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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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『どうする家康』第33回に関しての武将ジャパンの記事について-3

第33回『武将ジャパン』大河コラムその3です。
それから30日の福岡城関連投稿で、阿部進之介さんの名前の漢字を間違えていたので、訂正しています。


本作の制作者は、開き直っているんだと思います。
歴史的な意義を壊すことが「シン・」とつけることだと誤解し、だからこそ暴走した。
たとえば来週の旭姫もそう。
彼女と家康の結婚は、年齢的に名目的な儀式であり、実際の夫婦関係は無かったと見なされる。
それが歴史的見解の「常識」であり、自然な見方でもありましょう。
しかし、それだと「シン・」にはなりません。だからこそベタベタとした展開になったりするのでは?

先日も書いていますが、制作サイドは「シン・大河」などと言っていないと思いますが――『麒麟がくる』の時に「大河新時代」と言ってはいましたが。
それと次回のをまだ観てもいないのに、
「ベタベタとした展開になったりするのは、そうでないと「シン・」にならないから」
などと書くのは、武者さんの勝手な決めつけ以外の何物でもありません。
ちなみに次回の予告について先日書いていますが、ベタベタした展開のシーンなどはありませんでした。

こうした認識の持って行き方は“斬新”などではなく、むしろ“手抜き”でしょう。単に逆を取っただけ。

仮に今までの展開を、その真逆にするにしても、それがすなわち「手抜き」になるのでしょうか。

思えば初動から間違っていました。
家康をナイーブなプリンスと定義していますが、そもそも「プリンス」をどう見ていたのか?
昭和平成の学園ドラマなら金持ちの息子とか、上品なイケメンいうことになりますかね。
しかし、歴史用語として考えた場合の「プリンス」は、日本であれば皇族に該当するはず。
もうこの時点で誤用が甚だしい。

「○○界のプリンス」などという表現は、特にPRの意味で使われますし、その意味で家康がナイーブなプリンスというのは少しもおかしくありません。プリンスではありませんが、ハンカチ王子なんて言葉もありましたね。
ところで豊臣秀頼も「豊臣家の若きプリンス」という触れ込みですが、武者さんそれにも何か言いそうですね。以前、『真田丸』の中川大志さんも同じような触れ込みであったかと思いますが、ただそれに対しては何も言わなかったかと思います。

徳川家康をプリンスとして定義する時点で、信頼感が地に落ちていた本作。

強引ですね。この時点で信頼感が地に落ちていたのであれば、武者さんがあれもよくないこれも駄目と書いていたのは、一体何だったのでしょう。
「家康をプリンスなどとしている、だからこの大河はダメ」
この一言で済んだのではないでしょうか?

これは何も視聴者だけでなく、演じる側もそうなっているようで、今週やたらと長かった石川数正のラストシーンは、アドリブだそうです。
◆ 松重豊、「どうする家康」石川数正のラストシーンに言及「本来書かれていなかったセリフをアドリブで言った」(→link)
思い入れのある人物のセリフをアドリブにするというのは、通常ならばまず考えられないでしょう。
脚本が役者さんに信じられていないか。
あるいは、よほど中身がなかったか。

この記事ですが、松重さんのコメントによると

「出奔した後の最後のセリフも本来書かれていなかったセリフをアドリブで言ったんです」と告白。
(中略)
「松本潤家康とどういう別れ方をしたかなって2人で一生懸命シュミレーションした結果が33・34回の放送回だと思います」と具体的な出奔シーンの時期についても言及していた。

「出奔した後の最後のセリフ」
「33・34回の放送回」
とあるのを見る限り、このセリフは第33回ではなく、第34回に家康が上洛し、出奔した後の数正と会って、その時数正がこの言葉を放つのではないかと思われます。何よりも第33回では、家康は「出奔後の数正」と話す機会はありませんでしたから。

そして中島亜梨沙さんのSNSでの
「(劇中での)台詞は台詞ですので苦情は受け付けておりません!」
に関して、
「なぜ、そんなことをSNSでわざわざ但し書きしているのか、
誰かから「おかしい」と言われることを想定していないと、そんなこと発表しませんよね」
とありますが、あの中で中島さん演じるひよは、板垣さん演じる虎松を悪童呼ばわりするため、
「気にしないでくださいね」
という意味で板垣さんのファンに送ったメッセージとも取れます。

しかし武者さんは、収録現場の人間関係がギスギスしているに違いないと思っていたいようです。

そんなギスギスした不幸な関係は、ドラマの描写にも反映されているようで、先週の放送で、秀吉が吐いたセリフが注目されていました。
◆NHK大河「どうする家康」ムロ秀吉の悪口に対するアンサーが話題に 視聴者「全てのSNSユーザーが胸に留めたい」「正論かましてきた」(→link)
徳川軍に罵詈雑言の看板を掲げられた秀吉が、「人の悪口を言うやつはどうしようもない」という趣旨の発言をしたものですね。

この秀吉のセリフを、私のように批判を記す不届者へのカウンターと捉えた意見は多かったようです。
しかし、だとしたら非常に妙なことになる。
秀吉の発言が向けられたのは、あくまで「徳川軍」です。
罵詈雑言の看板を立てた徳川軍に対し、秀吉が「どうしようもない連中だ」と罵り返したわけで、もしも秀吉の発言が肯定的に捉えられるなら、表向きは徳川軍の連中がどうしようもないということになる。
SNSでのアンチを叩きたいあまり、主人公側をぶん殴るとは、あまりに筋が悪い。

ドラマはドラマ、現実は現実とここは分けて考えるべきでしょう。
実際秀吉のセリフは、自分への悪口雑言を書き連ねて、自分を怒らせようとした徳川に向けられています。そして視聴者の中には、ネット上で発言をする際の自分への戒めとしようと思った人もいるでしょう。
しかし結局徳川の目論見は失敗に終わるわけですし、確かにこの時の徳川の考えはやや浅はかであったとも言えます。
とは言うものの、
「SNSでのアンチを叩きたいあまり、主人公側をぶん殴るとは、あまりに筋が悪い」
は、武者さんの僻目ではないのでしょうか?

おまけに、

そして、今まで散々秀吉を貶めるような描写をしてきたドラマの制作者も、批判される側になるでしょう。
作り手の自己批判だったのでしょうか?

だからドラマはドラマ、現実は現実です。ただ視聴者の中には、このセリフが刺さった人もいるでしょうし、そこから先はその人の考え次第でしょう。
図星だったのかも知れませんが、ここまで言う必要もないかと思います。スルーしとけばいい話です。
武者さんて割と冗談を真に受けるようなタイプなのでしょうか。
それにしても「主人公側をぶん殴るとは筋が悪い」
いや、貴方の大河評はいつも、主人公側をぶん殴るに等しいことをやっているように見えますが。

でこの後榊原康政を演じる杉野遥亮さん、茶々を演じる白鳥玉季さんについての記述がありますが、これはまた機会があれば別途取り上げます。特に白鳥さんについては、武者さんが持論を持ち込んで延々と書いていますので。

◆『どうする家康』が放送開始以来の大ピンチ…「BL展開」しか逃げ道がない「ヤバすぎる事情」(→link)
 「山田(本多)が上半身裸となって槍の稽古をする、杉野(榊原)が家臣と相撲を取る、といった演出プランがあると聞きます。松本家康の相手役になるのは、おそらく板垣(井伊)でしょう。美男子の井伊が、風呂場でふんどし一丁になって家康の背中を流すというシーンが今後の見せ場になるそうです」
一言だけ言うなら「しょーもな!」でしょう。
こんな安っぽいBL展開でしか数字を狙えないドラマとは一体なんなのか。

現代ビジネスの記事ですね。
しかし忠勝が上半身裸で槍の稽古をするのは、もう既に出て来ているはずですが。
あと相撲を取るシーン、武者さん『西郷どん』でも何かのように叩いていましたが、相撲で褌一丁なのは当たり前ですし、こういう男性の裸のシーン即ちBLに結びつくのでしょうか。
では『真田丸』で石田三成が水垢離をするシーンがありましたが、あれもBLなのでしょうか。
それと先日『秀吉』絡みで書きましたが、あの時は秀吉と家臣が褌姿で走っていました。この論理だと、それもBLになるのですね。

確かに『鎌倉殿の13人』で若い層を取り込んだという分析結果もありましたが、今年はもう今さら頑張ったところで無理。
ここから制作陣を入れ替えたって、とても挽回できるものではないでしょう。

この大河は実際若い層を取り込んではいると思います。またSNSとの親和性も高そうです。
にもかかわらず
「今年はもう今さら頑張ったところで無理」
「ここから制作陣を入れ替えたって、とても挽回できるものではないでしょう」
なのだそうですが、何が無理で、何を挽回できないのかはっきりさせてほしいですね。
世帯視聴率ですか?それとも固定視聴層の復帰ですか?

そしてまた中国ドラマとアニメのリンク。

◆中国ドラマ「陳情令」配信4周年記念の切手セット販売、五大世家シーリングスタンプも(→link)
◆アニメ第2シリーズ「天官賜福 貮」字幕版&吹替版で放送決定! PV第1弾が公開&新キャストに子安武人(→link)

関係ない話ですが、このアニメに出演している日笠陽子さん、『はたらく細胞BLACK』の白血球ですね。

先ほどの記事で名前が出てきた松坂桃李さん。
実は彼の「桃李」とは、桃李成蹊を由来としていて、成蹊大学の由来でもあります。
桃李もの言はざれど、下自ら蹊(みち)を成す。『史記』
桃やスモモは何も言わない。しかしその下には、その花と実を求めた人が集い、自然と小道ができるものだ。つまり、優れた徳や誠意の持ち主のもとには、宣伝などせずともそれを求める人が集まってくる。

「先ほどの記事」などと書かず、杉野さん関連の記事であること、杉野さんが松坂さんと同じトップコート所属であることをちゃんと書いてください。
しかし松坂桃李さんを出してくるなら、出演大河もちゃんと書けばいいのに。ただ武者さんは『軍師官兵衛』も『いだてん』も好きじゃないから、書きたくないのでしょうね。

で、好きな『八重の桜』絡みのこのニュースには嬉しそうです。

大河ドラマもそうだと示すニュースがありました。
◆綾瀬はるかさん、今年も特別ゲストに 9月23日の会津藩公行列 福島県会津若松市 福島民報(→link)
もう十年間ですよ。
彼女を呼ぶ会津の期待や信頼感と、綾瀬はるかさんの誠意が今なお合致していて、
「さすけねぇか」
と呼びかける綾瀬はるかさんはすっかり名物です。

その一方で、家康の出演者が信玄公祭りに出ないと書いています。実はこちらの信玄公の方は、ちゃんとした理由があるからなのですが、それを書いていませんね。

『どうする家康』でも、まだ祭りのゲストに出演者が参加することがあるようですが、その一方で一切関わらない祭りもあります。
その代表例が、信玄公祭りでしょう。
◆第50回信玄公祭り 信玄公役が決定しました!(→link)
以前にも触れましたが、信玄公を務めるのは阿部寛さんでも眞栄田郷敦さんでもなく、『大奥』で徳川吉宗を演じた冨永愛さん。
意思決定の経緯は不明ながら、ともかく結果は結果。
なぜ大河ドラマが回避されたのか。あらためて考えていて浮かんできたのが脚本家の得意とする描写手法です。

これに関してですが、男性ばかりでなく女性も入れようということになり、富永さんに白羽の矢が立ったようです。

長崎幸太郎知事は「(祭りは)県の新しい姿を見せていく大きな機会」と述べ、女性活躍推進に力を入れる姿勢を示していく方針だ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC069XC0W3A600C2000000/
(日本経済新聞)

ちなみに今年は、山本勘助も女性が演じるようで、信玄公だけではなさそうですね。

第50回信玄公祭り 山本勘助役が決定しました!
https://www.yamanashi-kankou.jp/shingenko-fes/50th_kansuke-kettei.html

武者さんは女性参画は好きでしょうから、こういうのはちゃんと紹介してはどうでしょうか。
あと今年の場合、信玄公は主役ではないということもあるでしょうね。それを考えれば、主人公を演じた綾瀬さんが会津関連イベントを10年間務めるというのはわからなくもありません。

そして、この後ですが、

『どうする家康』にせよ『コンフィデンスマン』などにせよ、この脚本家については
「二転三転する展開で視聴者が軽妙に騙される」
といった趣旨の文言が必ずのようについて回ります。

とあり、

徳川家康はむしろ誠実さが売り物です。
むろん誇張や美化もあるでしょうが、裏切られることの多かった織田信長に対し、一度もそんな素振りを見せていないのが家康。
秀吉だって、死を前にして、家康に秀頼を託しています。
実際の内面はともかく、誠意ある人物に思われていたのでしょう。
そういう人を主人公にして、どうして、軽妙に騙すのが得意な脚本家に依頼したのか?

この家康自身は寧ろ誠実で、だからこそ最初は悩みもし、その中でしたたかさを身に着けては行きますが、本質的な部分は第33回時点であってもそう変わっていないでしょう。そして古沢氏は、そういう家康の成長と変わらない部分とをきちんと描いているかと思います。ただドラマそのものは、この人らしい二転三転した展開、最初から時系列に沿って描かない展開は多めではあるでしょう。

そんな不誠実なドラマのもとには綺麗な花も咲かないし、美味しい実もならない。
騙されて近づくと造花がつけてあって、実はただのハリボテ。しかも蜂の巣が仕掛けてあって、逃げ惑う羽目になる。
それを「斬新だ!」「シン・桃李成蹊だ!」「ただの桃とスモモじゃつまらないでしょw」と木の周りにいる連中がニヤニヤと笑いながら見ている。

一体何を言いたいのですか、武者さんは?何か変な夢でも見たのですか?
先ほどの桃李成蹊になぞらえたいのでしょうが、この蜂の巣とは何ですか。何かの暗喩ですか。
そしてまた「シン・」だの「つまらないでしょ」だの、すべて武者さんの妄想でしかありません。
同じ揶揄するにしても、もう少しまともな方法はないかと思ってしまいます。
こんなことで引き合いに出される松坂桃李さんが気の毒になります。官兵衛の長政好きなのに…。

それと先ほどの大河絡みで書きましたが、松重さんに加えて松坂さんも綾瀬さんも出して来たのなら、ここで『いだてん』の話を…とは、なりませんかやはり。

「この素晴らしい木がわからないなんてバカw 怠慢だw」と嘲笑う者までいる始末です。

バカとまでは言いませんが、武者さんが『どうする家康』を、大河レビュアーであるにもかかわらず、少しも理解していないのは、残念ながら事実でしょう。

2013年と2023年の大河ドラマの違いとは、誠意の問題だと思います。
信頼関係を無茶苦茶に破壊しておいて、この後どうするつもりなのか。

どこが「誠意の問題」なのでしょうか。
今年のスタッフは誠意がないと言わんばかりですね。
そして「信頼関係を破壊」、この信頼関係とは具体的に何なのでしょうか。

皆さんの意見はNHKへ直接送りましょう。
◆NHK みなさまの声(→link)

ではまた支持の声と、それからラグビー中継に関して一言送っておきましょう。

飲み物-ワインと樽2
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[ 2023/09/01 01:30 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

夏風邪と暑さとラグビーと

(私が夏風邪なのではありません。念のため)

暑いですね。
19日は雨で少し暑さが和らぐと言われていますが、それでもまだ30度超えの地域が多そうです。ここにアクセスしてくださっている皆様、どうぞご自愛ください。熱中症で救急車が逼迫している地域もあり、まだ新型コロナ感染症はまだピークアウトしておらず、インフルエンザや子供のヘルパンギーナなども広まっているようです。

このヘルパンギーナ、夏風邪の一種で咽喉に水泡ができる病気です。プール熱や手足口病共々、夏風邪の代表と言われていますが、この病気を起こすのがエンテロウイルスと聞いて、『はたらく細胞フレンド』で、赤血球がこのウイルスに夏祭りで絡まれそうになり、キラーT班長が助けに行くという場面があったのを思い出しました。

暑いと言えば、名古屋市で一部の小中学校の体育や、部活などを中止するよう通達が出た由。それを考えれば甲子園とか、夏休みのインターハイなどは大丈夫なのかとついつい思ってしまいます。せめて夜間限定にするとか、もう高校野球は秋に持ってくるとか、そういった形での検討はできないものでしょうか。この時期のラグビーの国際試合も、夕方のキックオフなのですから。

ラグビーと言えば、この間のオールブラックスXV戦はまた別途投稿する予定ですが、リーグワンの次シーズン関連の情報も徐々に入りつつあります。考えてみれば、あと5か月でまた次のシーズンです。12月開始となっているのは、次シーズンからD1上位4クラブと海外のクラブが試合を行うためです。

ラグビーもクラブワールドカップが現実味を帯びるようになっていますが、一方でヨーロッパのクラブが倒産したりもしているようで、人数が多くケガをしやすく、従ってお金がかかるラグビークラブの運営の難しさを窺わせます。日本の企業アマから進化した今のスタイルが、いいのか悪いのかは何とも言えませんが、特定地域に集中しているのはやはり改善するべきでしょう。何だかんだでラグビー話となってしまいました。


飲み物-アイスカフェラテ
[ 2023/07/19 01:00 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』『麒麟がくる』主人公の病気の記述に関して再度

毎度同じようなテーマで恐縮です。先日投稿分の続きのようになりますが、武者さんが第20回の家康の病気に関する記述で、『麒麟がくる』の、光秀の発病を引き合いに出しています。では実際に、『麒麟がくる』の場合はどのように書いていたのでしょうか。アーカイブから、光秀の病気に関わる部分だけを一応拾ってみます。

その伝吾は、光秀の顔色の悪さを懸念していました。腕を負傷したようで、光秀当人は「大事ない」と言うものの、具合が悪そうではある。
丹波攻めからずっと戦ってきて、疲れが溜まっているようです。

何をぐずぐずしているのか、行け行けと叫び始める信長。皆疲れておりますると反論されても無視だ。そのうえで、これですよ。

佐久間殿はじめ、譜代衆は苦労が絶えない。
光秀はそれを聞いていないどころか、倒れてしまいました。
「十兵衛、十兵衛、しっかりしろ十兵衛! 医者じゃ、こっちにも医者を!」
大変なことになりました。

実際録画を観たところでは、光秀が体調が悪そうだなと思われるのはこういった部分で、それはいいのですが、どこか足りない部分がありますね。

まず
「皆疲れておりますると反論されても無視だ」
ですが、これは光秀がそう言ったとはっきり書くべきではないでしょうか。彼自身がその疲れている将校や兵の代弁者のようなところがあるわけで、だからこそ説得力があると言うべきでしょうから。

あと
「佐久間殿はじめ、譜代衆は苦労が絶えない。
光秀はそれを聞いていないどころか、倒れてしまいました」
この「佐久間殿」云々は、光秀に水を差し出した松永久秀のセリフですが、
「それを聞いていないどころか、倒れてしまった」
のではなく、体調が悪くて、それを聞くだけの余裕がもうなかったとこの場合は取るべきでしょう。

その後

どうやら受けた傷は浅いものの、毒が入ったのか、弱ってしまった。

と書かれているのもどうかなと思います。藤田伝吾のセリフを踏まえれば
「たちまちのうちに弱ってしまわれ」
ですね。

尚その後にこうも書かれています。

こういう戦闘時の傷は金創(きんそう)と言います。
刃物や武器による負傷ですね。細菌感染の危険性が高く、破傷風になりかねない。細菌の知識はなくとも、この手の傷は時に発熱を伴い、大変危険であるという認識は昔からありました。

「細菌の知識はなくとも」と言うか、そもそもこの時代細菌という概念はありません。それも通常の健康状態であれば、免疫力があるから大事に至らなくても、この時の光秀のように連戦続きで疲弊していれば、大事になってもおかしくないわけです。特に戦場では、衛生状態もよくないでしょう。

金創のことを書くのなら、こういうこともちゃんと書いてほしいなと思います。
それとこれは前にも書いていますが、光秀が体調が悪そうだと窺わせる描写が、1シーンの中で分散的であること、彼の声に比較的張りがあること、信長を庇って倒れた後再度起き上がったりしていることなどから、この人はかなり具合が悪そうで、このまま倒れてもおかしくないという印象があまりないのが残念です。

そして『どうする家康』コラムでこのシーンを引き合いに出した時は、

精神的にも疲労し、激務に追われた結果、自分でも気づかないうちに体調が悪化し、甲冑をつけたまま倒れる-そんな『麒麟がくる』の光秀とどうしてここまで違うやら。

などと書いていますが、この『麒麟がくる』コラムには
「精神的にも疲労し」
「激務に追われた」
などというのは見当たらないのですが…無論丹波攻めからの連戦で疲れているという記述(前出)はあります。私はこの時の投稿で、
「合戦で負傷してろくな治療も受けられず、しかも戦に次ぐ戦で体が弱っており、陣中で傷が悪化して倒れた」
といったところではないかと書いていますが、実際そのようにしか見えません。あとなぜ光秀が腕を負傷したのか、そのシーンがないのも残念です。もしそのシーンがあれば、傷に構うだけの時間もなく戦準備に追われ、それが病の引き金になったという描写ができたはずなのですが。

それを考えると、この『どうする家康』で家康が発熱して倒れるシーンは、そのことのみに特化しているせいか、わかりやすいし、この人も対武田で心身共に疲れていたのだろうなというのが見えて来ます。

ところで先日触れていたサイトカインですが、疲労感のみならず眠気、発熱すべてこのサイトカインのしわざではあります。発熱の場合、このサイトカインによってプロスタグランジンE2という物質が産出され、免疫細胞を抗原と戦わせるため、通常の体温よりも高い温度に設定されます。

抗原が死滅すると体温は下がるという仕組みで、発熱はいわば免疫細胞が抗原と戦うための必須条件と言えます。『はたらく細胞』では、活性化した樹状細胞がサイトカイン=免疫細胞たちの過去の恥ずかしい写真をまき散らして、彼らを奮起させていますね。そして免疫細胞が暴走し、このサイトカインが大量放出されるのが、新型コロナで問題になったサイトカインストームです。

あの時の家康は武田との戦いに忙殺されていましたが、その体内でも、免疫細胞が抗原、恐らくは風邪だかインフルだかのウイルスと戦っていたのでしょう。

あと武者さん、例によって
「嫌な場面です」
「危険な兆候です」
こういう表現をしていますね。こういうのが、このコラムが主観的と思われる一因なのですが。
それと佐久間信盛が「盛信」と書かれています。


飲み物-注がれるワイン
[ 2023/06/06 01:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』『麒麟がくる』主人公の病気とそれぞれの家康像

ところで病気の描写について今少し。家康は疲労から来る上気道炎、つまり風邪か今で言うインフル、気管支炎などではないかと思われます。鳥居元忠の弓掛を通しても高熱が感じられたということは、それだけ症状が重かったとも言えます。熱による疲労感などはサイトカインが関与していますが、これはまた『はたらく細胞』関連で書くことにします。

あと光秀の場合、こちらはもう少し重篤かなと思います。あの当時微生物学も抗生物質もなく、命取りにすらなりかねません(だからと言って煕子が裸足で駆け出すのは、どうかなとは思いますが)。破傷風とか敗血症などに罹る率も高かったでしょう。ところでこの時の光秀は、実際は負傷がもとではなく過労であったとも言われています。

そして『どうする家康』と『麒麟がくる』、それぞれの主人公の描き方についてちょっと書き、わずかながら『麒麟』の方の家康についても触れているので、ここでこの2作品の、それぞれの家康の画像もご紹介しておきましょう。『どうする家康』主人公、松本潤さん演じる家康と、『麒麟がくる』の風間俊介さんが演じる家康です。当然描き方も違うので、雰囲気も異なっています。

どうする家康第19回家康-2

麒麟元康(風間俊介)

ただこの風間さんが演じる方の家康の衣装ですが、この人は暖色より寒色系の方が似合うような気がします。
これについては
という投稿で触れています。

そして松本さんの青の濃淡の衣装ですが、こちらは様になっていると思います。

[ 2023/06/05 01:30 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』第17回「三方ヶ原合戦」あらすじと感想-1

第17回前半部分です。


武田信玄が西へと動く。家康は手製の木彫りの像を前に考え込む。上ノ郷城では久松長家が出陣の支度を整え、行かないわけにはいかんのじゃろうなと洩らしていた、於大はそんな夫に、年だから無理はしないようにと忠告する。三河吉田城では登与が、握り飯を竹皮に包んで夫酒井忠次に持たせていた。登与は髪に何かついていると言われて忠次に近づき、忠次は彼女を抱きしめる。

本多忠勝の叔父、忠真は酒で体にガタが来ながらも出陣し、甥忠勝に酒は断ったと言いつつ実は飲んでいた。家康は先ほどの像をさらに小刀で削る。そして岡崎では、信康が家康の決断を知らされる。それはいざとなれば、岡崎勢も後詰めに向かうということだった。優しい兄を気遣う亀姫に対し、妻五徳は信康にはっぱをかける。浜松では家康が家臣たちに出陣を命じる。

10月10日。浜松周辺の徳川方の城は悉く落とされており、しかも3日に1つの城が落ちていた。「侵略すること火の如く」とは、よく言ったものじゃと忠次。しかも信玄本人の所在は不明だった。その時武田の大軍が、高天神城に向かっているとの知らせが入る。高天神は簡単に落ちないものの、その大軍が武田の本軍である可能性もあった。

そして10月21日。高天神城が落ちたとの知らせが入る。次に見附城を取られたら、武田は最早徳川の目と鼻の先だった。本多勢が物見に向かっていたが、忠勝は忠真に戻るように言う。酒は断ったと言い張る忠真が、震える手で弓を引くその先に赤備えの兵が現れた。

この山県昌景の軍勢と忠勝たちは、一言坂で一戦交えることになる。戻って来た忠勝と忠真はすさまじい格好になっており、忠勝は顔から血を流しているものの返り血だと言う。

11月7日。信玄たちは二俣城へと進軍していた。頼みの綱は岐阜の信長の援軍だった。そこへ家康の伯父、水野信元がやって来て信長の書状を家康に渡す。この浜松で武田を食い止めよと言うのである。しかも信長は浅井朝倉との戦の最中で、家康たちに割ける手勢はいなかった。徳川が負ければ信長も困ると家臣たちは言うが、自分は言われたことを伝えに来ただけだと信元。

そんな信元に家康は、久しぶりに2日だけ城を抜け出し、いつもの所で鷹狩りをしようと伝えてくれと言う。焚火の前で待つ家康の所へ信長がやって来る。
「俺を呼び出すやつは珍しい」
家康は答える。
「呼べばおいでになるんですね」

信長は、あれほど信玄を怒らせるなと言ったろうがと口にしながら、家康の隣に座る。信玄が狙っているのはあなただと言う家康は、どうやるかと訊かれ、策は桶狭間、餌は家康だと答える。信長も同意だった。しかし浅井朝倉攻めがあとひと月ほどかかり、家康が要請する5000ではなく、3000の兵を貸すと信長。

徳川と織田は一蓮托生だと家康は言うが、信長は、死にそうな顔をした大将には誰もついてこんと、家康の頬をつねる。さらに一世一代の大勝負を楽しめと言う傍ら、家康の手を取って自分の肩に置き、片方の手を首に回して告げる。
「俺とお前は一心同体。ずっとそう思っておる」
信玄を止めろ、俺は必ず行くと言って信長は去って行く。

その後、築山の庭で花に水をやっていた瀬名の前に、家康が現れる。一目会っておきたかったと言う家康は、今度は木でウサギを彫る。信康の成長を喜ぶ家康に、瀬名は表向きは嬉しく思っているものの、心が優しい信康が、家康同様戦をする武人となるのが寂しかった。なぜ戦はなくならぬのかと問う瀬名に、この乱世、弱さは害悪じゃと答える家康。

家康は、できあがったウサギを瀬名に渡す。
「これは、わしの弱い心じゃ。ここへ置いてゆく。持っていてくれ」
そして家康は、そなたは何があっても強く生きよ、ここには指一本触れさせぬと口にするが、瀬名は言う。
「いつか必ず取りに来てくださいませ。殿の弱くて優しいお心を。瀬名はその日を待っております」

家康は何かを決心し、そこを去った。


武田が西へ向かうとわかり、家康の周辺も慌ただしくなります。しかも城を攻め落とすスピードがすさまじく、またたく間に浜松城周辺の城は落とされ、最早織田の援軍が頼みの綱となります。そして久々の水野信元の登場です。信元は信長の書状を携えてやって来ますが、それには手勢を割けないとあり、家康は信長に直訴すべく「鷹狩り」に誘い出します。

兵の数は結局3000のようです。徳川と織田は一蓮托生だと言う家康に、信長は、俺とお前は一心同体だと言い、自分の肩に手を回させ、そして自らも家康の首に手を回します。このような動作と言い、一蓮托生、つまり行動や運命を共にするのではなく、一心同体、他人同士が一つに強く結びついていると口にするのと言い、何ともこの信長らしいです。

ところで家康は、騎馬姿の人物を最初は彫っていますが、築山に来た時はウサギに変わっています。最初の人物像が自分の武人としての心なら、このウサギは弱い心と言うわけで、かつて少年時代に彫っていたウサギと通じるものがあります。

そして瀬名の言葉、これがまたかなり含みがあります。世の中が平和になったら、大河的に言えば世が平らかになったらと言いたいのでしょう。しかし確か瀬名は、この武田と通じていたことにされるのではないでしょうか。

高天神城。この時は武田の手に落ちますが、その後城主小笠原信興(氏助、長忠)は徳川に臣従し、2年後に再び武田がこの城を落とします。そしてその7年後に織田と徳川の連合軍がを奪い返すことになります。あと五徳ですが、夫にはっぱをかける辺りは、流石に信長の娘と言うべきでしょうか。

そして山県の軍勢に出くわした本多忠勝と忠真。『はたらく細胞』で、抗原をやっつけた白血球(好中球)を思い出したと言っておきます。しかしあの叔父さん、本当に酒好きですね。飲んでないと言いつつ隙を見て飲んでいてはばれるでしょう。

飲み物-ショートカクテル
[ 2023/05/08 01:45 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

『はたらく細胞』が実写映画化

アニメ『はたらく細胞』の実写化が決定しました。

『はたらく細胞』の実写映画化が決定。監督:武内英樹氏、脚本家:徳永友一氏の『翔んで埼玉』コンビで制作中
(ファミ通.com)

公開時期は未定のようです。
しかし細胞たちは俳優さんが演じるとしても、細菌とか乳酸菌などはCGとなるのでしょうか。

飲み物-注がれる紅茶
[ 2023/03/21 01:45 ] 漫画・アニメ | TB(-) | CM(0)

双極性障害と大姫

第21回の大姫の言動に関してです。
武者さんのコラムでは彼女は鬱状態になったとあったものの、この間の回(第21回)の彼女のいささか奇矯な振る舞いに関して、この時に限っては躁状態であるかと思うと書いています。無論その前に鬱屈した状態の大姫も登場しているわけで、この2つが現れる疾患といえば、双極性障害になるでしょうか。
無論大姫がこれであると断定されたわけではありませんが、一応この病気について調べてみました。

専門サイトによれば
「躁と抑うつがは交互に生じることもあるが,多くの患者はどちらか一方が優勢」
であり、
「遺伝,脳内神経伝達物質の変化,および心理社会的因子が関与し、薬または精神療法を併用する」
とあります。また何が原因であるかという点では

遺伝
神経伝達物質の調節異常
心理社会的因子、つまりストレス
交感神経刺激薬(例,コカイン,アンフェタミン類)
アルコール
特定の抗うつ薬

などが挙げられるようです。
もちろんこの時代、コカインや抗うつ薬などはなく、アルコールにしても大姫は酒を飲まないと思われるから、最初の3つ、特にストレス絡みになるのでしょう。
通常10代から20代、30代で発症し、男女の発生率はほぼ同じで、躁病傾向が強いI型と、抑うつ傾向が強いII型に分けられます。またこのいずれにも区別されない双極性障害も存在します。たまにしか症状が出ない人もいれば、頻繁に出る人もいます。

躁病
高揚かつ開放的な,あるいは怒りっぽくなる状態が1週間以上持続するとともに,目標に従っての活動または気力の増加、加えて以下の症状が3つ以上認められた場合は躁病とされる
自尊心の肥大または誇大性
睡眠欲求の減少
普段より多弁
観念奔逸または思考促迫(様々な考えがとめどもなく湧いて来る)
注意散漫
目標に従った活動の増加
好ましくない結果を招きかねない可能性がある活動(買いあさりや怪しげな企業への投資,ギャンブル)に熱中する

抑うつ
うつ病によくある特徴が認められ,2週間のうちにに以下の症状が5つ以上あり,かつそのうち1つは抑うつ症状または興味、喜びなどの喪失を含む
1日中みられる抑うつ気分
全て、またはほぼ全ての活動に於いて興味または喜びが明らかに減退する状態が1日中みられる
何らかの意味がある体重増加または体重減少、または食欲の減退あるいは亢進
不眠または過眠
他者によってわかる精神運動焦燥(じっとしていられないこと)または精神運動制止(言動が鈍くなること)
疲労感または気力減退
自分を無価値であると思うこと、過剰もしくは不適切な罪悪感
思考力もしくは集中力の減退または決断が困難である状態
死もしくは自殺についての反復思考,自殺企図,または自殺を実行するための具体的計画

自殺の傾向が高くなるという指摘もあります。一般にこの障害を持つ人の余命は普通の人より短いともされていますが、こういう傾向もその一因かも知れません。あとうつ状態は、免疫機能を弱めます。『はたらく細胞BLACK』で、白血球が活動できなくなって体の免疫が弱まり、体の持ち主が自殺を図って結局助かる場面、あれをちょっと思い出します。


飲み物-アイスコーヒー
[ 2022/06/05 01:15 ] その他 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』第13回「幼なじみの絆」あらすじと感想-2

第13回後半です。尚常と里、先日比企能員の娘のように書いていましたが、正しくは、一族の娘ですね。

範頼と義経は比企館に呼ばれる。義経は嬉しそうに信濃行きの件を範頼に話すが、頼朝には秘密だった。やがて道が血縁関係にある常と里の2人を連れて来る。義経は一目で里が気に入ったようだった。そしてその翌日、範頼と義時、そして三浦義村が信濃に発つ時刻になっても、義経は現れず結局3人で行くことになる。義経は里と浜辺の小屋で一夜を過ごし、目を覚ました時は既に日が高かった。

3人は信濃に着くが、義仲は釣りに出かけていた。すると行家が現れ、義仲はどこぞの誰かと違って自分を大事にする、逃がした魚は大きいと不敵に笑う。魚が自分で言うかと義村は苦々しげだが、範頼は実の叔父であるため挨拶をしに行く。義村は義時に、時政がいなくなって家督を継ぐのかと尋ね、何が起こるかわからない人生が羨ましいと言う。しかし義時も今の状況を予想すらしておらず、すべては頼朝が来たことによって変わったのだった。

そこへ義仲が戻って来る。客をもてなすために川魚を釣っていたのである。焚火を囲みながらの酒宴で、義仲は源治が一つになって平家を倒すのが望みだと言うが、義村は口先だけなら何とでも言えるとそっけない。義時は平家に通じているという噂について尋ねるが、義仲は言う。
「うわさとは流す者に都合よくできている。惑わされてはならん」
そして北陸に兵を進めたのは、東海道で頼朝や信義と鉢合わせをしないためだった。

ところでこの宴席での魚は生焼けだった。そのため範頼が、人質のことを言いかけたところで腹具合を悪くし、厠に立ったため、後は義時に委ねられた。非を詫びる義仲に義時が、人質の件を切り出す。行家では人質にはならないと義時も義村も考えていたが、義仲は如何なる男でも、自分を頼って来た人物を追い出すことはしたくないと言う。そして嫡男義高を差し出すことに決め、男には守らねばならぬものがあるとも言い、引き換えに何を望むこともなかった。

巴は竹筒を組み合わせ、ヤツメウナギを捕らえる罠を作っていた。おめかしすれば相当いい女子だなと減らず口を叩く義村だが、義時は木曾殿は鎌倉殿とは違い、素晴らしい方だと巴に言う。巴と義仲は幼馴染だった。そこへ義村がまた茶々を入れたため、巴は切り捨てられたいかと、義村に持っていた小刀を向ける。女にちょっかいを出したがる男だと義時が弁明してやるが、巴は既に色恋は捨てており、義仲に終生尽くすつもりだった。

義高は鎌倉に行くことを承諾し、父のためならどんな苦労もいとわぬと決意する。源氏同士で争わない限り、必ず信濃に戻れると義時。そして義仲も、息子に自分を信じるように言う。そして鎌倉では、頼朝が鹿狩りの帰りに密かに亀の詫び住まいを訪ねていた。しかしそこに政子がいるのを見つけ、一旦はその場を離れるものの諦めきれない様子だった。

家まで焼き払ってまだ足りないかと訊く亀に、手を引くように政子は言うが、亀は歌を一首披露する。
「黒髪のみだれも知らずうちふせば まづかきやりし人ぞ恋しき」
この男女の逢瀬を詠んだ歌に、政子が怪訝な表情をしていると、亀は和泉式部の作だと言い、さらにりくから渡された和泉式部の日記は読んだかと尋ねる。ざっと読んだと答える政子に嘘だと亀は言い、伊豆の小さな豪族の家で育った行き遅れが、急に御台所になり、勘違いしても仕方ないけど、自分が本当に鎌倉殿の妻としてふさわしいのか考えろと説教する。

亀はさらに、坂東の女の憧れの的である御台所、その御台所と呼ばれて恥ずかしくない女になるように諭し、そのように考えたことがあるかとも尋ねる。政子は正直に考えたことはなかったと言い、今後のことを頼みますと慇懃な口調の亀に、何を詠んだらいいのかと教えを乞う。そして江間では八重も書物を広げていた。そこへ頼朝がまた現れる。

尚も八重を口説こうとする頼朝だが、指をかまれてしまう。仕方なく頼朝と盛長は引き上げるが、その様子を陰で窺っていた男がいた。義時だった。義時は館に入り、干したヤツメウナギやヒコウ(イナゴ)、リンキン(リンゴの一種)などを広げる。そんな義時に八重は、もし慕っているのなら、なぜ鎌倉殿とのことを訊かないのかと詰め寄る。結局八重自ら何もなかったことを伝え、義時は安心したかのように、今度はキノコを差し出す。

それでも不満そうな八重に、キノコはお嫌いだったかと義時は言い、そして、鎌倉殿とどのような関係になろうが、私のあなたへの思いは変わらない、貴女にはやはり伊豆の景色が似合う、ずっとここにいてくれと言って帰ろうとする。八重はそんな義時に初めてねぎらいの言葉をかけ、お帰りなさいませと挨拶をして笑顔を見せた。ただいま帰りましたと言う義時は嬉しそうだった。


木曽義仲のシーンはわりと好きです。義時のセリフではありませんが、義仲と頼朝の違いが描かれます。生まれ育った環境の違いもあるのでしょう。この信濃の素朴な暮らしは、どこか『真田丸』をダブらせているようにも見えます。

その義仲の酒宴、魚の生焼けにあたったのか、範頼が厠に立ってしまいます。そこで義時が人質の話題を切り出すのですが、第1回でも、厠に行くというシーンがありましたね。しかし川魚の場合、顎口虫なる寄生虫がよくいるらしい。川魚も生食しないようにと言われますしね。ちなみにこの寄生虫を倒すのは、『はたらく細胞』にも出て来る好酸球との由。

一方頼朝ですが、性懲りもなく亀の家、そして八重が住む館を訪れます。幸い前者では政子と遭遇し、後者では八重に指をかまれてしまったことで、退散せざるを得なくなるのですが。しかし頼朝の描かれ方は、都育ちということもあるのですが、いくらかチャラい印象も受けます。これ、例えば大江広元役の栗原英雄さんが演じていたらまた違ったでしょうか。

義高初登場、如何にも凛々しげな若武者です。演じているのは市川染五郎さんですが、『真田丸』で2度目の助左衛門を演じた松本幸四郎(現・白鷗)さんのお孫さんですね。そして鎌倉で、この人は大姫と出会うことになります。

このサブタイの「幼なじみ」、義仲と巴、義時と八重がそれぞれ描かれました。しかしやはり八重のシーンは、義時と関係があるとはいえちょっと多くないかと思います。その尺で平家を描いて貰えないでしょうか。あと、亀がやけに政子にマウントを取っているように見えますが、彼女はどこで文筆を習ったのでしょう。この人、政子の家庭教師も務まりそうですね。

飲み物-アイリッシュコーヒー
[ 2022/04/06 01:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『はたらく細胞BLACK』第8巻-1

久々の『はたらく細胞BLACK』です。

第42話
<復興、未来、非情な宣告。>
赤血球NC8429は、酸素を配達する仕事を続けていた。まだ血流が滞りがちで、思うように細胞たちに酸素を届けられずにいた。がん細胞は見かけなくなっており、今からが、疲弊しきった身体を蘇らせる仕事の始まりだったが、前途は多難だった。腎臓では抗がん剤投与の結果、多くの尿酸が放出されて結石ができていた。肝臓では抗がん剤の毒性の分解が行われ、元に戻るには時間が必要だった。鼻腔(キーゼルバッハ部位)では外壁が脆くなっており、NC8429はそのことを報告するつもりでいた。

そしてNC8429は赤色骨髄を訪れる。血球たちの母校的存在で、彼自身も前の身体の赤色骨髄で幼少期を過ごしていた。しかし中は荒れ果てており、誰もいるようには見えなかった。そんな時、血小板たちがいきなり彼をおどかす。そして白血球1196もそこにいた。がん細胞との戦いで荒れ果て、血球そのものが減っていた。この身体の未来を託されたが、未来とは何だかわからない、以前のような姿に戻る事なのか、がん細胞がいなくなることなのか、それすらわからないと言うNC8429に1196は、若い細胞たちが笑顔で働ける世界にしたいと、あいつ(AA2153)なら答えただろうと答える。NC8429はその後、まだ幼い血小板たちの相手をして遊んでやる。

しかし鼻腔の脆くなった壁は崩壊し、出血が起こってしまう。のみならず、皮膚や歯茎にも出血が認められ、脳細胞から、血小板たちの教師である巨核球に連絡がいく。まだ未熟な血小板たちの、初めての仕事だった。NC8429も驚くが、それがこの身体に必要とされている以上、受け入れなくてはならなかった。血小板たちは泣きだしてしまうが、NC8429は先刻の「若い細胞たちが笑顔で働ける世界にしたい」という言葉を思い出し、血小板たちに同行することを決める。

第43話
<止血、信頼、先輩。>
鼻腔では穴が広がり、強風が吹き込んでいた。血小板たちは恐れおののいていた。NC8429は自分が付いているから言うが、傷口から細菌が侵入して来てしまう。細菌を倒すのは白血球の役目だった。NC8429は先生から言われたことを思い出すように血小板たちに話しかけ、血小板たちはまずGPIbをセットして飛ばされないように、フィブリンを凝固因子でつなき合わせて、それで傷口をふさいだ。まだこの手の仕事に慣れない彼らに取っては、素人同然の仕事であったが、何とか傷口はふさがり、NC8429はフィブリンの上に載り、穴をふさいで二次血栓を作ろうとする。しかし他の赤血球たちは、幼い血小板たちが作った血栓に懐疑的だった。

そこへ別の赤血球が現れ、
「後輩の仕事を信じる…それも先輩として大事なつとめの一つじゃないですか?」
と言い、彼もフィブリンの上に飛び乗って穴をふさいだ。他の赤血球たちも、それに促されて次々と穴をふさぎ、やっと傷口がふさがってフィブリンをはがしていたが、NC8429は先ほどの赤血球の声が気になり、その声の主を探す。案の定、それはAA2153だった。白血球とも再会を果たしたAA2153は、長い間気を失っていたこと、そして、他の仲間は行方知れずであることを話す。

NC8429は、さっきも先輩がいなかったらどうなっていたかわからないと言い、AA2153は、お前に一つ教え忘れていたことがあると言う、それは仕事のサボり方だった。道に迷ったふりをすること、他の赤血球にあまり会わない毛細血管などで適当にサボることを教えたAA2153は、昔親友がやはりサボり方を教えてくれたことを話す。その親友も、他の仲間たちも死んで行ったが、今自分たちが生き残ったのには、意味があるのだろうと言い、そこへやって来た1196も、お前には使命がある、一緒にこの身体を立て直そうと言う。そこへペットボトルが2本飛んで来た。サボると言う割には真面目過ぎる2人に、「白血球ちゃん」が投げてよこしたものだった。


がんの治療で体内のあちこちが荒れ果て、そのような中NC8429は、AA2153の「遺志」を継いで仕事に励みます。そしてやって来たのは赤色骨髄でした。彼もまた前の身体の赤色骨髄で育ち、一人前の赤血球となったのです。この辺は本編と似たいますが、あちらは赤血球が白血球(当時は赤芽球と骨髄球)との出会いに思いを巡らせるのに対し、こちらはNC8429が血小板たちの相手をさせられます。しかしキーゼルバッハ部位からの出血(鼻血)が起こり、まだ幼い血小板たちも止血に向かうことになります。

元々『はたらく細胞』シリーズの血小板は子供たちの姿ですが、この場合は彼等よりもさらに幼い血小板たちが、初仕事に向かわされます。怖いよと泣きだしてしまう血小板たちを勇気づけるため、何よりも「若い細胞たちが笑顔で働ける世界にしたい」という言葉を現実のものとするため、NC8429は、僕がついていると同行することにします。しかし赤血球が同行しても、傷口をふさぐことくらいしかできないのですが、恐らくは、自らをも奮い立たせる意味で言ったのでしょう。

血小板たちは慣れない手つきで、フィブリンを凝固因子で固定します。何とかフィブリンが張られ、後は赤血球がその上に載って二次血栓を作るのですが、赤血球たちはどうも乗り気になれません。そこへ別の赤血球が来て、後輩たちを信じるように言い、率先してフィブリンの上に飛び乗ります。NC8429に取って聞き覚えがあるその声は、AA2153のものでした。長い間気を失っていたとAA2153。

行方知れずになった仲間もいる中で、尊敬するAA2153に再会できたNC8429は、この先輩から仕事のサボり方を教わります。そして自分たちが生き残ったのには、何か使命があるのだろうと言い、また白血球1196も、一緒にこの身体を立て直そうと言ってくれます。考えてみれば、皆前の身体から一緒にこの身体に来ている仲間たちでした。そこへ1196の仲間でもある「白血球ちゃん」がペットボトルを放ります。

しかしこの身体は、そうすんなりとは元に戻らないようで、この後またがん細胞が出現することになるのですが、幸いその時は、以前よりも免疫力が復活していました。とはいえ免疫細胞たち、そして彼らに酸素を渡す赤血球たちも、まだまだ気が抜けません。

飲み物-ホットカフェオレ
[ 2022/03/23 01:45 ] 漫画・アニメ | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』「根拠なき自信」あらすじと感想-2

あらすじと感想の続きです。それとあらすじと感想1の方で、御館を秀衡とするべきところを、泰衡としていました。失礼いたしました、訂正しています。尚他にも数か所、おかしいと思われる箇所を直しています。

本題に入ります。前回、頼朝と八重が決別したように書いていましたが、そうきっぱりとは別れられないものです。後の方で義時も、まだ別れていなかったのに驚いていたようですが。一方、その八重をいわばおびき出すようなことをした亀、なかなかの策略家といえそうです。

ところで彼女は縮れ毛のようです。この当時は黒くてまっすぐな髪がもてはやされた時代でもあり、縮れ毛はあまり好感を持たれていなかったとされています。『平清盛』の滋子を思い出しますが、彼女のキャラを敢えてこのようにしている辺り、今後の展開はどうなるでしょうか。しかしこの大河では、そもそも頼朝も天然パーマですが。

政子と実衣が、芋を沢山貰ったと言います。この当時のことですから、里芋または山芋でしょう。何となく、前回の義経一行が民家から貰った芋がだぶります。無論焼き芋などもこの当時はなく、彼女たちは干し果物と木の実、要はドライフルーツとナッツを間食として食べているようです。ちなみにこの頃一日の食事は2回です。

そして、如何にも都の人物といった牧宗親、りくの兄がやって来て、政子たちは御簾の下から晴れの装束の袖口や裾をのぞかせる、打出(うちいで)を稽古させられます。尤もここでは皆、小袖を羽織って袿の代わりにしているように見えます。政子は慣れない稽古でへとへとですが、今度は亀が本を持って来ます。作法と勉強、御台所になるのも大変そうです。

それから義経。空気が読めないというか、平泉の方がいいと言ってみたり、嫂の政子に膝枕をさせたり、果ては戦の経験がないのに、敵将の首を取るから兵をくれと言ったり。流石に一番最後のは上総広常に一喝され、頼朝からも窘められましたが、義経は暴れたくてうずうずしているようにも見えます。

ただ、一人が勝手な行動を取れば云々は、ある意味広常にも当てはまるような気がしますが…。皆が考えあぐねる中、上から攻めるという義経の戦術は評価できるものですが、それも実現することはなく、寧ろ金砂山の模型を腹立ちまぎれに壊してしまう辺りにこそ、この大河の義経のキャラが現れているように見えます。

そして鵯越にも引っ掛けたと思しき、和田義盛が小鳥を捕まえてくるシーン。この時の
「義盛殿は心が澄んでおられるから、鳥も安心するのでしょう」
は、如何にも重忠らしくそつのない物言いです。その前に義盛は
「そうっと寄ってパッとさ」
と、鳥を捕まえる様子を話しているのですが、この言葉が義経に、そっと忍び寄ってパッと攻めるというヒントを与えたようにも取れます。一方で藤原秀衡、源氏と平家両方から兵の要請がくる辺り、なかなか隅に置けません。彼は彼の帝国のために、利用できるものは利用していたでしょう。

そして義村。義時と八重の話になり、俺が(八重を)貰うぞと言った後で、八重から草餅を貰うところは何となく笑えます。正確には、押し付けられたというべきでしょうか。そしてよせばいいのにその餅を齧ったため、佐竹攻めに同行できなくなります。実は餅の場合、黄色ブドウ球菌が繁殖しやすいらしく、しかもこれは病原性が強く、白血球を殺すことさえあります-ちょっと、『はたらく細胞』を思い出します。

閑話休題。そして義時は、遠征の帰りに見つけたキノコを八重に届けます。義時も気遣いを見せてはいるのですが、なかなか義村のような合理的な考えができないのが難というべきか。義村は伊東祐清に対して、囚人待遇とはいえ、何でもかんでもしゃべりゃいいてもんじゃないなどと、平気でと言ったりしますからね。尤もあれは祐清にも非がありますが。

それと安達遠元を演じている大野泰広さん、『真田丸』に河原綱家役で出演していました。

飲み物-ウイスキーロック
[ 2022/03/16 01:30 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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