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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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O Come O Come Emmanuel (ひさしく待ちにし主よとくきたりて)

今年もアドベント(待降節)が始まりました。毎年同じ讃美歌で恐縮ですが、個人的に好きなので。元々がグレゴリオ聖歌で、荘厳さを感じさせます。

Advent has begun. And this is one of my favourite carols.



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[ 2023/12/04 03:00 ] その他 | TB(-) | CM(0)

感謝祭そして七面鳥にまつわることをいくつか

11月23日は日本では勤労感謝の日ですが、アメリカでは感謝祭(サンクスギビング)です。アメリカの場合、特に日にちが決まっているわけではなく、11月の第4木曜日とされており、今年はたまたま同じ日となっています。

さて、クリスマスやハロウィンに比べて馴染みが薄い感謝祭ですが、これは北米大陸独自の行事とも言えそうです。ちなみにカナダでも行われていますが、こちらは10月です。

元々この感謝祭、アメリカンセンターのサイト(https://americancenterjapan.com/aboutusa/monthly-topics/2060/
によると、アメリカに渡ったピューリタン(分離派)が、その地で先住民のワンパノアグ族と出会い、彼らからこの地での生活を教えて貰うことになります。そのワンパノアグ族は1年を通じて、この地がもたらす多くの恵みに感謝する祭事を行っていました。

そして入植者たちも、本国で収穫祭を行っており、またこの新しい地で多くの恵みを得たことから、感謝の祝宴と祈りのための日を決め、ワンパノアグ族の首長マサソイトを招待し、マサソイトは他の90人の先住民と共に、彼らを訪れたとされています。

なお言い伝えによると、入植者の収穫物と共にあぶり焼きにするため、七面鳥と鹿肉を持って宴に参加しています。それ以外にも魚介類やコーンブレッド、スクワッシュ、ナッツ、クランベリーなどの食物が持参されました。入植者たちは先住民から、クランベリーや様々なトウモロコシ、スクワッシュの料理法を学んだと言われます。このスクワッシュは西洋カボチャで、ランタンを作るためのパンプキンは、ペポカボチャ(種が食用になる)と呼ばれます。

この最初の感謝祭には、先住民がポップコーンを持ってきたとも言われています。

先住民が七面鳥を持って来たことから、七面鳥は感謝祭のシンボル的存在となりました。しかしクリスマスも七面鳥とよく言われますし、この辺りどうバランスを取るかになりそうです。昔はもちろん野生の七面鳥ですが、今は食用のための改良が進んでいます。一般的に脂身そのものは少ないです。パサつくとよく言われますが、これは調理の仕方次第と言えるようです。

ところで七面鳥と言うと、この曲を思い出す人もいるでしょう。
以前も感謝祭関係でこれを取り上げたことがありましたが再度。


但し「オクラホマミキサー」は、この曲を使ったダンスのことであり、曲のタイトルではないようです。曲のタイトルは、あくまでも『藁の中の七面鳥(Turkey in the straw)』です。

NBCのドラマ『ザ・ホワイトハウス』では、「恩赦の七面鳥」のために広報官のCJ・クレッグが、農場から借りた2話の七面鳥を、人前でビビらず、フラッシュに驚かないように調教するシーンがありました。また、1990年にイラクのクウェート侵攻でアメリカ軍が派遣され、当時のジョージ・ブッシュ大統領が兵士の激励に現地を訪れた時、この七面鳥が振舞われたそうです。無論軍隊での食事ですから、あらかじめ切り分けた七面鳥のローストが振舞われたようです。感謝祭が選ばれたのは、イスラム教の国に配慮して、キリスト教色が薄いこの行事の日が選ばれたとのこと。

あと、以前『少女レベッカ』と言う小説について書いていますが、ここでも主人公のレベッカが親友のエンマと共に、石鹸を売ってランプを貰おうとしているシンプソン家の子供たちを手伝って、石鹸の行商に行く場面がありました。実際この行事は分かち合いの精神があり、ホームレスの人々などに伝統食を提供するならわしもあるとの由。

今は日本でもブラックフライデーが盛んになっていますが、元をただせばこのブラックフライデーは、感謝祭の翌日の金曜日で、感謝祭関連グッズが値引きされて大放出される日でした。アメリカ式感謝祭が一般的でなくても、ブラックフライデーは確実に広まりつつあります。

しかし祭日というのはある意味セットになってもいます。この感謝祭とブラックフライデーもそうですが、クリスマス前のアドベントや、復活祭前のレントなどは物忌み期間と神の降誕または復活という流れになっています。で、このレントの前にはご馳走を食べて大騒ぎし、節制の時期に備えるわけですね。

あとクリスマス、これはまた書ければと思いますが、元々土着の冬至の祭りと一緒になったこともあり、呪術的な要素がかなり感じられます。日本でも、かつて冬至の祭りというのが存在しましたが、それもまた歴史関連投稿で。


飲み物-冬のシードル
[ 2023/11/21 05:00 ] その他 | TB(-) | CM(0)

イングランドとオランダと日本

『どうする家康』。ウィリアム・アダムスが登場し、それまでのスペイン・ポルトガルを中心とした「外国」が、イングランドやオランダを中心とした「外国」へと変化して行くようになります。そしてこのイングランドやオランダ(ネーデルラント)と、スペインやポルトガルは交戦中であり、宗教的対立が大きく絡んでいました。

特にヘンリー8世が政治的な理由で打ち立てた聖公会(アングリカンチャーチ)や、カルヴァンの唱えた、所謂改革派とカトリックの対立といった構図の英西戦争は、その後のヨーロッパに大きな影響をもたらすことになります。

一方でイングランドは、この戦争によって新大陸の植民地化が遅れます。スペインやフランスが、アメリカやカナダに植民地を作っていたのに比べると、イングランドは17世紀に入って植民地開拓に乗り出し、先行勢力と衝突しつつ、植民地を広げるに至ります。

ところで『どうする家康』ではわかりやすくするためでしょう、アダムスをイギリス人としていますが、正確にはイングランド人で、この当時イングランドとスコットランドは別々の国でした(ウェールズは併合していましたが)。ラグビーワールドカップもそうでしたが、今なお一部のスポーツでは、イングランドやスコットランドなど、独自の代表チームを編成しています。

その後イングランドはスコットランドと同君連合となり、18世紀にはこの両者によるグレートブリテン王国、さらにグレートブリテンとアイルランドが一緒になった連合王国ができあがるに至ります。

話が戻りますが、イングランドはこの後交易を行うものの、最終的に交易権を持ったのはオランダでした。以前長崎街道について書いたことがありますが、この街道が整備され、貿易港長崎の警備が福岡、佐賀両藩の藩士たちによって行われることになります。またこれによって蘭学が紹介され、オランダ流の外科が成立し、解体新書が出版されるもととなります。

実は以前『JIN-仁-』の戦国バージョンができないものかと思ったことがあります。戦国時代にペニシリンが存在すれば、大勢の兵の命が助かり、それを好機と見た織田信長が、南蛮人と組んでこれを売り出すなどいうプロットを勝手に想像したものですが、しかしあれは、やはり蘭学が普及していないと厳しいようです。ペニシリンのみならずカテキン消毒にしても、煎茶を日常的に飲むような状況でないと難しいですからね。


飲み物-紅茶とザッハトルテ
[ 2023/11/03 05:00 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』第41回に関しての武将ジャパンの記事について-2

第41回に関する『武将ジャパン』大河コラムについてその2です。


大谷吉継が三成に会いにいく場面で干し柿が大きく映ります。
ここは密かに注目しています。
“三成の最期”を描くときに定番である「柿のエピソード」が、松本潤氏の意向により削られた、と文春砲の第一弾で報じられていたのです。
しかし、ここでは干し柿が出されていました。
果たして伏線になっているのか。
それとも、当初は伏線として配置したものの、記事にあった通りに、カットされてしまうのか。
楽しみですね。

武者さんてやはり「週刊文春」とタイアップしているのでしょうか。
と言うか、週刊文春の書くことが本当だと思っているのでしょうか。
以前この人は、茶々が秀吉に対して「(秀頼は)あなたの子だとお思い?」と予告で流れていた時、その次の回は答え合わせで観た人もいるでしょうなどと書いていましたが、今や自身が、週刊誌との答え合わせ目的で観ているようです。
かなり失礼だなとは思いますが。

七之助さんは扱いがマシだと確信できたのが、茶屋四郎次郎の二代目です。
あのひどい眉毛はなんなのか。
誰がどう見たって過剰すぎて、まさしくコントの世界でしょう。
そしてお笑いだとしたならば、絶望的につまらない。

ネット上では「バージョンアップ」だの「1人3役の予感」などという声も飛び交ったようですね。
とどのつまり、北川景子さんがお市との差別化を図るために、カツラやメークを違う印象にしているわけですが、こちらは先代四郎次郎のイメージを受け継ぎつつ、確かにいくらかバージョンアップした感はあります。

思えば初代は、気づいたらフェードアウトさせられてましたね。茶を商うことよりマラソンランナースキルが目立った。
そんな雑魚扱いでしかなかったキャラの息子を出されたところで、誰が喜ぶのでしょう……よくもここまで中村屋をおちょくれたものです。

「よくここまで中村屋をおちょくれたものです」
ひとつ前のページの武者さんのこの文章の方が、もっとひどいかと。中村屋をおちょくると言うより、ディスっているのではないでしょうか。

むろん三成は配慮されていると思います。主演俳優のお友達枠ですからね。
◆ 中村七之助、親友・松本潤との大河ドラマ共演に感慨「父親がこの姿を見たら喜ぶだろうな」『どうする家康』(→link)
好きな俳優にこんなことを書きたくないけれども、あえて言います。
「父親がこの姿を見たら喜ぶだろうな」なんて呑気におっしゃってますが、考えるべきはあなたのお父様ではなく、視聴者とあなた自身ではないでしょうか?

ウィリアム・アダムスが縛られて汚い格好のまま連れてこられます。
いくら捕まったとはいえ、髪や髭の手入れ、着替えぐらいさせたらいかがですか?
非現実的ですし、徳川は虐待を働く連中である、というように見えてきます。何をヘラヘラ笑っているんでしょう。

非現実的とありますが、例によってどういう部分が非現実なのか書かれていませんね。
そして罪人の場合、髪や髭の手入れはできなかったのではないでしょうか。
江戸時代の話ですが、罪人は月代を剃ることはできなかったので伸び放題だったようです。

英語もポルトガル語も大して変わらん、って正信に発言させるのもどうですかね。
中国と朝鮮、日本だけ見たって大いに違う。渡辺守綱あたりに言わせるならまだしも、家康の懐刀がこれでは頭が痛い。
こんな調子だから、カトリックとプロテスタントの区別もついていないのでしょう。

はっきり言って、その当時の日本人でヨーロッパの事情に詳しい人がどのくらいいたでしょうか。
そしてこれ、正信の発言ではないのです(この辺もちゃんと観ていないのでしょうね)

二代目茶屋四郎次郎
「はあ…しかし、私ポルトガルの言葉なら多少わかりますが」
「その男はエングランドなる国の者なれば、務まるかどうか…」
本多正信
「似たようなもんじゃろう」
四郎次郎
「え…」
こういうやり取りがあり、そこへアダムスが現れ、とにかくポルトガル語で話してみようとなるのですね。

そして
「中国と朝鮮、日本だけ見たって大いに違う」
儒教国家と武士が政権を取る国とでは、それは違いますね。

あと
「こんな調子だから、カトリックとプロテスタントの区別もついていないのでしょう」
ここのところ、ちょっとわからないのですけど。
今までの武者さんの文章、またはこの回の描写で
「カトリックとプロテスタントの区別がつかない」
ことを窺わせる記述、または描かれ方は全く出て来ないのですが。
この間も同じようなことを書いていましたが、一体何を言いたいのですが。

そしてこの場合大事なのは区別云々ではなく、カトリックとプロテスタント諸派の対立がヨーロッパでは起きており、それはどのようなものであるかということです。
そしてドラマでは四郎次郎が
「あ…エスパニア、ポルトガルとは戦をしており、バテレンどもの言うことに耳を貸してはなりませぬと」
と通訳しており、この当時のイングランドを巡る状況が垣間見えるようになっています。

歴史総合の時代なのに、なぜこんなに馬鹿げた描写ができるのか。三浦按針役村雨辰剛さんの無駄遣いにもほどがある。『大奥』との格差が際立ちますよ。
そもそも、なぜ彼を出しますか?
もっと他に出すべき人はいるでしょうよ。

「歴史総合の時代」
と言うなら、東洋(日本)と西洋(ヨーロッパ)が出会うこの描写は、正にそれにふさわしいのではないでしょうか。
そして武者さんにしてみれば「馬鹿げている」(どこがそうなのかよくわかりませんが)のでしょうが、ドラマでこういう描写があるのに、英西戦争にも、アングリカンチャーチも清教徒にも触れない武者さんの方がおかしいと思います。
そしてここでなぜ『大奥』と比較するのですか?
同じ人が出ていると言っても、大河と10時のドラマ、しかも時代背景も設定も全く別物ですよ。

世界地図がプリントアウトしたばかりのテカテカ感満載だとか。
字が崩字でなく楷書だとか。
直江状が和紙に思えないとか。
ツッコミどころがいろいろありますが、もう小道具さんは完全に力尽きたという認識でよろしいでしょうか。

こちらの地図、日本で言えば信長が勢力を伸ばしている時代に起こった、レパントの海戦に関する地図(紙本著色レパント戦闘図・世界地図〈/六曲屏風〉)です。かなり色鮮やかですね。
(文化遺産オンライン)

それと崩し字でなく楷書、どの文書のことですか?
直江状のはもう少し崩しているように見えますが、後ろの地図のことですか。
あと「和紙に思えない」の根拠は?
よく見たらふちが少しでこぼこで毛羽だっている感じですが。

そしてまた文春砲がどうこう。そんなに書きたいのなら、大河コラムでやらないでください。

無口で物静か。
それなのに威厳がある。
上杉景勝といえばそんな描き方になると思っていたら、眉毛ボーン!でキレ散らかすチンピラでした。
直江兼続もただのゲス男。
もう呆れ果てるしかない幼稚な連中です。

「キレ散らかすチンピラ」
「ゲス男」
自分の思い通りの描き方がされていないからと言って、こんなことを書く武者さんの方がキレ散らかしているようにも見えるのですが。

西笑承兌にああいう文をよこされて、しかも一部の説にあるように、神指城は軍事拠点でなく城下町建設であり、街造りとインフラ整備に忙しいのに、上洛しろと言われてもそれはできないとなるでしょう。もちろん、こっちの事情をきちんと書いてやれとも言いたくなるでしょうし、その気持ちもわからなくはありません。

まず阿茶局がわざとらしく一本調子の「私できる女!」口調の説明セリフでキレ散らかし。
本多正信がいつものクセのある切れ者口調で付け加える。
で、家康は顎に手をやって立っている。

阿茶局
「このような返事を寄越されるとは…殿への罵り嘲りにほかありませぬ!明らかに戦をけしかけております」
どこかキレ散らかしていますか?失礼だとは言っていますが。
(しかし武者さん『キレ散らかす』も好きですね)
そして正信の
「乱世を生きて来た武士の骨の髄までしみ込んだサガとしか言いようがござらん」
歴史系ライターであれば、こういうセリフにこそ注目してほしいですね。

阿茶局と正信は毎回不愉快で、声が耳に入るだけで頭を抱えたくなります。
口うるさい上杉景勝が出たかと思ったら、何もしゃべらず、ぬぼーっとした主役・家康ってどういうことですかね。

武者さん、「頭を抱える」これでもう何度目ですか?
そこまで我慢しなくていいですよ。
そして「何もしゃべらず、ぬぼーっとした主役・家康」
家康はこの2人の意見を聞いた後で、
「やるとなれば、わしが出陣せねばならぬであろう。
天下の大軍勢で取り囲み速やかに降伏させる…。戦を避けるにはそれしかない」
と言っていますね。


飲み物-ボトルとコルクとワイン
[ 2023/11/02 03:00 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

ハロウィンそして宗教改革記念日

毎年この時期、同じようなネタで同じような投稿をしています。
ハロウィンですが、そもそもはドルイド教の祭り(サウィン祭)が起源とされています。11月1日が正月に当たり、その前夜は収穫祭となるのですが、その日には死者の霊や魔物などが現世に現れると信じられていました。ハロウィンにつきもののコスプレは、悪霊を追い出すためともされています。また魔女や幽霊のコスプレをした子供たちは、家々を回って
「トリック・オア・トリート」
を叫び、お菓子を貰う習慣ができあがりました。『ピーナツ』のカボチャ大王が現れるのもこの日です。

『きのう何食べた?』シーズン2の第3話では、シロさんとケンジがコスプレ?をして小日向さんとジルベールを訪れます。この時のご馳走がなかなか豪華なのですが(原作第18巻に登場)、小日向さんの警官スタイル、そしてジルベールの狼コスプレが如何にもといった感じです。
ところでこの『きのう何食べた?』11月3日深夜放送分に、及川光博さんが、シロさんの元カレの役で登場です。ミッチーファンの方には、見逃せないエピソードかも知れません。

ところでこのハロウィンの翌日は諸聖人の日(万聖節)です。その前日にマルティン・ルターが95ヶ条の論題を送付することになるのですが、これが1517年のことです。この日の讃美歌『神はわがやぐら』、今でも懐かしく思い出します。
その後カトリックと、新興勢力プロテスタント諸派が対立を深めることになり、先日の『どうする家康』のウィリアム・アダムスの言葉にあるように、宗教の違いが国家間の対立に発展し、結果的にイングランド王国が覇権を握るようになります。尚この頃はエリザベス1世の統治の末期で、その後スコットランドのスチュアート家の支配となり、この両国は同君連合となります。

ハロウィン3
[ 2023/11/01 00:00 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』第41回「逆襲の三成」あらすじと感想-1

第41回前半部分です。それから『どうする家康』、先週クランクアップしています。

大河ドラマ『どうする家康』クランクアップのご報告
(『どうする家康』公式サイト)

秀吉亡き後、遺言により石田三成をはじめとする五奉行、そして家康を含む五大老の合議が始まる。しかし三成は茶々から家康は平気で嘘をつくと吹き込まれ、さらに朝鮮から戻って来た大名たちの糾弾を受けて、結局所領佐和山に隠居することになる。そして慶長4(1599)年、家康は大坂城西の丸に入り、内府として政を仕切るが、家康をよく思わない者たちによる企みが発覚する。

その企みとは、浅野長政、土方雄久、大野治長(修理)による、重用の節句の折の家康暗殺計画だった。その際彼らがやり取りした書状も、奉行たちは入手していた。1人で罪を被ろうとする大野修理に、家康はわしの何が気に入らぬと問い、修理は三成への仕置きに納得が行かないと答える。そして土方雄久は企ては過ちと詫び、浅野長政も家康の働きに感謝していると弁明する。

家康の側に控えていた本多正信は、彼ら3人だけでこの企ては難しいと判断し、誰の指図なのかと問いただす。張本人は前田利長だった。徳善院玄以に促され、家康は処分を下す。浅野長政は奉行を辞したうえで武蔵府中に蟄居、大野修理と土方雄久は流罪となるが、修理は何か納得が行きかねるようだった。その修理に家康は、死罪を免じたのは我が温情と心得よと言い聞かせる。

正信の隣に控えていた西笑承兌はまことに寛大なご処置、結構なことでございますと言ったうえで、前田様については追ってまたと述べる。その後家康は正信と2人きりになり、正信は他の大老たちも油断がならぬ、厳しく取り締まるしかないでしょうなと言いつつ、家康の肩を揉む。狸はつらいのうと洩らす家康に、気張れや狸ぽんぽこぽーんと、正信はいつもの調子だった。

慶長5(1600)年。佐和山城に隠居していた三成を、大谷吉継(刑部)は訪れる。吉継は手に干し柿を持っていた。そして家康暗殺計画のこと、3人の処分について打ち明ける。さらに前田利長は母を人質として江戸に出すであろうこと、家康が北政所に変わって大坂城西の丸に入り、思うままに天下の政務を執っていることをも話す。

吉継はさらに続ける。その一方で家康は慕う者はとことんかわいがり、豊臣家中を掌握していると。実際家康は黒田長政に馬を与え、福島正則には孔子家書を与える。それを見た長政はよい品でないかと言い、正則は(馬と)取り替えてやってもよいぞと言ってちょっとした騒ぎになり、家康が止めに入る。それを聞きながら茶々はつぶやく。
「この正月は…西の丸が随分にぎやかなようだのう」

家康が今となっては何もかも思いのままで、世間では天下殿と呼んでおるそうだと吉継は三成に伝える。お主は面白くないかも知れんがとの吉継の言葉に、私はしくじった身、とやかくは言えないと三成。内府殿のお蔭で、天下が静謐を取り戻すなら結構なこと思っているようだった。いずれほとりが冷めれば、お主もまたと言いかける吉継に、自分は今の暮らしが性に合っておると言い、逆に吉継に、病の具合がよくなっているのなら、浅野に替わって奉行になってはどうかと勧める。

しかし吉継は病のせいで誰も寄り付くまい、私はここまで、隠居したら茶でも飲みに来ると笑いながら言う。その吉継は大坂に戻り、家康に、三成はわだかまりを捨てたようで、穏やかに暮らしていると話す。まことによかったと家康。しかし三成は、嶋左近に命じて「狸」の本性を探らせようとする。

その年の春。茶屋四郎次郎が家康に呼ばれ、阿茶局を照会される。阿茶局は、伊賀越えをはじめ殿を何度も救われた茶屋四郎次郎殿に、お目にかかりたかったと言うが、この四郎次郎は二代目の清忠であった。父より大分色男でございます、お見知りおきをと言う清忠。そして阿茶局は、遠き異国から流れ着いた海賊を見たいと家康にねだり、清忠が通訳を務めることになる。

しかし清忠が知っているのはポルトガル語であり、その男は「エングランド」の国の者であるため、務まるかどうかと清忠は躊躇する。似たようなもんじゃろうと正信。やがて縄を打たれたその男が連れて来られ、家康は名を問う。清忠はポルトガル語で尋ねると、その男もポルトガル語で、ウィリアム・アダムスであると答える。家康はアダムスの前に地図を広げ、国はどこでどうやって来たと、好奇心をむき出しにして尋ねる。

このアダムスはオランダ船リーフデ号に乗り込み、2年の歳月をかけて豊後臼杵に到着していた。当初110名いた船員は24名にまで減っており、また清忠によれば、イングランドは当時エスパニア、ポルトガルと交戦状態にあり、バテレン共の言うことに耳を傾けてはならぬと言っているらしい。さらに清忠はアダムスの肩を抱き、商いをするだめだけにやって来たこと、それぞれにない物を売り買いし、互いに豊かになると言ったうえでこうも話す。

明、朝鮮と戦をして何になりましょう、これからは多くの異国との商いをもって、国と民とを富ませるのでございますと。正信は、途中からお主ばかり話しておるではないかと呆れるものの、家康はその通りである、日ノ本の中のもめ事をさっさと片付けんと、どんどん置いて行かれると言う。そして家康は、もっとアダムスの話を聞こうとする。

その頃。大老である上杉景勝が支配する会津では、神指原に新たに築城する案が持ち上がっていた。その上杉に不穏の動きがあるという書状が、越後の堀秀治らから届いていると、井伊直政はその書状を家康に渡す。元々景勝は、家康が政務を執るのを嫌っており、また書状には橋や道、河川をせっせと整え、神指に新たな城を築いていること、牢人を集めていること、武具を集めていることなどが記されていた。

武家のならいと言われればそれまででござるがと正信。しかし越後を取り戻そうとしていると恐れる者もいた。戦いの支度をしているという嫌疑をかけるには十分かと本多忠勝は言う。しかし、武を持って物事を鎮めることはしたくないと家康。正信は上杉を呼びつけようとするが、相手は大老であり、慎重を期するに越したことはなかった。

家康は茶々と秀頼にこのことを報告する。戦の支度と決まったわけではないものの、上洛の求めを拒み続けており、茶々は小田原北条攻めが思い出されると言って、あの時秀吉が大軍勢で北条を滅ぼし、天下一統を成し遂げたように、内府殿もそうなさった方がいいのではないかと茶々は促す。いずれ上洛すると、あくまでも慎重にことを構えたい家康だが、茶々はひどくそれが気になるようで、承兌が書状を送ることを提案する。

しかし景勝はその書状を見るなり当たり散らし,大体家康が天下人だと誰が決めた、家康に屈した覚えなどないわと怒りをあらわにする。家老の直江兼続も、秀吉の遺言をないがしろにし、勝手に天下を動かす狸と家康をなじり、全く信用できませぬと主君に同意する。さらに前田家をも服従させ、いつ有事となるかもわからぬ中、備えをするは当然のこととの兼続の言葉を聞き、景勝はそのように言い返してやれと命じる。


三成が失脚し、家康が大坂城の西の丸で政務を執ることになります。その後大谷吉継が訪れて、大坂での出来事を色々話して聞かせます。その中には、家康暗殺計画も含まれていました。この人は改易されて佐竹義宣の預かりとなるものの、その後の会津征伐で復権し、後に将軍秀忠の御伽衆となっています。そして首謀者の前田利家は、母芳春院を人質として家康に差し出すことになります。

一見穏やかに見える三成の暮らしですが、嶋左近に命じて家康の動向を探らせているようです。そして吉継が佐和山に行ったのも、つまるところ家康が命じたものでした。以前家康は、ほとぼりが冷めたら政務に戻ってほしいといったことを話していましたが、三成は今の暮らしが性に合っていると取り合おうとしません。ただその代わり、別の形で家康に対峙することを選ぶことになります。

ウィリアム・アダムス。後に三浦按針と名乗るこの人物は、家康の前でイングランドとエスパニアやポルトガルが戦っていることを話します。所謂英西戦争と呼ばれるもので、宗教的対立が関与した戦争でもありました。ちなみにイングランド女王であったエリザベス1世はアングリカン・チャーチ、日本でいう聖公会のいわば擁護者でしたが、それとはまた異なる系統のフランスのユグノー、オランダのカルヴィニズムの信奉者に援助をしています。あくまでも非カトリックとして、カトリックの国と戦うという名目であったのでしょうか。あとこの頃、聖公会を改革するという名目でピューリタンが生まれています。

そして直江状です。謀反の可能性がある上杉景勝に対し、まず西笑承兌が書状をしたためますが、景勝はこれに対し、怪しまれるようなことはないと、直江兼続に返書を書かせるに至ります。これに関しては、神指城は新たな城下町を作るためのものであり、また橋や道の整備は、そのためのインフラ整備であったとも考えられます。そもそも堀秀治が上杉と対立してもいましたからね。

あと、家康が福島正則に本をやろうとした件。この時の『孔子家書』ですが、黒田長政がこれをよい品と言うところ、彼の父如水(官兵衛)が万吉と呼ばれていた少年時代に、書庫に入り浸っていたのが『軍師官兵衛』で描かれていたのを思い出します。恐らくそういう父親の影響もあってのことでしょうか。なお長政に馬をやると言ったこと、取りあえず福岡市博物館のサイトに、こういう記事があるのでご紹介しておきます。

「また、徳川家康(とくがわいえやす)からは、関ヶ原の合戦の折に、秘蔵の馬を拝領しています」
https://museum.city.fukuoka.jp/archives/leaflet/249/index.html
(福岡市博物館アーカイブズ)


飲み物-スミスウィックのスタウト
[ 2023/10/30 05:00 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』第40回に関しての武将ジャパンの記事について-4

第40回に関する『武将ジャパン』大河コラムについてその4です。


映画『首』は「本当に求められる新しさ」も備えています。
その一例が弥助です。
弥助はアニメにもなり、映画も控えているという話もあるほど今注目を集めている人物。その弥助すら出さないあたりが『どうする家康』のどうしようもなさだ。

「本当に求められる新しさ」「弥助」などと持ってくるのであれば、その弥助がどのように描かれているのかをここで説明するべきかと思いますが、なぜか彼は「注目を集めている人物」しか書かれておらず、さらに

「その弥助すら出さないあたりが『どうする家康』のどうしようもなさだ」

何とも乱暴な言葉ですね。出してほしくて仕方なかったのでしょうが、自分の希望通りに行かなかったから不機嫌なのでしょう。
武者さんの言葉を借りれば、「幼稚」だなとは思います。
第一あの信長の描写を考えれば、特に必要な存在でもないし、恐らく出せば出したで、武者さんはまた何か言いそうですが。
ところで『麒麟がくる』には弥助いましたっけ?どうも見た記憶がありません。

三浦按針は出すようですが、どうせ使いこなせるわけはないでしょう。このドラマのチームは、カトリックとプロテスタントの区別すらろくについていない人もいそうです。

伊奈忠次と同じ「どうせ使いこなせるわけはないでしょう」
武者さんの個人的願望と思えば納得ですが、生憎大河は武者さんのためだけにあるのではありません。
そして
「カトリックとプロテスタントの区別すらろくについていない人もいそう」
なぜそういう発想になりますかね?これも武者さんの個人的願望で、そこまで愚かなスタッフであってほしいという、如何にも人を見下した発想だなと思います。ならば武者さんは、この両者の違いをちゃんと言えるのでしょうかね。特にプロテスタント諸派と一口に言っても、千差万別ではありますが。

実はこの時代、ヨーロッパではカトリックとプロテスタント諸派はすさまじく対立していました。そしてここでいうプロテスタント諸派は、アングリカンチャーチやルーテル派も含まれるものの、主に清教徒でした。ピューリタンとかユグノーと呼ばれた彼らは、その後新天地を求めてアメリカや南アフリカのような「約束の地」に渡って行くことになります。家康は彼らとカトリックの対立を、アダムスから聞かされることになるのですね。一方イエズス会の宣教師たちは、アダムスたちを処刑するように迫ったとも言われています。
清教徒に関しては下記のサイトが参考になるかも知れません。

5分でわかる「ピューリタン(清教徒)」そのルーツをわかりやすく解説

あと漂着した時点ではまだ「三浦按針」ではなく、ウィリアム・アダムスです。

本作については面白い話も聞きました。
瀬名の酷い死を中心にしようとした結果、あのわけのわからないペース配分と展開になっているとのこと。
これもどうしようもなくセンスが古い。ヒーロー奮起のためヒロインを酷い殺し方にするパターンは「冷蔵庫の女」というアメコミ由来の言葉があります。
この言葉以前にも、そういうお話の展開は日本にもありました。
近代文学以来、おなじみですね。ヒロインが死に、主人公がその死をうっとりと思い出すパターンです。
それこそ『野菊の墓』から『世界の中心で愛を叫ぶ』、『君の膵臓をたべたい』まで、定番ですよね。
大河ドラマで、そんなことやられても困るのです。まさかそれが「シン・大河」だとでも思ったのか。まさに陳腐。

誰から聞いたのでしょうね。
またセンスが古いというのも、武者さんが勝手にそう思っているだけに見えますね。
そしてまた「冷蔵庫の女」、これも前に使ったネタを引っ張り出して来ています。それとこの大河、ヒロインの死を主人公が思い出すパターンではなく、強いて言えばヒロインの遺志を受け継ぎ、成長する物語だと思うのですが。

放送前、中国語圏からのコメントでこうありました。
「いかにも日本の陳腐なドラマ臭がして期待できない」
哀しいかな、その通りとなってしまいました。
中国語圏では徳川家康の人気は高いのに、期待されていませんでしたね。

ならば、そのコメントを開示して貰えないものでしょうか。
スクショは取っていないのですか。

そしてまた茶々の中国語がおかしいのどうの。

「第38話、茶々が秀吉を中国に渡らせるべく、たわむれに中国語を話すシーンがありました。北川さんが『うぉだみんずしぃちゃちゃ〜(我が名は茶々である)』とたどたどしく話す姿はじつにあざとく、キャラを表現するのにピッタリでした。じつはこのシーンのために、制作陣はNHKラジオ『まいにち中国語』の講師をわざわざ中国語指導に立てた。気合の入りようが伝わってきます」
「制作陣の本気っぷり」とおっしゃいますが、この場面、字幕が間違っていたように見受けます。
「名字」とすべきところが「名子」になっていたのです。

ここのところ、ちょっと調べてみただけですが、名字も名子も同じような意味で使われてもいるようです。

中国語としても違和感がありました。「私の名前は茶々である」ならば「我的名“字”是茶茶(字幕では“字”が“子”)」よりも、「我叫茶茶」の方が自然でしょう。
これで講師を指導につけたと言われても、どういうことなのかと困惑するばかり。
スタッフロールには名前が出ている時代考証の意見も、制作陣はどこまでそれを反映させているのか、疑問が湧いてきます。

これももう2度目かと思います。
この場合の茶々はもちろんネイティブではなく、中国語(明国語)を日常的に使う人でもありません。漢籍の知識はある西笑和尚からこれこれこういうものだと教えられ、得意になって使っているわけで、どうしても日本人が考えた、直訳的な明国語に当然なるでしょう。それがおかしいとは思いません。

あと時代考証の意見関連、時代考証はアドバイスはできるが、制作はスタッフに委ねられるということを以前平山氏が投稿していました。ただし「森乱」の場合は、ドラマ中でも森乱でしたね。

そして「『どうする家康』スタンプ」が出るのが気に入らない、しかも呆れたことに第二弾だのなんだのとありますが、それだけニーズがあるからではないでしょうか。

そしてまた「この大河ドラマは本当におかしい」(もう少しワンパターンでない表現をつかえないものでしょうか)とかで。

◆関ヶ原の合戦:大河ドラマ制作を支えるテクノロジー、エキストラもデジタル化(→link)
この記事だけを読むと、なんだか美麗な映像が期待できそうですよね。しかし現実は……。
大河ドラマでエキストラをデジタル化することの試みとしては、10年前の『八重の桜』の時点であります。モーションキャプチャで兵士を表現していました。

エキストラのデジタル化というかCG化は、既に『毛利元就』でやっていたかと思います。

大河のVFXといえば『鎌倉殿13人』の壇ノ浦の戦いが第50回伊藤熹朔賞を受賞しました。おめでとうございます。
何もかも、去年と今年は大違いだ。
三谷さんのこちらの記事は必読です。
◆ゆうきまさみ×三谷幸喜 特別対談「大河ドラマの書(描)き方。」・ゆうきまさみ×三谷幸喜 特別対談「大河ドラマの書(描)き方。」(→link)

そしてまた鎌倉殿を叩き棒。
しかもこれのみを持って「何もかも大違い」と言うのは、ちょっと乱暴かと。何もかもと言うのなら、すべてをリストアップしてほしいものです。

そして文春砲に便乗した『どうする家康』叩き。
こういうのを喜ぶ武者さんが、いくら自分は大河が好きだの時代劇が好きだと言ってみても(実際過去にそう書かれていました)、こういう週刊誌ネタで持って嫌いな作品をばしばし叩いていては、信用がおけません。
本当に大河が好きなら、嫌いであろうがこういうのは最小限にとどめておいて、ドラマそのものに重点を置くでしょう。前にも書いていますが、これでは芸能もしくはゴシップネタのコラムでしかありません。
何だかさもしく思えて来ます。しかもジャニーズのファンまで叩きまくりですね。

しかも

善く戦う者は人を致して人に致されず。『孫子』「虚実篇」

これがまた意味らしきものが書かれていません。ただこの前でしたか、意味が書かれるには書かれていましたが、あまり正しいとは言えなかったので、どちらがいいかということにもなりますね。

ともあれこの意味、戦いを制する者は相手を動かすことはあるものの、相手に動かされることはないという意味です。そしてまた『パリピ孔明』を持ち出して、これは孔明の明言にしてはいけない、正しくは孔明が引用した『孫子』の一部であるとか何とか。こういう漢籍マウントをするのであれば、ドラマをちゃんと観てはどうですか。

そしてなぜこんな言葉を持ち出したのかと言うと、これがまた長いのでピックアップしておきますが、

ファンの擁護は、ファンダムの外にいるものからすれば意味がないどころか、むしろカルトじみて見えてきます。
ファンは論拠として、推しの美談やら印象を語ります。
現在、目の前に出てきている問題を見ていく上で、そんな過去の逸話に全く意味はありません。どんな悪党だろうと善行のひとつやふたつは為しているもの。

それに、あの記事にカーッと頭に血が登って、コメントをつけている時点で、その人は「致されて」おります。流されている。兵法としては失敗です。
文春砲は「致して」いる側ですから、既に兵法では勝利しております。
それにあの構えからして、文春側はまだまだ余力があるのでは?

要はこれを言いたいがために「善く戦う者は…」を持ち出したのでしょうが、持ち出される漢籍の方も、武者さんのこういう週刊誌便乗、自説補強に使われて何やら気の毒です。まあ漢籍も大河も、武者さんの自説主張のための道具と考えた方がいいのでしょうが。

ヒトラーが子どもと微笑み合う写真を持ち出して、「ヒトラーもナチスも、よいことをしたんだ!」と言い出しても、何ら意味がないようなものです。

そして、松本さんをヒトラー呼ばわりですか。自説補強のためにはなりふりかまいませんね。まあヒトラーはアウトバーンを推進してはいますが、主に政治的利用のためと言われています。

いちいち反応している場合ではないでしょう。精神の守りを固めた方がよろしいかと思います。
(中略)
何をか謂いて明君、暗君となすや。『貞観政要』

これも意味が書かれていませんね。
明君と暗君の違いは、何を基準にするのかという意味ですね。

何を基準に名作大河と、駄作大河と判断するのですか?
そしてこういう「致されて」いる層が厄介なところは、集団心理で勝手に大河ドラマを私物化することですね。
私もよく言われます。大河の記事を書いているくせに、貶すとは何事か?と。
逆に、そういう人には問いたい。
何をか謂いて名作となすや。
自分の推しが出ているからとか、自分の相互フォロワーが褒めているとか、そんなものは何の論拠にもなりません。ただの推しへの愛。ただのお仲間意識。それだけです。

寧ろ「何をか謂いて駄作となすや」と武者さんに訊きたいです。この人が駄作呼ばわりしている大河を好きな人も当然いるわけですから。
そして
「集団心理で勝手に大河ドラマを私物化する」
「自分の推しが出ているからとか、自分の相互フォロワーが褒めているとか、そんなものは何の論拠にもなりません。ただの推しへの愛。ただのお仲間意識。それだけです」
何だか非常にブーメラン臭さがあるのですが。

NHKは公共放送であり、大河ドラマは貴重な時代劇です。
一年間という長いスパンを使えます。
歴史もあります。
そういう枠にクオリティを求めて何が悪いのか?

ではその「クオリティ」なるものは何ですか?
具体的に説明してください。貴方の言うクオリティとは単なる好き嫌いではないのですか。しかも報酬を貰って、好き嫌い基準で記事を書いて、好きな作品を嫌いな作品の叩き棒にしていますよね?
そういうのをクオリティと呼ぶべきなのでしょうか。

偏ったファンの理屈に陥ってしまうと、『貞観政要』に対する感想ですら、こんな意見が出てきそうです。
「この魏徴って感じ悪いw 唐に仕えてお給料もらってるなら、唐太祖を褒めまくらなくちゃダメじゃんwww ダメ出しばっかして感じわるwww」
『貞観政要』を読んでこんな感想を書いたら零点確実でしょう。

「偏ったファン」呼ばわりすること自体、自分が偏っていることを証明するようなものなので、あまりこんなこと言わないほうがいいと思いますよ。

そしてこの先しばらく、単なる自己満足というか意味不明、何だか酔っぱらって人に絡んでいるような感が半端ないので端折ります。

あらためて本作に漂う古臭い陳腐なセンスを考えてみたい。
そのセンスは、学生運動世代を嫌っている。バカにしている。
で、国が強くなって弱者を搾取してこそ、巡り巡って自分も甘い汁を吸えると勘違いし、長いものに巻かれに行くようになった。
それでもいいんです。バブル期に人生観を刷り込まれた世代は、それが処世術だった。
だから政治的な駆け引きなんて理解できない。政治なんてどーでもいいし、投票日は寝てるだけ。そういう価値観を植え付けられている。

武者さんて、学生運動世代に共感しているのでしょうか。
あれこそ昭和のおじさんあるいはおじいさんの世代であり、武者さんが思い切りバカにしそうな時代の話ですね。
そして政治に関心を持つのと、政治的駆け引きを理解するしないとというのは、ぶっちゃけ別物ではないでしょうか。

そして真面目な奴を小馬鹿にして笑ってきたとあり、

でも、歳をとってきて気づく。
自分は何も成し遂げていないのではないか?
そこで、生まれつき、たまたま、努力せずに得られた属性である国籍や性別に過剰な自身を抱き、依存するようになる。

と来て、

社会運動をしているような連中は、ズルをしていて、金儲けしているんだ!
自分がそうだから相手もきっとそうだ、デカい権力に寄生して、うまい汁を吸いたいんだ!
勝手にそう思うようになってしまう。

そこまではともかく、その後に

大河ドラマなら『麒麟がくる』の理想主義者である光秀がうっすらと嫌いだし、駒は生意気な女なので正々堂々嫌って小馬鹿にしている。
理想主義者が出てくるという一点で、『麒麟がくる』を小馬鹿にしようとし、隙あらば大手掲示板やブログ、SNSに書き込む。
そんな冷笑逆張りセンスがバリバリに滲んでいるのが、今年の大河ですね。

すみません。社会運動と『麒麟がくる』と何の関係があるのですか?
光秀は理想を抱いてはいましたが、たとえば革命に身を投じるような理想主義者ではありません。なのに武者さんの書き方というのは、そういう存在を前提にしているが如きです。
駒もせめて秘書的な立場なのに「侍医」であったり、あちこちに出張るから疑問を持つ人はいたと思います。これなら今年の阿茶局のほうがまだわかります。そして阿茶局の場合は、たとえば家康と三成が会っているところに、姿を現すようなことはありません。

そんな冷笑逆張りセンスがバリバリに滲んでいるのが、今年の大河ですね。

と言うより、武者さんが『どうする家康』や『青天を衝け』に思い切り逆張りしていないでしょうか。以前ご紹介した逆張りについて書かれたnote記事にありましたが、
「その作品に「ある」点を見つけるより「無い」点を叩く方が何千倍も楽で誰にでもできるわけで(書いてないことを指摘するだけなので)そんなことに意味はない……が人はついついやってしまうと赤裸々に書かれている」
というのは、武者さんに当てはまりそうな気がします。実際今年は「描かれてない」点をやけに叩いていますから。

二虎競食、駆虎呑狼
予想通り、文春砲は第二弾がきました。これが最後でもないように思えます。

二つの敵対勢力を戦わせて、同時に弱体化させるというのですね。
で文春の記事によれば、嵐とsnowmanを仲たがいさせようとしているとか何とか。
しかし武者さんて、文春とタイアップでもしているのですか。自説補強に使える記事が来て本当にうれしそうですね。
やれ「マザーセナ」だ何だと未だに書いていますが、武者さん自身が文春記事を信奉したくてたまらないのかも知れません。

競い合うとなればなかなか危険な策であり、文春には兵法を巧みに駆使する方がいるようです。さあ、文春だけに頼らず、NHKに声でも送りましょう。
◆NHK みなさまの声(→link)

「文春には兵法を巧みに駆使する方がいるようです」
いやマスコミはそういうものですから。

そしてこの
「さあ、文春だけに頼らず、NHKに声でも送りましょう」
武者さんて文春にもメッセージ送っていたのでしょうかね。

飲み物-ブロンドのエール
[ 2023/10/28 01:45 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』第35回に関しての武将ジャパンの記事について-4

『武将ジャパン』大河コラムその4です。しかしよくこれだけ長々と書きますね。


一連の報道には、心身ともに疲弊しきっています。
しかし、いつかこういう日は来るだろうとは思っていました。何かが危ういだろうと。
去年の『鎌倉殿の13人』では、古参の腐女子、BL好きだという視聴者が、源実朝と北条泰時の描写に「萌えない」という感想をつけていました。
こうした声が、男性の同性愛描写がすべて自分が萌えるためのサービスだと考えているのかと思ったら、気分が暗くなってしまったのです。

このパラグラフ、「ドラマ鑑賞者との共犯関係」なる小見出しがついていましたが、いくら何でもこの書き方はないでしょうね。
そして武者さんは
「BL好きだという視聴者が、源実朝と北条泰時の描写に「萌えない」という感想をつけていた」
のが面白くないのでしょうが、ドラマの観方というのは人さまざまであり、特にこういうことに口を挟むものかと思います。自分と違うなら違うで、スルーしていればいいのではと思いますが。

で、そのあとも
「描写として秀逸かどうか……ではなく「自分が萌えるかどうか」「自分が好きかどうか」で決めてしまう」
などとありますが、大河の評価を自分が好きかどうかで決めつけ、あまつさえ好きな作品を嫌いな作品の叩き棒にしたがる武者さんに、こういうことを言ってほしくないなと思います。

誰だってそういう部分はあると思いますが、行き過ぎてはまずいでしょう。

では、どういう部分を「行き過ぎ」と判断するのでしょうか。

そして『あまちゃん』はAKBビジネスを無毒化し、ロンダリングしているだの、吉本興業ロンダリングの朝ドラ『わろてんか』のように、作品自体の出来が悪ければ悩まずに済むからまだマシだの。しかも、
「私がもう一度『あまちゃん』が好きだと言えるようになるのは、そのあたりがハッキリとしてから。好みと人倫は分けて考えなければならないと思います」
なのだそうですが、この人本当は『あまちゃん』を好きではないのだろうなと思います。本当に好きであれば、あのアイドルグループビジネスの描写にしても、それはそれと割り切って観ることができるでしょうから。

ネットニュースについては、PV(閲覧数)を稼げればいいのか。描写として適切かどうかよりも、「萌える」かそうでないか、そこに注目する記事が増えています。
その弊害を思うと、そろそろ見直すべきではないかと感じていたところです。

こう言っては何ですが、PV数を言うのであればこのコラムも同じようなものではないでしょうか。

事務所。ファンダム。劣情。そんなものにつけ込むばかりでよいのかと。
ジャニーズ問題で顕在化された感はありますが、朝ドラや大河ドラマのニュースは、近年、どんどん下劣になっているとは思っていました。
たとえば2018年朝ドラ『まんぷく』では、憲兵拷問を受ける俳優に劣情を抱いて盛り上がっているSNS投稿がありました。
この事件はモデルとなった人物も深刻な負傷をしています。憲兵の拷問では落命した方もいます。
そういう悲劇であるにもかかわらず、それをソフトポルノめいた演出にし、萌えるだのなんだの言い募ることはあまりに無神経ではありませんか?

まず「ニュース」が下劣と書きながら、なぜここで「SNS投稿」を出してくるのか。この両者は異なると思います。
恐らく萬平が冤罪で拷問となったシーンのことなのでしょう。しかしあれが「ソフトポルノ」だったでしょうか。あれはあくまでも拷問だったと思います。
中にはそういう投稿をした人もいるでしょう。しかしそれが視聴者の総意であるかとは、ちょっと言えないのではないかと思うのですが。

朝ドラではなく大河に話を戻しましょう。
『どうする家康』はなぜ失敗したのか?
私なりの分析であれば、『青天を衝け』が成功したことを一因にあげます。
あのドラマは、最新の研究成果をアリバイ的に取り入れただけで、悪質な捏造や歪曲も多い。VFXや小道具の作りも拙い。
それでも受けたのは、SNSでいかにも盛り上がりそうな小ネタの使い方がうまかったこと。
イケメンラッシュ。勝ち組である。そういった小技のうまさがあるのでしょう。

まだ終わってもいない大河が失敗だ何だと書くのも、ちょっと無神経ではないでしょか。
そして『青天を衝け』が成功したとし、
「SNSでいかにも盛り上がりそうな小ネタの使い方がうまかったこと」
さらにイケメンラッシュだったと書いているのですが、ストーリーの展開も、徳川家康の登場などの要因も無視されているなと思います。そして例によって「悪質な捏造や歪曲」(関東大震災絡みでしょうか)、「VFXや小道具の作りも拙い」(と武者さんは観たいのでしょうね、ならばどういうのが拙くないか例を挙げてほしいです)などなど。

その小ネタの一例がこちらです。
◆「青天を衝け」大河名物!?吉沢亮のふんどし姿に反響 「大河恒例の裸」「大河のふんどしタイム」(→link)
「大河恒例」だのなんだの書かれていますが、記事にもあるように『麒麟がくる』ではやりません。
そもそもこの場面はおかしかった。必然性もないうえに、役柄はまだほんの子どもです。
子どもがうっかりして下着姿になることに萌えただの興奮しただの、演者が成人であっても、そういうラッキースケベ狙いはあまりに下劣で嫌でたまりませんでした。

大河にはそれぞれの描写方法があり、別にこういう方法があればあったでいいと思います。
武者さんが褒めていた頃の『いだてん』なんてもっときわどいシーンもありました。また『真田丸』の石田三成が水垢離をするところ、あれも同じようなSNSの反響がありましたが、それには突っ込まないのですか?

このドラマでは、安政の大獄で処刑される橋本左内が、どういうわけか松平春嶽と共に半裸で蒸し風呂に入るような、わけのわからないサービスシーンもありました。
非業の死を遂げた人物をお色気要員に使うデリカシーのなさに嫌気がさしたものです。

それですが、『八重の桜』で覚馬と尚之助の入浴シーンもありましたね。こちらも、尚之助の晩年は幸せとは言えないものもありましたが、それもデリカシーがないということになるのでしょうか。

そして「全てのお色気が悪いわけではありません」として、

『鎌倉殿の13人』で八田知家や三浦義村が、堂々と脱いでいる様は、それこそ運慶の金剛力士像のようで素晴らしかった。
頼朝の前で身をくねらせる北条政子。琵琶を奏でる実衣。あざとさ満点で歩いてくる源仲章。
彼らは自分自身の持つ艶かしい力を意識的に使っていて、それは素晴らしかった。

とありますが、嫌いな大河であれば思い切り叩いているのではと思います。先日も書きましたが、武者さんのダブスタにしか見えません。そして

「そういう自覚した上での色気ならわかります。けれどもああいう覗き見的なお色気描写はどうなのでしょう」

「自覚した色気」と「覗き見的な描写」の線引きをどのようにするのですか?
具体例を挙げてください。

それに何よりも『まんぷく』『青天を衝け』のようなあざとい描写に、演じる俳優は納得できていたのでしょうか。

俳優さんが台本を読んで納得しないと、ああいうシーンは収録できないと思うのですけどね。

そしてこの色気だのセクシーだのの文章が延々と、しかも正直言って、武者さんの愚痴のようにしか思えない文章が延々と続くのでここでは省きます。本当にコラムを書ける人であれば、要点だけを絞り込むものだと思います。
またジャニーズの差別意識だのハラスメントだの。そして今度は、ファンを槍玉にあげた記事を例に挙げています。武者さんにしてみれば我が意を得たりといったところでしょうが、そういうのはこの大河と直接関係ないのだから、別のコラムでやって貰えませんか。しかもこの一連の問題、黙っていたマスコミも悪いという声も出ているようです。

そのうえでまた『青天を衝け』叩きが続きます。『どうする家康』もそうですが、この『青天』叩きもしばらく続きそうですね。しかも大河コラムなのに、例によって後半部分はすべて持論展開。『武将ジャパン』はなぜ何も言わないのでしょうか。

そして

過ちては改むるに憚ること勿れ。『論語』「学而」
間違って修正することを、他人や周囲の目を気にしすぎてためらってはいけないよ

正しくは
「過ちを犯したことに気づいたら、体裁や体面などにとらわれず、ただちに改めるべき」
の意味ですね。

そしてすさまじいのが

「ともかく、NHKは悪質極まりないドラマを、問題点がわかっていながら放映した。人倫にもとることを堂々とやってのけた。それでもマスメディアは誉めていた。
そういう甘っちょろい態度が大河制作班をつけあがらせたのではないかと、私は考えています」

などとあることです。
これは『青天を衝け』への中傷ではないでしょうか。何よりも、自分が嫌いな作品だといわばタガが外れてしまうのか、悪質極まりないだの、人倫にももとることだの堂々と言ってしまう、その方が異常に感じられてしまいます。

『どうする家康』のクオリティは、もう問うべきものですらないとも思います。
徳川家康をダシに使った主演俳優のプロモーションビデオでしかない。
ジャニーズの広告降板をみていると、それを嘆くSNS投稿も当然目につきます。
推しが宣伝しているから買ったのに――そんな嘆きの声です。

ではそのSNS投稿というのを見せて貰えませんか。当然スクショなり何なり取っているのでしょうから。
それも『どうする家康』をきちんと批評している人が、こういうことを言うのならまだしも(と言うか、そういう人は一方的に決めつけないと思いますが)、普段出演者からスタッフから散々に言っている武者さんがこう言っても、ああまたかとしか正直思えないのです。

そして急にマルティン・ルターが出て来て何事かと思ったら、ジャニーズ免罪符だのなんだの。しかも推しの広告商品に金を落とすことが、免罪符そっくりらしい。免罪符、所謂贖宥状は現世の罪の赦しを、お金を払うことによって得て、天国に行けるというシステムであって、推しの広告商品にお金を払うのとは意味するものが違いませんか?

あとルター(ルーテル)派ですが、昨年武者さんが何かの如く言ったカトリックの聖人の一部は、この教派でも崇敬されていますね。

その後も『平清盛』と『どうする家康』の磯CP叩きだの、それと強引にジャニーズを絡める姿勢だの、しかも毎回同じようなことを書いているようにしか見えないし、何よりも武者さんの自己満足にしか見えないのでこれもパスします。
最後にこの部分だけ挙げておきます。

「推し活」そのものも曲がり角に来ている
つらつらと書いてきまして、最後にもうひとつ。
近年「推し活」が盛んになってきています。
けれども、いったん立ち止まった方が良いのかもしれません。

「つらつらと書く」は言葉本来の意味だと、よく考えて書くという意味になりますが、どうも「よく考えて」書いている印象があまりなく、今まで書いて来たもろもろのことを、引っ張り出しているようにしか見えないのです。

そして
「前段で書いたように、推しの広告する商品にお金を落とすことを生きがいにしている人はいます。
それがあなたの寿命を縮めると指摘したら、あなたは笑い飛ばせますか?」
とあり、推し活はファーストフードや喫煙のようなものであると決めつけ、あまつさえ
「タバコ会社は莫大な金を払い、カーレーシングチームのスポンサーになり、タバコはかっこいいと宣伝しました。
そうして毒を吸わせることに成功していたのです」

タバコに含まれるニコチンは毒と言うより、依存性の高い物質と言った方がいいでしょう。
国立精神・神経医療研究センターの記事がわかりやすいので置いておきます。

喫煙と睡眠
https://www.ncnp.go.jp/hospital/guide/sleep-column23.html


推し活とは、健康や人倫を犠牲にしてまで為すべきものではないでしょう。
歴史上の人物による推し活はいいですよ。対象が亡くなっていると安心です。
新史料の発見により外道な側面があらわになる。題材にした作品がとんでもないことになる。
そういうリスクがないわけでもありませんが、それでも広告代理店臭さが薄いだけまだマシです。

「健康や人倫を犠牲にしてまで為すべきものではない」
それは武者さんの、特に嫌いな対象への推しに対しての考えでしょう。
しかし自分が好きな対象に対して、同じことを考えるでしょうか。
とどのつまり推し活がよくない云々より、
「私が嫌いなものを褒めないでくれ」
これに尽きるような気がします。

**********

ここで少し付け加えておきます。
この前のパラグラフで、『どうする家康』関連での推し活について触れていることを考えても、やはり
「嫌いなものを褒めるな」
これに行きつきそうですね。また本文では、タバコ関連の記述の後に
「いくら推しが宣伝しているからって、キャンペーン期間中、毎日ずっと同じファストフードを食べ続けたら、体には悪影響があるかもしれません。そう立ち止まることも大事なのでは?」
などとありますが、例えが極端だなと思いますね。
武者さんにしてみれば、嫌いなものを推す人々は愚かな存在に見えて仕方ないのでしょうか。推し活での商品購入はドーピングみたいなものだとも書いていますし。
こういうのが、ちょっと行き過ぎな感もあるファンダム嫌いにもつながっているのでしょう。

**********

それと「対象が亡くなっていると安心です」これもないかと思います。
また歴史関係にしても、大河のを含め関連イベントなどには代理店が絡んではいるでしょう。そして好きな大河の場合は、そういうイベントに率先して足を運ぶのですね。

そしてこのパラグラフの最初の部分ですが、

推し活は自分が解き放たれたようで楽しい!
それはそうですが、同時に思考停止の危険性もあるでしょう

武者さんが嫌いな大河をすべてネガティブに捉え、好きな作品を叩き棒にしたがるのも、ある意味思考停止ではないかと思います。

で、またみなさまの声。この間のイングランド戦の超ラグトークについて送っておこうかなと思います。

飲み物-ブランデーグラスのビール
[ 2023/09/23 03:00 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

福岡城あれこれ その5(長政公と斉清公、そして肥前堀とは)

福岡藩関連でもう1度。

初代藩主黒田長政は、元和9(1623)年8月4日没となっています。この年の8月4日は、グレゴリオ暦に換算すると8月29日です。しかもこの1623年の8月29日は、今年と同じ火曜日でした。400年後の命日が奇しくも同じ曜日であったことになります。
無論その当時、日本に曜日の概念はなかったものの、ダミアンの洗礼名を持つキリシタン(のちに棄教)であった以上、その概念にあるいは多少なりとも触れていたのではと思います。
そしてこちらはもちろんグレゴリオ暦ですが、今年の8月4日には『どうする家康』の新キャストの発表が行われ、阿部進之介さんが長政公を演じることが決まっています。

とはいえ今回はこの方ではなく、第10代藩主黒田斉清についてです。
所謂蘭癖大名の1人で、博物学に詳しく、かのシーボルトと会ったともされています。ちなみにこの時は、長崎警備中の兵の視察が第一目的でした。今もこの殿様の手になるとされる「鵞鳥図」が、福岡市美術館に所蔵されています。

「鵞鳥図」
(福岡市美術館コレクション)

さらに参勤交代中に植物採集をして、その標本をシーボルトに送ったとも言われています。シーボルト自身、プラントハンターの側面がありますが、斉清公にもまたそういう一面があったようですね。但し眼病という持病があり、晩年には殆ど見えなくなっていたようです。
黒田家は元々は目薬で財を成しており、その意味では皮肉というか残念というべきかも知れません。

特に日本は照明設備の問題もあってか、眼病を患う人が多く、また蘭方の方が眼病治療は進んでいたことから、蘭方がご禁制の時代でも、外科と眼科は例外的に蘭方の治療が可能でした。またこの斉清公より少し前に、西洋眼科の草分けと言うべき土生玄硯が生まれています。

それと肥前堀についても再度書いておきます。
「福岡城あれこれ 2」で、福岡城は総構えで、草ヶ江と呼ばれる入り江と、かつて存在した肥前堀を外濠としているのが特徴であると書いています。この肥前堀とは大名から渡辺通り、さらに今の福岡市役所まで伸びていたもので、同じ投稿の中で、現在の天神地下街にその名残を留めていると書いてもいます。
これについては、この記事をご覧ください。

天神地下街にある肥前堀ゆかりの場所
(福岡市役所公式サイト)

なぜ肥前堀というのか、それは肥前佐賀藩の鍋島氏のために、藩祖如水公が将軍家康に口を利いてあげ、その見返りに工事を引き受けたからだと書かれていますね。それがもとで、肥前堀という名がつけられました。

後にこの肥前堀の両岸には石垣がつけられますが、これが文化8(1811)年、ちょうど先日投稿した烽火台が作られたのと同時期です。その後ここは埋め立てられますが、その堀があった場所に存在する天神地下街に、石垣に見立てた壁を作り、かつての肥前堀の石垣の面影を留めています。

この天神地下街、ヨーロッパの街並みを意識しているため、石畳やいくらか落とした照明などが特徴となっています。その場所にこの石垣はよく似合います。考えてみれば、石垣とは日本の建築の中でほぼ唯一石を使っているため、石造りのヨーロッパを意識した街並みとは親和性が高いのかも知れません。

ちなみにこの石積みの広場ですが、かつての天神地下街はこのすぐ北までで行き止まりになっていました。しかし2005年に地下鉄七隈線が開通するのに合わせ、さらに南の方へと拡張工事が行われています。尚この地下街の南端が、七隈線天神南駅です。
(2023年8月30日一部修正)

飲み物-ミルクを注がれるアイスコーヒー
[ 2023/08/30 03:00 ] その他 | TB(-) | CM(0)

大名の洗礼名とヨーロッパ諸国語あれこれ

まず、『風花帖』第2弾は9日の投稿になります。あまり日数を空けない方がいいと思いますが、連日とは行かないこともありますので悪しからずご了承ください。

それと本日ブログ背景の色を変えたばかりではありますが、ラグビーワールドカップ期間中(9月8日~10月28日)は4年前同様、また赤と白の背景となる予定です。

では先日の答えです。

ドン・ジュスト-高山右近
ドン・アウグストー小西行長
ドン・シメオン-黒田孝高(官兵衛)
ドン・ダミアンー黒田長政
ドン・ジョアン-織田長益(有楽斎)

他にもドン・レオン=蒲生氏郷とか、豊後の王と称されたドン・フランシスコ=大友宗麟、そしてドン・ペトロ=織田秀信(三法師)などもいます。尚上記5名については、一応著名な大名ということで選んでいますが、他にも戦国期から江戸時代の大名で、あるいは洗礼名が同じとか、発音が違うが元々は同じ意味という人物もいる可能性があります。その場合も正解とします。

ところでこれらの洗礼名、英語に直せば
ジャスティン
オーガスト
サイモン
デミアン
ジョン
となります。

織田有楽斎の洗礼名はジョン、つまりヨハネで、英語でJohn the Baptistと言えば洗礼者ヨハネのことです。そして黒田長政の洗礼名ダミアン、英語風に発音するとデミアンですが、この名前を持つオールブラックスの選手がいます。以前サンゴリアスでもプレイしたダミアン・マッケンジーで、彼の場合デミアンとならないのは、NZ式にエイの発音がアイとなるせいでしょうか。

あとジュスト、ジャスティンのオランダ語名であるユースト、残念ながら故人となりましたが、ユースト・ファン・デル・ヴェストハイゼンという南アの選手がいました。

当時のイエズス会はポルトガル人神父のほかに、スペイン人やイタリア人の神父もいました。ちなみにフランシスコ・ザビエルはバスクを中心とする、ナバラ王国の出身とされています。以前、カトリック圏の少年や若者を主人公とする物語の特徴として、母親的存在が大きいといったことを書いた記憶がありますが、恐らく、聖母信仰も関係しているでしょう。

一方で今後の『どうする家康』には、ウィリアム・アダムス(三浦按針)が登場し、非カトリック圏のヨーロッパ人が日本へやって来ることになります。主にイギリスというかイングランド人、そしてオランダ人ですが、最終的に布教なし、交易のみで日本との交流を続けたのはオランダでした。

ポルトガル語は発音がやや癖があると言われますが、スペイン語は日本人に取って発音しやすいと言われています。ただ、スペイン語とイタリア語を一緒にやると、こんがらがる確率が高くなるかも知れません…(断言はできません)。余談ながら、スペイン語でバカと言うと牝牛、アホと言うとニンニクを意味します(アヒージョも、このアホ=ニンニクから来た名称)。

しかし、この戦国大河は作品にもよりますが、キリスト教関連の描写はかなり高めです。その後の江戸時代は御禁制となり、また、江戸時代そのものを扱った作品が限られるため、余計にそう感じられます。それ以外の時代では『八重の桜』が、こちらはプロテスタント諸派ですが、キリスト教色がやや強めとなるでしょう。


飲み物-ボトルとコルクとワイン
[ 2023/08/09 00:30 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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