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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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『光る君へ』第4回に関する『武将ジャパン』大河コラムについて-1

第4回に関する『武将ジャパン』大河コラムについてその1です。


親切な人かと思っていたのに、”三郎“に謝らないのは腹が立つとイライラ。
「すぐ怒るんだな」
”三郎“は面白そうに話しています。彼の周りの人々は、貴公子に対して怒りすら見せないようにしているのでしょう。

第1回で三郎は、怒るのは好きではないと言っていますから、そのせいもあるのではないでしょうか。だから姉の詮子が、何でも話せる相手と思ったわけでしょう。

光る君へ第1回三郎

偽りだったのか?と問われ、謝るまひろ。また作り話をしてしまった。あそこの代筆は男がしていたのだと。
”三郎“は再び笑顔で、よく装い、よく偽るおなごだなと言いながら、彼女の嘘を見抜きます。
あの日、まひろは男の声で男と偽る仕事をしていたと。代筆仕事はまひろだと見抜いていて、さわやかに笑い飛ばす”三郎“です。

まず「よく装い」ではなく「よく怒り」ですね。ちゃんと字幕を出した方がいいかと思います。
それと
「男の声で男と偽る仕事をしていた」
とありますが、
「男の声で笑い、男の声を出していたと言った」
ですね。つまり男として代筆の仕事をしていたから、男の(作り)声を出さなければならなかったのを、三郎は見抜いていたわけです。

彼女に被衣をかぶせ、馬の後ろに乗せ、送っていく宣孝。まひろはその後ろで「次の散楽も見たい!」とわざとらしく、“三郎”に聞こえるように言う。
そんな大きな声で言わんでも聞こえると宣孝は呆れています。
この去っていく宣孝は、佐々木蔵之介さんの魅力と説得力が引き出されたシーンではないでしょうか。
野暮なおじさんになりそうなところを、軽妙で魅力的な男性を演じている。しかも、まひろとの年齢差もわかる。

あの場合被衣ではなく、笠から垂れ衣を下げたものではないでしょうか。被衣というのは、こちらは刀剣ワールド様のイラストをお借りしていますが、こういう風に衣を頭から被るものです。
刀剣ワールド被衣

「軽妙で魅力的」と書いていますが、武者さんは第1回で「軽そうな」と書いていました。
実際飄々とした雰囲気があるのは確かですが、親戚筋に当たる娘でもあり、あまり変な男に近づけたくないという思いもあるいはあったでしょう。それと
「まひろとの年齢差もわかる」
というのは、具体的にどのようなところでしょうか。

身分があるから、諍いも争いもない。もしもそれがなくなれば、万民が争い、世が乱れるのだと。
身分秩序が壊れた結果、争いが起き、血が流れる様は『鎌倉殿の13人』で描かれてましたね。
これぞ日本史の宿命かもしれない。

平安→鎌倉は身分秩序が壊れたというより変化し、武士という新興階級が支配権を持つようになったのではないでしょうか。実際承久の乱までは、帝も一定の勢力を持っていました。
身分秩序が壊れたのは、あらすじと感想に書いていますが、やはり戦国時代であり、その乱れた世、正に乱世を終わらせたのが昨年の主人公だったわけです。

そして例によって中華帝国の話です。

隣の中国では、魏晋南北朝は貴族の時代。魏以来の「九品官人法」により、こんな状態が訪れます。
上品に寒門無く、下品に勢族なし。
上流貴族には貧しい家はなく、下級貴族には勢いのある家はない。

この
「上品に寒門無く、下品に勢族なし」
ですが、上品に寒門なくはともかく、下品に勢族なしというのは、下級には「有力者」がいないという意味ですよ。

世襲がこうもアピールされる国って、日本以外はそうそうありません。

要は日本には科挙がない、だからけしからんと言いたいのでしょうが、だからこそ「試験のための学問」とならずに済んだ側面もあります。そして日本だけでなく、特定の階級や業界などで、世襲か、それに近い状態というのは外国にも見られます。

まひろは思想をきっちり学んでいます。荀子は前回出てきた孟子の「性善説」と比較される「性悪説」で有名です。
『墨子』は相当上級者、なかなかマニアックですね! 墨子は教えが厳しすぎたのか、弟子が少ない。弟子が少ないとなかなか伝播されず、マイナーな部類に入ります。

というか、父からの書物を通じて覚えたというのが正しいでしょう。
ただこの当時、荀子の著作は出版されておらず、この後80年ほど経ってから刊行されています。また墨子も明の時代まではあまり知られておらず、日本でも江戸時代になるまでは知られていませんでした。

従って、まひろがどのような書籍を通じて彼らの思想を採り入れたのかとなります。荀子の場合は『史記』か何かでしょうか。ならばそういう書物に彼女が触れる描写が、もう少しあってよかったかなとは思います。

思いを吐き出してみろと。よい策は見つからずとも、心を軽くすることはできると。
そうそう、ここでマウンティングしながら「俺はさァ、こうだと思うよ!」と言っちゃうタイプの男はモテませんよね。
マンスプレイニング(Mansplaining)、略して「マンスプ男」としてむしろ嫌われる。
宣孝が魅力的なのは、イケメンだからだけではなく、振る舞い方が素晴らしいからに尽きるでしょう。
だいたい、墨子まで読みこなしちゃう相手に理詰めで勝てるのか、って話です。理がダメなら、情に訴える。

要は宣孝は、まひろのカウンセラー的なところもあるのでしょう。
それはいいのですが、まだここでマンスプレイニングだ何だと。こういうのが武者さんが反発される一因かと思います。
さらに
「だいたい、墨子まで読みこなしちゃう相手に理詰めで勝てるのか、って話です。理がダメなら、情に訴える」
それとこれと関係ないのではありませんか。
第一墨子の唐本が日本に輸入されたのは江戸時代で、まひろの時代の場合、前述のように、父から教えて貰った漢籍にある墨子、そしてその思想について触れたことがあると言う方が正しいかと思います。

思えば2023年の大河は「イケメンが言えばええ」とばかりに、かっこつけた演出で中身のないセリフを戦国武将が喋り散らすドラマでした。
マンスプ男の妄想ストーリーなど早く忘れたいものです。

早く忘れたいのなら忘れてください。貴方が昨年の大河を話題にしなければ、それで済む話です。それを何かにつけて叩くネタにして、いつまでも同じようなことをくどくど書いているから忘れられないのではありませんか。しかも
「イケメンが言えばええ」
「かっこつけた演出で中身のないセリフを戦国武将が喋り散らすドラマでした」
具体的にどのようなシーンで、どのようなセリフなのか書いて貰えないでしょうか。

そこへウキウキした様子の姉・藤原詮子がやってきて、「考え事をしているのは下々の女と縁を切ったからなのか?」と聞いてきます。
かわいい弟と話せて嬉しい姉上よ。いきなりキツい言葉を繰り出してきますね。道長は「そういうものはいない」とぶっきらぼうに返すしかありません。
道長もモテる男らしさがありますね。こんなに口の悪い姉だろうが会話をきっちりこなす。めんどくさそうなあしらいをしたら魅力が出ません。

「口が悪い」のではなく、その当時の上級公家というのはそのようなものだったのではないでしょうか。
そして道長、これも上の方で書いていますが、怒らない、ことを荒立てたくないからこう言っているかと思われます。

しかし好きな大河だと
「道長もモテる男らしさがありますね。こんなに口の悪い姉だろうが会話をきっちりこなす。めんどくさそうなあしらいをしたら魅力が出ません」
嫌いな大河だと
「かっこつけた演出で中身のないセリフを戦国武将が喋り散らす」
武者さんらしい二面性だなと思わざるをえません。

そしてこれも日本史の特異さとかで

そもそも君主が、まだ若いのに譲位するというのがおかしい。占いで決めるのは中世ですし、まだ“あり”としましょう。でも、この安倍晴明は買収される人物でもある。
日本史とは何か?という本質を改めて突きつけてくるような作品で凄いですね。

摂関政治は幼帝が即位し、外戚が摂政や関白として政を仕切るシステムです。後に院政となります。院政などは、譲位して上皇になってからの方が腕の見せどころではありましたね。

「占いで決めるのは中世ですし」
古代でも様々な形で占いが行われ、それによって政のあり方が決められて来ました。
そして
「買収される」
これは日本に限ったことではないと思います。またこの頃から、陰陽師が政に介入するようになったとも言われています。

そして師貞親王が冠を無理やり脱がせた件ですが、

『鎌倉殿の13人』でも、【亀の前騒動】で牧宗親が被り物を脱がされ、悲痛な声をあげておりました。

あの宗親は被り物を脱がされただけではなく、髷を切られてもいましたね。

日本最古の猫というと、諸説あって特定は難しいものですが、この時代「唐猫」(からねこ)というペットが愛好されていたことは確実です。
中国との貿易船に載せられたもので、大変珍しく、セレブの証でした。逃げたら困るため、紐で繋がれたほどです。
『源氏物語』では、この紐で繋げた猫が御簾をまくりあげ、そのせいで女三宮の姿が柏木に見えてしまう場面が登場します。
このため、日本では画題として御簾の側に立つ美女と猫が定番となりました。

「画題として御簾の側に立つ美女と猫」
武者さんが好きな浮世絵にもよく見られますね。
しかし猫に言及するのなら、やはり「命婦のおもと」についても書いてほしいものです。一条天皇の愛猫ですし。人間の女官が乳母につけられたという意味でも、かなり特殊な猫であると言っていいでしょう。

それと唐猫ですが、仏教の経典を鼠から守る役割を果たしたとも言われています。

ジェーン・オースティン『高慢と偏見』のヒロインは、馬に乗ります。この時点で彼女は一風変わっていると読者に伝わります。
時代がくだると自転車になる。
ホームズシリーズには『孤独な自転車乗り』という作品があり、あの短編に出てくる女性は自転車に乗っていました。彼女にも独立精神があるとわかった。

まひろが馬に乗ると話した件ですが、ここでまたジェーン・オースティン。しかも『高慢と偏見』が出て来るから、人物描写のことでも書くのかと思ったら馬ですが。ヒロインというのはジェインで、馬に乗って出かけたものの雨に降られ、訪問先で病気になります。

それと『孤独な自転車乗り』=『美しき自転車乗り』ですが、その当時(19世紀末)自転車はかなりのブームになっており、それが女性たちにも影響をもたらしたようです。自転車と言えば、サマセット・モームの『お菓子とビール』でしたか、ドリッフィールド夫人のロウジーが、自転車に乗るため短いスカートをはいている場面が登場します。尤も当時の感覚での短いスカートでなので、くるぶしの辺りくらいの丈です。

あとホームズに詳しいXのフォロワーの方から、その当時自転車は高価なものであったという情報をいただきました。ちなみにこの自転車乗りのバイオレットですが、要はストーカー的ないやがらせを受けて相手に立ち向かうのですね。でこのバイオレット、巨額の遺産を相続し、原作では合名会社の社長夫人となっています。

ついでながら、グラナダ版ホームズの『美しき自転車乗り』関連記事です。

シャーロック・ホームズの冒険*第4話「美しき自転車乗り」あらすじ乾燥
(いつでもドラマな毎日)


飲み物-パブのアンバーエール2
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[ 2024/01/31 02:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』第45回「二人のプリンス」あらすじと感想-1

第45回前半部分です。


茶々が家康に秀頼の「代わり」を依頼してから10年が経ち、秀頼は立派な青年に成長する。そして慶長16(1611)年の大坂城。秀頼は宴じゃと舞楽を舞う。それを見る茶々と千姫。茶々はこの天下を艱難辛苦の末、ひとつにまとめたのはどなたじゃと尋ね、千姫は亡き太閤殿下にございますと答える。そなたのおじい様は殿下のご家臣として、秀頼の代わりを任されていただけと茶々は言う。

さらに茶々は、秀頼成長の暁には天下をお返し下さる約束じゃと口にし、しかもそなたのおじい様は盗人ではあるまいと、嫌味にも取れることを言う。後ろを振り返る前方の大野治長。約束を守るおかたと存じますと千姫は答えるが、その約束をお破りになるなら、戦になっても仕方ないと意味ありげな言葉を返す。

唖然とする千姫に茶々はこう言い放つ。
「欲しいものは力で手に入れる、それが武士の世のならわしなのだから」

関ケ原。多くの武将や兵たちが交戦し、夥しい血が流された。そして駿府。阿茶局は書見をしている家康に、秀忠が江戸から着いたことを知らせる。何やら心配事がありそうな家康に、憂い事ですかと阿茶局は尋ねるが、家康は昔のことばかり思い出す、わしもそろそろかのうと口にする。

本多正信は家康に言う。大坂は関ケ原で敗れ、牢人となった連中を匿って施しを与え、武具兵糧も集めて戦に備えていると、また世間では、徳川と豊臣がぶつかるとの噂で持ちきりであると。しかし秀忠は、この10年政を行って来たのは徳川であり、父上のもと政をしかと進めることこそ世の安寧の根本と言う。本多正純も同調し、徳川が豊臣より上位であるとはっきりさせるべきと家康に直言する。

今度こそ秀頼に挨拶させるべく、3月の天子様のご譲位(後陽成天皇から後水尾天皇への譲位)に絡め、二条城に秀頼を招いて家康の前に跪かせ、臣下としての礼を取らせるのが正純の考えだった。しかし阿茶局は、秀頼がおとなしく来るとは思わなかった。もし従わぬのなら力をもってとまで言い出す正純に、それは避けたいと家康、秀吉は今なお、多くの者の心の中に生きており、その遺児に下手な仕打ちをすれば、万民の怒りは我らに向くと窘める。

ではどうすれば、よもや天下をお返しするおつもりではございますまいと秀忠。家康はうまくやらねばならんと申しておると言い、阿茶局は、力をもって跪かせては危ないと忠告する。正信は秀頼を二条城に迎え、家康と話をさせるつもりでいた。ただその場合、秀頼を上段に座らせてあがめると言ったため、豊臣を上にするのかと正純は疑問視する。正信は、武家の頭領たる徳川が敬うべきは公家であり、要は豊臣は公家であることにしてしまうつもりだった。

公家ならば城だの武力だの、持つ必要はないと例の調子で話す正信だが、正純は、父はこんな屁理屈ばかり才があると不満そうだった。おほめにあずかりましてとしらっと答える正信。寧々に間を取り持って貰うことになり、既に出家した寧々は秀頼と茶々の前でこれを伝える。茶々は言う。
「つまり天下は返さぬ、正々堂々と戦もせぬ。頭をなでてやるからおとなしくしておれということでございますな」

大野治長も情けない盗人よと言い、これに対して寧々は、そのような言い方は控えよと戒める。千姫は責任を感じて夫に詫びるが、そなたの謝ることではないと秀頼は言い、また寧々も、今天下を治めているのは徳川殿、豊臣家は徳川家の庇護の下にあるのを忘れてはなりませぬにと言い聞かせる。一方治長は、出てゆけば何をされるかわからないとあくまでも懐疑的だった。そんな中、肥後熊本城主の加藤清正が口を開く。

「恐れながら秀頼様。お出ましにならぬままなら、お心の弱い君と思われるやもしれませぬ」
無礼だと治長は言うが、清正は秀頼のそばを離れず守ること、不穏な動きがあれば、幾万の敵であろうが片っ端からなぎ倒す、再び大坂城へ連れ戻すことを誓う。秀頼は茶々に向かってうなずき、茶々はこう言う。
「そろそろ世にお披露目するかのう、そなたを」

その年の3月28日。秀頼は大坂城に移って以来、初めて民の前にその姿を現し、この貴公子を一目見んと人々が押し寄せる。二条城で待つ家康も、上方の豊臣人気のすさまじさを感じていた。そして直垂姿の秀頼と従者が到着し、家康が挨拶を述べようとすると、秀頼は駆け寄って、わざわざのお出迎え、恐悦至極に存じますと家康をねぎらって自己紹介する。

家康は秀頼を上座に通そうとするが、秀頼は大御所様からと言い、先に行くようにと勧める。では案内させていただくと家康は前方を行き、寧々が控える間へ入る。家康と寧々は秀頼に上段を勧めるが、秀頼はなかなか上座へ行こうとせず、家康はそういう取り決めであると秀頼を促し、寧々もまた上座へと促す。家康は豊臣家は関白を出す家柄、武家の棟梁である徳川家は及ばぬ、上座に座られるのがしきたりというものと、自ら下座に座る。

なかなか譲ろうとしない秀頼に、お2人とも上座にお座りになってはと寧々は持ち掛ける。畏れ多いと動かない家康の手を秀頼は取り、意地を張るのも大人げないと横並びを提案したため、家康は折れざるを得ず、上座で秀頼と向かい合わせになるように座る。しかし秀頼はその場に座ろうとしなかった。

秀頼は下座で長い間の無沙汰を詫び、一礼する。戸惑うような表情の家康と寧々。そして秀頼は家康に、武家として手を携え、ともによを支えて参りましょうと述べるが、これには徳川と豊臣の従者、そして清正も予想外だった。その知らせを受け取った秀忠は、秀頼が父に跪いたこと、徳川が上であると知らしめたことを喜ぶが、お江はこれに疑問を抱く。正信に同意を促す秀忠だが、正信は一言えらいことだと言う。

案の定、徳川が秀頼を跪かせたことは広く知れ渡り、家康は傲慢であるという評判が立ち、このことが牢人たちを大坂城へ向かわせるもととなる。この噂を、山伏姿で町中に潜んでいた真田信繁も耳にしていた。そして正純は
「秀頼は慇懃、徳川は無礼。秀頼はご立派、徳川は恥知らず」
と世間が沸き立ち、牢人たちが以前にも増して大坂城を目指すようになったのを憂えていた。

秀頼にしてやられたのは明らかだった。阿茶局は、秀頼がどのような人物であるのかを家康に尋ねる。家康は答える。
「涼やかで様子のいい…秀吉じゃ」


何やら、茶々が戦をする気満々になっています。彼女にしてみれば、政をゆだねたはずの家康が自分の息子にその職務を譲っており、秀頼を閉め出した格好になっているわけで、そう思うのも無理からぬ話ではありますが、千姫にまでかなり棘のある言い方をする辺り、かつて母お市を助けに来なかったこととがないまぜになっている感もあります。

尚、前回「宴じゃ」と秀頼が言っていた件、本当に「宴」であったようです。しかし茶々がそれを見ながら、天下を返さなければ戦も辞さぬ構えでいる辺り、彼女に取っての「宴」は、牢人たちを使い、徳川に対して目にもの見せることこそであったのかとも考えてしまいます。

家康にしてみれば秀頼に挨拶をさせ、徳川こそが天下人であることを示す必要がありました。しかしその場合、力で秀頼を従わせるのは逆効果で、表向きはあくまでもへりくだり、豊臣家を公家として認める方針を取るはずでした。しかし当の秀頼がそれを受け入れず、自分が下であるかの如き姿勢を貫いたため、大坂での秀頼はますます株が上がり、逆に家康は傲慢な人物と受け入れられるに至ります。

そしてこれは、牢人たちが大坂を目指すもとともなり、九度山を抜け出した真田信繁もその1人でした。この意味では、秀頼も父秀吉同様の「人たらし」であったと言えます。しかしその雰囲気は秀吉とは似ても似つかぬ、若者らしい涼やかさで感じのいいものでした。

ところでこの第45回で、寧々が出家しています。出家後は高台院を名乗るようになっていましたが、秀吉の正室であったこともあり、今なお彼女の力は大きなものでした。今回の会見で両者の間を取り持つことになり、何かと家康に敵意を抱きがちな豊臣方を鎮める役割も果たしていました。そして加藤清正ですが、この会見後の帰路の途中で発病し、その後亡くなります。『真田丸』では二代目服部半蔵が、何か毒物らしきものを体内に入れるという描写になっていました。

そしてこの清正を演じた淵上泰史さん、無論他にも色々なドラマに出演していますが、私は『ミス・シャーロック』第5話に出演していたのを思い出しました。『花嫁失踪事件(消えた花嫁)』ベースのこの回、結婚式の最中に新婦がいなくなるジュエリーデザイナー、冴木を演じていましたが、シャーロックからいじられていましたね。これには、大岡弥四郎を演じた毎熊克哉さんも出演しています。


飲み物-アイリッシュコーヒー2
[ 2023/11/27 05:00 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

『葵 徳川三代』の関ケ原番外編-南蛮兜とベルトラン・デュ・ゲクラン

『葵 徳川三代』では、当世兜も多く出て来ますが、これらはもちろん南蛮兜をモデルにしたとされています。南蛮というか西洋の兜というのも様々ですが、その中でもモリオンとかカバセットと呼ばれる、16世紀頃の兜をもとに当世兜が作られたようです。

リオン(Wikimediaより)
モリオン

これは側面から見たもので、被った時前後に少し反り返った鍔の部分が来ます。

あとベルトラン・デュ・ゲクランについて。
この人物は貧乏貴族の出身であるとも言われ、『西洋騎士道事典』では醜男と書かれていますが、「鎧を着た豚」などという表現もあるようです。また一方で精悍であるとも言われています。
乱暴者という人物評もありますが、軍人としての才能はあったようで、百年戦争中に、イングランドに奪われたフランスの地域を取り返してもいます、焼き討ちや奇襲などの戦法を進んで採り入れる一方で、誓いを立てたり、自分に対して制約を課するなど中世の人らしいところもありました。

日本では『双頭の鷲』という作品に、彼のことが描かれています。
また英語圏だと"The White Company"という小説に出て来ます。実はこの"The White Company"、『白衣の軍団』というのは、かのサー・アーサー・コナン・ドイルが手掛けた歴史小説です。ドイルというととにかくシャーロック・ホームズとなりがちですが、こういう物も執筆していたのですね。

飲み物-ホットカフェオレ
[ 2023/10/23 00:30 ] その他 | TB(-) | CM(0)

2つの人形劇

あちこちで梅雨明けしていますが、一方で東北地方では雨の被害も出ているようです。暑さも雨もどちらもお気をつけください。日本は面積自体はそう広くなくても、山の存在や四方を海に囲まれているための海流の影響、緯度の関係などでかなり気候に多様性がありますからね。

で今回は人形劇関連です。三谷幸喜氏の『新・三銃士』とパペットホームズ(『シャーロックホームズ』)、どちらも観ましたが、そろそろ第3弾をやってほしいと思ってはいます。舞台でのホームズはあるのですけどね。なかなか人形劇は人形のキャラデザインと作成、操演などもあるため、人手がかかるのは確かですが、アニメにないものがあるのも事実です。

どちらも、あ、これは如何にも三谷さんらしいと思われる場面が登場します。たとえば『新・三銃士』で、バッキンガム公爵がジョギング中にサソリに刺されて死ぬとか、オライリーが公爵を蘇生させるとか、ダルタニアンがリシュリュー枢機卿の護衛士になってしまうなどなど。あとパペットホームズのハドソン夫人のキャラとか、ステイプルトンのモンスターバナナなどもまた然りでしょう。

このステイプルトンのモンスターバナナ、この回は『バスカヴィル家の犬』を原作にしており、ステイプルトンが幼馴染のメアリーを取られまいと、彼女に近づく男子(このシリーズは全寮制の学校が舞台)に嫌がらせをし、最後にメアリーと親しくしているワトソンが邪魔なので、彼が嫌いなバナナの着ぐるみというかかぶり物的なものを作って、怖がらせて引き離そうというものでした。結局失敗しましたが。

あと『真田丸』に、このパペットホームズと、あるいは重なるのではと思われるシーンが登場していました。真田信繁が上杉に人質に行く時、矢沢三十郎が、源次郎様の行くところ三十郎ありですと言っていましたが、これもパペットホームズ中の「ホームズ行くところワトソンありだ」と似ていましたし、聚楽第の落書の件も、推理の仕方がどこか似通っており、「真田丸とホームズ」というタグを作ったことがあります。

あとパペットホームズのホームズとワトソン、『新・三銃士』のアトスとポルトスの声がそれぞれ山寺宏一さん、高木渉さんで、いずれも声優さんではありますが三谷大河に出演しています。それとパペットホームズのべインズ、ちょっとしつこくて敵か味方かわからないキャラは浅利陽介さんで、こちらも『真田丸』の小早川秀秋でしたが、『相棒』の青木年男のイメージでもありました。これに関してはこちらに書いています→https://bakerhouse221b.blog.fc2.com/blog-entry-2148.html


飲み物ーアイスカフェオレ2
[ 2023/07/22 01:45 ] その他 | TB(-) | CM(0)

信康とシェルショックそして「うってがえし」

さて、戦の才があると言われ、勇猛な武将に成長したかに見える信康ですが、実はそうでもないようで、悪夢にうなされ、夜が明けきらぬ時間であるにもかかわらず、母瀬名のいる築山まで出向いてしまいます。信康は設楽原の戦いでトラウマを抱えているようです、あるいはシェルショック(戦闘ストレス反応、または戦闘疲労)のようにも見えます。
(Bashの惰弱性のことではありません)

これは爆撃、または戦闘の激しさに対してのストレス反応のことで、パニックや逃避行動、睡眠や歩行の障害、会話ができなくなるなどの症状があると言われています。元々シェルショックとは、砲撃を受けたことによる障害でしたが、その後砲撃のみに関わらず、長期間戦闘を経験したことによる、一種の心身症と定義づけられています。

元々シェルショックは、第一次世界大戦で兵士たちが受けたトラウマのことであるとされています。奇しくもと言うべきでしょうか、この第一次世界大戦も、それまでの戦争とは異なった兵器、戦車や爆撃機などが登場しています。また空襲が本格化した戦争(実際はその前の伊土戦争で実施)でもありました。

BBCの『パレーズ・エンド』にも、イギリスが空襲を受けるシーンが登場します。またこれとは異なるかと思いますが、『ミス・シャーロック』のワトソンのキャラクター、橘和都は戦時下のシリアから帰国した医師で、あるタイミングで爆撃を思い出してしまうという描かれ方をしています。

それからシェルショックとは関係ないのですが、戦場で信長と秀吉が碁を打つシーンがあります。これに関しては、囲碁担当の方のツイートに、どのような意味が込められているかが説明されています。画像を貼っておきます。
(クリックで拡大できます)

どうする家康囲碁指導

尚、このツイートのURLはこちらです。
https://twitter.com/tajiriyuto/status/1667882021178454017

[ 2023/06/13 01:45 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

古沢良太氏とキャラ設定

『どうする家康』の作者(脚本家)の古沢良太氏ですが、『リーガル・ハイ』や『相棒』の脚本家でもあることは、ご存じの方も多いでしょう。生憎私は『リーガル・ハイ』は殆ど観ていない(観ようと思いつつ未だに実現していない)のですあが、『相棒』の方はいくつか観ています。尤もこちらも今は観なくなりましたが、それはさておくとして。

『相棒』の脚本担当はかなりいますが、古沢氏の場合は、月本幸子というキャラを作り出したと言えばわかりやすいでしょう。この佐知子は

ついてない女
ついている女
つきすぎている女

以上の3つの作品で、自分を情婦にしていた男を撃って、杉下・亀山に追われる容疑者、脱獄騒動に巻き込まれる受刑囚、そして出所後に、食品会社の社長宅の家政婦としての姿がそれぞれ描かれています。このうち「ついてない女」関連ではhttps://bakerhouse221b.blog.fc2.com/blog-entry-3110.html
「つきすぎている女」は
で、それぞれ書いています。

この3つの作品中の幸子は事件の当事者となって焦ったり、運の悪さを嘆いたり、自分で想像を膨らませて不安に陥ったりします。この辺は、どことなく家康と似ています。元々彼女は「ついてない女」で杉下に、自分は運が悪いと自ら語っており、逮捕されたのも、それが原因だと思っていたようです。

しかし人生に立ち向かうように杉下に言われ、脱獄騒動後は刑務所に戻って刑期を務め上げ、出所後に食品会社の社長宅で家政婦として働くことになるのですが、ここで妄想を拗らせて、あらぬ疑いを社長に抱いてしまいます-このエピソードは特に、ホームズの『ブナ屋敷』を思わせます。このような妄想癖に加え、多少ドジっ子なところがあったりもします。幸子はその後花の里の女将となるものの、何かで追いつめられると、思わぬ行動に出たりもしています。

さて大河の場合、家康のキャラ設定に比べると、信長や藤吉郎のキャラ設定はいささかクセが強いものとなっています。見方を変えれば、家康をちょっと頼りない、しかし真面目なキャラとして描いた場合、こうならざるを得ないかなとも思います。信長は最後まであれで行くのでしょうが、藤吉郎が羽柴秀吉となり、さらに豊臣秀吉となった時、いくらかのキャラ変はあるのでしょうか。

さらに家康の家臣団などは個性派ぞろいであり、それぞれのキャラ設定がうまく活かされているなと思います。何せ彼らは終生家康と運命を共にする、ある意味家康に一番近い存在人物であるため、それぞれをどう描くかはかなり重要になって来ます。また何よりもこの大河自体が、それまでの戦国大河を、事件や主人公のピンチをメインにして再構築したようなところがあり、様々な意味で今までといくらか趣は異なっているとも言えます。


飲み物-ミルクティ2
[ 2023/04/30 01:00 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』第29回「ままならぬ玉」あらすじと感想-2

第29回「ままならぬ玉」後半部分です。


義村は頼家が善哉を嫡男として認めてくれるのだろうなと尋ねるが、比企が納得していないと義時は答える。頼朝が望んでいたことじゃねえかと義村は言うが、そのことが文書に記載されていないためだった。義村も、比企が大きな顔をすることを快く思ってはいなかった。

頼時は初からつまらないと言われ、父上を見習って真面目に生きようとやって来たのにとしょげていた。義時はそんな息子に女子の心がわかっていない、初は寂しいからわざとそう言ったのだと教える。そして、山ほど土産を抱えて帰ってくれば、機嫌を直してくれると言い、女子は大体きのこが大好きだと教える。頼時はいいことを聞きましたと言って出かけて行く。

その頃せつは、善哉が生まれたこともあり、頼家がつつじの所に入り浸っていると比奈に愚痴っていた。おさみしゅうございますねと言う比奈にせつは、随分他人行儀だ、もう比企の者ではないからかと面白くなさそうだった。そしてせつは、皆家のことばかり考えるが、自分は誰が鎌倉殿になろうがどうでもいい、鎌倉殿に自分の方を向いていてほしいと言う。比奈はいい考えがあると言い、せつを政子に会わせる。

政子はせつに、夫の頼朝は幼いころから苦労をし、人を信じることをしなかった、頼家もきっとそうであろうと言う。ならばどうすべきかと比奈が問いかけ、政子は、いっそ思っていることをぶつけてみてはと促す。誰も信じていないお人にですかとせつは尋ねるが、政子は、信じていないけど信じたいのです、私にはそう見えますと答える。そしてあなたにしかできないことと、自信なさげなせつの背中を押す。

頼時は伊豆で百姓たちに会っていたが、彼らは借りた米を返そうにも返せず、鶴丸は、約束をなかったことにしてしまえばいいと言い、頼時はその場で即座に証文を破り捨ててしまう。これは逃散を防ぐためであり、返済分として米を鎌倉から届けさせると同時に、彼等にも1人当たり米を1斗与えることにした。その後戻った頼時に、鞠の手入れをしていた頼家は、伊豆では大変な評判と聞いていると言い、頼時と義時は礼を述べる。

頼家は証文を破るとは思い切ったことをしたものだと言い、これで全国の百姓たちが証文破りをするのではないかとまで言うが、幸い今までのところそうはなっていなかった。頼家はこれを機に褒美を取らせようと言い、間もなく自分は征夷大将軍に就任する、同じ「頼」の字を持っていてはお前も心苦しかろう、天下泰平の「泰」の字を取って泰時とせよと命じる。鎌倉殿に名をつけていただけるとは誉れであると、義時はそつなく答える。

頼時改め泰時も父に言われて頭を下げ、これからも鎌倉殿のおそばで力を尽くしたいと言うものの、頼家はお前はうるさい、父の許で励めとにべもなかった。泰時は、頼の字は頼朝様の頼の字でもあると不満そうだったが、義時はもう忘れろと言う。その側には、泰時が初への土産に持ち帰ったものの、突き返されたきのこが積まれており、泰時は不満やるかたない表情だった。

頼家は日が落ちた屋外で、またも蹴鞠の稽古に興じていた。全成は人形を作り、呪文を唱えていた。その様子を実衣が目にし、義時に人形(ひとがた)のような物をこしらえていたが、小娘じゃないんだからそんなのを貰っても喜ばないと言い、そして、本気で鎌倉殿になってほしいなんて思っていない、ただ源氏だから気概を持ったらどうなのかと言いたかっただけと話す。義時は、その気にならなかったから今があるのではないかと言い、実衣もそれは同意だった。

義時は全成のことを、時政とりくに話す。呪詛をかけているのではと義時は言い、時政はうっかり、鎌倉殿はわしの孫だぞと口にしてしまう。義時は余計なことはやめていただきたいと言うも、りくはしらを切り、また比企と争う時は終わったと食い下がるが、比企にそれを言えと時政は苛立っていた。その頃西国から流れて来た念仏僧たちが、民を惑わしているとして捕らえられる。

斬り捨てよと言う頼家に、民が念仏僧をありがたがるのは、暮らしが厳しいからだと時連が諫める。頼家はお前も北条の手先かと不機嫌になる。鎌倉殿を案じて申し上げていると時連は答えるが、皆同じことを言う、腹にあるは己の家のことだけではないかと声を荒げる。僧を斬れば災いが起こると言う時連に、天罰など畏れぬと頼家は言うが、時連はお子達に何があってもいいのか、お考え直しをと諫め、結局彼らは衣を剥がれて鎌倉から追放されたにとどまった。

頼家は善哉の許へ行こうとしたが、その時せつが向こうから来て、自分と一幡の所へも足を運んでくれと言う。しかし頼家は、せつの後ろの比企が煩わしい、どけとまたも声を荒げる。せつは嫡男は善哉様で結構と言い、ただ自分と一幡の側にもいてほしい、比企は関わりないと譲らず、それを退けていては鎌倉殿は本当に1人になる、お支えしたいと言う。

建仁2(1202)年7月、頼家は征夷大将軍となる。束帯を着けた彼の後ろには能員が控えていた。一方りくも時政も、一向に呪詛の効果が表れないことに腹を立てていた。全成は、頼家の髪の毛を手に入れることにする。それがあれば何とかなりそうなのだが、だったら初めからそうしなさいとりく。しかし頼家に近づこうとするものの、そこに義時が現れる。頼家は鞠を蹴ることに救いを見出していた。

そして自ら義時に指導を行い、また父は蹴鞠は得意だったかと尋ねる。お上手でしたと答える義時に、父は何も教えてくれなかったと言い、また頼家は義時が笑うのを見て、父が心から笑っているのを見たことがないが、その気持ちは今になったらわかるとも言う。義時は、頼朝様は人を信じることをなさらなかった、父上を超えたいのなら、人を信じるところから始めてはどうかと忠告する。

そこへ平知康が現れるものの、頼家はしばらく下がらせ、そして一幡を跡継ぎにすると義時に言った。比企のためではなく、せつは強い女であり、かつての両親のように、2人で鎌倉をまとめて行ける、また自分はは弱いから、自分を信じてくれる者を頼りたいとも言った。そして頼家はもう蹴鞠に逃げることは止めたと言い、知康もお役御免となる。しかし頼家が投げた鞠を受けようとして、知康は古井戸に落ちてしまう。

そして助けようとした頼家も落ち、隠れていた全成がやって来る。そこにあった縄のお蔭でかろうじて2人とも引き上げられるが、頼家は全成に亡き父の面影を見ているようだった。そんな頼家を全成は、こうして見ると可愛い甥っ子だと笑い、義時は、役目の重さと日々闘っておられると言う。結局全成は御父上に頼まれたと、呪詛のことを実衣に打ち明ける。しかし全成は、お前の喜ぶ顔が見たかった、千幡が鎌倉殿になれば立場も上がり、いい思いをさせてやれるとも話した。

あなたは見かけ倒しだからと言う実衣の言葉に、全成は図星を突かれたような顔をする。そして呪詛のため御所の床下に置いていた人形は、全部集めて来たと全成は言うものの、実は1つだけ置き去りにされていた。


まず、以前の投稿で頼家を将軍と書いている箇所がありますが、家督を継いで鎌倉殿となってはいたものの、将軍宣下はまだ先でした。今後訂正することになるかと思います。

後継者選びがエスカレートしそうになります。実際
一幡-比企
善哉-三浦
千幡-全成、実衣
とそれぞれの乳母夫が存在し、しかもそれぞれが義時に絡む展開になるわけですが、頼家は最終的には、一幡を嫡男とすることに決めたようです。しかしせつが比企と全く無縁と言うわけでもなく、頼家が将軍宣下を受けた時の能員の存在、あるいは三浦の存在などを考えても、今後比企との対立は激化して行くことになるでしょう。あと井戸に落ちて助けるのは、パペットホームズで、穴に落ちた友達を助けるのを思わせますね。

それから頼時の伊豆行き。百姓に逃散させない目的もあったのでしょう。米を借りたことに対する証文をその場で破り捨て、帳消しにしてしまいます。その代わり、鎌倉から米を持ってくることで決着したようです。この場合は台風という自然災害のためですが、飢饉もあり、百姓の生活は安定しませんでした。あと、きのこはかつて、八重にきのこを持って行った義時自身の行動を踏まえていると思われます。

さてその百姓、時連が、厳しい生活であるが故の念仏僧の受け入れについて、頼家に説明しています。この念仏こそが、鎌倉仏教のひとつの流れであるわけです。一方で全成は、密教に由来する呪詛を行っています。しかしなかなかうまく行きません。それと時政、自分達が疑われているのに、鎌倉殿などとわざわざ言うでしょうかね。それと全成が作っていたのは「にんぎょう」ではなく「ひとがた」ですね。ちなみにホームズの『踊る人形』も、本来は「ひとがた」です。

それにしても政子がせつの、そして義時が頼家の背中を押すところは、何か2人で筋書きを作ったかのようにも見えてしまいます。無論一幡ではなく、千幡が頼家の跡を継ぐことにはなるわけで、嵐の前の静けさといった印象もあります。あと以前、比奈が比企の紙に言及するシーンがありましたが、あれは「小川和紙」のことでしょうか。

それと、この『鎌倉殿の13人』の女性たちなのですが、政子、りく、丹後局、八重、そして道などはいいかと思います。しかしそれ以外の女性が、これは演じている女優さんには悪いのですが、何か似たような印象を与えているように見えます。『真田丸』に出て来る女性は、それぞれキャラが立っていたように思うのですが、やはり舞台となる時代の違いもあるでしょうか。


飲み物-グラスビール
[ 2022/08/02 01:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 54

『武将ジャパン』大河コラム続きに行く前に、『鎌倉殿の13人』出演者情報です。

【第七次】大河ドラマ「鎌倉殿の13人」新たな出演者決定!
(NHK ONLINE)

詳しくはまた後で投稿しますが、関智一さん、山寺宏一さんも出演ですね。

さてコラムの後の方ですが

久々のギャグがあって爆笑回だな〜!……と思えたかというと、そうでもない。
随所に不吉なフラグが立ちました。
範頼も、全成も、破滅への道のりがうっすらと見えてきます。
彼ら自身が迂闊というよりも、懲りずに企む坂東武者が悪いとも思えてくる。上総広常の死を教訓にできていないんだなぁ。

私が観た限り、ギャグらしきものはこの回はなかったのですが、どこのシーンでしょうね。全成と実衣の会話でしょうか、あるいは政子が飛び跳ねるシーンでしょうか。そして坂東武者、特に年配の豪族は、頼朝に不満があるわけですから、揺さぶりをかけてもおかしくありません-当然ながら失敗しますが。

善児が怖いと言われますが、私は人間よりも権力のありようが怖いと思いますよ。
比企能員と道の夫妻なんて、権力をとりにいくことを楽しみすぎていて危険です。
しかも彼らは一族の女を駒にするからたちが悪い。比企に関わると滅びるという意味では、源行家に匹敵するほどの死神かもしれない。

権力を取るというのは、乳母制度というのも関係しているかと思います。手塩にかけた若君が将軍ともなれば、一族が出世してもおかしくないでしょう。それとこの当時、あるいはそれより後になっても、女性を権力者に嫁がせる、あるいは側女にするというのはよくあることでしたが。

そして、このような記事のリンクがコラム内に貼られています。尚私はタイトルをコピーして検索したので、このメディアの記事であるかどうかは不明であるとお断りしておきます。

「鎌倉殿の13人」風雲急 ついに“三谷流”曽我事件!善児も暗躍?ネット興奮「もうミステリードラマ」
(スポニチ)

しかしこの冒頭に
「稀代の喜劇作家・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目」
などとありますが、昨年がこうだったら、武者さんは提灯記事だ何だと叩いたでしょうね。

あと『シャーロック・ホームズ』に登場する仮設形成(アブダクション)を、この大河に当てはめたらどうなるかなどと書かれていますが、どうも武者さんの独りよがりと思われるところもあるし、何よりも長くなるので省略します。それにしても今回も、それから少し前にもホームズの『緋色の研究』で、ワトソンが軍医であると言い当てる場面ばかり出て来ます。他の場面、あるいは他の作家の作品は引用しないのでしょうか。

さらに

なんだか最近「伏線回収!」という言葉でドラマを評価することが流行しているように思えますが、三谷さんのようなミステリ大好きな作家ならばそれはむしろ当然のこと。
(中略)
それにそうすることで話を動かせる中世と相性が良いのだと思えます。

とありますが、
「そうすることで話を動かせる中世」、仮設形成によって話を動かせると言いたいのでしょうが、例えばどのようなものかを挙げてほしいものです。また『孫子』の「行軍」では戦場でのこの適用法があるとして、その部分が引用されていますが、これも長いのでここでは紹介しません。そもそも大河コラムで、なぜこういうのを持ち出すのかそちらの方が不思議なのですが、いつもの漢籍自慢なのでしょう。

そして最後に「『鎌倉殿の13人』の進む道」という小見出しで、以下のようなことが成功する要素とされています。

・Twitterでトレンドを獲得する
→これは保留。Twitterのアルゴリズムを理解していれば、ノイジーマイノリティ(声の大きい少数者)が活発化するとトレンドは取りやすいため。
・関連番組が多い
・ネットニュースの本数が多い
・関連書籍も多く出てくる
・関連イベントが多い
・歴史雑誌が、夏になっても関連ネタを取り上げている。昨年は夏にはもう下火になっていた
・ファン層の空気に余裕がある。心底好きか、義務感から好きと言っているのか。その違いはファン層の空気に反映される

トレンドの件、保留するのであれば外せばいいと思うのですが…。ともかく関連番組やネットニュース、関連書籍に関しては、昨年もあまり変わらなかったと思います。書籍は結構多かったですし。イベントは、コロナ禍でできなかったものもあるかも知れません。それから歴史雑誌の件ですが、渋沢栄一という人は歴史雑誌というより、経済関連のメディアなどと親和性が高いのではないでしょうか。
そして
「ファン層の空気に余裕がある」
とは一体何でしょうか。これを見る限り、心底好きなのが今年で、義務感から好きというのが昨年だと言わんばかりですが、もちろん昨年でも本当に好きだとか面白いと言っている人は、ネット上でも結構見かけました。この最後の部分は、武者さんの希望的観測でしょう。

こうもネット配信が発達した現在、視聴率だけでの判断は時代遅れになりつつあります。NHKもそこはふまえてNHKプラス再生数を気にしている。そこでよい結果が出ているのでしょう。

確か昨年、『麒麟がくる』で上げた視聴率を『青天を衝け』は落としたといった記述が、この大河コラムにありました。こういう場合は
「視聴率だけでの判断は時代遅れ」
とはならないのでしょうか。そもそもここまで書くのなら、数字をきちんと出さないと説得力がないかと思います。

NHKは中世大河という賭けに勝った。
ゆえに再来年も『光る君へ』にしたのではないでしょうか。

「賭けに勝った」も何も、まだ放送が終わってもいないのに、そういうことを言うのは時期尚早かと思います。『青天を衝け』とは視聴率は拮抗している(というか現時点では『青天を衝け』の方が数字がいい)けど、でも武者さんは勝ったのだと思っていたいのでしょうか。
あと『光る君へ』ですが、平安京1230年と何か関連があるのではないでしょうか。そして平安時代は、日本史の時代区分上では中世ではなく古代に入りますね。

来週日曜、6月12日、伊豆の国市の江間公園で「第1回義時・江間祭り」をあげておきます。
こういう行事があることが、大河の持つ力でしょう。

それはいいのですが、好きな大河の時にはイベントをアピールするのに、そうでない大河になると見向きもしないのも、武者さんのコラムの特徴と言えます。何度も言いますが、『西郷どん』放送年の11月に、メインキャストが鹿児島市を訪れた時、多くの人々が出迎えたことが公式のSNSでも採り上げられ、糸を演じた黒木華さんもそのことを語っていました。しかし武者さんがこの大河を好きでなかったせいか、このコラムでそのことが紹介された記憶はありません。

飲み物-アイスカフェラテ
[ 2022/06/10 00:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 45

『武将ジャパン』大河コラム後半部分です。

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第19回「果たせぬ凱旋」 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)
https://bushoojapan.com/taiga/kamakura13/2022/05/16/168242

1.里は比企一族らしい。比企能員とその妻である道も、正攻法ではない手段で、利益を得ようとしていた。(中略)河越重頼の娘なのですが、ドラマでは父方の血統はすっ飛ばし、母方である比企の血を強調しています。

2.今年は殺陣にも気合が入っています。まだ武術の流派が確立するはるか前なので、荒々しい動きをし、迫力を出す。実にいい。最近の大河で「この俳優は剣道部に所属していた」という記述を見かけました。剣道の経験がないよりある方がよいとは思いますが、必ずしも当時を表現する上で相応しい動きになるとも限りません。(中略)漫画やゲームのような鮮やかすぎる殺陣になってもよくないんですね。その点、本作は、視聴者に中世日本らしさを想像させる、よい殺陣ではないでしょうか。

3.ムードメーカーの義盛が立つと、もう誰も拒めない。そしてそんな義盛に着火できる役目が、重忠にある。見事な連鎖反応が起きました。

4.いくら京都で人気だと言っても、肩を持っているのは戦に出なかった連中ばかり。一緒に戦った連中は、ついていこうとはしない。

5.もう一度あいつの元で戦いたいか?
否! 俺たちがそうなら、京都の連中もそうだろう。あいつをチヤホヤしている連中は、戦が何かわかってない連中だけだ。
とまあ、こんなふうに一点からどんどん手札を増やし、仮説を作り上げてゆきます。
ミステリだとシャーロック・ホームズが似た思考回路を使います。
日焼けして足を引きずっている医者となれば、アフガニスタン帰りだ!……簡単なことだよ、義時くん。

1、里が比企一族と言うのは、既に第13回で紹介されています。そして、土佐坊昌俊に静を暗殺させようとしているシーンですが、これを叔父と叔母である比企能員と、その妻道に重ね合わそうとしているのは無理がないでしょうか。そもそもこの当時、能員は頼朝の側近ではありましたが、そこまでの陰謀を企む人物ではなかったのですけどね。
「ドラマでは父方の血統はすっ飛ばし」
などとありますが、彼女のこのような行動が、本当に比企の血であると言い切れるのでしょうか。

2、「今年は殺陣にも気合が入っています」
前にもこのような記述を見た覚えがありますが、それぞれの大河で、それぞれの時代に応じた殺陣を指導しているだけだと思います。昨年しかり、一昨年しかりでしょう-一昨年の、ジャンプしながら相手を斬るのは違和感がありましたが。
それと
「最近の大河で『この俳優は剣道部に所属していた』という記述を見かけました。剣道の経験がないよりある方がよいとは思いますが、必ずしも当時を表現する上で相応しい動きになるとも限りません。」
吉沢亮さんのことでしょうか。剣道経験者ですが、剣術に不慣れな栄一をうまく演じていたと思います。ついでながら『花燃ゆ』の東出昌大さんも剣道経験者ですね。

3、「連鎖反応」とありますが、これは一つの物事がきっかけでまた別の物事が引き起こされるという意味で、この場合皆が上洛に同意したと言うか、コンセンサスを得たといったところでしょう。

4、義村のセリフを踏まえてでしょうが、「一緒に戦った連中」ではなく、その戦った連中の中の「命拾いした兵」にしてみれば、「無謀な戦ばかりの」大将にまたついて行こうとは思わないと言っていますね。要は懲りたということでしょうか。

5、「手札を増やし、仮説を作り上げて行きます」とありますが、義村自身従軍しており、京での噂も耳にしているでしょうから、義経とその兵たちについて、どのような状況であるか察しはついたでしょうし、多分に本人の経験によるものと思われます。あと武者さん、以前もホームズを出していたことがありますが(時代的に正しくありませんでしたが)、他のミステリも引用してはどうでしょう。それと
「日焼けして足を引きずっている医者となれば」
ですが、元々のワトソンは「左腕」を負傷しています。パスティーシュで左脚負傷となっているのはありますが。


6.ここまできて、やっと行家は自らが宿した死神に食われたのでしょう。
そんな行家と比べると、源頼朝という大物が義兄となっても欲に揺らがない北条義時は大した男です。ふるまいをわきまえた男に思えてくる。
ともかく源行家をいやらしく演じた杉本哲太さんが、お見事でした。彼がこの役で本当によかった。

7.綸言(りんげん)汗の如し。
天子の言葉は汗のようなもので、そう簡単にキャンセルできないということです。
ホイホイ撤回されるだけでは嫌で仕方ないので、せめてもの抵抗をしたのでしょう。こういうことをすると、権威が低下して信頼度も下げるため、禁じ手でもあります。

8.後白河法皇は、つくづくしみじみと、最悪だと思います。
彼は悪事を成し遂げようという思いはない。ただ、自分がエヘラエヘラしながら生きていければよい。
そのために周囲を平然と振り回します。プライドも何もあったものでもない。
(中略)
検非違使と受領を兼任しても別にいいし。宣旨なんて出して引っ込めて、引っ込めて出して……それでいいもん。
こんなルールも何もあったものじゃない相手に、まっとうな大人は対処ができません。
そしてそういうことをするから、武家の政権が成立することもわかる。
自分のことしか考えられない幼稚な人間は、実に罪深いことをやらかすものです。

9.お二人(注・西田敏行さんと鈴木京香さん)は奥州、つまりは福島県と宮城県の出身。後白河法皇当人の時代には、それこそ野蛮とみなされた場所の出身なのです。そんなお二方が京都に生まれ、人々を手玉にとる側を演じている。歴史っていうのは皮肉だと思いますし、痛快爽快なキャスティングだと思えます。

10.法皇と行家は、悪とは何か?ということを考えさせてくれる、秀逸な人物像でした。
流石にこの二人と並べるとかわいそうだけれども、里も悪い。
あの襲撃計画についてきっちり素直に説明して謝罪すれば、ああはならなかった。自己保身のために破滅します。
八重の言葉が真実をついていると思えます。
信じられないところが子ども以下としか思えない――そんな醜い大人が事態を悪化させてゆくのです。

6、まず行家と義時ですが、この両者は経歴も違うし、育った環境も異なっていると思われ、その2人を単純に比較はできないでしょう。逆に頼朝が義兄である以上、あまり差し出がましい振舞いはできないのではないでしょうか。義時の場合元々の性格に加え、それが寧ろ幸いしたとも言えますが。

7、「天子の言葉は汗のようなもので、そう簡単にキャンセルできないということです」
もう少し詳しく書いて貰えないでしょうか。一度汗が出たら体内に戻れないように、天子の言葉は一度口に出してしまえば、取り消せないということですね。それと今回も時折漢語を出して来ていますが、その前にドラマをきちんと観て、セリフを間違えないようにしてほしいと思います。

8、これは驚きですね。当時の宮中には様々な勢力がうごめいていたため、そのバランスを取るだけでも大変だったのではないでしょうか。実際あくの強いこともやっていますが、なぜ法皇がそうせざるを得なかったのか、そのことに関する考察が見えて来ません。単なる悪人扱いで、幕末大河の西国諸藩の志士、あるいは水戸藩関係者に対する視線と同じと考えていいのでしょうか。

9、もっと驚いたのがこれです。これはキャスティングをした側にも、俳優さんたちにも失礼ではないかと思います。三谷さんのことだから、この両名を今までと違った雰囲気で、人を手玉に取るようなイメージで面白く描きたいというのはありでしょう。
しかし
「奥州(中略)後白河法皇当人の時代には、それこそ野蛮とみなされた場所の出身なのです」
などとわざわざ書く必要があるでしょうか。そしてそれだけ武者さんに取っては奥州が大事な存在なのに、奥州藤原氏がやっていた北方貿易を日宋貿易などと以前書いていましたが、あれは一体何だったのでしょうか。

10、「法皇と行家は、悪とは何か?ということを考えさせてくれる、秀逸な人物像でした」
6でも義時と行家を比較していますが、流石に法皇と行家も単純比較はできないでしょう。何よりも、法皇を悪としてしか見られないというのがどうなのかとは思いますが。そして無論里も、同列に論じることはできません。彼女の場合は、どう考えても静憎しの思いがああさせたのではないでしょうか。
そして
「八重の言葉が真実をついていると思えます」とありますが、彼女に取っては子供たちの行動が基準であり、それのみですべてを判断することは当然できないでしょう。

あともう少し突っ込みたい部分はあるのですが、それは次の投稿で。


飲み物ーアイスカフェオレ
[ 2022/05/20 01:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

大河ドラマ雑考-58 終わらせるべきか改革するべきか

先日の投稿で『武将ジャパン』コラムの、「性差別的でおっさん向けサービスばかりの大河はパス」と若者が考えたら、日本の時代劇に明日はないという箇所について、飛躍した感があると書いています。そもそも大河がそこまで「性差別的」とも思いませんが、ただ私は、来るべき時が来れば大河は終わってもいいと思っています。前にも書いたように昭和的なビジネスモデルだし、公共放送であるため受信料で作るいう制約もある上に、受信料をそこまで使って作るべきかという疑問もあります。

これがスポンサーをつけられるのであれば、もう少しお金をかけられるのですが、もちろん仮にそれができても、視聴率が悪ければアウトです。ならばNHKを課金制にして、一定のプランに加入すれば、定額で毎月大河を観るという方法もあって然るべきでしょう。しかしこの場合も面白くなければ、途中で解約する人も増えるでしょうし、それで成り立たないのであればもうそれまでとなるか、また別の方法を模索するかになります。NHKも長寿番組をどんどん終わらせていますが、経費削減を考えるのであれば、大河の見直しも当然検討されてしかるべきでしょう。

大河の黄金時代は、TVの黄金時代とも重なります。70年代ごろから90年代頃までは、確かに全員で大河を1年かけて観るケースは、今よりも多かったでしょう。しかし今の時代、家族全員がそろって同じ時間にTVを視聴するわけではありません(三谷さんはそれを希望しているようですが)。それと必ずしも、毎年1年間必ずやる必要もありません。たまには休みを入れて、何年かかけて完結させるという方法もあります。

ところで大河がいつまで続くかは知りませんが、大河ファンの中には、私が勝手に「ヴィンテージ大河」と呼んでいる、1970年代から90年代頃、特に80年代後半頃に高視聴率を記録した大河を懐かしむ声もあるようです。かといって、今こういうのを再現するのはかなり難しいと思います。経費の問題に加え、リメイクしても往々にして昔のと比較されがちですし、今は過激あるいは露骨な表現もできないこともあり、路線変更はやむを得ない部分もあります。また私の場合、大河のみならずエンタメ作品は、必ずしも昔の作品が優れているとは思わないというのも、理由として挙げられます。

それで思い出すのが、ジェレミー・ブレット主演のグラナダ版ホームズです。無論、ホームズシリーズと大河は様々な点で全く異なるわけですから、あくまでも参考として出しておきます。かつてホームズ作品が連載された、『ストランド』誌の世界観そのままのこの作品は、今も再放送されていて、古典的(ただし原作はいくらかアレンジされている)なホームズのイメージです。それに対してBBC版の『SHERLOCK』は21世紀のロンドンが舞台です。そもそもマーク・ゲイティスが『ドクター・フー』に関わっていたこともあり、斬新なイメージのホームズを打ち出して、しかも自身が演じるマイクロフト・ホームズを前面に出したという点で、それまでのホームズのイメージを塗り替えた感もあります。

結局過去の作品と同じ土俵で勝負しても、様々な点で昔と今は違いますし、どうしても比較はされるわけですから、思い切って発想を転換し、また数年に1度のシリーズでの制作という方法も検討されてしかるべきでしょう。無論この手の発想が、すべて大河に馴染むかどうかはまた別ですし、それはそれでまたリスクを伴うものではあると思われますが、数字をもう少し上げたいとNHKが本気で考えているのなら、根本的に手を入れる必要もまたあるでしょう。

飲み物-グラスに注がれたエール
[ 2022/03/27 01:00 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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