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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
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『相棒』に見る『刑事コロンボ』

遅くなりましたが、まず台風の被害に遭われた方にお見舞いを申し上げます。

『相棒』シーズン6の「寝台特急カシオペア殺人事件!」について、「神隠しの山の始末」のあらすじと感想で少し触れています。都内で起きた爆破事件絡みで、新年早々容疑者を札幌まで護送するように命じられ、特命の2人が容疑者と共にカシオペアに乗り込みます。ちょっと『オリエント急行殺人事件』的な乗りで、空き部屋に仕掛けられたビデオカメラがかなり重要な役割を果たしています。その後函館で容疑者が下車しても一件落着とはならず、札幌に到着した後も容疑者が逃げ出したり、ホテルで爆破事件が起こりそうになったりと波乱続きです。ちなみにこの時のゲスト出演者で、後に『相棒』のレギュラーとなった人物がいますが、誰だかおわかりでしょうか。回答は後日お知らせします。

また同じ『相棒』のシーズン15、警察官となった冠城亘が再び特命に戻って来ますが、その第1回の「守護神」で、『刑事コロンボ』を参考にしたと思われる描写が登場します。まずネイリストの来栖初恵が、人を呪い殺したと言い、そのうち3人目の被害者の靴紐の結び方が不自然であると、杉下右京が見抜くシーンです。実は被害者は靴紐をイアン・ノットで結んでいたのに、見つかった時は普通の蝶結びになっていて、それは他人が靴を履かせて紐を結んだことを意味していました。コロンボの「自縛の紐」も、明らかに自分で結んだとしては不自然な結び方の靴紐から、誰かが殺したという結論に至ります。

それから弁護士がネイルサロンに入って来て、名刺を見せて去って行くシーンですが、初恵はそれに乗せられて、名刺の住所を訪ね部屋へ入ります。初恵の真意はその弁護士を殺すことにありました。しかしこれは杉下の罠で、部屋の中には家具さえもなく、特命の2人と捜一コンビが初恵を待ち構えていました。これもコロンボの「権力の墓穴」に似たようなシーンがあります。上司に容疑者の住所を故意にちらりと見せたことで、上司はその住所に行って逮捕しようとしますが、実はコロンボ自身が借りていた部屋であり、本当の容疑者である上司をおびき寄せるための策でした。

『古畑任三郎』がコロンボをベースにしているのは確かですが、『相棒』はコロンボやホームズを含め、その古畑をもベースにしています。これは関連本に記載されています。こういう種明かしがちらちらとなされるのは、観る側としては楽しみでもあります。

あと昔のネタをリメイクするのも結構やっていますね。こういうのを追って行くとまた面白いのでしょう。

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[ 2019/09/11 01:00 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

『相棒』第14シーズン第19話「神隠しの山の始末」

「神隠しの山」の後編、あるいは完結編ともいうべき「神隠しの山の始末」です。一見別々に見える村井流雲の失踪、そしてキャンプ場での斗ケ沢雄輔殺人が、ここで結びつきます。その黒幕となっていたのは意外な人物でした。

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斗ケ沢の遺体はキャンプ場で発見された。シーズンオフのこの時期、キャンプ場は管理人がたまに回るくらいだった。しかも犯人以外の物と思われる足跡が2つ見つかり、複数犯の可能性も出て来た。おまけに杉下もまだ見つかっていなかったが、杉下は彼なりに事件を追っていると冠城は断言する。また杉下が連絡を取ろうとした携帯が、電話回線工事業者の物であることもわかった。山梨県警の望月と冠城は、村井流雲の工房に聞き込みに行くが、喜久子は知らぬ存ぜぬで、電話工事会社の作業員もすぐ帰ったと答える。

2人は家の中を見て回り、冠城は窯の周囲まで目を光らせたため、誰かを焼いているとでも思っているのかと鉄朗から訊かれてしまう。翌日冠城は村役場へ行き、村井関連の展示コーナーを見ていて、前園になぜ当初は失踪事件として扱われたのかと訊くが、それは遺書とも取れる置手紙があったからだと前園は答える。これといい、神隠しとしてマスコミが騒ぎ出した件といい、村に取っては大きな迷惑だと前園は不満げだった。その頃斗ケ沢殺人事件の第一発見者が、かつて斗ケ沢と親交があった里実の夫で、キャンプ場管理人の亮であったことがわかり、夫婦で宝石目当ての共謀という線が濃厚になる。

杉下と電話工事会社の橘翔太は、工房の倉庫に監禁されていた。杉下は何とかしてさるぐつわと手足の戒めをほどき、翔太の縄も解く。杉下は、工房には以前もう1人住人がいなかったかと尋ねたが、翔太には心当たりがなかった。しかし電話回線を光回線に変える時に、ゲームをしたいと峰田夫妻が言っていたのを覚えていた。翔太は、あの夫婦はゲームをやるような感じではないと言う。杉下が峰田家で気が付いた時のTVと、囲炉裏にあった吸い殻は、やはり斗ケ沢があの家にいたという証拠に他ならなかったのである。

2人は逃げ出そうと戸を開けようとするも、外から鍵がかかっていた。そこで窓の鉄格子を外そうとしたところ、1個の壺が落ちて割れ、中には人骨が入っていた。作業を続ける杉下に翔太は、麓まで下りるのに近道を通ることを提案する。リスクが大きいと杉下は言うが、これは翔太がかつて工事でケーブルを引いたことのある道だった。その頃里実は鈴木と名乗っていた斗ケ沢が死んだことを、望月と冠城から知らされる。里実は昨日は買い物で甲府に行っていたと言い、レシートを証拠として手渡す。そして無為に過ごす夫に、借金を返す当てができたと話していたのは、そのことと関係があるのかと詰め寄り、その現場を望月と冠城に見られて警察へ連行される。里実の左の薬指には、斗ケ沢からもらった指輪があった。

里実は気分が悪いと言い出し、トイレに行ったため亮が先に取り調べを受ける。亮はキャンプ場を回ったのは先週だし、自分はやっていないと言う。そこへ前園が血相を変えて飛び込んでくる。更生すると決めた亮にこの仕事を任せたのは前園だった。しかしその時里実が飛び降り自殺を図ったことがわかる。幸いにして一命は取り留めたが、前園はキャンプ場をオープンしないことを決めていた。そして工房では、杉下と翔太のことはとても隠しおおせないと喜久子が言い、こうもつぶやく。
「この山はやっぱ呪われてんだよ」

その杉下と翔太はなおも逃げるための準備をしていた。翔太は夫婦のことはよく知らないが、祭りとか会合に誘っても顔を出さなかったと言う。杉下は古いアルバムを偶然見つける。すると翔太が戸が開いていると言い、2人は力を込めて戸を押し開けて外へ出た。鍵は誰かが開けていたのだった。長距離を走れない杉下は、その場で時間稼ぎをするつもりで、翔太1人が警察に通報するため麓へ走った。里実の部屋でも捜索が行われ、斗ケ沢の指紋が検出されたが、斗ケ沢は正体を明かしていない里実に救いを求めておらず、東京からタクシーで山に戻った時、山道口で下りて公衆電話からある人物に連絡を取っていた。また亮と里実は、別々の理由で一昨日甲府へ行ったのが明らかになる。里美は妊娠していることを確認しに行き、亮は宝石を換金していた。

亮が死体を発見したのは、数日前の大雨の日に、雨が気になってキャンプ場を回った時だった。そして斗ケ沢が持っていた宝石だけを手に入れ、換金したのである。さらに斗ケ沢が公衆電話で連絡を取った相手が判明した。その頃杉下は峰田夫妻の前に現れ、倉庫にあったアルバムの写真を見せる。それには村井の書を、喜久子が書いている様子が写っていた。つまり遺書が偽物であった点で、この事件は振り出しに戻った。斗ケ沢がこの山に最初に逃げ込んで来た時、村井が実は死んでいたことを悟られたため、夫妻は斗ケ沢を匿うしかなかった。ほとぼりがさめて斗ケ沢は宝石を換金しようとするも失敗に終わる。そして2度目に山に戻って来た時、工房には電話が通じないこともあり、公衆電話で協力を頼んだのである。

里実は斗ケ沢に妊娠のことを知らせていた。それを聞いた斗ケ沢は、東京で換金を試みるが失敗し、里実も自分がかなり甘い気持ちでいたことがわかって、バカバカしくなって自殺しようとしたと話す。冠城は、そんなことで自殺する方がバカバカしいと言うが、父親は犯罪者であるこの子と、この狭い村でどうやって生きて行くのだと涙を流す。その時翔太から110番通報が入り、パトカーが工房へと向かった。

夫妻が杉下を匿ったのは、斗ケ沢のことを聞き出せないかという思いだからだった。しかし杉下はなぜ自分を殺さなかったのか、あるいは人殺しができないのか、村井先生のことも誰かに頼まれたのかと尋ね、人骨は村井の遺骨であることを明言し、さらに自分の口で話してほしいと2人に言う。その言葉に鉄朗は、鉈を振り下ろそうとするができなかった。そこへパトカーが数台到着する。杉下は冠城がもう少し早く来るかと思っていたと言い、話すべきことがあると言って、いつもの服に着替え、冠城と共に村役場へ向かう。そこで冠城はテレビ関係者から、心霊特番「神隠しの村」は実は村の要請で作ったと聞かされたことを明かす。そして杉下は、夕霧岳の土が陶器に向いておらず、村おこし推進の前園との間に齟齬が生じたことを明らかにする。

峰田夫妻も同じことを伊丹たちに話していた。それがもとで前園は村井とつかみ合いになり、はずみで村井を殺してしまったのである。前園は重労働ばかり押し付け、名声は自分が持って行く村井に不満のある弟子たちを支援する代わりに、遺体の処理をさせる。そのことには峰田夫妻も呵責を感じており、自分たちの師匠を焼いたからには、ここで供養を続けるしかなかったと鉄朗は伊丹たちに話す。また喜久子も、先生がいなければ自分たちは結局三流の陶芸家でしかないと口にする。

結局前園は自分たちの秘密を守り、人を寄せ付けないために、神隠しの山という嘘の情報を広めていたのだった。また斗ケ沢への資金も提供し、その斗ケ沢を殺害したのも前園だった。前園は東京でまたも事件を起こしている斗ケ沢を、これ以上匿えないと思い、首を絞めて殺したのだった。また捜索隊が工房の方に行かないように指揮をしていたのも前園だった。前園は言った。
「村を守るためだったらなんだってやるよ」
しかし杉下は、これは村への背徳だと言う。

鉄朗は連行間際、倉庫のカギをはずしたのはお前だなと喜久子に言う。さらにやっと山を下りられると言って、2人でパトカーに乗り込んだ。その後東京に戻った杉下と冠城は花の里に行き、冠城はゴルフコンペの際の地元のお土産だといって、杉下にある物を渡す。それは村役場にもあった、イワナをモチーフにしたマスコット、イワナっちの皿だった。おそらく助役が発注して、あの夫婦が焼いた皿なのだろう。

杉下は米沢が、都市伝説を真に受けて山に入らなかった、不届き者がいたと言っていたことを話す。無論それは冠城のことだった。しかし冠城は5年前のキャンプで目にしたのは斗ケ沢だったとわかり、すっきりしたと言う。しかし斗ケ沢があの山に入ったのは、それより後の3年前だった。

無人の工房で時計が鳴り響く中、窯の前に1人たたずむ白いスーツ姿の老人がいた。

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黒幕は村の助役の前園でした。一見被害者のように見える人物が、村井の死を隠すために嘘の情報をまき散らし、マスコミを使って拡散していたわけです。しかも村井のみならず、斗ケ沢も殺害していました。何よりも村井の秘密を知り、峰田夫妻を脅して居座り続けたのが斗ケ沢であり、しかも東京で発砲事件を起こした以上、前園としてもこれ以上匿いきれなかったのは事実でしょう。しかしこれを村のためと言うのは詭弁であり、杉下から背徳であると反論されます。しかし冠城がこの5年前に見たというのは何だったのでしょうか。それを裏付けるかのように、ラストの部分で白いスーツの村井流雲が登場します。

一方でキャンプ場の管理人である遠藤亮ですが、あまり仕事をしているようにも見えず、別居中の妻の里実が大衆食堂とスナックで働き、自分の借金を一部肩代わりしているのとは対照的です。これなら里実が斗ケ沢に惹かれる気持ちもわからなくもないのですが、しかし斗ケ沢に惹かれた自分を後になって責め、こんな狭い世界で犯罪者の子供を産むことに、何の希望も見いだせないと言う辺り、村を守ると言う前園とは対照的です。斗ケ沢にある意味利用された側と、神隠しを裏付ける存在として利用した側の違いともいえます。あと電話回線工事会社の橘翔太、地味ながらなかなか存在感がありました。

ところでテレ朝の公式サイトには『相棒』シーズン18の情報がアップされています。何でも今回は20周年(土曜ワイド劇場時代を含む)ということで、杉下右京が行方不明になるという、かなり凝った初回スペシャルのようです。というか、2014年の劇場版『巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ』に似ているような気もします。
ちなみにリンク先の記事中に『寝台特急カシオペア殺人事件!』が登場しますが、これは結構好きなエピソードの1つです。寝台特急という限られた、しかも常時移動している空間の中での事件というのに非日常的性を感じるからでしょうか。

[ 2019/09/05 00:15 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

『相棒』第14シーズン第18話「神隠しの山」

『相棒』で時々登場する、人里離れた場所での犯罪です。この次の回の「神隠しの山の始末」と連続して一話となっています。

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都内のある質屋で、男が宝石を売りさばこうとしていたが失敗し、店主は警察に通報する。店内にはその男、斗ケ沢雄輔の指名手配のポスターがあった。斗ケ沢は店から逃げ出し、警官ともみ合いになって威嚇射撃した後姿をくらます。東京と山梨の県境にある夕霧岳に逃げ込んだということで、警視庁は大規模な山狩りを行う。その中には捜査一課の伊丹と芹沢、そして杉下右京の姿もあった。斗ケ沢は3年前立川の宝飾店で宝石を盗み出し、警官から銃を奪って姿をくらませていたが、その時も夕霧岳に逃げ込んでいた。

一方冠城亘は、法務省の上司日下部彌彦らとゴルフのコンペに来ていたが、生憎の雨でコースを回れなかった。冠城は日下部に、夕霧岳は行方不明者が多く、神隠しの山であることを話す。そして捜査の途中木の幹に弾痕らしき跡を見つけた杉下は、単独で奥の方へ入り込み、祠を発見する。しかしその前に置かれた骨壺には、何も入っていなかった。そして杉下は崖から足を滑らせてしまう。その翌日冠城が渡したい物があると言って伊丹らを訪れる。杉下の携帯に掛けても通じないため、まだ捜査本部にいると思っていたのだった。そこへ角田六郎から冠城に、特命のコーヒーメーカーが壊れたという知らせの電話が来る。こちらもやはり杉下と連絡が取れていなかったのだった。

その杉下はとある民家で目を覚ましていた。ねんざした左足をかばうように起き上がり、囲炉裏に吸い殻があるのを見つける。その後外へ出た所、立派な登り窯があるのを発見した。ここは陶芸家村井流雲の工房だったのである。しかし岩井は7年前に失踪し、弟子たちも山を下りて、今は峰田鉄朗と喜久子の夫婦だけが残っていた。喜久子は、村井の目指す陶器を作るため、弟子たちが一日中働いていたこと、村井は生まれつき心臓に持病を抱え、いつ死んでもおかしくなかったことを話す。杉下は、村井の作品のテーマは死であることを持ち出し、よく知っているねと喜久子を驚かせる。

その頃杉下を陰から見ている男がいた。喜久子の夫鉄朗だった。杉下は手洗いを借りたいと言って母屋へ行き、電話で連絡がつかないかと試してみるが、喜久子によれば雷で電話が通じなくなっており、しかも公衆電話を使うには麓まで行かなければならなかった。さらに杉下は台所で3人分の茶碗と箸を見つけ、しかもゴミ袋の中に自分の警察手帳があるのを見つける。近寄ろうとする杉下に鉄朗が声をかけるが、喜久子が間に入り、鉄朗は態度を軟化させる。同じ頃冠城は捜査本部へ出向き、夕霧岳の都市伝説である、白いスーツの男の幽霊が道案内をするという話、さらに以前甲府法務局員とキャンプに行ってそれに出遭った話をし、伊丹や芹沢、米沢たちから呆れられる。

村の大衆食堂では、遠藤里実が接客をしていた。するとそこに別居中の夫の亮が現れる。食堂のTVでは、斗ケ沢が夕霧岳に逃げ込み、警視庁が捜査を行っているというニュースが流れていた。冠城は霧谷村役場を訪れ、助役の前園桔平に会う。前園は例の都市伝説にうんざりしていた。冠城が村井の失踪の話を振ると、マスコミが神隠しだなんだと騒ぎ立てて、陶芸の里も何もあったもんじゃないと吐き捨てるように言った前園は、実は村井を夕霧岳に呼んだ張本人だった。夕霧岳の土はいいということで工房を開き、これで移住者も増えるかと思っていたがその村井の失踪、さらに斗ケ沢が逃げ込んだことなどで、村のイメージはがた落ちになっていたのである。

その頃杉下は峰田夫妻と夕食を摂っていた。その時3人分の食器について触れた杉下に、喜久子はあんたの分だよと笑う。夫婦はタバコを吸わなかったが、吸い殻は来客の物だとも言った。食事の後、杉下は村井の書斎を見たいと言う。村井がいた当時のままにされていて、さらにスーツもクリーニングに出されていることに感心し、このスーツを借りたいと杉下は言い、また村井の写真がいつもスーツ姿である理由を尋ねる。喜久子は村井が自分では何もできず、弟子たちがすべてやっていたことを打ち明けた。杉下はさらに、斗ケ沢がここに忍び込んでいたのではないかと尋ねる。それを鉄朗が陰で訊いていた。杉下は途中で話を打ち切るものの、鉄朗は杉下が危険であるとにらみ、警察手帳を釜にくべてしまう。

山梨県警も協力して、杉下の捜索が始まった。刑事たちはAとBの2つの班に分かれて捜索することになったが、冠城は山へ入らず、里実の事情聴取に同行することになる、里実は以前村のスナックで働いており、斗ケ沢は宝石商の鈴木と名乗って、月に1度の割合で店に来ていた。そして実は盗品である宝石を里実にプレゼントしていたが、里実はそれは売ってしまったと言う。また昨日のアリバイを聞かれ、体調が悪くて寝ていたと答える。実は里実の夫の亮は借金まみれで、昼間から酒を飲むような自堕落な日々を送っており、しかも里実がその借金を一部肩代わりしていた。

杉下が村井のスーツを着て現れた。鉄朗と喜久子はは一瞬村井かと錯覚する。一方で当然ではあるものの、杉下の捜索は難航していた。鉄朗は杉下がすべてを知っていることに気づき、鉈を手にして杉下を殺そうとするが、杉下は工房でろくろをいじっていた。そして工房にやって来た鉄朗に、なぜ嘘をつくのかと言い、斗ケ沢が銃で脅しているのなら怖がらなくていい、銃弾はもう残っていないと教える。またもし斗ケ沢が死んでいてそれに関わっていたのなら、自首すべきだと諭す。

さらに杉下は、最近は村井の継承者であるにも関わらず、それらしい作風が失われて、大量生産の器ばかりになったこと、そして地元の土ではなく信楽の土を使っている点を指摘する。知られたくない点を突かれた鉄朗は、杉下ともみ合いになる。その頃電話が復旧したのを確認するため業者が来ており、杉下は強引にその業者の車に乗り込んで山を下りるように頼む。しかしトラックで鉄朗が後を追い、車は道のわきに乗り上げる。杉下は工事担当業者の橘翔太の携帯を借り、連絡を取ろうと試みるが、鉄朗が杉下をつかまえ、2人は斜面を転げ落ちる。

その頃、捜索から帰った伊丹たちに知らせが舞い込む。斗ケ沢の死体が発見されたのだった。そして里実は家で、売ったと嘘をついた指輪を眺めるが、その時亮が里実を訪ねて来た。

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本来斗ケ沢を追っていたはずが、いつの間にか行方不明になった杉下まで探すはめになり、しかも杉下が助けられた夫婦が意外な秘密を握っていたことが明らかになります。ただし本当の黒幕は、この夫婦ではありませんでした。

[ 2019/09/04 01:00 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

『相棒』第14シーズン第7話「キモノ綺譚」

今日は『相棒』関連をアップします。『葵 徳川三代』については、明日以降となります。

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ある日杉下右京は、月本幸子の身柄を受け取りに警察署へ赴いた。彼女は風呂敷包みを持ったまま、あるマンションの前を何往復もしていて、不審者と思われて通報されたのだった。その包みの中身は女物の着物だったが、裏地をめくったところに、奇妙なメッセージが口紅で書かれていたのである。

「いつかおまえがそうしたように、あたしもおまえを殺したい。でも、できない。もどかしい…。幸子」

月本幸子はそれを元の持ち主に戻そうとするも、何と言っていいかわからず、迷っていた所を通報されたのである。杉下はこの背景を調べ始め、この着物を売ったのが着付け教室の講師の上條愛であることを突き止める。

杉下と冠城は愛に会うが、当の愛は、双子の姉妹の幸子が書いたものだろうと言う。冠城は名刺を裏返し、姉妹の母の絵美がやっているクラブの連絡先を書いてくれと言う。上條幸子はそこで働いていた。2人はそのクラブ「アルヘナ」で幸子を待ったが、その日、店では今日子と名乗っている幸子は現れなかった。そこで冠城は、近所の店で食事をしてから出直したいと言い、絵美に頼んで名刺の裏に、店の名と地図を書いてもらう。

そして翌朝、マンションの部屋から当の幸子が弟の吏玖(りく)を連れて現れる。待ち構えていた杉下と冠城に対し、幸子はごみを捨てた後、吏玖を学校に送り出してから2人と会う。幸子は例の文章に対し、単なるポエムであると答える。そこで冠城は三度名刺を裏返し、お得意のポエムでも書いてくれと幸子に頼む。幸子はショートヘアの愛と違ってウェーブのあるロングヘアだったが、それはウィッグのようだった。自宅に戻った幸子は、愛との交換日記を書き始める。部屋は2人で1室を使っていた。

鑑識の米沢が調べたところ、着物の文章の筆跡と幸子の筆跡が一致した。幸子といえば、花の里の女将も「さちこ」だと米沢は言い、杉下はそれが気になったようで部屋を出て行ってしまう。また冠城は、杉下と幸子の関係を怪しむ。ともあれ杉下はその夜花の里に行くが、月本幸子が小学校時代の双子の男の子の話を始め、クラスは別々だったが、時々入れ替わっていたと話す。愛と幸子は見かけはあまり似ていないと杉下は言い、大人になれば髪型や服装は別々になるという彼女の言葉にあるものを感じ取る。

杉下は幸子は実は愛で、髪や化粧を変えていただけではないのかと疑う。しかし特命に来ていた角田は、筆跡が違うのだから別人だろうと言っていたところへ米沢が来て、それぞれの名刺についていた指紋が全く同じだったと伝える。双子でも通常指紋は異なるものであり、それが全く同じであるということは、愛が幸子になりすましていたとしか考えられなかった。しかしここで引っ掛かるのが、2人の筆跡が明らかに異なる点だった。

そこで2人は吏玖に訊いてみることにするが、杉下は子供が苦手だった。それでも下校する吏玖を追跡するが、吏玖は2人を巻こうとする。なかなか思うようにならない吏玖に駄菓子を買ってやり、何とか聞き出したところ、幸子はメガネ、つまり杉下が好きだと言い出す。昨日会った幸子は杉下のことをメガネさんと呼んでいた。やはりあれは幸子だったのである。吏玖は道草しているとママから叱られること、ジュン君が来るからという理由で帰ってしまう。

吏玖は愛にいわれて、嘘をつくようにさせられているのではないかと2人は疑い始める。しかし戻って来た2人を待っていたのは、捜査一課のコンビだった。吏玖にあれこれ聞いたことで母親の絵美が警視庁に抗議を入れ、その結果2人に監視がつくことになった。特に法務省から預かっている冠城が監視対象だったため、杉下は単身で出かけ、暇になった冠城は自分の名札を作るが、杉下のよりもかなり大きめだった。特命には染まらない方がいいですよと言う伊丹の言葉をよそに、冠城はコーヒーを入れようとするがその時携帯の着信音が鳴る。

電話は月本幸子からだった。伊丹たちがまだいたら、女友達からの電話のように振る舞ってほしいと言って、杉下の言葉を伝える。それは6時に、ロイヤルタワーホテルのラウンジで落ち合いたいということだった。杉下は冠城と手分けをして、冠城は絵美が経営するアルヘナ、自分は自宅マンションに行って、2人が同一人物か否かをはっきりさせるつもりだった。同一人物ならどちらかが不在だからである。杉下は自宅のインターフォンに出た吏玖から、愛は今幸子だからどこにいるか知らないといわれる。同じ頃、冠城は激怒した絵美に平謝りだったが、そこへ今日子を名乗る幸子が現れる。

杉下は上條家に上がり込み、双子の姉妹の部屋を見ていたが、吏玖とゲームの続きをやるようにせがまれる。杉下は「ジュン君」について訊くが、どうやら学校の友達でも親戚でもなさそうだった。ママに叱られるからと、吏玖はその話をやめてしまう。そこへ冠城から連絡が入り、店の幸子は紛れもなくあの時の幸子であると言われた杉下は、自宅には愛はいないと伝える。2人は深夜、家に戻って来た絵美と幸子を出迎えて、多重人格、つまり解離性同一性障害の話を始める。ある時は愛、ある時は幸子である存在の姉を、吏玖は物心ついた時から受け入れていた。

2人の筆跡が一致しなかったのも、吏玖が嘘をついていたわけではなかったのも、愛の解離性同一性障害がそもそもの原因だった。そのため部屋には、愛と幸子それぞれの生活感が存在していたのである。愛と幸子は今も戸籍上は存在しているが、実は愛は子供の頃、誤って幸子を殺してしまっていた。絵美はもし幸子が蘇生しない場合、愛が罪の意識を持って生きるのを恐れて、幸子の遺体を竹林の奥に埋め、幸子は遠い親戚の所へ行ったと言い聞かせてすぐに転居し、その後も2人の娘がいるように見せかけて暮らしていたのである。その中で愛の中に幸子の人格が芽生えて行った。

幸子が交換日記をつけていたのも、愛の時と幸子の時、それぞれ記憶を残しておくためだった。愛はある程度2人の存在をコントロールできるようになり、例の文章も幸子の人格になっていた時に書いたものだったのである。愛は着物を返してほしいと言い、幸子もそれに応じた。愛が幸子を死亡させたことは子供ということで罪に問われず、絵美の死体遺棄も時効になっていた。しかし幸子の死亡届未提出は、法に触れるかもしれないと杉下は話す。

解離性同一性障害には治療が必要だが、今は折り合いがついていると愛は答える。杉下はこの場合、成人女性であっても幼い男の子の人格が現れると言い、ジュン君は何者かと尋ねるが、愛はママに叱られるからと言って去って行く。その後吏玖はジュン君とゲームを楽しむが、そのジュン君はまぎれもなく愛自身だった。

後日、出勤して来た冠城は、自分の名札が杉下のと同じ大きさに削られているのに気づく。しかし右京はこう言った。
「不統一は精神衛生上よくありません」

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以前、サヴァン症候群を取り上げた『相棒』第7シーズン最終話「特命」をご紹介したことがあります。今回も精神疾患絡みですが、こちらは解離性同一性障害です。この疾患は、自分以外の人格が複数現れる、所謂多重人格と呼ばれるものです。主人格と交代人格があり、この場合愛が主人格、幸子とジュン君が交代人格であると考えられます。実際、交代人格が現れた場合はこのエピのように筆跡とか、あるいは嗜好や言葉遣いも変わるといわれています。また交代人格の時の記憶が、主人格に戻った時には途切れるため、この中で愛と幸子が交換日記をつけていることは納得できますし、さらに異なる人格であるため、実際に2人が暮らしているかのような、それぞれの生活感が部屋の中に現れることもうなずけます。ちなみにアルヘナとはふたご座の恒星のことです。

ところでこの中で、吏玖に事情を聞こうとした杉下がこう言います。
「(子供は)理屈が通用しない、時として意表をつく行動に出る」
だから苦手だというわけですが、これは正に『ガリレオ』の湯川准教やミス・シャーロックと同じです。無論湯川のように、蕁麻疹が出るほど苦手というわけでもなく、ミス・シャーロックのように、真っ向から対立するわけではなさそうですが。その杉下が、不統一は精神衛生上よくないと言い切るのはむべなるかなです。

[ 2019/08/25 23:30 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

『相棒』第11シーズン第16話「シンデレラの靴」

ピエール瀧さんがコカイン所持と使用で逮捕されました。『いだてん』で足袋屋の主人を演じていましたが、今後は当該シーンはカットになるとのこと。いっそ嘉納治五郎が、「こはぜ屋」という足袋屋を作って、陸王を作ってはどうかと思ってしまうのですが…。かなりの作品に出演していただけに、今回出演作品の再放送やネット配信に影響が出そうです。しかしコカイン所持及び使用は立派な犯罪ですし、配信を止めなければかなりのクレームが来るのも事実でしょう。

ところで『相棒』に、スポーツシューズを扱ったエピソードがあります。シーズン11の「シンデレラの靴」ですが、こちらはシューズを作る話ではなく、とある企業の陸上競技部内の確執を巡る話です。

当初その企業、アポロン電機に所属していた麗子が、駅伝中のケガでタスキをつなげず、冷遇されたのを理由にアポロン電機をやめ、その後世界大会で銀メダルを取る快挙を成し遂げます。その後大学で教鞭を執る一方で、社長が変わった古巣アポロン電機から、監督就任の要請を受けます。しかしアポロン電機のコーチの高木はそれに反対します。

その高木が死体となって発見されます。高木は麗子の監督就任に強く反対しており、麗子にも疑いがかかります。特命の2人は捜査を続け、行きつけのスポーツクラブで麗子を見かけた甲斐亨が、ランニング後にマッサージを拒むという、元スポーツ選手らしからぬ麗子の言動を不審に思います。しかも彼女が走ったとされるコースのカメラに彼女の姿がないことから、麗子への疑いがますます疑いが強まることになります。

そんな折、前途有望な陸上選手で女子高生の遥がやっている調整が、アポロンの選手のそれと同じなのに杉下右京は気づきます。遥はアポロン電機のコーチの美枝と交流があり、しかも麗子は監督就任に当たって、遥を入部させる予定でした。遥は麗子と似た過去を持ち、陸上を止めることまで考えていて、麗子に相談もしていました。

しかし麗子の就任を巡って高木と美枝が対立し、高木は冷蔵庫から美枝の選手時代の血液を見せて脅します。それはドーピングをしていたという証拠でした。無論それは美枝の本意ではなく、高木が飲み物に薬を混ぜていたせいでした。美枝は同じ轍を踏ませたくないと、麗子の飲み物を故意にこぼすことで、かろうじて麗子のドーピングを防いだのですが、美枝自身の血液は保存されていたのです。

さらに高木は遥にも、間接的に妨害工作をしていました。ある大会で入賞した彼女を、暴力団関係者と同じ写真に収めたのです。結局美枝は高木をトロフィーで撲殺してしまいます。高木を殺した後、美枝は麗子にこのことを知らせ、麗子は驚いて階段から落ちたため、足をねんざしてしまいます。その後彼女はアリバイ工作を手伝い、高木のメールを偽装します。

その後美枝を一度会社に戻らせてそのメールを見るようにし、彼女が戻った時は高木が生きていたように取り繕います。さらに麗子は同じ時間帯にスポーツクラブに行き、ランニングをしたように見せかけますが、カメラに映像がなかったことからわかるように、実際は走っておらず、しかもねんざを隠すためマッサージを受けていなかったのです。

これに関しては、通勤スタイルのでタクシーに乗っていた麗子がスニーカーを履いており、タクシーを入り口ぎりぎりまで止めていたのを杉下と甲斐が見て、足をねんざしているのではないかと疑っていました。また高木の部屋の冷蔵庫の指紋が拭き取られていたことに、捜査一課も疑問を持ちますが、美枝が血液を持ち出した際に自分の指紋を拭いたためでした。

最終的には美枝が自白することで幕を閉じます。高木は遥への商品授与を暴力団関係者にさせることで、監督となった麗子を潰し、さらに美枝のドーピング疑惑を公表するという、かなり卑劣な手段に出ていたのです。

『陸王』では、企業スポーツを巡るスポーツ用品メーカーの駆け引きが描かれていますが、こちらは刑事ドラマらしく、企業のチーム内部での犯罪となっています。なお最後のシーンで、遥は新しいスポーツシューズを杉下と甲斐から受け取ります。それは麗子からの贈り物でした。

ところで前回と前々回の『相棒』に出演していた浦上晟周さん、『真田丸』で真田大助を演じていましたね。

[ 2019/03/16 22:45 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

ドラえもん&相棒

もうひとつ「お知らせ」があります。11月9日の『ドラえもん』に、劇中劇の形で『相棒』が登場するとの由。無論声の出演はご本人たちで、名セリフも登場するようです。

(テレ朝ポスト)

テレ朝の番宣といった感じでもありますが、面白そうでもあります。尤もアニメ化された2人に興味津々なのですが。しかし『ドラえもん』を観るなど、何年ぶりでしょうか…。
[ 2018/11/02 00:45 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

『相棒』第11シーズン第9話「森の中」&第10話「猛き祈り」

ざっとですが、シーズン11の第9回「森の中」、第10回「猛き祈り」(実質2回分で1エピ)を観直したので、あらすじを書いておきます。

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非番の日、甲斐亨はキノコ狩りに行った先で瀕死の重傷を負い、病院に収容された。知らせを聞いて病院に駆けつける悦子。通報は公衆電話からのもので、しかも通報者は名を明かさなかった。そして甲斐の手には、女性の髪が絡まっていた。杉下と捜一トリオは、現場に最も近い公衆電話を見つけ、さらにキノコ狩りの場所の近くに、入り口に馬と鹿の浮彫がある、まろく庵という家を見つけて事情を聞きに立ち寄る。

その家の住人たちは身に覚えがなく、甲斐のことも知らない言う。杉下は手洗いに立つふりをして、ある部屋へ忍び込み、中が空洞になった竹筒を発見する。さらにその部屋には、この家のかつての主の写真もあり、ワゴン車には新しい傷があった。今はその人物、伏木田辰也の娘真智子と、それ以外の人物が共同で生活をしていた。その中の最年長者である生方は、来るなら捜査令状を持って来てくれと一喝する。

甲斐は記憶を失っており、杉下や捜査一課の面々も、悦子のこともよくわからないようだった。また父親である甲斐峯秋は、すぐさま病院に駆けつけるふうでもなかった。そんなある日、まろく庵の住人の一人である坂口が、見舞客を装って甲斐の病室に入り込み、彼を殺そうとする。しかし記憶を失った甲斐には、その人物が誰であるかわからず、難を逃れることができた。

まろく庵に捜査が入った。生方、真智子、そしてやはり住人である、長尾恭子の3人は示し合わせ、甲斐が恭子を襲ったため、生方や他の男たちが甲斐を痛めつけたのだと話す。しかし杉下、甲斐がむやみに人を襲うような男ではないことを知っていた。甲斐の言葉にあった鈴の音に、ヒントがあると杉下はにらむ。またまろく庵の住人の男たちは、前科がある者ばかりだった。刑事部長内村と参事官中園は、そ知らぬ顔で彼らに捜査を続けさせる。

峯秋はこの事態を憂える。その後甲斐の記憶はわずかに戻って行った。病室に来たのが坂口であることもわかり、また、自分が襲い掛かった人物が、恭子であることも明らかになる。また、真智子が甲斐を車に乗せて通報したことも明らかになったが、どう考えても真智子だけで甲斐を車に乗せるのは難しかった。恐らくこれは真智子と恭子が2人で乗せて、恭子が後部座席で、甲斐の様子を見ていたと考えられた。

途中甲斐は正気付くが、まだ暴行が続いていると思い、目の前の恭子に反射的に飛びかかった。このせいで恭子の髪が甲斐の手に絡みつき、首を絞めた後が残った。しかしこの騒ぎでハンドルを切り損ねた真智子は、車をぶつけ、そのはずみで甲斐は頭を打って昏倒したのである。しかし、なぜまろく庵の住人たちは、その事実を隠したかったのか。それは甲斐が、彼らの触れられたくない秘密に触れたためだった。

表向きは伏木田辰也はガンで闘病生活を送り、入院せず医師の往診を受け、半年前に死亡して、死亡後は内々で葬儀を済ませたことになっていた。実際、やせ衰えた彼の姿を目にした者もいた。この推理を話す杉下に、それは空想だと生方。そこへ角田が現れ、往診した医師も、葬儀を執り行った葬儀屋や僧もいないことがわかる。実は彼は多くの人々の死を嘆き、即身仏となるべく体から脂肪をそぎ落とし、地中の棺に入って、まだ生きている証に鈴を鳴らしていたのである。

甲斐はキノコ狩りに来て、たまたまその鈴の音を耳にし、空気を送り込む空洞の竹筒を見つけて、不審に思っているところを生方に見られた。まろく庵で彼は、個人としては理解するが、違法行為であると話す。これは杉下も同じことを言った。そして庵の住人たちは、このままではまずいと思い、彼を半殺しの目に遭わせたのである。この件で住人たち全員が、事情聴取を受けることになった。一方甲斐は、順調に回復して行った。

そんな彼の病室を、和服姿の老人が訪れた。その老人は即身仏になった伏木田辰也だった。しかし甲斐はそもそもこの人物に会っておらず、その時まで写真を見たこともなかった。それは幽霊ではないかという杉下。その後杉下が花の里にいると、峯秋がやって来た。息子に取って、これは潮時ではないかと話す峯秋に、杉下は、甲斐が仕事に復帰する意志であることを伝える。

その後例の森を二人が訪れるが、伏木田辰也が入定した場所は甲斐にもわからなかった。探し回る2人の前に真智子が現れ、甲斐に謝罪する。その場所の目印になるような物はすべて外したと真智子。そして、3年3か月後に掘り起こすので、その時にまた会いたいと告げて去って行く。杉下は、恐らくその時まで遺体は見つからないだろうと言った。

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この2つのエピで、伏木田辰也の娘、真智子を演じているのが、『風林火山』の由布姫役の柴本幸さんです。1シーズンに1度は出て来る、山間の村で起こる事件的な内容ですが、なかなかシリアスでもあり、何やら奇々怪々たるものもありました。ところでまろく庵の住人、生方を演じていたのは山本學さんですが、こちらは『直虎』の甚兵衛のような善良そうな人間ではなく、何やら複雑なものを抱えて生きる人物といった雰囲気がありました。

[ 2017/07/04 23:45 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

『相棒』第5シーズン第4話「悪魔への復讐殺人」

先月に直虎と風林火山と相棒、それぞれの作品の高橋一生さんという記事を投稿していますが、これに登場する「悪魔の囁き」の続編です。村木重雄に影響されて人を殺めた、高橋さん演じる安斉直太郎が、今度は自分が殺されるはめになります。

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精神科医、内田美咲の助手として、村木重雄のカウンセリングを行ううちに、彼に感化され、女性を殺しては片方の耳のピアスを奪うという凶行を繰り返していた安斉直太郎が、腹部を鋭利な刃物で刺されて殺害された。この安斉は、杉下と亀山によって逮捕され、精神鑑定の結果、刑事責任能力なしと判断されて不起訴になっていた。

しかしこれに、被害者の遺族をはじめ世間の批判が相次ぎ、安斉は検察によって強制入院させられていた。この事件は、退院が検討され、看護師と共に外出訓練をしていた矢先に起きたものだった。また、付き添いの看護師である堀切真帆も負傷していた。犯人に、外出訓練のことを知らせたのは誰なのか。

被害者の遺族の父親である、末次が警視庁に自首してきたが、証言は何ら体をなさないものだった。しかも看護師の堀切は、犯人の顔は見ていないらしい。末次が堀切から外出訓練のことを聞いたとも考えられるが、堀切と末次の接点がどこにあるのかは不明だった。

杉下と亀山の取り調べは難航する。そんな時2人は、内田美咲と再会する。彼女は、実は末次の治療を担当していたのだった。末次は、娘を殺されて精神面で不安定になり、安斉の人物像を知りたがっていた。内田は、安斉が犯罪に手を染めていたのを見抜けなかった、自身の責任を感じていた。

内田が提出した診療記録により、末次もまた責任能力なしで不起訴処分になりそうだった。しかしこれは、不起訴とすることで、内田が安斉への監督不十分を逃れるための策とも取れた。しかしもし末次が犯人だった場合、だれが情報源であるかが問題だった。2人は、内田が安斉の外出訓練予定を知っていたことを突き止め、彼女が教えたのではないかと問うが、内田は小さく笑っただけだった。

亀山の妻美和子も、この問題を取材しており、ケガが治って京都の実家にいる堀切に会いに行く予定だった。美和子が自分のと一緒に作った弁当を、杉下の隣でほおばっていた亀山が、ふとこのことを洩らし、亀山は杉下と共に京都へ向かうことになった。かつて堀切が勤務していた、関西の病院での訪問看護のリストに、牧百合江の名を2人は見つける。この人物もまた娘の死で精神を病んでいた。

しかも堀切は東京勤務となってからも、しばしば牧に接触していた。その際に、安斉が悔い改め、治療に励んでいることを話した結果、牧が犯行に及んだのだった。牧は再び自殺をはかっていたが、
一命を取り留め、逮捕となった。

その後内田の前に、杉下が姿を現す。そして亀山、堀切もやって来た。堀切は言う。
「安斉さんは優しい人でした」
牧百合江のことを話した時、安斉はできるだけ一緒にいて、一人にしてはいけないと堀切に忠告していた。それは医者としての言葉なのか、加害者としてのそれなのかと問う堀切に、安斉はこう言った。

「医者としての診断なのか、加害者としての言葉なのか、今の僕にはわかりません」

安斉の件で責任を感じ、職を辞そうとする内田に、杉下はこう言う。
「もう二度とこんな事件は起こさない。そういう気持ちで、続けることはできないんですか」

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いきなり刺される安斉。そして、安斉を殺したと自供する末定、実際に手を下した牧もまた精神を病んでおり、最終的には、美和子の精神鑑定に関する記事を、亀山が読むところで終わります。誰が犯人であるかをはっきりさせるというよりは、精神面でのハンディと、精神鑑定の何たるかを前面に押し出したエピソードといえます。
しかしこの中の

「医者としての診断なのか、加害者としての言葉なのか、今の僕にはわかりません」

は、安斉という人物の二面性を表す言葉として、なかなか示唆的でもあります。
一方大河で小野但馬守が、主である直虎を諫める時に

「目付としての忠告なのか、幼馴染としての言葉なのか、今の私にはわからない」

と言ってもおかしくなさそうですし、実際この2人とも、どちらともつかない微妙な立場に立たされているといえます。『直虎』の場合も、結局誰が彼の失脚の糸口を作ることになるのか、はなはだ曖昧模糊としそうです。

[ 2017/05/19 23:30 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

相棒第7シーズン最終話「特命」

以前書いていましたが、『おんな城主 直虎』井伊直平役の前田吟さんと、新野左馬助役の苅谷俊介さんがゲスト出演している、第7シーズン最終話「特命」についてです。ざっと内容を書いておきます。

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特命にある絵が届けられる。白黒の2色でその絵に描かれたものは、どう見ても殺人場面にしか見えなかった。当時相棒不在だった杉下右京は、単身、その絵の送り主が住む馬頭刈(まずかり)村に出かける。その絵は、彼女の弟で、サヴァン症候群の毅一が描いたものだった。毅一は見たものを写真のいおうに正確に記憶し、それを再現することができた。しかし今まで描いたものは動物ばかりで、人物を描いたことは一度もなかった。

その頃警視庁では、新相棒の神戸尊が出勤していた。彼は、杉下の動きを監視する役目を帯びていた。ところが特命に杉下の姿はなく、自らも杉下が向かった馬頭刈村に車を走らせる。しかし村の入り口で、道に横になっている男を見る。注意したものの気になった神戸は、その男を家まで連れて行った。それは村長の小池源一の息子、福助だった。母親が最近死んで、自暴自棄になっていると話す源一だが、神戸の電話の内容を聞いて表情を変える。

旅館で杉下との初対面を果たす神戸。どこか風変わりなこの男は、聖書のセールスマンという触れ込みで村に来ていた。一方源一は、住職の法春や弟の晋平に、本庁の警察官が、自分たちを嗅ぎまわっていることを打ち明ける。源一の亡くなった妻貞子は心臓が弱く、表向きは病死ということになっていた。ただ、村の医師舟木によると、検死の際も源一は貞子のそばから離れようとしなかった。よほど愛していたのだろうと話す舟木。

杉下は、村の中を独自に捜査し始めた。実はその前に米沢守を呼び、事件が起こったと思われる掘立小屋に行ってみたが、床板が張り替えられていた。明らかに証拠隠滅のためであった。そんな杉下を好奇の目で見る神戸。そこへ晋平がやって来て、自分たちの関与について否定する。しかし晋平はその夜、怯えたように走って来た毅一をこの近くで保護していた。毅一は毎晩、「お供えをする」目的で森へ出かけていたが、この時は何か恐ろしいものを見たようだった。

杉下の捜査に関して、村の駐在を通して本庁に連絡が入る。捜一トリオがやってくるが、杉下が捜査を止めることはなかった。一方毅一の姉直弓も、子供の頃から世話になった源一たちを敵視するような行動を、法春から諫められていた。源一や法春、晋平たちは、絵はあくまでも毅一の妄想だと主張する。そして掘立小屋を取り払ってしまい、私有地につき立ち入り禁止との立札を立てた。しかし杉下は、源一の息子福助が事業を立ち上げては失敗していた事実をつかむ。

つまりこの絵は、源一と貞子の無理心中を描いたものだった。事業の借金が返済できない福助に、自分たちが無理心中することで、金を残そうとしたのである。免責期間中の自殺はできないが、無理心中ならどうにかなるという判断で、源一は例の小屋でまず貞子を包丁で殺し、自分も首を吊ろうとしていたが、法春や晋平に止められたのだった。源一が片時も貞子のそばを離れなかったのは、病死ということにするため、致命傷を隠す必要があったからだった。

また毅一が描いたのは、その場にいたネズミであり、源一たちはいわば背景に過ぎなかった。杉下たちは福助を使い、源一に罪を白状させてしまう。そんな折、毅一が行方不明になる。小屋がなくなり、立札が立てられたことから、いつもの感覚が失われ、降ってきた雨をよけようとして岩から落ち、骨折したのだった。直弓は毅一を一度は見つけるものの、結局雨の中に弟を放置してそのまま戻ってこなかった。

これがもとで毅一は死んでしまうが、その前に描き残した直弓の表情は、明らかに「ごめんね」という時の表情だった。直弓が保護者としての責任を放棄したわけで、絵だけで証拠になるかどうかは疑わしかったが、杉下は、これから一生彼女は後悔し続けることになると話す。その後神戸は先に本庁に戻り、杉下は花の里で一人飲んでいたが、そこへ小野田がやってくる。ふたりの会話は、新相棒である神戸についてのことだった。

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神戸の運転が荒いという杉下。長年連れ添った初代相棒の亀山薫に比べれば、どこかクールで、また内情偵察の任務も帯びている彼は、全く違ったタイプでした。しかも左遷により特命に配置されたわけですが、その左遷がどのような理由であったかは、最近明らかにされています。
しかし源一役の前田さんと法春役の苅谷さんが実に善人キャラです。大河で善人の役どころなのも納得です。そして小野但馬守が神戸君風であるといえます。しかし、子供のために命を賭する親、その一方で、障害のある弟を置き去りにした姉、何とも切ないものを感じさせます。

[ 2017/04/14 01:00 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)

相棒2015元日スペシャル「ストレイシープ」その5

『相棒』シーズン13の元日スペシャル「ストレイ・シープ」の最終編です。そういえば、またお正月スペシャルが放送されますね。
そして2017年は、2月に劇場版が公開されます。

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荒井は山荘で、杉下と向き合っていた。杉下は椅子に縛られたまま、あれが数十年に一度花が咲く木ですかと、黄色い花に目をやる。それは悟巳が、数十年前に花をつけた時に、目にしたのと同じ花だった。その頃山荘は警察関係者に包囲されていた。迷い出ても探してもらえる杉下を羨む荒井と、自分には相棒がいるからと答える杉下。その中には、警視庁の敏腕スナイパーである警部補の日野もいた。

荒井は、飛城が顔を知られていないことから本人になりすまし、復讐代行をすることにした。やはり生き残った悟巳も、そのことを理解はしたが、殺人だけは許さなかった。その悟巳がなぜ自殺したのか、それは彼女が杉下に、勘違いによって恋人が自殺した気持ち、藤井が恋人を失ったのと同じ気持ちを味あわせたいと考えたからであり、そのため月本幸子との関係を誤解して死んだという設定になっていた。しかし悟巳の自殺そのものと遺書には、いささか乖離する点もあった。

実は悟巳は、復讐目的で近づいた杉下に恋をしたのだった。そのためそれ以上騙すことができなくなっていたのである。また、ダージリンとアールグレイのブレンドに毒を溶かして飲んだはずなのに、実際に彼女が毒を入れたのは、違う茶葉を淹れたものだった。しかもダージリンとアールグレイのブレンドのシミが、部屋のカーペットに残っていた。服毒自殺をしようとした悟巳を、荒井が止めたのだった。

悟巳が自分を愛していたと口にする杉下。荒井はそれに激昂する、彼も悟巳を愛していたからだった。しかしそれは、杉下が荒井に、自殺を止めさせるための手段だった。銃を突き付ける荒井を、日野の銃が狙い、そして外れた。関係者が一斉に山荘へ入り、犯人たちの身柄を拘束した。その後杉下は取り調べ中の荒井に会う。彼はそこで初めて杉下に本名を名乗り、悟巳を知る者同士話したくて山荘に読んだことを打ち明ける。間違いなく、悟巳の葬儀に来ていたあの荒井だった。杉下は、彼女を愛していたのかと問うが、荒井は黙っていた。

罪を償うことこそ、生き残った意味だと荒井に告げて去る杉下。その一方で杉下は、参事官の中園が、なぜ特命を捜査に参加させたかを不思議がっていた。実は中園は、妻から「キャリアを危険にさらす事件」の予言を受け、それに対抗できるのが杉下しかいないと考えたのである。また、荒井に捕らえられていたと思われていた悦子は無事だった。単に携帯を落としていただけだったのである。携帯はすぐに見つかると言う杉下。また橘高は、警視庁広報の社美彌子によって、女性のためにすべてを捨てた英雄扱いになっていた。

杉下は、悟巳と初めて会った店で、アールグレイとダージリンのブレンドを啜りながら、悟巳が自殺前に認めた手紙に目を通していた。それには彼女の真意、つまり復讐のために近づきながら、愛してしまったこと、それが初恋だったこと、そして、杉下といる時間がかけがえのないものである、それゆえに果たせなかったことが綴られていた。しばらくして杉下は席を立ち、雪がちらつき始めた街を、甲斐や悦子、そして月本幸子が待つ花の里へ向かった。花の里には新しい年の干支にふさわしく、羊の親子の置物が飾られていた。

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スペシャルらしく結構複雑な内容ですが、この中で『シャーロック・ホームズ』と共通する部分が出て来ます。飛城という男が、樹海で荒井に動脈瘤について打ち明け、その後話をする場面、これは『緋色の研究』の、ジェファーソン・ホープの告白とそっくりです。
また『真田丸』に出演した平岳大さん、村上新悟さん、寺島進さんが、それぞれ荒井良一、バイクを走らせていた実行犯越本、そして日野警部補の役で登場です。この日野警部補がとにかく格好いいと言っておきます。
それと数十年に一度、黄色い花をつける植物というのは、リュウゼツランと考えられます。この植物は開花を迎えると丈が高くなり、黄色の塊状の花をつけますが、このドラマのはそれとは若干違うことから、架空の花なのかもしれません。

[ 2016/12/31 01:15 ] ドラマ 相棒 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

aK

Author:aK
まず、一部の記事関連でレイアウトが崩れるようですので修復していますが、何かおかしな点があれば指摘していただけると幸いです。それから当ブログでは、相互リンクは受け付けておりませんので悪しからずご了承ください。

実は『いだてん~東京オリムピック噺~』を観なくなったので、再び『西郷どん』復習の投稿をアップしています。関連文献もまた読もうかと考えていますし、BSで再放送中の『葵 徳川三代』の再放送も観ています。そしてパペットホームズの続編ですが、これは是非とも三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、『相棒』をはじめとする刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、いよいよ日本でのワールドカップの年です。今季は代表下部チームとの兼ね合いもあり、スーパーラグビーでは今一つでしたが、ワールドカップでのベスト8成るでしょうか。

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