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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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『どうする家康』第4回「清須でどうする!」あらすじと感想-2

第4回後半部分です。


元康は信長と酒を酌み交わすが、信長は両家の結びつきを確かなものとするために、お市を娶れと元康に言う。自分には妻子がいると言う元康だが、駿府に捨てて来たのであろう、お市は今川の何もできぬ姫よりも頼りになると平然と言い放ち、祝言を挙げてしまえと言う。戸惑う元康に、俺はもたもたするのが嫌いじゃ、やれと命じる信長。

元康は信長に向かって臣下の礼を取りに来たわけでも、織田の軍門に下るわけでもない。寧ろ桶狭間では、丸根砦を落として大高城を守り通した。信長殿は今川本陣への奇襲が成功したが、あの大高城の戦で勝ったのは自分だと主張する。物の見方とは色々じゃと言う信長に、見方も何も事実はひとつと譲らない元康。そこへ藤吉郎が、こういう見方はいかがきゃと割って入る。

藤吉郎はそこにあった鼎や皿を使って、大高城と周囲の砦を再現し、殿は最初から大高常を攻めずにじわじわじわじわと苦しめよと言われた、大高は今川義元をおびき出すための餌だてと説明する。ところが義元はなかなか腰を上げず、大高城は落ちる寸前だったが、そこへ元康が兵糧を運び込んだため、織田はわざと元康たちを通し、落ちるのを免れさせたため、義元が罠に嵌りに来てくれたのだと藤吉郎。

嘘じゃ、ありえぬ、そんな芸当ができるのは戦神(いくさがみ)くらいのものじゃと元康。それを聞いていた信長は一言
「神か…」
藤吉郎は、まあ、物の見方という話でごぜーますと言って含み笑いをする。一方駿府では瀬名を氏真の妻にという話が持ち上がっていた。それでお咎めなしならこの上ないよい話、三河の不忠者などより氏真様の方がご立派と喜ぶ巴だが、要は夜伽相手だった。今川本家の血を引く巴は不満そうだったが、瀬名は奉公の道を選ぶ。

瀬名は幼い頃より氏真様を慕っていた。どのような形であれ、そばにいられるのはこの上ない喜びだと言って、両親に竹千代と亀姫のことを頼む。やがて瀬名は氏真の寝所に侍り、氏真は彼女を抱きすくめて床の上に倒す。その時瀬名の左手の守袋が目に入る。瀬名は氏真の武運長久のためのお守りと言うが、入っていたのはかつての元信が作った木彫りの兎だった。

清須では市が鳥に餌を与え、それを元康が見ていた。藤吉郎はその様子を嬉しそうに元康の家臣たちに見せるが、彼らだけでなく織田の家来たちも2人を見ており、そして柴田勝家もいまいましげに見ていた。あのお方も昔からお市様にぞっこんと、勝家の方を向いてからかうかのように言う藤吉郎を、勝家がにらむ。こやつを蹴りたくなる気持ちが分かってきたと忠勝。

元康は市の本心を知りたがる。しかし市は、兄が相撲を取ったのは10年ぶりで、よほど元康殿を気に入っていたのでしょう、兄には逆らえないと答え、元康殿をお助けし、兄をもしのぐほどの強い強い大将にいたしますると断言したため、元康は面食らう。その頃大久保忠世が、清須城へ向けて馬を走らせていた。一方で市は祝言の元康の衣装を選び、元康殿の寸法を見てくると言って外へ出る。しかしその元康は、忠世が持参した氏真からの手紙を受け取っていた。

今川に戻らなければ関口家は皆殺しとあり、しかも血で
「たすけて せな」
と書かれた手紙が同封されていた。氏真が瀬名の手を傷つけ、無理やり書かせたのである。そして氏真が2つに割った兎も添えられていた。床を激しく拳で叩く元康。そこへ市が入ってくるが、ただならぬ元康の様子に話しかけるのをためらう。藤吉郎も湯の支度ができたとやって来るが、何か異様な気配を感じ取る。

市の存在に気づいた元康はひざまずき、心苦しいことですがと言いかける。そして市は、兄の言いつけとは言え、元康殿のようなかよわき男の妻となるのは、やはり嫌だと彼女の方からこの話を断る。藤吉郎が大げさにそれを止るが、市は自分の気持ちは変わらぬと言い、元康の前にひざまずいて竹殿と呼び、この世は力だと申したはず、欲しい物は力で奪い取るのですと手をつかむ。

信長は、織田との盟約を取りやめて今川に戻りたいと申すかと尋ねるが、元康は信長を兄のように思っており、兄上と結びし約定をしっかりと果たすまでと言う。そして信長が自分の顔すれすれに当てた刀の刃を握りしめ、血が流れるのも構わず元康は言う。
「元康、今川領をことごとく切り取り、今川を滅ぼしまする!
そして我が妻と子を、この手で取り返しまする!」
元康は清須を去る。

初めて男にそっぽを向かれてどんな気持じゃ、しかも恋焦がれた男にと尋ねる信長。市はあることを思い出す。子供の頃鎧(腹巻)をつけて飛び込んで浮かび上がれなくなり、竹千代が溺れかけた自分を助けてくれたのである。市は口外しないでくれと頼み、竹千代は約束したうえに、こっそり水練をなさりたい時は自分を呼ぶように、お市様のことはお助けしますと言う。

望むのであればやつを殺してやってもいいと信長。しかしそれは武田や北条と相対することを意味していた。厄介事は白兎殿に押し付けなさるがよろしい、そして大切になされませ、兄上が心から信を置けるお方はあの方お一人かも知れませぬからと市。その一方で、信長-元康と今川の戦が始まろうとしていた。裏切った者どもに、死をもって償わせよと声を張り上げる氏真。


松平と織田の盟約が結ばれます。しかもこの時、信長によって元康と市との祝言が決められてしまったのみならず、大高城で勝ったように見えたのは、実は信長が義元に対して仕掛けた罠だったと藤吉郎が言い出します。元康にしてみれば意外なことだらけです。結局祝言をあげることになりますが、その前日忠世が持って来た氏真の手紙で、状況が一変します。

これには市も、祝言を諦めざるを得ませんでした。あなたのようなかよわい男は嫌いと言うのは、やむにやまれずついた嘘でしょう。無論元康も祝言どころではありませんでした。しかし氏真が、わざわざ瀬名を夜伽に呼びつけ、ああいう手紙を書かせたということは、元康への敵愾心と取るべきでしょうか。

ともあれ、元康は清須を去ることになります。そして市には、元康、かつての竹千代に助けてもらった経験がありました。そのため、この人物は特別な存在であったとも言えます。その元康と盟約を結んだ兄に、厄介事は押し付けなさるがよい、でも大切にと、この人も戦国期の女性らしい言い方をします。

ところで藤吉郎、この頃はまだ足軽の身分のはずですが、かなり信長に気に入られているようで、桶狭間のこともあっさり種明かしをしてしまいます。そういう藤吉郎が、織田家譜代の家臣である勝家には気に入らないようですが、どうもかなり勝家をおちょくってもいるようで、やっと尻を蹴り上げたその理由が忠勝にも理解できたようです。

さて今川と実質松平の戦、実は『おんな城主 直虎』でやるのかと思っていたら、あまり登場しなかったこともあり、今度は時間をかけて描いてほしいと思います。あと松本潤さんと、『鎌倉殿の13人』の義時役、小栗旬さんの対談が拡大されて放送との由。それぞれの衣装、黒の直垂と水色の素襖に時代の違いが感じ取れます。

小栗旬×松本潤
今だからこそ、大河について話そう

飲み物-ワインと暖炉の火
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[ 2023/01/31 01:45 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』に関しての武将ジャパンの記事について その7

先日の続きです。

『どうする家康』感想あらすじレビュー第3回「三河平定戦」 - BUSHOO!JAPAN
(武将ジャパン)
https://bushoojapan.com/taiga/ieyasu/2023/01/23/173019

まず
「雑な馬についての擁護はうんざり」
とあり、
「「天候に左右されて、1日に取れる時間もすごく短かったり、制限ができるなかでどうしたら持続可能な時代劇の撮影方法を開発できるのかと取り組んでいるのが、バーチャルプロダクション」と解説した」
という記事が紹介されており、その後にこうあります。

これはわかっています。『鎌倉殿の13人』でも多用していましたね。でも、概ね許容範囲でした。
それが今年はもうコースギリギリどころか完全にアウト! 大暴投です。

て、どこが「コースギリギリ」で「完全にアウト」で「大暴投」なのでしょうね。
結局、鎌倉殿はいいの!許容範囲なの!でも私が嫌いな『どうする家康』はダメなの!
こう言いたいだけじゃないんですか。
で、VFXの話が続くのかと思ったら、なぜか別の話題。ま、武者さんらしいと言えばそうですが。

於大の方が出ていく場面のわざとらしさは何ですか?
これが今生の別れと理解したようにギャーギャー泣く赤ん坊。
キョトンとしていてもおかしくないでしょうに。

急に話題を変えて来ますね。自分が気に入らないところ、無理やりにでも突っ込みたいと思われるところばかりピックアップするから、こんな筋の通らないレビューもどきになるのかなと考えたくもなります-あと、好きな作品と嫌いなのと同じようなシーンがあって、そこに触れられると困るというのも少なからずあると思われ、そういう部分を避けようとして、ちょっと辻褄が合わなくなっているのも、過去にいくつも見て来ました。

で、この赤ちゃんですが、母親が去って行くこともあるでしょうし、それでなくても周囲の物々しい雰囲気、これをかなり感じ取ってもいるのではないでしょうか。武者さん、嫌いな大河のコラム本文だから、昨年のとはうって変わってかなりの喧嘩腰ですね。
そしてそれを言うのであれば、昨年の三寅君はお公家さんのお子さんの割に、かなり動き回っているなという印象はありました。そう言えばこちらは生まれたのが寅年、寅月、寅の刻ですね。

そして

それでも気合の入った合戦シーンがあれば良い。同じ戦国ものでも、『麒麟がくる』は序盤から期待を裏切らなかった。今年はどうする?

また「キリンガクルデハー」ですか。ならばその『麒麟がくる』の、期待を裏切らなかったシーンとやらがいつの放送であるか、明記してほしいものですね。あとで録画見て検証したいのですけど。

で何がおかしいかとあって、

兵士の走り方が変。統制が無茶苦茶。弱い軍隊だと見せたいから、わざとそうしている?
敗戦時の死屍累々の場面が不自然全員綺麗に死んでますが、リアリティを出したいなら、武具が剥がれているとか、あるいは呻き声をあげている瀕死の者がいるとか、それにとどめを指す敵がいるとか、表現方法はいくらでもある
そういうディテールが甘いのでやっつけ感ばかり
背中がガラ空きのまま、槍で相手を押していく本多忠勝って、ゲームじゃないんですよ。あんな背中を見せていくなんて、強さが全くわからない。殺陣もおかしい

まずここまで。どの戦いか明記されていないのですが、刈谷城攻めでしょうか。兵士の走り方がおかしいですか?平原を走っているわけじゃないし、ああいうものだと思いますが。あと戦死者のシーンは引いて撮っているわけで、これがアップであればそういうリアリティも必要でしょうが、そこまですることもないのでは?どちらかと言えば、戦死者と思われた忠勝が、生きているというのを見せたかったわけですから。
VFXなのがいくらか物足りない気もしますが、ディテールがそこまで甘いとは思いません。武者さんが甘いと思いたがっているからそう書くのだろうとは思います。あと忠勝は、背後の敵とも戦っているのですけどね。ちゃんと本編観ましたか?

殺陣といえば、動ける岡田准一さんであるにも関わらず、ちゃんと当時の剣術の動きをしないせいで台無しになっています
岡田信長の動きは江戸、そして明治以降、剣劇として映える動きです。けれども実戦的ではない。『麒麟がくる』ではちゃんとできていたのに……
家臣団の喧嘩も、高校を舞台にしたヤンキー漫画のようで何が何やら。どうせ誰一人として死なないでしょ?と落ち着いて見ていられる安心仕様ですね

「当時の剣術の動き」て、具体的にどんな剣術なのか、書いて貰えないでしょうか。そして実戦的でないなどとありますが、この回では戦で剣を使っていませんけどね。あと
「『麒麟がくる』ではちゃんとできていたのに……」
て、岡田さんあの大河には出ていませんが。『軍師官兵衛』の間違いでしょうか?それとも『関ヶ原』か何かと混同しているのでしょうか。それと喧嘩のシーン、武者さん前回の信長もヤンキーがどうこうと書いていますが、よほどヤンキーがお好きなのでしょう。

戦死者の名前をいちいちカウントして、「こんなに死んだ」と演出する
実に現代人が考えた戦争演出ですね。アニメかゲームじゃないんだから、当時は戦死者をあれほどすんなり把握できません。去年あんなにできてた生首描写はどうしましたか?

戦死者の名前を書き出すのは、他の大河でもやっていたと思います。当時は農民も戦に参加していたことも関係しているでしょう。そして戦死者のみならず、行方不明者もきちんと書かれていますが、その辺ちゃんと観てますか?そう言えば武者さんが好きな『おんな城主 直虎』では、取った首の数のカウント方法として、エクセルまがいのやり方を持ち出していましたが、ああいうのこそありえないでしょう。
それと昨年とはスタッフも違うし、何も同じように生首を出してくることもないでしょう。首桶の頭の部分は見えていましたから。

次回は武者さんが書いている『麒麟がくる』のシーンの検証を入れたいと思います。

飲み物-ホットラム
[ 2023/01/27 01:45 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』ここまで観て来て

『どうする家康』、今まで関連投稿でもちょっと触れていますが、面白く観ています。当初はかなり不安もあったのですが、観てみると意外と面白く(これは『青天を衝け』と『西郷どん』も同じ)、今のところこれから先も観続ける予定でいます。

主人公は現時点ではいささか頼りないのですが、その彼を支える家臣たちがそれぞれ一癖あって、しかも如何にも三河の人物らしい質朴さもあり、この両者の絡みに加えて、大胆不敵で元康を兎呼ばわりする信長とか、駆け引きの仕方を教える水野信元といった、クセの強い面々が登場し、戦国大河らしさを感じさせます。

そして於大の方。主君たるもの国と家臣のためなら、妻子を捨てよと言ってしまう辺りもなかなかのものです。実際この時代は、家族よりも家臣や乳母との結びつきの方が、場合によっては強かったと言うべきでしょう。この女性も兄の裏切りによって離縁させられるなど、戦国時代のある程度の身分の女性らしい経験もしており、それゆえに様々なことを学んだと言えそうです。

本当の話、私は『麒麟がくる』には少し期待はしていました。前年の『いだてん』がちょっと期待外れであったこと、そのため2月から観なくなったこともあり、この次は男性主人公の戦国だから、それなりに大河らしくなるのではと思っていたのですが…。

ただ駒が出張るシーンだけがよくなかったのではなく、演出とか衣装の色遣いなど、他にもちょっとこれはどうかと思われる点がいくつかあり、同じ池端氏の『太平記』が面白かっただけに残念でした。とはいえすべてがよくなかったわけではありません。

大体どの大河もそうですが、100パーセント面白い、あるいは面白くないという作品はそうお目にかからないものです。『麒麟がくる』の能のシーンなどはこれぞ室町文化といった印象でしたし、吉田鋼太郎さんの松永久秀などもよかったとは思います。あと『鎌倉殿の13人』、これも前に書いてはいますが、負ける側の人物、特に義経が追われる描写などは三谷さんらしかったと思うし、やはり三谷さんは、こういう人物を描く方がいいいのではと思ったこともあります。

話が戻ります。元康が今川に背を向けて、尾張に行くことになり、次回からは織田家の人々が多く登場するようです。無論大河はドラマなので、オリキャラも当然出て来ますが、ガイドブックをざっと見る限り、忍びとか謎の人物といった設定に留まっているようです。

あと鵜殿長照とお田鶴も登場するようですが、お田鶴は『おんな城主 直虎』の時に登場させられなかったのかとは思います。あの場合は直虎(おとわ)を中心に据えたため、逆に出しにくくなったのかも知れませんが、永禄年間の東海地方の情勢に、もっと突っ込んでもよかったかも知れません。

飲み物-冬のシードル
[ 2023/01/25 07:00 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』第1回「どうする桶狭間」あらすじと感想-3

第1回その3です。


丸根砦では織田方の兵が米を奪おうとしていた。数正をはじめ家臣たちに後を託し、元康は先を急ぐことにする。大高で会おうぞとの言葉を残して、馬を走らせる元康。一方家臣たちは相手の兵と戦いつつ、荷駄隊を通らせた。大高城を守る鵜殿長照は疲労困憊していたが、味方の到着を知らされ、開門するように命じる。

義元が討って出ようとしたその頃、大高城に元康の家臣たちも到着する。無事を喜ぶ元康は、長照の労をねぎらい、養生するように言う。雨が降り出し、雷鳴が聞こえる中、忠世は丸根砦での織田方との戦いの自慢話をしていたが、元康は義元の軍勢の到着が遅いのが気になっていた。桶狭間までは参られておるはずと忠次。一方親吉は、鉄砲の筒音のようなものが聞こえたと言う。

義元の軍は一向に現れず、雨も激しくなっていた。まるでこの世にわしらだけのごとくじゃと忠次は言う。その時物見の兵が戻り、義元の軍が織田の不意打ちを受けて総崩れになったと小声で伝える。元康は大声で申せと命じ、兵は声を上げて同じことを繰り返し、総大将治部大輔(義元)が討ち死にしたことも伝える。元康はとても信じられず、そのような虚説に惑わされてどうする、織田方が流した嘘に決まっておろうがと口にし、義元討ち死にを否定する。

しかし実際はかなりうろたえていた。忠吉は虚説ではない、太守様は桶狭間にてご休息の折、待ち伏せしていた織田軍に襲われ、奮闘空しくお討ち死になされたと言う。お前はいつも何を言っているのか、さっぱりわからんと元康。忠世は再度言う。今川義元は、織田信長に首を取られたんじゃと。そこへ忠真が入って来て、今川軍は総崩れで、各所の軍勢はちりぢりバラバラに駿府へ逃げていることを伝える。

このままでは我々だけが孤立することになる、いやそうなっておると皆が言う中、判断を求められた元康は言葉に窮する。しかも戻るには桶狭間を通らなければならなかった。この城を勝手に捨てていいのかと忠次、お下知に背いたとみなされると数正。総大将がおらんようになったのに、下知もクヒョもあるかと忠吉。籠城案まで出る中、今川から借り受けた兵たちは勝手に逃げ出していた。その時数正は元康がいないことに気づく。その元康は雷鳴の中1人うずくまっていた。

数正は城の蔵に入り、そこに元康の兜があるのを見つける。
「逃げおったか~!」
元康は笠と蓑で身を隠し、城から抜け出して叫ぶ。
「もう嫌じゃあ~!」
そして海へと向かい、砂浜をとぼとぼと歩いていた元康を誰かが騎馬で追う。その男は元康めがけて槍を投げ、馬から下りた後に、再びその槍を持って襲い掛かる。

元康もその男に勝負を挑むが、海の中へと突き飛ばされてしまう。男は元康を波の間から引きずり出す。
「お前三河もんか」
と元康は尋ね、
「わしのことは放っとけ!」と言うものの、なおも攻撃の手を緩めない。
「主君と知っての狼藉か!」と元康も刀を抜くが、その男はひるむどころか、元康に向かって一喝する。
「恥ずかしくないのか!」

「主君などと…俺は認めぬ」
その言葉に元康は肩を落とす。やがて元康はその男を連れて戻るが、忠真はその男に向かって声を荒げる。
「平八郎、うぬは何をしでかした!」
忠真は、この者は亡き本多忠高の息子で我が甥の平八郎忠勝であると言う。忠勝はこの時初陣を務めていた。

礼儀知らずの不届き者で阿呆であると忠真は弁解し。もしご無礼を働いたなら、それは自分の罪、手討ちにして自分も腹を切ると言って、忠勝に刀を振り下ろそうとするが、数正は待たれよのんべえ殿とそれを止める。何があったのかと数正は尋ねるが、元康は黙ったままだった。殿はと言いかける忠勝を忠次が制する。そして忠次は気を利かせ、お一人で雨に打たれて心の迷いを洗い流し、窮地を如何にすべきかご思案されていたのでござろうと尋ねる。

元康はなおも黙ったままだった。そこへ親吉が織田軍が来たことを伝える。しかも相手の数は2000と大軍だった。元康の脳裏に、義元の首を手にして進軍してくる信長の姿がちらつく。やがて信長は、その首を投げ捨てる。元康はかつて信長の許で暮らし、地獄のような目に遭ったことを思い出す。

周囲から判断を迫られ、しかも忠勝からは俺は認めぬと言われ、元康はなすすべがなかった。一方駿河の瀬名も、今川の家来衆が慌てて行き来するのを見て、何か起こったらしいと感づく。するとそこへ巴がやって来る。また武田信玄もこのことを聞き、道理で南の空に不吉なものが生じるわけよ、されど我が甲斐に取っては吉兆となろうと言う。

元康はなおも迷っていた。あれはケダモノじゃ、飢えた狼じゃと恐怖を露わにする。そして信長の方は
「待ってろよ、竹千代。俺の白兎」
と不敵な笑みを漏らす。元康はこうわめくよりほかなかった。
「どうしたらええんじゃあ~!」


何とか大高城に米を届けたものの、肝心の総大将である義元が、織田軍に攻め込まれて命を落とします。この桶狭間の戦い、様々な大河で描かれており、何作か観比べてみると、その時々の主人公の立ち位置がわかって来ます。閑話休題。そして今川の兵は、勝手に駿府の方へと逃げ出して行きます。先日書いた『おんな城主 直虎』でも、この時井伊の兵たちが駿府に戻ろうとしていました。そして元康たちも、この先どうするべきかを迫られることになります。

しかし元康はなすすべがなく、雨と雷の中、これ幸いと行方をくらませてしまい、海の方へと歩いて行きます。しかしその元康を追う若者がいました。恐らくは1人逃げ出した元康が許せず、しかも主君と知ってのことかと言われ、家臣を見捨てて何が主君だと苦々しくも思ったようです。いささか小癪な人物ですが、見方によっては気骨があるとも言えます。この男は本多平八郎忠勝と言い、後に元康改め家康に取って、なくてはならない人物となります。そう言えば今回織田信忠を演じる藤岡弘、さん、『真田丸』ではこの忠勝を演じていましたね。

やがて織田の兵がやって来ます。元康は子供の頃織田家にいたこともあり、信長という人物をよく知っていました。ところで彼の脳裏をかすめる信長ですが、無論この当時はこのような南蛮風の衣装をまとってはいません。しかし元康、かつての竹千代に対し
「俺の白兎」
と言う辺り何とも不気味な感じではあり、そのエキセントリックさを強調するためのあのスタイルなのでしょうか。

それと元康が、忠吉に対して
「お前はいつも何を言っているのか、さっぱりわからん」
と言うのは、そもそも高齢で口跡がはっきりしないためですが、この場合はそのような虚説を垂れ流すなという意味ですね。とは言え虚説ではなさそうで、しかもあの忠吉が、この時ばかりはかなりしっかりした物言いをしています。あるいは彼に取って、義元戦死と言う、三河衆に取って待ちわびたその時が来たからとも言えます。

あと逃げ出した元康に対しての、忠次のフォローの仕方、なかなかいいと思います。


飲み物-アイリッシュコーヒー2
[ 2023/01/11 01:15 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

『どうする家康』第1回「どうする桶狭間」あらすじと感想-1

第1回、60分枠なので3回に分けて投稿します。


桶狭間の戦い。松平元康、後の徳川家康とその兵たちは大高城に留まっていた。しかしその元康が行方をくらませ、家臣たちは大騒ぎになる。その1人石川数正は、元康が身につけていた黄金の兜だけがあるのを見て叫ぶ。
「逃げおったな~」
その元康は兜の上に蓑を羽織って逃げ出し、井戸のそばの白骨に驚きつつ天を仰いで叫ぶ。
「もう嫌じゃあ~」

弘治2(1556)年、小国三河の国衆であった松平次郎三郎元信は、駿河で人質生活を送っていた。その元信は勉学をすっぽかし、人形やわらの馬で遊んでいたところへ、家臣たちがやって来る。遅れますぞと言われ、勉強に打ち込むふりをする元信だが、遅れるというのは、若君今川氏真との手合わせに遅れるということだった。たんぽ槍を使ったその手合わせは、城中の女性たちも見に来ていた。

しかし元康はいいところなく負けてしまう。その次は膝を痛めてしまい、氏真がもう一本と言ったところへ、父で駿河太守の義元が来て、その辺にしておいたがよいと言い、元康には痛めた膝をよく冷やせよと命じる。その元信に注目する女がいた。名前を瀬名と言った。

元信は今度は木彫りでウサギを作り、竹やぶでウサギとそれを狙う侍とを、一人二役で楽しんでいた。すると偶然瀬名に出くわし、この遊びのことは黙ってていてくれと頼む。2人は互いに自己紹介をし、瀬名は元信のウサギをほしがる。これを使った遊びに入れて貰えたら、他言しないと言うのである。元信は結局瀬名と遊ぶことになり、かくれんぼをして楽しむ。そして数正が槍の稽古をしている時に楽しそうに戻ってくる。

食事中、元信は数正から、父広忠の七回忌に当たるため、巡見も兼ねて三河に戻ることになる。これには鳥居彦右衛門(元忠)も、平岩七之助(親吉)も嬉しそうだった。元信は自分が人質で、義元の許可が得られないことを案じるが、許可は既に下りていた。一行は岡崎に到着するが、元信は駿府との違いに驚く。

酒井左衛門尉(忠次)らが出迎え、海老すくいのと自己紹介するが、元信は何となく覚えている程度だった。忠次は元信の成長に驚き、一目見た時、源頼朝公が天から降ってこられたかと思ったなどと言って、一同は笑う。その後元信は岡崎城城代の山田新右衛門に会い、新右衛門は遠慮なく城を使うように言う。元信はその気になるが数正がそれを引き止め、ご挨拶に伺ったまでにございますと取り繕う。

そして元信をもてなす準備が始まるが、殿を接待すると言うよりは、百姓家の宴に紛れ込んだような感じだった。そこへ元忠の父、鳥居忠吉がやって来る。忠吉は高齢で歯が抜けており、口跡がはっきりせず、元忠が一々忠吉の言葉を言い直す始末だった。忠次の妻、登与も料理のお代わりを持ってやって来て、た~んと召し上がりんしゃいと椀一杯によそう。

この登与は元信の叔母に当たった。登与も元信がこんまかったのに、ええ男っぷりでもぞもぞすると言い、忠次に注意される。この忠次も登与も、元信の帰りを夢見て留守を預かっていた。そこへ忠世がやって来る。この男は巨漢で派手な着物をまとい、三河一の色男と自称していた。

複雑な顔をする元信に、鬢が少し薄くなったからと言う忠世だが、まだ若いのに頭髪が薄いせいで小さな髷しか結えなかった。また本多忠真は酔っぱらっており、相手を間違えて話しかけ、夏目広次に注意される。広次も元信に挨拶をするが、元信はよく覚えていないようだった。

その後忠次が余興の海老すくいを行うが、元信にはそれが少しも面白いとは思えなかった。数正は、人々も料理もみすぼらしいとお思いであろうと元信に話しかけ、今川に多くの年貢を納めている三河の者に取っては、あれが精一杯のもてなしであると教える。数正もこれはつらいようで、あの者たちが殿の家臣であり、今川の城代が居座るあの城が殿の城である、いつか必ず彼らと共に、三河一国を束ねるために立ち上がる時が来ると来る、その日にお備えくだされと元信に言う。

再び駿河。瀬名は元信に、三河からお帰りになってから、ため息が多くなったと話す。ものすごく重い荷を担がされたと言う元信に、人形遊びをしながら、岩とか大木とかと尋ねて笑う瀬名。国でござると答える元信。背負わなければならないものかと尋ねる瀬名に、松平の当主に生まれついたからにはと元信は答える。しかし瀬名は、なぜ向いていないことをさせられねばならないのか、次郎三郎様には向いていないと言い出す。


まず。室内のシーンが多かった『鎌倉殿の13人』に比べ、屋外でのシーンがかなり多い大河です。無論戦国時代であることも関係してはいます。あと、コロナ禍のせいもあるのでしょうが、VFXもかなり使われています。そして寺島しのぶさんのナレがなかなか力強いです。正直な話、昨年の長澤まさみさんのナレよりもかなりわかりやすいと言えます。

そしてクレジットの横書き、これはかなり久々だと思います。それと時代的には『おんな城主 直虎』といくらか被るようです。あの時は元康が雀を飼っていましたね。今回はまだ年少と言うこともあるのか、人形だの馬だので遊んでいるようです。大原雪斎が出てこないのは、恐らくは、彼が真面目に勉強するシーンの有無とも関連しているのでしょうね。

それと同時に、三河の人々が次々と紹介されます。この元信、後の家康が戦国期を生き抜き、江戸幕府を打ちた立てるまでに至るのは、彼ら三河衆が家臣として付き従ったのも大きいでしょう。しかし子供の頃から人質にやられ、駿府という都会で過ごしている元信にして見れば、三河は何とも田舎で貧しいと映ったようです。その彼に数正が、城を取り戻すように言って聞かせます。しかし「源頼朝公が天から降ってこられた」のセリフに、これまた昨年をついつい思い出します。


飲み物-カウンターとカクテル
[ 2023/01/09 01:45 ] 大河ドラマ どうする家康 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 68その1

『武将ジャパン』大河コラムへの疑問点、第31回前半部分です。

1.系統は二つあり、頼朝の子と、全成の子。
全成には頼全と時元という男児がいました。
一方、頼朝には三名いて、一幡、善哉という孫、頼家の弟として千幡が表示されます。他にもいる頼家の男子は、ドラマでは省略されていますね。

あらすじと感想で書きましたが、子供たちが多いなと思ったのがこの回でした。当然ながら、これ以上子供たちを出せば、誰が誰だかわからなくなるでしょう。また制作の方も紛らわしくならないように、見せ方を工夫していると思われます。

2.義時は冷静です。
「お前が書いたんだな」
「そうだ。何枚でもあるぜ」
「勘弁してくれ!」
義時は絶望しつつ紙を破ります。
当たり前ですね。むしろ、義村の頭を引っ叩かずに耐えている義時がえらい。
にしても、なぜ義時は義村の嘘を見抜けたのか。三谷さんらしいミステリぽい展開ともいえますね。

署名集めの時もそうでしたが、義時と義村の価値観の違いが出ていますね。
しかしなぜ義時は(あるいは視聴者も)嘘を見抜けたかと言われても、「あの」義村が、こんなに自分に取って都合のいい物を持ち出して来たら、一応は疑ってみるのではないでしょうか。これに関しては、ミステリ以前の問題とも言えるかと。
ちなみにこの箇所に関して、次のような喩えがあります。

3.美人で、仕事もできて、薄給でも文句を言わない。残業も、休日出勤もしてくれるし、おまけに露出の高い服装で出社してくる……そんなモバイルアプリじみた押しかけ秘書が実在するかどうか?
機密情報を全部盗まれるなんてことがあるかもしれない。有能で美味しい存在には警戒が必要ですね。

違うような気がします。
義時の場合、あくまでの相手の行為に関して疑いを持っているわけです。例えばいきなり有能な家人か誰かを押し付けられて、それが実はスパイだったなどと言うのであれば、いくらか似たところはあったでしょう。逆に比奈を、スパイのように使ってはいますが。

4.それでも悪びれず、比企の天下にしたくねえ、善哉しかねえと言い張るのが義村。
比企をぶっ潰す!と盛り上がり、反対する義時に対しては「そんなに三浦に力を持たせたくないのか」とウダウダ言い始めました。

ここのところですが、実際はこうなっています。
義村「比企の天下にしたくねえんだろ」
義時「もちろんだ」
義村「だったら善哉様に継いでいただくしかない。違うか」
そしてその後、比企が納得しない→その時は戦うまで→鎌倉が二分されてしまうと、義時、義盛そして時房の会話が続き、しかる後に
義村「三浦が力を持つのがそんなに嫌か」
義時「そういうことではない!」
となるわけです。
この前も似たようなことがありましたが、義時のセリフもこの場合重要なのに(比企の天下にしたくないという意思表示なので)、そこが抜けているし、比企をぶっ潰すというのは、主に義盛と時房が言っているわけですね。

5.「鎌倉が比企と北条で割れているのは俺でもわかる。でもな、俺はどっちの側でもない。俺は俺だ」
キッパリと、そう言い切る知家。
一番うまい身の処し方かもしれません。こんなシンプルな説明で風格を見せる市原隼人さんが今日も素敵だ。

と言うより、義時に「どちらにもつかない」という選択肢はないわけですから、比べると義時が気の毒でしょう。

6.美しいけれど毒がある。まるでトリカブトの花の精のような、生田斗真さんの新境地が見られました。

武者さん時々こういう喩えをしますが、これが女性ならまあいいでしょう。いささかファンタジー的ではありますが。しかし源仲章は当然ながら男性であり、この場合花以外の、たとえば鳥とか動物などになぞらえる方法はないものでしょうか。

7.大河ファンに揶揄されがちな、女性人物のセリフとして、次のような言い回しがあります。
「いくさは嫌でございまするぅ〜」
どの大河で、誰が言ったのか――そういう詳細はどうでもよく、ともかく戦を避けるためヒロインが薄っぺらいセリフを使うことを指摘したものです。
女の子は平和が好きでしょ、ゆるいでしょ、といったニュアンスですね。
あるいは女性の脚本家だったり、女が主人公だと「スイーツ大河」とされるスラングもあります。
そうした状況を踏まえて実衣の言動を見ると真逆。
夫と我が子を理不尽に殺された恨みを晴らすため、仇討ちした敵の首をどうやって並べるかまで指示する。スイーツどころかかなりのビターです。

私は別に実衣がビターという印象は受けません。ここの部分、何度も書くようですが。実衣が思ったことをずけずけ言えるのは、彼女の周辺が北条の人物だったからというのも大きいかと思います。身内に守られているという特定の条件下で、甘えと言うのは適切ではないかも知れませんが、少なくとも彼女を知る人たちの理解あってこそ、可能であったことでしょう。これが他人ばかりであったら、首を並べてなどのほほんと言ってはいられないでしょうし。寧ろ第30回などを見ていると、実際は弱さもある女性かと思います。この辺りくの方が強かでしょうし、真に強かな人物はこういう生々しいことを口に出さず、オブラートに包むような物言いをするのでしょう。

8.近年でも『八重の桜』や『おんな城主 直虎』は、むしろシリアスな残虐描写が多かった。
ただし、実際に戦争を体験した世代が「戦は嫌だ」というセリフを入れるのであれば、薄っぺらいどころか自身の経験を反映させたとも見なせるでしょう。

『八重の桜』はともかく、『おんな城主 直虎』の方は、個人的に馴染めなかったせいか、やたらに生首や死体を登場させて、「戦国らしきもの」の演出をしていたという印象があります。また戦争を体験した世代云々ですが、『真田丸』の梅が、戦になると男手が足りなく作物もできず嫌だと言うのは、説得力がありました。

9.「義母上は、父上に政(まつりごと)が務まるとお考えでしょうか?」
もちろん。そう言い切りながら、夫の器を信じていると断言するりく。そのうえで汚れ仕事を義時に押し付けます。
邪悪ですね。
頼朝にせよ、義時にせよ、自分が拳を振り下ろした結果、血が飛ぶところから目を逸らすことはありません。
ところが、りくはそうではない。
こういう想像力の欠落した策士には、目の前に首でも置きたくなります。

汚れ仕事を押し付けるのではなく、その汚れ仕事が女性のりくにはできないからでしょう。
武者さんがりくを嫌いなのは認めますが、報酬を貰って書いている以上、あまり好き嫌いを表に出すべきではないかとも思います。そもそも想像力が欠けているとは、どのような想像力が欠けていると言いたいのでしょうか。
それにこの後で出て来ますが、比企能員の殺戮現場の指揮を執っていたのは、彼女がその器を信じていると言った時政なのです。

10.そう言い合いますが……ある意味、頼朝が殺戮のたがを外した結果がこれです。たとえば頼朝が、源氏の血だからと木曽義高を助命していれば、その後の結果は大きく違ったかもしれない。
頼朝の死後、さらにゲームのルールは変わりました。
たとえ出家していようとも、阿野全成とその息子・頼全は殺された。
徹底せねば、いつまた驚異となるかわからない。
そして義時は、政子に誓約した直後、戦になったら真っ先に一幡様を殺せと泰時に命じます。
「生きていれば、必ず災いの種になる。母親ともども……頼朝様ならそうされていた」
頼朝の教えを受けた愛弟子が、その頼朝の血を引く幼子を殺す。何をどう間違ったらこうなるのでしょうか?

一幡を殺せという指示に関してです。しかしあの時義高を生かしていれば、恐らくは木曾の軍勢との戦に入り、御家人も割れ、すんなりまとまることはなかったでしょうし、平家も討てなかったかも知れません。そして武士の時代が続く限り、これは続きます。そもそも何を間違ったらなどという問題ではありませんね。武者さん、失礼ながらりくではなく、貴方の想像力が欠けているように見えてしまって仕方ないのです。それにこれ以前にも似たような事件はあり、平安時代中期には、藤原清衡が異父弟の家衡から妻子を殺されてもいますし、何も頼朝から始まったわけではないでしょう。

そしてこの一幡殺し関連でこのような文章があり、リンクが貼られていますが

歴史で言えば、司馬懿が曹操のやり方をトレースして、王朝簒奪する過程を思い出します。

これは日本の鎌倉時代の話です。馬懿が活躍した、後漢から三国時代の話ではありません。


飲み物-ブランデーグラスのビール
[ 2022/08/18 01:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』に関しての武将ジャパンの記事について思うこと 66その1

まず、『鎌倉殿の13人』第29回のあらすじと感想その2で、入力ミスと変換ミスが何か所かありましたので直しています。それと文章がわかりづらいところがあったため、それもいくらか修正しています。失礼いたしました。

では『武将ジャパン』大河コラムに対する疑問点です。
鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第29回「ままならぬ玉」 - BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)


1.当時はまだ日本武道が確立できていません。
戦国時代ものなら、忍者の動きとして通じそうではありますが、幕末もので薙刀を使うような場面では、能力を発揮しにくい動きでしょう。

トウの動きに関する記述ですが、ここの「幕末もので薙刀を使うような場面」というのは、具体的にどういうシーンなのでしょうか。

2.組織としての忍者が確立する前の間諜(かんちょう)兼暗殺者である、善児とトウ。目の離せない二人です。
今年は殺陣も素晴らしい。
このコンビはちゃんと人を害することのできる動きです。
攻撃が当たっていないのに相手がわざとらしく倒れる――そんな2021年大河のような動きは極力控えていただきたいものです。

「目の離せない二人です」はいいでしょう。しかし例によって「今年は素晴らしい」「昨年は駄目」のパターンに持ち込むのが、武者さんらしいと言うべきでしょうか。それを言うなら、『麒麟がくる』でジャンプしながら相手を斬るのもおかしいし、『おんな城主 直虎』でも、殺陣がうまいと言うよりは、斬られ役の人がうまく倒れてくれたと思うようなシーンもあったのですが。これ、小檜山氏の方の朝ドラでも似たようなところがあります。

それとこの後の部分で、鼎立を三つ巴と言い換えることはできますとありますが、前者が三者の対立構図であるのに比べ、後者は、それが入り乱れるという意味が、強くなるのではないでしょうか。

3.おさらいしますと、義澄の父である三浦義明にとって、その嫡男は杉本義宗であり、孫が義盛です。
本来ならば義盛の父、そして義盛へとつながるはずの三浦一族惣領の座が、義澄と義村の系統に継がれたことになる。
以下がその系図ですね。

で、この下に系図があるのですが、これは他の記事にまとめた方がいいのではないでしょうか。そもそもここで三浦家の系図を出すより、まずあらすじを完結させてほしいです。

4.本当に、人選はこれでよかったんですか?
やはり三浦義村や畠山重忠を無理にでも入れておくべきだったのでは?

義村を入れたら自由に動けなくなるし、重忠を入れたら比企に遠慮するようになるから、避けるべきだったかと思います。そもそも比企が重忠を入れようとしないでしょうし、入れても北条との対立が激化するもとにもなりかねないし、このシステムも欠員補充が行われているわけでもなく、そう長続きしそうにも見えません。

5.京都では、梶原景時こそ「鎌倉本体の武士だ」と評されていました。
皮肉にも、景時がいなければもう頼家は持たないと判断していたのは、京都ということになります。このドラマの後鳥羽院は目論見が当たったとほくそ笑んでいることでしょう。

だからこそ、頼家に見放された景時を呼び寄せたとも言えるでしょう。京都を見くびってはいけませんね。

6.「これで比企に一矢報いることができた」
と無邪気に喜ぶのはりく(牧の方)。
義時が「そういうことではない……」と釘を刺します。
重い立場になったからには、それにふさわしい振る舞いをして欲しい。比企のことは忘れろと政子も言います。
そんなものは戯言だと言い合うりくと時政。すっかり悪い染まり方をしておりますね。

義時は「それにふさわしい振舞いをしてほしい」ではなく「御家人に範を示し、鎌倉を守ってほしい」と言っています。そして「悪い染まり方」も何も、時政とりくの夫妻は比企への対抗意識が並外れて強いのだから、こう言うのも無理はないでしょう。比企との対立をあまり表沙汰にするなと義時は言いたいのでしょうが。

7.頼家は図面に向かって乱雑にタテ線を引き、所領を半分にせよ、とでも言いたげに「それで対処せよ」と一方的に判断をくだします。
信心深い重忠は、神仏に仕える者をぞんさいにすると天の怒りを買うと困惑。
望むところだと頼家は答えます。今後所領のことは自分で処断する。好きにさせてもらうと言い切るのです。
頼家は、父・源頼朝に似ているようで、そうでもないところもあります。なかなか信心深かった頼朝に対し、頼家はハナから気にしていない風でもありますね。

この時頼家は「所領の広い狭いなどは所詮運、僧の身で欲深いとは片腹痛い」と言っており、それが重忠を煽ったとも考えられますし、またこの行動は、自分に圧力をかけようとする比企能員への反動でもあるでしょう。せめてこの2つについても触れてほしかったです。

8.さすが義村は立ち回りがうまいですね。目立たないようで、じわじわと権力の中枢に食い込んできています。

この間の結城朝光のことでも、自分の存在を知らせることなく景時を追い落としていました。こういう人物は、合議に加えるのではなく、一匹狼的に動かすのがやはりよさそうです。

9.善哉とは、源実朝を暗殺した公暁なのです。
確たる証拠はなく、この男児は「お前は源氏の後継になるはずだった、それが頼朝様の意志」と聞かされて育ちます。

「善哉とは、源実朝を暗殺した公暁なのです」
この大河を観ているのであれば、知っている人も多いのではないでしょうか。

10.頼家に新たな子も生まれて、焦っているのでしょう。りく(牧の方)が、時政を煽ります。
比企の思うままを許してはならない。
善哉すら邪魔者扱いをし、そのうえで「(将軍候補として)どなたか忘れていないか?」と言い募る。
狙いは千幡(9歳)でした。

「頼家に新たな子も生まれて、焦っている」と言うよりは、善哉という比企に無関係の子が生まれたものの、自分達に取ってはメリットがないわけです。一番の得策は、北条がついている千幡を担ぎ出すことにほかならないわけですね。

11.源頼朝と北条政子の子であり、後の三代将軍となる源実朝のことであり、乳母夫は阿野全成と実衣だから北条にとっては好都合です。

何度も書くようですが、全成と実衣が千幡の乳母夫らしく振舞うシーンがあまりないように思えます。武者さん、嫌いな大河だったら、その点についてあれやこれや書いたのではないでしょうか。

12.こうなったらどんな手を使ってでも……と言い出す妻。戸惑う夫。
「何年一緒にいるのですか、察してください!」
りくがノリノリ全開で夫にツッコむのですが……いやぁ、こいつぁ、とんでもねぇ悪女ですわ!

いやはや、前からりくは悪女呼ばわりされているようですが、私はそうも思いません。ただ京育ちであり、この手のことのかけては嗅覚が鋭く(と言うべきでしょうか)、実行力もあり、年若い継室がそうであれば、時政もつい言うことに従うでしょう。時政はちょっと勘が鈍いところもあり、それがりくにこのようなセリフを吐かせているように見えます。

13.三谷さんは随分と艶っぽい作風になってきましたね。

そもそもが夫婦の会話である以上こうなるでしょうし、これは『真田丸』でもそう変わらなかったかと思います。

14.白湯を淹れる全成の姿が映ります。
まだ鎌倉にお茶は到達していなようですね。

栄西が茶の栽培を始めてからまだ10年足らずで、そこまで普及しているわけではありません。無論それ以前に貴族の間などで飲まれていたことはありますが、第一、戦国時代くらいまでは武士階級でも白湯を飲んだりしていました。庶民の間にも茶が行き渡るのは、江戸時代に入ってからです。
それとこの時白湯を注いでいるのは、全成ではなくりくですね。

15.臆病で慎重で現実的。そんな全成の胸に、何か灯ってしまいました。
彼は権力欲は薄い。けれども、別の欲求はありました。
(中略)
妻にとっての琵琶とは、結局、結城朝光に会うための口実だったのか? そんな疑念が渦巻いてしまう。
離れてしまった妻の心を繋ぎ止めるためには、どうすればよい?
夫妻が育てた千幡を後継にすればよいのか?
妻は野心家でもあるし……と、でも考えたのでしょうか。この悲しい夫は、ついに呪詛を始めてしまうのでした。

この全成が実衣によせる思い、このシーンではそこまで描かれてはいません。呪詛を引き受けた彼の心の内が明らかになるのは、最後の方になってからです。ただ全成が悩んでいることは感じ取れます。あと文にある「百檀大威徳法」に何か意味があることも。

16.彼ら(注・義時と頼時)の愛読書『貞観政要』には、魏徴の言葉として以下のような答えの一例があります。
古より、帝王、之を艱難(かんなん)に得て、之を安逸に失わざるは莫(な)し。守成難し。『貞観政要』
古来より、為政者が国難に遭った際、その対処を怠っていたというのに国を失わなかったことはありません。守成こそ難しい。
頼時はこの困難を乗り越えてこそ、先が見えてくることでしょう。

ここでまた漢籍です。これも前回の「忠臣は二君に仕えず」のように、ドラマ本編中に出て来るものならまだ納得します。しかしドラマそのものには無関係なのですから、あらすじの後の方で書いてはどうなのでしょうか。それとこの時の頼時は、まだ為政者ではありませんね。

続きは次の投稿にて。

飲み物-海とビール
[ 2022/08/03 00:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『鎌倉殿の13人』第29回「ままならぬ玉」あらすじと感想-1

第29回「ままならぬ玉」前半部分です。

梶原景時が討たれ、北条と比企の対立は避けられなくなり、仲介役の義時の役目は重要になった。頼時は父は鎌倉に不可欠な存在になったと言い、比奈は自分が義時に嫁いだ時の起請文を見せ、自分を比企に返すなどと言わないようにと念を押す。そして義時に呼ばれた善児は、義時から袋を手渡される。

中を改めた善児は、中身を見たかと義時に尋ね、義時が否定すると
「試されたのですよ、わしの天運を」
と答える。中にあったのは、宗時を殺めた際に持ち去った物だった。そして自分も年齢だからと、トウと言う若い女性の武芸者を連れて来る。彼女の太刀さばき、身のこなしは完璧だった。

宿老たちの評議が始まる。しかし時政の隣に座るべき三浦義澄は体調を崩しており、時政は義盛を呼んで隣に座るように言う。比企能員があまりよくないと聞いたがと言うも、幼馴染である時政は心配ないときっぱり言う。しかし義澄の余命はいくばくもなく、先のことは案じないでくれ、守ってみせると言う義村や甥の義盛の言葉にも、死んだ後のことはどうでもいいと弱々しく答える。

そこへ時政がやって来る。待っておったと義澄は言い、身を起こして一緒に行こうと時政にしがみつくが、それが彼のいまわの言葉となった。梶原景時死去から3日後のことだった。号泣する時政。そして流人時代から仕え、他の誰よりも長く頼朝に侍した安達盛長は、頼朝のそばに小指の先だけでも骨を埋めてくれと遺言し、そのまま瞑想するかのように、座ったまま目を閉じた。

能員は頼家に、奸賊梶原景時が去り、義澄と盛長もいなくなって、宿老たちの評議はあってないようなものだと言う。頼家はこれからは好きにやらせて貰うと言い、能員はそれに同意して自分が支えると言うものの、頼家はそれを拒む。しかし能員は自分に万事お任せあれ、その上で好きになさるがよろしいと頼家を牽制する。そして正治2(1200)年春、時政は従五位下、遠江守に任命される。

源氏以外の御家人の国守就任は初めてのことであった。時政は政子に、色々口を利いてくれたことに感謝するが、政子は、おじじ様の喜ぶ顔が見たくないのかと、頼家ににじり寄っただけだと答える。りくはこれで比企に一矢報いることができると言うが、この国守就任の目的は、御家人に範を示し、この鎌倉を守っていただきたいからであることを口にする。政子も比企がどうこう言うのをやめてほしいと言うが、りくは戯言だと言い、時政もそうだと哄笑するのだった。

畠山重忠が、自分の統治下にある陸奥国葛岡の新熊野社(いまくまのしゃ)の僧たちが、所領争いをしている件で裁決を依頼する。この社は藤原秀衡の頃からの、由緒正しい社であると三善康信。そこへ頼家が現れる。義時が取次はまだであると言うものの、頼家は意に介さず、能員は康信を押しのけて頼家の席を作ろうとする。

重忠が続きを述べようとすると、頼家はいきなり絵図を奪い取り、祐筆の筆を取り上げて真ん中に一本線を引く。頼家は、所領の狭い広いなどは所詮運、僧の身で欲深いとは片腹痛いと言い、重忠が神仏に仕える者の訴えをぞんざいにすると、天の怒りを買いかねないと注意するも、頼家は開き直ったかのように、望むところよと大口を叩く。

さらに今後所領のことは、自分が調べて処断すると言い、しかも能員には「好きにさせて貰ったぞ」と言い捨てて去って行く。その年頼家の正室つつじに子が生まれ、善哉(ぜんざい)と名付けられ、義村は望み通り乳母夫の地位を手に入れる。これが能員には面白くなかった。義時にはわざとらしく祝意を述べつつも、嫡男は一幡であると念を押す。しかし頼朝は、正室の男児を嫡男とする意向だった。しかし文書には記載されておらぬと、受け入れられないと能員は言う。

このままでは鎌倉が比企の思うがままになると、りくは懸念する。しかし善哉が嫡男となったところで、時政とりくには得るものはなく、千幡を嫡男とすることに決める。この年9歳の千幡は頼家の弟で、身内も乳母夫も北条一族だった。りくは少々乱暴な手を使ってでもと言い、何だと尋ねる夫に察するようにと言う。そして呼ばれたのは全成だった。

鎌倉がここまで大きくなれたのは、北条が真ん中にいたからだと時政が話を切り出し、でも今はそうではないとりくが続ける。彼らの要求は呪詛であった。時政は能員をと言うがりくはそれを遮り、鎌倉殿をと明言する。りくは命を取るのではなく、しばらく病で臥せってくれればそれでいいと言い、全成がためらうのも無視して、先代の跡を継いで随分苦労しているようだから、重荷を取り除いてあげて何が悪いのだと全成に問いかける。

時政は全成に近づき、跡を継ぐのは千幡じゃと言う。全成は千幡の乳母夫であった。一方妻の実衣は、結城朝光が下総に戻ったため琵琶の稽古も休んでおり、退屈そうにしていた。その実衣は、京で僧の修行にいそしむ子の頼全から文が届いたと言う。文を読み始めた実衣が、百檀大威徳法の業と口にした時、全成はもうそこにはいなかった。そして全成は部屋に籠って、呪詛のための人形を作り始める。

頼家は相変わらず、近習たちと蹴鞠をやっていた。しかしこの年坂東を台風が襲い、農作物に被害が出ていた。頼時は、今は蹴鞠に興じるのではなく、他にやることがあるのではと頼家に直言する。しかし頼家は蹴鞠は遊びではないと言い、如何に鞠を落とさずに蹴り続けられるかを、平知康の指導のもとで行っていた。

義時は頼時を伊豆に行かせることにする。百姓たちは食べるだけの米がなく、借りた米も返せずにいた。土地を捨てて逃げ出す者もおり、これを収めて来いと言う父義時に、頼時は自信なさげであった。そこへ同席していた時連は、何とかしろと言われたら何とかする、お前の父上もそうやって何とかして来たと口添えする。頼時は何とかしてみると受け入れざるを得なかった。

時連は、頼時は鎌倉殿の側にいない方がいいと言い、義時も、小さい頃は仲が良かったのにと昔を思い出す。お前は大丈夫なのかと問う義時に、時連は、鎌倉殿に蹴鞠の才を見出していただいたと答え、そんなことは望んでおらぬと義時が言うも、蹴鞠は遊びではない、京へ上った時に公家と渉りあうためのものと時連は答え、(頼家を)諫めるだけではなく、分かって差し上げること必要であると義時に話す。

伊豆へ発つ頼時は頑張ってくると言うが、初は、そういう真面目なところが息が詰まると言う。同行する鶴丸は、いつも肩に力が入っているのが悪い所だと言い、初は面白くないとまで言う。その頃義時と義村は、2人を結婚させようと話し合っていた。初は頼時にはもったいないが、お前の息子ならと義村。そもそもこうなったのは、義村が初を八重のところへ連れて行ったためで、八重が結び付けてくれたかと義時。



景時、義澄、盛長と御家人たちが次々と世を去ります。このうち景時は討ち取られたわけですが、後の2人は年齢によるものであり、御家人たちも世代交代の時を迎えたと言えるでしょう。その世代交代の代表格のような頼家ですが、宿老たちがいなくなったこと、能員がおだてたことで、自分の思うがままに振舞うようになります。

例の絵図の件はかなり有名ですが、こういうやり方で裁決を下されてはたまったものではありません。一方で頼家とつつじの間に男児が生まれ、次の世代が続々と誕生しています。しかし能員は、一幡が嫡男である、頼朝が正室の子を嫡男にする意向があったとしても、文書に記載されていないと、一幡の後継を正当化しようとします。これがまた新たな火種となります。

元々比企には対抗意識を持っていたりくですが、このままでは比企に鎌倉を、いわば乗っ取られると思ったのでしょう。全成を呼んで呪詛を依頼します。しかし比企の誰かではなく、頼家を呪詛の対象にと言います。無論これは呪殺ではないものの、いつもながらのりくの思い切ったやり方に、時政も全成も驚きます。その全成、妻の実衣は、朝光が去ってから意気消沈したようになり、自分も重責を伴う仕事を任されて、自分の子のことも上の空のようです。その子頼全の文に遭った百檀大威徳法ですが、大威徳明王は呪法と関連がありますね。

そしてこれも関連しますが、乳母夫が3人登場します。まず比企能員です。そして三浦義村、さらに全成です。この時代の乳母制度の縮図のような感じです。しかしこの全成と実衣、先日も書いていますが、どうも千幡の影が薄く感じられます。数えで9歳にもなっていれば、兄との違いを見せるためにも、そろそろ登場させてもいいのではないでしょうか。

時政は相変わらず、北条あっての鎌倉と思っており、常にりくの言うことを受け入れています-但しこの夫婦の場合、こういうやり方の方が、寧ろバランスが取れているように感じられます。あと善児、こちらも二代目を連れて来ましたが、あのトウは、範頼暗殺時の女の子が成長した姿でしょうか。

そして百姓が土地を捨てて逃げ出す、所謂逃散が『おんな城主 直虎』、『西郷どん』に続いてここでも登場します。これは、一種の抵抗手段でもありました。


飲み物-グラスに入った黒ビール
[ 2022/08/01 01:45 ] 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 | TB(-) | CM(0)

『ちむどんどん』第16週感想-3

『ちむどんどん』第16週の感想その3、気になった点と疑問点です。


第79回

  • 案の定あまゆで料理を食い散らかす賢秀ニーニー
  • 「何見てるかおばさん、シッシッ」と重子に言うニーニー
  • またも青柳家に弁当を持って来る暢子
  • なぜか「ずっと仕事を続けたい女性は駄目」に方針変更して反対する重子
  • 「母さんみたいな奥さんがほしいわけじゃない」また母親をディスる和彦
  • 「伸子の人生はキラキラ輝いていていつも充実している」その理由は?
  • 新聞社で私用電話の和彦、なぜかもうあまゆにいる暢子
  • 暢子「同じ世界に住んでるんだのに」
  • 突如ぶち込まれる中原中也と母子の朗読
  • スプーンで、しかも鍋の上に身を乗り出して味見をする暢子


第80回
  • 前日になって御三味の準備をする良子
  • ウークイでも登場したのになぜかここで御三味の説明
  • 急に登場するおばあと義母
  • 良子はこんなに料理ができないのに、食事の準備はどうしていたのか
  • 美味しいと言ってあげるおじいたち
  • マヨネーズ味の天ぷら←マヨネーズの味はしないはずですが
  • 和彦「今のぼくがいるのは母さんのおかげです」
  • 青柳家の弁当はどう見ても暢子が作ったのでなくて仕出し弁当

週の後半になっても、突っ込みどころが多いです。

まず、やはりあまゆに黙って入り込み、料理を食べ散らかしていたのは賢秀ニーニーでした。そして和彦がやっと連れて来た母重子をおばさん呼ばわりし、シッシッと犬を追うように言います。重子が「住む世界が違う」と改めて言うのも無理からぬ話ですが、これでニーニーは顰蹙を買い、ついに暢子の結婚式には出ないとまで言い出します。ギャンブルでご祝儀と言うのは平常運転だと思いますが、やはり誰にも言わずに料理を「がっつく」のは非難されて当然でしょう。しかしそれでも暢子はお金を渡すのですね。

このニーニーの登場シーン、かの『男はつらいよ』のオマージュとも言われているようです。ニーニーの言動にもそれを意識したものがありますが、しかし私が知る限りでは、寅さんはもっと常識人ですし、その寅さんを叱ってくれる人たちもちゃんといました。

また弁当を持って青柳家に現れる暢子。しかも2人分食べて太ったと言う家政婦の波子に、「昆布は太らないしお肌もツルツル」と、何やら健康食品のPRのようなことを言う暢子です。そしてまた和彦は母親と喫茶店で話すも話が合いません。せっかく前日の暴言を詫びたのに、また
「母さんみたいな奥さんがほしいわけじゃない」
などと言い出します。

そして和彦は
「暢子の人生はキラキラ輝いていていつも充実している」
とまで言います。いや、暢子は輝いて充実していると言うより、自分の要求を他人に押し付けているだけのように見えるのですが。そこで重子は、母さんの人生は否定するのねと不機嫌になります。

しかしここで一番わからないのは、当初「住む世界が違う」と言っていた重子が、この時は「ずっと仕事を続けたい女性は駄目」と方針変更していることです。先日のニーニーの醜態を見ても和彦が態度を改めないため、別の理由を持って来たのでしょうか。その辺りのいきさつが描かれていません。その後和彦は、会社から暢子に電話をします。こういう時は、公衆電話(携帯がありませんので)を使うべきかと思いますが…そして暢子はなぜかあまゆにいますが、フォンターナは休みなのでしょうか。

暢子は「同じ世界に住んでいるんだのに」と言いますが、このひたすら前向きとも言える姿勢が、彼女の自分第一主義につながっているように思えます。そして重子は家で「母親なんて空しい」と言いますが、波子は何を勘違いしたのか、「奥様と坊ちゃまのおかげで、私の人生は楽しく充実したものになりました」などと言い出します。その後重子はともかく、なぜか和彦も母親と同じ、中原中也の詩集を超えに出して読む設定になっているのですが、これも何だか唐突です。『おんな事城主 直虎』の、直虎と政次の碁を思い出してしまいます。確かスタッフに『直虎』の人がいましたし。

結局重子は「和彦は渡さない」と決意します。このお母さんが、暢子の態度を批判するのは理解できますが、こういう描き方はやはりステレオタイプだなと思います。その暢子、スプーンで料理の味見をしており、しかもスプーンの中身が鍋にこぼれているのですが、どうもこういうところが不潔に感じられます。

一方で暢子の姉良子は、石川家に持って行く「御三味」を作ります。しかし彼女は料理が下手で、きちんと材料を揃えて本の通りに作っているのにうまく行きません。ここで思うのですが、良子は専業主婦の時代があったはずです。その時、食事はどのようにしていたのでしょう。お惣菜を買っていたのでしょうか。

ともかく準備した御三味を持って良子は別室で待ち、博夫は祖父や父親たちと話しています。そして博夫、昔ながらの考えの祖父たちにうんざりし、良子を認めないと家の敷居をまたがないとまで言い出します。そこで曾祖母のウシと母親の美和子が援護射撃をし、時代は変わった、良子を認めないのなら自分たちで家事をしろと言い、結局良子は御三味を振舞いますが、これがかなりまずく、それでも小太郎たちはうまいとほめ、良子の復職を認めます。

これだけ見ればめでたしめでたしなのですが、よくわからないのが、急にウシのような人物が現れ、すべてを解決してしまうというやり方です。「デクス・エクス・マキナ」と呼ばれるようですが、解決に至るまでを丁寧に描かず、強引に解決に持ち込んでくることを言います。沖縄の場合儒教が強く、男性同士の話し合いが主に登場しますが、少なくともそういう親戚がいたことは良子も知っていたでしょうから、なぜ相談しなかったのでしょうか。

それとこういうのはせめて新婚時代、結婚後数年の間にやっておくべきでした。ならば後々まで問題を引きずることもなく、別に良子も実家に帰ることもなかったのです。この件にしても暢子にしても、問題解決が本人たちの努力と言うよりは
誰かが身を引いてくれる
誰かが自分の代弁者になってくれる
こういうパターンが多いなと思いますし、こういうのが本人たちが成長しない一因のように見えます。

そして青柳家。重子は居間のテーブルの上に、風呂敷に包まれた弁当と手紙があるのを見つけます。手紙は和彦が暢子にす勧められて書いたもので、これまた先日のことを詫び、「今のぼくがいるのは母さんのおかげです」と書かれています。和彦も、何だかその時次第で言うことが変わりますね。しかも鉛筆で縦書きをしていたようなのに、手紙はボールペンで横書きになっています。縦書きは原稿か何かを書いていたのかも知れませんが、紛らわしいです。

そして弁当ですが、どう見ても暢子が作ったようには思えない、仕出しの弁当に見えます。それを重子はおいしくないと言いつつ口に運ぶのですが…一方ニーニー、例の養豚場で生姜焼きをぱくついています。どうもここの主人寛大は、気の進まない娘をニーニーと結婚させたいらしく、男手が必要だと示すために、腰を痛めたふりをしてみせます。しかし、他にもっとちゃんとした男性がいそうなものですが。

あと久々に登場のフォンターナ、店内に男が1人入って来ますが、どうも身なりが堅気ではなさそうです。それは、かつて厨房で働き、突然辞めてしまった矢作でした。矢作は地上げをやっているようですが、その矢作に、かつての同僚がいきなりつかみかかるシーン、あれはちょっとないでしょうね。


飲み物-アイスラテとエスプレッソキューブ
[ 2022/07/30 01:45 ] 朝ドラ | TB(-) | CM(0)

大河ドラマ雑考-59 視聴率と大河ドラマの「しつこさ」

視聴率について、あまりあれこれ書くのも何ですが、前回の『鎌倉殿の13人』、11パーセント台にまで落ちています。元々戦国時代などでない限り、今は平均で10パーセント台前半というのが当たり前になっていますし、戦国大河であっても、せめて15パーセント台前後といったところでしょう。無論先行放送や再放送、あるいはTVを観ない人や裏番組優先の人が多いのも、リアルタイムの視聴率を下げている主な原因ではあるでしょう。しかし数字の下がり方が、予想外に早いなとは思います。

その『鎌倉殿の13人』なのですが、私としては源平合戦の後の描かれ方が、ちょっと今一つの印象があります。あとこれは三谷さんの脚本にありがちなのですが、セリフが長く、それがしんどく感じられることがあります。TVというのは特にセリフがなくても、表情とか周囲の風景などで、人物が置かれている状況を表現できるのですが、それぞれのシーンがセリフで埋め尽くされている感がなきにしもあらずです。前回の頼家と義時のやり取りなども、それと似た印象を受けました。

これだったら、『青天を衝け』の方が寧ろ面白いと思います。無論『青天を衝け』も、やはりおかしいとか不自然だと思うシーンもありましたが、特に『鎌倉殿』の場合、ひところの全成の登場シーンに見られる、コント的な乗りはやはり受け付けられませんでした。しかも1度のみならず、同じような演出が繰り返されるのはどうかと思いましたし、こうすれば皆面白がるだろうなという、制作側の意図が見えるような気がしました。

無論今までにも、言っては何ですが、そういったある種のあざとさを感じたことはあります。たとえば『おんな城主 直虎』で、茶碗をわざと落とそうとしてみたり、エクセルまがいの計算方法を直政が考えたりするのは、私としては抵抗がありましたし、『麒麟がくる』で、アラビア数字の計算式が画面いっぱいに出て来たりするのも、やはりどうかとは思いました。それを考えると馴染めない部分も多々ありましたが、『花燃ゆ』などはまだ制作サイドに迷いがあり、それゆえにまだ受け入れられる部分もありました。

さて前出視聴率に戻ります。世帯視聴率のみを発表するのもどうかと思いますが、それが常に東京の数字のみである必要もまたないかと思います。大河とか朝ドラなどは、その舞台になっている地域の数字も出すべきとは前から書いてはいますし、同じ作品でも東京と大阪ではまた反響が違うでしょうから、いささか手間がかかるものの、ここは複数の視聴率を出してしかるべきではないでしょうか。

蛇足ながら。先日『突撃!カネオくん』で、あんこを特集していました。あんこが作られる様子に、あの『カムカムエヴリバディ』を連想してしまいました。

飲み物ーアイスカフェオレ2
[ 2022/07/21 00:00 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)
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『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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