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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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「人物デザインの創作現場から」金陀美具足と紺具足

『どうする家康』公式サイトに、「人物デザインの創作現場から」というコラムが掲載されています。こちらはその第3回目で、金茶美具足についてです。(字幕では金陀美具足とありますが、どちらの表記も使われているようです)

人物デザインの創作現場から vol.3 ~ 金荼美具足と紺具足 ~

この記事中にもありますが、実際のこの具足は久能山東照宮に所蔵されています。無論この大河では、夏目広次がこれを着て家康として武田陣へ赴き、討ち取られたまま具足も戻ってこないという設定に、今のところはなっています。後で甲州征伐の時に、取り戻す可能性がないとも言えませんが…。

しかしこの具足のデザインと言い、広次が家康になりすます時の打ち合わせと言い、かなりのアイデアや議論が出されたようです。あとこの中に出て来る歯朶具足、兜の前立てが歯朶の形で、兜本体は大黒頭巾の形をしたあの具足です。家康が大黒天の夢を見て、これを作らせたという言い伝えがあります。

次回からは紺具足の登場となるようですが、この場合も紺に落ち着くまでに、兜のデザインを始め色々な案があったようです。

そして広次が金茶美具足をまとう前に、本多忠勝がそれを身に着けようとして、お主はまだ先じゃと広次から蹴飛ばされるシーンへの言及があります。その忠勝は、叔父忠真からもお前の死に場所はここではないと言われるわけですが、その時の忠真のセリフと画像も、この中で紹介されています。

尚これ以前の記事はこの2つです。
Vol.1 家康ブルーに込めた思い
Vol.2 時を超えた祝祭(登場人物の衣装と髪型)

ところでこの人物デザイン担当の柘植氏、『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』の人物デザインも手掛けていますね。


飲み物-アイスコーヒーとストロー
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[ 2023/05/28 01:45 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

今年もまたハロウィンについて

今年もハロウィンです。韓国で転倒事故が起こったようですが、ここもコスプレ大会的なイベントがあるのですね。一方日本では、昨年のハロウィンに妙な事件が起こったせいか、渋谷パルコがコスプレ客お断りの貼り紙を出しています。あとハロウィンと言えば、『ゲゲゲの鬼太郎』の「こうもり猫のハロウィン大爆発」という回を思い出します。

ところでこのハロウィン、これは前にも書いていますが、今は諸聖人の日(万聖節)前夜ではあるものの、キリスト教は無関係です。どころか当のキリスト教教会からは、異教的だと敬遠されることもあります-無論、すべての教会がそうだと言うわけでもなさそうです。元々はドルイド教の祭りであり、11月1日が新年に当たるため、その前日10月31日はいわば大晦日に当たります。またこの日は収穫祭でもあります。

ドルイド教の新年はサムハイン祭と呼ばれ、神々が人間に悪戯をすると信じられて来ました。そしてその前日の10月31日は、先祖の霊が地上に戻ると共に、魔物の力が強くなるとされており、これを避けるために篝火を焚く習慣がありました。「お菓子くれないと悪戯するぞ」も、この延長線上にあると言えます。

この「トリック・オア・トリート」も元々はアイルランド発祥で、後にアイルランド移民がアメリカに伝えたとされています。コスプレをした子供たちが、お菓子を求めて練り歩くさまは、非常にアメリカ的な光景でもあります。ジャック・オー・ランタンがカボチャで作られるようになったのも、アメリカに紹介されてからのことです。

野菜でこういうのを作ると言う点に、収穫祭の名残りを感じることもできます。あとイギリスではハロウィンもさることながら、その数日後のガイ・フォークスデイが有名です。映像作品、たとえば『シャーロック』などにも登場していますが、今NHKBSプレミアムで再放送されている『名探偵ポワロ』でも、この日は花火がうるさいから殺人にもってこいなどと言うシーンがありますね。

アメリカでは10月末にこのハロウィン、そして11月末に感謝祭(第4木曜日)、さらに12月のクリスマスと続きます。尚感謝祭も、元々は移民たちが始めたもので、宗教との関係はありません。ハロウィン同様『ピーナツ』に登場することもあります。そしてこちらは宗教絡みなのですが、この10月31日は宗教改革記念日でもあります。以前この日の学校の礼拝で、マルティン・ルターが作曲したとされる、『神は我がやぐら』を歌ったのを思い出します。

ハロウィン2
[ 2022/10/31 01:30 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『ちむどんどん』1週間分を観て思ったことその3

朝ドラ『ちむどんどん』について。

暢子が新聞社に行かされたり、良子に子供が生まれたり、歌子が歌手のオーディションを受けるものの、本番で倒れたため落ちてしまい、結局高校を卒業後に運送会社に勤める道を選んだりと、色々な出来事があった1週間でした。
しかし、先日もちょっと書いたのですが、かなりおかしな点もあります。重複するかと思いますが

  • 暢子が1年半イタリア料理店に勤めているのに、イタリア料理について何も知らない
  • そもそもこの店は厨房スタッフとホールスタッフが分かれていないのか

で、結局ボーヤ(雑用係)として新聞社に行かされ、一定の評価を得ることが復帰の条件となるのですが、

  • そもそも元がそういう職場でなかったせいもあるが、電話の応対の仕方がわかっていない
  • 相変わらず家族間でよく電話をする
  • 子供の頃同じ小学校だった新聞記者の和彦と偶然にも同じ下宿。しかも和彦の場合、このリトル・オキナワと呼ばれる地域に住んで沖縄について書きたいようだが、ここから駅まではかなり距離があるらしい。
  • その和彦の取材の仕方がまずく、イタリアンのシェフのタルデッリに再取材することになり、暢子が勤めていたアッラ・フォンターナのオーナーが口を利いてくれる
  • フォンターナに戻って来た暢子が急にイタリア料理に詳しくなっているが、勉強するシーンが描かれない

などなどで、やはり主人公に都合のいい展開に見えてしまいます。なぜ主人公が苦労したり、自分で努力したりするシーンが描かれないのでしょうね。そのせいかあまり感動できないのです。あの投書の件にしても、暢子や和彦が頑張った、タルデッリが昔のことを思い出して涙したという美談の域を出ないのですが、何か伏線になっているのでしょうか。

しかもニーニー、賢秀が今度は養豚場で働いていて、ビッグビジネスがどうこうと言っています。言っては何ですが、何やら「ねずみ男」を連想してしまいます。危ない商売をやっては失敗(賢秀の場合は借金して行方をくらます)しているところはそっくりです。尤もねずみ男は大言壮語すると猫娘に引っかかれるし、忠告してくれる鬼太郎もいますが。

その後も電話を引いたり、「やっと」暢子が髪をまとめたりしていますが、それに関しては以下の、小檜山青氏のnote記事で書きたいと思います。しかし暢子が投書を探していて、沖縄出身の人の投書を見つけ
「復帰前は渡航証明書も必要だったし」
などと言っていますが、貴女のニーニーはまさにその頃東京に行ったわけです。どうやって渡航証明書を取ったのでしょうね。それと昭和の後半頃の新聞社で、煙草を全く吸わないということはないかと思います。これは「あまゆ」でも同じですが。

では小檜山氏のnoteの、朝ドラ記事の一部です。

『ちむどんどん』第38回 最後の晩餐に食べたい味は
https://note.com/54seikobi85/n/ne8d85b5be6f5

ちなみにタルデッリが乗っていた戦艦はちゃんとモデルがあります。作り話ではない。
これは「ラム2世」(カリテア2)号のことと思われます。ちゃんとモデルはありますが、仮装巡洋艦であって戦艦ではありません。

何十年間も頭巾すら被らず飲食店主をしていた朝ドラヒロインを見たばかりなので、まあ、多少はね。
『カムカムエヴリバディ』で髪を包んでいたのは三角巾でしょう。頭巾とは基本的に頭全体をすっぽり包むものです。

成長段階を表すためにヘアメイクを調整することはあります。
「あれ? 当時三十過ぎて既婚者なら、彼は髭を伸ばしていないとおかしいけど。まあ、一人の役者で青年期から老年期まで演じるし仕方ないか」
これ「髭を伸ばす」より「髭を生やす」の方ではないかと思うのですが。それから月代が当たり前になった時代は、若い頃が総髪、中年以降で月代を剃るという変化もありますね。

なんか「公衆電話使い過ぎ!」と意地悪く言われていたことも、ちゃんと歌子が給与で電話線を引くことで回収しました。歌子は歌が好き。事務員になっても歌い続ける。素敵な女性です。
ここのところ「歌子の金で電話線を引いて伏線回収」とありますが、伏線回収と言うよりは、家族が電話で連絡を取ることが多い、歌子も就職してお金が入ったという設定のようです。
しかしこれでもおかしな点があります。元々電話を引くには電話加入権というものがあり、これが1974年当時だと5万円です。歌子の初任給がどのくらいであったかわかりませんが、彼女の収入だけで引けたのでしょうか。そして電話を引くということは、当然電話料金も発生するわけで、長距離電話をしょっちゅうしていると、かなりの金額になるでしょう。

この朝ドラは、とにかく電話シーンが多いのですが、その割に手紙やハガキを書くシーンがあまりありません。お金のかかる電話は緊急の時、普段は手紙と使い分けないのでしょうか。この当時ネットはまだないわけですが、今の時代に、携帯を使うような感覚で電話をかけているような描写が気になります。

それと「公衆電話使いすぎ」が意地悪いなどと言われても、『カムカムエヴリバディ』で、小豆を煮る時のおまじないを散々オカルト呼ばわりしていた小檜山氏に、それは言ってほしくないですね。

良子は博夫が結局、儒教思想ガチガチとわかってきて辛い展開に。子が男児しか生まれていないと思い込んでいたあたりが辛い。
男の子の名前しか考えていないのが、「儒教思想ガチガチ」なのでしょうか。というか博夫は、良子の眉間にしわがあるから男の子だと思い込み、男の子の名前ばかり手帳に書き連ねていたのだと思います。

あと暢子のまとめ髪、なぜ入店当時からやらなかったか、あるいは新聞社から戻って来てすぐやらなかったのか、それも十分に疑問です。何よりも1年半経っても長さが殆ど変わっていないということは、一応あの長さに揃えていたのでしょうか。
それと髪をまとめることになったのも、どうも普段のヘアスタイルをまとめ髪に変えたから、職場でもそのままといった感じで、仕事中は束ね、オフの時はダウンスタイルと分けているのではなさそうです。


飲み物-グラスビールと泡
[ 2022/06/05 00:00 ] 朝ドラ | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 39

『武将ジャパン』大河コラムへの疑問点。第16回後半部分です。


鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第16回「伝説の幕開け」 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)
https://bushoojapan.com/taiga/kamakura13/2022/04/26/167884

1.「もっと近う」と言われてドスドスと近づく義経。(中略)しかし、名を名乗る義経に対し、法皇は怒らぬどころか、何か感じたようではあります。義経は宮中と結構関係があったとか、藤原秀衡人脈とか、色々な要素が絡みあってのことでしょう。

2.辛いことになりそうだと語る全成に対し、政子はハッキリと言い切りる。大丈夫。決して冠者殿を死なせたりはしない――そう決意を固めています。北条政子は悪女だのなんだの言われるけれど(中略)情に篤い。目の前の誰かが困っているのに、権力を求めるなんて性に合わない。まっすぐな人で、彼女にも「義」はあります。

3.そのころ、父の死を知っているのか知らないのか、木曽義高は海野幸氏とともに、大姫と遊んでいるのでした。

4.義経が二人の前にやってきて、義時だけを残すと別の策を話し始めました。
法皇に文を出し、平家に対し和議を命じてもらおう!源氏と停戦するように伝えてもらい、その前日に知らぬして一方的に攻め込む――義からどんどん遠ざかる義経です。
それに朝廷の力を利用することは禍根ともなり得ます。彼は自らが地獄へ堕ちる道を踏み始めてしまったかもしれない。
天才的な策にせよ、一つでも間違えたら総崩れとなる危険性がある。この英雄は、一押しで崩れる砂の楼閣のようでもあります。

5.「今度の源氏の御曹司は、法皇様と気が合いそうですこと」
「こういうのが大好きなんじゃあ」
義を軽んじる者同士が連携してゆきます。

1、「義経は宮中と結構関係があったとか、藤原秀衡人脈とか、色々な要素が絡みあってのことでしょう」義経は異父弟に一条長成がいましたし、秀衡の正室は藤原基成の娘ですからこの辺りのパイプは太かったでしょうし、それを明記してもよかったと思います。しかしながら、この大河ではやはりこの2人は抜け目のなさという点でウマが合ったようです。無論、義経の政治的手腕は法皇には遥かに及びませんでした。

2、困っている目の前の誰かに手を差し伸べるのが、必ずしも正しいとも言えません。この義高もそうですが、御家人たちに同情しその待遇に口を出すのは、最早政治の範疇であり、彼女が情のみで判断できることでもありませんから。

3、烏の鳴き声を聞いていますから、何となく察するものはあったでしょう。この鳥がいつもと違った鳴き方をすると、人の死を意味すると言われていますし。大河とは全く関係ありませんが、『ゲゲゲの鬼太郎』では烏が情報伝達の役割を果たしていますね。あと登場人物を運んだり(カラスブランコ)もしていますし。

4、この当時朝廷の力を利用するのは、別に義経だけではなかったと思うのですが。ならば以仁王の令旨はどうなのかと。

5、「義を軽んじる」とありますが、そもそもこの当時、後白河法皇の存在そのものがひとつの「義」であるわけですが、武者さんが言う義というのは、この場合何なのでしょうね。義経の常軌を逸したと思われる策も、戦に勝つための必要悪ではあったでしょうし。

6.「馬を背負ってでもついていきます。末代までの語り草になりそうです」実際そうなります。
畠山重忠の銅像は、馬を担いだ姿。そして上へと登ってゆく。
常識的に考えれば、景時が正しい。義経は兵士の損耗を度外視しすぎ、かつ技量に頼りすぎています。

7.(義経の策について)これは日本の特徴かもしれません。
他の文化圏では、一つの技術なり作戦なりを集団で覚えて底上げする方法が重視されます。
たとえば諸葛弩(しょかつど)――諸葛亮が発明あるいは改良をした弩であり連射ができる、現在で言うところのボーガンです。こんな兵器があれば誰だって矢を連射できる! 流石だ!そんな風に讃えられる一方、坂東武者は扱いが難しい弓術の個人的技量を重視します。

8.相当高度な映像です。まず馬が複数いるし、馬に乗る義盛のアップも映り、弓矢も放っている。大河の合戦でも、ここ数年で屈指であり、予算と手間暇を感じます。アクションもVFXも、かなりレベルが上がってきていますね。

9.そしてしみじみと、義経より景時の方が時代を先んじていて、組織の一員として有能で、実は役立つ人材ではないかと思えてきます。
景時は場の空気を理解している。義経はまったく意に介さない。こういう人間がいるとチームワークがズタズタになり、かえってパフォーマンスが落ちます。
そういうバランスを見ていくと、実は景時の方が上ではないかと痛感できる。景時は先天的な才能ではなく、後天的な学びを使いこなす達人です。

10.演じる役者も素晴らしい。勝手にこう思っていました。
東の染谷将太さんならば、西は菅田将暉さんだと。こういう性格の濃い天才的な武将を演じるうえで、この年代なら東西でこの二人が競い合うだろうと。
まさにその通り。菅田将暉さんはまるで猛獣。得体の知れない何かが突如現れたような感覚があって見ていて飽きない。

6、この重忠の馬を背負う云々、確かにその有様を再現した像もありますが、この逆落とし自体創作ではないかと言われてもいます。そして「実際そうなります」とありますが、この第16回ではそのようなシーンはないのですが(『馬からおりろ』というシーンはありますが)。

7、この時代足軽を中心とした集団戦はないのですから、これは当然でしょう。無論そのような戦では弩も使う機会がなく、逆に長弓が使われたわけです。

8、合戦シーンの描写ですが、こういうのは作品ごとにアップデートしている感もあるので、これも当然でしょう。
ならばもちろん、『麒麟がくる』よりも素晴らしいのですね。
それに「まず馬が複数いるし、馬に乗る義盛のアップも映り、弓矢も放っている」というのは、『平清盛』などでも似たようなものでしょう。何だか、今までブラウン管TVを観ていた人が、急に4Kの映像を観たかのようです。

9、何か非常に今更感があります。景時自身は悪役と見られてもいたようですが、義経自身が無謀なことをしたのも事実ですから。この大河は景時も13人に加わっていることもあり、その意味で景時と義経の対比をそこそこ描いているかとは思います。

10、個人的には染谷さんの信長には違和感がありました。それを考えれば、菅田さんの義経の方がまだ合ってはいますが、テンションが少々高すぎる嫌いがあります。でもそれ以前に信長と義経とは人物のありようが違うのでは。

11.木曽義仲は「義」と口にします。そして後白河法皇はそんなものは手前勝手だと言う。好き勝手に人を操り、騙し討ちの何が悪い!と開き直る義経と気が合っていた。この対比から、「義」のない人間は空っぽなのではないか?と思えてきました。

12.姉の政子は御家人の悩みを聞くと言い切った。これは義のある振る舞いであると、京都人らしい空虚な権力思考を見せるりくとの対比でわかります。
政子の意向に沿えば、義時は義を掲げることはできます。それは金剛を前にして思う迷いでもよい。
頼朝は金剛を源氏の守り神にするつもりだけれども、義時はそうではなく、ただ我が子に幸せな人生を送らせたいと願っています。

13.この父としての純粋な思いに、政子の掲げた御家人を幸せにするという義を振りかざして、亡き兄・北条宗時の遺志、それに上総広常の願い……そうやってモヤモヤと考えていくうちに、義のある勝利が拓けてくるのかもしれません。
この義時は、まるで昭和の中間管理職だと共感する方もいるとか。

14.源義経には大天才のイメージがある。
しかし、実際にそうだったのか、後世のイメージゆえか。そこは慎重になった方がよいと本作は示しています。
義経はヤマトタケルとイメージが重なるとは指摘されるところです。
悲劇の天才戦略家が、新しい国づくりのために戦い、非業のうちに死ぬ。そんなところが重なる。

15.近年の様々な研究成果をふまえ、人格に相当癖があったとされる日本史英雄の定番に入ります。(中略)
義経はこの時代だからこそ英雄となれたのだということもわかる。(中略)
彼自身は巧みな集団戦術を用いる転換点をうまく捉えているけれども、スタンドプレーがあまりに目立つ。
こういうことは軍隊の組織がもっとしっかりした時代にはむしろ嫌われます。
彼の言動が悪質な意味でも目立っていたからこそ、インパクトが強かったのでしょう。(中略)
その時代にピッタリあったからこそ名を成した人物というのはいるものです。

16.昨年大河『青天を衝け』の渋沢栄一も、伝記を手がけた幸田露伴にそう思われています。確かに外国人殺傷思想である攘夷テロ繋がりで人生が開けるなんて、あの時代しか考えられません。そういう人物を過剰に美化するよりも、今年の義経のような描き方にする方が、歴史もののアプローチとして正解だと思えます。

11、この少し前にも書いていますが、後白河法皇そのものが「義」であり、しかも義のあるなしを論じるのではなく、それぞれの「義」の解釈が異なっていると見るべきでしょう。実際義仲も院の御所に火をつけておいて、「義」はどうかと思いますが。皮肉なことに、義経も義仲も名前に「義」が入っています。

12、この辺りの文章、最早大河関連というより武者さんの個人的感想だなと思いますが、ともかくりくの「京都人らしい空虚な権力思考」とは何なのでしょうか。平家のように子を多く産み、様々な家と姻戚関係を結ぶことが「空虚」なのでしょうか。
この当時はそんなものだし、御家人の間だってこういう婚姻は行われていましたが。
それと「頼朝は金剛を源氏の守り神にする」とありますが、頼朝は金剛は仏法の守り神であり、源氏を支えるべくして生まれた者にふさわしいとのみ言っています。

13、いや実際に中間管理職のようなものでしょう。しかも鎌倉殿の義弟であるから立場はなかなかややこしいですし。

14、これも何だか今更感がありますね。確かに戦はうまいが、それ以外に批判されるべき点もあるわけですし。そもそも判官びいきの象徴的存在の義経は、後世の創作ですから。あとヤマトタケル云々、少なくとも「新しい国づくり」のビジョンを持っていたのは、義経でなく頼朝だったのではないでしょうか。

15、この時代だからこその英雄と言うのは、どの時代にも言えることで、三英傑もそうですし、明治以降になりますが、日露戦争時の秋山兄弟などもそれに似たところはあるでしょう。
あと「こういうことは軍隊の組織がもっとしっかりした時代にはむしろ嫌われます」て、この大河の時代はそういうのは確立していなかったのですが。

16、「確かに外国人殺傷思想である攘夷テロ繋がりで人生が開けるなんて、あの時代しか考えられません」
悪意の込められた書き方だなと思います。
しかも
「そういう人物を過剰に美化するよりも、今年の義経のような描き方にする方が、歴史もののアプローチとして正解だと思えます」だそうですが、別に栄一がそこまで美化されていたとは思いません。確かにお妾さんもいたし、近代の実業家として色々やって来てはいるでしょうが。それとそもそものキャラが違うのですから、今回の義経との単純比較はできないでしょう。

飲み物-ウイスキーストレート


[ 2022/04/29 01:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

今後の『武将ジャパン』関連投稿と『ゲゲゲの鬼太郎』ノベライゼーションに関して

お知らせが2つです。

1つはお知らせというほどでもありませんが、『武将ジャパン』関連投稿について。実は今まで3回もしくは4回に分けていましたが、これだと他の投稿が先送りになってしまうため、せめて2回程度にとどめることにします。

これに関しては、今までも毎回投稿というわけではなかったし、『鎌倉殿の13人』も第6回は休んでいますので、今後も折を見て投稿する予定です。しかしやはりというか、何かにつけて『麒麟がくる』や『青天を衝け』を引き合いに出していますね。

それからこのブログでも時々書いている『ゲゲゲの鬼太郎』、こちらのアニメシリーズの、第6期のノベライゼーションが発売される予定です。詳しくはこちらの動画をご覧ください。生放送配信分ですが、4月5日23時59分まで公開されています。


なお、上記ノベライゼーションのお知らせのツイート(峰守ひろかず氏アカウント)はこちらです。


飲み物-注がれる紅茶
[ 2022/03/08 01:00 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』「挙兵は慎重に」あらすじと感想-その2

『鎌倉殿の13人』第3回の感想です。まず、後白河法皇幽閉に至るまでが描かれていないと先日書いています。源氏と北条氏が主人公ということもありますが、やはりこれはドラマの中で触れてほしかったですね。

特に史実と創作をつなぐためにも、多少は嘘でもいいので、それらしい描写を挿入してほしいなとは思います。この「それらしい」部分というのは実は大事なのではないでしょうか。史実は史実として描いて構わないのですが、それと創作の部分とがどうも分かれがちで、後者の部分がやはり荒唐無稽と感じる人もいるでしょう。それと結局頼朝が挙兵することになったのは、三善康信の早とちりによるものなのかどうか、そういった部分をもう少し描いてほしかったです。

また八重が一礼しているのに、政子がやけに手を振っているのは、何か勝ち誇ったように見えてしまいますね。その八重、夫である江間次郎は、未だに彼女にとって家人のままなのでしょう。何やら『風林火山』のヒサと平蔵の関係を思い出します。結婚後も夫を呼び捨てにしていましたし。

文覚が義朝のどくろを持ち歩いているというのには、かの「頼朝公十四(十三)歳時のされこうべ」を思い出します。しかし猿之助さんということもあり、「平家だ平家だ」と力説する辺りは「詫びろ詫びろ」さながらでした。しかも「黒崎さん」もそばにいましたしね。

ところで時政が大番役を務めていた時、源頼政に野菜を持参しています。この時頼政はさほど関心も見せず、後になってあの芋はうまかったなどと言われたため、時政はあまりこの人物をよく思っていないようで、それも頼朝が挙兵しなかった一因となっています。また国衙での野菜の献上、堤に蹴散らされてしまいましたが、そもそもこの時期は飢饉が来るかとも言われており、野菜もさほど豊作ではなかったことでしょう。

そしてりく。悪阻のせいもあって、普段はそう気にしないであろう夫の体臭が気になるようです。また以仁王の挙兵に関しては、失敗するとずばりと言い当てており、夫に対しては、挙兵の機会を失って悔しがるのならともかく、安堵とは何たることと厳しく咎めます。彼女の性格が何となくわかります。

大庭景親と伊東祐親。平家の勢力拡大を今はまだ喜んでいるのですが…。祐親は政子を目代の兼隆に嫁にやれとまで言う始末です。実際この時点では、頼朝が旗揚げをするなど思っていなかったのも事実でしょう。

主人公でありながら何やら地味な義時。義村を連れて国衙に赴き、木簡を盗み見ますが、よく誰にも気づかれなかったものです。それと後白河法皇がいつ出て来るのかと思ったら、ああいう登場の仕方でしたか。三谷さんらしいと言えばらしいです。尤もあの当時、夢占いなどはよく行われていたようです。

あとカラスと源頼政に、『ゲゲゲの鬼太郎』を連想します。カラスはメッセンジャー的なところがありますし、カラスヘリコプター(カラスブランコ)という移動手段もあります。一方頼政、この人は鵺退治の伝説がありますが、平成の終わりになって復活した鵺(地獄の四将のひとり)を、石動零が退治して自分の中に取り込んでしまいます。1000年の時を経てよみがえった鵺ですが、零の鳴弦がかなり堪えるようです。

そもそも鬼太郎は妖怪であり、こういう「あやかし」、呪術的な世界観はこの時代と親和性が高いのでしょう。目玉おやじが、夜に活動するようになったせいで、人間は妖怪を怖がらなくなったと言ってもいましたね。


飲み物-トディ
[ 2022/01/27 01:15 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『黄金の日日』「大勝負」

『黄金の日日』第38回「大勝負」です。てっきり小田原攻めかと思ったら、さにあらずでした。

天正17(1589)年春。助左衛門は呂宋の壺を使ってある勝負に出ようとする。その頃今井宗薫は、海賊禁止令を犯して船出した助左衛門の船を、すぐさま召し捕らねば示しがつかないと石田三成に直訴する。その助左衛門は千利休の屋敷にいた。

利休と美緒が見守る中で、助左衛門は目利きを依頼すべく、アゴーの住民が作った真壺を差し出すが、美緒は宗匠様のお目利きにかなう道具ではないと言い、また利休は、目利きとは物の真贋を見極めることだが、これは偽物なのでその必要はないと一蹴する。しかし助左衛門は、ならば目明きをと言う。助左衛門はかつて主人であった今井宗久から、無名の雑器の中にも、まことの美を見出すことこそ目明きであるということを教わっていた。

利休は関白秀吉の茶頭である自分に、大それた要求をする助左衛門にその魂胆を問う。助左衛門は、これと同じ壺を50ほど持ち帰っており、それを秀吉と麾下の諸大名に買って貰うつもりでいた。秀吉は堺を弱らせ、博多と長崎を富ませ、それら九州の港を、朝鮮と呂宋出兵の拠点としている、堺の交易を守るためには、自前で船団を持つ必要があると言い放つ。

利休はかつて、織田信長の軍勢から堺を守るため、信長に松島の葉茶壷を献上するように、宗久に提案したことを思い出していた。助左衛門は、当時19歳の自分も早急に同行したことを打ち明け、またアゴーの民が壺を作ったと教える。利休は言う。
「逆賊の壺か」

秀吉は利休の茶室を訪ね、一流の茶道具を揃えた中に、見慣れない壺があるのを目にする。利休はそれを、助左衛門が持ち帰った物で、秀吉の四十石の壺にも劣らぬ名器であると言ったため、秀吉は自分を愚弄するかと壺を叩き割ろうとする。すると利休は、まず5千貫を支払ってほしいと秀吉に求める。秀吉はそこで、助左衛門が持ち帰ったすべての壺を大坂城の西の丸に集め、市を立て競売することを決める。

秀吉は5千貫の値がつかなかった場合、また売れ残った場合は覚悟ができておろうなと尋ねる。すると利休は、それがしの命込みでの5千貫と答える。その夜、五右衛門の手下たちが歌い踊る助左衛門の店を桔梗が尋ねて来る。桔梗は大坂へは行くな、お前を失いたくないと助左衛門に懇願する。その後、彼女も一座に加わった。

三成は助左衛門の行動にあきれ果てていたが、秀吉は助左衛門を黄金の茶室に呼び、自分が全部買い取ってやろう、そうすれば利休も腹を切らずに済むともちかける。しかし助左衛門は、利休が死出の旅につく際は、自分が三途の川の渡し船の舵取りをするときっぱり言う。

助左衛門は西の丸の広間に案内される。そこには主だった大名たちが居並んでいた。しかしながら5千貫の値をつける者はおらず、そこへ安国寺恵瓊が立ち上がり、1万貫の値をつける。四十石の壺が1万貫である以上、それより安くは買えないと恵瓊は主張し、他の大名たちも先を争って1万貫で買い求める。しかし3つの壺が売れ残ってしまう。三成は自分で買い取ろうとするが、秀吉はそれを遮り、自身がその3個を買い取ることにした。

その後助左衛門は恵瓊に呼び止められる。恵瓊は助左衛門の目の前で壺を割り、わしの目は節穴ではない、1万貫は壺ではなくおぬしに投じたのだと言う。恵瓊は何か取り引きを持ち掛けようとしていた。実は恵瓊の伊予の知行地には、海賊禁止令によって行き場を失った海賊がおり、彼らを船ごと助左衛門に売ろうとしていたのである。助左衛門は、自分は朱印状を持たないため、いつ逆賊になるかも知れないと答えるが、その府度胸が気に入ったと恵瓊は笑う。

美緒は利休から、助左衛門は「勝った」と聞かされ、笑みを浮かべる。伊予の海賊たちは、助左衛門の許へと引き取られた。そして助左衛門の自由交易船団は出航し、また秀吉の方は、聚楽第に一族や公家、大名を集めて金賦(くば)りを行い、さらに側室淀殿が嫡子鶴松を出産した。


壺を使った助左衛門の交渉術が展開されます。無論これは、利休という存在を通してのものであるわけで、前回の壺のエピソードが伏線になっていると言えるでしょう。ただ、この壺を巡る交渉とその後のオークション?にかなりの尺が割かれているため、人によっては面白く感じられる一方で、やや退屈に思う人もまたいるでしょう。

この当時は民放の時代劇も多く、それらの番組と差別化を図る意味で、NHKはこういう趣向の番組を打ち出したともいえます。しかしそれから40年余りを経ると、当然見方も変わって来ます。助左衛門の行動が逐一描かれる中で、淀殿が鶴松を出産したのが、ナレで済まされているのが不満という人もいるかも知れません。

また、助左衛門が主人公であるとはいえ、やはり物事がうまく行き過ぎる嫌いもあるにはあります。恵瓊の、海賊を引き取ってくれという申し出などは正にそうでしょう。文字通り渡りに舟といったところかも知れません。ところで利休がもし腹を切らされるなら、自分は三途の川の渡し舟の舵取りをすると助左衛門が言うところ、『ゲゲゲの鬼太郎』第6期の、地獄の四将編のEDをちょっと連想します。

あと今回は美緒と桔梗という、助左衛門を巡る女性たちが2人も登場です。美緒さん相変わらず前髪が縦ロール風ですね。

それから、五右衛門がすっかり助左衛門の店の従業員といった感じです。今後しばらくは行動を共にすることになるのでしょう。また最後の方の助左衛門の格好、どう見ても海賊の親分です。


飲み物-ラム酒とグラス
[ 2021/12/20 01:15 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『ゲゲゲの鬼太郎』木の子の森と隠れ里

『ゲゲゲの鬼太郎』第6期の第52話「少女失踪!木の子の森」と、第66話「死神と境港の隠れ里」について。

まず「少女失踪!木の子の森」ですが、まなと買い物に行く約束をしていた桃山雅(みやび)が、コンビニのトイレを借りて出た途端、周囲の景色が違うことに気づきます。そこは木の子の森で、様々な色の花や木の葉が辺りを埋め尽くし、この世のものとも思えない美しい光景でした。そこで出会った木の子なる子供たち、実は精霊たちに勧められ、雅はこの地に留まることになります。

しかしこの森への入り口は500年に1度しか開かず、鬼太郎や猫娘が雅を連れ戻しに来ます。しかもこの森では、人間の世界に比べて時間の流れが速く、雅は瞬く間に大人になって行きます。そこに現れたのが山天狗です。雅を帰したくないという木の子たちの要望を受け入れ、ついには彼女を自分のものにしようとして、鬼太郎に成敗されます。雅も当初は馴染んでいた木の子たちの生活が段々受け入れられなくなり、結局は戻ることになります。

森での時間はかなり長く感じられましたが、彼女が人間の世界に戻ったのは、雅がまなと買い物をする約束をしていた日の夕方でした。つまり半日も経っていなかったのです。また森ではかなり大人になっていた彼女も、元の中学生に戻ります。そして雅は、木の子たちとの生活で感じたことが、彼女の母親が彼女に口やかましく言っていたのと同じであることがわかり、その後は母親の気持ちを受け入れるようになります。

それから「死神と境港の隠れ里」、こちらはまなが例によって伯父さん夫婦を鬼太郎、猫娘と訪ねたのですが、祭りの夜に不思議な声に導かれて不思議な橋を渡り、こちらも様々な花が咲き乱れる場所へたどり着きます。ここは弓ヶ浜の隠れ里で、200年に一度の割合で時の橋が掛かり、まなはそれを渡ってしまったのです。彼女を呼んだのは、この里に生えている人面樹のようでした。

そこには一之進という武家の少年と少女、そして町人と思われる2人の少年がいました。彼らはちょうど200年前の江戸時代後期、この地にやって来たのです。この地では子供たちは、永遠に歳を取らないことになっていました。一之進に身分違いだからと恋心を打ち明けられない少女を励ましたり、スマホの画像で今の時代(令和元年)を紹介したりするまなですが、そこに欲に目がくらんだねずみ男が、人間の魂を刈り取る死神と結託してやって来ます。

この死神は鬼太郎により退治されますが、一方で一之進たちはまなの話を聞いたことから、元の世界に戻ることを決めますーたとえそれが、自分たちの生命が終わることを意味していたとしても。そして令和元年の弓ヶ浜に降り立った彼等は、200年の歳月の重みに耐えきれず、肉体はあとかたもなく消え失せ、4人の魂が空へ向かって解き放たれ、それを見たまなは号泣します。

この2つの「人間世界から隔離された世界」ですが、木の子の森がややおとぎ話的で(木の子が7人というのは『白雪姫』を連想させます)あるのに比べると、隠れ里はユートピアでありながら、どこか恐ろしさ、宿命といったものを感じさせる設定になっています。木の子の森には時の流れが存在し、雅がそれに合わせて成長して行くわけですが、後者にはそれがなく、そのため外部から来た人間(この場合はまな)によって時間の経過が知らされ、しかもこの地を出た人物には、その時間的経過が容赦なくのしかかるためでしょう。

あと雅やまながスマホで写真を撮るのは、双方に共通しています。ところで木の子の森は500年に1度、時の橋は200年に1度となっていますが、この300年の違いは何なのでしょう。またこの時の橋については、古い文献に、200年前に神隠しがあったと記されていることを、鬼太郎と猫娘が調べています。一之進たちも、神隠しで行方不明になったとされて来たのでしょう。

それにしても隠れ里のねずみ男、死神からうまい話があるともちかけられるものの、結局はいいように使われて捨てられてしまいます。今までの自分から学習していませんね-それがねずみ男らしさといえばそうなのですが。

飲み物-エスプレッソ2
[ 2021/11/15 01:00 ] 漫画・アニメ | TB(-) | CM(0)

『ゲゲゲの鬼太郎』第6期第93話「まぼろしの汽車」

『ゲゲゲの鬼太郎』のエピソード関連で、初めての投稿となります。

第6期の終わりの方に「まぼろしの汽車」(第93話)という回があります。このまぼろしの汽車は時間を遡ることができ、2020年2月29日、人間や鬼太郎をはじめとする妖怪が、次々と吸血鬼に変えられて行く中で、かろうじて難を逃れた目玉おやじがこの汽車を召喚し、やはり難を逃れた猫娘はこれに乗って、原因を探る旅に出ます。この汽車の召喚は、目玉おやじが「命を賭して」のものであり、この時点で目玉おやじは消滅しますが、過去の時点で目玉おやじは生きていたので、最終的に問題なしとなったようです。

猫娘は何度か過去に、それも到着する日にちを替えて足を運び、吸血鬼が現れたのがいつで、その後どうなったのかを突き止めようとします。しかし何度やってもうまくいかず、バレンタインデーに撮影した、鬼太郎とのツーショットの待ち受け画面には、そのたびに何度もひびが入って行きます。

結局猫娘は子供たちの証言から、ねずみ男が吸血鬼に変えられたその瞬間へと旅立ち、吸血鬼ピーが持っていた、血でできたシルクハットを引き裂いてしまいます。派手目な爬虫類といった雰囲気のピーと、事実上の夫婦関係にある、マリリン・モンローそっくりなモンローは、人間を吸血鬼化させるため、様々な頭脳プレイを駆使していました。

これによってピーもモンローも消え去り、元の平和な時間が帰ってくるのですが、彼らを撃退したのが2月14日、ちょうど鬼太郎に告白するはずだった時刻でした。本来はこの時鬼太郎にチョコレートを渡し、写真を撮ったはずでしたが、時間を遡って過去を変えてしまったため、そのチャンスは二度と訪れなくなり、鬼太郎に愛を告白しそこねることになった猫娘にちょっと泣けます。

ところでこの、過去と現在を何度も行き来するパターンは、ループものと呼ばれています。これをテーマにした小説や映像作品に、『七回死んだ男』や『オール・ユー・ニード・イズ・キル』などがあり、ごく限られた時間の中で、同じことを延々と繰り返し、それによって経験値が増したり、主人公が成長したりというテーマのものもあります、

それからちょうど2020年2月の放送ということもあり、この頃から騒がれ始めた新型コロナウイルスの蔓延に、吸血鬼の増殖をなぞらえた人もいますが、私も実は同じことを考えました。こちらは大分収まって来てはいますが、なかなかピーとモンローのように、すんなりと消えてはくれないようです。

飲み物-ホットカフェオレ
[ 2021/11/05 01:15 ] 漫画・アニメ | TB(-) | CM(0)

ハロウィンあれやこれや

早いものでと申しましょうか、ハロウィンまであと10日ちょっとです。尚このブログでは、一部ハロウィーン表記もあります。所謂表記ゆれというやつなので、見つけ次第修正しておこうと思います。

この時期になると、ほぼ毎年のように書いているテーマですが、このハロウィンは元々ケルトの祭りで、この翌日から新年が始まると同時に、妖怪や魔物の類が人間の世界にやって来て、跳梁跋扈すると言われています。今のハロウィン関連コスプレで、お化けや魔女のコスプレが多いのも、元々はこの祭りのこういう性格が関係しています。この頃からクリスマスの時期辺りが、欧米では怪談の多い時期でもあります。

日本ではなぜか欧米の祭り=キリスト教徒の祭りと考えられちですが、ハロウィンはキリスト教が普及する前に、ケルト民族の間で行われていた祭りです。従ってクリスマスや復活祭とは異なり、キリスト教とは何の関係もなく、寧ろ邪教の祭りとして忌み嫌う教派もあります。尚この翌日は死者の日(万霊節)で、こちらはキリスト教の祭日です。

無論このハロウィンに関する怪談、都市伝説などもあります。例えばお化け提灯、ジャック・オー・ランタンのモデルになった人物は、生きている時に悪さばかりして、あまつさえ悪魔を騙してしまい、死んだ後天国にも行けず、地獄からも締め出しを食らったことから、ランタンに火を入れて、夜道をさまよい続けることになったと言われています。

もちろん『ピーナツ』で、カボチャ大王の存在を信じるライナスが、自らカボチャ畑に行くのもこのハロウィンです。一度チャーリー・ブラウンの妹サリーを連れて行った時、結局カボチャ大王が現れなかったことから、「トリック・オア・トリート」ができなかったと言って、サリーがひどく怒ってしまいます。

『ゲゲゲの鬼太郎』のEDテーマ『あるわけないのその奥に』では、お化け屋敷に迷い込む子供たちが登場しますが、何となくこのハロウィンを思わせる雰囲気があるので、その内リンクを貼ろうかと考えています。ただ鬼太郎のEDでは、枠内にまとめる意味もあり、タイトルの「あるわけないのその奥に」ではなく、その前の「そこのけのけもののけが通る」の部分が、終盤に来ています。しかしこのフレーズも、和製ハロウィンと呼ぶべき百鬼夜行の雰囲気がありますね。


飲み物-アイリッシュコーヒー

[ 2021/10/20 01:15 ] その他 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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