルームフォンティン(1995年大会の日本の合宿地そして3試合を戦った都市、南アの司法上の首都)ではこういうことがあったと書かれています。

「それは白井さん(当時の白井協会専務理事で強化委員長)にきいて」
「平尾が決めたことだ」
「ボクはアドヴァイスしただけです」
三日間の間で、こんな責任のなすり合いが毎日あったといいます。それは、初戦のメンバー選考の時に顕在化しました。吉田義人、田倉政憲をはずすという不可解な人選は、結局のところ責任者が曖昧なまま行われました。

吉田選手(左ウィング、1991年大会ではアイルランド戦でのトライを評価された)、田倉選手(プロップ)外しに関しては他に大友信彦氏も書いていて、こちらの方がことの経緯がわかるようになっています。無論この2名を強豪ウェールズ相手に外した理由については疑問が残るところです。その一方で、
「毎日あったといいます」
とは、無論本人が取材したわけではなく、他の誰かからの伝聞と言っていいし、実際このような会話があったのかどうかの裏付けももちろん不明です。

しかも中尾氏は、このコラムの最初の方で、この95年大会の中継局をめぐってひと悶着あったといった意味のことを書いており、しかもそちらの方では

という、というの繰り返しでお分かりのように、この話はすべて複数の民放関係者経由の伝聞の伝聞で成り立っています。

となっています。ならば、前出「毎日あったといいます」も、現地で取材した記者からの伝聞ですとでも書いておけばいいのですが、なぜかそうなっていません。

それとこのコラム、タイトルは
「どうして誰も惨敗の責任を取らなかったのか?」
となっていますが、実際のところ平尾氏の、主にキャリアに関する文章がその大部分を占めています。最終的には平尾氏がモラトリアム体質、傍観者であるといったことが、いくらか揶揄を込めて書かれており、そしてこう締めくくられています。

平尾誠二の後半生は、もう決まりました。145点の烙印、汚名をすすぐ。これしかありません。これまで、ラグビー・フットボールから受けた恩恵ーそんなものはない。個人的なフィフティ・フィフティの関係なのだから、他人にとやかく言われる筋合ではないと、この期に及んで反論するかも知れないが-を、少しずつ還元するしかありません。が、その前に、ファンに対して潔く謝罪すべきでしょう。次いで、宿題-松尾・釜石に何故勝てなかったのか―を解くことです。

95年ワールドカップでの惨敗とその責任について書くのはいいのですが、中尾氏の場合どうも枝葉にこだわるようなところがあります。

しかも
「145点の烙印、汚名をすすぐ」
などと、まるで今後の代表強化責任者就任を期待するような発言をしながら、いざ監督に就任すると、監督制度の批判者だった平尾氏が監督とは皮肉だといったことを書いたりしています。そもそも「恩恵を少しずつ還元する」「何故(同志社が)釜石に勝てなかったのかを解く」というのは、具体的にどういうことを望んでいるのでしょうか。

そして、

一番の特急戦犯のスモール・ブッシュには、今後ラグビー場で見かけたら、皆で後ろ指をさしてヒソヒソ話の種として末永く、語り継ぎたいと思います。あたかもトウィッケナムにおける前列の観客―レフェリーが反則を見逃すと立ち上がって反則のあった地点をずっと指差して、いやがらせをする―のごとく、ブラック・ユーモアの毒をたっぷり味あわせてあげたいと思います。

嫌な人ですね(苦笑)。トウィッケナムの観客の場合は、それがかの国のラグビー文化の一部として根付いているとも思われますが、日本の場合、こういう形でいわば個人攻撃をするのが、文化として根付いているか疑問です。要は中尾氏が「ファンにやってほしいこと」でしょう。

しかし、これも前の投稿に書いていますが、この当時の代表を「サイテーの指導者に率いられたサイテーの男たち」「人間の屑」呼ばわりする一方で、このようなことを書くのもどうかと思いますね。


飲み物-パブのビール1
[ 2023/05/27 01:30 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

『ラグビー黒書 145点を忘れるな』の中尾氏コラムについて-2

『ラグビー黒書』関連その2です。
中尾氏が、の1995年ワールドカップに参加した、ラグビー関係者の一部を符牒で記す、サイテーの指導者に率いられたサイテーの男たち、あるいは人間の屑である戦犯たちを、今後は眼の汚れ、筆の汚れとして一切実名を記さないなどと書いていることは、2つ前の『黒書』関連投稿でお伝えしています。このような書き方自体どうかとは思いますが、その符牒で表す人物として

スモール・ブッシュ
宿(ふつか)酔いのウイング
ヤス

の3名を挙げています。スモール・ブッシュとは当時代表監督小藪修氏のことで、宿酔いのウイングとは、その当時神戸製鋼に在籍していた増保輝則氏のことです。そしてヤスとは、サンスポの記者を指しているようで、中尾氏曰く
「見当違いなラグビー記事と大本営発表を垂れ流して紙面を汚し続ける」
のだそうです。小藪氏に対しては、
「今日の惨敗を想像できないほどの精神遅滞にあったが、責任能力を問えないほどではない」
そして増保選手に対しては
「腹の出たウイングとも、スモーキン・ウインガーとも言う。いかに少ないトレーニングで沢山のトライをとるかというテーマをライフ・ワークとしている」

そして中尾氏の場合、例によって例の如くと言うべきなのでしょうか、小藪氏関連で
「精神遅滞にあった」、またはその前の記述にありますが
「辞任要請をうけながら監督の肩書を守り通した”我慢”の男」
「監督期間後半はスケープ・ゴートとしての役割を期待されながら、その自覚がなく薄ら笑いでごまかし、それを見た南アでの日本代表のボディガードが、「あいつを解雇(ポア)しろ」と叫んだ」
「我慢」は小藪氏の座右の銘だったようですが、何か揶揄している感は否定できません。しかしこの「ポア」、こういうのもやけに某カルト教団になぞらえたがっていますね。

そして増保選手。実際この人は当時かなり太っており、しかも私生活も節制のあるものではなく、リザーブとして代表スコッドに名を連ねていながら、試合の前夜酒を飲んでいたとも伝わっています。但しだからと言って
「サイテーの指導者に率いられたサイテーの男たち」
は如何なものでしょうか。

この大会の代表は、同じ本の大友氏のコラムを見る限りでは、あまり統率が取れていたとは言えませんでした。コーチ陣が注意を与えなかった点、他の選手もそれに言及しなかった点では、コーチ陣も選手も何らかの責任はありそうです。しかしそんな中でも、自分に厳しくあろうとし、たとえばオールブラックス戦でトライを挙げた選手もいたわけです。

チームの問題点に目を瞑っていたのは責められるべきですが、劣勢の試合で2トライ挙げたまでをも無視してサイテー呼ばわりされたのでは、当該選手は浮かばれないでしょう。しかしもしこれが海外強豪国であれば、当該選手はマスコミにチームのことをリークしたのではないかと思います。ちなみに増保選手はその後体を絞り込み、この当時のことを「慢心していた」と振り返っています。

尚中尾氏によれば、その他にもシギーとかゼンジーとか何名かいるとあります。シギーとは当時日本協会会長だった今野滋氏、ゼンジーとは専務理事だった白井善三郎氏のことです。(個人的には、ゼンジーといえば昨年の大河の『善児』を思い出すようになっています)

しかしなぜ中尾氏は、こういう符牒で呼びたがるのでしょうか。「サイテー」だから、「眼の汚れ、筆の汚れとして一切実名を記さない」というのだけが理由ではなさそうです。寧ろ、同人用語あるいは隠語に近いものがあると思われます。

この狂会本が、最終的にラグビーオヤジの同人誌的な存在になったと私は書いていますが、要はこういう符牒に隠された意味を知っている自分たちは目利きであるといった、一種の連帯感と呼ぶべきなのかも知れません。内集団バイアス(所謂身内びいき)に似たものもありますし、正直言ってどこかイキった、中二病的な印象をも与えます。

飲み物-グラスに入った黒ビール
[ 2023/05/21 00:15 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

『ラグビー黒書 145点を忘れるな』の中尾氏コラムについて-1

では『ラグビー黒書』に行きたいと思います。

まず中尾氏のコラムに出て来る、過激なというか相手をディスっていると思われる表現について。一部の表現に関して、つまり特定人物は実名でなく符牒で表記するというのは、前回の「黒書」関係でも書いています。たとえばこんな具合です。

一方では、能力がありながら責任を引き受けず、ひたすらええ格好しいですませている人間がいます。言わずと知れたあの人です。
今やラグビー界の上祐-この場合、スモール・ブッシュはソンシ(損師、損に傍点)となる-とも言われ、心あるラグビー・ファンをガッカリさせたええ格好しいの男、平尾誠二のことです。

とあり、さらにこれに関してええっと思ったファンはその存在自体が犯罪であり、

そう、あのオウム一般信者と同列の存在なのです。

とまで書かれています。ファンの見方など様々だと思うのですが、それをここまで断罪しているわけですね。
そしてその後に、わざわざ「コウベ真理教」なる小見出しがあり、

コウベ真理教において、平尾は尊師でありグル(導師)であるという役割を、表面的には嫌がることなく、立派に果たしているようにも見えます。

ともあります。要は神戸製鋼では指導的立場(但しこの当時、平尾氏は指導者でなく選手)だから、日本代表でもそれをやれと言いたいのでしょう。無論中尾氏は、平尾氏が代表監督になればなったで叩いたわけなのですが。

そもそもこのコラム自体が、ワールドカップでの日本代表の敗戦の分析、あるいはその準備の足りなさを指摘したと言うよりは、平尾氏批判、もっと言えば平尾氏叩きにしか見えません。

これは『ジャパン幻のキックオフ』の小藪氏叩きと通じるものがあり、またこの前に平尾氏が臨時コーチとして代表を指導し、選手から信頼をおかれた点には何ら言及していませんでした。またこの後、中尾氏の著書そして狂会本の一部が、何らかの形でやはり平尾氏叩きメインとなった感が少ながらずあります。

そして前の投稿でも書いていますが、ネットなら炎上しかねない表現だなとさえ思います。批判自体はまあいいでしょう。ただ、この年世間を震撼とさせたカルト教団に当時の日本代表を、それも強引(と言っていい)になぞらえている点には首をかしげたくなります。

無論145点に失望したファン、そしてこの記録を叩き出した、オールブラックス戦に平尾氏が出なかったことが不満だったファンもいたと思います。実は、私もこれには失望しました。

しかし中尾氏のこのコラムでは、その点を建設的に論じると言うよりは、最初に非難ありきのもと、過程を追うこともソースを引用することもなく、自分が気に入らない存在としての平尾氏を、攻撃しているようにしか見えません。そしてそれは、中尾氏が絡むそれ以外の記事にも言えることではあるでしょう。

次回も中尾氏が特定の人物を、しかも傍目からは如何なものかと思われるようなやり方で、叩いている点について書きたいと思います。


飲み物-ジョッキのビール
[ 2023/05/19 00:45 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

ラグビー狂会本『ラグビー黒書 145点を忘れるな!』に行く前に

そろそろこの本について書きたいと思います。が、その前に。

久々にざっと目を通したところ、コラムのテーマや執筆の仕方はやはり人それぞれで、中には比較的まともと思われるもの、あるいは今後のアマチュアリズムの終焉(プロを認める、所謂オープン化)に言及したものもありました。

その一方で、やはりこの時の日本代表をかなり叩いたコラムもありました。そして、中尾氏のコラムがその最たるものであることをここで書いておきます。

無論この時の成績、あるいは準備などは、叩かれても仕方がない部分もありました。これは以前『ジャパン幻のキックオフ』関連で書いたように、当時の代表監督小藪氏が、ワールドカップをテストマッチの延長のように理解していたふしがあり、そういう勘違いもまた、このような結果を招いたとも思われます。

さらにこの時第3回を迎えようとするワールドカップは、既に通常のテストマッチとは異なるものとなっていました。尚この当時のテストマッチは、外国に遠征した後、その国の地域代表やユース代表と戦い、正代表とは2試合ほどを行うパターンが一般的でした。

そして当の中尾氏は、自らのコラムでこのように書いています。

ところで、私事ですが、ここで宣言してしまいます。今後すべてのラグビーに関する文章において、ある人物に関しては、まったく個人的な理由から実名を記すことなく符牒で記すことにします。

そしてその理由として、

サイテーの指導者に率いられたサイテーの男たち(中略)ゴミ、あるいはクズ。人間の屑、ラグビー・マンの屑。こういうとき、知恵を絞って表現を工夫する手間が省けていい。これがせめてものなぐさめ。

何が「なぐさめ」なのかいささか不明ですが、最低の記録を作ったからと言って、別に親しくもない相手を、一方的にクズ呼ばわりするのも如何なものかと思います。さらに、

目の汚れ、筆の汚れとして一切実名を記すことをやめようと思います。

令和のネットなら炎上しているのではないかと思います。そして案の定「コウベ真理教」なる言葉を中尾氏が使い出したのもこの時からのようです。要は嫌いな相手を無条件に叩きたくてたまらないのでしょう。

そもそもこの狂会は、中尾氏の言葉ではないのですが、
「より面白いラグビーが見たい、というシンプルかつ深遠な欲求においてのみ結びついている集団」
だったはずです。より面白いラグビーが見たいというのは、とどのつまり、こういう嫌いな相手叩きに徹することなのでしょうか。

そしてこの頃から、狂会本はそれまでとは違う方向へシフトして行ったように思えます。

飲み物-グラスビールと泡
[ 2023/05/16 00:00 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

中尾氏とラグビー狂会 続き

所謂「ラグビー狂会本」の、中尾亘孝氏の95年大会関連記事に行く前に。その2シーズン後の狂会本『ラグビーにつける薬』で、中尾氏は明治大学ラグビー部の不祥事に触れ、ついで1年目の平尾ジャパンについても触れています。

しかしこのいずれもそうなのですが、中尾氏の主観の強さが感じられ、具体的にどのような事件だったのか、あるいは代表チームはどのようだったのかがよく見えて来ません。やはり中尾氏は、好きな対象でない存在にはこのような書き方をするのだなと思う所以です。

既に『ジャパン幻のキックオフ』でもご紹介していますが、この90年代ごろはまだ各人各様で、中には客観的な分析がなされていて、面白い記事もありました。しかしその後データや、自らの取材を基に記事を書くプロのライターがいなくなり、言っては何ですが、ラグビーオヤジの同人誌的な意味合いが強くなったように思います。先日書いた『日本ラグビー凱歌の先へ』のレビューにも、そういった意味のことが書かれていました。

そして中尾氏はこの本の自分のコラムで、平尾氏はそもそも監督制度を否定していたのだから、「改革開放の総設計師」のような立場に移り、海外から超一流のフルタイムのコーチを呼ぶようにと書いています。しかし「改革開放の総設計師」とは、元々鄧小平氏のことを言っていたかと思います。中尾氏は自説を中国関連の人物や事物になぞらえるのが好きなようです。

話が戻ります。海外からコーチをと言っていた中尾氏ですが、私が知る限り、エディー・ジョーンズ氏は褒めていなかったと思います。確かジョーンズ氏が選手たちをいじめたというか、かなりきつい練習をさせたと言い出したのも中尾氏でした。但し、その根拠が不明です。中尾氏はちゃんと現場で取材していたのでしょうか。

そして、2006年から2011年にかけてヘッドコーチを務めたジョン・カーワン氏には、金と時間だけを浪費したと言い、さらに今のジェイミー・ジョセフ氏関連では、狂会本すら出ていません。お望みの、海外からのフルタイムのコーチのはずなのですが、自身が望んだ人物でないから嫌なのでしょうか。そう疑いたくもなります。

これに比べれば、同じ本で平尾氏の取材記事を書いている大友信彦氏などはかなりまともです。と言うか、本来はこういう取材記事だけにして、後は読む人次第で判断させてもよかったのではないでしょうか。

無論特定のライターの、この書き方が好きだと言う人もいるでしょうし、それはそれで否定しません。ただ自分が好きでない対象に関して主観入りまくりの記事を書き、また大学の対抗戦は評価しながら、外国人留学生は嫌いだと言ってみたりする中尾氏が、ラグビーに対してどの程度の敬意を持っているのか、疑問に思ってしまいます。中国を引き合いに出したがる点も含め、武将ジャパン大河コラムと比較したくなる一因です。

大学ラグビーそのものに関しては、前から書いているように、母校を含めあまり関心はありません。ただ大学生がラグビーをするのは無論否定しませんし、大学選手権そのものもあっていいと思います。もちろん外国人留学生もいていいとは思いますが、今後あるいはその在り方を検討する可能性が出てくるかも知れません。

ただ大学の場合、一部のOBがトラブルを起こしたことがあり、そういう点は如何なものかと思います。また新規のファンにしてみれば、なぜ大学にそこまで騒ぐのか、違和感を覚える人もいるかも知れませんし、それに関しては関係者が説明する必要もあるでしょう。また大学生のラグビーの在り方も、今後クラブで育てて公式戦にリリースするべきか(現行のアーリーエントリーをさらに進めた形)、あるいはアメリカ式に大学をプロの下部組織として契約を結ばせるのか、そういう点もまた検討されていいかとは思います。


飲み物-スミスウィックのスタウト
[ 2023/05/12 01:15 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

中尾氏とラグビー狂会

中尾亘孝氏の著書、またはラグビー狂会本に関して折に触れて書いています。その狂会本の1冊、日本がオールブラックスに145失点した時の『ラグビー黒書-145点を忘れるな!』について探してみたのですが、見つからなかったのでネットで購入することにしました。この時から中尾氏は「コウベ真理教」などという言葉を使うようになっています。

その中尾氏、ラグビー協会関係者に対して「なあなあ」であるとか、特定の考えに固執しているといったことを今まで書いて来ています。しかし中尾氏の依然として変わらない姿勢、推しのチーム重視の一方で、特定のチームを殊更に批判したがるとか、狂会も仲間同士だけになってしまった点などは、中尾氏が嫌っていたラグビー協会関係者とそう変わらないように見えます。

以前「『投影』の心理」という投稿をしたことがあります。これは自分が苦手とする対象が自分と似ており、自らのマイナスな部分がその対象を通して入って来る、だからその対象を嫌うということです。つまり中尾氏と日本協会、あるいは平尾氏はどこか似通っているということになります。

この狂会本は、2016年の『日本ラグビー凱歌の先へ』を最後に出版されていません。そしてこの『日本ラグビー凱歌の先へ』のレビューには、こういった内容のものがあります。

前半の3章はまだ読めるが、後半に行くにつれて自分語りが多くなる。特に興味がないおっさんの武勇伝を読まされているようだし、はっきり言って文章が下手である。何を言っているのかよくわからない、内輪受けはするのだろうが、同人誌や所属チームの飲み会ならともかく、売り物としてのレベルに達していないと思う。

結局こうなってしまうのでしょうね。他にもブログで発信していればいいレベルという指摘のレビューもありました。amazonのレビューが、必ずしも当を得ているかどうかはともかく、この2つはうなずけます。

飲み物-ブロンドのエール
[ 2023/05/09 00:45 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

『15人のハーフ・バックス』続き

再び中尾氏の『15人のハーフ・バックス』について。
(すみません、もう少しお付き合いください)

それから先日の投稿分、一応明記してはいますが、意味が通りにくい箇所と明らかな間違いがあったので、何か所かを訂正、加筆しています。高校ラグビーの選手がクラブのユース所属と書いていたのは、もちろんサッカーの間違いです。お恥ずかしい限りです。しかし高校ラグビーの選手が、普段はリーグワンのユースでプレイする日が、早く訪れないかとは思っています。

ところでこの本は、何を出典としたかが比較的わかりやすいこと、データが掲載されていること、さらに1989年に日本が勝ったスコットランド代表が、実は正代表ではなくスコットランド・フィフティーン(XV)つまり選抜であることなどが明記されている点などは評価できます。(一部マスコミは、それからかなり経っても『スコットランド代表』と表記していました)ただし、サッカー関連の記述では、何らそれらしきものはありませんでした。

あと先日投稿したサッカーのプロ化(Jリーグ発足)が、日本の馴れ合い的なスポーツ界の中で英断であるとしているのもまあ理解できます。ただその後、ご紹介したようにどこかネガティブな書き方になっています。それとこの時点で、有給コーチの導入やラインアウトの強化を言い出しているのもうなずけます。一方で、問題提起をしながら、結局自分の書きたいことに終始している様子もまた窺えますが、この後の中尾氏自身の本、あるいは狂会本の記事に比べるとやはりまだまともだったと思います。

ところで中尾氏は、この本の最終章を
「ジャパンがオールブラックスを倒す日」
としており、上記の有給コーチ云々、そしてもちろんサッカー関連の一部の記述もそれと関連しています。しかしその前の章で、当面のライバルを叩けとして、韓国、台湾、米国そしてカナダの名を挙げています。それはいいでしょう。特にこの当時、日本と韓国はアジア選手権では互角とされていましたし、中尾氏はこの中で北米2国のコーチングを褒めています。

そしてこの本が出版された6年後、日本代表監督に就任した平尾誠二氏が、日本はアメリカやカナダより下と言ったことに中尾氏は異議を唱えています。実際この当時の日本代表は、その当時始まったパシフィック・リム選手権で北米勢にいい試合をしながら、勝つことができずにいました。

サイズを除けば北米とは同レベルとは、この97年当時の中尾氏の言葉です。別に平尾氏批判はいいのですが、如何せん中尾氏の記事には、平尾氏や選手の具体的なコメントがあまり出て来ないため、当時のチームの状況がよくわからず、この時も中尾氏の主観が大きく前に出ている感があります。これに関しては97年当時の狂会本の、大友信彦氏の記事を見るのが一番よさそうです。これについてはまた改めて。


飲み物-テーブルの上のスタウト
[ 2023/05/07 01:45 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

『ジャパン幻のキックオフ』大友信彦氏の「藪の中のジャパン」

以前ご紹介した、日本ラグビー狂会の『ジャパン幻のキックオフ』に関して再度。

この頃は狂会のメンバーだったラグビーライターの大友信彦氏が、当時の代表監督であった小藪修氏のインタビューをこの本に掲載しています。この時の小藪氏の受け答えについてですが、恐らく小藪氏なりの考え(FWの力強さ重視)で代表を強化してはいたでしょうが、何となく大雑把な発言が目立ちますし、また、ワールドカップを通常のテストマッチの延長ととらえているふしもあります。

またマスコミに対して、恐らく自分にあれこれ突っ込んで来るのをうるさく思ってもいたようです。聞き手である大友氏に対しても、どことなくぞんざいな口調が目に付きます。実際この頃の日本協会は特に、マスコミに対して上から目線だったともされています。また色々聞き出すマスコミに対して、協会サイドもよく思っていなかったふしもあったようです(あくまでも伝聞です)。

ところで以前、この小藪氏が国内シーン(企業チーム)は商業主義だとコメントしており、この小藪氏を散々に批判していた中尾亘孝氏も同じではないかと書いています。そしてこの大友氏のコラムでは、1994年のフィジーとのテストマッチで、当時の平尾誠二選手が臨時コーチとして呼ばれたことに触れています。このせいもあってか、フィジーには2勝しています。

さらに試合後の小藪氏のちょっと大雑把なコメントに対して、平尾氏のコメントはわかりやすかったのですが、その点について中尾氏は触れていません。この本で中尾氏が書きたかったのは、企業アマについてであって、日本代表は前振りに過ぎなかったのかも知れません。しかし仮にも代表のことを書こうと思ったのなら、この点にも言及するべきだったでしょう。但し中尾氏は元々平尾氏、神戸製鋼が好きでないせいか、無視していた感もあります。

そしてこの大友氏のコラムに関しても、多少突っ込みたくなる部分はあります。小藪氏がメディアは日本代表をもっと盛り上げるべき、協会のプロパガンダに徹しろといった意味の発言をしたのに対し、
「メディアが大政翼賛会になってはいけないと思う。事実は書き残すべきだ」
と書いています。

しかし小藪氏が率いたこの1995年ワールドカップでは、大会前にルーマニアとの試合に勝ったせいか、表立って代表を批判する、あるいは代表が修正する点をピックアップする記事は、私が知る限りありませんでした。そして大友氏自身、南アでの代表チームがチームとして機能していなかったのに、大会中に報じなかったことを、この次の「狂会本」で告白しています。

つまりリアルタイムで事実は書かれなかったわけで、メディアのそういう点も本来は問題視されてしかるべきでしたが、あまり改善されないまま1999年を迎えることになります。そして今はこの点は改善されているのか、これもちょっと疑問です。

飲み物-スノーアンドテル
[ 2023/04/29 01:00 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

中尾亘孝氏「貧者の核爆弾・企業アマ制度考」について思うこと 4

先日分の続きです。突っ込んでいる内に、当初の予定より長くなってしまいました。引き続き、企業アマに対する1994年当時の中尾氏の主張です。

規定を変え、企業アマを純アマとするような無謀な発想をやめたとき、新しいヴィジョンが拓けてきます。
それは、企業アマ制度とは、貧者の核爆弾になりうるということです。この春、NZを憤激させたジンザン・ブルック引き抜き騒動があり、NZユニオンのチェアマンが来日しました。その騒動の際、NZの『ラグビー・ニュース』に発表された公開状で、マーク・フィンレー(元伊勢丹)は、「就職先をトップ・レヴェルのプレイヤーに紹介し、それと同時に彼らをプロフェッショナルのレヴェルの体調に保つということを日本は(企業アマ制度により)成し遂げている」と言い、NZも企業アマ制度を採用すべきと述べています。
NZのアマチュア規定を知りませんが。フィンレーは、企業アマ制度はNZのアマ規定には触れていないとも言っています。

このジンザン・ブルックとは、かつてのオールブラックスのNO8の選手です。この選手のお兄さんがマツダ(現スカイアクティブズ)に所属していました。そしてこの引き抜きに関してのマーク・フィンレー氏の言葉(の日本語訳)の中で、「体調」とあるのは状態とか状況という意味ではないかと思います。恐らく元々はconditionだったのではないでしょうか。

で、ここでタイトルの「貧者の核爆弾」が出て来ます。この場合は貧者=日本、核爆弾=企業アマの意味でしょう。そして中尾氏は、フィンレー氏のアドバイスは一考に値するとした上で、この手のドタバタはいい加減にしてほしいが、先行きは暗いと書き、その後本場に於いてプロフェッショナルとは、プロ(13人制リーグ)の選手しかいないとも書いています。

フィンレー氏の言葉を評価しながら、その言葉にあるプロフェッショナルという表現を否定するようなのはどうかと思いますし、この場合のプロフェッショナルは、専従、つまり1日の大半をラグビーやトレーニングに割けるという意味ではないでしょうか。そしてアマチュアとはその道の愛好者であり、プロとはその道の達人であるとも中尾氏は言います。さらにこうも書いています。

現実は、プレイヤーにとり余りにも過酷です。このままでは、プレイヤーのみがババを引くという結果になります。一刻も早く、プロに対する偏見を改めるべきです。

このプレイヤーというのは、日本人選手のことを指しているのだと思います。日本人でないのなら、それをまずはっきりさせるべきでしょう。その日本人選手は日本の企業アマとしてプレイしており、無論アマチュア規定によってこの当時はいくらか制約を受けていましたが、そこまで「過酷」だったのでしょうか。しかもこの後中尾氏は、

シギー(今野滋氏、当時日本協会会長)にも、IB(現ワールドラグビー)にも、ホーム・ユニオンのエリートにも、選手がプロ化するのとを止めることはできない。
トップ・レヴェルのラガーメンにとって、オフ・シーズンは無いも同然です。フル・タイムの競技者でなければ、ワールド・ワイドの選手権のプレッシャーには勝てない。それほど競技レベルが上昇しているのです。

と書き、さらにフランスの有力クラブやイタリア、そしてイングランドの中核プレイヤー、7人制ラグビーなどは実質プロであると指摘しています。実際フランスとかイタリア(オフシーズンのオールブラックスの選手がプレイしていたことがある)などはそうだったと言えます。

ただ元々は、日本協会のアマチュア規定、そして企業アマはインチキである、企業アマの選手は文武両道ではないなどと書いていたはずです。なのにいつの間にか、プロを認めて選手の救済をといった形に変わって来ています。中尾氏が企業アマが元々のアマチュアではなく、アマチュア規定にも問題があると指摘したいのであれば、企業アマの問題点やアマチュア規定の再検討、場合によっては撤廃について書くべきでしょう。しかし選手のプロ化にすり替わってしまっています。

確かにこの当時、特に強豪国の選手は最早アマチュアではどうしようもなくなり、プロを認めるようにという声は強まっていました。結局それをそのまま日本にスライドさせ、企業アマはインチキだからやめろ、プロを認めろといった論調になっているように見えます。何だか極端だなと思います。

ならば企業アマをどうやってプロにどのように移行させるのか、それを明記してしかるべきであったかと思いますが、このコラムには詳しく書かれていません。また当時の日本人選手が企業アマを、また外国の選手がアマチュアをどう考えているのか、そういう声も紹介されていません。

あと今野氏と言えば、

日本協会のチャウシェスク(チャウチャウではない、念のため)ことシギー

などと書かれてもいますが、こういうのもどうかと思います。チャウシェスクとは独裁的な姿勢で有名だった、かつてのルーマニアの大統領で、共産圏民主化が進んだ1989年の末に夫人共々処刑されています。

さらにこの後も同じようなことが書かれており、さらに

中国のことわざに「上に政策あれば、下に対策あり」というものがあります。

とありますが、中国を引っ張ってくるのが武将ジャパンの武者さんを思わせます。そして自分の書きたいことを優先させた結果、何か辻褄が合わなくなってしまっているようにも見えます。この点も何となく似通ったものがあります。一応この中尾氏のコラムについてはこれで終わりですが、何かでもう一度書くかも知れません。しかしリーグワンの今、この当時と変わったところもあり、意外に変わっていないなと思うこともあります。

それと武者さん(小檜山氏)と言えば、『どうする家康』の歴史考証の平山優氏がツイッターで、この方のツイに呆れておられましたね。

飲み物-タンブラーの白ビール
[ 2023/04/23 01:45 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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