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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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ラグビーメディアに思うこと-5 日本ラグビー狂会 続き

まずラグビーとは関係ないのですが、ここのところ相撲関係でご無沙汰していました。春場所と夏場所の鶴竜関優勝、名古屋場所の御嶽海関優勝もアップしていなかったような気がします、いやはや。ところで貴ノ岩騒動関連などで、以前相撲に対しての個人的見解を述べていますが、それに加えてもう1つ言いたいことがあります。相撲協会の公式サイトには、優勝や三賞受賞力士が最新の情報しかありません。協会からのお知らせにもないようですが、こういうのは過去1年分くらいを、別にコンテンツを設けてアップするべきだろうと思います。

では本題です。前回「日本ラグビー狂会」について書きました。この時の主宰者N氏、正確には中尾氏ですが、この方はラグビーウォッチャーという肩書で、その時の投稿にも書いていますが、狂会本以外にも自著を上梓していました。最初の著書『おいしいラグビーのいただきかた』は面白いと思いました。それまでスポーツ本といえば、指導者や選手経験のある人の著書が中心であっただけに、観る側からラグビーを語るタイプのこの本は、実に新鮮に感じられたものです。ちょうどその当時、中尾氏は『ナンバー』や専門誌にも投稿していました。

『ナンバー』は早明戦関連記事でした。その他ラグビー関連ムックの対談か何かで、持論を述べていたこともあります。その当時は、むしろ同意するべき点が多かったのです。さらに、これは少し後になりますが、宿沢監督時代の代表で一番特筆するべきことは、スコットランドXV(代表ではありません)勝利でも、ワールドカップのジンバブエ戦勝利でもなく、ワールドカップ予選でスコットランドとアイルランドと同じで、一番リーグ戦突破しやすいBグループを狙い、見事そこに駒を進めたということを述べていて、これも同意できました。

その後の『15人のハーフバックス』、これは1991年のワールドカップに合わせて発売されています。これはかつて海外遠征した日本代表が小柄で、小柄な選手が務めることが多い「ハーフバックス」、つまりスクラムハーフとスタンドオフのような体型の選手ばかりというのを、遠征した国の人が多少揶揄した表現です。この頃は日本代表のこと、そして過去の海外遠征のことなども客観的に書かれていて、読むのが楽しみでした。その後も何冊か出版されますが、こちらも、1995年ワールドカップ後から雰囲気が変わって行きます。

この辺りからどう変わったかというと、まず神戸製鋼叩きが目立つようになった点です。またこの当時、明治大学ラグビー部に絡む不祥事があり、そのことも結構詳しく書かれています。それはともかくとしても、ラグビーそのものを観客の視点から見るというコンセプトの本としては、何か違和感がありました。確かに神鋼批判にしても明大の不祥事にしても、なるほどと思われる部分はありますが、どこか週刊誌的になって行った印象が少なからずあり、どちらかといえば、ラグビー界の内部事情といった印象さえ受けました。

しかも神鋼のスティーラーズという愛称、これがどうもお気に召さなかったようです。本来は新日鉄釜石がつけるべきものなのに、なぜ神戸製鋼なのか、やったもの勝ちなのかなどといったことも書かれていました。しかしこれはどうかと思います。しかも神鋼の場合はナダハマーズ(灘浜グラウンドにちなむ)がいいというのはまだしも、サウザンズ・レイオファーズという表現まで飛び出したのには驚きでした。ラグビー部を維持するために解雇されている人物がいるからということですが、随分強烈だなと思うと同時に、流石にこれはないだろうと思いました。

実際中尾氏は平尾誠二氏があまりお好きではなかったようです。それが神戸製鋼に対する感情につながって行ったとも取れます。また大学ラグビーが好きな一方で、特定の大学チームを批判してみたりといった記述もありました。後の方になるにつれて客観的というよりも、好悪で物を判断しているように受け取れてしまい、結局こちらの方も、2000年前後で読まなくなりました。ご本人がライターとしてもう少し活躍していれば、また違ったのかもしれません。尚この投稿は前の分の続きということで、通し番号は5としています。

それからこれは余談ですが、JSPORTSでU15の野球世界選手権をやっていました。年齢的なものもあり、グラウンドも小さく観客も少ないし、おまけに日本にしてみれば勝って当然の相手も多いのですが、ああいう経験を積ませるのも大事かなと思いました。高校野球がすべて悪いとは言いませんが、選手を育てるうえで、やはりどこか問題を抱えているように見えます。しかし高校野球主催の朝日新聞が、熱中症に気をつけて炎天下の運動はやめようと言っているのは、どこか矛盾しているように見えますね。

飲み物-ブラウンエール
[ 2018/08/13 01:00 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

ラグビーメディアに思うこと-5 日本ラグビー狂会

今回はラグビーメディアといえるのかどうかわかりませんが、「日本ラグビー狂会」(協会ではありません)に関してです。元々これは市井のラグビーファンによる組織となっていましたが、実際のところはラグビーライター、あるいはライターではなくても、何らかの形でラグビー書籍を手掛けた人が中心となっていました。無論他に職業を持っていて、ラグビー好きな人もいましたが、ある程度有名な人々が多かったのは事実です。このためどちらかといえば、メディアや本で書けなかったことを、この狂会が出版する書籍で発表するような形になっていました。

初期の頃(1990年代前半)はそれなりに面白く、また書籍そのものも、主宰者(といっていいのでしょうか)N氏の書籍も合わせて、毎年シーズンになると関連本が書店の棚に並べられていました。しかし1990年代後半になると、徐々に似たようなパターンになって行きました。メンバーも一部変わったりもしましたが、その人たちが必ずしも定着するわけではなく、内容も本来のラグビーを楽しんで見る、あるいはラグビー界の今後といった内容からやや外れて行きました。個人的には、1995年のワールドカップ後に出版された分から何かが変わったように思います。

この号は、日本がニュージーランドのオールブラックスに、17-145と大敗したことを大きく取り上げていました。メンバーそれぞれのコラムも、その敗北、あるいはワールドカップにおける日本代表の問題点ばかりでした。無論問題提起としてはよかったし、中には、日本代表の練習が緊張感を欠いていたのを知りながら、それを伝えるのを怠ったことを反省した人もいました。また、代表のあるべき姿を綴った人もいて、それは納得できるものでした。しかしN氏のコラムで、その年世間を震撼させたカルト教団と、代表首脳部をリンクさせるような表現があったのはどうかと思いました。

これは平尾氏と日本代表関連の投稿でも書いていますが、確かにこの時の代表首脳陣が、どこか指導力に欠けていたのは事実だったでしょう。しかしこういう表現をされると、何か後味の悪さを感じるものです。その後の狂会関連本は、楽しく見るというテーマのコラムももちろんありましたが、どこか雑誌記事の延長のように見えることもありました。そしてN氏もラグビー本を上梓していましたが、特定のチーム、特に神戸製鋼への批判が激しくなったように思いました。私は神鋼ファンではなかったのですが、読んでいて如何なものかと感じることもありました。

それぞれに好き嫌いがあるのは致し方ないことです。ただしこの時のN氏の神鋼への批判、あるいは揶揄に関してはやはり疑問でした。他にも大学チームなどでも、同様の記述が見られたこともあります。そしてそれと呼応するかのように、狂会本もややマンネリ化した印象がありました。そして1999年のワールドカップ、この時も以前書いたことがありますが、お約束のような日本代表叩き、そして外国チーム礼賛に終始したふしがあります。この時の日本代表も結局は勝てず、またいいプレーも見られなかったから、批判されるのはやむをえないことでもありました。

実際この時はインタビューの書き起こしもあり、これが事実なら批判はやむなしかと思われました。しかしだから日本は何をすべきかというのではなく、フランスが素晴らしい、アルゼンチンはよくやった、オーストラリアのプレーはつまらないといった論調のものでした。ライターが溜飲を下げるための書籍といった感じで、結局その翌年の分を最後に狂会本は読まなくなりました。今も不定期に出ているようですが、メンバーもそこそこ変わったようですし、何よりもネットで情報収集と発言ができるようになったこともあり、今はそれで充分すぎるほどです。

飲み物-黒ビール
[ 2018/07/27 00:30 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

ラグビーメディアに思うこと-4 ライターの節度

ラグビー代表と平尾氏番外-1999ワールドカップとメディア その1その2で、1999年のワールドカップに於けるメディアについて書いたことがあります。その4年前、1995年の大会でもそうでしたが、大会前の代表にあまりにも肯定的で、非の打ちどころがなさそうなのが逆に不自然に感じられ、箝口令でも敷かれているのかと思ったほどです-どちらかといえば、これは1995年の大会時に感じたことではありますが。また殊更に外国チームの姿勢、これは特に1999年のフランスやアルゼンチンのプレーをほめそやす姿勢、彼らの頑張りに関してどや!と言わんばかりの記事に、いくらかの嫌悪感を覚えたこともありました。

そのような記事の一例として、このようなものがあります。この1999年大会で、日本代表の強化陣は体格の差を敗因に持ち出しました。しかし相手チームより、日本代表の方が(外国出身選手もいるため)平均サイズはこの場合日本が上でした。正直な話、代表サイドもこういう言い訳をするべきではありませんでしたが、一方で、そんなの言い訳にならないじゃないかと、何やら相手の非をあげつらうが如き口調の記事があるのもどうかと思いました。ライターには、結構癖の強い人もいるのはこちらも承知ですが、かと言って相手の揚げ足取りをするのも如何なものか。また海外のチームのみならず、海外のライターまでを引き合いに出したライターもいました。

海外記事を引き合いに出したその人は、日本のメディアではとてもこうは行かないと書いていました。その記事は、チームの強化は短期と長期、それぞれの計画から物事を進めなければならない、肝心な時に勝てない代表ではどうにもならないと前置きしたうえで、代表監督にそれとなく辞任を迫るという、至極当たり前なものでした。その人の言に従えば、日本のラグビーメディアでは、そういうことも書けないということになります。この時期、日本のラグビーは根本から変わるべきと書いた人がいましたが、ならば、ラグビーメディアもまた、根本から変わる必要があったというべきでしょう。

もう一度前出の人物、サイズの違いに関する記事を書いた人物についてですが、その後萩本光威氏が監督に就任した際に、強化委員長を平尾監督時と同じ人物が務めることになり、そのライター氏がインタビューをすることになりました。この時このライター氏は、その強化委員長の強化方針について、これこれこういうやり方でやらなくていいのかと、あたかも相手に指示するが如き口調でインタビューを行ったのですが、これは大いに問題ありでした。のみならず、このライターにインタビューを依頼したラグビーマガジン編集部も、考えるべきだったと思います。言い方が悪いのですが、これではインタビューではなく、喧嘩を売りに行ったようなものです。

その人にしてみれば、自分の理想に近い方法を取らないであろう強化委員長が、如何にも歯がゆい存在だったのでしょう。しかしこの場合その人はインタビュアーであり、協会関係者でも、前任監督でもなかったのです。その人に強化のあり方を指図する理由はありませんし、同じ諫めるにしても、もっと方法を変えるべきだったでしょう。相手も不愉快そうでしたし、なんだか子供じみているなと思いました。無論一方ではきちんと取材をし、外連味のない記事を書く人物もいるのですが。さらに今の日本では、ラグビーは決してマイナーではないと思いますが、記者の人数が、今のラグビーシーンをカバーできるほどになっているのか、その辺も疑問ではあります。

(2018年7月14日一部修正)

飲み物-パブのビール3杯 
[ 2018/07/14 01:15 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

ラグビーメディアに思うこと-3 善戦の美学その2

まず、大雨による水害に遭われた多くの方へお見舞い申し上げます。

昨日の続きになります。宿沢-向井体制で迎えた2003年ワールドカップは、平尾氏の時よりも試合内容は評価されたものの、白星を挙げるには至りませんでした。これに関しては、英文メディアに寄稿している英国人ジャーナリストで、日本のホームで行われるスーパーラグビーのコメンテーターも務めているリッチー・フリーマン氏が、試合数が絶対的に足りないと言っています。その後向井氏の後任に萩本光威氏、そして初めての外国人HCであるジャン=ピエール・エリサルド氏が就任しましたが、いずれも在任期間が短かったこともあり、芳しい成績は残せませんでした。特にエリサルド氏は、フランスのクラブの役員を兼任したことが仇になりました。

その後元オールブラックスのジョン・カーワン氏がHCに就任し、チームを1つにまとめ上げ、更に翌年のフランスでのワールドカップでは、実力の拮抗した相手となら互角に戦えることが証明されました。この時も白星はなかったものの、カナダと引き分けました。その後春のウィンドウマンスはパシフィック・ネーションズ・カップでフィジーやサモア、トンガと試合を行い、秋は北米勢中心に試合を行いました。ちなみにウィンドウマンスの規定が定まったのは1999年で、この時期は、代表に選ばれた選手は必ず、所属チームからリリースされなければならなくなりました。そして2011年のワールドカップは、カーワンHCの母国ニュージーランドで行われました。

この大会で、カナダとトンガには勝てるという下馬評がありましたが、結局トンガには負け、カナダとはまたも引き分けに終わりました。その後はスーパーラグビーやオーストラリア代表の監督を務め、サントリーサンゴリアスのアドバイザーでもあったエディー・ジョーンズ氏がHCに就任します。この人物はそれまでの監督/HCの中でも、特に勝つことをポジティブに捉え、ホームでウェールズに勝ってもいます。また野球選手がMLBを、サッカー選手が海外移籍を目指すように、ラグビーもスーパーラグビーを目指すべきだとコメントし、選手の海外でのプレーにも前向きでした。

そして2015年大会は南アフリカ、サモア、そしてアメリカに勝利することになります。また翌年から日本からサンウルブズが、スーパーラグビーに参入することも決まりました。かつての善戦に甘んじていただけの日本代表からは、かなり大きな変化が見られるようになりました。またスーパーラグビーを経験することにより、アタッキング中心のプレー一辺倒ではなく、ディフェンスにこだわったり、キックを織り交ぜたりしたプレーも見られるようになりました。つまりその時々によってプレーを使い分けるようになり、また南半球の強豪と競り合うこともあって、タフな試合に耐えられるようになって行きます。

ではメディア関連として、『ラグビーリパブリック』の記事をご紹介しておきます。

【森本優子コラム】強く野に在れ、サンウルブズ。

この森本氏は、ラグビーマガジンの編集者でベテラン記者でもあります。記事中に、タフな条件の中に身を置くことの重要性が触れられています。ただ「可愛い子には旅をさせよ。」に関してはやや疑問もあります。この言葉は、情に溺れるのを抑えて、敢えて辛い立場に身を置かせるという意味がありますが、元々スポーツの本質が勝負、ひいては勝利にある以上、鍛えるために厳しい条件下に自分を置くというのは、課せられた義務であるといえなくもありません。

いずれにしても、勝つこと、タフな試合を経験することがラグビーの目的となっているのは喜ばしいことです。上記記事によれば、一応5年間はスーパーラグビーでプレーすることになっていますが、その後も継続して行くべきでしょう。ラグビーメディアとしても、それをアピールしてほしいものです。次のワールドカップ後も、引き続き強豪との国際試合はできそうです。結局何らかの形で結果を残して行くことで、評価を高めて行くしかないわけですし、善戦をしてもらう拍手と、勝利したうえでの拍手とではまた意味合いも違って来ます。かつて強い相手と試合できなかった時代は、善戦もやむなしではあったのでしょうが、ラグビーを取り巻く環境はかなり変化しました。

どうも「善戦」という言葉に問題があるのかもしれません。いくら言ってみたところで、善戦はやはり負けなのです。強豪相手に力を尽くして戦ったのであれば、負けて悔いなしというところかもしれません。しかし勝利を得ようとするのであれば、いいプレーを見せることのみにこだわれないのもまた事実です。もっといえば、少々グレーゾーン的な手を使ったとしても、勝ちに行くくらいの気持ちがあってもいいわけです。国際試合ではなくリーグ戦であっても、強豪を相手に試合をすることにより、試合での駆け引きはより鍛えられるわけですし、何よりも善戦でなく勝ちを主眼に置く以上、継続して強い相手に勝てるくらいのタフさは求められてしかるべきでしょう。

飲み物-パブのビール
[ 2018/07/08 01:00 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

ラグビーメディアに思うこと-3 善戦の美学その1 

前回の「ラグビーメディアに思うこと-2」の最後の方で、「善戦の美学」についてちょっと触れました。今回と次回はこれに関してです。ラグビー日本代表は、ワールドカップ本大会だけでなく、ワールドカップ体制確立前も負け試合は結構あり、勝てる試合はたとえばアジア勢相手、あるいは北米勢相手などきわめて限られていました。そもそも大学中心で、代表チームがさほどに重要視されていなかったこと、また、どのような指導者でも最低限勝てるという基本方針が、あまりはっきりしていなかったこともあります。また本来は国代表でない相手であっても、試合に出た選手にはキャップを与えていたというのも、その一因かと考えられます。

何よりもワールドカップ体制が出来る前の定期的な国際試合といえば、
五か国(現・六か国)対抗
ブレディスローカップ(ニュージーランドとオーストラリアの定期戦)
五か国勢とニュージーランド、オーストラリアの交流試合
この程度でした。日本は五か国でもなければオセアニア強豪国でもなく、日本協会が強化のために招聘するチームと時々試合をする時、そしてアジア選手権のために代表が招集されており、従って代表の活躍する時期は、かなり限られていたといえます。そしてワールドカップが始まった後も、この状況は続きました。

そのためアジアでは勝ってワールドカップへの切符を手に出来ても、本大会ではジンバブエ戦以外は、白星を挙げられない状態が続きました。そしてニュージーランドに大敗した1995年大会の翌年、やっとパシフィック・リム選手権が出来て、香港や北米との定期戦が可能になりました。しかしこれは5月から6月、今の春のウィンドウマンスの時期に限られており、秋のウィンドウマンスの時期は国内リーグのみが行われていました。他の強豪国の方が試合が多い状況なのですから、どう考えても日本がワールドカップで勝利を挙げるのは、組み合わせに恵まれていたとしてもかなり厳しいといえました。

それ以前から強豪国に対しての試合は
「試合には負けてもいい試合をする」
が、日本代表の不文律のようになっていました。勝利をほめられるというより、いい試合をした、日本独自のスタイルを見せたというので評価されるのが、恒常化していたわけです。もちろん何も評価されない負けよりも、評価されての負けの方がはるかにいいのですが、肝心の「勝ち」をどうやってもぎ取りたいのかのノウハウが、この「善戦の美学」により、どこか霞んでしまった印象もあるにはありました。

国際試合のみならず、国内でも似た状況がありました。かつて日本選手権には大学チームが出場していました。元々は社会人と大学が拮抗していたため、社会人に勝負を挑んで勝ちに行くのが目的だったのですが、その後両者の差が開くようになり、次第に大学側の姿勢が「社会人の胸を借りる」にトーンダウンした感がありました。無論大学の選手にしてみれば、勝ちに行くつもりではあったのですが、実際試合をしてみると歯が立たない相手となっていたのです。そのため社会人に挑戦し、いいプレーをして負けるというのが、大学の目的のようになって行ったのですが、「胸を借りる」のが目的というのも妙なものではありました。

そして平尾監督辞任後、代表監督に向井昭吾氏、強化委員長に宿沢宏朗氏が就任した際も、宿沢氏のコメントには「いい試合をする」「拍手をもらう」といった表現が目立ちました。無論「勝つ」という言葉もあるにはあったのですが、宿沢氏はやはり善戦にこだわっているのではないか、そう思ったファンも少なからずいたかもしれません。宿沢氏の方針として、アマチュアでやりたかったのかもしれない、あるいはプロの強化スタッフでやるとしても、協会側の報酬が少ない、さらには今までの銀行員としてのキャリアも捨てたくないなどの理由もあったかもしれません。しかし、どこか中途半端な印象を与えたようにも見えました。

飲み物-ブラウンエール
[ 2018/07/07 01:00 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

ラグビーメディアに思うこと-2

かつて宿沢宏朗氏が代表監督を務めていた時、メディアはスコットランドXV戦の勝利を殊更に讃え、また1991年ワールドカップのジンバブエ戦勝利を、これもまた讃えていました。確かにスコットランドXV戦は、5月下旬とはいえ、日本ならではの気温の高さと湿気にも助けられ、勝利を見事にものにしました。そして1991年の大会で、北アイルランドのレイベンヒルで行われた試合でも、大差をつけて勝つことができました。この両試合での選手及びコーチは、当時のアマチュア体制の仲ではベストを尽くしたといえるでしょう。

しかしそれと同時に、メディアは他の部分にも目を向けるべきでした。スコットランドXV戦は、XVと書いているように選抜チームであり、正式な代表チームではありませんでした。つまりこの時の試合は、日本に取ってはキャップ対象試合であったも、相手に取ってはキャップ対象ではなかったわけです。実際この試合でいい動きを見せ、その後の国際試合で初めてキャップを得たスコットランドの選手もいます。メディアがこのチームをスコットランドXVと書かずスコットランド代表と書くたびに、いささかの違和感を覚えて来ました。

それからジンバブエ戦ですが、かなりこれは一方的な試合でした。日本のオリジナリティが発揮され、スタンドからも応援があったと書いたライターもいましたが、むしろ当時の専門誌の別冊にあった、大味な試合という見方の方が正しいように思いました。もっといえば、この時はジンバブエ戦に勝ったことをほめそやすのではなく、なぜアイルランドに負けたのかをきちんと検証するべきでした。アイルランド戦は結構互角に渡り合えた試合であり、それに勝つには何が必要であったのかを、吟味するいい機会だったのですが。

その一方でワールドカップ予選の時、敢えて西サモア(現・サモア)戦を若手の経験を積む場と割り切り、2勝1敗でリーグ戦通過を狙えそうなグループに入ったのか、その辺りに言及したメディアはどのくらいあったでしょうか。またとあるメディアでは、かなり前ですが、スコットランド代表(XVとは書いていません)に勝ち、ワールドカップでも勝った唯一のチーム、だから凄いといった書き方をしていました。何か短絡的だなと思いました。無論その後エディー・ジョーンズHCにより、ワールドカップの勝利記録は塗り替えられることになります。

そもそも日本代表が、国際試合では負けることに慣れており、それゆえどのチームとの対戦であれ、勝利に価値を見出したがったのはわかります。しかし同じ勝利であっても、対戦チームによってその意味は大きく異なります。なのにワールドカップといえば、対戦相手がどこであれ、2勝してリーグ戦通過というのが、目標として半ば自動的に設定されていました。こういう姿勢を見る限り、実際のところ多くのメディアが、日本代表はどこに勝利すれば評価を得られるのか、それを理解していなかったのではないかとさえ思えるほどです。

無論ワールドカップで勝ってほしいというのは、メディアとて同じことでしょう。しかしメディアの報道は、一般のファンの見方とは違ってしかるべきで、もっとシビアに物事を見る必要があります。以前にも触れましたが、大会前の根拠なき期待(例外もあり)、そしてリーグ戦敗退後の手のひら返しともいえる他国との比較などは、報道の名にはふさわしくありません。それと「善戦の美学」、これがまた勝利を追求して行く中で、やや足枷になった感も否定できないのですが、それについてはまた次の機会にします。

飲み物-缶ビール
[ 2018/06/18 00:15 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)

ラグビーメディアに思うこと-1

平尾氏関連でラグビーメディアに言及したことがありましたが、それに関してもう少し。まずこれはラグビーメディアのみならず、いくつかのスポーツメディアに関していえることですが、雑誌系メディアでは、海外メディア、あるいは海外のライターと提携している記事が掲載、または連載されています。実はこの日本語が読みづらいことがしばしばあります。最近は雑誌もあまり読まなくなり、いくらか変貌を遂げているのかもしれませんが、過去にはそういうことが何度かありました。

以前、あるスポーツのメディアの翻訳記事が読みづらく、辞書をきちんと引いているのか疑問に思えることもありました。無論、ラグビーメディアもしかりでした。当該メディアの他の日本語の記事に比べると、どこか読みづらく引っかかるものがあり、外注で訳しているのかもしれませんが、もう少しチェックを入れてほしいと思ったことも少なからずあります。例として専門誌のある記事で、「選手の崩壊」なる表現が出て来たことがあります。

普通人間に対して「崩壊」などという言葉は使いません。恐らくは名声が落ちたとか、あるいはこの人は代表選手であったため、代表落ちしたといった意味でしょう。その他にも専門誌のワールドカップ展望号、つまりワールドカップ出場チームのメンバー、前大会の成績などが記載されている別冊ですが、これにも海外選手の取材記事の翻訳で、「チームの手綱を引く」とか、「生真面目で開放的だ」などといった表現が登場しますが、日本語としてどうも不自然さがあります。

「手綱を引く」の手綱は恐らくreinと思われますが、keep a rein onで統率するという意味がありますから、この場合は、チームをまとめるといった程度の意味でしょう。それと「生真面目で開放的」というのも妙な感じです。開放的なという意味の単語には、openとかfrankなどがありますが、この2つの単語には「率直な、意見を受け入れる」という意味がありますので、多分そちらの方の意味だと思います。

この別冊は1995年のものなのでちょっと古いのですが、その後も海外関連の記事で、何を言いたいのかよくわからないといった表現が垣間見られたことがあります。こういう記事を訳して載せるということは、海外事情を読者に知らせるのが目的であるはずなのですが、文章の日本語がぎこちなければ、読む側に伝わるべきものも伝わりません。スポーツメディアはこの辺りが大ざっぱに感じられることがあります。今も掲載されているのであれば、わかりやすい日本語であってほしいです。

この90年代はまだ既存メディア中心でしたが、その後のネットの発達と共に、情報を得る手段はネットへと移って行き、その結果、既存メディアだけではわからなかったことも、わかるようになって行きます。現在の新聞雑誌の低迷はそれが一因になっています。ラグビーメディアも、恐らくはその例に漏れないのではないかと思います。今後ラグビーメディアを巡る諸問題(と思われるもの)について、しばらく書こうかと考えています。

飲み物-パブのビール3杯
[ 2018/06/04 00:30 ] ラグビー | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

『西郷どん』復習の投稿をアップしている一方で、『鎌倉殿の13人』の感想も書いています。そしてパペットホームズの続編ですが、これも『鎌倉殿の13人』終了後に三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、日本でのワールドカップで代表は見事ベスト8に進出し、2022年秋には強豪フランス代表、そしてイングランド代表との試合も予定されています。そして2023年は次のワールドカップ、今後さらに上を目指してほしいものです。

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