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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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花燃ゆ-30 続き なぜ『龍馬伝』ではうまく行ったのに『花燃ゆ』では失敗するのか

前後しましたが、本編の続きです。このドラマに加えて『花神』を観ていることは、既にお伝えしていますが、『龍馬伝』も参考のために録画分を観てみました。正直いって、こちらの方がよほど史実に踏み込んでいます。『龍馬伝』も結構色々いわれてはいましたが、史料が多い、あるいは多少創作が入ってもそう違和感がないという点において、やはり杉文とではかなり事情が違うと見るべきでしょう。実はこの『龍馬伝』のプロデューサーは、『花燃ゆ』のチーフプロデューサーである土屋勝裕氏です。

つまり多少創作が入っても、主人公が独り歩きしがちな場面、勇み足がちな場面があったにしても、龍馬だからというので許されたところはあったかと思います。しかし、それは歴史上無名の女性には通用しませんでした。『龍馬伝』と同じことを『花燃ゆ』でやっても失敗の可能性の方が高く、実際そうなっているといっていいでしょう。先日の、四境戦争をテーマにした回にしても、美和と雅が夫の浮気であれこれ話す場面に時間が割かれたり、一体何を考えているのかと思います。もちろん、何度も書くようですが脚本もよくない。

『龍馬伝』の脚本家は福田靖氏です。この名前を見て、ぴんと来た方もいるでしょう。そうです、『ガリレオ』シリーズの脚本担当の方です。ですから、福山雅治さんを主人公にした脚本に関しては、それなりにノウハウがあったと思われます。それに、『龍馬伝』の千葉道場の若先生、重太郎を演じたのは渡辺いっけいさん、つまり「栗林さん」ですし。この辺の脚本家選びというのは、かなり大事ですね。福田さんが脚本を手掛けていたら、多少は違った物になったかもしれません。あるいは、井上真央さん主演の『花より男子』の脚本担当者が手掛けても、違ったものになっていたでしょうか。

それにしても、龍馬は土佐の人間であるにも関わらず、これを観ると、長州の情勢は結構描かれています。無論薩長同盟や、亀山社中絡みの、第二次長州征伐関連が中心ではありますが、薩長同盟にしても、小松帯刀邸がこちらは登場していますし、もちろん小田村伊之助はその場にはいません。そして高杉や山県が攻め入った門司や小倉での戦いも登場します。長州の人間である杉文が主人公の『花燃ゆ』で、こういったことが、さてどのくらい描かれたでしょうか。

『花燃ゆ』では、大島口の戦いは登場します。これは領民を巻き込んだかなり凄惨なもので、後に長州藩は丙寅丸を派遣し、その後世良修蔵が活躍することになります。それはいいのですが、肝心の高杉が上陸した後の、小倉周辺における戦いがほとんど出て来ません。ちなみに『龍馬伝』では、上陸後、着流しの裾をからげて、三味線を抱えた高杉のそばで爆発が起きるという演出がなされていますが、そういう場面も今回はありません。というか、本来の主人公であるはずの高杉がやけに割を食っています。

今後高杉の病気に関しても書く予定で、『龍馬伝』との比較はその時にもまた書きたいと思います。しかし『花燃ゆ』と『龍馬伝』も結構キャストがかぶっています。杉梅太郎(民治)の原田泰造さんが近藤勇役ですし、吉田松陰役の伊勢谷友介さんが高杉晋作です。また、品川弥次郎役の音尾琢真さんは『龍馬伝』では望月亀弥太ですね。無論『龍馬伝』と『八重の桜』の両方に出演している人もいますが、『花燃ゆ』と『八重の桜』のキャストのかぶりは少ないようです。それと、先日『花の乱』のキャストについてちょっと触れましたが、『花神』の吉田松陰、伊藤俊輔、井上聞多がそれぞれ出演しているのが面白い。「花」つながりということで、『花燃ゆ』小田村伊之助役の大沢たかおさんが、この『花の乱』で大河デビューを果たしています。

飲み物-コーヒー
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[ 2015/09/03 00:27 ] ドラマ ガリレオ | TB(-) | CM(0)

ガリレオXX 内海薫最後の事件 「愚弄(もてあそ)ぶ」 3.内海薫と岸谷美砂

この「内海薫最後の事件」はスピンオフ作品で、内海薫が主人公となって、上念研一の悪行を暴く展開になっています。湯川学も内海にヒントを与える程度にしか顔を出しません、つまり「内海薫ワールド」といえ、モノトーン、タイト、真面目、ひたむきといった彼女のイメージが、強く感じられるようになっています。『ガリレオ』は第2シリーズで、女性刑事岸谷美砂が登場し、貝塚北署での内海のポジションを引き継ぐ格好になりますが、この2人はかなり対照的です。

内海に比べ岸谷は派手好き、先輩刑事にタメ口を利く不思議ちゃんといった印象で、ある意味お嬢ちゃま的な刑事でもあります。初回のハイヒール(10センチ近くありますね)での捜査中に、足を傷めてしまう所も、彼女のキャラを物語っているといえます。結局彼女もその後は、黒っぽいパンツスーツに中ヒールの靴というスタイルになるのですが、湯川への接し方や扱う事件もまたかなり異なったものがあります。

たとえば第1シリーズに比べると、第2シリーズの脚色はオカルト的な物が多い印象があります。実際岸谷は署で「オカルトちゃん」などと呼ばれています。内海が研究室を訪れる際は、大なり小なり彼女が関わった事件、つまり仕事に関するものであったのですが、岸谷の場合は、湯川と学生たちの実験を見学しにやって来ている時もあります。また、内海が研究室のインスタントコーヒーを飲んでいたのに対し、岸谷は外でコーヒーをテイクアウトして、研究室に持ち込んで飲んでいるという違いがあります。

バディというのは本来男性同士のものを指しますが、敢えて湯川と内海、あるいは岸谷の関係をもバディと呼ぶのであれば、その言葉がふさわしいのは、湯川と内海のように思えます。湯川と岸谷は、不思議ちゃん的な部分では何かしら似通った感があり、そこがどこか反発を招いているようにも感じられます。無論それぞれのシリーズに、それぞれの持ち味があって面白くはあるのですが、個人的には第1シリーズの方が好きです。しかし『真夏の方程式』では、岸谷が多少内海的な雰囲気を醸し出しているように感じられます。それだけ大人になったということでしょうか。それにしても、本来は彼女たちと先輩刑事が相棒関係にあるべきですが、その先輩たちがお世辞にも有能といえないのが痛し痒しです。

それにしても、この作品の最後の内海の号泣は何だったのでしょう。何かふっ切れたようにも取れますし、まだ自分は未熟だと悟っていたようにも見えます。ともあれ、彼女はこの後オクラホマ研修へ旅立ち、その時湯川に恐竜の模型をお土産として持ち帰るのですが、岸谷が勝手にそれを作ってしまうのが、また彼女らしいともいえます。

飲み物-アイスティー
[ 2015/08/22 21:06 ] ドラマ ガリレオ | TB(-) | CM(0)

ガリレオXX 内海薫最後の事件 「愚弄(もてあそ)ぶ」 2. ゲームは続く

『内海薫最後の事件』第二弾です、本当は"The Game is on"にしようかなと思ったのですが、BBC版ホームズと紛らわしいような気もして、敢えて日本語で。登場人物の1人である上念が、元ゲーム作家という意味合いもあります。この上念ですが、何というか、ひとの不幸=殺人事件を利用して自分の名前を出そう、あわよくば盗作疑惑で追放されたゲーム業界にもう一度戻ろうという、何ともあさましい人物ではあります。彼の弁護士もちょっと胡散臭そうなので、あるいは入れ知恵ということもあるのでしょうか。

しかも、彼に訪れたチャンスというのは、自分が手を下していないこともあり、偶発的なものが多いのです。たとえば岩見家に彼が派遣されたこと、天袋から取材ノートを見つけ出したことなど、偶然といえば偶然の産物です。また、認知症である岩見芙美を監視するためのカメラに、関岡が映っていたのを目撃して、日曜なのに岩見家に足を運ぶ、そこでたまたま殺人事件に巻き込まれ、自分が犯人とされたことを利用したわけで、何かこう、棚ボタ的なチャンスをうまく利用したとはいえます。普通ならば、とんだ濡れ衣だで終わらせてしまうのでしょうが、その辺りは抜け目がないといえそうです。しかも、脅迫メールを送ったのは自分でなく、修理先の他人のPCからです。「他人の褌で相撲を取る」を地で行く人物のようにも見えます。

長野に移送され、東京で誤認逮捕されたと語り始めた上念は、正にゲームのヒーロー気取りでした。あれは誤認だ、自分は潔白だから始まり、その当時世間を騒がせていた猿渡事件に乗じて、うまく保身を図った上念は、カムバックを果たそうとし、誤認逮捕の主人公である自分を演じきろうとします。確かに自分で手を下してはいませんし、その意味では誤認なわけですが、明らかに彼は殺人のきっかけを作っているわけです。もっといえば、自分の手は汚さず、自分の不利になるということも避け、堂々と他人に責任をなすりつけ、しかも、そういうことへの呵責に苦しむことは皆無の人物と考えられます。

しかも自分だけの空想の世界で終わればよかったのですが、何せ業界カムバックという目的がある以上、本を出し、講演を行い、しかもサイン会までやってしまうという、どう見ても売名行為にしか見えないことをやってのけます。一旦ゲーム業界を去って介護士となったものの、彼の頭の中には、かつて自分が名声を博した業界へのこだわりが根強く残っていたといえそうです。東京に来たのは、芙美に東京見物をさせたいからだといっていた上念ですが、ホテルの周りでこの2人の目撃証言がなかったことを考えると、明らかに自分が逮捕される目的で東京へ行き、長野に移送された時点で、東京での証言は嘘だ、冤罪だと答えるだけの道筋はつけていたようです。

こういう人間だから、「未来宅配便」なる業者から、3年後の自分に証拠映像を送ろうとして足がついてしまったり、内海から非難されて、鼻で笑っていればいいものをつい手を出し、現行犯逮捕されるといった、いわばドジなことをしでかしてしまうのでしょう。ゲームは壮大なファンタジーであるものの、いつか終わりは来る。その終わりに、「ヒーロー」上念は、とんだ現実を突き付けられたといえそうです。

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[ 2015/08/19 23:51 ] ドラマ ガリレオ | TB(-) | CM(0)

ガリレオXX 内海薫最後の事件 「愚弄(もてあそ)ぶ」 1.あらすじ

ある日内海は、飛び降り自殺した自分を自分が調べる夢を見て飛び起きる。30歳を目前にした内海は、今後も男社会の警察の中で刑事を続けるべきかどうかで悩んでいた。間宮警部からのオクラホマ研修の話を勧められ、自分は署内で必要とされていないのではないかと悶々とする。

その後しばらくして、赤いドレスの老女を車椅子に載せた男を職責したところ、その老女、石見芙美は既にこと切れていた。車椅子を押していたのは介護士の上念で、老女の願いを聞き入れて長野から上京したのだというが、実は上念は長野県警から、芙美の娘の千加子の殺害容疑で指名手配されていた。内海は上念の取り調べを行うが、長野に移送された後は、東京での取り調べとは全く違う供述を始め、現場を混乱させる。

誤認逮捕の疑いも出て来たため、内海は長野にとどまり、長野県警御坂署の刑事で、後方支援担当の当摩と共に再調査を始めた。そんな折、地元紙の記者甲本から、長野県警宛てに怪文書がメールで出回っていることを聞かされる。その内容は以下の通りだった。
「不正警察官Y・Tは人殺しだ。無実の記者を自殺に追い込んだ」
一方で内海は、署長の高崎依子と気が合い、警察の中での女の立場について互いに意見を交換し合う。しかしその後の東京からの連絡で、誤認逮捕として有名になった、猿渡事件の二の舞だけはやめろと釘を刺される。

猿渡事件というのは、主婦殺害で逮捕され、獄中で病死した猿渡という男が、実は誤認逮捕だったという事件のことである。この事件を追っていた記者は、その後自殺したことになっていた。実はその記者、岩見隆治は、殺された千加子の父親だった。しかも時を同じくして、内海にメールの件で情報をくれた甲本が、練炭による自殺体で発見されるが、自殺と断定するにはどこか不審な点があった。その後、内海は一旦東京に戻ることになる。

東京に戻った内海は、湯川研究室を訪れる。そこで目にしたのは、蛍光灯を使った実験だった。蛍光灯の発光のシステムは、内部の電子を加速するのが元になっていて、そのため電源から外しても、外部から刺激を与えればは行するという湯川に、内海はあるヒントを感じ取る。結局内海は捜査一課の管理官である多々良に頼み、もう一度長野に行く許可をもらった。

内海は当摩と、上念の派遣元である介護派遣センターを訪れる。寮の部屋を見せてもらった際に、彼が元々ゲーム作家であったと当摩から聞かされ、またセンターの所長から、そのセンターのHP作成に彼が携わっていたことを教えてもらう。その後内海と当摩は、センターのHPのトップに、PCの修理サービスがあることを知り、例の怪文書メールが、修理を利用した人のPCから送られていたことを突き止める。そして内海は、例のメールを今度は当摩のPCから送って、署長の反応を見ることに決めた。

内海は、Y・Tとは高崎署長のことではないかと密かに疑っていた。また、この捜査には、定年が近い刑事の関岡も加わっていた。この関岡と当摩だけが、内海と甲本の接触を知っていた。ところがある時、内海は関岡から、当摩が拉致されたと連絡をもらい、その現場に駆けつける。しかし、実は拉致したのは関岡だった。自分に関岡が近づいてくるのを察した内海は、東京から持ってきた拳銃を関岡に向け、動きを制する。関岡は、怪文書の送信元が今度は当摩であることを知り、再び隠蔽を図ったのだった。

千加子殺しの犯人も関岡だった。元々は猿渡事件での誤認逮捕隠蔽のため、まず証拠品である、岩見の自宅にあった取材ノートを奪おうとしたのだが、そこへ外出していた千加子が戻って来たため、ミキサーで彼女を殴り殺した。その後、鍵を取りに戻ったところ、監視カメラを見てやって来ていた上念を気絶させ、ミキサーに指紋を付けて、彼が犯人であるかのように偽装したのだった。

関岡と高崎は逮捕されたが、内海は上念のことも気になっていた。そもそも怪文書を、それも他人のPCから送ったのは、取材ノートを岩見家の天袋から発見して、猿渡事件の事情を知った上念だった。その上念は罪が晴れ、誤認逮捕という本を出版し、自らを悲劇のヒーローに仕立て上げていた。そしてサイン会と講演を行ったが、その場に内海と上京した当摩が現れる。

講演が終わった後、内海は、上念の怪文書のせいで千加子が犠牲になったこと、そして監視カメラの向こうで行われた殺人の録画映像を、自分が潔白であることを示す道具に使うため、3年後に介護派遣センターに届くよう依頼していたことを暴露した。さらに、かつてゲームの盗作疑惑で業界にいられなくなったにもかかわらず、もう一度この世界に戻るために、誤認逮捕を利用したことなどを挙げる。

さらに止めとして、彼のゲームが全く面白くない、あれでは海外ドラマの焼き直しと口にした内海に、上念はたまらず彼女に襲い掛かって殴りつける。そこに、外で控えていた刑事たちが入って上念を取り押さえ、暴行の現行犯で逮捕した。大声で泣く内海。

内海の功績は大いに評価され、彼女はオクラホマ行を決める。その夜、東京に大雨が降り、雷が鳴った。その直後、「クアイの会」で死者が出たとの情報が入り、一同はまた捜査へと動き出すのだった。

[ 2015/08/18 00:05 ] ドラマ ガリレオ | TB(-) | CM(0)

『ガリレオ』第2シリーズ 「聖女の救済」2 綾音が行動に出た理由とは 

昨日あらすじをご紹介した、「聖女の救済」の続きです。実は私、これはリアルタイムで観ていて、北海道の風景がやけに印象に残っている割には、肝心の夫殺しに至るまでの伏線がもう1つぴんと来ず、結局DVDのお世話になりました。ここで思うのは、なぜ真柴彩音が1年という猶予期間を設けて、その間夫を監視し続けるという、湯川の言葉によれば「意志の強さ」を感じさせる、ある意味しんどそうな行動に出たかです。

1年経ったら妊娠するかもわからない、あるいは、夫がもう子供はいいよというかもしれない。だから待ったのだといえるかもしれません。しかし前者の方は、綾音が避妊をしていたという時点でアウトです。後者は、綾音がドラマで口にしていましたが、彼女もどのくらい本気でこれを信じていたのかは不明です。いずれにしても真柴義孝は、子供の頃に両親を亡くした以上、自分の家族というものを求めており、子供ができなければ即離婚の可能性は高かったと思われます。

結局綾音の行動は、何か夫に乱暴された、あるいは自分のお金や資産を奪われたための復讐ではありませんでした。夫の義孝は、結婚前に津久井潤子という女性と付き合っており、その潤子が綾音を流産させるわけで、いわば子供が生まれると「いう希望を、夫の前の恋人に覆され、なおかつ夫は子供をほしがり、1年経ってできなければ離婚だとまでいう。その一連の行為への復讐とも取れますが、既に潤子はその1年前に静岡の実家で自殺しています。しかも、夫が潤子をそそのかして流産させたというわけでもなさそうです。

つまるところ綾音にとって、夫がいなくなればその時点ですべては完結し、その後自分が逮捕されても特に構わなかった、そのようにも考えられます。これはやはり同じ第2シリーズの「演技(えんじ)る」の女優、上原敦子が、殺人やそれによる収監さえも自分の演技に利用しようとしたのに似ていますが、ただ綾音にはそこまでの欲はありませんでした。浄水器を通したヒ素入りの水をバラに与えることは、岸谷美砂にいわせれば証拠隠滅ですが、見方を変えれば、わざわざヒ素の残った水をバラにやり、バラを枯れさせて土にヒ素を残すことで、大きな証拠を残したともいえるのです。恐竜の化石の「土」とも共通するものがあります。

また、タペストリーも大きな伏線です。義孝、綾音がそれぞれ離婚、毒殺という目的に向けて定めたタイムリミットは1年であり、それに向けてのカウントダウン的な意味合いがあるのが、このタペストリーだからです。製作に1年かかるということは、綾音はこれをXデーまでの時間稼ぎに利用していたと同時に、常に居間に陣取ることで、夫の動きを監視し、夫がキッチンへ入ろうとするのを暗黙のうちに阻止していました。また湯川がこの事件を解こうとして、壁に方程式を書き連ねるものの、今回は解けなかった。その壁が、タペストリーの裏の部分というのも暗示的です。

湯川といえば、この事件には物理が関係しないと冒頭で口にしていたように、どこか彼の得意分野でないがゆえの歯切れの悪さ、いつもの切れのなさがこの回では描かれていて、その意味で視聴者が様々に突っ込める回のようにも感じられました。結局北海道の、かつて通っていた中学で再会した時に、湯川は自分の仮説を話し、東京の岸谷には、その仮説を手紙にして研究室に置いておきます。検証はできなかったものの、綾音がその仮説を認め、後に自白したことで、湯川の仮説は裏付けられたことになります。またこの時初めて、湯川は転校生でこの中学で理科に興味を持ち、高校に入る時点で東京に戻ったことが明かされています。風変わりかどうかはともかく、理科が好きな転校生というと、どうも『古畑中学生』を思い出してしまいます。

そして、インターフォンのセンサーカメラに映っていた紫の水玉傘の女性、宗教の勧誘に来た女性ですが、彼女が録画されたことにより、さらに綾音のアリバイが裏付けられることになりました。結局彼女もさほどに関連はなかったわけで、いわば綾音のアリバイのために登場した感もありますが、その後の場面で、岸谷の先輩の太田川が、この傘と似たような柄のネクタイをしていたのには笑ってしまいました。しかし湯川が子供たちに、ポットのお湯の不思議さを伝えられても、なぜそうなるのかを噛み砕けなかったのは、やはり彼らしいというべきでしょう。それと冒頭で、バドミントン大会の景品であるコーヒーメーカーでコーヒーを淹れつつも、「コーヒーメーカーではインスタントコーヒーの味が出せない」などというところも、また「らしい」です。

最後の部分、落雷に関する話で幕引きとなりますが、そういえばこの前後編の間に放送された「内海薫最後の事件」も最後の場面は雷で、それが第2シリーズ第1話「幻惑(まどわ)す」へとつながって行くことになります。第2シリーズは雷に始まり、雷に終わったというべきでしょう。

飲み物-バーのラテフロート
[ 2015/08/15 00:32 ] ドラマ ガリレオ | TB(-) | CM(0)

『ガリレオ』第2シリーズ 「聖女の救済」1 あらすじ

IT関連企業の経営者である真柴義孝が、死体となって自宅で発見された。死因はコーヒーに混入したヒ素(亜ヒ酸)だった。真柴は妻の綾音と2人暮らしだったが、彼女は実家のある北海道に帰っていて、死亡推定時刻には完璧なアリバイがあった。そして、その少し前にある人物が真柴の自宅を訪ねて来たことが、警備会社により確認されていた。

綾音は北海道で友人と会っていた時に、夫の会社の社員から、夕方の会議に出席するはずの社長が現れないという連絡を受けていた。そして夫の死に遭遇した後、警察に、しばらくホテル住まいをしたいが、その前に丹精込めて育てたバラに水をやりたいという。しかしバラにやる水に、彼女はなぜか浄水器を通した水を使っていた。

岸谷美砂が湯川研究室に現れる。この件で湯川に協力を求めるが、湯川は物理学が絡む事件ではないと断る。そこで岸谷は、綾音がかつての湯川の同級生であることを打ち明ける。湯川は無理があると知りつつもこの事件の協力を受け入れ、まず真柴の葬儀が行われた教会に行って、綾音と言葉をかわし、湯川は自分のニックネームであるガリレオについて話す。ガリレオが地動説によりバチカンから謝罪を受けたのは1992年、公認されたのは2008年だった。これに対して綾音は、救済には時間がかかるものだと答える。

綾音は元々、ひまわり会という幼児教室を主催していたが、妊娠が分かってからは、他の物に教室をまかせていた。しかし自転車に当て逃げされて流産し、夫からは1年以内に子供ができないと離婚するといい渡されていた。そして1年が経ち、夫から離婚を切り出された直後の殺人だった。

綾音は湯川に、子供たちの興味を惹く実験をしてくれと頼むが、湯川は子供相手だと蕁麻疹ができると渋る。しかし結局、電気ポットの内側に色つきのゼラチンを貼り、ゼラチンの厚さによって色が変わる様子を子供たちに見せる。これは、彼自身が立てた、ヒ素混入の仮説だった。また、真柴が変死する前に訪ねて来た人物は、宗教の勧誘の人物であることが岸谷によりわかる。

湯川は、綾音になぜバラを育てているのかと訊く。綾音は元々とげのある花は嫌いだったのだが、真柴の影響で好きになっていた。それほどの夫を殺されて、悲しみにくれているという湯川に、綾音は自分が疑われているのと感じるが、湯川は今度は、教会の十字架の黄金比率について語り始める。

その後湯川は、綾音を博物館に誘い、恐竜の骨についた土をスキャンし、3D画像化することで、それまで謎だった恐竜の内臓がわかるようになったことを話し、長時間のトリックであるという。綾音は、それも自分を疑っているのかと冗談を込めて話す。しかしその傍ら、重要な事実が次々と明らかになっていた。

警察の調査では、真柴の家のヤカンにヒ素が盛られたのではないかということに加え、ミネラルウォーターが異常に速く減っていることが問題となっていた。また綾音は不妊治療に通っているといわれていたが、実際は避妊のためにクリニックに通っていた。これらの事実から湯川はある仮説を立て、北海道で綾音と落ち合う。

2人が出会ったのは、かつて自分たちが学び、廃校になることが決まった中学校だった。昔からあなたは理科が好きだったという綾音に、湯川は自分の仮説を話す、綾音は1年以内に子供が出来ないと離婚だと訊かされた時、浄水器のカートリッジにヒ素を仕込んだが、いきなり夫を殺すのではなく、夫が、もう子供は要らないと口にすることに一縷の望みを託し、1年間といういわば猶予期間を与えたのだった。

カートリッジは、浄水に切り替えた時点でヒ素が水に混入するようになっていた。しかし綾音は「猶予期間」の間は決して浄水を使わず、自分以外の誰もキッチンに入れないようにした。コーヒーや料理の水は、健康志向の強い夫のためにミネラルウォーターを使っていた。しかも、自宅で仕事をすることが多い夫が、浄水器を使わない様に監視するため、外出もせずあまり人も招かず、居間でタペストリーを作り続けていた。犯行直後、真柴家に来た岸谷が賞賛したタペストリーは、夫を監視を続けたことの賜物だった。

ミネラルウォーターの減りが速いのは、綾音が自分で処理をしたからだった。北海道に立つ前、コーヒー一杯分のミネラルウォーターを残し、その後は夫が浄水器の水を使うように仕向けて、自分のアリバイを完璧なものとしたのである。しかし、捜査で真柴家に出入りし、花の水やりもしていた太田川が、一部のバラが枯れているのを不思議に思いつつ、新しいバラを買って補充していた。

バラが枯れた理由は、ヒ素入りの水を与えていたからだった。カートリッジに仕掛けたヒ素は1人分の致死量だったが、それでも万全を期すため、浄水済みの水は花に与えていたのだった。この長時間を掛けた殺人に対して、湯川はいう、恐るべき意志の強さであると。そしてバラを植えていた土からもヒ素が発見され、綾音もすべてを自白した。

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[ 2015/08/14 00:18 ] ドラマ ガリレオ | TB(-) | CM(0)

ガリレオ第2シリーズ「攪乱(みだ)す」 続き 高藤という人物

まず、先日の投稿文に数か所ミスがありましたので、訂正しています。

この回は、シリーズで初めて湯川が対決を申し込まれ、音響兵器で命を狙われるまでになります。しかも湯川の相手である高藤は、かつてはやはり物理学の教授であったものの、湯川に自分の最新ともいえる理論を否定されて湯川を怨んでいます。何やらホームズとモリアーティの対決を連想したのはそのためでした。ただ高藤がモリアーティと違うのは、ネットワークがないことです。それが組織的犯罪を不可能にし、事件現場に必ず自分がいなければならないという状況を作り上げたわけですが、その代わり、事前にネットの掲示板に殺人を示唆する書き込みをし、ことが成った暁には手紙、場合によっては暗号解読票までをも送りつけることで、自らの犯罪の成功をアピールしたわけです。その手紙の裏には、あたかも己の成功を誇るかのように、書き込みをしたサイトのアドレスが、プリントアウトされていました。

またこの事件は、多少『容疑者Xの献身』を思わせるものがあります。どのような点かというと、
*主人公が一定の理論を打ち立てる能力を持ちながら、現状でそれが受け入れられていない
*むしろその能力をマイナスの方向に役立てている
*本来、自分のやっていることの善悪がつかないはずはないが、それを無視して自分の目的に走っている

もちろん異なる点もあります。たとえば高藤は、『容疑者X』と違って湯川とは友人関係にはないし、誰かを庇うこともなく、自分の存在を気づかれないようにすることもありません。それどころか、「悪魔の手」としての自分を喧伝したがっているようにも取れます。湯川と対決する自分を、世間に認めてもらいたいという思いもあるようです。

また高藤は、同居人の冬美を殺害し、山中に埋めてしまいます。逮捕時に車の中にあったスコップは、その時使われた物かと考えられます。この件は「悪魔の手」ほど大々的には扱われませんが、栗林が家を訪ねて行った時、あたかも彼女がいるけど不在であるように見せかけ、また自分たちの寝室のふすまを開けようとして、急いでそれを制したりもしています。自分が殺したと疑われるのを避けたかったのでしょうが、しかし如何にかつてのことが絡んでいるとはいえ、直接の原因は自分と冬美の口論であるにも関わらず、彼女の死を湯川のせいにしたがるのもどうかと思います。

いわば自分を否定されたことにより、すべてを見失ってしまっている人物とも取れます。無論だからといって、「悪魔の手」を自称し、無辜の人物を殺害することなど許されるはずもないのですが。

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[ 2015/08/03 23:13 ] ドラマ ガリレオ | TB(-) | CM(0)

『ガリレオ』第2シリーズ「攪乱(みだ)す」

『ガリレオ』第2シリーズの第9話です。この会では「悪魔の手」なる人物が湯川の研究室に、科学者対決と称して、PCで打った謎の手紙を送りつけて来ます。そして波動実験をやっていた湯川と栗林の元に岸谷美砂が現れ、警察にも同じ物が来たとファイルを見せます。また、何者かのリークにより、「T大学のY准教授」が警察に協力しているとの記事が週刊誌に載り、他のマスコミも騒ぎますが、湯川はあっさりと、いつもの持論である「自分の仮説を実証することに興味があるだけ」といってのけます。

この「T大学のY准教」なる表現は手紙にも使われていました。そして「悪魔の手」は、まず窓ガラスの清掃職人を高所から転落死させ、帰宅途中のサラリーマンを遮断機の下りた踏切の中に誘導します。しかもこの2つの事件には共通点がありました。まず、犯行後数日して、それに言及した手紙が来ていること、そして、その手紙の裏に印刷されたアドレスの掲示板に、犯行声明と思しき書き込みがあることでした。1つは映画の公式サイト、もう1つはプロ野球チームのファンサイトでした。

岸谷は湯川に恨みを持つ科学者の犯行と推理し、栗林も怪しいのではとにらみますが、栗林は「湯川先生大好きだよ!」と叫び、瞬間妙な空気が漂った後あわてて、「男性として」と付け足します。しかし、実はこの栗林は、本人は意識しないながら、大きなカギを握っていました。実は彼は、かつて科学者であったものの、今は妻と細々と暮らしている、高藤という高齢者向けカルチャースクールの講師と知り合いでした。妻と2人暮らしのようですが、栗林が2度高藤の部屋を訪れて酒を飲んだ時は、彼女はいずれも不在でした。

しかし一方で高藤は、寝室の壁一面に湯川の記事を貼り、しかも写真の顔の部分を悉くドライバーで突いていました。高藤はその10年前、ある学会で自分の理論を湯川に否定されたことから私怨を持つようになっていたのです。一方「悪魔の手」はその後、暗号化した手紙を解読表付きで送りつけるようになり、しかも警察に記者会見を要請します。そして湯川は行動に出ました。まず学生に「自殺」「2人目」といったキーワードでネットの書き込みを調べさせ、あるアイドルユニットのサイトに当該の物を見つけます。

それを手掛かりに、湯川と岸谷は犯行後の手紙が送られてこなかった事件、つまり被害者が助かった事件を探し当て、その女性の発言から、車を運転していて、平衡感覚を失ったことを聞き出します。その後、湯川にしては珍しくニュース番組に出演し、「悪魔の手」を否定しますが、それを観ていた高藤は如何にも不機嫌そうでした。さらに湯川は、葉山キャンパスで講義を行うことを大学のサイトに掲載します。

当日、湯川は栗林の運転する車で葉山に向かいますが、ある車につけられていることに気が付きます。その車の主は、あの高藤でした。高藤はある装置を動かし、栗林は一瞬平衡感覚を失うものの、湯川がヘッドフォンをつけさせることで元に戻ります。その後湯川の通報で、高藤は覆面パトカーに包囲されます。この葉山行きは、湯川の仕組んだ罠でした。TVに出演し、葉山で講義を行うことで高藤をおびきよせる、いわば陽動作戦に出ます。

高藤は「悪魔の手」のみならず、自分の妻、実は戸籍を入れていない同居人も殺害して山中に埋めていました。これに関して高藤は「湯川が殺した」と話します。実際は、生活のことで彼女と口論になって、殺してしまったというわけですが、何かにつけ外的要因に理由を求める人物ともいえます。ちなみに栗林、ひいては高藤に命を狙われた人々が平衡感覚を失ったのは、高藤が、かつてアフガニスタンやイラクでも用いられた音響兵器を使ったためでした。しかし栗林の場合は、ヘッドフォンを使って微弱な電流を流すことで、感覚が元に戻ったわけです。

しかしこれを観ていると
  • ホームズVSモリアーティ
  • 『恐怖の谷』の暗号
この2つをどうしても思い出します。あるいは、他にもホームズ物と関連する部分はあるかもしれません。

飲み物-ウイスキーグラス
[ 2015/08/02 00:38 ] ドラマ ガリレオ | TB(-) | CM(0)

パペットホームズが挑むシャボン玉の謎とガリレオ

先日の記事でご紹介した、NHKサイト内のこちらのページですが
http://www.nhk.or.jp/school/sukudo/special/63/
小中学生を対象にした科学及び歴史の動画と、パペットホームズのコラボ企画になっています。内訳は
  • ボウフラの発生
  • 水圧利用で瓶にボールを入れる実験
  • シャボン玉を落とさないための実験
  • マチュピチュはなぜ標高2400メートルの場所にあるのか
  • 月はどうやってできたのか

この5つですが、この3番目のシャボン玉を落とさないやつ、これ『ガリレオ』の2007年シリーズで登場していますね。例によって内海薫が湯川研究室に行き、湯川が、ドライアイスから出る二酸化炭素の上ではシャボン玉が落ちない実験をしているのを見て、先生は小学生みたいなことができていいですね、私なんてプレッシャーばかりと愚痴ります。それに対して湯川は、自分だって授業があるし、学生のレポートも見なければならないと反論します。さらに「栗林さんの論文だってチェックしなければならない、僕にはそれもプレッシャーだ」と言い、研究室の外でそれを聞いていた栗林がかなりへこむわけですが、要は二酸化炭素はシャボン玉の中の空気より重い、その証明であるわけです。そういえば「愉快な四人組の冒険」でも、ホームズが徹夜でシャボン玉の研究をする場面がありますね。
実験道具
[ 2015/07/27 20:50 ] ドラマ ガリレオ | TB(-) | CM(0)

お知らせと訂正

すみません。こちらの記事「科学者の先端知識が負の形で活かされる-『ガリレオ』2007シリーズ「壊死(くさ)る」」で、田上昇一を四ツ谷工科大の准教授としていましたが、大学院生の誤りでした。本文は訂正しています。
[ 2015/07/21 00:56 ] ドラマ ガリレオ | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

実は『いだてん~東京オリムピック噺~』を観なくなったので、再び『西郷どん』復習の投稿をアップしています。関連文献もまた読もうかと考えていますし、BSで再放送中の『葵 徳川三代』の再放送も観ています。そしてパペットホームズの続編ですが、これは是非とも三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、『相棒』をはじめとする刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、いよいよ日本でのワールドカップの年です。今季は代表下部チームとの兼ね合いもあり、スーパーラグビーでは今一つでしたが、ワールドカップでのベスト8成るでしょうか。

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