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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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フィクションの中の非現実 その1

今年の流行語大賞が、やはりと言うか何と言うか「3密」に決定した由。昨年はワンチームだったから、何やら最近数字に縁があるなと思わなくもないのですが、まあ偶然でしょうね。

さて本題に行きますが、最近とあるドラマに関する賛否両論の意見を目にしました。私はそれを観ていないので何とも言えないのですが、要は主人公無双で、無能もしくは凡庸な上司を差し置いて諸問題を解決して行くという筋書きで、その描写に関して色々意見があるようです。実際これを視聴した人の意見で、ドラマのスタッフやキャストはいいが、この主人公無双に感情移入するのは、それは現実逃避ではないかというのもありました。

確かにその主人公に自らを重ね合わせる、感情移入することで、現実の鬱憤を晴らしたくなることもあるでしょう。しかしそれはともかくとして、ドラマとはそもそもフィクションです。その中で描かれる世界は、やはり現実とは違うものなのですが、それをドラマだからと言って、あまりに誇張してしまうと、フィクションの中でさらに非現実的なことが起こってしまうことになります。ドラマだから、フィクションだから何をやってもいいというのは、ちょっと違うのではないかと。

視聴者が感動するだろうという前提で、少々大げさなシーンをこれでもかとぶち込むのは、却って興ざめなところもあります。そもそも私は、ドラマに何が何でも感動や希望を求めるというわけではなく、観終わったそのうえでなにがしかの感慨を覚えたら、それでいいと思っています。

私は以前日曜劇場の『ノーサイド・ゲーム』について書いたことがありますが、これも試合のシーンでは、心を揺さぶられるものがありました。しかしただの感動物語ではなく、勝たなければチームがなくなるかも知れない、負けるわけには行かない、少ない予算でどうやって強化するかといった、日本の企業ラグビーチームならではの現実的な悩みもまた含まれていたわけです。『半沢直樹』にしても、主人公があれこれやってしかも順風満帆というのであれば、そこまで面白くは感じなかったでしょう。半沢が常にリスクを負った身であるからこそ、少々オーバーなことをやっても許容範囲内だったのです。

また昔のドラマでも、主人公無双とは言わずとも、主人公もしくは主要登場人物偏重と思われる部分があり、周囲の人物が彼や彼女、あるいは彼らをサポートすべく動いている部分があります。確かに主要な人物が主要な位置を占めるのはわかります。しかしそれ故に、そういった人物がどこか特別な存在と化してしまい、人間関係がおかしくなってやしないかと思われるところもあります。これもまた問題でしょう。

前出のドラマに関する意見を見て、思い出したのは『麒麟がくる』です。これについてはまた書きますが、この場合は戦国時代が舞台ということもあり、寧ろ主人公無双であるべきなのです。しかし残念なことに、「オリキャラ無双」になっている感があります。以前からその傾向は感じられましたが、今はそれがエスカレートしているようで、前回分を観た人によれば、オリキャラを出すために子供に怪我をさせるシーンまであったようです。そうまでして出す必要があるのでしょうか。

このテーマに関しては、折に触れて何度か書いて行く予定です。
(2020年12月2日一部加筆修正)

飲み物-ホットカフェオレ
[ 2020/12/02 00:45 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』キャスト発表その5と受信料案に関して

『鎌倉殿の13人』キャスト発表5日目、そして最終日です。以下5名(敬称略)が発表されています。

源義経-菅田将暉
三善康信-小林隆
梶原景時-中村獅童
牧の方-宮沢りえ
源頼朝-大泉洋

菅田将暉さん、『おんな城主 直虎』に続いて、2度目の大河出演です。私としては、寧ろこちらの方に期待です。三善康信は三谷大河の常連、小林隆さん。そして梶原景時には中村獅童さんで、歌舞伎でもこの役を演じたとの由。なお獅童さんも、梶原景時の描写に関しては
「三谷さんのことだからただの悪人というわけではないはず……。」
とのことで、意外と「いい人」の側面を持った景時となるかも知れません。そして牧の方は宮沢りえさん。彼女の大河出演で真っ先に思い出すのが、現在アンコール放送中の『太平記』の藤夜叉です。三谷作品ではパペットホームズに、アイリーン・アドラーの役で出演しています。こちらはもちろん、ボヘミア国王と不倫関係になったプリマドンナではなく、校長先生と不倫関係になった保健の先生です。

そしてトリの源頼朝は、大泉洋さんです。正直堺雅人さんかなと思ってもいましたが、蓋を開けてみればこの人選でした。大泉さんは『真田丸』でもそうでしたが、準主役とも言えるポジションです。しかし実を言うと、この『鎌倉殿』が放送される2022年1月に、ラグビーの新リーグが始まることもあって、『ノーサイド・ゲーム』の第2シリーズ制作を密かに願っていたのですが、これはちょっと難しいでしょうか。ならばせめて、息子頼家の少年時代を、君嶋ファミリーということで、市川右近さんに演じてほしいです。

無論、今回発表されたのは第一次キャストのみで、来年には第二次キャストも発表されることになるのでしょう。堺さんや小日向文世さん、鈴木京香さんもそのキャストに名を連ねる可能性があります。それから、北条時政役を演じる坂東彌十郎さんですが、こちらも愛之助さん同様、三谷歌舞伎『月光露針路日本』に、光太夫たちの船神昌丸の水主の役で出演していましたね。

今回の、三谷氏直々の動画での出演者発表は、コロナウイルス禍で集合写真の撮影が難しいのも一因と思われます。それはそれでいいのですが、しかしなぜ本放送開始の2年近く前から制作発表が行われ、来年の大河の出演者発表から、さほど間を置かずしてこの発表がなされたのでしょうか。要は準備期間がかなり長いわけで、しかも発表当時はまだコロナ禍がそう深刻でもなく、収録にかなりの時間を割かなければならないわけでもありませんでした。

あるいはやはり
「1年物大河がこの作品を持って終わるのではないか」
当て推量ではありますが、そう考えたくもなります。もう大河も丸60年を迎えるわけです。無論NHKから発表がない限り何とも言えませんが、その場合半年に移行するか、あるいは大河とは全く違うシリーズをこの時間帯にやるかのいずれかとなるでしょう。まだまだ主人公候補はいますが、NHKがそう考えているのなら、それもまたありです。

ところでNHKは、TV設置の届け出義務や、受信料に関わる個人情報の照会などは見合わせたようですが、不当な支払い逃れの世帯には割増金を検討しているようです。この支払い逃れというのは、NHKの放送を受信できるにも関わらず受信料を払っていないと言うことですが、そもそもTVあるいは受信可能な機器を所有するだけで、受信料発生とは如何なものかと思います。やはりスクランブル化してほしいものです。

飲み物-パブのビール1
[ 2020/11/21 23:16 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』キャスト発表その3と霜月騒動

本日も、『鎌倉殿の13人』キャスト発表関連です。ところで先日、2度目の発表であるにもかかわらずその1としておりました、失礼いたしました。訂正しています。

今日発表されたのは以下の5名(敬称略)です。

三浦義村-山本耕史
和田義盛-横田栄司
伊東祐親-辻萬長
阿波局-宮澤エマ
土肥実平-阿南健治

大本命の1人、山本耕史さんは義時の友人三浦義村です。ただしこの人物は「13人」には入っていません。和田義盛も同様で、一旦は合議に加わるものの、頼朝の死後滅ぼされてしまいます。ちなみに義盛を演じる横田さん、以下のようにコメントしています。

「気は優しくて力持ち。みんなから愛される西郷さんみたいなまっすぐな男。でも抜けているところがあるいじられキャラ」

確かに根っからの武人らしく、愚直なところがある人物ですが、三谷氏はいじられキャラとして描くようですね。しかしここで「西郷さん」が来ましたか。そう言えば『西郷どん』のまとめが延び延びになっていてすみません。それから辻さん、実はこの方のコメントの冒頭に
「久々の大河ドラマ」
とありますが、実は『いだてん』に出演しているので、久々というわけでもないようですが…近現代でない大河という意味であれば、『風林火山』以来ですから久々となります。『ノーサイド・ゲーム』にも森下教授の役で出演しています。

宮澤エマさんは、こちらも三谷作品の映画とウェブドラマに連続して出演です。そして山本さん同様常連と言うべき阿南健治さん、『真田丸』の長曾我部盛親が思い出されますが、今回は長老的存在である土肥実平です。

主役に近い人たちの発表は、後のお楽しみということになりそうです。時政がまさかの草刈正雄さんということはあり得るでしょうか。

しかし、この中で出て来る御家人たちの一部はその後粛清されてしまいます。頼朝の側近である安達盛長も、子孫の泰盛が霜月騒動で一族共々滅ぼされます。元々頼朝の没後、北条氏はかつての源氏恩顧の御家人たちを滅ぼし、御内人と呼ばれる、北条氏の被官を優遇するようになります。つまり
北条とその家臣VS鎌倉幕府創設以来の御家人
という勢力図が出来上がり、最終的に北条の家臣である御内人が幕政に関与するようになります。この霜月騒動は、『太平記』の初回に登場するので、ご存知の人も多いでしょう。ちなみに、かの諏訪氏も御内人です。

それはそうと、この『鎌倉殿の13人』のツイッターアカウントは既にあるのですが、なぜか『青天を衝け』のアカウントがまだのようです。一体どうなっているのでしょう。来年の大河は『青天を衝け』のはずなのですが。

飲み物-バーのラテフロート
[ 2020/11/18 23:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『プライド』のざっとしたあらすじと感想1

『プライド』に関して。最早言うまでもありませんが、企業のアイスホッケーチームを舞台とした2004年の作品です。しかしこの作品は、たとえば『ノーサイド・ゲーム』のように、チームの首脳陣が生き残りをかけてリーグ優勝を目指すという設定ではなく、チームのメンバーの人間関係、特に月9らしく、男女の関係がメインになっています。

主人公の里中ハルは、ホッケーをやっている間は恋愛をするなという、かつて指導をしていた安西コーチからの教えもあり、試合を観に来た村瀬亜樹と、ゲーム感覚での恋愛をしようと決めます。その一方で、同じチーム所属の池上友則、堀田大和はそれぞれ亜樹の同僚と付き合い、大和は友則から借りた高級車に乗っていたため、金持ちと勘違いされたりします。またコーチングを巡ってハルと新しいコーチの兵頭の間で確執が起きたり、戦力外通告にしょげる後輩にハルは本気で腹を立てたりします。大和はハルの後輩で、ハルが真剣に恋愛を考えないのは、子供の頃母親が蒸発したからだと亜樹に教えます。

この言葉をハルは否定しますが、実際ハルは常に一人で、しかもどこか不幸を背負っている印象があり、チーム内でも人間関係がいいとは言えない部分があります。さらに自分の試合に関して、殴られるのを騒ぎながら観るのは嫌だが、でも試合は観に来てほしいと言ったり、自分の部屋に女性は呼ばないが、亜樹の部屋には行ったり、風邪で熱を出して亜樹の部屋を初めて訪れた際、バッテリーを充電させてくれる女がいい、気力や体力が弱っている時の女の自己主張は好きでないと口にしたりします。都合がいいと言うか、ある意味面倒くさい人物にも取れますが、ストーリーが進むにつれて、本来はゲームと割り切っていたはずの亜樹との関係は、段々本気モードになっているようです。

第1巻を観た限りでは、まだ亜樹の本当の恋人で、渡米したきり2年間音信不通(これもどうかと思いますが)の夏川はまだ登場していません。亜樹としては、ハルとの「ゲーム」は、この夏川が帰国するまでの暫定的なものでした。しかし彼女もまた、ハルとの交際はさほど嫌でもなさそうです。実はこの後の展開を多少知ってはいるのですが、それはまた改めて書くことにします。

ところでこの『プライド』、アイスホッケーがテーマということもあり、それぞれのエピが「ピリオド」となっています。そもそもアイスホッケーでは、20分のゲームが1ピリオドで、これを3回行って勝敗を決します。アメフトやバスケのクォーター、サッカーやラグビーのハーフと似ています。格闘技的要素がある点ではラグビーに似ていて、この中でも選手が出血して病院に搬送され、亜樹が顔をしかめるシーンが登場します。しかしアイスホッケーは、競技の特性上プロテクターが不可欠ですが、ラグビーなんてプロテクターなしでプレイをしているのですが…。

ラグビーと言えば、かつての東欧では、ラグビー選手がアイスホッケーに転向させられたことがあります。実際これは、チェコ出身のラガーマンのコメントにあったのですが、こういう国々は共産圏であり、ラグビーのような「ブルジョワの」スポーツなどけしからんと言うのが理由だったようです。とは言え、旧ソ連のみは当時のグルジア(ジョージア)の選手を多数起用してナショナルチームを作り、他のヨーロッパ諸国との試合に参加していたとのこと。

ところでこの競技は冬の、特に寒冷地のスポーツのイメージが強いのですが、人口氷でもプレイが可能ですから特に冬季限定とは言えなさそうです。NHLのスタンレーカップなんて、6月頃行われたりしていますからね。

飲み物-パブのビール2
[ 2020/11/01 23:45 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『半沢直樹』のざっとした感想 10その2

中野渡は、かつて大和田を辞めさせなかったのは、行内融和のため、そして旧東京第一の不正融資の問題で使えると踏んだからでした。一方半沢が出されたのは、大和田への土下座がやり過ぎであったこと、そして証券という外の世界を見せるためだったのです。中野渡はまた、いずれ半沢は頭取になると言い、半沢には未来を、大和田には過去を託したと話すもののそれが叶わず、自らの力不足を嘆きます。その半沢は中野渡に、権力に屈することのないように進言します。

債権放棄の会見は翌日に迫っていましたが、大和田は白井にこっそりメモを渡します。このメモの指示通りに東京中央銀行へ向かった白井は、箕部への送金記録を要請され、さらに半沢からは、債権放棄は必要だろうかと質問を投げかけられます。白井は、銀行案を受け入れたら債権放棄はしなくて済むが、債権放棄をした方が復興は簡単だという姿勢を崩しませんでした。

白井が債権放棄を肯定するのは、箕部という後ろ盾を失うのを恐れるためですが、事実を明らかにすると危機にさらされるのは、銀行も同じでした。そして半沢は10年前の危機、東京第一銀行の箕部への20億円融資、牧野の自殺について白井に説明します。中野渡は牧野の為に真実を明らかにすると誓っている、中野渡が銀行の未来を考えるなら、白井は国の未来を考えるべきと半沢は言い、白井が除名処分になるのであれば、自分も責任の一端を負うと退職願を出します。

結局白井はやるべきことを果たすと言い、また中野渡は半沢の辞表を受け取る前に、もう1度帝国航空担当を任せ、記者会見に出ろと命じます。そして会見当日。乃原が仕切る会場は中野渡を迎えるために拍手が送られますが、そこに現れたのは半沢でした。その頃中野渡は牧野の墓前にいて、タブレットで中継を見ていました。

半沢はタスクフォースから検討を要求された件について、債権放棄をきっぱりと断ります。この様子を、智美と花も観ていました。大多数の世論に従えと言う箕部に、それは進政党の弱者救済世論とも矛盾すると言う半沢。そして白井は債権放棄はしなくてもいい、タスクフォースは失敗であったと言い、激昂する乃原の態度を表立って批判します。当然箕部もいい顔をしません。

半沢は改めて債権放棄を拒否し、さらに銀行案に瓜二つのタスクフォース案に唯一記載されていなかった、羽田-伊勢志摩路線の撤退に言及します。加えて15年前の箕部への融資がファミリー企業への転貸資金であり、その後空港ができて大儲けしたこと、さらにかつての東京第一銀行が、そのことを知りつつ融資していたこと、口止め料のことと箕部への送金についてなどなど逐一話したため、箕部は証拠を見せろと迫ります。半沢は証拠はあると答え、そこへ大和田が入って来ます。

会見30分前、幹事長室に残った笠松はスパイラルの瀬名と連絡を取り、PCの履歴を復元し、箕部の隠し口座が名古屋のUAE銀行にあることを突き止めます。白井がこのことを黒崎に連絡し、黒崎はデータを大和田に送付していたのです。山久の協力を得た半沢は、東京中央銀行からの引き出し日と、UAE銀行の隠し口座への入金日が同じであることを証明し、しかもその総額は100億8000万円でした。しかも箕部は、その金額を如何なる報告書にも記載していませんでした。

出て行こうとする箕部の前に白井が立ちはだかり、半沢は国民に向けて説明するよう迫ります。たじたじになった箕部は記者団の前で土下座し、中野渡は牧野の墓に、すべてが終わったことを伝えます。その後東京中央銀行の過去の不正融資13件が発表され、中野渡は謝罪しました。片や箕部は政治資金規正法違反、収賄と脱税で逮捕されることになります。また乃原は紀本と白井の告発で、強要罪で弁護士会を退会させられました。

帝国航空再建は開発投資銀行に委ねられることになり、白井は離党届を出して大臣を辞任、無所属議員となって出直すことになりました。半沢はその後頭取室に呼ばれるも、中野渡は既に頭取を辞任し、半沢の努力をねぎらいます。中野渡は半沢に、今正しいと思える決断をするべきであると諭し、自分も銀行を辞めるという半沢を制して銀行を去って行きます。しかし半沢は中野渡が責任をすべて取ったこと、白井も一から出直すことから、辞めるという気持ちは変わりませんでした。

その時大和田から連絡が入ります。大和田は箕部の土下座を見て嫌な思いがしたものの、自分が半沢ネジに融資しなかったのは正しかったと言い、半沢は大和田と自分の考えが異なることを実感します。さらに大和田は、銀行の信用は地に堕ちたから自分も辞める、半沢が自分の正義を通すには頭取になるしかないとまで言い、中野渡と自分が辞めるのだからそれくらいやってみろ、もし頭取になれなかったら土下座しろ、その代わり慣れたら自分が土下座すると大見得を切ります。

この大和田の挑戦状とも取れる発言を半沢は受け入れ、
「今度は容赦しない、あなたを完膚なきまで叩きのめす」
と断言するのでした。

さて最終回の後半、銀行が箕部とタスクフォースを追い詰める作戦に出ます。しかも半沢を見込んでいる中野渡は、自分の代わりに半沢を記者会見場に行かせ、自分は牧野の墓前でことの次第を見守ることにします。そして案の定、尻尾を出した箕部は記者団に対して土下座せざるを得なくなります。しかし疑問に思うのは、箕部は白井から、いわば飼い犬に手を噛まれるような事態を見越していなかったということです。あれだけの老獪な人物なら、自分の影響力を削がないためにも、その位考えておいてしかるべきかと思うのですが。

それにしてもUAE口座関連での、瀬名→笠松→白井→黒崎→大和田の連携プレイは大したものです。瀬名の存在意義ここにありです。しかし隠し口座がいよいよになるまでわからなかった辺り、結構危ない橋を渡っていたのですね。それから白井が会場に行く直前になって、箕部の盆栽の鉢を床にたたきつけますが、彼女としては既に箕部と決別していたようなものでしょう。会場で乃原の発言にキレるシーンもまたしかりです。あの場で自分を束縛していた箕部、乃原から解放されて、かえってせいせいしていたのではないでしょうか。無論「ドラマとフィクション」でも書いたように、フィクションだからこそ、銀行=善と幹事長=悪の対決構図は可能なわけですが。

あと、智美と花が中継を観ているシーンですが、ちょっと智美の描写が弱かったように思います。『ノーサイド・ゲーム』の最終回で、アストロズとサイクロンズの試合を様々な人が観ている、あのシーンを思わせますが、あれとはまた事情が異なりますし。一方最後の大和田の一人芝居は楽しめました。銀行を辞めるなどと言っていますが、実際のところどうでしょうか。この2人はそれぞれがそれぞれを必要としているわけですし、頭取になったら土下座すると言っている辺り、両者とも東京中央銀行にとどまることになりそうです。

飲み物-注がれるビール
[ 2020/10/05 00:30 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『半沢直樹』特番

さて『半沢直樹』ですが、前回はコロナウイルスの影響で撮影が滞り、TBS緑山スタジオで臨時の「恩返し」特番の生放送となりました。司会は安住紳一郎アナ、尚視聴者代表はタレントのヒロミさん及び久本雅美さんという面々です。

しかしのっけから半沢、大和田、黒崎の揃い踏みというのもまたインパクトがあるものです。このバラエティを観ていて感じたのですが、PR番組というのはこの位中身を濃くしていいかと思います。視聴者が興味を持ちそうなこと、知りたいことが色々紹介されていますし、あと未公開映像も結構紹介されていました。恐らくこれは、DVD化されるに当たって収録されるのではないかと思われます。

元々このシリーズは現代ドラマにもかかわらず、下手な大河よりはよほど時代劇の雰囲気があるのですが、今回は最早「歌舞伎ドラマ」化していると言っていいでしょう。特に番組中に登場した香川照之さん演じる大和田と、市川猿之助さんの伊佐山のやり取り、何ともドスが利いていて、さながら悪代官と回船問屋の如き雰囲気があります。

それにしても大和田の「お願いします」を始め、随所に見られるアドリブだの、なぜ黒崎が「ナオキ」と呼ぶようになったのかだの、細部にわたって種明かしがされています。他にも渡真利スパイ説、実は私も同じことを考えてはいました。彼が登場するシーンの殆どは、人事関係の情報を半沢に教えているようなものです。

ところでこの中で、白井国土交通大臣の秘書、笠松を演じている児島一哉さんですが、福澤ディレクターによると「『ノーサイド・ゲーム』でご一緒させていただいて」とのこと。あちらにも出演していたのですね、今度観返してみます。

飲み物-ビール2種類
[ 2020/09/12 23:45 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『半沢直樹』のざっとした感想 6

『半沢直樹』第6回のざっとしたあらすじと感想です。

債権放棄を巡って半沢とタスクフォースは真っ向から対立します。半沢はタスクフォースの法的根拠を示せと言い、債権放棄を申し入れるのなら銀行に頭を下げろと迫りますが、その一方で、半沢たちの再建案によるリストラ案に一部社員が反発しており、帝国航空の山久は頭を抱えます。しかも国土交通大臣の白井自ら東京中央銀行に乗り込み、半沢は例によって歯に衣着せぬ物言いをするものの、常務の紀本がその場を取り繕います。半沢は再就職先を探すため乗り込んだ開発投資銀行で、再就職先の有力候補であるLCCのスカイホープ航空の、東京セントラル証券の担当者に会いますが、それはかつての部下だった森山でした。

スカイホープ航空は業務拡大のためここから大型融資を受けており、半沢はここに帝国航空の社員を贈り込むことにします。そして金融庁による、帝国航空の与信判断が行われるものの、この裏には与党進政党の幹事長箕部が絡んでいました。やがて金融庁の与信判断チームが訪れるものの、先頭にいたのは、噂されていた落合ではなくあの黒崎でした。黒崎たちは金融庁提出案と発表された帝国航空再建案の数字が矛盾することを指摘し、最終的に帝国航空の山久のミスであったことがわかります。この場を取り仕切った、かつての帝国航空担当の曾根崎は一躍注目され、大和田や曾根崎による半沢外しが開始されるようになり、半沢と曾根崎は今後の帝国航空担当を巡って、中野渡頭取に呼び出されます。

曾根崎は半沢の度重なる来訪が山久にプレッシャーを掛けていると主張するものの、半沢は、山久のミスは事実無根であると言い、さらに山久と曾根崎の音声ファイルを証拠として持ち出します。山久は帝国航空側のミスにすれば、スカイホープが引取る506名を、帝国航空で働かせるという交換条件を持ち出したのでした。
半沢は言います。
「お前は東京中央銀行の、いや、日本中の全バンカーの恥さらしだ」
さらに曾根崎は過去に、恐らくは何者かによって命じられた不正があることがわかります。これが発覚すれば、かなり厳しい状態になるのは免れませんでした。しかもスカイホープの新規路線が急に取り消しになったが、これは半沢つぶしを狙う白井が関わっていました。東京中央銀行は業務改善命令という屈辱的な立場に立たされますが、半沢がこのまま黙っているわけはないでしょう。

銀行に戻ったら戻ったで、窮地に立たされる半沢ですが、それでも帝国航空の社員の転職先探しをこつこつやっていました。しかしそこへ、またも金融庁が与信判断で乗り込んで来ます。しかもその責任者は落合という人物ではなく、よりにもよってあの黒崎でした。しかもこの場でとんでもない矛盾が発覚し、その場を切り抜けた前帝国航空担当の曾根崎は大手柄だったものの、しかし不正があったことにより、半沢の怒りが爆発します。しかし今回も、音声ファイルが決め手になりましたか。あと花は半沢の敵とも知らず、東京中央銀行に国土交通大臣白井が来たのを激励と思っているようですが、半沢は脅かしであると答えます。

ところで帝国航空の社員の転職先として、
トキワ自動車
日本モータース
帝国重工
が登場します。『ノーサイド・ゲーム』のトキワ自動車、懐かしいです。

飲み物-カウンターとカクテル
[ 2020/08/29 23:45 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『半沢直樹』のざっとした感想 4

東京中央銀行の強引な電脳への追加融資により、半沢たちが努力したフォックス逆買収が、危なくなりかけます。しかも電脳の財務担当であった玉置は、辞表を出して電脳を去っていました。半沢と森山は、電脳の収益におかしな点があることに気づき、玉置の実家である静岡の電脳電設へ向かい、玉置から裏帳簿のことを聞き出します。一方、伊佐山は副頭取の三笠に急接近し、結果的に「恩師」大和田を裏切るように見せかけます。出世のためには、副頭取についた方が得策と考える伊佐山ですが、大和田の敵が半沢である限り、追加融資はまず行われると目論んでいました。

半沢の再出向を案じる森山は、半沢から信念を持てと諭し、組織が腐れば世間も腐ること、いつも自分の最初の敵は自分自身だと教えて、単独である人物に会うために出かけて行きます。その相手は何と大和田でした。その時半沢は大和田に、翌日の追加融資を決める役員会議で自分に発言させるよう迫ります。その役員会で半沢は、伊佐山と諸田の電脳電設、かつてのゼネラル電設に関する不正を暴き、ついに伊佐山を土下座させてしまいます。電脳はこのことを暴かれたくないことから、わざとゼネラル電設のメインバンクである東京中央銀行でなく、東京セントラル証券にアドバイザー契約をしたのでした。スパイラル買収はその粉飾の隠れ蓑だったわけです。

そして電脳を訪れていた森山から音声ファイルが届きます。これで伊佐山は万事休すとなり、電脳電設の特許は、浜畑電子の買収により守られることになります。しかも伊佐山のみならず、これに関与した諸田、そしてもちろん副頭取三笠も責任を免れることはできませんでした。電脳は商品取引等監視委員会が入ることになり、東京中央銀行からの融資分1500億の回収は半沢に任され、半沢は再び東京中央銀行営業2課第1グループへの栄転が決まります。一方諸田、伊佐山、そして三笠は電脳行きとなり、かつてスパイラルを去った嘉納と清田が戻って来ます。これで一件落着のはずでしたが、今度は半沢は帝国航空の再建を任されます。これは難題で、大和田はこのことまで計算に入れて半沢の復帰を目論んだようです。

まずこの回、大和田と伊佐山のいわば「漫才」が見ものです。これは香川照之さんのツイッターに「従兄弟漫才」として紹介されていました。しかも伊佐山は大和田を裏切ったように見せかけ、自分に利益が転がり込むとほくほく顔ですが、しかし最終的には半沢にすべてを暴かれてしまいます。ここといい、諸田や三笠が窮地に立たされるところといい、視聴者の溜飲が下がるワンシーンですが、一方で大和田は、自分に迫って来る半沢に発言権を与え、銀行に復帰させる代わりに難題を押し付けて来ます。

しかしこのIT企業関連、もう少しもつれるかと思っていたのですが、意外とすんなり終わった感があります。そして次は帝国航空、どうも某航空会社を意識しているのではないかと思われますが、それはさておき。この電脳電設の社屋、もあの『ノーサイド・ゲーム』のトキワ自動車府中工場を連想させます。そしてその電脳電設に戻った玉置ですが、電脳の裏帳簿を出して見せます。しかし財務を一任していたとは言え、ちょっと裏帳簿の管理が杜撰ではないでしょうか。何となく詐欺師的なところがある平山夫妻ですが、この辺りはかなり脇が甘かったかと見るべきなのでしょう。それにしても森山君、スパイラルの瀬名社長からリクルートされまくりですね。万年筆は結局どうなったのでしょうね。

飲み物-グラスビール
[ 2020/08/16 00:15 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『半沢直樹』と日曜劇場と大河

『半沢直樹』、初回視聴率は22パーセントだったそうです。恐らくは
7年を経ての第2シリーズ
スペシャルバージョンの放送
に加えて、
コロナによる放送延期
も、視聴意欲を高めたのではないでしょうか。

しかし大河でさえ20パーセントまで行きにくくなっている当節、この数字はやはりかなりのものです。と言うよりも、大河ひいてはドラマそのものの数字が落ちているのが事実なのですが。無論第1回はご祝儀的な意味合いもあるわけで、さて今後どのようになるのでしょう。それと以前、『半沢直樹』は時代劇的だといったことを書いていますが、今や民放では衰退している時代劇が、この手のドラマに形を変えて復活している感もあります。

ところで先日から『陸王』について触れていますが、これのみならず日曜劇場の池井戸作品は、割と観ていると書いてもいます。その一方で、同じ枠でも他のシリーズは観ていないということもしばしばです。『グランメゾン東京』は観ていないし(そもそもキムタク主演ドラマはあまり観ません)、逆に観ていないけれど、観てみたいなと思う作品もあります。最近では『テセウスの船』でしょうか。本来はこの『テセウスの船』の次が『半沢直樹』だったのですけどね。前述の延期のため、7月スタートドラマとなりました。

無論作品にもよりますが、下手な大河よりは日曜劇場の方が確かに面白くはあります。中身の濃さといか描き方が違うと思われるうえに、主人公とそのライバルがはっきりしているため、感情移入しやすい側面があるせいでしょう。1クールというのもドラマとしては妥当な長さではないでしょうか。やはりそれを考えると、杓子定規的に1年物を毎年作り続ける必要はないと思われます。これは「俺たちシリーズ」で書いていますが、1970年代当時、現代ドラマでも1年物はあったわけです。しかし今は1クールが当たり前になっています。このスパンに慣れた視聴者を、今後大河に戻すためにはどうするべきか。NHKも考えるべきでしょう。

肝心のドラマ内容については、また書きたいと思います。しかしこのドラマの世界はフィクションとは知りつつも、誰もマスクをしておらず、今のご時世夜の高級クラブでの密談なのですね。

それと『陸王』と『ノーサイド・ゲーム』関連でもう一つ。専門誌の記事で、主人公サイド(『陸王』はダイワ食品の選手)がインタビューを受けているにもかかわらず、いざその記事を見てみると、ライバルのサポート会社または親会社が広告を出し、結果主人公サイドが目立たなくなっていたという設定が双方に登場します。『陸王』では、このことで茂木が憤るシーンがありますが、要はアトランティスが広告を出し、自社サポートの選手有利に仕向けていたわけです。『ノーサイド・ゲーム』でも、サイクロンズの親会社である日本モータースがやはり広告を出し、サイクロンズの津田監督の記事をメインにしたため、インタビューを受けたはずの、アストロズ柴門監督の記事が添え物のようになっていたことがありました。

この日曜劇場枠もかつて(東芝一社提供時代)は単発が多かったようですが、寧ろ1クールでシリーズにした方が、私としては面白いと思います。

飲み物-アイスコーヒー5
[ 2020/07/21 00:15 ] その他 | TB(-) | CM(0)

大西将太郎氏が好きなゴールキッカーたち

JSPORTSで、コメンテイターが自分の好きな試合、選手を選んで語る30分番組『日本ラグビー名場面集~J SPORTS RUGBY オールタイムベスト~』というのがあります。この中で、ラグビージャパン365のしょっさんこと大西将太郎氏が、好きなゴールキッカーについて話しています。大西氏自身もかつてはキッカーであり、2007年ワールドカップで、カナダと引き分けた際の同点ゴールは有名です。
ゴールキッカーと言えば、最近では有名なのは五郎丸歩選手、田村優選手などですが(神戸製鋼とサンウルブズが好きな人はヘイデン・パーカー選手も)、この場合は大西選手がほぼ同世代、あるいは若干先輩のキッカー3名の名前を挙げています。それは誰か。(敬称略)

廣瀬佳司
田邊淳
栗原徹

懐かしいと言う人もいれば、全然知らないと言う人もまたいるでしょう。しかしこの3名、紛れもなく、90年代から2000年代の日本ラグビーに輝いた選手たちです。
まず廣瀬選手、『ノーサイド・ゲーム』にも出演した廣瀬俊朗氏ではもちろんありません。1999年大会を含む3回のワールドカップの代表に選ばれ、正確なキックでゴールデン・ブーツと呼ばれたスタンドオフです。かのオールブラックスの10番(ファースト・ファイブエイス)グラント・フォックス氏の教えを受けてもいます。99年ワールドカップでは、この選手と現日本協会専務理事の岩渕健輔氏とが、正スタンドオフを目指してしのぎを削っていました。岩渕氏は現役時代、自らボールを持って相手ディフェンスを突破する、奔放なプレイが評価されましたが、この時は最終的に得点を取れる廣瀬氏が優先された感はあります。寧ろ岩渕氏の場合はこの大会後で、日本人初のケンブリッジ・ブルーを得た方がニュースになっています。

田邊氏は、高校大学時代をNZで過ごし、帰国後は三洋電機ワイルドナイツ(現・パナソニックワイルドナイツ)に加入、2010年には代表デビューもしています。シングルファザーでもあり、会社の許可を得て、お子さんをクラブハウスで食事させていたということで、その協力に感謝していると専門誌のインタビューで語ってもいました。大西氏曰く同世代であり、その意味でも注目していたとのこと。

栗原氏は、2000年慶應優勝時のメンバーです。在学中は監督を務めていた故・上田昭夫氏から「クリ」のニックネームで呼ばれており(上田氏自身がそう話していました)、2001年にトップリーグ新設前、まだサンゴリアスの愛称がなかった頃のサントリーに入って、その年来日したウェールズ代表を破っています。事実これは快挙でしたが、代表チームは2戦とも黒星でした。高校時代に喘息を患い、ゴールキックの前に薬を吸入していたのを覚えています。この人も大西氏と同世代です。

やはり年齢が近くてポジションが同じ、さらに同じプレイを担当している人へのライバル意識、そしてリスペクトの精神は強いものがあります。ラグビーファンとしても、少し前の名キッカーとして記憶にとどめたい元選手たちです。

飲み物-注がれるビール
[ 2020/07/20 00:45 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)
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Author:aK
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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