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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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ノーサイド・ゲーム第9回あらすじと感想

オイルの件でカザマ商事の買収が保留となり、滝川は本社を追われます。そして脇坂が常務となりますが、すべてを掌握できるポジションに就いた彼は、ラグビー部廃部を宣言します。それは君嶋に取っては裏切りに等しいものでした。一方でアストロズは、今シーズンこそ優勝をと誓って破竹の勢いで勝ち続けます。今シーズンから参加した七尾は注目の選手でしたが、彼にはある弱みがありました。

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カザマ商事の790億円での買収プロジェクト会議が始まり、社長の島本博も顔をのぞかせる。しかしこれに関して、営業部主導のデューデリジェンスには見落としがあると脇坂賢治が発言し、その問題点を報告した君嶋隼人を会議室に入れる。君嶋はかつて、白水商船のタンカー瑞祥丸がエンジントラブルで座礁事故を起こし、それにカザマ商事のバンカーオイルが関与していたことを報告する。滝川桂一郎はその件は調査済みであると答えるが、君嶋はその調査を行った森下教授が、データを改竄したことをその場で明かし、見返りに3億円を受け取っていたと言明する。

しかもそれは、風間有也の個人資産から払われたものだった。滝川は分が悪くなる。さらに府中グリーンカントリーの青野宏が、3億円を現金で渡してデータ改竄を依頼したこと、しかもそれを証言したことを君嶋は強調する。君嶋はさらに、滝川と風間が同期であると指摘し、森下の3億円の受領書を見せる。役員に配られた資料にも同じ物が添付されていた。これで買収は保留と決まる。真希は、買収が保留になったことを喜ぶが、君嶋は後味の悪さを感じていた。これで滝川は役員を首になり、トキワ自動車の子会社である金融会社への異動が決まった。

会社の危機を救った脇坂は常務に就任する。そして君嶋がGMとして迎える2シーズン目のプラチナリーグ、アストロズは快進撃を続けるが、ライバルのサイクロンズも負けていなかった。サイクロンズは七尾に警戒するが、監督の津田三郎は、最終節の頃には平凡な選手になっていると断言する。そのアストロズは観客の性別や平均年齢まで割り出し、広告主を募るようになっていた。一方で君嶋は本社を訪れ、脇坂と久々に言葉を交わす。アストロズの収益はかなり上向きだったが、脇坂は思いがけないことを切り出す。

ノーサイド・ゲーム第9回脇坂
脇坂(石川禅)が滝川の後任として常務に就任する

それは、ラグビー部の予算の縮小だった。それではプラチナリーグに残れないと君嶋は言うが、脇坂は蹴球協会に払う金額に言及し、蹴球協会は変わらずラグビーも人気が出ないと言う。君嶋は脇坂もかつてはアストロズを応援してくれていたと言うが、脇坂に取ってアストロズはすっかりお荷物と化しており、しかもカザマ商事の買収が立ち消えになったことで、各部門は予算の削減を迫られていた。君嶋は脇坂の豹変ぶりに驚く。しかも何が悪いのかを理論的に話した滝川と違い、脇坂は潰せの一点張りだった。

君嶋は家でそのことをぼやく。真希は興味がなさそうな顔をしつつも、実際は興味があるのではないかと思われた。そしてアストロズは、タイタンズとの試合に臨む。各チームは七尾対策を練っていたが、それでも七尾はテクニックを弄し続けた。しかしこの試合、七尾はラックに入ることをためらったことで相手優位になり、何とか辛勝する。次のブレイブスはジャッカルを持ち味としており、対柴門琢磨はその対策として、ラックに入ってボールを奪うことを重視していた。その頃アストロズには、スポーツ用品メーカーのアトランティスからも話が来ていた。

脇坂は君嶋を呼び出し、取締役会議でラグビー部のあり方を検討し、予算を半分に圧縮する予定であると伝える。君嶋はチケットの売り上げは昨シーズンの230パーセント増であること、広告収入も獲得したことを話すが、脇坂の態度はにべもなかった。あと2試合勝てば優勝できると言う君嶋だが、脇坂は最終的にはラグビー部廃部を目論んでいたのである。府中に戻って来た君嶋は複雑な思いだった。選手たちもそれに感づいていた。そこで君嶋は、選手たちの前で予算の半減について話すことにした。

話し終わると浜畑譲がこう言った。
「今までだってそんな危機何度もあったし、乗り越えて来たでしょう」
君嶋は選手の成長に驚きつつ、このアストロズを守って行く覚悟を決める。そしてブレイブス戦でスタンドオフに選ばれたのは浜畑だった。七尾が外れたことに観客や子供たちは驚くが、浜畑はラックに果敢に入り、ボールを奪った。柴門が七尾を外した理由は正にそれだった。七尾はオールブラックスU20時代、ラックで膝を傷めており、そのためタイタンズ戦でもラックに突っ込むプレイを苦手としていた。大型選手にタックルする勇気はあるが、膝のケガはまだ体が覚えていたのである。

ノーサイド・ゲーム第9回選手に事情を話す君嶋
君嶋(大泉洋)は、選手の前で予算削減について話す

しかし今度は浜畑が、前半終了間際にラックで膝を傷めてしまう。君嶋は交代を提案するが、柴門は浜畑を中心に戦略を組み立てており、この試合は浜畑と心中すると言った。我慢比べとなる後半、七尾は浜畑に交代を申し出るが、浜畑はこう言った。
「怖いに決まっとるやろ。けどな、この試合勝たな優勝できへんのや。せやったらやるしかないやろ」
さらに自分の脚はどうなってもいい、逃げて負けるのは死ぬより嫌だと言ってグラウンドへ出て行く。劣勢に回るアストロズだが、博人は浜畑の応援を始め、観客が皆アストロズに声援を送るようになる。

そしてラックでの、浜畑の体を張ったディフェンスが起点となり、アストロズがボールを奪い返して、最終的に浜畑に渡ったパスはトライとなった。七尾は、浜畑は尊敬するアストロズのスタンドオフだと本波に言い、自らも拍手を送る。その後スタミナで優位に立つアストロズは、21-5でブレイブスを破った。サイクロンズもそのことを知るが、勝つのはうちだと津田は尊大に構える。試合後のスタンドに、君嶋は見覚えのある人物を見つけた。それは滝川だった。自腹でチケットを購入して試合を観戦した滝川は、君嶋にいい試合だったと言う。

君嶋は、滝川は脇坂とは違い、ラグビー部を含めすべてにおいてフェアだったと言う。実は滝川の父親はラグビー経験者で、子供の頃は高校大会に連れて行ってもらっていた。しかしその父親の家業が傾いて、滝川本人はラグビーができなかった。滝川は言った。
「ラグビーでは食べていけないからな」
さらに風間有也とのこと、高級レストランのことなどを話、どこかで奴の会社を奪ってやりたいという気持ちがあったのだろうと言い、ラグビーは自分の体だけで堂々と戦い公平なスポーツであると洩らす。

ノーサイド・ゲーム第9回君嶋と話す滝川
競技場に観戦に訪れた滝川(上川隆也、右)は君嶋と話をする

さらに滝川は君嶋に対して負けたと言う。それは例の資料に、風間の3つの口座からの出金の報告が添付されていたからだった。同じ日に1億円ずつが引き出され、例の森下の受領書と同じ日付になっていた。しかし君嶋にしてみれば、風間の口座のことなど身に覚えがなかった。どうやらこれは脇坂の仕業のように思えた。どうやら滝川も、そして君嶋もまだ知らないことがあるようだった。去り際に滝川は、君嶋にこう言う。
「君を府中工場に飛ばしたのは、私じゃない」

君嶋は驚いた。そして廃部と予算縮小を持ち出した脇坂の姿が目に浮かんだ。滝川は、君嶋の試合はまだ終わっていないと言い、負けるなと言って競技場を後にした。府中のグラウンドに戻って来た君嶋は、七尾がタックルの練習を繰り返しているのを目にする。そして膝を負傷した浜畑も、その様子を見ながらまだまだ終われないと口にする。信頼していた人物から裏切られた君嶋も、このまま終わるわけには行かなかった。

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この回の予告で「本当の敵」という言葉が登場していました。ということは意外な人物だということであり、ならば滝川である可能性はかなり低く、しかも府中グリーンカントリーの青野でもなさそうでした。となると脇坂ということになります。案の定この人物は、全権掌握した時からそれまでとは態度が変わりました。しかも同じようにラグビー部廃止に言及しつつも、言うことに筋が通っていた滝川とは異なり、この脇坂は何か恨みでもあるかのように、一方的にラグビー部潰しを叫ぶようになります。君嶋がオイルのことを脇坂に話した際、しばらく待つように言うシーンが登場しますが、どうも風間有也の口座の件とこれと、何か関係がありそうです。しかしアストロズに、「アトランティス」からサポートの申し出があったというのには笑いました。流石日曜劇場です。

ところでジャッカルというラグビー用語ですが、先日「リロード」でご紹介した、サンゴリアスのラグビー大辞典の当該項目のリンクを再び貼らせて頂きます。2本目のリンクは補足編です。
要は、タックルから倒されて密集になった状態でボールを取ることですが、このジョージ・スミス氏はジャッカルの名手でした。ドラマの中で、ジャッカルを得意とするブレイブスが「オーストラリアからコーチを呼んだ」というシーンがありますが、この人が頭をよぎってしまったものです。

さらにこのブレイブスのスクラムハーフの狩野伸太郎、どこかで見た顔だなと思っていたら、濱田岳さんが演じていました。何でも、ご本人が強く出演を願ったのだそうです。
(TBS公式サイトより)
あと、滝川が言っていた「ラグビーでは生活できない」は言い得て妙です。ヨーロッパなどでは、かつてアマチュアリズムが厳しい時代に、選手はこれで悩んでいました。日本では企業アマなので、ラグビー選手として会社のチームでプレイすれば、一応はプレイしながら収入を得ることはできますが、プロのような高額報酬が約束されているわけではありません。メディア露出も少ないため、いよいよ本格的プロリーグ構想が立ち上がったのは納得です。

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[ 2019/09/13 01:00 ] ドラマ | TB(-) | CM(0)

『相棒』に見る『刑事コロンボ』

遅くなりましたが、まず台風の被害に遭われた方にお見舞いを申し上げます。

『相棒』シーズン6の「寝台特急カシオペア殺人事件!」について、「神隠しの山の始末」のあらすじと感想で少し触れています。都内で起きた爆破事件絡みで、新年早々容疑者を札幌まで護送するように命じられ、特命の2人が容疑者と共にカシオペアに乗り込みます。ちょっと『オリエント急行殺人事件』的な乗りで、空き部屋に仕掛けられたビデオカメラがかなり重要な役割を果たしています。その後函館で容疑者が下車しても一件落着とはならず、札幌に到着した後も容疑者が逃げ出したり、ホテルで爆破事件が起こりそうになったりと波乱続きです。ちなみにこの時のゲスト出演者で、後に『相棒』のレギュラーとなった人物がいますが、誰だかおわかりでしょうか。回答は後日お知らせします。

また同じ『相棒』のシーズン15、警察官となった冠城亘が再び特命に戻って来ますが、その第1回の「守護神」で、『刑事コロンボ』を参考にしたと思われる描写が登場します。まずネイリストの来栖初恵が、人を呪い殺したと言い、そのうち3人目の被害者の靴紐の結び方が不自然であると、杉下右京が見抜くシーンです。実は被害者は靴紐をイアン・ノットで結んでいたのに、見つかった時は普通の蝶結びになっていて、それは他人が靴を履かせて紐を結んだことを意味していました。コロンボの「自縛の紐」も、明らかに自分で結んだとしては不自然な結び方の靴紐から、誰かが殺したという結論に至ります。

それから弁護士がネイルサロンに入って来て、名刺を見せて去って行くシーンですが、初恵はそれに乗せられて、名刺の住所を訪ね部屋へ入ります。初恵の真意はその弁護士を殺すことにありました。しかしこれは杉下の罠で、部屋の中には家具さえもなく、特命の2人と捜一コンビが初恵を待ち構えていました。これもコロンボの「権力の墓穴」に似たようなシーンがあります。上司に容疑者の住所を故意にちらりと見せたことで、上司はその住所に行って逮捕しようとしますが、実はコロンボ自身が借りていた部屋であり、本当の容疑者である上司をおびき寄せるための策でした。

『古畑任三郎』がコロンボをベースにしているのは確かですが、『相棒』はコロンボやホームズを含め、その古畑をもベースにしています。これは関連本に記載されています。こういう種明かしがちらちらとなされるのは、観る側としては楽しみでもあります。

あと昔のネタをリメイクするのも結構やっていますね。こういうのを追って行くとまた面白いのでしょう。

飲み物-アイスティー
[ 2019/09/11 01:00 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

ノーサイド・ゲーム第8回あらすじと感想

滝川の買収が現実のものとなって行きます。しかし滝川は、過去にカザマ商事の現社長との間に軋轢がありました。さらにゴルフ場建設と、カザマのオイルとの間の秘密が明らかになります。君嶋は買収後損害賠償を押し付けられそうなトキワ自動車、そのあおりを受けそうなラグビー部を守るべく、ある手段を試みます。そしてアストロズでは、浜畑の忠告に従って膝の治療を受けた七尾が、頭角を現して行き、ついにレギュラーの座を掴むまでに至ります。

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滝川桂一郎のカザマ商事買収は、最終段階を迎えつつあり、トキワ自動車社長の島本博もそれを承認した。

アストロズではレギュラー争いが熾烈になっていたが、ベテランの浜畑譲のスタミナはずば抜けていた。部内マッチでいいところを見せた七尾の方は、80分間走り続けるスタミナを欠いており、柴門琢磨から注意される。その頃工場にまたもゴルフ場建設反対派が押し掛ける。そこで君嶋隼人は、時間をかけて話し合おうと提案し、ひとまず一同は帰って行った。府中グリーンカントリーの青野は驚きつつも、自分もかつてラグビーをやっていたこと、ラグビーからはフェアプレイの精神をはじめ、色々なことを学んだと話す。そしてゴルフも同様、子供たちに取って身近な存在にしたいと語った。

ノーサイド・ゲーム第8回反対派と君島
君嶋(大泉洋、右)は反対派住民と話し合う場を設ける

君嶋は反対派も地域住民であり、共存共栄を考えるべきだと真希に話す。真希は自分の出世ばかり考えていた夫が、そのようなことを言うのに驚き、左遷も悪くなかった、もう一度左遷されてみるかとずけずけと問いかける。そしてゴルフ場建設反対派と君嶋は市役所で話し合いの場を設ける。その時君嶋は、かつて反対運動の先頭に立っていた帝国工科大学の森下教授が、5か月前工事が延期になった際に運動から身を引いていたことを知る。その森下教授はトキワ自動車研究所の星野信輝に、例のバンカーオイルの件で調査を依頼していたが、本来同じサンプルを渡されてダブルチェックすることになっていた。

しかしその時に限って渡されたサンプルがカザマのとは別の物であり、それは如何にも不自然だった。それが5か月頃前のことで、君嶋は岸和田徹や佐倉多英にこのことを話す。もし買収後オイルが不良品であったことが明るみに出たら、トキワ自動車の株の大暴落は疑う余地がなかった。このことで君嶋は星野に連れられて、森下に直談判をする。森下は星野が喋ったことに戸惑いつつも、オイルには異常がなかったことを伝える。森下の権威は絶対的だった。君嶋は脇坂賢治にもこのことを話すが、脇坂から買収の決定まで黙っているように諭される。

森下が反対運動に関わっていたのは、家族の思い出のイチョウの木が建設予定地にあったからだと言う。森下は妻を早く亡くしており、娘は病気で入院していた。その子はアストロズが地域活動で小児科病棟に行った際、七尾がボールを渡した子だった。その子はボールを「ぎんなんみたい」だと言っており、英語のテキストを持っていた。君嶋は青野にもこのことを伝えたが、青野はこの件は初耳のようだった。さらに君嶋は青野を練習試合に誘う。

ノーサイド・ゲーム第8回森下教授の研究室
星野(入江甚儀、中央)は君嶋を連れて、森下教授(辻萬長、右)の研究室を訪れる

七尾は走り込みを続けていたが、膝に違和感を覚えていた。柴門琢磨は試合のメンバーを決めるため、部内マッチを行うと選手たちに告げ、それまでは走り込みに徹すると話す。膝を押さえる七尾を浜畑が見ていた。君嶋家では隼人と博人がその試合を観ようと言い出し、真希も誘うが真希は興味がなく、ルールが難しいと言う一方で専門用語を口にしており、本当は興味があるようにも見えた。そして風間有也と滝川は再び料亭で会うが、その時青野も同席し、ラグビー経験があるもののケガで挫折して、有也の父親に世話になっていた。滝川は、なぜケガを治さなかったのかと青野に尋ねる。

青野は1996年物のラ・ピエモンテを手土産として差し出す。青野がラグビーをもし続けていたら、こんな高い酒を飲めなかったぞと言う滝川だが、その滝川はかつて大学時代、風間から他の仲間と高いレストランに誘われ、明らかに自分だけ場違いな雰囲気を感じつつ、バイト代から料金を払ったこと、風間から貧乏人呼ばわりされたことを思い出す。その風間を相手に買収をやってのけた滝川は自分の勝利を確信する。一方で七尾は森下の娘真奈を見舞う傍ら、英語を教えていたが、その真奈がアメリカで移植手術を受けることを知る。真奈が英語を勉強していたのはそのためだったが、その費用は2億近かった。

七尾は小児病棟を訪れ、森下を問い詰める。森下はデータ改竄と反対運動から身を引く代わりに、カザマ商事から援助を受け、イチョウの木を残してもらっていた。今の自分にはこうすることしかできないと言い、森下は娘の手術のためアメリカに発つ。そして七尾は相変わらず膝が不調だった。その七尾を浜畑は鍼灸院に連れて行き、十字靭帯の部分に鍼を打たせる。
「下手なかばい方するから、バランスが崩れてスタミナが落ちるんや」
浜畑は、ベストの状態の七尾を部内マッチで叩きのめしたいと考えていた。

その頃クラブハウスでは君嶋が、なぜカザマ商事が、森下がカザマのオイルの調査をしているのを知っていたか疑問に思っていた。そこで反対運動のリーダー格の苗場が、森下が親会社まで叩きのめすと意気込んでいたと言っていたのを思い出していた。森下はオイルの調査結果をもとに、風間商事を揺さぶるつもりだった。部内マッチの前夜、君嶋は青野に電話を入れて試合に誘う。
「自分の名誉のために諦めずに戦う選手の姿を、青野さんに見てほしい」

翌日部内マッチの日、まずグラウンド3周のタイムトライアルが行われた。これも選考基準の一つだが、七尾は浜畑に次いで2位の成績だった。そして青野がグラウンドを訪れる。青野は以前ラグビーをやっていた時にケガをしたこと、その相手を一時は恨んだことを話すが、このチームでは誰も卑劣なことはしないと言う。君嶋は、グラウンドの外では家族だからだと答える。試合の方は、白チームの七尾が自陣からのドロップゴールを決めたことで、相手の赤チームは迂闊にボールを蹴られなくなっていた。七尾はさらに果敢に、あたかも浜畑に挑むように突進する。

ノーサイド・ゲーム第8回スタメンに驚く七尾
自分がスタメンに選ばれたことに驚く七尾(眞栄田郷敦、中央)

試合が終わり、メンバー発表が15分後に行われることになった。その間君嶋は、クラブハウスを見せると言って青野を連れて行く。そこで君嶋は以前苗場から、森下のオイル調査の件を外部に漏らしたと聞かされたこと、その洩らした相手とは青野であったことを話す。青野はこの件を風間の耳に入れ、森下に手を回すように仕向けていた。青野はやけに時間を気にしていたが、それは森下と真奈が無事に発ったかどうかという確認のためだった。自分の「渾身のタックル」、前夜に青野に連絡を入れたことは失敗に終わったが、この「試合」はまだ終わっていないと君嶋は言い、この件をタンカーの所有会社に話すと打って出る。オイルの分析結果がクロであることがわかれば、トキワ自動車は莫大な損害賠償を払わされることになるからだった。

君嶋は青野に、なぜ試合に誘ったかは自分の守りたいものを見てほしかったからだと言い、彼らから未来を奪わないでほしいと言う。さらに森下がアメリカに発った今、青野のオイルに関する証言は不可欠だった。その後のメンバー発表で、10番はそれまでの浜畑に代わり、七尾が初めて選ばれた。浜畑は七尾を抱きしめて言う。
「頼んだぞ」
その光景を見ていた青野も、すべてを話す気になっていた。

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買収、オイル、そして部内マッチと続きます。しかし意外な人物が黒幕、それも大物ではなく小物的な存在として登場します。森下が娘の手術代のため、カザマ商事にいわば身売りするような格好になり、星野の調査ではオイルに問題があったにもかかわらず、この会社のオイルに問題はないと言ったことで、カザマ買収後のトキワ自動車に災厄が降りかかりかねない事態となりました。風間有也がすべてをトキワ自動車に譲るというのは、どうもこの事態を見越してのことではないかと思われます。しかしこの有也の若い頃、実際に中村芝翫さんの長男の橋之助さんが演じていますが、如何にも金に糸目をつけないぼんぼんといった感じです。

君嶋は反対運動リーダーの苗場と接しますが、その苗場が青野にオイルの件を教え、結局手術費と引き換えに改竄させた事実が浮かび上がります。森下もそうですが、青野も怪しいとにらんだ君嶋は、部内マッチを青野に見せることにより、彼らの将来を奪わないでほしいと青野に頼みます。ところで君嶋家では、未だに
「レッツ・ラグビー」「ノー、ラグビー」
の会話が交わされているようです。真希が何だかんだ言いながら、あれだけ専門用語を知っているというのは、関心があるからに他ならないように思えます。それにしても、君嶋が例のオイルの件を方々に話しているのは、さて如何なものかと思うのですが…。このオイル関係で、苗場、森下、そして青野に関しては一応の決着を見ましたが、脇坂の存在が気になります。

それから南アフリカ戦ですが、これは結果をご存知の方も多いでしょう。7-41の完敗でした。この試合に関しては後日書きますが、JSPORTSの解説の沢木敬介氏が、リベンジでないと言っているけどリベンジですよと話していた、その通りになりました。

[ 2019/09/07 23:00 ] ドラマ | TB(-) | CM(0)

『相棒』第14シーズン第19話「神隠しの山の始末」

「神隠しの山」の後編、あるいは完結編ともいうべき「神隠しの山の始末」です。一見別々に見える村井流雲の失踪、そしてキャンプ場での斗ケ沢雄輔殺人が、ここで結びつきます。その黒幕となっていたのは意外な人物でした。

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斗ケ沢の遺体はキャンプ場で発見された。シーズンオフのこの時期、キャンプ場は管理人がたまに回るくらいだった。しかも犯人以外の物と思われる足跡が2つ見つかり、複数犯の可能性も出て来た。おまけに杉下もまだ見つかっていなかったが、杉下は彼なりに事件を追っていると冠城は断言する。また杉下が連絡を取ろうとした携帯が、電話回線工事業者の物であることもわかった。山梨県警の望月と冠城は、村井流雲の工房に聞き込みに行くが、喜久子は知らぬ存ぜぬで、電話工事会社の作業員もすぐ帰ったと答える。

2人は家の中を見て回り、冠城は窯の周囲まで目を光らせたため、誰かを焼いているとでも思っているのかと鉄朗から訊かれてしまう。翌日冠城は村役場へ行き、村井関連の展示コーナーを見ていて、前園になぜ当初は失踪事件として扱われたのかと訊くが、それは遺書とも取れる置手紙があったからだと前園は答える。これといい、神隠しとしてマスコミが騒ぎ出した件といい、村に取っては大きな迷惑だと前園は不満げだった。その頃斗ケ沢殺人事件の第一発見者が、かつて斗ケ沢と親交があった里実の夫で、キャンプ場管理人の亮であったことがわかり、夫婦で宝石目当ての共謀という線が濃厚になる。

杉下と電話工事会社の橘翔太は、工房の倉庫に監禁されていた。杉下は何とかしてさるぐつわと手足の戒めをほどき、翔太の縄も解く。杉下は、工房には以前もう1人住人がいなかったかと尋ねたが、翔太には心当たりがなかった。しかし電話回線を光回線に変える時に、ゲームをしたいと峰田夫妻が言っていたのを覚えていた。翔太は、あの夫婦はゲームをやるような感じではないと言う。杉下が峰田家で気が付いた時のTVと、囲炉裏にあった吸い殻は、やはり斗ケ沢があの家にいたという証拠に他ならなかったのである。

2人は逃げ出そうと戸を開けようとするも、外から鍵がかかっていた。そこで窓の鉄格子を外そうとしたところ、1個の壺が落ちて割れ、中には人骨が入っていた。作業を続ける杉下に翔太は、麓まで下りるのに近道を通ることを提案する。リスクが大きいと杉下は言うが、これは翔太がかつて工事でケーブルを引いたことのある道だった。その頃里実は鈴木と名乗っていた斗ケ沢が死んだことを、望月と冠城から知らされる。里実は昨日は買い物で甲府に行っていたと言い、レシートを証拠として手渡す。そして無為に過ごす夫に、借金を返す当てができたと話していたのは、そのことと関係があるのかと詰め寄り、その現場を望月と冠城に見られて警察へ連行される。里実の左の薬指には、斗ケ沢からもらった指輪があった。

里実は気分が悪いと言い出し、トイレに行ったため亮が先に取り調べを受ける。亮はキャンプ場を回ったのは先週だし、自分はやっていないと言う。そこへ前園が血相を変えて飛び込んでくる。更生すると決めた亮にこの仕事を任せたのは前園だった。しかしその時里実が飛び降り自殺を図ったことがわかる。幸いにして一命は取り留めたが、前園はキャンプ場をオープンしないことを決めていた。そして工房では、杉下と翔太のことはとても隠しおおせないと喜久子が言い、こうもつぶやく。
「この山はやっぱ呪われてんだよ」

その杉下と翔太はなおも逃げるための準備をしていた。翔太は夫婦のことはよく知らないが、祭りとか会合に誘っても顔を出さなかったと言う。杉下は古いアルバムを偶然見つける。すると翔太が戸が開いていると言い、2人は力を込めて戸を押し開けて外へ出た。鍵は誰かが開けていたのだった。長距離を走れない杉下は、その場で時間稼ぎをするつもりで、翔太1人が警察に通報するため麓へ走った。里実の部屋でも捜索が行われ、斗ケ沢の指紋が検出されたが、斗ケ沢は正体を明かしていない里実に救いを求めておらず、東京からタクシーで山に戻った時、山道口で下りて公衆電話からある人物に連絡を取っていた。また亮と里実は、別々の理由で一昨日甲府へ行ったのが明らかになる。里美は妊娠していることを確認しに行き、亮は宝石を換金していた。

亮が死体を発見したのは、数日前の大雨の日に、雨が気になってキャンプ場を回った時だった。そして斗ケ沢が持っていた宝石だけを手に入れ、換金したのである。さらに斗ケ沢が公衆電話で連絡を取った相手が判明した。その頃杉下は峰田夫妻の前に現れ、倉庫にあったアルバムの写真を見せる。それには村井の書を、喜久子が書いている様子が写っていた。つまり遺書が偽物であった点で、この事件は振り出しに戻った。斗ケ沢がこの山に最初に逃げ込んで来た時、村井が実は死んでいたことを悟られたため、夫妻は斗ケ沢を匿うしかなかった。ほとぼりがさめて斗ケ沢は宝石を換金しようとするも失敗に終わる。そして2度目に山に戻って来た時、工房には電話が通じないこともあり、公衆電話で協力を頼んだのである。

里実は斗ケ沢に妊娠のことを知らせていた。それを聞いた斗ケ沢は、東京で換金を試みるが失敗し、里実も自分がかなり甘い気持ちでいたことがわかって、バカバカしくなって自殺しようとしたと話す。冠城は、そんなことで自殺する方がバカバカしいと言うが、父親は犯罪者であるこの子と、この狭い村でどうやって生きて行くのだと涙を流す。その時翔太から110番通報が入り、パトカーが工房へと向かった。

夫妻が杉下を匿ったのは、斗ケ沢のことを聞き出せないかという思いだからだった。しかし杉下はなぜ自分を殺さなかったのか、あるいは人殺しができないのか、村井先生のことも誰かに頼まれたのかと尋ね、人骨は村井の遺骨であることを明言し、さらに自分の口で話してほしいと2人に言う。その言葉に鉄朗は、鉈を振り下ろそうとするができなかった。そこへパトカーが数台到着する。杉下は冠城がもう少し早く来るかと思っていたと言い、話すべきことがあると言って、いつもの服に着替え、冠城と共に村役場へ向かう。そこで冠城はテレビ関係者から、心霊特番「神隠しの村」は実は村の要請で作ったと聞かされたことを明かす。そして杉下は、夕霧岳の土が陶器に向いておらず、村おこし推進の前園との間に齟齬が生じたことを明らかにする。

峰田夫妻も同じことを伊丹たちに話していた。それがもとで前園は村井とつかみ合いになり、はずみで村井を殺してしまったのである。前園は重労働ばかり押し付け、名声は自分が持って行く村井に不満のある弟子たちを支援する代わりに、遺体の処理をさせる。そのことには峰田夫妻も呵責を感じており、自分たちの師匠を焼いたからには、ここで供養を続けるしかなかったと鉄朗は伊丹たちに話す。また喜久子も、先生がいなければ自分たちは結局三流の陶芸家でしかないと口にする。

結局前園は自分たちの秘密を守り、人を寄せ付けないために、神隠しの山という嘘の情報を広めていたのだった。また斗ケ沢への資金も提供し、その斗ケ沢を殺害したのも前園だった。前園は東京でまたも事件を起こしている斗ケ沢を、これ以上匿えないと思い、首を絞めて殺したのだった。また捜索隊が工房の方に行かないように指揮をしていたのも前園だった。前園は言った。
「村を守るためだったらなんだってやるよ」
しかし杉下は、これは村への背徳だと言う。

鉄朗は連行間際、倉庫のカギをはずしたのはお前だなと喜久子に言う。さらにやっと山を下りられると言って、2人でパトカーに乗り込んだ。その後東京に戻った杉下と冠城は花の里に行き、冠城はゴルフコンペの際の地元のお土産だといって、杉下にある物を渡す。それは村役場にもあった、イワナをモチーフにしたマスコット、イワナっちの皿だった。おそらく助役が発注して、あの夫婦が焼いた皿なのだろう。

杉下は米沢が、都市伝説を真に受けて山に入らなかった、不届き者がいたと言っていたことを話す。無論それは冠城のことだった。しかし冠城は5年前のキャンプで目にしたのは斗ケ沢だったとわかり、すっきりしたと言う。しかし斗ケ沢があの山に入ったのは、それより後の3年前だった。

無人の工房で時計が鳴り響く中、窯の前に1人たたずむ白いスーツ姿の老人がいた。

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黒幕は村の助役の前園でした。一見被害者のように見える人物が、村井の死を隠すために嘘の情報をまき散らし、マスコミを使って拡散していたわけです。しかも村井のみならず、斗ケ沢も殺害していました。何よりも村井の秘密を知り、峰田夫妻を脅して居座り続けたのが斗ケ沢であり、しかも東京で発砲事件を起こした以上、前園としてもこれ以上匿いきれなかったのは事実でしょう。しかしこれを村のためと言うのは詭弁であり、杉下から背徳であると反論されます。しかし冠城がこの5年前に見たというのは何だったのでしょうか。それを裏付けるかのように、ラストの部分で白いスーツの村井流雲が登場します。

一方でキャンプ場の管理人である遠藤亮ですが、あまり仕事をしているようにも見えず、別居中の妻の里実が大衆食堂とスナックで働き、自分の借金を一部肩代わりしているのとは対照的です。これなら里実が斗ケ沢に惹かれる気持ちもわからなくもないのですが、しかし斗ケ沢に惹かれた自分を後になって責め、こんな狭い世界で犯罪者の子供を産むことに、何の希望も見いだせないと言う辺り、村を守ると言う前園とは対照的です。斗ケ沢にある意味利用された側と、神隠しを裏付ける存在として利用した側の違いともいえます。あと電話回線工事会社の橘翔太、地味ながらなかなか存在感がありました。

ところでテレ朝の公式サイトには『相棒』シーズン18の情報がアップされています。何でも今回は20周年(土曜ワイド劇場時代を含む)ということで、杉下右京が行方不明になるという、かなり凝った初回スペシャルのようです。というか、2014年の劇場版『巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ』に似ているような気もします。
ちなみにリンク先の記事中に『寝台特急カシオペア殺人事件!』が登場しますが、これは結構好きなエピソードの1つです。寝台特急という限られた、しかも常時移動している空間の中での事件というのに非日常的性を感じるからでしょうか。

[ 2019/09/05 00:15 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

『相棒』第14シーズン第18話「神隠しの山」

『相棒』で時々登場する、人里離れた場所での犯罪です。この次の回の「神隠しの山の始末」と連続して一話となっています。

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都内のある質屋で、男が宝石を売りさばこうとしていたが失敗し、店主は警察に通報する。店内にはその男、斗ケ沢雄輔の指名手配のポスターがあった。斗ケ沢は店から逃げ出し、警官ともみ合いになって威嚇射撃した後姿をくらます。東京と山梨の県境にある夕霧岳に逃げ込んだということで、警視庁は大規模な山狩りを行う。その中には捜査一課の伊丹と芹沢、そして杉下右京の姿もあった。斗ケ沢は3年前立川の宝飾店で宝石を盗み出し、警官から銃を奪って姿をくらませていたが、その時も夕霧岳に逃げ込んでいた。

一方冠城亘は、法務省の上司日下部彌彦らとゴルフのコンペに来ていたが、生憎の雨でコースを回れなかった。冠城は日下部に、夕霧岳は行方不明者が多く、神隠しの山であることを話す。そして捜査の途中木の幹に弾痕らしき跡を見つけた杉下は、単独で奥の方へ入り込み、祠を発見する。しかしその前に置かれた骨壺には、何も入っていなかった。そして杉下は崖から足を滑らせてしまう。その翌日冠城が渡したい物があると言って伊丹らを訪れる。杉下の携帯に掛けても通じないため、まだ捜査本部にいると思っていたのだった。そこへ角田六郎から冠城に、特命のコーヒーメーカーが壊れたという知らせの電話が来る。こちらもやはり杉下と連絡が取れていなかったのだった。

その杉下はとある民家で目を覚ましていた。ねんざした左足をかばうように起き上がり、囲炉裏に吸い殻があるのを見つける。その後外へ出た所、立派な登り窯があるのを発見した。ここは陶芸家村井流雲の工房だったのである。しかし岩井は7年前に失踪し、弟子たちも山を下りて、今は峰田鉄朗と喜久子の夫婦だけが残っていた。喜久子は、村井の目指す陶器を作るため、弟子たちが一日中働いていたこと、村井は生まれつき心臓に持病を抱え、いつ死んでもおかしくなかったことを話す。杉下は、村井の作品のテーマは死であることを持ち出し、よく知っているねと喜久子を驚かせる。

その頃杉下を陰から見ている男がいた。喜久子の夫鉄朗だった。杉下は手洗いを借りたいと言って母屋へ行き、電話で連絡がつかないかと試してみるが、喜久子によれば雷で電話が通じなくなっており、しかも公衆電話を使うには麓まで行かなければならなかった。さらに杉下は台所で3人分の茶碗と箸を見つけ、しかもゴミ袋の中に自分の警察手帳があるのを見つける。近寄ろうとする杉下に鉄朗が声をかけるが、喜久子が間に入り、鉄朗は態度を軟化させる。同じ頃冠城は捜査本部へ出向き、夕霧岳の都市伝説である、白いスーツの男の幽霊が道案内をするという話、さらに以前甲府法務局員とキャンプに行ってそれに出遭った話をし、伊丹や芹沢、米沢たちから呆れられる。

村の大衆食堂では、遠藤里実が接客をしていた。するとそこに別居中の夫の亮が現れる。食堂のTVでは、斗ケ沢が夕霧岳に逃げ込み、警視庁が捜査を行っているというニュースが流れていた。冠城は霧谷村役場を訪れ、助役の前園桔平に会う。前園は例の都市伝説にうんざりしていた。冠城が村井の失踪の話を振ると、マスコミが神隠しだなんだと騒ぎ立てて、陶芸の里も何もあったもんじゃないと吐き捨てるように言った前園は、実は村井を夕霧岳に呼んだ張本人だった。夕霧岳の土はいいということで工房を開き、これで移住者も増えるかと思っていたがその村井の失踪、さらに斗ケ沢が逃げ込んだことなどで、村のイメージはがた落ちになっていたのである。

その頃杉下は峰田夫妻と夕食を摂っていた。その時3人分の食器について触れた杉下に、喜久子はあんたの分だよと笑う。夫婦はタバコを吸わなかったが、吸い殻は来客の物だとも言った。食事の後、杉下は村井の書斎を見たいと言う。村井がいた当時のままにされていて、さらにスーツもクリーニングに出されていることに感心し、このスーツを借りたいと杉下は言い、また村井の写真がいつもスーツ姿である理由を尋ねる。喜久子は村井が自分では何もできず、弟子たちがすべてやっていたことを打ち明けた。杉下はさらに、斗ケ沢がここに忍び込んでいたのではないかと尋ねる。それを鉄朗が陰で訊いていた。杉下は途中で話を打ち切るものの、鉄朗は杉下が危険であるとにらみ、警察手帳を釜にくべてしまう。

山梨県警も協力して、杉下の捜索が始まった。刑事たちはAとBの2つの班に分かれて捜索することになったが、冠城は山へ入らず、里実の事情聴取に同行することになる、里実は以前村のスナックで働いており、斗ケ沢は宝石商の鈴木と名乗って、月に1度の割合で店に来ていた。そして実は盗品である宝石を里実にプレゼントしていたが、里実はそれは売ってしまったと言う。また昨日のアリバイを聞かれ、体調が悪くて寝ていたと答える。実は里実の夫の亮は借金まみれで、昼間から酒を飲むような自堕落な日々を送っており、しかも里実がその借金を一部肩代わりしていた。

杉下が村井のスーツを着て現れた。鉄朗と喜久子はは一瞬村井かと錯覚する。一方で当然ではあるものの、杉下の捜索は難航していた。鉄朗は杉下がすべてを知っていることに気づき、鉈を手にして杉下を殺そうとするが、杉下は工房でろくろをいじっていた。そして工房にやって来た鉄朗に、なぜ嘘をつくのかと言い、斗ケ沢が銃で脅しているのなら怖がらなくていい、銃弾はもう残っていないと教える。またもし斗ケ沢が死んでいてそれに関わっていたのなら、自首すべきだと諭す。

さらに杉下は、最近は村井の継承者であるにも関わらず、それらしい作風が失われて、大量生産の器ばかりになったこと、そして地元の土ではなく信楽の土を使っている点を指摘する。知られたくない点を突かれた鉄朗は、杉下ともみ合いになる。その頃電話が復旧したのを確認するため業者が来ており、杉下は強引にその業者の車に乗り込んで山を下りるように頼む。しかしトラックで鉄朗が後を追い、車は道のわきに乗り上げる。杉下は工事担当業者の橘翔太の携帯を借り、連絡を取ろうと試みるが、鉄朗が杉下をつかまえ、2人は斜面を転げ落ちる。

その頃、捜索から帰った伊丹たちに知らせが舞い込む。斗ケ沢の死体が発見されたのだった。そして里実は家で、売ったと嘘をついた指輪を眺めるが、その時亮が里実を訪ねて来た。

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本来斗ケ沢を追っていたはずが、いつの間にか行方不明になった杉下まで探すはめになり、しかも杉下が助けられた夫婦が意外な秘密を握っていたことが明らかになります。ただし本当の黒幕は、この夫婦ではありませんでした。

[ 2019/09/04 01:00 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

ノーサイド・ゲーム第7回あらすじと感想

サイクロンズがアストロズの選手に移籍を勧めていることがわかり、君嶋はじめ首脳陣はやきもきします。最終的には去って行く仲間にエールを送るのですが、その退部の理由は意外なところにありました。そして滝川は社長の座を射程内に納めます。

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新しいシーズンが始まり、ポスターも完成した。今回のポスターは、浜畑譲と里村亮太を前面に押し出すスタイルだった。チームには七尾圭太も加わっていた。七尾は本社に勤務していたが、ラグビーを再びプレイすることを決め、府中工場へ異動となったのである。その七尾と本社で同じ海外事業部だった藤島レナは、あるホテルで浜畑がサイクロンズの監督津田三郎と会っているのを目にする。一方オイルの件を調べていた君嶋隼人だが、研究所の星野の母校の教授、森下の調査によると、カザマの商品に問題はないということだった。

一方で星野はレナが、浜畑と津田をホテルのラウンジで見たと言っていたことを君嶋に伝える。津田はもう一度代表入りしたいだろうと、サイクロンズ入りを勧めていた。引き抜きは汚いという夫に、真希は今時ヘッドハンティングなんて珍しくない、あなただってラグビーを捨てて本社に戻ろう同じ穴のムジナだと言い放つ。君嶋は何とか浜畑に残ってくれるように頼むが、実は浜畑はこのオファーを断っていた。君嶋は安心するが、蹴球協会でまたもサイクロンズのGM鍵原誠と会う。相変わらず嫌味な鍵原に、君嶋は浜畑がオファーを断ったと強気に出るが、鍵原はオファーは成功したと意味深なことを言う。

ノーサイド・ゲーム第7回浜畑と津田
サイクロンズ監督、津田(渡辺裕之、右)に合う浜畑(廣瀬俊朗)

クラブハウスに戻って来た君嶋に、里村が近づいて来てこう言った。
「俺、アストロズを辞めようと思っています。
俺はサイクロンズに行きます」
既に里村は会社にも辞表を出していた。津田は里村を退部させることで、アストロズの戦略にダメージを与えるつもりだったのである。アストロズでは自分が成長しないといわんばかりの理由で、退部を申し出た里村はチームメイトから反感を買った。しかもアストロズと同じ練習はもうやろうとしなかった。シーズンを前にしたこの時点での引き抜きに、君嶋も柴門もなすすべなしだったが、一つ手段があった。それは、移籍承諾書を出さないことだった。これで里村は1年間サイクロンズでプレイができなくなるからだった。

佐々や友部は夜になっても練習を続けていた。君嶋そして柴門と会った里村は、アストロズに優勝は無理だと言い、自分は将来はヨーロッパのプロチームに行きたい、そしてワールドカップも目指していると口にする。君嶋は移籍承諾書のことをほのめかし、里村は向きになる。君嶋は会社がアストロズや里村に投じた者は大きいというが、里村は逆に、こんな貧乏なチームで何年もプレイしたやったんだと怒りをあらわにした。ロッカールームでも、里村と他のメンバーとの間に溝ができ始めていた。そしてアストロズにも、この移籍承諾書の件は知らされていた。

浜畑はあっさり引き抜きを断念したと言う君嶋に柴門は、浜畑も色々悩んだ挙句腹をくくったのだと言い返す。そして突然辞表を出した里村は、最後の最後に品質管理基準のマニュアル作りを上司から言われる。ラグビーをやって来たから特別扱いしていたが、もうそれもなしだという上司の判断だった。そしてジュニアチームでは、博人がBチームのスクラムハーフとしてプレイすることが決まり、嬉しそうにしていた。しかしチームを外された子がラグビーを辞めると言い出し、博人もどこか浮かない表情をしていた。博人はジュニアチームの資料を当たろうとするが、そこへゴルフ場建設反対派がまたも押し掛ける。

ノーサイド・ゲーム第7回移籍を伝える里村
退部を君嶋(大泉洋、左)と柴門(大谷亮平、中央)に伝える里村(佳久創)

延長になっていた府中グリーンカントリーのゴルフ場建設が再開されたのである。しかもカザマ商事は聞く耳持たない状態だった。君嶋は府中グリーンカントリーの青野を訪れる。建設への理解者も増え、反対運動が一旦弱まったため工事が再開されたのだった。しかしこれでゴルフカートも再発注の可能性が高まった。その後青野はアストロズ、特に里村が楽しみだといわれ、君嶋は落ち着かない気分だった。そのカザマ商事の社長風間有也は、ゴルフ場にも関与していた。バッティングセンターでゴルフの誘いを受けた滝川桂一郎は、ハンデを聞かれるも対等で行こうと答える。

チームを辞める子は、家の引っ越しがそもそもの理由だった。そのため龍一や博人も含め、下校時にラグビーをやって遊び、博人もいくらか明るい表情を見せるようになる。その後アストロズのことで本社を訪れた君嶋は脇坂賢治に会う。脇坂はカザマ本社のデューディリジェンス(買収先の資産調査)が終わり、買収が成功すれば、滝川が社長就任する可能性も大きいことを伝える。一方で滝川はカザマの社長室を訪れる。買収がすめばトキワにすべて譲ると言う風間だが、滝川はトキワではなく俺だと断言する。その夜滝川は1人でレストランへ行き、ワインを楽しんでいた。

里村はマニュアル作りに没頭していた。そこに浜畑が姿を見せる。自分の決意は何をいわれても変わらないと言う里村に、浜畑は自分がマニュアル作りを引き受け、練習して来いと言う。
「家族が困ってたら助けるのは当然やろ」
さらに浜畑は、どこへ行っても頑張れよと言葉を掛ける。グラウンドでは友部がタックルの練習をしていた。そこへ里村が現れ、自分が岸和田の代わりに友部の練習台となる。何度も失敗する友部だが、ついに里村を倒した。浜畑はそんな里村に、わざとつかまってやったんかと尋ねるが、里村は無言だった。

里村の退社の日が近づいた。承諾書のことを訊いた佐倉多英に、君嶋は出すべきではないと答える。そしてその日、里村は1人ロッカールームからグラウンドに出て、ゴールポストに一礼する。その時照明がつき、君嶋や柴門と多英、部員たちが姿を現す。罵声のひとつも浴びていけ、お前もその位の覚悟はできているだろうと君嶋は言い、岸和田徹がよくも袖にしてくれたな、俺たちはサイクロンズをボッコボコに潰す、そしてお前もアストロズの名を汚すようなプレイはするなと心のこもった「罵声」を飛ばし、最後に餞別があると言って君嶋に声をかける。

ノーサイド・ゲーム第7回里村との別れ
里村に餞の言葉を送る君嶋と岸和田(高橋光臣、右)ら部員たち

君嶋はアストロズのためを思いつつ、このままでいいのか悩んで浜畑に相談を持ち掛けていた。浜畑は、サイクロンズからオファーがあったことをチームメイトの前で打ち明ける。浜畑は誰だって条件がいい所でやりたい、里村は全盛期の自分を試そうとしている、そして世界に目を向けている、それは俺らの誇りやないかと言う。さらにホンマは皆同じ考えやないのかと問いかける。キャプテンの岸和田は、1年間里村からラグビーを取り上げるのは、日本のラグビー界に取ってもマイナスだと言い、里村がいるサイクロンズに勝って優勝したいとも言う。これには皆同意し、君嶋も人がよすぎると言いつつこれに賛成した。

君嶋は上記のことを里村に伝え、移籍承諾書を手渡した。里村は涙を浮かべてアストロズを去って行った。その後君嶋は柴門から、里村が去った本当の理由を聞かされる。それは佐々一の成長だった。佐々は昨シーズンで成長し、アストロズに真にふさわしいスクラムハーフとなっていた。そして同じチーム内で七尾もまた成長していた。その後君嶋は、家族に新しいポスターを見せる。昨シーズンとそう違わないと真希は言うも、昨シーズンよりいい顔をしていると付け加える。

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今回は会社絡みというよりは、移籍に重点を置いた展開となっています。また里村の移籍と、博人や隆一と同じチームの仲間が、引っ越しで去って行くのをダブらせてもいるようです。結局浜畑は残ったものの、今の自分をもっと試してみたいという里村は、サイクロンズからのオファーを引き受け、これに関して君嶋は、移籍承諾書を出すべきかという問題にまで発展します。しかし里村が出て行った最大の理由は、自分よりも佐々の方がチームに合っているのを知っていたからでした。しかも最後の最後になって、チームを辞めるならこれをやってくれと上司から言われるのが、社会人チームらしさをまた浮き彫りにしています。

一方会社側も、滝川が買収計画とそれによる昇格を着々と進めていました。だからこそというべきか、府中グリーンカントリーの問題が、買収先であるトキワ自動車に押し付けられた格好になります。しかもアストロズの里村のプレイを楽しみにしていると、青野からいわれて君嶋は戸惑います。実際風間と会った夜、1人で祝杯を上げるようなことをやっているわけですから、滝川の方もかなり自信があるのでしょう。このことを脇坂からいわれた君嶋は、廃部を避けるためにもチームを優勝させなければならないという責任感にかられます。ところでラグビー関係の本社来訪というのは、移籍承諾書のことでしょうか。

しかしこの移籍承諾書、ドラマ中のプラチナリーグのモデルであるトップリーグにも同様の物がありましたが、こちらは2018年から撤廃されています。ところでそのトップリーグのツイートも、ワールドカップの代表選出についてコメントしていますね。

[ 2019/08/30 01:15 ] ドラマ | TB(-) | CM(0)

『相棒』第14シーズン第7話「キモノ綺譚」

今日は『相棒』関連をアップします。『葵 徳川三代』については、明日以降となります。

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ある日杉下右京は、月本幸子の身柄を受け取りに警察署へ赴いた。彼女は風呂敷包みを持ったまま、あるマンションの前を何往復もしていて、不審者と思われて通報されたのだった。その包みの中身は女物の着物だったが、裏地をめくったところに、奇妙なメッセージが口紅で書かれていたのである。

「いつかおまえがそうしたように、あたしもおまえを殺したい。でも、できない。もどかしい…。幸子」

月本幸子はそれを元の持ち主に戻そうとするも、何と言っていいかわからず、迷っていた所を通報されたのである。杉下はこの背景を調べ始め、この着物を売ったのが着付け教室の講師の上條愛であることを突き止める。

杉下と冠城は愛に会うが、当の愛は、双子の姉妹の幸子が書いたものだろうと言う。冠城は名刺を裏返し、姉妹の母の絵美がやっているクラブの連絡先を書いてくれと言う。上條幸子はそこで働いていた。2人はそのクラブ「アルヘナ」で幸子を待ったが、その日、店では今日子と名乗っている幸子は現れなかった。そこで冠城は、近所の店で食事をしてから出直したいと言い、絵美に頼んで名刺の裏に、店の名と地図を書いてもらう。

そして翌朝、マンションの部屋から当の幸子が弟の吏玖(りく)を連れて現れる。待ち構えていた杉下と冠城に対し、幸子はごみを捨てた後、吏玖を学校に送り出してから2人と会う。幸子は例の文章に対し、単なるポエムであると答える。そこで冠城は三度名刺を裏返し、お得意のポエムでも書いてくれと幸子に頼む。幸子はショートヘアの愛と違ってウェーブのあるロングヘアだったが、それはウィッグのようだった。自宅に戻った幸子は、愛との交換日記を書き始める。部屋は2人で1室を使っていた。

鑑識の米沢が調べたところ、着物の文章の筆跡と幸子の筆跡が一致した。幸子といえば、花の里の女将も「さちこ」だと米沢は言い、杉下はそれが気になったようで部屋を出て行ってしまう。また冠城は、杉下と幸子の関係を怪しむ。ともあれ杉下はその夜花の里に行くが、月本幸子が小学校時代の双子の男の子の話を始め、クラスは別々だったが、時々入れ替わっていたと話す。愛と幸子は見かけはあまり似ていないと杉下は言い、大人になれば髪型や服装は別々になるという彼女の言葉にあるものを感じ取る。

杉下は幸子は実は愛で、髪や化粧を変えていただけではないのかと疑う。しかし特命に来ていた角田は、筆跡が違うのだから別人だろうと言っていたところへ米沢が来て、それぞれの名刺についていた指紋が全く同じだったと伝える。双子でも通常指紋は異なるものであり、それが全く同じであるということは、愛が幸子になりすましていたとしか考えられなかった。しかしここで引っ掛かるのが、2人の筆跡が明らかに異なる点だった。

そこで2人は吏玖に訊いてみることにするが、杉下は子供が苦手だった。それでも下校する吏玖を追跡するが、吏玖は2人を巻こうとする。なかなか思うようにならない吏玖に駄菓子を買ってやり、何とか聞き出したところ、幸子はメガネ、つまり杉下が好きだと言い出す。昨日会った幸子は杉下のことをメガネさんと呼んでいた。やはりあれは幸子だったのである。吏玖は道草しているとママから叱られること、ジュン君が来るからという理由で帰ってしまう。

吏玖は愛にいわれて、嘘をつくようにさせられているのではないかと2人は疑い始める。しかし戻って来た2人を待っていたのは、捜査一課のコンビだった。吏玖にあれこれ聞いたことで母親の絵美が警視庁に抗議を入れ、その結果2人に監視がつくことになった。特に法務省から預かっている冠城が監視対象だったため、杉下は単身で出かけ、暇になった冠城は自分の名札を作るが、杉下のよりもかなり大きめだった。特命には染まらない方がいいですよと言う伊丹の言葉をよそに、冠城はコーヒーを入れようとするがその時携帯の着信音が鳴る。

電話は月本幸子からだった。伊丹たちがまだいたら、女友達からの電話のように振る舞ってほしいと言って、杉下の言葉を伝える。それは6時に、ロイヤルタワーホテルのラウンジで落ち合いたいということだった。杉下は冠城と手分けをして、冠城は絵美が経営するアルヘナ、自分は自宅マンションに行って、2人が同一人物か否かをはっきりさせるつもりだった。同一人物ならどちらかが不在だからである。杉下は自宅のインターフォンに出た吏玖から、愛は今幸子だからどこにいるか知らないといわれる。同じ頃、冠城は激怒した絵美に平謝りだったが、そこへ今日子を名乗る幸子が現れる。

杉下は上條家に上がり込み、双子の姉妹の部屋を見ていたが、吏玖とゲームの続きをやるようにせがまれる。杉下は「ジュン君」について訊くが、どうやら学校の友達でも親戚でもなさそうだった。ママに叱られるからと、吏玖はその話をやめてしまう。そこへ冠城から連絡が入り、店の幸子は紛れもなくあの時の幸子であると言われた杉下は、自宅には愛はいないと伝える。2人は深夜、家に戻って来た絵美と幸子を出迎えて、多重人格、つまり解離性同一性障害の話を始める。ある時は愛、ある時は幸子である存在の姉を、吏玖は物心ついた時から受け入れていた。

2人の筆跡が一致しなかったのも、吏玖が嘘をついていたわけではなかったのも、愛の解離性同一性障害がそもそもの原因だった。そのため部屋には、愛と幸子それぞれの生活感が存在していたのである。愛と幸子は今も戸籍上は存在しているが、実は愛は子供の頃、誤って幸子を殺してしまっていた。絵美はもし幸子が蘇生しない場合、愛が罪の意識を持って生きるのを恐れて、幸子の遺体を竹林の奥に埋め、幸子は遠い親戚の所へ行ったと言い聞かせてすぐに転居し、その後も2人の娘がいるように見せかけて暮らしていたのである。その中で愛の中に幸子の人格が芽生えて行った。

幸子が交換日記をつけていたのも、愛の時と幸子の時、それぞれ記憶を残しておくためだった。愛はある程度2人の存在をコントロールできるようになり、例の文章も幸子の人格になっていた時に書いたものだったのである。愛は着物を返してほしいと言い、幸子もそれに応じた。愛が幸子を死亡させたことは子供ということで罪に問われず、絵美の死体遺棄も時効になっていた。しかし幸子の死亡届未提出は、法に触れるかもしれないと杉下は話す。

解離性同一性障害には治療が必要だが、今は折り合いがついていると愛は答える。杉下はこの場合、成人女性であっても幼い男の子の人格が現れると言い、ジュン君は何者かと尋ねるが、愛はママに叱られるからと言って去って行く。その後吏玖はジュン君とゲームを楽しむが、そのジュン君はまぎれもなく愛自身だった。

後日、出勤して来た冠城は、自分の名札が杉下のと同じ大きさに削られているのに気づく。しかし右京はこう言った。
「不統一は精神衛生上よくありません」

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以前、サヴァン症候群を取り上げた『相棒』第7シーズン最終話「特命」をご紹介したことがあります。今回も精神疾患絡みですが、こちらは解離性同一性障害です。この疾患は、自分以外の人格が複数現れる、所謂多重人格と呼ばれるものです。主人格と交代人格があり、この場合愛が主人格、幸子とジュン君が交代人格であると考えられます。実際、交代人格が現れた場合はこのエピのように筆跡とか、あるいは嗜好や言葉遣いも変わるといわれています。また交代人格の時の記憶が、主人格に戻った時には途切れるため、この中で愛と幸子が交換日記をつけていることは納得できますし、さらに異なる人格であるため、実際に2人が暮らしているかのような、それぞれの生活感が部屋の中に現れることもうなずけます。ちなみにアルヘナとはふたご座の恒星のことです。

ところでこの中で、吏玖に事情を聞こうとした杉下がこう言います。
「(子供は)理屈が通用しない、時として意表をつく行動に出る」
だから苦手だというわけですが、これは正に『ガリレオ』の湯川准教やミス・シャーロックと同じです。無論湯川のように、蕁麻疹が出るほど苦手というわけでもなく、ミス・シャーロックのように、真っ向から対立するわけではなさそうですが。その杉下が、不統一は精神衛生上よくないと言い切るのはむべなるかなです。

[ 2019/08/25 23:30 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

ノーサイド・ゲーム第6回あらすじと感想

プラチナリーグで惜しくも2位に終わったアストロズですが、島本社長は次のシーズンも14億の予算を認めます。しかし蹴球協会の姿勢への異議、今後の強化などやるべきことはまだあり、ついに君嶋は本社へ戻るよりも、GMとして留まる方を選びます。

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アストロズは2位でプラチナリーグを終えた。多むらでの打ち上げでも、選手たちはどこか浮かない表情だったが、女将にはっぱをかけられて岸和田徹が音頭を取り、皆乾杯する。しかし君嶋隼人は、アストロズに予算14億円をつけてもらえるかが気になっていた。収支は5500万円円どまりで、滝川桂一郎からはまたも嫌味を言われるが、島本社長が進退をかけて予算を承認し、選手たちは大喜びする。そして監督の柴門琢磨は、七尾圭太と会っていた。

ノーサイド・ゲーム第6回柴門と七尾
柴門琢磨(大谷亮平、右)に会う七尾圭太(眞栄田郷敦)

君嶋の方は、脇坂から電話を貰う。例の滝川と風間商事の社長、風間有也は大学の同期であり、買収話はこの2人が企んだもののように見えたが、まだはっきりしたことはわからなかった。脇坂は島本を盛り立てるため、本社に戻って来るように頼む。君嶋はこのことを真希に打ち明ける。真希は喜ぶが、一つ懸念すべきことがあった。それは、すっかりラグビーに夢中になっている長男博人のことだった。一度もジュニアの試合に出ないうちに廃部というのは避けたかった。

君嶋は日本蹴球協会の在り方にも疑問を抱いていた。協会から仕入れたチケットの収益が5500万円であったにも関わらず、協会からの分配金はゼロだった。君嶋はプラチナリーグのGM会議で地域密着型チームを作り、試合数を増やすなどの改革案を持ち出すものの、専務理事の木戸はラグビーはアマチュアスポーツだと言い張り、さらにこれは会長の富永の意向であるとも言った。さらにサイクロンズのGM鍵原誠は相変わらず君嶋に反発した。これでは各チームへの負担は大きくなるばかりだった。

そして君嶋は滝川に呼ばれる。これは工場のAI化についてのものだったが、そこで滝川は、アストロズが2位となったことは評価しつつも、これに満足して、肝心な部分を見落としていないか、君がGMでいる意味はあるのかと詰め寄る。

ノーサイド・ゲーム第6回博人と佐々
佐々(林家たま平、右)からパスを習う博人(市川右近)

ジュニアの試合で、博人はBチームにも入れなかった。それを悔しく思った博人は、佐々一に頼んでパスの練習をする。さらに君嶋に脇坂から電話がくる。例の本社に戻る件だった。その頃アストロズでは、本波寛人が体力の限界を理由に引退を発表していた。本波は大学卒業でラグビーをやめるつもりだったが、アストロズが誘ってくれたことを感謝し、また本当は皆と一緒に優勝したかったことを告げる。選手たちは立ち上がり、部歌を歌い出した。本波はコーチとしてチームに残るつもりだった。

君嶋はその夜グラウンドに寝転がり、GMとして経験したことをあれこれ思い出していた。その後本社に赴いて脇坂と会うが、今までの仕事で唯一アストロズのGMとして負けたこと、それで迷いがあることを口にし、1年間待ってもらうことを頼む。もう脇坂から誘われることはないと覚悟のうえでの決断だった。君嶋は真希に本社に戻ることはなくなったと伝えるが、真希は以外にもあっさりそれを受け止め、こう言った。
「やるからには勝ちなさいよ」
その頃滝川はまたも風間と会い、風間はすべてを滝川に委ねて、金を貰って引退したい、滝川には礼をしたいと話す。

君嶋もファンに礼をしたいと考えていた。そして感謝祭を企画する。また改革案で再び協会に足を運ぶが、木戸はラグビーは金儲けではないの一点張りだった。君嶋は、自分はラグビー経験者ではなく好きでもないが、ラグビーを愛しているあなた方が、なぜ発展を考えないのかと怒りをあらわにし、今後も足を運ぶことにしていた。その頃岸和田の同期で、トキワ自動車の研究所にいる星野信輝が君嶋にあることを話す。

ノーサイド・ゲーム第6回タンカー座礁記事
カザマ商事のオイルに関しての記事を、君嶋(大泉洋、左)と岸和田(高橋光臣、左から2人目)に見せる星野(入江甚儀、右)

そして星野は、以前座礁したタンカーのオイルがカザマ商事の物だったという新聞報道を見せる。これが事実なら、カザマ商事の商品には粗悪品があるということだった。またサイクロンズはサイクロンズで、監督の津田が、感謝祭でのアストロズの紅白戦を分析するように鍵原に伝える。津田は「例の件」と意味深なことも口にした。

ファン感謝祭当日、一番の呼び物は紅白戦だった。サイクロンズ首脳部も、その動画を送信させて試合を確認していた。スタメン組と控え組によるこの試合は、控え組に入った佐々が絶妙のパスを投げるとともに、七尾がドロップゴールを3本決める活躍を見せ、さらに最後の最後でトライを決めようとする浜畑を止める。これを観に来ていた本社の社員、そして研究所の星野は驚いた。本社では七尾は、どこかのんびりした社員だったのである。しかし柴門に会い、ラグビーを続けることを決心していた。

一方でサイクロンズも動き始めていた。首脳部はある人物と会っていたのである。その人物こそ、アストロズの浜畑譲だった。

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本社に戻れと言われつつも、結局アストロズに残ることを決めた君嶋ですが、その決意の裏には本波の引退もあったようです。その本社では、カザマ商事の買収話に何か裏があるのではと脇坂がにらんでいました。しかもカザマ商事には、ある疑惑が浮かび上がっていました。そして最後の最後で、今度は浜畑が実はこっそりサイクロンズの首脳部と会うところが登場します。次回はさてどうなるのでしょうか。そして本社では、かなりのんびり屋の社員である七尾圭太ですが、彼も君嶋、そして柴門に背中を押される形でラグビーを続けることにしたようです。この辺り、本波が本当はラグビーをやめるはずだったのに、アストロズが誘ってくれたというのと相通じるものがあります。

その七尾ですが、どこかのんびりしたところと言い、練習試合なのになぜ楽しまないのかというところと言い、如何にもニュージーランド帰りといった雰囲気があります。相手のディフェンスが堅固と見るや、何本も飛び道具のドロップゴール(DG)を決める辺りも、それらしさを窺わせます。ドロップゴールといえば、1999年のワールドカップで、南アフリカのヤニー・デビアがイングランド戦で、6本のDGを決めたのを思い出します。尤も次のオーストラリア(ワラビーズ)戦では、相手のアタックがかなりきつく、そのためDGを蹴ることもままならない様子でした。尚この試合はなかなか決着がつかず、延長戦にロスタイムが加わってかなり長時間となっています。

博人がなかなかの負けず嫌いのようで、その意味ではラガーマン向きともいえます。佐々に頼んでパスの練習をする辺り、この子は、彼をとても信頼しているのでしょう。そしてその父親も、なかなかしぶといようです。無論これには収支の問題も絡んでおり、各チームがもっとラグビーで収益をあげられるように働きかけ、安定したチーム運営を目標としているわけです。恐らく、今まさにやろうとしているプロリーグはこれと似た方法を採るのでしょうーただ故・宿沢広朗氏によれば、リーグを協会から離して別組織にすると、税金の問題が大きくなるということではありますが。それにしても木戸専務理事が、何というかアマチュアリズム死守の会長の幇間的存在です。君嶋から化石呼ばわりされるのもむべなるかなです。

[ 2019/08/24 01:15 ] ドラマ | TB(-) | CM(0)

コロンボ雑感 5

『刑事コロンボ』には、意外な物が犯人と絡むエピが結構ありますが、「美食の報酬」もその1つです。これは料理評論家のポール・ジェラードが犯人なのですが、この人物がイタリアンレストランのオーナーと対立し、毒殺を企てます。実はその殺人に使われたのは、ほかならぬフグ毒でした。コロンボは捜査の間、あれこれ料理を食べまくりますが、そこはロスらしく、中華料理や日本料理もあったわけです。そしてジェラードから日本料理を勧められたコロンボは、「珍味」であるフグ刺しに挑戦します。

この時は小津という日本人青年が同席しており、フグとは英語でいうグローブフィッシュで、毒があること、しかしライセンスを持った調理師の腕にかかると、美味に生まれ変わることをコロンボに教えます。この小津を演じたのが、アメリカで有名な東洋人俳優であるマコ岩松です。この小津のセリフは、フグ料理の何たるかをを説明するうえで、わかりやすくていいものでした。尤もこの時のフグ刺しなるものが寿司桶のような容器に入っており、しかもかなり分厚くて、日本人の考える、向こうが透けるほど薄いフグ刺しとは違ったイメージでした。

ともかくコロンボは、この言葉に何らかのヒントを得たようで、そそくさと、しかも箸でフグ刺しを食べ、早々に捜査に戻ります。中華料理店ではナイフとフォークで餃子を食べていたのですが、流石に和食は箸でとなったのでしょう。しかも帰る時はきちんとお辞儀をしています。最終的にオーナーがいなくなったイタリアンレストランで、コロンボはジェラードと料理をしながら彼を逮捕します。尚レストランで働いていたマリオが英語が話せず、イタリア語で喋るシーンがありますが、コロンボもイタリア系ということで堂々と受け答えをしていました。

飲み物-パブのビール2
[ 2019/08/23 01:00 ] ドラマ | TB(-) | CM(0)

1ラグビーファンの視点から見た『ノーサイド・ゲーム』

第5回までの放送についてです。元々池井戸潤氏原作ということもあり、スポーツをテーマにしつつもビジネス色が強くはあるのですが、ラグビーそのものは結構きちんと描かれています。(これは『陸王』も同じ、なお『ルーズヴェルト・ゲーム』は観ていません)

そのような中で、1ラグビーファンとして気になった点も無論あります。まず、プラチナリーグ開幕後のアストロズが、あまりに快進撃すぎるということです。たとえば1試合は落とすとか、サイクロンズも必ずしも好調でないとか、そういう波があってもよかったかと思います。それとトップリーグで行われているボーナスポイント制度、これを入れるという方法もあったかもしれませんが、そうすると話がわかりづらくなるというデメリットも出て来るのでしょう。ラグビーをあまり知らない人も観ている可能性もあり、これはやむを得なかったかもしれません。

他にも解雇した外国人選手がどのようなプレイを得意としていたか、その選手がもし他のチームに移籍していたたなら、移籍先とアストロズの試合をやや詳しく描いてもよかったとは思います。ただしここまでの展開としては、弱小チームだったアストロズが、勝ち上がって行って最終戦でサイクロンズと出会い、アストロズ存続の条件である優勝を果たせるか否かに重点が置かれているので、これもまた致し方ないことではあるでしょう。

あとこれもロケの時期を考えると、仕方がないことではあるのですが、本来日本の国内シーズンは秋から冬です。しかし試合のシーンはすべて気候のいい時期、たとえば初夏とか初秋のような雰囲気になっているのが惜しいというか、ちょっと物足りないなという印象は受けました。さらにスタンドのお客さんですが、通常試合がある時は、大きなスタジアムではグッズの他に飲食物を売ったりもしています。ゆえに、もう少し飲み食いしているシーンがあってもよかったかとは思っています。ラグビー好きのおじさま方であれば、車を運転しているのでなければ、ビールを飲んでいてもそう珍しくないでしょう。それと柴門琢磨が表紙を飾っていた専門誌ですが、あのロゴは確かにラグビーマガジンの物ですね。

それから第5回で、1963年生まれの滝川と風間がそれぞれ55歳というセリフが出て来ますが、あれはもう2018年になっているという設定だったのでしょうか。基本的に冬の季節が出て来ないため、年の移り変わりがわかりづらく感じられます。

無論ドラマの根幹部分ともいうべき、GMである君嶋や監督の柴門の苦悩、さらにいつアストロズが活動できなくなるかもしれない中で、結果を出すことに集中している選手たちはよく描かれているかと思います。また会社内部での確執も、如何にも池井戸ドラマらしさを感じさせます。ただラグビー好きで実際に観戦経験もあり、トップリーグやスーパーラグビーの結果に目を光らせる身としては、上記のいくつかの点について、多少飽き足らなく思うこともあります。

飲み物-ブラウンエール
[ 2019/08/19 00:30 ] ドラマ | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

実は『いだてん~東京オリムピック噺~』を観なくなったので、再び『西郷どん』復習の投稿をアップしています。関連文献もまた読もうかと考えていますし、BSで再放送中の『葵 徳川三代』の再放送も観ています。そしてパペットホームズの続編ですが、これは是非とも三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、『相棒』をはじめとする刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、いよいよ日本でのワールドカップの年です。今季は代表下部チームとの兼ね合いもあり、スーパーラグビーでは今一つでしたが、ワールドカップでのベスト8成るでしょうか。

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